JP3930827B2 - 野菜移植機のシャッター装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行型の野菜移植機に関し、特に、野菜移植機の苗供給装置のシャッター装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、機体の走行に連動して苗の移植を行う作業機として、歩行型の野菜移植機が公知のものとなっている。このような歩行型の野菜移植機において、苗供給装置の苗供給筒のシャッター開閉装置は知られている。
【0003】
例えば、特許文献1や特許文献2或いは特許文献3に示される技術である。特許文献1に記載のものは、「移植苗落し装置」になるもので、上方位置で苗を受け取り下方位置でその苗を土中に移植する移植開口器を上下動自在に設け、上方位置に達した前記移植開口器に前記苗を落し込む下端開口の苗筒を設け、この苗筒の開口部を閉塞する底板を水平方向にスライド自在のタイミングプレートにより支持するとともに前記移植開口器が上方位置に達したとき前記タイミングプレートによる支持を解除するように下方へ回動自在に前記苗筒に取付け、前記苗の落下速度より早い速度で前記底板を開放方向に回動させる強さに設定したばねによりその底板を開放方向に付勢してあるものである。
【0004】
具体的には、公報第2ページ第3欄第41行から同第4欄第18行目に記載されているように、このような構成において、第4図に示すように底板6がタイミングプレート7に支えられて苗筒4内の苗3を保持している状態から、移植開口器2が上昇して第5図に示すように苗筒4にその真下において接近すると、タイミングプレート7が矢視A方向に引かれる。これにより、底板6は引張ばね16の力により下方へ回動するが、引張ばね16の力が強いため、底板6は苗3の落下速度より早い速度で回動する。特に閉塞時には引張ばね16が最大限に引張られているため、底板6の初速はきわめて早い。
したがって、苗3は次第に傾斜度を強めつつ回動する底板6にそって傾き度を増しつつ滑り落ちる作用は示さず、真直ぐに近い状態で移植開口器2に落される。底板6の解放位置はストッパ18により定められる。ついで、平行リンク機構1の動作により移植開口器2が苗3を保持しつつ下降に移るが、このとき、第6図に示すように、プッシュプレート17が矢視B方向に動作して底板6を閉塞方向に押出し、タイミングプレート17が矢視A方向と逆に復帰して底板6を支えた直後に、プッシュプレート17が矢視B方向とは逆に復帰する。
【0005】
そして、同第41行目から同第3ページ第5欄第4行目には、この考案は上述のように、底板をばねにより解放方向に付勢したことにより、底板を苗の落下速度より早い速度で回動させることができ、これにより、苗は底板から離れ易く傾くことなく移植開口器に移されるとともに真直ぐに移植され、また、底板の回動動作は激しいため、底板やそのヒンジ部に付着する土も落ち易く、底板の動作を一層円滑にしうる等の効果を有するものである。とされている。
【0006】
また、特許文献2においては、「移植機における苗供給筒のシャッター開閉装置」であって、同一円周上を間欠的に公転する複数個の苗供給筒とこれらの苗供給筒の底面を開閉自在に覆うシャッターとを供えたロータリポットと、前記ロータリポットと移植面との間を略楕円軌跡を描いて昇降するとともに前記苗供給筒から供給された苗を移植面に植付ける移植開孔器が苗供給位置に移動したことを検出する検出部と、苗供給位置に公転した前記苗供給筒のシャッターを閉止状態で保持する保持部材と、前記検出部からの検出結果に基づいて前記シャッターの保持状態を解除する位置に前記保持部材を移動させる駆動部とを設けてあるものである。
【0007】
上記文献2は、上述の通りであって、前記苗供給筒から供給された苗を移植面に植付ける移植開孔器が苗供給位置に移動したことを検出する検出部の検出結果に基づいて、シャッターの保持状態を解除する位置に保持部材を移動させる駆動部とを設けてあるものである。
【0008】
そして、特許文献3においては、苗をそれぞれ収納した複数の苗供給カップを所定の搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、該搬送手段が所定の位置にあるときのみ苗供給カップの解放自在の底部の開放規制を解き、底部を開いて苗供給カップ内の苗を下方の苗植付手段内に落とす解放規制具を搬送手段に取り付けた苗移植機において、前記解放規制具のさらに下方に前記苗植付手段の動きに連動して前記苗供給カップの底部の開放タイミングの調整が可能な苗供給カップ底板解放規制具を設けてあり、その解放タイミングを変更可能な端部の伸縮手段を具体的手段としてあるものである。
【0009】
具体的作用について、公開公報第2ページ第2欄段落0008から0012に記載の通り、図4に示す構成では、苗植付装置(5)の作動に連動する苗供給駆動アーム(49)の揺動により間欠的にターンテーブル(41)を回転させる構成となっているが、苗供給駆動アーム(49)の揺動による苗供給カップ(40)のシャッター(52)の開放は、ターンテーブル(41)の回転作動と連動しているため、苗植付装置(5)の作動と精度良く同期させるにはターンテーブル(41)の回転をある程度速くする必要がある。
【0010】
ところが、ターンテーブル(41)の回転を速くすると、苗供給カップ(40)が高速で横移動して、苗供給カップ(40)が高速移動しながらシャッター(52)を解放させることになるので、苗が適正に下方へ落下供給されにくかったり、作業者が苗供給カップ(40)へ苗供給を容易に行えなかったりするおそれがある。
これに対して本発明の構成は苗植付装置(5)の一構成部材である突起(61D)に接触するシャッター開閉アーム材(56A)を設けたことにより苗植付装置(5)に直結した移動タイミングで苗供給カップ(40)のシャッター(52)を開放する機構を設けたものである。
【0011】
こうして、苗供給カップ(40)の底部(シャッター52)が苗植付装置(5)の動きに確実に同期して開閉制御されるため作業者は苗を植え付け易くなった。
【0012】
また、搬送手段(ターンテーブル41)に取り付けた解放規制具(シャッター閉じ棒53)には、苗供給カップ(40)の底部(シャッター52)の解放のタイミングを変更可能な端部(端部53a)の伸縮手段(補助閉じ棒53b、アーム53c、伸縮位置固定部材53d、53e)を設けたので、苗の大きさ又は苗の種類の違いにより、苗が苗供給カップ(40)の底部(シャッター52)をスムーズに、確実に苗植付装置(5)に落下させることができるようになった。
また、不必要に苗供給カップ(40)の底板が開かないので、移植機(1)による苗供給域を広げることができる。というものである。
【0013】
【特許文献1】
実公昭57−48329号公報
【特許文献2】
実開平2−138505号公報
【特許文献3】
特開2002−45010号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前記「移植苗落し装置」は、苗筒の開口部はタイミングプレートを水平方向にスライドさせ底板を解放状態とし、プッシュプレートの作動で閉状態となし、その後再びタイミングプレートがスライド方向を逆にして底板を支持するようにされており、複雑なタイミングを必要とするものである。
【0015】
また、特許文献2においては、複雑な検出部を備えており、電気的な制御を備えるものとなっている。
【0016】
そして特許文献3においては、苗植付装置の作動と同期して、苗植付装置の構成部材に直接当接するシャッター開閉アームを設け、苗植付装置の構成部材の一部である連結部材に取付けられた突起に接触してその作動と同期して苗供給カップのシャッターを開くシャッター開閉アームをターンテーブル支持フレームに取付けられる等の構造が複雑となっているものである
【0017】
また、移植される対象苗は主として玉葱の慣行苗(苗床で苗を育成した苗)或いは葉野菜のレタスなどを移植するのであるが、特に玉葱の移植は時期的に集中して作付け面積が多いことや早朝から日が暮れて灯火を点灯しながらの夜間作業が多いものである。苗には苗床から苗採りをして苗の長さを一定に揃えることや薬剤の水溶液に浸すことによって病気、害虫などから守ることを行うのであるが苗床から抜いた苗には床土が付着しているものであり、また移植作業を連続して行っていると苗に付着している土が搬送ポットの底部に堆積していき、シャッターが上昇してくる開孔器に受け渡すために必要な位置に充分に開かず、また開いても慣性で揺れ戻し現象が発生して苗と干渉して苗が自重で正常な姿勢で落下が出来なかったり、シャッターの開くタイミングがズレて苗が落下する姿勢が乱れて開孔器に受け継がれないなどの問題を抱えていたものである。
【0018】
また、玉葱の作付け圃場は水稲を育成収穫するような粘土質のような圃場への移植が多いことから知らず知らずのうちに搬送ポットの底部に土が堆積して接着剤のような状態となり、搬送開閉ポットの底部のシャッターが開く度合いやタイミングに通常ではない事態を招いていたのである。そして、早朝の露があるときや湿気の多い場合はその状態の頻度が高かったのである。それから、セル苗のように根鉢がついている場合は、特に根鉢の土が堆積して上記の問題があるのである。
