本願発明に係るバッチ製造装置の一つの実施の形態を、図1乃至図9に基づいて説明する。図1は、本願発明に係るバッチ製造装置の全体斜視図である。図2は、図1の動きを説明する全体斜視図である。図3は、図1の動きを説明する全体平面図である。図4は、図1の全体断面側面図である。図5は、第1の受け型を示す全体正面断面図である。図6は、図5の動きを説明する全体正面断面図である。図7は、第2の受け型を示す全体正面断面図である。図8は、図7の動きを説明する全体正面断面図である。図9は、バッチ製造装置の要部拡大斜視図である。
バッチ製造装置1は、略円形の表面板202と該表面板202より下方に延在する周縁203を有する表蓋201と、略円形の裏面板206と該裏面板206より上方に延在する周縁209を有する裏蓋205とからなり、該裏蓋205の周縁209と該表蓋201の周縁203が当接するようにして、裏蓋205に表蓋201を嵌着したバッチ200を製造する。
当該バッチ製造装置1は、基台2と、基台2の上面に往復動可能に設けられた摺動台100と、摺動台100の往復方向両側に配置された第1と第2の受け型110,140と、基台2の上部に支柱16,17を介して固定された固定部材20と、固定部材20に設けられた上下方向に移動可能な押圧軸30と、押圧軸30の下端に設けられ、前記第1の受け型110と第2の受け型140に接合してバッチ200を製造する押圧型40と、押圧軸30を操作する操作手段32とからなる。第1の受け型110及び第2の受け型140は、摺動台100に着脱自在に取り付けられる取付部材191に設けられている。押圧型40は、押圧軸30の下端に磁力によって着脱自在に取り付けられている。
バッチ製造装置1は、前記表蓋201の表面板202上にシート体213を載置し、該裏蓋205の周縁209と該表蓋201の周縁203との間で前記シート体213の周縁
を挟持するようにして、裏蓋205に表蓋201を嵌着したバッチ200を製造する。
前記第1の受け型110は、表蓋201を載せる第1の載置台111と、第1の載置台111の周囲に設けられ、シート体213を載せる案内台125とで構成され、案内台125は弾性部材113により上方に付勢されるようにして上下移動自在に設けられている。第2の受け型140は、裏蓋205を載せる第2の載置台141と、第2の載置台141の周囲に設けられ、シート体213の周縁を表蓋201の周縁203と裏蓋205の周縁209に挟み込むようにして、表蓋201の周縁203を裏蓋205の周縁209側に折曲させる加工台155とで構成され、加工台155は弾性部材156により上方に付勢されるようにして上下移動自在に設けられている。
押圧型40は、押圧型本体40Aと、外層枠42と、外層枠42内に設けられ、外層枠42より浅い内層枠51とからなり、外層枠42及び内層枠51は、磁力によって押圧型本体40Aに着脱自在に取り付けられている。押圧型本体40Aには、磁力によって取り付けられている外層枠42および内層枠51を、磁力に抗して脱離させる脱離手段26が設けられている。さらに押圧型40には、第1の受け型110又は第2の受け型140の位置に応じて、押圧軸30が軸方向下方に移動し始めた際に、外層枠42、内層枠51の各々が下方へ移動し始めるタイミングを切り替える切替部材80が設けられている。すなわち、切替部材80は、第1の受け型110が押圧型40の略真下に位置している時、押圧軸30の下方への移動に伴い、外層枠42と内層枠51を同時に下方へ移動せしめる。
切替部材80は、摺動台100を移動して第2の受け型140が押圧型40の略真下に位置している時、押圧軸30の下方への移動に伴い、まず内層枠51のみを下方へ移動せしめ、押圧軸30が一定距離下方へ移動した後、外層枠42を移動せしめる。このことにより、第1の受け型110を押圧型40の略真下に位置させた時に操作手段32を操作して押圧軸30を下方に移動させると、外層枠42と内層枠51は同時に下方に移動し始め、外層枠42は第1の受け型110の案内台125と接触して案内台125を弾性部材113の弾性に抗して押し下げ、表蓋201の周縁203に沿ってシート体213を折り曲げる。
また、第2の受け型140を押圧型40の略真下に位置させた時に操作手段32を操作して押圧軸30を下方に移動させると、まず内層枠51が下方に移動し始め、押圧軸30が一定距離下方へ移動した後外層枠42が移動し始める。さらに押圧軸30を下方に移動せしめると、外層枠42と内層枠51がともに第2の受け型140の加工台155と接触して加工台155を弾性部材156の弾性に抗して押し下げ、シート体213の周縁を表蓋201の周縁203と裏蓋205の周縁209に挟み込むようにして、表蓋201の周縁203を裏蓋205の周縁209側に折曲させる。
上記シート体213は、透過性を有する素材で形成され、当該シート体213と前記表蓋201の表面板202との間に、文字、絵柄、模様若しくはこれらが結合したものの表示が印刷された模様紙211を置いても良い。
上記押圧軸30は、固定部材20に設けられた雌ねじ部25に螺合して軸方向に移動可能な雄ねじ部33を有し、下端に押圧型40が回動自在に設けられ、上部に操作手段として操作ハンドル32が設けられているようにしても構わない。なお、雄ねじ部33は、押圧軸30が上方に移動して押圧型40が固定部材20に当接する前に固定部材20の雌ねじ部25から外れて押圧軸30が空回りするように形成されている。
バッチ製造装置1についてさらに詳細に説明するが、その前にバッチの実施の形態を図
10乃至図19に基づいて説明する。図10は、本願発明に係るバッチ示す全体分解斜視図である。図11は、図10の組立全体斜視図である。図12は、図11の側面断面図である。図13は、本願発明に係る装着手段の一つの実施の形態を示す斜視図である。図14は、図13の装着手段に止着ピンを取り付けた状態を示す斜視図である。図15は、図14の装着手段を裏蓋に取り付けたバッチ全体の側面断面図である。図16は、本願発明に係る装着手段の他の実施の形態を示す斜視図である。図17は、挟着板を取り付けた図16の装着手段を裏蓋に取り付けたバッチ全体の側面断面図である。図18は、本願発明に係る装着手段の他の実施の形態を示す斜視図である。図19は、磁性板を取り付けた図18の装着手段を裏蓋に取り付けたバッチ全体の側面断面図である。
バッチ200は、周縁209が上方に向く裏蓋205と、周縁203が下方に向く表蓋201と、装着手段220とからなる。裏蓋205は、表蓋201の周縁203が折曲されて表蓋201に取り付けられており、略中心に取付孔207が形成されている。装着手段220、230、240は、衣服、帽子、バック等の被装着物に装着できるものであって、前記裏蓋205の取付孔207に回動自在に取り付けられる取付軸221、231、241が設けられている。
さらにバッチについて説明する。バッチ200は、図11に示すように、本体200aと装着手段220とからなる。本体200aは、表蓋201と、裏蓋205と、模様紙211と、シート体213とからなる。表蓋201は、加工前において、湾曲した表面板202を有し、周縁203が表面板202に対し下方に向かって略直角に折曲されている。裏蓋205は、加工前において、装着手段220を取り付ける取付孔207が形成された裏面板206を有し、周縁209が裏面板206に対し上方に向かって略直角以上に折曲され、裏面板206に円形の凹部208が形成されている。
模様紙211は、円形の紙であって、雑誌等の切り抜きであっても構わない。シート体213は、透過性を有する薄い合成樹脂素材で形成されている。なお、シート体213に直接、文字、絵柄、模様若しくはこれらが結合したものの表示を印刷しても構わない。係る場合には、模様紙がなくても良い。バッチ本体200aは、表蓋201の上面に模様紙211とシート体213が重ね合わされ、模様紙211とシート体213の周囲が表蓋201の周縁203と裏蓋205の周縁209に挟み込まれるようにして、表蓋201の周縁203が折曲されて構成されている。取付孔207の周縁には、内側に向かって一対の係止爪210,210が突設形成されている。
装着手段220は、図13乃至図15に示すように、基板222と、基板222の表面223に形成された略L字状の係止部225と、基板222の裏面226略中央に突設形成された取付軸221とからなり、合成樹脂によって一体成形されている。装着手段220は、係止部225に止着ピン229が取り付けられ、取付軸221が裏蓋205の取付孔207に差し込まれて、裏蓋205の凹部208に嵌合するようにして取り付けられている。取付軸221は、取付孔207に差し込むと、取付孔207の周縁に形成された係止爪210,210に係止される。
装着手段230は、図16、17に示すように、基板232と、基板232の表面233略中央に形成された一対の略U字状の軸受け片234,234と、基板232の裏面235略中央に突設形成された取付軸231とからなり、合成樹脂によって一体成形されている。装着手段230は、一対の軸受け片234,234の間に支軸236を介して挟着板237が回動自在に取り付けられ、バネ等の弾性部材238によって挟着板237の一端237aが基板232の裏面235圧接している。
即ち、挟着板237は、前記一対の軸受け片234,234間に介装される一対の略U
字状の軸受け片239,239を有し、一対の軸受け片234,234間と一対の軸受け片239,239に支軸236が挿通され、基板232に回動自在に取り付けられている。取付軸231が裏蓋205の取付孔207に差し込まれて、裏蓋205の凹部208に嵌合するようにして取り付けられている。取付軸231は、取付孔207に差し込むと、取付孔207の周縁に形成された係止爪210,210に係止される。
装着手段240は、図18、19に示すように、基板242と、基板242の裏面243略中央に突設形成された取付軸241とからなり、合成樹脂によって一体成形されている。装着手段240は、基板242の表面245に磁性板246が接着剤により取り付けられ、取付軸241が裏蓋205の取付孔207に差し込まれて、裏蓋205の凹部208に嵌合するようにして取り付けられている。取付軸241は、取付孔207に差し込むと、取付孔207の周縁に形成された係止爪210,210に係止される。