【0019】
そこで本発明は、搬送ポットの底面のシャッターの開状態維持装置構成の簡素化を図りながら、野菜移植機の移植開孔器に苗を供給する苗供給装置の長円状に連結した苗搬送ポットの底面を開閉可能とするシャッターを設け、該シャッターは強制付勢手段により開方向へ強制的に付勢されるものとする野菜移植機のシャッター装置とすることで、シャッターの開状態を簡易な構成としながらも適確に、しかも揺れ戻しがない状態とし、苗供給装置からの苗供給性能を向上及び確実性増にすることを実現する。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段は、以下に示すとおりである。
【0021】
即ち、請求項1においては、機体の走行に連動して苗の移植を行う移植作業機において、上下昇降して苗の移植を行う移植開孔器(151)と、該移植開孔器(151)に苗を供給する苗供給装置(107)とを備え、この苗供給装置(107)は、長円状に連結した苗搬送ポット(148)を回転駆動する構成とし、該苗搬送ポット(148)の長円状となる移動軌跡の適宜位置より苗を落下させて、該苗が、前記移植開孔器(151)に受け継がれ圃場へ移植される野菜移植機であって、前記苗搬送ポット(148)には、底面を開閉可能とするシャッター(145)を設け、該シャッター(145)が下方に垂直方向に開いた時に、後側への揺れ戻しをできないような位置で止まるように、強制的付勢手段により開方向へ付勢し、該強制的付勢手段は、前記苗搬送ポット(148)の長円状の移動軌跡に沿って設けられた案内レール(139)に、取付け基部(BM)を枢支したものである。
【0022】
請求項2においては、請求項1記載の野菜移植機のシャッター装置において、強制的付勢手段が鋼線(B)又は板ばね(BT)であるものである。
【0023】
請求項3においては、請求項1記載の野菜移植機のシャッター装置において、強制的付勢手段が機体進行方向の前後の位置に変位して、複数設けてあるものである。
【0024】
請求項4においては、請求項1記載の野菜移植機のシャッター装置において、強制的付勢手段が、長円状に連結した苗搬送ポット(148)の回転駆動する方向に、変位して複数設けてあるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の野菜移植機の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は野菜移植機101の全体構成を示す側面図であり、図2は同じく平面図であり、図3は苗供給装置107の部分平面図であり、図4は、苗搬送体150の構成を理解する上に資するための側面から見た簡略図である。図5(a)(b)はシャッター145の構成を示す部品としての図面であり、図6は案内レール139の構成を示す平面部分図であり、図7は案内部全体を示す平面図であり、図8は苗搬送体150の作用状態を示す一部の側面図であり、図9は操作部の平面部分図であり、図10(a)(b)は主変速切替部の後面図と、操作位置を示す平面図であり、図11はミッションケース104の後部平面図あり、図12は変速部の後面図であり、図13はハンドル部及び苗搬送体とミッション後部の部分平面図である。図14は、図13の側面の部分を示すもので、図15は変速部と油圧切替え分の要部側面図で、図16は株間変速部の側面図で、図17は別実施例におけるインジケータ366の構成を示すミッションケース104の右側面図であり、図18は他の別実施例におけるインジケータ366の構成を示すミッションケース104の右側面図、図19は油圧シリンダ228の操作手段の構成を示す回路図である。
【0026】
まず、野菜移植機101の全体構成より説明する。図1、図2において、野菜移植機101は、シャーシフレーム102上の前後に、エンジン103、トランスミッションケース(以下ミッションケース)104を配置し、ミッションケース104右上部から後方に、操作ハンドルとなる平面視U字状のハンドルフレーム106をシャーシフレーム102から水平方向に連設している。また、ハンドルフレーム106の内側には、ミッションケース104左上部から後方に向けて、上支持フレーム323が延設されている。加えて、シャーシフレーム102より後方に向けて左右で作業部支持フレーム105・105が延設される。
【0027】
そして、野菜移植機101の機体フレームが、シャーシフレーム102、ハンドルフレーム106、上支持フレーム323、作業部支持フレーム105・105と、ミッションケース104等により構成されている。該ハンドルフレーム106の中途部上には、苗供給装置107が配置され、苗供給装置107の下方には苗移植装置120が配置され、苗供給装置107および苗移植装置120により苗移植に関わる移植作業装置150Aが構成される。また、ハンドルフレーム106後部は運転操作部109とされている。
【0028】
シャーシフレーム102の前部には、左右に前輪支持アーム111・111が回動自在に設けられ、各前輪支持アーム111に前輪112・112が枢支される。また、シャーシフレーム102の後部には、左右にチェーンケース116・116が回動自在に設けられ、各チェーンケース116に後輪117・117が枢支される。なお、ミッションケース104の下部には、左右にそれぞれ延出する走行駆動軸115L・115Rが設けられており、該走行駆動軸115L・115Rからの駆動伝達を介して、後輪117・117が回転駆動される。また、変速機が収納されるミッションケース104において、走行変速が行われる(詳しくは後述)。
【0029】
前後の前輪支持アーム111とチェーンケース116とは、シャーシフレーム102に設ける油圧シリンダ228と、昇降リンク機構を介して連結され、前輪支持アーム111とチェーンケース116とが連動する構成とされる。そして、シャーシフレーム102の昇降機構が構成されている。
【0030】
図2、図3に示すように、図3苗供給装置107の部分平面図においては苗供給装置107には、長円状に連結した苗搬送ポット148を連続的に回転駆動する構成を設けている。苗搬送ポット148には、作業者により苗が挿入されて保持される。そして、苗搬送ポット148の長円状となる移動軌跡の適宜位置(平面視移植開孔器151と重複する部位)より苗を落下させて、苗移植装置120の移植開孔器151に苗が投入される。ここで、苗搬送ポット148には、底面を開閉可能とするシャッター145が設けられており、シャッター145の閉鎖時は苗の保持状態とされ、シャッター145の開放時に苗の落下が行われる。また、図2に図示しているように機体の左右にそれぞれ苗載置台131・131が配置され、中央にも苗載置台132が配置されている。これらの苗載置台131・132上には苗が載置され、この苗を作業者が一人又は二人の手動で、苗供給装置107上の苗搬送ポット148へ供給する。
【0031】
苗搬送体150における苗保持機構について図4を用いて説明する。図4は、苗搬送体150の構成を理解する上に資するための側面から見た簡略図であり、搬送方向を矢印で示しており、又その横には他の方向から見た図を併せて表示しているものである。ポット取付基部140の本体である嵌合環158は筒体であり、苗挿入用ポット148も筒体からなり、これらを合わせて構成される苗搬送体150は筒体である。苗搬送体150には、筒体とした苗搬送体150の底部を閉鎖可能とするシャッター145が設けられており、苗搬送体150内に挿入される苗126の脱落を防止すると共に、苗落下位置において、苗126を落下可能としている。
【0032】
図4に示すように、苗搬送体150の下面は、ポット取付基部140の下面であり、該下面を塞ぐシャッター145が、ポット取付基部140に揺動自在に設けられている。シャッター145を揺動自在に支持する支持部は、ポット取付基部140・140間の連結箇所(第一連結部143aおよび第二連結部143b・143b)の下方に設けられている。尚、この図面には、強制的に解放側へ付勢するバネ体としての鋼線或いはバネ板は、嵌合環158とシャッター145などの関係を明瞭にするため図示していないものである。
【0033】
前記ポット取付基部140について、図4を用いて説明する。ポット取付基部140は、苗挿入用ポット148を着脱自在とする嵌合環158と、該嵌合環158の両側に形成される第一連結部143aと第二延出部143b・143bとを備える。嵌合環158は、上下を開口した筒体である。また、連結体であるポット取付基部140は、次のようにして無端状に連結される。水平面内で延出する第一連結部143aと、第二連結部143b・143bとは、嵌合環158の外周面に突設されている。また、第二連結部143b・143bは、それぞれ第一延出部143aの上下に位置する位置関係となる。隣接するポット取付基部140・140間において、一方のポット取付基部140の第一連結部143aと、他方のポット取付基部140の第二連結部143b・143bとは、平面視重複する。そして、第一連結部143aおよび第二連結部143b・143bが、上方より枢支ピン144を挿入して互いに左右回動自在に枢結されて、ポット取付基部140・140間が連結される。以上のようにポット取付基部140を構成して、ポット取付基部140・140・・・を無端状に左右揺動自在に連結して無端体を構成し、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