バッチ製造装置1について詳細に説明する。基台2は、合成樹脂によって一体成形され、上壁3と、上壁3の周縁に形成された湾曲した周壁5とからなり、上壁3には前後方向に延びる略コ字状のガイド溝6が形成されている。ガイド溝6は、底壁7と、側壁9,10とからなり、側壁9,10の上部にガイド突起9a,10aが形成されている。また、基台2の上壁3裏面略中央には、ガイド溝6を挟んで、ガイド溝6と直交する方向(左右方向)両側に、ガイド溝6の底壁7と略同じ高さのボス11,12が形成されている。ボス11,12には、上壁3まで延びる挿通孔11a,12aが形成されている。
基台2のガイド溝6の底壁7には、ガイド溝6と直交する方向(左右方向)に断面略コ字状の補強部材15が設けられている。この補強部材15は、鋼材で形成されている。補強部材15は、ボス11,12と当接し、ボス11,12の挿通孔11a,12aと同じ位置となる両側に穴15a,15bが形成されている。基台2には、断面が略円状の支柱16,17が立設されている。支柱16,17は、鋼材で形成されている。
一方の支柱16は、下部に形成された雄ねじ部16aがボス11の挿通孔11a及び補強部材15の穴15aに挿通されてナット18によって締め付けられて、ボス11及び補強部材15に略垂直に固定されている。他方の支柱17は、下部に形成された雄ねじ部17aがボス12の挿通孔12a及び補強部材15の穴15bに挿通されてナット19によって締め付けられて、ボス12及び補強部材15に略垂直に固定されている。
基台2の上部には、支柱16,17を介して断面略H状の固定部材20が略水平に固定されている。固定部材20は、ポリカ−ボネート等の耐久性、耐摩耗性のある硬質合成樹脂素材によって一体成形されている。一方の支柱16は、上部に形成された雄ねじ部16bが固定部材20の一方に形成された穴20aに挿通されてナット21によって締め付けられて、固定部材20を固定している。他方の支柱17は、上部に形成された雄ねじ部17bが固定部材20の他方に形成された穴20bに挿通されてナット22によって締め付けられて、固定部材20を固定している。
固定部材20は、略中心に逆三角状の肉厚部23が形成され、この肉厚部23に雌ねじ部25が形成されている。押圧軸30は、ポリカーボネート等の耐久性、耐摩耗性のある硬質合成樹脂素材によって一体成形されており、固定部材20に設けられた雌ねじ部25に螺合して軸方向に移動可能な雄ねじ部33が形成され、下端に押圧型40が回動自在に設けられ、上部に操作手段として操作ハンドル32が設けられている。
雄ねじ部33は、図5に示すように、押圧軸30が上方に移動して押圧型40が固定部材20に当接する前に固定部材20の雌ねじ部33から外れて押圧軸30が空回りするように形成されている。即ち、押圧軸30の下部には、雄ねじ部33が形成されていない欠
ねじ部34が設けられている。操作ハンドル32は、略中心に矩形状の取付穴が形成され、この取付穴を押圧軸30の上部に形成された矩形軸に嵌着して、押圧軸30の上部に取り付けられている。
押圧軸30の下端には、後記第1の受け型110又は第2の受け型140と接合する押圧型40が設けられている。押圧型40は、押圧型本体40Aと、外層枠42及び内層枠51とからなる。押圧型本体40Aは、板状に形成された上下摺動部材41を有し、この上下摺動部材41の上面略中心に円状突起40Bが形成され、上下摺動部材41の下面略中心に円形凹部40Cが形成されている。
また、上下摺動部材41の略中心には、円状突起40Bの略中心と円形凹部40Cの略中心を連通する開口40Dが形成されている。さらに上下摺動部材41の下面には、円形凹部40Cの中心を略中心として、環状のガイド壁40Eが突設形成されている。上下摺動部材41の下面であって、環状のガイド壁40E内には、磁力を有する環状の磁性体87が取り付けられている。この磁性体87は、磁石、磁性ゴム等の磁性部材によって形成されている。
押圧軸30は、欠ねじ部34の下部に押圧部60が形成されている。押圧部60は、前記開口40Dと略同じ径で形成され、開口40Dに挿通できるようになっている。すなわち、押圧部60が開口40Dに挿通することにより、押圧軸30は押圧型本体40Aに対して相対的に下方に移動可能となっている。また、押圧軸30が下方に移動して、欠ねじ部34の上部に形成されたフランジ部65が開口40D周縁に当接するところまで押圧部60が開口40Dに挿通されると、押圧軸30はそれ以上押圧型本体40Aに対して相対的に下方に移動できなくなり、押圧軸30と押圧型本体40Aは一体として下方へ移動する。押圧部60の下部は押圧軸30の半径より若干半径の小さい円柱状に形成することにより係合凹部57が設けられている。
押圧軸30の下端、すなわち、押圧部60の下部に設けられた円柱状の係合凹部57の端部には、装着部材77がネジ69によって回動自在に取り付けられている。装着部材77は、前記押圧型本体40Aの円形凹部40Cに嵌脱自在に設けられ、上面に円形突起78が形成され、下面周縁に環状のガイド突起79が形成されている。円形突起78は、前記開口40Dと略同じ径で形成され、開口40Dに挿通できるようになっている。したがって、装着部材77は押圧軸30とともに下方へ移動し、押圧軸40の押圧部60が開口40Dに挿通した場合、当該挿通した距離だけ押圧型本体40Aから相対的に下方に移動可能である。また、装着部材77は、下面略中央に凹部74が形成され、この凹部74内に前記ネジ69の頭部が収納されている。装着部材77の下面であって、環状のガイド突起79内には、磁力を有する円板状の磁性体88が取り付けられている。この磁性体88は、磁石、磁性ゴム等の磁性部材によって形成されている。
外層枠42は、リング状に形成され、下端が環状の押圧部50となり、上面に収納凹部45が形成され、当該収納凹部45内に鉄等の強磁性体によって形成された磁性体46が取り付けられている。外層枠42は、装着部材77のガイド突起79に案内され、押圧型本体40Aの下面に取り付けられた環状の磁性体87に磁性体46が吸着して取り付けられている。なお、磁性体87が鉄等の強磁性体であって、磁性体46が、磁石、磁性ゴム等の磁性部材であっても構わない。
内層枠51は、外層枠42内に設けられ、外層枠42より浅くなっている。内層枠51は、下面に湾曲部52が形成され、湾曲部52の周縁に後記バッチの表蓋201の周縁203と当接する当接縁53が形成されている。内層枠51は、上面に収納凹部55が形成され、当該収納凹部55内に鉄等の強磁性体によって形成された磁性体56が取り付けら
れている。内層枠51は、装着部材77の下面に取り付けられた磁性体88に磁性体56が吸着して取り付けられている。なお、磁性体88が鉄等の強磁性体であって、磁性体56が、磁石、磁性ゴム等の磁性部材であっても構わない。
上下摺動部材41は、板状に形成され、左右方向両端に前記支柱16,17に摺動自在に案内される案内孔71,72が設けられ、この案内孔71,72により上下方向のみ移動できるように案内される。上下摺動部材41の一方端には、これの位置を確認できるようにするための指示板が一体に形成されている。さらに押圧型40には、第1の受け型110又は第2の受け型140の位置に応じて、押圧軸30が軸方向下方に移動し始めた際に、外層枠42、内層枠51の各々が下方へ移動し始めるタイミングを切り替える切替部材80が設けられている。
押圧型40、即ち上下移動部材41の円状突起40Bには、軸受け部75が形成され、この軸受け部75に切替部材80がネジ76によって回動自在に取り付けられている。切替部材80は、軸受け部75にネジ76によって回動自在に取り付けられるボス部81と、ボス部81に設けられた第1のアーム部材82と、第1のアーム部材82に設けられ、前記押圧部60の係合凹部57に係合可能な半環状の係合部83と、第1のアーム部材82と略反対側のボス部81の位置に設けられた第2のアーム部材85とからなり、第2のアーム部材85には長穴状の係合溝86が形成されている。
一方の支柱16には、揺動部材90が押圧型40と共に上下動するようにして、揺動自在に設けられている。揺動部材90は、支柱16に取り付けられるボス部91と、ボス部91の一側に設けられた腕部92と、ボス部91の他側に設けられたバネ受けフック93とからなる。腕部92には、係合軸95が略垂直に設けられている。係合軸95は、上部95aが前記切替部材80の係合溝86に係合し、下部95bが上下移動部材41に形成された長穴44から突出し、下部95bに係合杆98が設けられている。
上下移動部材41の後部には、バネ受けフック96が設けられ、このバネ受けフック96と揺動部材90のバネ受けフック93の間にバネ97が介装され、このバネ97の弾性により、揺動部材90を介して、切替部材80の係合部83が押圧部60の係合凹部57に圧接係合している。固定部材20と押圧型40との間の支軸16,17には、コイルスプリング状の弾性部材35,36が設けられ、この弾性部材35,36によって押圧型40(上下摺動部材41)が下方に付勢され、押圧軸30の雄ねじ部33が固定部材20の雌ネジ部25に螺合する方向に加圧されている。
押圧型本体40A、具体的には上下摺動部材41には、磁力によって取り付けられている外層枠42を、磁力に抗して脱離させる脱離手段26が設けられている。脱離手段26は、円状突起40Bに略垂直に形成されたガイド孔37に摺動自在に設けられた押出杆27と、押出杆27の上端に設けられた操作釦28と、円状突起40Bと操作釦28間に設けられ、押出杆27に巻装されて押出杆27を上方に付勢するバネ状の弾性部材29とからなる。
基台2のガイド溝6には、摺動台100が往復動可能に設けられている。摺動台100は、底壁105と、底壁105の前端に設けられた前壁101と、底壁105の後端に設けられた後壁103と、底壁105の左端に設けられた左壁106と、底壁105の右端に設けられた右壁107とからなる。前壁101には、摘み102が設けられ、後壁103には、摘み104が設けられている。
左壁106と右壁107には、ガイド溝6の側壁9,10に形成されたガイド突起9a,10aに摺動自在に係合する係合縁106a,107aが形成され、摺動台100は、
基台2の前後方向のみ摺動するようになっている。また、左壁106には、前記係合軸95の係合杆98と係合する前係合壁99aと後係合壁99bが形成されている。右壁107には、後記係止板172の係止突起175に係止される第1の係止凹部176と第2の係止凹部177が形成されている。
摺動台100の底壁105には、後記詳述する第1の受け型110及び第2の受け型140を備えた取付部材191が着脱自在に取り付けられている。取付部材191は、平板状に形成され、前端縁192が半円状に形成されている。底壁105には、この取付部材191を嵌合する嵌合凹部194を形成する周壁195が形成されている。周壁195の後端には、取付部材191の後端縁193を係合する略L字状の係合部材196が設けられている。また、周壁195の半円状の前縁には、取付部材191の前端縁192をロックするロック片197と、ロック片197と前壁101間に配置され、ロック片197をロックする方向に付勢するバネ状の弾性部材198が設けられている。
前記取付部材191には、摺動台100の往復方向両側に位置するようにして、第1の受け型110と第2の受け型140が設けられている。第1の受け型110は、表蓋201を載せる第1の載置台111と、第1の載置台111の周囲に設けられ、模様紙211とシート体213を重ねて載せる案内台125とで構成され、案内台125は弾性部材113により上方に付勢されるようにして上下移動自在に設けられている。第1の載置台111は、緩やかに湾曲した上壁115と、上壁115の周縁下部に形成された周壁116と、上壁115の下面略中央に形成された筒状の固定軸117とからなる。
第1の載置台111は、周壁116の下部が、取付部材191に設けられた環状のガイド突起118に嵌合し、固定軸117の下端が取付部材191に形成されたボス部119の凹部120に嵌合し、取付部材191の裏面から、取付部材191に形成された透孔に通してネジ122を固定軸117にネジ止めし、取付部材191に固定されている。
案内台125は、環状に形成されており、上部に模様紙211とシート体213を重ねて載せるリング状の載置部126と、載置部126の周縁に形成され、模様紙211とシート体213の周縁を案内する案内壁127が形成されている。この案内台125の案内壁127には、前記外層枠42の押圧部50が嵌合し、押圧部50が載置部126に圧接するようになっている。また、載置部126の内側下面には、第1の載置台111の周壁116に沿って上下摺動する筒部129が形成されている。
さらに案内台125は、前記第1の載置台111の周壁116内を上下動するガイド筒体132を有する。ガイド筒体132は、前記第1の載置台111の固定軸117を摺動自在に挿設する案内孔130を有する。ガイド筒体132の下端と筒部129の下端は、連結片133によって一体的に連結されている。この連結片133は、第1の載置台111の周壁116に上下方向に向かって切り欠かれて形成された長溝135に挿通されている。
前記第1の載置台111の上壁115と案内台125の載置部126は、略同じ高さであり、上壁115と載置部126の間に、表蓋201の折曲された周縁203が差し込める隙間136が形成されている。案内台125は、第1の載置台111の固定軸117に巻装されたスプリング(弾性部材)113によって上方に付勢されている。
第2の受け型140は、裏蓋205を載せる第2の載置台141と、第2の載置台141の周囲に設けられ、模様紙211とシート体213の周囲を表蓋201の周縁203と裏蓋205の周縁209に挟み込むように、表蓋201の周縁203を裏蓋205の周縁209側に折曲させる加工台155とで構成され、加工台155は弾性部材156により
上方に付勢されるようにして上下移動自在に設けられている。第2の載置台141は、円形の凹部142が形成された上壁143と、上壁143の周縁下部に形成された周壁145と、上壁143の下面略中央に形成された筒状の固定軸146とからなる。
第2の載置台141は、周壁145の下部が、取付部材191に設けられた環状のガイド突起148に嵌合し、固定軸146の下端が取付部材191に形成されたボス部149の凹部150に嵌合し、取付部材191裏面から、取付部材191に形成された透孔に通したネジ152を固定軸146にネジ止めし、取付部材191に固定されている。
加工台155は、環状に形成されており、上部に係合段部157が形成され、この係合段部157に金属環159が嵌着されている。この金属環159には、模様紙211とシート体213の周囲を内側に折り込みつつ表蓋201の周縁203と裏蓋205の周縁209に挟み込むようにして、表蓋201の周縁203を裏蓋205に周縁209側に折曲させる傾斜縁160が形成されている。なお、加工台155の上部に、直接傾斜縁160を形成しても構わない。
傾斜縁160の上部には、前記外層枠42の押圧部50が嵌合する凹部161が形成されている。係合段部157の下部には、第2の載置台141の周壁145に沿って上下摺動する筒部162が形成されている。さらに加工台155は、前記第2の載置台141の周壁145内を上下動するガイド筒体163を有する。
ガイド筒体163は、前記第2の載置台141の固定軸146を摺動自在に挿設する案内孔165を有する。ガイド筒体163の下端と筒部162の下端は、連結片167によって一体的に連結されている。この連結片167は、第2の載置台141の周壁145に上下方向に向かって切り欠かれて形成された長溝169に挿通されている。加工台155は、第2の載置台141の固定軸146に巻装されたスプリング(弾性部材)156によって上方に付勢されている。
基台2には、摺動台100の位置決めをするための位置決め部材170が設けられている。位置決め部材170は、ガイド溝6の近傍に設けられ、ねじ173により取り付けられたバネ状の弾性部材178によって圧接された係止板172を有し、係止板172の下面に係止突起175が形成されている。
摺動台100は、前記係止板172の係止突起175に係止される第1の係止凹部176と第2の係止凹部177が形成されている。摺動台100の第1の係止凹部176に係止板172の係止突起175が係止すると、押圧型40の略真下に第1の受け型110が位置し、摺動台100の第2の係止凹部177に係止板172の係止突起175が係止すると、押圧型40の略真下に第2の受け型140が位置するようになっている。
また、第1の受け型110が押圧型40の略真下に位置すると、摺動台100の前係合壁99aが切替部材80の係合軸95の係合杆98に係合して、半環状の係合部83がバネ97の弾性に抗して、軸受け部75を中心として一方に回動し、押圧部60の係合凹部57に係合する。このことにより押圧軸30が下方へ移動しても押圧部60は開口40Dに挿通できなくなるため、押圧軸30が下方へ移動し始めると、装着部材77(および装着部材77に磁力によって取り付けられた内層枠51)と押圧型本体40A(および押圧型本体40Aに磁力によって取り付けられた外装枠42)は同時に下方へ移動し始める。第2の受け型140が押圧型40の略真下に位置すると、摺動台100の後係合壁99bが切替部材80の係合軸95の係合杆98に係合して、半環状の係合部83がバネ97の弾性に抗して、軸受け部75を中心として他方に回動し、押圧部60の係合凹部57から外れるようになっている。このことにより押圧軸30が下方へ移動し始めると、まず押圧
軸30の押圧部60が開口40Dに挿通し、当該挿通した距離だけ装着部材77(および装着部材77に磁力によって取り付けられた内層枠51)を押圧型本体40Aに対して相対的に下方へ移動せしめる。さらに押圧軸W0が下方へ移動し、押圧部60の上部のフランジ部65が開口40D周縁に当接した時、押圧型本体40A(および押圧型本体40Aに磁力によって取り付けられた外装枠42)が下方へ移動し始める。
180は、カバーである。カバー180は、基台2にねじ等によって取り付けられ、摺動台100の摺動を妨げないように前部と後部に第1と第2の開口181,182が形成され、第1の開口181から第1の受け型110が出没し、第2の開口182から第2の受け型140が出没する。このカバー180により、第1の受け型110が押圧型40の略真下、すなわち押圧型40と係合可能な位置に移動したとき第1の受け型110付近への手の侵入が防止され、このとき第2の受け型140は第2の開口182からカバー180の外部に突出するため裏蓋を載置することが可能である。また第2の受け型140が押圧型40の略真下、すなわち押圧型40と係合可能な位置に移動したとき第2の受け型110付近への手の進入が防止される。また、カバー180には、上下摺動部材41の指示板を見ることが出来る長孔が形成され、この長孔から指示板を視ることによって押圧型40の位置を確認することができる。
次に本願発明に係るバッチ製造装置1の作用について説明する。摺動台100の前壁101に設けられた摘み102を摘んで、カバー180の第1の開口181から第1の受け型110を引き出し、表蓋201を第1の載置台111の上壁115に載せると、周縁203が上壁115と載置部126の間の隙間136に入り込むことになる。次に模様紙211の上にシート体213を重ねてから模様紙211を案内台125の載置部126に載せる。さらに第1の受け型110上に外層枠42及び内層枠51を載せる。
前壁101の摘み102を摘んで摺動台100を押し込むと、摺動台100の第1の係止凹部176に係止板172の係止突起175が係止し、押圧型40の略真下に第1の受け型110が位置し、第2の受け型140がカバー180の第2の開口182から突出する。操作ハンドル32を一方に回転すると、押圧軸30が正回転し、弾性部材35,36により雄ねじ部33が固定部材20の雌ネジ部25に螺合し、押圧軸30が下方に移動する。押圧軸30を下方に移動し始めると、押圧軸30の下部に設けられた押圧部60が開口40Dへ挿通しようとするが切替部材80の係合部83によりそれを妨げられるため、押圧軸30の下端に設けられた装着部材77は押圧型本体40Aに対して相対的に下方に移動できず、すなわち、押圧型本体40Aと装着部材77が同時に下方へ移動し始める。押圧軸30がさらに下方へ移動すると、押圧型本体40Aの下面に設けられた磁性体86と外層枠42の上面に設けられた磁性体46が接触し押圧型本体40Aに外層枠42が磁力により吸着される。
さらに押圧軸30が下方へ移動すると、押圧型本体40Aに吸着された外層枠42の押圧部50が、案内台125の案内壁127に嵌合して載置部126に圧接し、案内台125を弾性部材113の弾性に抗して押し下げる。案内台125に重ねて載せられたシート体213と模様紙211の周囲が下方に折り曲げられ、第1の載置台111に載せている表蓋201の周縁203に当接する。さらに押圧軸30が下方に移動することにより第1の載置台111上の内層枠51の上面に設けられた磁性体56に装着部材77の下面に設けられた磁性体88に接触し、装着部材77に内層枠51が磁力により吸着される。このとき、押圧型40の位置は、指示板を視ることによって確認することができる。