【0034】
苗挿入用ポット148の構成について説明する。図3・図4に示すように、苗挿入用ポット148は、上側を拡開した形状に構成され、苗挿入用ポット148への苗126の挿入を容易としている。また、苗挿入用ポット148の内面は、凹凸状に形成されて、挿入された苗126と苗挿入用ポット148内面との接触面積を制限しており、苗126に水分が付着している場合でも、苗126がポット148に張り付く不具合を防止している。
【0035】
ポット取付基部140と苗挿入用ポット148との着脱構成について説明する。ポット取付基部140には、苗挿入用ポット148の抜け防止構成が設けられており、互いが嵌合可能である。図4に示すように、苗挿入用ポット148の外周面上に突起148aが設けられると共に、嵌合環158の内周面には、突起148aに対応する位置に、嵌合孔158aが形成されている。そして、嵌合孔158aに突起148aが嵌合して、ポット取付基部140と苗挿入用ポット148とが係合して「着」状態となる。加えて、該両部材の嵌合により、ポット取付基部140からの苗挿入用ポット148の抜けが防止される。特に、苗挿入用ポット148は前述したように合成樹脂製なので、苗挿入用ポット148を撓ませて、嵌合孔158aと突起148aとの係合・離脱を図ることができる。嵌合孔158aへの突起148aの嵌合が外れると、ポット取付基部140と苗挿入用ポット148とが「脱」状態となる。
【0036】
シャッター145は、図5のように、板状部材の折曲加工により形成された部材であり、平面部145a(この部分に土が少しずつ堆積していく)と、平面部145aの一側に形成される回動支持部145bと、他側に形成されるローラ取付部145cとが備えられる。この他側に形成されるローラ取付部145cの上方に図示していない強制的にシャッター145が開孔器に苗を放出できるような態勢にする付勢部材である鋼線B(ピアノ線)又は板ばねBT(ローラ取付部145cより多少幅が狭い形状)が上から押さえつけるように設けられている。回動支持部145bは、シャッター145の搬送方向前側で、前記板状部材が断面視U字状に折曲されて形成された部位である。該回動支持部145bに挿入される支点ピン146を、ポット取付基部140の外周面下部に突設されるシャッター支持部143cに水平方向に固定して、シャッター145がポット取付基部140に対して上下回動自在に係止される。また、U字状とすることで回動支持部145bを組み立てやすく容易に着脱できるようにしている。そして、外れ防止として、前記U字状部へ組み付け後に押さえる板Tを設けており、組み付け後を(T)で図示している。このシャッター145は左右対称形に形成されローラ取付部145c及びローラ147も同様に取付け位置は対称になっていてポット取付基部140の個数だけ設けられているものである。
【0037】
そして、平面部145aで前記苗挿入用ポット148の下面を蓋する構成としている。また、シャッター145の枢支位置(支点ピン146および回動支持部145b)は、シャッター145において搬送方向の前側に設けられている。ローラ支持部145cは、シャッター145の搬送方向後側の左右一側で、前記板状部材を平面部145aに対して垂直下方に板面が進行方向と平行となるように折曲した部位である。ローラ支持部145cにはローラ147が配置され、該ローラ147は進行方向に対して直角水平方向に支持ピン149を支持して、シャッター145に対し回転自在に枢支される。
【0038】
シャッター145に設けるローラ147は、前記案内レール139上を転動するようにしている。図6は苗供給部の部分平面図であり、この図に示すように、該ローラ147はポット取付基部140毎に取り付けられるが、搬送方向(図6中矢印イ)に対して左右交互にローラ147が配置されている。つまり、一つの苗供給部107において、多数連結したポット取付基部140・140・・・は偶数個とし、それぞれ順に番号を付したときに、奇数に位置するポット取付基部140と偶数に位置するポット取付基部140では搬送方向に対して交互に左右逆側にローラ147・147・・・を配置しているのである。言い換えれば、奇数(または偶数)のローラ147は内周側に、偶数(または奇数)のローラ147は外周側に配置するのである。
【0039】
また、図7のように案内レール139上をローラ147が転動する経路において、機体上方の案内レール139の前部側に開口部(または切欠)139R・139Lを左右前後位置を齟齬させて並設配置している。そして、図6において示すように、開口部139R・139Lに臨むような形状の鋼線(ピアノ線)がスロープ336L(336R)側へ向かって伸びており、その一部は斜め下方に向くよう形成されてその端部は前記シャッター145が下方に垂直方向に開いた時のその搬送回転方向後側の水平面145aに当接して後側への揺れ戻しをできないような位置で止まるように前記鋼線B(ピアノ線)又は板ばね(BT)の取付け基部(BM)とは変位されていて、取付け基部BMは上下左右方向へ調節可能なように締結部材(ボルト等)Nで案内レール139から左開閉案内部340および右開閉案内部341側へ向けて取付けられている。
【0040】
このように、本実施例では2条植えとしているが植付条数の増加に伴い、シャッター145と開孔器151の数が増設される場合などにおいては、シャッター145のローラ147の数を増加させてそれぞれのローラ147が通過する案内レール139の経路に応じて案内レール139の対応する部分を切欠してシャッター145の開放位置を設定するなどの対応を図れば条数の増加対応は可能となるもので、それと併せて強制的にシャッター145を苗供給側である下方への押えつけ作用を行う付勢手段ある鋼線Bや板ばねBTも同時に設けることは勿論であり、その作用も同様とするものである。
【0041】
そこで図8を用いて苗搬送体150の作動状態を説明しながらシャッター145と該シャッター145を開方向へ強制付勢手段である鋼線B(ピアノ線)又は鋼線Bより幅の広い板ばねBTの作用を説明する。ポット取付基部140の本体である嵌合環158は筒体であり、苗挿入用ポット148も筒体からなり、これらを合わせて構成される苗搬送体150は筒体であり、苗挿入用ポット148には、苗126が挿入されている状態を示しているが苗の挿入状態をあらわすだけであり、実際の作業状態では図示の苗挿入用ポット148から苗が移植部120に落下しているものである。その落下した苗126を挿入されていた苗挿入用ポット148が矢印H方向に搬送されるのであるがその時のシャッター145を仮にシャッター145Aとしてローラ147がスロープ336L(336R)に沿って上昇しながら移動することで次の状態シャッター145Bとなって苗挿入用ポット148の底部を閉鎖して次の苗126の挿入を待っている状態を示すもので、それが更に図の右側へ移動した時をシャッター145Dとして示している。
【0042】
そこで次の苗126が挿入されて対応する移植部120の開孔器151と平面視重複した位置になる直前の状態として同じく符号145Dを使って説明するがガイドレール139のうちの切欠き部139L(139R)にさしかかろうとするとシャッター145のローラ取付部145cの平面部に鋼線(ピアノ線)Bの斜め下方へ押さえ付けられる方向へ付勢されて後はシャッター145自体の重さで支点ピン146を支点として開くものでその時移植部120の開孔器151とタイミングが合致して苗126が落下するのである。
【0066】
その時、シャッター145は自重により慣性が働き、振り子運動を来たすのであるがシャッター145の平面部145a苗が落下している状態の姿勢を乱さないように揺れ戻しを抑制するように鋼線B(板ばねBT)の先端部が前記平面部145aに当接するような長さとしてある。その時のシャッターを145Eとして表しているのである。そして、開孔器151とシャッター145はそれぞれ2条分が同時にタイミングが合うようにされているので苗126の供給は同時となっている。この時、前記鋼線Bと板ばねBTはそれぞれ取り付け位置を前後に齟齬させて平面視作用する部位がそれぞれ内側方へ変位して設けられているのである。つまり、前記開口部139R・139Lではローラ147を支えるものがなくなり支点ピン146を中心にシャッター145が下方に回動すると、ポット取付基部140の下方が開口されて、苗126が移植部120に落下するようにしている。
【0043】
図3に示すように、開口部139R・139Lはそれぞれ、苗供給部107における苗落下位置であり、該苗落下位置には移植開孔器151・151がそれぞれ平面視重複するように配置される。
【0044】
前記複数の苗搬送体150は、左側の開口部139Lより苗126を落下させる苗搬送体150群(以下、左移植用の苗搬送体150群)と、右側の開口部139Rより苗126を落下させる苗搬送体150群(以下、右移植用の苗搬送体150群)との二群からなっている。そして、苗搬送体150の移動する循環経路の外側にローラ147を配置した苗搬送体150の集合が左移植用の苗搬送体150群であり、該循環経路の内側にローラ147を配置した苗搬送体150の集合が右移植用の苗搬送体150群である。前記したように、それぞれの苗搬送体(左移植用・右移植用)150は同時にシャッター145が苗126を開孔器151へ受け渡す位置である下方への開と上昇端となって落下姿勢の乱れがない状態となって移植作業の向上が期待できるのである。
【0045】
ここで、案内レール139の構成について詳説する。(この場合は、2条植えの実施例である)案内レール139は、ポット取付基部140(苗搬送体150)の移動する循環経路に沿って形成されるものである。図7に示すように、案内レール139は、ポット取付基部140の循環経路と平面視重複するように、長円状に形成されている。該循環経路と平行に、ローラ147が案内レール139に転動する移動経路が二列形成(4条植えの場合は四列となる)されており、左開閉案内部340および右開閉案内部341としている。循環経路の外側に位置する左開閉案内部340は、前記左移植用の苗搬送体150が備えるローラ147を案内して、該苗搬送体150のシャッター145を開閉させるものである。また、循環経路の内側に位置する右開閉案内部341は、前記右移植用の苗搬送体150が備えるローラ147を案内して、該苗搬送体150のシャッター145を開閉させるものである。
【0046】
左側の開口部139Lは、左開閉案内部340と平面視重複するものとなっており、該重複部が左開閉案内部340におけるローラ147の開放案内部340aである。開放案内部340aでは、左移植用の苗搬送体150に備えるローラ147が強制付勢手段である鋼線B又は板ばねBTの作用で下方に落下してシャッター145が開放され、該苗搬送体150より苗126が落下する。また、左開閉案内部340において、開放案内部340aを除く部位は、ローラ147の閉鎖案内部340bである。閉鎖案内部340bでは、左移植用の苗搬送体150に備えるローラ147の落下ができないような形状とされており、制止されてシャッター145は閉鎖状態に保たれ、該苗搬送体150による苗搬送が行われる。
【0047】
つまり、左開閉案内部340は、左移植用の苗搬送体150に備えるローラ147が転動する面である閉鎖案内部340bと、該ローラ147が落下する開放案内部340aとからなる。同じく右開閉案内部341も、右移植用の苗搬送体150に備えるローラ147が転動する面である閉鎖案内部341bと、該ローラ147が落下する開放案内部341aとからなっている。
【0048】
以上をまとめる。左右方向に長い長円形の案内レール139には、開口部139R・139Lが前記循環経路に沿って開口される。該開口部139R・139Lは、ポット取付基部140の底面積よりも大きくして苗126を落下できるようにするシャッター145を開放するための閉鎖案内部340a・341aのいずれか一方が形成される。具体的には、搬送方向に対して一方は左右一側を、他方は左右他側をそれぞれローラ147が落ち込むように位置を合わせて側方に大きく開口し、ローラ147が位置しない側はポット取付基部140の底面よも若干広げる程度で苗126は落下する(シャッター145が下方へ回動できる)が、進行方向前後隣接するポット取付基部140に付設されているローラ147は落ち込まないようにしている。つまり、開口部139R・139Lはポット取付基部140の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に広げて開口している。また、開口部139R・139Lは、搬送方向(循環経路)に対しては、連結したポット取付基部140の三ピッチまたは五ピッチ離れた位置に開口しており、この間隔は条幅(条間隔)に合わせている。
【0049】
そして、開口部139L・139R内における進行方向終端側のローラ147が通過する位置には、徐々に上昇して案内レール139のローラ147転動面につながるスロープ(傾斜面)336L・336Rが、それぞれ設けられている。スロープ336L・336Rの傾斜方向は、搬送方向に対し前高後低であり、ローラ147が引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャッター145が閉じるようにしている。
【0050】
シャッター145の開閉は、ローラ145cの平面部を付勢する鋼線(ピアノ線)B或いは、板バネBTにより付勢弾圧されて強制的に開放されるようにしてローラ147の下方に、該ローラ147の当接する案内レール139の有無(開放案内部340a・341aの有無)により行われる。また、シャッター145は開いた状態では、シャッター145自体の重量により案内レール139が無い部分では慣性力により振子運動を行なうのであるが、前記鋼線(ピアノ線)B或いは板バネBTの先端でシャッター145の平面部145aに当接することで揺れ戻しを防いでいる。シャッター145が揺れ戻しがある場合は、その揺れているシャッター145が落下中の苗126へ干渉或いは苗126の途中に接触してしまって乱れるものであったが、鋼線B或いは板ばねBTの平面部145cに接当してその戻りを防ぐので開孔器151へ苗126を受け渡す時の姿勢の乱れがない状態の正常な姿勢で供給されるものとなっている。特に、シャッター145において、開放から閉鎖に至る際には、スロープ336L(またはスロープ336R)にローラ147が案内されることで行われる。シャッター145の開閉構成が以上のようなものであるので、前述したように、シャッター145の枢支位置を搬送方向の前側とすることで、シャッター145がスロープ336L(またはスロープ336R)との当接時に、必ず閉鎖方向に回転するようにしている。
【0051】
このように、苗供給部107は長円状に苗搬送体150が配置されて、各苗搬送体150は、機体後方の主作業者と補助作業者が位置する前を順に通過して、その通過時に苗126が苗挿入用ポット148内に挿入される。苗搬送体150が長円状とした循環経路に沿って、その前方の移植部120が位置する部位に移動すると、三ピッチ離れたローラ147・147が同時に鋼線B或いは板ばねBTの作用により強制的に下方へ開くように作動して、苗落下位置である開口部139R・139L内に落ち込み、シャッター145・145が下方に回動して開く。そして、苗搬送体150が保持する苗126が落下して、移植部120の移植開孔器151・151内に投入される。そして、苗搬送体150が苗落下位置を通過すると、ローラ147・147はスロープ336L・336Rに当接して徐々に上昇して、シャッター145・145が閉じられるのである。このようにシャッター145の開閉は簡易な構成とされているのである。
【0052】
従って、一つの移植開孔器151に対して苗搬送体150から一つおきに供給される。つまり、奇数となるポット取付基部140は左右の開口部の左側(または右側)、偶数となるポット取付基部140は右側(または左側)の開口部で下方のシャッタ145が開かれ、奇数と偶数で左右の条(一条と二条または三条と四条)の移植開孔器151・151に落下することになる。よって、これらの繰り返しにより同時二条の植付けが可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのである。
【0053】
次に、移植部120に設ける一対の移植開孔器151・151およびその昇降機構について説明する。図1、図2に示すように、ミッションケース104の後方に位置する前記移植部120には、機体内部の左右に配置して苗供給部107から畝125へ搬送する一対の移植開孔器151・151と、該移植開孔器151・151の昇降機構とが備えられている。左右の各移植開孔器151の一側方には、ロータリケースが配置され、各移植開孔器151の左右他側には、移植開孔器151の昇降をガイドする昇降ガイド153と、これらを連結するアームやリンク等が設けられている。ロータリケースと昇降ガイド153・153は作業部支持フレーム105に固定され、この内側に移植開孔器151・151が配設され、該移植開孔器151・151は前記苗供給部107の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成されている。
【0054】
ミッションケース104の後部で苗供給装置107の下方に苗移植装置120が配置される。苗移植装置120には、開閉かつ上下昇降する移植開孔器151・151が左右一対備えられている。該移植開孔器151は、閉鎖状態で苗を保持し、開放状態で苗を落下させる構成とされている。各移植開孔器151は、自らの移動経路の上死点側(最上昇端側)で苗供給装置107より苗126を受け取る。より詳しくは、前記適宜位置の苗搬送ポット140より落下する苗126が、移植開孔器151に上方より投入される。また、各移植開孔器151は、自らの移動経路の下死点側(最下降端側)で畝125中に突入して開放状態となって、畝125中に苗126の植付穴を形成すると共に、該植付穴に苗126を落下させる。そして、移植開孔器151・151の後方に配置した覆土輪122・122・・・により、苗126の根部に土を寄せて覆土して、一つの苗126の移植作業が完了する。
【0055】