操作ハンドル32を他方に回転すると、押圧軸30が逆回転し、雄ねじ部33により押圧軸30が上方に移動する。これに伴って、押圧型40全体が上方に移動し、上下摺動部材41も上方に摺動する。このとき、外層枠42および内層枠51もそれぞれ押圧型本体
40A、装着部材77に磁力により吸着されているため上下摺動部材41とともに上方へ移動する。シート体213と模様紙211の周囲が下方に折り曲げられて周縁203に当接した状態の表蓋201は、外層枠42内に挿設されたまま、上方に引き上げられ、第1の受け型110から引き離される。押圧部60が肉厚部23に接触する直前、押圧軸30の雄ねじ部33が固定部材20の雌ネジ部25から外れるので、押圧軸30は空回りし、押圧型40が上方に移動しなくなり、押圧部60が肉厚部23に圧接することがなく、そのため押圧部60及び押圧型40が壊れることがない。
カバー180の第2の開口182から突出している第2の受け型140の第2の載置台141の上壁143に、周縁209を上に向けて、裏蓋205を載せると、止着ピン229を取り付ける取付部207が凹部142によって保護されようにして、周縁209が加工台155の筒部162の内面に案内されて位置決めされる。
後壁103の摘み104を摘んで摺動台100を押し込むと、摺動台100の第2の係止凹部177に係止板172の係合突起175が係合し、押圧型40の略真下に第2の受け型140が位置し、第1の受け型110がカバー180の第1の開口181から突出する。第2の受け型140が押圧型40の略真下に位置すると、後係合壁99bが切替部材80の係合軸95の係合杆98に係合し、半環状の係合部83がバネ97の弾性に抗して、軸受け部75を中心として回動し、押圧部60の係合凹部57から外れる。
操作ハンドル32を一方に回転すると、前記したように、押圧軸30が正回転し、押圧軸30が下方に移動し始める。すると、押圧軸30の下部に設けられた押圧部60が開口40Dに挿通し装着部材77及び内層枠51を押圧型本体40A荷対して相対的に下方に移動する。このとき、内層枠51の当接縁53が表蓋201の上端縁に当接して表蓋201を外層枠42の下面近傍まで押し下げる。さらに押圧軸30が下方へ移動すると、押圧軸40に設けられたフランジ部65が開口40D周縁に当接することにより押圧型本体40A及び外層枠42が下方へ移動し始める。さらに押圧軸30が下方へ移動していくと、外層枠42は加工台155と当接し、加工台155を弾性部材156の弾性力に抗して押し下げる。それと略同時に内層枠51により外層枠42の下面近傍まで押し下げられたシート体213と模様紙211の周囲が加工台155の傾斜縁160に当接して内側に折り曲げられ、次に表蓋201の周縁203もこの傾斜縁160に圧接する。
さらに押圧軸30が下方へ移動し、加工台155の下端が摺動台100に当接して加工台155が押し下げられなくなる程度まで移動すると、表蓋201の周縁203が傾斜縁160によってさらに内側に折り曲げられ、シート体213と模様紙211の周囲は傾斜縁160および第2の載置台141の周縁によって上方に向かう程度まで折り曲げられる。このとき第2の載置台141上の裏蓋205は、表蓋201にシート体213と模様紙211の周囲を裏蓋205の周縁209と表蓋201の周縁203で挟み込むようにして嵌着され、バッチ本体200aが製造される。
操作ハンドル32を他方に回転すると、押圧軸30が逆回転し、押圧軸30が上方に移動する。これに伴って、押圧型40全体が上方に移動し、上下摺動部材41も上方に摺動する。第2の受け型140には、バッチ本体200aがそのまま載っている。摺動台100の後壁103に設けられた摘み104を摘んで、カバー180の第2の開口182から第2の受け型140を引き出し、第2の受け型140からバッチ本体200aを簡単に取り出すことができる。バッチ本体200aの取付孔207に、前記した装着手段220(又は230、240)の取付軸221(又は231、241)を差し込んで、バッチ200が完成する。
上記バッチ製造装置1は、製造するバッチ200の大きさに合わせて、押圧型40の外
層枠42及び内層枠51、第1の受け型110及び第2の受け型140を簡単に交換することができる。外層枠42は、磁性体87と磁性体46の吸着によって取り付けられているため、この磁力以上の引き離す力を加えることによって押圧型本体40Aから簡単に取り外すことができる。また、図4に示すように、脱離手段26の操作釦28を弾性部材29の弾性に抗して押圧すると、押出杆27の先端が外層枠42の一側を押し下げて磁性体87から引き離し、外層枠42を押圧型本体40Aから簡単に取り外すことができる。同様に、内層枠51は、磁性体88と磁性体56の吸着によって取り付けられているため、この磁力以上の引き離す力を加えることによって押圧型本体40Aから取り外すことができる。
上記バッチ製造装置1は、図9に示すように、製造するバッチ200の大きさを替えるため、前記外層枠42より大きい外層枠42a及び前記内層枠51より大きい内層枠51aを、磁性体87と磁性体88の磁力によって押圧型本体40Aに取り付ける。上記第1の受け型110及び第2の受け型140はともに、摺動台100に着脱自在に取り付けられる取付部材191に設けられているため、より簡単に交換することができる。すなわち、取付部材191を着脱することにより第1の受け型110と第2の受け型140を同時に着脱可能である。例えば、図9に示すように、前記第1の受け型110より大きい第1の受け型110a及び前記第2の受け型140より大きい第2の受け型140aが設けられた取付部材191aを摺動台100に取り付けるだけでよい。
バッチ製造装置1は、固定部材20、支柱16,17、補強部材15により略ロ字形状の枠を形成しているので、強度を高めており、この強化された枠内でプレス作業させることができる。また、押圧軸30を回転させると押圧型40が下がり、相対的に第1の受け型110又は第2の受け型140が上に上がり、押圧型40と第1の受け型110又は第2の受け型140の両方からの挟持圧力によってバッチ本体200aを製造するので、基台2を押しつけることがなく、そのため安定した所に置く必要がなく、不安定な所に置いて、例えば基台2を手で持ちながらでも作業することができる。また、押圧型40を押圧するのに雄ネジ部33を利用しているので、作業スペースを小さくすることができる。
バッチ製造装置301について、図20乃至図32に基づいて説明する。図20は、本願発明に係るバッチ製造装置の他の実施例を示す全体斜視図である。図21は、図20のバッチ製造装置を他方から視た全体斜視図である。図22は、図20のバッチ製造装置の操作手段の分解斜視図である。図23は、図22の操作手段の平面図である。図24は、図20のバッチ製造装置の脱着リングの要部斜視図である。図25は、図20のバッチ製造装置の上下摺動部材を下方から視た平面図である。図26は、図20のバッチ製造装置の摺動台を示す斜視説明図である。図27は、図20のバッチ製造装置の動きを説明する要部断面図である。図28は、図20のバッチ製造装置の動きを説明する要部断面図である。図29乃至図32は、図20のバッチ製造装置の全体側面断面図である。なお、基台2及び支柱16,17は、上述した通りなので説明を省略する。
基台2の上部には、支柱16,17を介して断面略コ字状の固定部材320が略水平に固定されている。固定部材320は、ポリカーボネート等の耐久性、耐摩耗性のある硬質合成樹脂素材によって一体成形されている。一方の支柱16は、上部に形成された雄ねじ部16bが固定部材320の一方に形成された穴に挿通されてナット21によって締め付けられて、固定部材320を固定している。他方の支柱17は、上部に形成された雄ねじ部17bが固定部材320の他方に形成された穴に挿通されてナット22によって締め付けられて、固定部材320を固定している。
固定部材320は、略中心にボス部323が形成され、このボス部323に雌ねじ部325が形成されている。押圧軸330は、ポリカーボネート等の耐久性、耐摩耗性のある
硬質合成樹脂素材によって一体成形されており、固定部材320に設けられた雌ねじ部325に螺合して軸方向に移動可能な雄ねじ部333が形成され、下端に上下摺動部材341が回動自在に設けられ、上部に操作手段310が設けられている。
雄ねじ部333は、図29に示すように、押圧軸330が上方に移動して上下摺動部材341が固定部材320に当接する前に固定部材320の雌ねじ部325から外れて押圧軸330が空回りするように形成されている。即ち、押圧軸330の下部には、雄ねじ部333が形成されていない欠ねじ部334が設けられている。押圧軸330は、上端に六角軸331が形成され、下端に第1の受け型110又は第2の受け型140と接合する押圧型340が設けられている。
操作手段310は、図22,23,29に示すように、操作ハンドル311とクラッチ400とからなる。操作ハンドル311は、円盤状の上ケース312と、下カバー313と、上カバー314とで構成されている。上ケース312は、上壁315と、上壁315の周縁に設けられた環状の側壁317から上周縁から延在する同壁316とからなり、同壁316は握り易くするために、凸部が形成されている。上壁315は下面に環状のガイド壁318が設けられている。ガイド壁318には、所定間隔あけて8ヶ所に係止凹部319が形成されている。上ケース312の上壁315の略中心には、軸受け孔326が形成されている。
上カバー314は、ドーム状に湾曲して形成され、前記上壁315の側壁317に嵌着されている。下カバー313は、円板状に形成され、略中心に軸受け孔327が形成されたボス部328が設けられている。当該下カバー313は、ネジ329を下カバー313の4ヶ所に形成された透孔304に通して、操作ハンドル311の上壁315下面の4ヶ所に形成されたネジ穴305に螺合することによって、操作ハンドル311の下部に取り付けられ、操作ハンドル311内に収容空間306を形成する。