操作ハンドルであるハンドルフレーム106後部に設ける各種レバーの配置構成について説明する。ハンドルフレーム106後部は、野菜移植機101の走行に随伴する作業者の運転操作部109となっており、ここには野菜移植機101操作用の各種レバーが設けられている。
【0056】
図2、図9、図11に示すように、平面視において、ハンドルフレーム106と苗供給装置107とで囲まれる空間内に、複数のレバーが配置されるものとなっている。該空間内における右側には、機体上下レバー349がハンドルフレーム106右後部に支持される構成で設けられている。同じく左側には、主クラッチレバー350がハンドルフレーム106左後部に支持される構成で設けられている。また、該空間内の中央部には、主変速レバー342および油圧ロックレバー371が図10(a)、図14のように配設されて苗供給装置107の基部フレーム376に支持される構成で設けられている。該基部フレーム376はハンドルフレーム106および上支持フレーム323により支持されている。
【0057】
主クラッチレバー350は、エンジン動力を、走行駆動機構(後輪117・117の駆動機構)および作業駆動機構(移植作業装置150Aの駆動機構)から断接する操作手段である。機体上下レバー349は前記油圧シリンダ228の操作手段であり、移植作業装置150Aのクラッチレバーを兼用する構成である。また、主変速レバー342は、主変速切替(後述)の操作手段である。
【0058】
図2、図9に示すように、主クラッチレバー350は、平面視T字形状に構成されている。そして、T字を形成する横軸の端部に取手350aがそれぞれ設けられ、機体(機体下方の畝)の左右のどちらに位置する作業者であっても、主クラッチレバー350の操作が可能となっている。(この時、T字の横棒は左右同じ長さとすることも勿論可能である。)
【0059】
ミッションケース104から移植作業装置150Aまで駆動力を伝達する機構について説明する。図11に示すように、ミッションケース104の後上部には、該ミッションケース104の内部より、左右にそれぞれ延出する作業部駆動軸114L・114Rが設けられている。左方(進行方向)に延出する作業部駆動軸114Lには、苗移植装置120に備える左右一対の移植開孔器151・151を、それぞれ昇降駆動するためのスプロケット127・127が固設されている。そして、スプロケット127・127のそれぞれよりチェーンを介して動力が伝達されて、苗移植装置120に備える一対の移植開孔器151・151が駆動される。一方、右方に延出する作業部駆動軸114Rには、苗供給装置107を駆動するためのスプロケット313が固設されている。スプロケット313よりチェーン375を介して動力が伝達(図13)されて、苗供給装置107が駆動される。そして、苗供給装置107に備える苗搬送ポット148群が長円状の連結軌跡に沿って移動して、移植開孔器151への苗受渡位置まで苗126を搬送する。
【0060】
次に、野菜移植機101における変速切替手段について説明する。本実施の形態における野菜移植機101は、ミッションケース104に内蔵されるトランスミッションで、主変速切替および副変速切替が行われるものとなっている。図10(a)(b)、図11、図12に示すように、ミッションケース104より左側方に向けて、主フォークロッド440が延出している。主フォークロッド440をミッションケース104に対して挿脱することで、ミッションケース104内のギヤの噛合が切り替えられ、主変速切替が行われる。野菜移植機101の主変速切替においては、「走行」(移動走行)、「後進」、「中立」、「植付」(作業走行)の切替が可能となっている。「走行」(移動走行)は非作業時における前進移動への切替であり、「後進」は非作業時における後進への切替である。また、「植付」(作業走行)は苗移植作業時における前進移動への切替であり、「中立」は走行停止への切替である。
【0061】
また、図11に示すように、ミッションケース104の右側方に向けて、副フォークロッド341が延出している。副フォークロッド441をミッションケース104に対して挿脱することで、ミッションケース104内のギヤの噛合が切り替えられて、副変速切替が行われる。本実施の形態である野菜移植機101の副変速切替においては、二段階(一速・二速)の切替が可能となっている。副変速における二段階の変速切替は、一人作業(低)、二人作業(高)の変速切替となる。
【0062】
ここで、本実施の形態での駆動伝達構成は、エンジン出力が、まず副変速切換を受け、次いで主変速切換を受け、両変速切換えを受けた動力が、作業出力および走行出力として取り出されるものとなっている。移植作業に際しては、一人作業時は、副変速を「低」(一人作業)とし、主変速を「植付」にして作業を行う。二人作業時は、副変速を「高」(二人作業)とし、主変速を「植付」にして作業を行う。なお、移動走行の際には、作業者の人数に関わり無く、副変速を「高」(二人作業)に切換えて、主変速の「移動」を選択して、走行する。
【0063】
図11、図13に示すように、前記副フォークロッド441の突出側先端には取手441aが設けられており、副フォークロッド441自体が副変速レバーとして構成されている。作業者は、野菜移植機101の前部右側に移動して、ミッションケース104の右側面より突出する副変速レバー(副フォークロッド441)を挿脱して、副変速の切替が可能である。(この時、副変速レバーを操作するには隣の畝との間の溝(谷部)を通ってしかも苗載台131・131が畝の上部まで張り出し状に回動されていることから後輪との関係で畝125を踏みつけるなどの問題が発生することから運転操作部109から直接操作できるようにロッドやワイヤーなどで連繋できるようにすることが望ましいものである。)
【0064】
主変速レバー342の配置構成について説明する。図1、図2、図9、図10、図13、図14に示すように、作業者による主変速の切替操作手段である主変速レバー342は、苗供給装置107の後方に配置されている。該主変速レバー342は、苗供給装置107の下方でリンクを介して、前記主フォークロッド440に連結されるものとなっている。図7に示すように、主変速レバー342の配設位置は、平面視で、ハンドルフレーム106と苗供給装置107とで囲まれる空間内の中央部であり、左右両側から操作可能な位置となっている。
【0065】
前記リンクの構成について説明する。図11、図13、図14、図15に示すように、ミッションケース104の左側方より苗供給装置107の後方に向けて、長尺部材であるリンクロッド443が前後方向略水平に配置されている。リンクロッド443は、ミッションケース104の左側面と苗供給装置107の基部フレーム376後端部とで、受け部材を介して前後摺動、かつ、回転自在に支持されるものとなっている。リンクロッド443の配設位置は、上下位置では、苗供給装置107(苗搬送ポット140連)の下側である。また、左右方向では、左右の移植開孔器151・151の間、ミッションケース104の左側、ハンドルフレーム106の中央となっている。
【0066】
図11、図12、図13に示すように、ミッションケース104の左側面には、平面視コ字状のロッド受け444が固設されている。ロッド受け344は、リンクロッド443の前側での前記受け部材である。ロッド受け444は板材を折曲加工して形成されて、三つの板状部分からなっており、両端側の板状部分である一対の支持部444a・444bが前後に配置され、中央の板状部分である取付部344cがミッションケース104の側面に、ボルト等の締結手段により固設されている。前後に位置する支持部444a・444bにはそれぞれ、リンクロッド443を挿通するための挿通孔が形成されており、リンクロッド443がロッド受け444に対して回動自在に支持されるものとなっている。
【0067】
リンクロッド443の前部には、該リンクロッド443と主フォークロッド440とを連結するリンクアーム445が固設されている。リンクアーム445は、ロッド受け444の後方に位置している。図11、図12、図15に示すように、主フォークロッド440の先端には、後方へ延出する係合ピン446が固設されており、リンクアーム445には、係合ピン446を挿通する係合孔445aが形成されている。係合孔445aはリンクアーム445延設方向に沿った長孔に構成されており、リンクアーム445の左右回動に対して係合ピン446が係合孔445aの長孔で上下方向は許容されて、主フォークロッド440がミッションケース104に対して挿脱(左右動)されるようにしている。
【0068】
一方、図13、図14に示すように、前記基部フレーム376の後端部には、側面視逆L字状の支持プレート347が固設されている。支持プレート347は、リンクロッド443の後側での前記受け部材である。支持プレート347は、平板部材を折曲加工して形成され、上下方向に延出する支持部347aと支持部347aの上端より後方に延出する表示部347bとから構成される。支持プレート347の下部には、ピローブロック348が固設されると共に、該ピローブロック348に前記リンクロッド343が回動自在に設けられている。そして、リンクロッド443が、前方のロッド受け444と後方のピローブロック348とで、機体フレームに回動自在に支持されるようになっている。