クラッチ400は、収容空間306内に回動自在に収納されるようになっており、円盤状の回転体401と、回転体401の略中心に形成された回動軸402と、回転体401の周縁4ヶ所に出没自在に設けられた係止突起403と、係止突起403を突出方向に付勢する弾性部材405とからなる。回動軸402は、上壁315の軸受け孔326と下カバー313の軸受け孔327に回動自在に枢支され、下面略中央に断面六角形状の取付穴406が形成され、上面に取付穴406と連通するネジ通し孔407が形成されている。
また、回転体401は、放射状に伸びる案内凹部410が形成されている。案内凹部410は回転体401の周縁に形成された開口411と連通し、案内凹部410の両側に係合溝412,412が形成されている。前記係止突起403は、先端が半円状に形成され、先端がガイド壁318の係止凹部319に係脱するようになっており、後端に係合溝412,412と係合する係合突起413,413が設けられている。
案内凹部410内には、バネ状の弾性部材405が設けられ、この弾性部材405によって係止突起403が突出方向に付勢されている。係止突起403は、所定値以上の外力が加えられると弾性部材405の弾性に抗して没入する。この係止突起403の出没は、係合突起413,413が係合溝412,412の両端に当接する範囲で行われる。
上記操作手段310は、押圧軸330の六角軸331をクラッチ400の取付穴406に嵌着して、ネジ336をネジ通孔407を介して六角軸331の上端に形成されたネジ穴335にネジ込むことによって、押圧軸330に取り付けられている。
押圧軸330の下端には、前記第1の受け型110又は第2の受け型140と接合する
押圧型340が設けられている。押圧型340は、外層枠342及び内層枠351を有し、上下摺動部材341に着脱自在に取り付けられる。上下摺動部材341は、板状に形成され、この上下摺動部材341の上面略中心に円状突起340Bが形成され、上下摺動部材341の下面略中心に円形凹部340Cが形成されている。
また、上下摺動部材341の略中心には、円状突起340Bの略中心と円形凹部340Cの略中心を連通する開口340Dが形成されている。さらに、上下摺動部材341の下面には、円形凹部340Cの中心を略中心として、環状のガイド壁340Eが突設形成されている。上下摺動部材341の下面であって、環状のガイド壁340E内には、磁力を有する環状の磁性体387が取り付けられている。この磁性体387は、磁石、磁性ゴム等の磁性部材によって形成されている。
押圧軸330は、欠ねじ部334の下部に嵌合部360が形成されている。嵌合部360は、前記開口340Dと略同じ径で形成され、開口340Dに挿通できるようになっている。すなわち、嵌合部360が開口340Dに挿通することにより、押圧軸330は上下摺動部材341に対して相対的に下方に移動可能となっている。また、押圧軸330が下方に移動して、欠ねじ部334の上部に形成されたフランジ部365が開口340D周縁に当接するところまで嵌合部360が挿通されると、押圧軸330はそれ以上上下摺動部材341に対して相対的に下方に移動できなくなり、押圧軸330と上下摺動部材341は一体として下方へ移動する。嵌合部360の下部は、押圧軸330の半径より若干半径の小さい係合軸357が形成されている。
嵌合部360の下端、すなわち係合軸357の端部には、押圧部材377がネジ69によって回動自在に取り付けられている。押圧部材377は、前記上下摺動部材341の円形凹部340C内に摺動自在に設けられ、上部に係合凹部378が形成され、下面周縁に環状のガイド突起379が形成されている。押圧部材377は、前記開口340Dと略同じ径で形成され、開口340Dに挿通できるようになっている。したがって、押圧部材377は押圧軸330とともに下方へ移動し、押圧軸330の嵌合部360が開口340Dに挿通した場合、当該挿通した距離だけ上下摺動部材341から相対的に下方に移動可能である。前記ガイド突起379が開口340D周縁に当接して、上方にこれ以上突出しないようになっている。
また、押圧部材377は、略中心に段部を有する係合孔374が形成され、この係合孔374内に前記係合軸357が回動自在に係合し、座367が係合孔374に回動自在に取り付けられ、座367及び係合軸357にネジ69がねじ込まれ、押圧軸330の下端に回動自在に取り付けられている。
上下摺動部材341の下面であって、ガイド突起340Eの周囲には、環状のガイド壁340Fが形成されている。このガイド壁340Fは、前部が一部切り欠かれ、この切り欠かれた部分に略三角状の案内壁340Gが形成されている。このガイド壁340Fとガイド突起340E間に脱着リング380が設けられている。
脱着リング380は、前記案内壁340G内に嵌合する嵌合片381と、内周縁の4ヶ所に等間隔で突設された突片382とを備えている。突片382は、ガイド突起340Eに形成された切欠き385からガイド突起340E内に突出し、磁性体387に形成された凹部388に嵌合している。突片382と磁性体387は、略同一平面を構成している。
脱着リング380の嵌合片381は、押出杆390の下端にネジ391によって取り付けられている。押出杆390は、上下摺動部材341の上面に形成されたボス392のガ
イド孔393に摺動自在に取り付けられている。さらに押出杆390は、上部に頭部395が形成され、この頭部395とボス392間に巻装されたバネ状の弾性部材396によって上方に付勢され、脱着リング380が上下摺動部材341の下面に圧接している。
基台2には、前半体421と後半体422とからなるカバー420が着脱自在に取り付けられている。前半体421には第1の開口423が形成され、後半体422には第2の開口425が形成されている。前半体421の上部には、段部426が設けられている。段部426には、操作釦430が配設されている。操作釦430は、下部に支軸431が一体に形成され、支軸431の下端に押圧軸432がネジ433によって取り付けられている。押圧軸432は、操作釦430と段部426間の支軸431に巻装されたバネ状の弾性部材435によって段部426の裏面に圧接している。なお、前半体421には、段部426を覆う、装飾カバー436が係止片437によって着脱自在に取り付けられている。
押圧型340は、外層枠342と、外層枠342内に摺動自在に取り付けられ、外層枠342より浅い内層枠351とからなる。外層枠342は、円筒状の周壁343と、周壁343の下端外周縁に形成された押圧部材346と、周壁343の上端に形成された上壁347とからなる。上壁347には、略円形の凹部348が形成され、当該凹部348に環状の磁性体349が取り付けられている。磁性体349は、前記磁性体387と吸着し合うものであれば良く、磁石、磁性ゴム、強磁性体等の磁性部材によって形成されている。上壁347の略中心には、ガイド孔344が形成されている。
内層枠351は、逆さ椀状に形成された湾曲部352と、湾曲部352の下部周縁に形成され、バッチの表蓋201の周縁203に当接する当接縁353と、湾曲部352の上部に形成され、外層枠342のガイド孔344に摺動自在に案内される首部(ガイド突起)354とからなる。この首部(ガイド突起)354には、同様にガイド孔344に摺動自在に案内される摺動部材355がネジ357によって取り付けられ、摺動部材355の上端外周縁に、外層枠342の上壁347と係合する係合突起356が形成されている。従って、内層枠351は、外層枠342に対して、係合突起356と湾曲部352が上壁347に当接する範囲で、上下摺動可能であり、自重により係合突起356が上壁347に係合している。このように外層枠342内にを内層枠351を取り付けることにより、いずれか片方だけを紛失してしまったり、外層枠と内層枠の組合せを間違えるなどの不具合が生じなくなる。
押圧型440は、前記押圧型340よりも大きく形成され、外層枠442と、外層枠442内に摺動自在に取り付けられ、外層枠442より浅い内層枠451とからなる。外層枠442は、逆さ椀状に形成された外湾曲部443と、外湾曲部443の下端外周縁に形成された押圧部446と、外湾曲部443の上部に形成された円筒状の周壁445と、周壁445の上端に形成された上壁447とからなる。上壁447には、略円形の凹部448が形成され、当該凹部448に上記磁性体349が取り付けられている。上壁447の略中心には、ガイド孔444が形成されている。
内層枠451は、逆さ椀状に形成された湾曲部452と、湾曲部452の下部周縁に形成され、バッチの表蓋201の周縁203に当接する当接縁453と、湾曲部452の上部に形成され、外層枠442のガイド孔444に摺動自在に案内される首部(ガイド突起)454とからなる。この首部(ガイド突起)454には、同様にガイド孔444に摺動自在に案内される摺動部材455がネジ457によって取り付けられ、摺動部材455の上端外周縁に、外層枠442の上壁447と係合する係合突起456が形成されている。従って、内層枠451は、外層枠442に対して、係合突起456と湾曲部452が上壁447に当接する範囲で、上下摺動可能であり、自重により係合突起456が上壁447に係合している。このように外層枠442内に内層枠451を取り付けることにより、いずれか片方だけを紛失してしまったり、外層枠と内層枠の組合せを間違えるなどの不具合が生じなくなる。
上下摺動部材341は、板状に形成され、左右方向両端に前記支柱16,17に摺動自在に案内される案内孔371,372が設けられ、この案内孔371,372により上下方向のみ移動できるように案内される。上下摺動部材341の一方端には、これの位置を確認できるようにするための指示板361が一体に形成されている。この支持板361は、カバー420の前半体421に形成された長孔362から視認することができる。さらに上下摺動部材341には、第1の受け型110又は第2の受け型140の位置に応じて、押圧軸330の嵌合部360の開口340Dへの挿通を許可または妨げることにより、押圧軸330の下方への移動にともない下方へ移動される部分が上下摺動B材341および外層枠342のみである状態と、上下摺動部材341、外層枠341、押圧部材377および内層枠351である状態とを切り替える切替部材80が設けられている。
上下摺動部材341には、切替部材80がネジ76によって回動自在に取り付けられている。切替部材80は、ネジ76によって回動自在に取り付けられるボス部81と、ボス部81に設けられた第1のアーム部材82と、第1のアーム部材82に設けられ、前記押圧部材377の係合凹部378に係合可能な半環状の係合部83と、第1のアーム部材82と略反対側のボス部81の位置に設けられた第2のアーム部材85とからなり、第2のアーム部材85には長穴状の係合溝86が形成されている。
一方の支柱16には、揺動部材90が上下摺動部材341と共に上下動するようにして、揺動自在に設けられている。揺動部材90は、支柱16に取り付けられるボス部91と、ボス部91の一側に設けられた腕部92と、ボス部91の他側に設けられたバネ受けフック93とからなる。腕部92には、係合軸95が略垂直に設けられている。係合軸95は、上部95aが前記切替部材80の係合溝86に係合し、下部95bが上下移動部材41に形成された長穴44から突出し、下部95bに係合杆98が設けられている。
上下摺動部材341の後部には、バネ受けフック96が設けられ、このバネ受けフック96と揺動部材90のバネ受けフック93の間にバネ97が介装され、このバネ97の弾性により、揺動部材90を介して、切替部材80の係合部83が押圧部材377の係合凹部378に圧接係合している。固定部材320と上下摺動部材341との間の支軸16,17には、コイルスプリング状の弾性部材35,36が設けられ、この弾性部材35,36によって上下摺動部材41が下方に付勢され、押圧軸330の雄ねじ部333が固定部材320の雌ネジ部325に螺合する方向に加圧されている。
摺動台100及び取付部材191は、上述したとおりなので、説明を省略するが、取付部材191の略中間に略台形状の折曲部199が形成され、この折曲部199により、取付部材191が補強され、しかも第1の受け型110によって成型される成型部品が第2の受け型140に、又は第2の受け型140によって成型される成型部品が第1の受け型110に移動しないようになっている。
次に本願発明に係るバッチ製造装置301の作用について説明する。摺動台100の前壁101に設けられた摘み102を摘んで、カバー420の第1の開口181から第1の受け型110を引き出し、表蓋201を第1の載置台111の上壁115に載せると、周縁203が上壁115と載置部126の間の隙間136に入り込むことになる。次に模様紙211の上にシート体213を重ねてから模様紙211を案内台125の載置部126に載せる。さらに第1の受け型110上に外層枠342と外層枠342内に摺動自在に取り付けられた内層枠351を載せる。
前壁101の摘み102を摘んで摺動台100を押し込むと、摺動台100の第1の係止凹部176に係止板172の係止突起175が係止し、押圧型40の略真下に第1の受け型110が位置し、第2の受け型140がカバー420の第2の開口182から突出する。操作ハンドル311を一方に回転すると、押圧軸330が正回転し、弾性部材35,36により雄ねじ部333が固定部材320の雌ネジ部325に螺合し、押圧軸330が下方に移動する。押圧軸330の下部に設けられた嵌合部360は、切替部材80の係合部83により、開口340Dに挿通することを妨げられるため、押圧部材377は上下摺動部材341に対して相対的に下方に移動しない。ただし、切替部材80の係合部83は上下摺動部材41の上面と当接しているため、押圧軸330が下方へ移動し、嵌合部360が切替部材80の係合部83を押圧することにより、上下摺動部材341は押圧軸330とともに下方に摺動し、押圧型340を押し下げる。さらに押圧軸330が下方へ移動することにより、上下摺動部材341の下面に設けられた磁性体387と、第1の受け型110上の外層枠342上の磁性体349とが接触し、外層枠342は上下摺動部材341に吸着される。
外層枠342の押圧部346が、案内台125の案内壁127に嵌合して載置部126に圧接し、案内台125を弾性部材113の弾性に抗して押し下げる。内層枠351は、外層枠342に対して自由状態なので、第1の受け型110を押圧することがない。案内台125に重ねて載せられたシート体213と模様紙211の周囲が下方に折り曲げられ、第1の載置台111に載せている表蓋201の周縁203に当接する。このとき、カバー420により第1の受け型110付近への手の進入は防止されている。この押圧型340の押し下げた位置は、指示板361を視ることによって確認することができる。
操作ハンドル311を他方に回転すると、押圧軸330が逆回転し、雄ねじ部333により押圧軸330が上方に移動する。これに伴って、上下摺動部材341と上下摺動部材341に吸着された外層枠342、外層枠342内に取り付けられた内層枠351も上方に摺動する。シート体213と模様紙211の周囲が下方に折り曲げられて周縁203に当接した状態の表蓋201は、外層枠342内に挿設されたまま、上方に引き上げられ、第1の受け型110から引き離される。嵌合部360がボス部323に接触する直前、押圧軸330の雄ねじ部333が固定部材320の雌ネジ部325から外れるので、押圧軸330は空回りし、押圧型340が上方に移動しなくなり、嵌合部360がボス部323に圧接することがなく、そのため嵌合部360及び押圧型340が壊れることがない。
カバー420の第2の開口182から突出している第2の受け型140の第2の載置台141の上壁143に、周縁209を上に向けて、裏蓋205を載せると、止着ピン229を取り付ける取付部207が凹部142によって保護されようにして、周縁209が加工台155の筒部162の内面に案内されて位置決めされる。
後壁103の摘み104を摘んで摺動台100を押し込むと、摺動台100の第2の係止凹部177に係止板172の係合突起175が係合し、押圧型340の略真下に第2の受け型140が位置し、第1の受け型110がカバー420の第1の開口423から突出する。第2の受け型140が押圧型40の略真下に位置すると、後係合壁99bが切替部材80の係合軸95の係合杆98に係合し、半環状の係合部83がバネ97の弾性に抗して、軸受け部75を中心として回動し、押圧部材377の係合凹部367から外れる。
操作ハンドル311を一方に回転すると、前記したように、押圧軸330が正回転し、押圧軸330が下方に移動する。このとき押圧軸330の下部に設けられた嵌合部360は切替部材80の係合部83が押圧部材377の係合凹部367から外れているため開口340Dへ挿通する。それとともに押圧部材377は上下摺動部材341に対して相対的
に下方へ移動し、押圧型340の内層枠351の首部(ガイド突起)354と当接し、内層枠351を押し下げる。内層枠351の当接縁353が表蓋201の上端縁に当接して表蓋201を外層枠342の下面近傍まで押し下げる。さらに押圧軸330が下方へ移動すると、押圧軸330のフランジ部365が開口340Dの周縁に当接することにより、上下摺動部材341および外層枠342も押圧軸330とともに下方へ移動し始める。さらに押圧軸330が下方へ移動していくと、外層枠342は加工台155と当接し、加工代155を弾性部材156の弾性力に抗して押し下げる。それと略同時に内層枠351により外層枠342の下面近傍まで押し下げられたシート体213と模様紙211の周囲が加工台155の傾斜縁160に当接して内側に折り曲げられ次に表蓋201の周縁203もこの傾斜縁160に圧接する。
さらに押圧軸330が下方へ移動し、加工台155の下端が摺動台100に当接して加工台155が押し下げられなくなる程度まで移動すると、表蓋201の周縁203が傾斜縁160によってさらに内側に折り曲げられ、シート体213と模様紙211の周囲は傾斜縁160および第2の載置台141の周縁によって上方に向かう程度まで折り曲げられる。このとき、第2の載置台141上の裏蓋205は、表蓋201にシート体213と模様紙211の周囲を裏蓋205の周縁209と表蓋201の周縁203で挟み込むようにして嵌着され、バッチ本体200aが製造される。
このとき、さらに操作ハンドル331を操作し押圧軸330を下方へ移動せしめようとして所定値以上の外力を操作ハンドル331に加えたとしても、上記操作ハンドル331内のクラッチ400に設けられた係止突起403が係止凹部319から離脱するため、操作ハンドル331が押圧軸330に対して空回りし、押圧型340及びバッチ200を壊すことがない。
操作ハンドル331を他方に回転すると、押圧軸330が逆回転し、押圧軸330が上方に移動する。これに伴って、上下摺動部材341も上方に摺動する。第2の受け型140には、バッチ本体200aがそのまま載っている。摺動台100の後壁103に設けられた摘み104を摘んで、カバー420の第2の開口182から第2の受け型140を引き出し、第2の受け型140からバッチ本体200aを簡単に取り出すことができる。バッチ本体200aの取付孔207に、前記した装着手段220(又は230、240)の取付軸221(又は231、241)を差し込んで、バッチ200が完成する。
上記バッチ製造装置301は、製造するバッチ200の大きさに合わせて、押圧型340を簡単に交換することができる。カバー420に設けられた操作釦430を弾性部材435の弾性の抗して押し下げると、支軸431、押圧軸432、押出杆390を介して脱着リング380を弾性部材396の弾性に抗して押し下げ、脱着リング380に突片382が磁性体387と磁性体349の吸着に抗して押圧型340を簡単に取り外すことができる。
上記バッチ製造装置1は、図28に示すように、製造するバッチ200の大きさを替えるため、前記押圧型340より大きい押圧型440を、磁性体387と磁性体349の磁力によって上下摺動部材341に取り付ける。上記第1の受け型110及び第2の受け型140は、ともに摺動台100に着脱自在に取り付けられる取付部材191に設けられているため、より簡単に交換することができる。すなわち、第1の受け型110と第2の受け型140を同時に着脱可能である。例えば、図28に示すように、前記第1の受け型110より大きい第1の受け型110a及び前記第2の受け型140より大きい第2の受け型140aが設けられた取付部材191aを摺動台100に取り付けるだけでよい。
上記実施の形態では、円盤状のバッチ及び円盤状のバッチを製造するバッチ製造装置に