【0069】
図10(a)・(b)に示すように、リンクロッド443の後端部には、主変速レバー342が固設されている。主変速レバー342はリンクロッド443後端より上方に延出するように設けられて、該主変速レバー342の取手342aがハンドルフレーム106の上方に位置するものとなっている。そして、作業者は主変速レバー342を握って、左右に回動させることで、リンクロッド443等からなるリンクを介して、主フォークロッド440をミッションケース104に対して挿脱して、主変速切替操作を行う。主変速レバー342の左右回動による切替位置は、左から順に、「走行」(移動走行)、「中立」、「植付」(作業走行)、「中立」、「後進」となっている。また、支持プレート347の上端で後方に延出する部分の上面は表示部347bとし、変速切替用の銘板として機能するものであり、前記主変速切替位置に対応して、「走行」(移動走行)等の文字が記されている。そして、作業者は変速銘板としての表示部347b上の表示(文字)を見て、切替位置を把握可能である。
【0070】
ここで、野菜移植機101は、上下昇降して苗の移植を行う移植開孔器151・151と、移植開孔器151・151に苗を供給する苗供給装置107とを備え、苗供給装置107の前方にトランスミッションケース104を配置すると共に、苗供給装置107の後方に延出する操作ハンドル(ハンドルフレーム106)を設けている。そして、以上構成の野菜移植機において、変速レバー(主変速レバー342)を、苗供給装置107の後方の操作ハンドルの内側に配置するものとしている。
【0071】
このため、変速レバー(主変速レバー342)を、ミッションケース104側部に設ける場合に比して、レバー自体の長さが短縮されて剛性がアップし、変速レバーの操作による変速切替が確実なものとなる。また、変速レバーを苗供給装置107の後方に設けることで、変速銘板(表示部347b)も苗供給装置107の後方に設けることができ、作業者は切替位置の把握が容易に可能である。したがって、変速レバーの操作性を向上させることができる。
【0072】
本実施の形態の野菜移植機101では、トランスミッション104において、主変速切替と副変速切替を可能とすると共に、両切替のそれぞれを行うための操作手段を備えている。該操作手段は、主変速レバー342および副変速レバー(副フォークロッド441)である。そして、主変速レバー342は、前述したように、苗供給装置107の後方に配置すると共に、該変速レバーを苗供給装置107の下側で前記リンクを介して、ミッションケース104内で変速切替を行うフォークロッド(主フォークロッド440)に連結されるものとなっている。ここで、副変速レバーに関しても、苗供給装置107の後方に配置すると共に、該変速レバーを苗供給装置107の下側で前記リンクを介して、ミッションケース104内で変速切替を行うフォークロッド(副フォークロッド441)に連結される構成としても良い。
【0073】
このように、副変速レバーを前記主変速レバー342と同様に、リンクを介して苗供給装置107の後方に設けることで、副変速レバーの操作のためにミッションケース104側方まで作業者が移動する必要がなく、操作性の向上が実現される。また、主変速レバー342と同様の効果、つまり、変速レバーの操作による変速切替が確実とすると共に、変速銘板を作業者が視認しやすい位置に設けることができ、操作性の向上が実現される。更に、表示部347bにH型のレバーガイドを設け、主変速と副変速を一つのレバーで操作できるようにすることも可能である。
【0074】
次に、株間調節に関わる変速切替機構について説明する。株間調節は、走行駆動速度に対する作業駆動速度(移植作業装置150Aの駆動速度)を変速することで、行われるものである。図16に示すように、野菜移植機101には、この変速手段として、ベルト式無段変速装置352が設けられている。
【0075】
ベルト式無段変速装置352は、図11に示すように一対の割りプーリ353a・353aで構成される無段変速プーリ353と、出力プーリ354とを備え、両プーリ353・354間はベルト355により巻回される。無段変速プーリ353は、ミッションケース104の外側へ突出する株間変速入力軸356上に外側の割りプーリ353aが固設され、内側の割りプーリ353aは株間変速入力軸356上に軸心方向に摺動自在に設けられ、株間変速入力軸356上に設けたスプリング384にて外側割りプーリ353a側に付勢されており、該株間変速入力軸356には前記主変速および副変速後のエンジン動力が伝達される。また、出力プーリ354は、同じくミッションケース104の外側へ突出する株間変速出力軸357に固設されており、該株間変速出力軸357には、ベルト式無段変速装置352における変速後の動力が伝達される。該株間変速出力軸357は、ミッションケース104内でギヤ等を介して、前記作業部駆動軸114L・114Rに接続されている。
【0076】
ベルト式無段変速装置352には、変速切替手段として、ベルト355に内側から当接するテンションローラ358が設けられている。但し、テンションローラ358は外側から内側へ付勢する構成とすることもできる。前記無段変速プーリ353は、内側がテーパ状に形成された一対の割りプーリ353a・353aを備えると共に、両割りプーリ353a・353aが接近するように付勢する手段(スプリング384)が設けられている。そして、前記テンションローラ358の位置変化により、無段変速プーリ353とベルト355との接触位置の径を変化させることができる。テンションローラ358をベルト355の外側に移動させるにつれ、割りプーリ353a・353aの間隔は広げられ、無段変速プーリ353とベルト355との接触する径が小さくなる。逆に、テンションローラ358をベルト355の内側に移動させるにつれ、内側の割りプーリ353aはスプリング384に押されて無段変速プーリ353とベルト355との接触する径が大きくなる。このように、ベルト355が無段変速プーリ353と接触する径を変化させることで、株間変速入力軸356と株間変速出力軸357との間で、軸の回転速度を無段階に変速させることが可能である。
【0077】
テンションローラ358の位置変化を行わせる移動機構について説明する。図16に示すように、この移動機構として、株間調節ハンドル359と、株間調節ハンドル359およびテンションローラ358を連結する第一リンクとが、設けられている。なお、株間調節ハンドル359は、作業者による株間調節のための操作手段である。前記第一リンクは、ミッションケース104の右側面に回動可能に設けられるテンションアーム360により構成される。テンションアーム360はV字型に形成され、V字を形成する二辺の連結部(中途部)でミッションケース104に枢設され、一端が株間調節ハンドル359に接続され、他端にはテンションローラ358が回動自在に設けられている。但し、テンションアーム360は真っ直ぐなアームとして、その一端を枢支して、中途部で株間調節ハンドル359と連結する構成とすることもできる。前記株間調節ハンドル359は、略逆L字状に形成されており、L字を形成する縦軸359aの先端には螺子部359bが形成されると共に、該螺子部359bは、前記テンションアーム360の一端に枢支した螺子受け360aと螺合するものとなっている。また、株間調節ハンドル359において、L字を形成する横軸359cの先端には取手359dが回動自在に設けられている。そして、取手359dを縦軸359a回りに回転操作することで、縦軸359aが同軸上で回転し、螺子受け360aを設けるテンションアーム360が上下に回転する。
【0078】
なお、株間調節ハンドル359は、取手359dの回転操作によらず、ほぼ位置変化しないように、次のようにミッションケース104に設けられている。縦軸359aは、ミッションケース104に設ける軸受け361に挿通されて、軸受け361に対して軸回りに回転可能かつ軸方向で移動不能(上下方向に移動不能)となっている。軸回りに回転可能であるため、縦軸359aは取手359dの回転により回転する。また、軸受け361は、ミッションケース104に対して側面視で回動自在(左右方向を回動軸として回動自在)となるように、ミッションケース104の右側面に設けられている。そして、株間調節ハンドル359の回動操作により、螺子受け360aを上下だけでなく左右に移動可能として、テンションアーム360が抵抗なく回転できるようにしている。但し、縦軸359aの一端にベベルギヤまたはユニバーサルジョイント等を介して操作軸を運転操作部109へ延設して、操作できるように構成することもできる。
【0079】
ベルト式無段変速装置352には、株間調節ハンドル359による変速量を表示するインジケータ362が設けられている。図17に示すように、ミッションケース104の右側方で、ミッションケース104を被覆する側部カバー363には、テンションローラ358の枢支軸364の移動方向(回動軌跡)に沿って長孔363aが形成されており、該枢支軸364を側部カバー363より外側へ突出させて移動可能としている。
ここで、枢支軸364は、テンションローラ358とテンションアーム360とを枢設する軸であり、テンションアーム360の回動により円弧上を移動する。そして、前記長孔363aの形成方向に沿って周囲に、目盛りにより構成される表示部363bを設けることで、該枢支軸364を指針とするインジケータ362が構成されている。該インジケータ362は、テンションローラ358の位置変化を利用して構成されるものとなっており、該インジケータ362に株間情報(現在の株間距離)が表示される。
【0080】
以上のように、野菜移植機101には、機体の走行に連動して苗の移植を行う移植作業装置150と、移植作業装置150の駆動速度を走行速度に対して変速するベルト式無段変速装置352とが設けられている。そして、ベルト式無段変速装置352における入力側のプーリと出力側のプーリの間にテンションローラ358を設け、該テンションローラ258を支持するテンションアーム360の回動で変速する構成とし、該テンションアーム360の移動部近傍にインジケータ362を設けている。なお、本実施の形態では、入力側のプーリが無段変速プーリ353であり、出力側のプーリが出力プーリ354であるが、無段変速プーリを出力側としてもよい。
【0081】
このため、調整された株間の値を作業者が目視で確認することができ、株間調節の再現性が確保される。したがって、野菜移植機101の操作性が向上する。
【0082】
また、本実施の形態では、前記テンションローラ358の移動機構を、機体に設ける株間調節ハンドル359と、該株間調節ハンドル359を螺装してテンションアーム360と枢結する螺子受け360aとから構成し、テンションローラ358の枢支軸364をインジケータ362の指針としている。このため、インジケータ362を簡単な構成で製造することができ、コスト低減に繋がる。
【0083】
また、本実施の形態では、前記インジケータにおける指針は、テンションローラ358に設ける枢支軸364としているが、この構成に限定されるものではない。インジケータの指針の配設位置としては、例えば、テンションアーム360において、枢支軸364と反対側の端部に設けた前記螺子受け360aであってもよい。つまり、株間調節ハンドル359の操作により連動して、位置変化が発生する部位(縦軸359aの自転等は除く)であれば、株間調節ハンドル359からテンションローラ358までのどの部位に、指針を設けるものであっても良い。
【0084】
ここで、図18を用いて、前記インジケータの構成の異なる別実施形態(第二実施形態)について説明する。第二の実施の形態におけるベルト式無段変速装置365では、株間情報を表示するインジケータの構成が異なるものとなっている。以下において、ベルト式無段変速装置352と同一の部材に関しては、同符号を用いると共に説明を省略する。
【0085】
図18に示すように、ベルト式無段変速装置365にも、テンションローラ358の枢支軸364の位置変化を利用して構成されるインジケータ366が設けられている。インジケータ366は、ミッションケース104を被覆する上部カバー367に形成した長孔367aと、該長孔367aの形成方向に沿って移動自在な指針368とを備えている。なお、長孔367aの形成方向は上下方向となっており、長孔367aの形成方向に沿って周囲に、目盛りを記した表示部367bが設けられている。指針368と前記枢支軸364とは連結ロッド369を介して連結されるものとなっている。また、指針368は、長孔367aの形成方向に沿ってのみ移動自在となるように、長孔367aの周囲に設けたガイド部材により移動が規制されるものとなっている。そして、テンションローラ358の円弧軌道の移動に連動して、連結ロッド369が移動して、指針368が長孔367aの形成方向に沿って移動する。以上構成により、インジケータ366に株間情報が表示される。
【0086】
以上のように、ベルト式無段変速装置365においても、テンションローラ358の移動機構は、株間調節ハンドル359と、該株間調節ハンドル359およびテンションローラ358を連結するリンクとから構成されるものとなっている。このリンクを、説明の便宜上、第一リンクとする。加えて、インジケータ366に備える指針は、前記移動機構より連結ロッド369を介して連結されるものとなっている。ここで連結ロッド369は、指針と前記移動機構の一部である枢支軸364とを連結するリンクである。該リンクは、前記第一リンクと異なるリンク(第二リンク)である。
【0087】
このため、株間情報を示すインジケータ366の配設位置を、前記第一リンクの配設位置と関わりなく設定することができる。したがって、作業者によるインジケータ366の視認性が容易であり、操作性が向上する。
【0088】
なお、本実施の別形態では、インジケータ366の指針368が連結ロッド369(第二リンク)を介して連結される部位は、前記移動機構のうち、枢支軸364としているが、この部位に限定されるものではない。株間調節ハンドル359の操作により連動して、位置変化が発生する部位(縦軸359aの自転等は除く)であれば(つまり移動機構中の部位であれば)、株間調節ハンドル359からテンションローラ358までのどの部位であってもよい。
【0089】
次に、油圧シリンダ228の油圧制御に関して説明する。図19に示すように、油圧ポンプ379より油圧シリンダ228へ圧油を供給するための油路上には、油圧方向切替バルブ378と、油圧ロックバルブ370とが設けられている。また、油圧ポンプ379は、図1、図15に示すように、ミッションケース104の前側に設けられている。油圧方向切替バルブ378は、昇降用リンク382を介して機体上下レバー349に接続されて、運転操作部109で作業者が切替操作可能である。また、油圧ロックバルブ370は、開閉用リンク383を介して油圧ロックレバー371に接続されて、運転操作部109で作業者が切替操作可能である。
【0090】
油圧方向切替バルブ378は、前記運転操作部109に設ける機体上下レバー349により切替えられるものであり、「機体上げ」、「中立」、「機体下げ」の三位置切替が可能である。「機体上げ」の切替では、油圧シリンダ228に圧油が供給されて、前記昇降リンク機構が駆動され、機体が自重に逆らって上昇する。「機体下げ」の切替では、油圧シリンダ228中の油が開放されて、自重による機体の下降に伴って、油が作動油タンク104にドレンされる。また、「中立」の切替では、油圧シリンダ228中の油がロックされて、機体が上昇も下降もしないで中立状態に保たれるものとなる。
【0091】
油圧ロックバルブ370は、油圧シリンダ228へ圧油を供給するための油路を開放もしくは閉鎖状態に切替えるバルブである。油圧ロックバルブ370が「閉」に切替られた状態では、油圧方向切替バルブの切替に関わりなく、前記油路が閉鎖される。作用としては、油圧方向切替バルブの「中立」切替と同様であり、機体が中立状態に保たれるものとなる。また、油圧ロックバルブ370が「開」に切替えられた状態では、油圧方向切替バルブ378の切替が有効となり、機体の上昇、下降が可能となる。つまり、油圧ロックバルブ370は、機体の上下位置を中立状態に保つための手段であり、油圧方向切替バルブ378による「中立」切替を確実とするものである。
【0092】
油圧ロックバルブ370の開閉操作手段について説明する。図15に示すように、油圧ロックバルブ370は、前記主フォークロッド440の前方に設けられている。油圧ロックバルブ370の開閉操作手段は、前記主変速の切替操作手段と同様であり、一部構成部材を兼用する構成となっている。図1、図2、図10、図13、図14に示すように、作業者による油圧ロックバルブ370の開閉操作手段である油圧ロックレバー371は、苗供給装置107の後方に配置されている。該油圧ロックレバー371は、苗供給装置107の下方で開閉用リンク383を介して、前記油圧ロックバルブ370に連結されるものとなっている。また、図10、図14に示すように、主変速レバー342と油圧ロックレバー371とは、後面視重複する位置に配置されるものとなっている。
【0093】
前記開閉用リンク383の構成について説明する。図14、図15に示すように、ミッションケース104の左側方より苗供給装置107の後方に向けて、長尺部材であるリンクロッド372が配置されている。リンクロッド372は、前記リンクロッド443の上方に設けられている。そして、ミッションケース104の左側面と基部フレーム376後端部とで、受け部材を介して前後略水平方向に支持されるものとなっている。この両受け部材は、前記リンクロッド443の受け部材と同一である(以下で説明する)。したがって、リンクロッド372の配設位置は、上下位置では、苗供給装置107(苗搬送ポット140連)の下側である。また、左右方向では、左右の移植開孔器151・151の間となっている。
【0094】
図11、図15に示すように、リンクロッド372の前側での受け部材は、前記ロッド受け444である。ロッド受け444において、前後に位置する支持部444a・444bにはそれぞれ、リンクロッド372を挿通するための挿通孔が形成されており、リンクロッド3372がロッド受け444に対して回動自在に支持されるものとなっている。
【0095】
リンクロッド372の前端部は、油圧ロックバルブ370の弁切替軸に連結されており、リンクロッド372の同軸上での回転により、油圧ロックバルブ370の切替が可能となっている。