ついて説明したが、上記バッチ製造装置を利用して、多角形状のバッチを製造することができる。この本願発明に係る多角形状のバッチ及び多角形状のバッチを製造することができるバッチ製造装置の実施の形態を、図33乃至図38に基づいて説明する。図33は、本願発明に係るバッチ製造装置の全体斜視図である。図34は、図33のバッチ製造装置の要部斜視図である。図35は、図33のバッチ製造装置の要部断面図である。図36は、本願発明に係る多角形状のバッチ示す全体分解斜視図である。図37は、図36の組立全体斜視図である。図38は、図36のX−X断面図である。
バッチ500は、多角形状に形成され、表蓋501と、裏蓋511と、シート体507とからなる。表蓋501は、多角形の表面板502と、該表面板502より下方に延在する周縁503を有し、周縁503が直線部504A,504Bと、直線部504A,504Bを連接する角部505とからなる。シート体507は、表蓋501の表面板502上に載置される。
裏蓋511は、多角形の裏面板512と、該裏面板512より上方に延在する周縁513を有し、周縁513が直線部514A,514Bと、直線部514A,514Bを連接する角部515とからなる。表蓋501は、周縁503の角部505が、裏蓋511の周縁513の角部515に圧着されて、裏蓋511に取り付けられ、前記シート体507の周縁が表蓋501の周縁503と裏蓋511の周縁513で挟持されている。
シート体507は、透過性を有する素材で形成され、当該シート体507と前記表蓋501の表面板502との間に、文字、絵柄、模様若しくはこれらが結合したもの表示が印刷された模様紙517が置かれている。
さらにバッチについて説明する。バッチ500は、矩形状に形成されており、表蓋501と、裏蓋511と、模様紙517と、シート体507とからなる。表蓋501は、加工前において、矩形状の表面板502を有し、周縁503が表面板502に対し下方に向かって略直角に折曲されている。周縁503は、下方に向いており、対向する長い直線部504Aと、対向する短い直線部504Bと、直線部504Aと504Bを連接する湾曲した角部505とからなる。
裏蓋511は、加工前において、矩形状の裏面板512を有し、周縁513が裏面板512に対し上方に向かって略直角に折曲されている。周縁513は、上方に向いており、対向する長い直線部514Aと、対向する短い直線部514Bと、直線部514Aと514Bを連接する湾曲した角部515とからなる。裏面板512には、装着手段520を取り付ける取付孔521が形成され、さらに矩形状の凹部522が形成されている。取付孔521の周縁には、内側に向かって係止縁523が形成されている。
模様紙517は、矩形状の紙であって、雑誌等の切り抜きであっても構わない。シート体507は、透過性を有する薄い合成樹脂素材によって矩形状に形成されている。なお、シート体507に直接、文字、絵柄、模様若しくはこれらが結合したものの表示を印刷しても構わない。係る場合には、模様紙がなくても良い。
バッチ500は、表蓋501の上面に模様紙517とシート体507が重ね合わされ、模様紙517とシート体507の周囲が表蓋501の周縁503と裏蓋511の周縁513に挟み込まれるようにして、表蓋501の周縁503が折曲されて構成されている。また、周縁503の折曲角度は、直線部504A,504Bより角部505の方が大きく、そのため角部505が裏蓋511の角部515に圧着している。
バッチ500には、装着手段520が取り付けられる。装着手段520は、矩形状の基
板525と、基板525の裏面526略中央に突設形成された取付軸527とからなり、合成樹脂によって一体成形されている。基板525の表面528には、図13乃至図15に示すような、略L字状の係止部が形成されている。装着手段520は、係止部に止着ピンが取り付けられ、取付軸527が裏蓋511の取付孔521に差し込まれて、裏蓋511の凹部522に嵌合するようにして取り付けられている。取付軸527は、取付孔521に差し込まれると、取付孔521の周縁に形成された係止縁523に係止される。なお、装着手段520は、図16、17に示すように、クリップ式にしたり、図18、19に示すように、磁着式にすることができる。
さらに多角形状のバッチ500を製造するバッチ製造装置301に使用される第1の受け型610及び第2の受け型640についてさらに詳細に説明する。 バッチ製造装置3
01は、基台2と、基台2上に設けられた第1の受け型610及び第2の受け型640と、前記第1の受け型610と第2の受け型640とにそれぞれ接合して前記バッチ500を製造する押圧型540とからなる。第1の受け型610は、前記表蓋501を載せる第1の載置台611を有する。第2の受け型640は、前記裏蓋511を載せる第2の載置台641と、第2の載置台641の周囲に設けられ、表蓋501の周縁503を裏蓋511の周縁513側に折曲させる加工台655とで構成されている。
加工台655は、表蓋501の周縁503の直線部504A,504Bを折曲する直線傾斜縁661,662と、表蓋501の周縁503の角部505を折曲する角傾斜縁663を有し、角傾斜縁663により表蓋501の周縁503の角部505を裏蓋511の周縁513の角部515に圧着させるようになっている。取付部材191には、摺動台100の往復方向両側に位置するようにして、第1の受け型610と第2の受け型640が設けられている。取付部材191は、摺動台100の底壁105に着脱自在に取り付けられることは、前述した通りである。
第1の受け型610は、表蓋501を載せる第1の載置台611と、第1の載置台611の周囲に設けられ、模様紙517とシート体507を重ねて載せる案内台625とで構成され、案内台625は弾性部材613により上方に付勢されるようにして上下移動自在に設けられている。第1の載置台611は、緩やかに湾曲した略矩形状の上壁615と、上壁615の周縁下部に形成された周壁616と、上壁615の下面略中央に形成された筒状の固定軸617とからなる。
第1の載置台611は、周壁616の下部が、取付部材191に設けられた矩形状のガイド突起618に嵌合し、固定軸617の下端が取付部材191に形成されたボス部619の凹部620に嵌合し、取付部材191の裏面から、取付部材191に形成された透孔に通してネジ122を固定軸617にネジ止めし、取付部材191に固定されている。
案内台625は、矩形状に形成されており、上部に模様紙517とシート体507を重ねて載せる矩形状の載置部626と、載置部626の周縁に形成され、模様紙517とシート体507の周縁を案内する案内壁627が形成されている。この案内台625の案内壁627には、後記外層枠542の押圧部材546が嵌合し、押圧部材546が載置部626に圧接するようになっている。また、載置部626の内側下面には、第1の載置台611の周壁616に沿って上下摺動する矩形筒部629が形成されている。
さらに案内台625は、前記第1の載置台611の周壁616内を上下動するガイド筒体632を有する。ガイド筒体632は、前記第1の載置台611の固定軸617を摺動自在に挿設する案内孔630を有する。ガイド筒体632の下端と矩形筒部629の下端は、連結片633によって一体的に連結されている。この連結片633は、第1の載置台611の周壁616に上下方向に向かって切り欠かれて形成された長溝635に挿通され
ている。
前記第1の載置台611の上壁615と案内台625の載置部626は、略同じ高さであり、上壁615と載置部626の間に、表蓋501の折曲された周縁503が差し込める隙間636が形成されている。案内台625は、第1の載置台611の固定軸617に巻装されたスプリング(弾性部材)613によって上方に付勢されている。
第2の受け型640は、裏蓋511を載せる第2の載置台641と、第2の載置台641の周囲に設けられ、模様紙517とシート体507の周囲を表蓋501の周縁503と裏蓋511の周縁513に挟み込むように、表蓋501の周縁503を裏蓋511の周縁513側に折曲させる加工台655とで構成され、加工台655は弾性部材656により上方に付勢されるようにして上下移動自在に設けられている。第2の載置台641は、略矩形状の凹部642が形成された略矩形状の上壁643と、上壁643の周縁下部に形成された周壁645と、上壁643の下面略中央に形成された筒状の固定軸646とからなる。
第2の載置台641は、周壁645の下部が、取付部材191に設けられた矩形状のガイド凹部648に嵌合し、固定軸646の下端が取付部材191に形成されたボス部649の凹部650に嵌合し、取付部材191裏面から、取付部材191に形成された透孔に通したネジ152を固定軸646にネジ止めし、取付部材191に固定されている。
加工台655は、略矩形状に形成されており、上部に係合段部657が形成され、この係合段部657に矩形状の金属環659が嵌着されている。この金属環659には、模様紙517とシート体507の周囲を内側に折り込みつつ表蓋501の周縁503と裏蓋511の周縁513に挟み込むようにして、表蓋501の周縁503を裏蓋511の周縁513側に折曲させる傾斜縁660が形成されている。なお、加工台655の上部に、直接傾斜縁660を形成しても構わない。
上記傾斜縁660は、第1の直線傾斜縁661と、第2の直線傾斜縁662と、第1の直線傾斜縁661と第2位の直線傾斜縁662を連接する湾曲した角傾斜縁663とからなる。第1の直線傾斜縁661と第2の直線傾斜縁662の傾斜角度は略同じである。角傾斜縁663の傾斜角度は、第1の直線傾斜縁661と第2の直線傾斜縁662より大きくなっている。
傾斜縁660の上部には、後記外層枠542の押圧部材546が嵌合する凹部665が形成されている。係合段部657の下部には、第2の載置台641の周壁645に沿って上下摺動する矩形筒部666が形成されている。さらに加工台655は、前記第2の載置台641の周壁645内を上下動するガイド筒体667を有する。
ガイド筒体667は、前記第2の載置台641の固定軸646を摺動自在に挿設する案内孔669を有する。ガイド筒体667の下端と筒部666の下端は、連結片670によって一体的に連結されている。この連結片670は、第2の載置台641の周壁645に上下方向に向かって切り欠かれて形成された長溝671に挿通されている。加工台655は、第2の載置台641の固定軸646に巻装されたスプリング(弾性部材)656によって上方に付勢されている。
押圧型540は、外層枠542と、外層枠542内に摺動自在に取り付けられ、外層枠542より浅い内層枠551とからなる。外層枠542は、矩形筒状の周壁543と、周壁543の下端外周縁に形成された押圧部材546と、周壁543の上端に形成された矩形状の上壁547とからなる。上壁547には、略円形の凹部548が形成され、当該凹
部548に環状の磁性体549が取り付けられている。磁性体549は、前記磁性体387と吸着し合うものであれば良く、磁石、磁性ゴム、強磁性体等の磁性部材によって形成されている。上壁547の略中心には、ガイド孔544が形成されている。また、周壁543の前後には、係合突起559,559が設けられている。
内層枠551は、矩形板部552と、矩形板部552の下部周縁に形成され、バッチ500の表蓋501の周縁503に当接する矩形状の当接縁553と、矩形板部552の上部に形成され、外層枠542のガイド孔544に摺動自在に案内される首部(ガイド突起)554とからなる。この首部(ガイド突起)554には、同様にガイド孔544に摺動自在に案内される摺動部材555がネジ557によって取り付けられ、摺動部材555の上端外周縁に、外層枠542の上壁547と係合する係合突起556が形成されている。従って、内層枠551は、外層枠542に対して、係合突起556と矩形板部552が上壁547に当接する範囲で、上下摺動可能であり、自重により係合突起556が上壁547に係合している。このように外層枠542内に内層枠551を取り付けることにより、いずれか片方だけを紛失してしまったり、外層枠と内層枠の組合せを間違えるなどの不具合が生じなくなる。
次に本願発明に係るバッチ製造装置301の作用について説明する。摺動台100の前壁101に設けられた摘み102を摘んで、カバー420の第1の開口181から第1の受け型610を引き出し、表蓋501を第1の載置台611の上壁615に載せると、周縁503が上壁615と載置部626の間の隙間636に入り込むことになる。次に模様紙517の上にシート体507を重ねてから模様紙517を案内台625の載置部626に載せる。さらに第1の受け型610上に外層枠542と外層枠542内に摺動自在に取り付けられた内層枠551を載せる。
前壁101の摘み102を摘んで摺動台100を押し込むと、摺動台100の第1の係止凹部176に係止板172の係止突起175が係止し、押圧型540の略真下に第1の受け型610が位置し、第2の受け型640がカバー420の第2の開口182から突出する。操作ハンドル311を一方に回転すると、押圧軸330が正回転し、弾性部材35,36により雄ねじ部333が固定部材320の雌ネジ部325に螺合し、押圧軸330が下方に移動する。押圧軸330の下部に設けられた嵌合部360は、切替部材80の係合部83により、開口340Dに挿通することを妨げられるため、押圧部材377は上下摺動部材341に対して相対的に下方に移動しない。ただし、切替部材80の係合部83は上下摺動部材41の上面と当接しているため、押圧軸330が下方へ移動し、嵌合部360が切替部材80の係合部83を押圧することにより、上下摺動部材341は押圧軸330とともに下方に摺動し、押圧型540を押し下げる。さらに押圧軸330が下方へ移動することにより、上下摺動部材341の下面に設けられた磁性体387と、第1の受け型610上の外層枠542上の磁性体549とが接触し、外層枠542は上下摺動部材341に吸着される。
外層枠542の押圧部材546が、案内台625の案内壁627に嵌合して載置部626に圧接し、案内台625を弾性部材613の弾性に抗して押し下げる。内層枠551は、外層枠542に対して自由状態なので、第1の受け型610を押圧することがない。案内台625に重ねて載せられたシート体507と模様紙517の周囲が下方に折り曲げられ、第1の載置台611に載せている表蓋501の周縁503に当接する。このとき、カバー420により第1の受け型610付近への手の進入は防止されている。この押圧型540の押し下げた位置は、指示板361を視ることによって確認することができる。
操作ハンドル311を他方に回転すると、押圧軸330が逆回転し、雄ねじ部333により押圧軸330が上方に移動する。これに伴って、上下摺動部材341と上下摺動部材
341に吸着された外層枠542、外層枠542内に取り付けられた内層枠551も上方に摺動する。シート体507と模様紙517の周囲が下方に折り曲げられて周縁503に当接した状態の表蓋501は、外層枠542内に挿設されたまま、上方に引き上げられ、第1の受け型610から引き離される。嵌合部360がボス部323に接触する直前、押圧軸330の雄ねじ部333が固定部材320の雌ネジ部325から外れるので、押圧軸330は空回りし、押圧型540が上方に移動しなくなり、嵌合部360がボス部323に圧接することがなく、そのため嵌合部360及び押圧型540が壊れることがない。
カバー420の第2の開口182から突出している第2の受け型640の第2の載置台641の上壁643に、周縁513を上に向けて、裏蓋511を載せると、止着ピンを取り付ける取付部が凹部642によって保護されようにして、周縁513が加工台655の筒部666の内面に案内されて位置決めされる。
後壁103の摘み104を摘んで摺動台100を押し込むと、摺動台100の第2の係止凹部177に係止板172の係合突起175が係合し、押圧型540の略真下に第2の受け型640が位置し、第1の受け型610がカバー420の第1の開口423から突出する。第2の受け型640が押圧型540の略真下に位置すると、後係合壁99bが切替部材80の係合軸95の係合杆98に係合し、半環状の係合部83がバネ97の弾性に抗して、軸受け部75を中心として回動し、押圧部材377の係合凹部367から外れる。
操作ハンドル311を一方に回転すると、前記したように、押圧軸330が正回転し、押圧軸330が下方に移動する。このとき押圧軸330の下部に設けられた嵌合部360は切替部材80の係合部83が押圧部材377の係合凹部367から外れているため開口340Dへ挿通する。それとともに押圧部材377は上下摺動部材341に対して相対的に下方へ移動し、押圧型540の内層枠551の首部(ガイド突起)354と当接し、内層枠551を押し下げる。内層枠551の当接縁553が表蓋501の上端縁に当接して表蓋501を外層枠542の下面近傍まで押し下げる。さらに押圧軸330が下方へ移動すると、押圧軸330のフランジ部365が開口340Dの周縁に当接することにより、上下摺動部材341および外層枠542も押圧軸330とともに下方へ移動し始める。さらに押圧軸330が下方へ移動していくと、外層枠542は加工台655と当接し、加工台655を弾性部材656の弾性力に抗して押し下げる。それと略同時に内層枠551により外層枠542の下面近傍まで押し下げられたシート体507と模様紙517の周囲が加工台655の傾斜縁660に当接して内側に折り曲げられ次に表蓋501の周縁503もこの傾斜縁660に圧接する。
さらに押圧軸330が下方へ移動し、加工台655の下端が摺動台100に当接して加工台655が押し下げられなくなる程度まで移動すると、表蓋501の周縁503が傾斜縁660によってさらに内側に折り曲げられ、シート体507と模様紙517の周囲は傾斜縁660および第2の載置台641の周縁によって上方に向かう程度まで折り曲げられる。このとき、第2の載置台641上の裏蓋511は、表蓋501にシート体507と模様紙517の周囲を裏蓋511の周縁513と表蓋501の周縁503で挟み込むようにして嵌着され、バッチ500が製造される。
加工台655の傾斜縁660は、第1の直線傾斜縁661と、第2の直線傾斜縁662と、角傾斜縁663とからなり、第1の直線傾斜縁661が表蓋501の直線部504Aを内側に折り曲げ、第2の直線傾斜縁662が表蓋501の直線部504Bを内側に折り曲げ、角傾斜縁663が表蓋501の角部505を内側に折り曲げる。係る場合、角傾斜縁663の傾斜角が、第1の直線傾斜縁661及び第2の直線傾斜縁662より大きいため、角部505が直線部504A及び直線部504Bよりも内側に折り曲げられ、角部505が裏蓋511の角部515に圧着する。表蓋501の直線部504A及び直線部50
4Bは、裏蓋511の直線部514A及び直線部514Bに対し、当接若しくは僅かな隙間があく程度まで折り曲げられる。このようにバッチ500は、表蓋501の角部505が裏蓋511の角部515に圧着するように折り曲げられて形成されている。表蓋501は、角部505が直線部504A及び直線部504Bより強く撓められるため、表面板502の略中心に向かう力が大きく作用し、表面板502がドーム状に形が整えられて、成形される。
このとき、さらに操作ハンドル331を操作し押圧軸330を下方へ移動せしめようとして所定値以上の外力を操作ハンドル331に加えたとしても、上記操作ハンドル331内のクラッチ400に設けられた係止突起403が係止凹部319から離脱するため、操作ハンドル331が押圧軸330に対して空回りし、押圧型540及びバッチ200を壊すことがない。
操作ハンドル331を他方に回転すると、押圧軸330が逆回転し、押圧軸330が上方に移動する。これに伴って、上下摺動部材341も上方に摺動する。第2の受け型640には、バッチ500がそのまま載っている。摺動台100の後壁103に設けられた摘み104を摘んで、カバー420の第2の開口182から第2の受け型640を引き出し、第2の受け型640から略矩形状のバッチ500を簡単に取り出すことができる。バッチ500の取付孔521に、前記した装着手段520の取付軸527を差し込んで、バッチ500が完成する。
上記バッチ製造装置301は、押圧型540を簡単に交換することができる。カバー420に設けられた操作釦430を弾性部材435の弾性の抗して押し下げると、支軸431、押圧軸432、押出杆390を介して脱着リング380を弾性部材396の弾性に抗して押し下げ、脱着リング380に突片382が磁性体387と磁性体349の吸着に抗して押圧型540を簡単に取り外すことができる。押圧型540は、図25に示すように、係合突起559,559が、上下摺動部材341のガイド壁340Eに形成された切り欠き385,385に係合するため、回転不能に位置決めされて、上下摺動部材341に取り付けられる。
上記バッチ500は、矩形形状に形成されたが、特にその形状に限定されるものではなく、三角形状、六角形状等の、圧着できる角部を備えた多角形状であれば構わない。