【0096】
図10(a)(b)に示すように、リンクロッド372の後側での受け部材は、支持プレート347である。支持プレート347には、前記ピローブロック348の上方にベアリング373が固設されると共に、該ベアリング373に前記リンクロッド372が回動自在に設けられている。そして、リンクロッド372が、前方のロッド受け444と後方のベアリング373とで、機体フレームに回動自在に支持されるようになっている。
【0097】
図10(a)・(b)に示すように、リンクロッド372の後端部には、油圧ロックレバー371が固設されている。油圧ロックレバー371はリンクロッド371より上方に延出するように設けられている。そして、作業者は油圧ロックレバー371を左右に回動させることで、リンクロッド372等からなる開閉用リンク383を介して、油圧ロックバルブ370の開閉が切替えられて、油圧ロックバルブ370の操作可能となっている。油圧ロックレバー371の左右回動による切替位置は、左から順に、「閉」、「開」となっている。前記支持部347a上には、油圧ロックレバー371による切替位置に対応して、表示部347cが設けられており、表示部347cには「閉」および「開」の文字が表示されるものとなっている。
【0098】
ここで、野菜移植機101は、上下昇降して苗の移植を行う移植開孔器151・151と、移植開孔器151・151の支持フレームを上下昇降する油圧シリンダ228を備えるものである。移植開孔器151の支持フレームは、本実施の形態では、ハンドルフレーム106や作業部支持フレーム105等から構成される機体フレームとなっている。そして、油圧シリンダ228の油圧ロックバルブ370の開閉操作手段を油圧ロックレバー371とし、該油圧ロックレバー371は、機体後方に延出する操作ハンドル(ハンドルフレーム106)に設けられるものとなっている。
【0099】
このため、作業者は、操作ハンドル(ハンドルフレーム106)のある操作位置より離れることなく、油圧シリンダ228の油圧ロックが可能である。したがって、野菜移植機の操作性が向上する。
【0100】
次に、図9を用いて、油圧ロックバルブ370の開閉操作手段の異なる別実施形態について説明する。図9に示すように、別の実施の形態における油圧シリンダ228の油圧制御機構では、機体上下レバー349は、油圧ロックレバー371と連動連結して、機体上下レバー349の操作で、油圧方向切替バルブ378と油圧ロックバルブ370を切替操作可能となっている。
【0101】
機体上下レバー349の可動基部の内側の側面にはプレート386の一端が延設され、該プレート386の他端は連結ロッド385の一端(右端)に固定されている。該連結ロッド385は機体に左右摺動自在に支持され、該連結ロッド385はスプリング387により右方向に付勢されている。該連結ロッド385の他端は油圧ロックレバー371と枢結されている。このような構成で、機体上下レバー349を中立位置で、ロック方向(左方向)に回動することで油圧ロックすることができる。
【0102】
ここで、別実施の形態における野菜移植機も、上下昇降して苗の移植を行う移植開孔器151・151と、移植開孔器151・151の支持フレームを上下昇降する油圧シリンダ228を備えるものである。移植開孔器151の支持フレームは、本実施の形態では、ハンドルフレーム106や作業部支持フレーム105等から構成される機体フレームとなっている。また、油圧シリンダ228の油圧方向切替バルブ378の切替レバー(機体上下レバー349)を、機体後方に延出する操作ハンドル(ハンドルフレーム106)に設けている。そして、油圧シリンダ228の油圧切替バルブ378の切替レバー349と油圧ロックバルブ370の閉鎖切替手段とを連動連結している。
【0103】
このため、油圧ロックバルブ370の開閉操作手段を設ける必要がない。また、連動構成とすることで、圃場での野菜移植機の停止時に、油圧中立とすることで常時油圧ロック(機体の上下位置固定)ができ、野菜移植機の操作性が向上する。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の如く、機体の走行に連動して苗の移植を行う移植作業機において、上下昇降して苗の移植を行う移植開孔器(151)と、該移植開孔器(151)に苗を供給する苗供給装置(107)とを備え、この苗供給装置(107)は、長円状に連結した苗搬送ポット(148)を回転駆動する構成とし、該苗搬送ポット(148)の長円状となる移動軌跡の適宜位置より苗を落下させて、該苗が、前記移植開孔器(151)に受け継がれ圃場へ移植される野菜移植機であって、前記苗搬送ポット(148)には、底面を開閉可能とするシャッター(145)を設け、該シャッター(145)が下方に垂直方向に開いた時に、後側への揺れ戻しをできないような位置で止まるように、強制的付勢手段により開方向へ付勢し、該強制的付勢手段は、前記苗搬送ポット(148)の長円状の移動軌跡に沿って設けられた案内レール(139)に、取付け基部(BM)を枢支したものであるので、苗搬送ポットの底面を開閉するシャッターを確実に開とすることが可能であり、苗の受渡し時の姿勢の乱れや開孔器との受渡しタイミングが合致することから移植機能を満足できるものとなった。
【0105】
請求項2においては、強制的付勢手段が鋼線(B)又は板ばね(BT)であるので、形状の単純化及び取付構造或いはコスト的にも安価で大掛かりな装置とすることもないのである。
【0106】
請求項3記載においては、強制的付勢手段が機体進行方向の前後の位置に変位して、複数設けられていることから、移植条数への対応が容易となり、それぞれの移植部開孔器が同時に作動することへの対応も可能である。
【0107】
請求項4では、該強制的付勢手段が、長円状に連結した苗搬送ポット(148)の回転駆動する方向に、変位して複数設けてあるので、更に植付け条数の増加へも対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 野菜移植機101の全体構成を示す側面図。
【図2】 同じく平面図。
【図3】 苗供給装置107の部分平面図
【図4】 苗搬送体150の構成を理解する上に資するための側面から見た簡略図である。
【図5】 図5(a)(b)はシャッター145の構成を示す部品としての図面。
【図6】 案内レール139の構成を示す平面部分図。
【図7】 案内部全体を示す平面図。
【図8】 苗搬送体150の作用状態を示す一部の側面図。
【図9】 操作部の平面部分図。
【図10】 図10(a)(b)は主変速切替部の後面図と、操作位置を示す平面図。
【図11】 ミッションケース104の後部平面図。
【図12】 変速部の後面図。
【図13】 ハンドル部及び苗搬送体とミッション後部の部分平面図。
【図14】 図14は、図13の側面の部分を示すもの。
【図15】 変速部と油圧切替え分の要部側面図。
【図16】 株間変速部の側面図。
【図17】 別実施例におけるインジケータ366の構成を示すミッションケース104の右側面図。
【図18】 他の別実施例におけるインジケータ366の構成を示すミッションケース104の右側面図。
【図19】 油圧シリンダ228の操作手段の構成を示す回路図。
【符号の説明】
101 野菜移植機
104 トランスミッションケース
106 ハンドルフレーム
107 苗供給装置
120 苗移植装置
150 移植作業装置
151 移植開孔器
B 鋼線(ピアノ線)
BT 板ばね

Claims (4)

  1. 機体の走行に連動して苗の移植を行う移植作業機において、上下昇降して苗の移植を行う移植開孔器(151)と、該移植開孔器(151)に苗を供給する苗供給装置(107)とを備え、この苗供給装置(107)は、長円状に連結した苗搬送ポット(148)を回転駆動する構成とし、該苗搬送ポット(148)の長円状となる移動軌跡の適宜位置より苗を落下させて、該苗が、前記移植開孔器(151)に受け継がれ圃場へ移植される野菜移植機であって、前記苗搬送ポット(148)には、底面を開閉可能とするシャッター(145)を設け、該シャッター(145)が下方に垂直方向に開いた時に、後側への揺れ戻しをできないような位置で止まるように、強制的付勢手段により開方向へ付勢し該強制的付勢手段は、前記苗搬送ポット(148)の長円状の移動軌跡に沿って設けられた案内レール(139)に、取付け基部(BM)を枢支したことを特徴とする野菜移植機のシャッター装置。
  2. 請求項1記載の野菜移植機のシャッター装置において、強制的付勢手段が、鋼線(B)又は板ばね(BT)であることを特徴とする野菜移植機のシャッター装置。
  3. 請求項1記載の野菜移植機のシャッター装置において、強制的付勢手段が機体進行方向の前後の位置に、変位して複数設けてあることを特徴とする野菜移植機のシャッター装置。
  4. 請求項1記載の野菜移植機のシャッター装置において、強制的付勢手段が、長円状に連結した苗搬送ポット(148)の回転駆動する方向に、変位して複数設けてあることを特徴とする野菜移植機のシャッター装置。
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