JP3930797B2 - 紙容器及び紙容器の成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は紙容器及び紙容器の成形装置に関し、特に1枚の板紙原紙からプレス成形によって形成される紙容器及び紙容器の成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の紙容器の外観形状を示す斜視図である。
【0003】
図を参照して、紙容器61はコーナーが丸められた四角形状の底面部13と、底面部13の外周縁から立ち上がる周壁部14と、周壁部14の上端縁から水平方向に伸びる水平フランジ部18と、水平フランジ部18の外周縁に形成された縁巻部20とから構成されている。尚、周壁部14のコーナー部は複数の線条64が形成された周壁コーナー部63となっている。
【0004】
紙容器61は1枚の板紙原紙をプレス成形することによって形成されるものであるが、図9はこの板紙原紙の外観形状を示した図である。
【0005】
図を参照して、板紙原紙101は厚さ0.25〜0.7mmの多層構造で四隅が丸められた長方形形状を有し、その中央部は紙容器61の底面部13に相当する部分であり、その外周側は、紙容器61の周壁部14、水平フランジ部18及び縁巻部20に相当する部分である。尚、底面部13の外周部分であって、四隅に対応する周壁コーナー部63には放射状の線条64が形成されているが、これはプレス成形時に容器のコーナー部に皺が発生し易いため、この皺を線条64によって吸収しようとするものである。又、板紙原紙101の表面であって紙容器61の内面側となる面には、耐熱性の樹脂コートや樹脂フィルム等が形成されており、これをプレス成形して紙容器61を形成することが多い。
【0006】
図10は図8で示した紙容器のプレス成形工程を概略的に示した図である。尚、紙容器の形状は、従来例として示した矩形形状のみならず、丸型形状のものであっても良い。
【0007】
図を参照して、図10の(1)に示されているように、成形後の紙容器に応じた大きさ及び形状の板紙原紙101として純白ロール紙、クラフト紙、パーチメント紙、アイボリー紙、マニラ紙、カード紙、カップ紙、グラシン紙等が用いられる。尚、板紙原紙101の上面及び下面には、耐熱性や保形性が要求される紙容器の用途に応じてポリエステル系やポリオレフィン系の樹脂層をフィルムの貼り合わせやコーティングによって形成させれば良い。
【0008】
次に、図示しない成形装置によって板紙原紙101の中央部分がプレス成形され、図10の(2)に示すように変化する。すなわち、1枚のシート状の板紙原紙101から紙容器の底面部13の部分と、これに連続する周壁部14の部分と、これに連続する平坦部15とが形成される。
【0009】
次に、平坦部15の部分がプレス成形されて図10の(3)の示すような形状に変化する。すなわち、平坦部15の部分から紙容器の水平フランジ部18に相当する部分と、これに接続する縁巻を形成するための縁巻代となる縁巻用脚立部19とが形成される。
【0010】
更に、縁巻用脚立部19から、プレス成形によるカーリング加工によって図10の(4)に示されているような縁巻部20が形成される。
【0011】
図11は図10の(3)及び(4)におけるプレス成形の状態に対応する成形装置の概略断面図である。
【0012】
図を参照して板紙原紙101は第1の型部材21と第2の型部材22とによって押圧されて、容器の底面部13、周壁部14及び水平フランジ部18の部分が成形されている。そして第1の外枠部材23が上方より下降してきて図10の(2)で示した平坦部15の一部を下方に折曲げ、これを縁巻用脚立部19としてしごきながら形成する。そして縁巻用脚立部19の先端が、第1の外枠部材23とカールリング部材25との対向部分によって形成されている溝部26にその一部が残った状態となる。
【0013】
カールリング部材25は、ストッパリング39の段差部40に当接して下方への移動が抑制されて停止する。第2の外枠部材24はストッパリング39の外側の高さの低い部分に当接しない構造になっているので、更に下方に移動し下死点に至る。このようにカールリング部材25が第2の外枠部材24よりも先に移動が停止し、押圧されることにより、第1の外枠部材23の溝部26aの内側端部が板紙原紙101の縁巻用脚立部19の外周部先端をカールリング部材25の溝部26bの内壁面との間の部分で挟み、打ち固める。
【0014】
溝部26bの内壁面が湾曲しているため、この内側端部の打ち固めと共に、板紙原紙101の縁巻用脚立部19の先端が曲げられ、カーリング方向の巻癖が形成される。溝部26aの内側端部により、板紙原紙101の縁巻用脚立部19の先端が打ち固められるため、先端の紙の密度は更に高められる。これと共に上述のようにカーリング方向の巻癖が形成される。
【0015】
次に、台座部27が上方向に移動し始めて、スプリング31によって付勢されているカールリング部材25、第2の外枠部材24及び位置決めリング34が、第1の外枠部材23と衝合した状態のままで共に上方向に移動し始める。この移動により、板紙原紙101の縁巻用脚立部19は溝部26内に挿入されていく。挿入された板紙原紙101の縁巻用脚立部19は、カール溝内の湾曲した内壁面に沿ってカーリングされ縁巻部が形成される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の紙容器はプレス成形によって形成されているため、プレス成形後の形状が変化する、いわゆるスプリングバックの現象を生じやすい。
【0017】
図12はこのようなスプリングバックを説明するための紙容器の概略断面図である。
【0018】
図を参照して、実線はプレス成形時の状態を示しており、仮想線は、プレス成形後にスプリングバックによって変形した状態を示している。図から明らかなように、底面部13の外周縁から立ち上がる周壁部14が外方方向に広がるように変形している。又、周壁部14の上端から水平方向に伸びる水平フランジ部18の先端に形成されている縁巻部20も、その巻込み径が大きくなるように緩んだ状態に変形している。
【0019】
周壁部14にあっては、プレス成形によって相対的に内面側は縮むような力が加えられ外面は伸びるような力が加えられる。このため、成形装置から紙容器が取出されるとこのような力が消失するため、周壁部14の内面側は伸びようとし、外面側は縮もうとする力が発生する。これによって周壁部14が外方に広がるように変形することになる。同様に縁巻部20にあってもプレス成形によって外面側は伸びるように力が加えられ、内面側は縮むように力が相対的に加えられる。このような力から開放されると、縁巻部20の外面は縮むように変形し、内面側は伸びるように変形して縁巻状態が緩むことになる。
【0020】
このようなスプリングバックが生じるため、仕上がり品のサイズが設計時のものと異なることが多くなる。このような紙容器の保形性の低下は、例えば蓋を嵌合させる場合等で問題を生じさせ、紙容器の品質が低下することになる。
【0021】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、プレス成形後のスプリングバックが生じ難い紙容器及びそのような紙容器を成形するための紙容器の成形装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、少なくとも底面部と、底面部の外周縁から立ち上がる周壁部とからなる紙容器において、周壁部の内面に凹部が形成され、凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とするものである。
【0023】
このように構成すると、周壁部を形成する板紙原紙の部分の凹部において圧縮変形が生じる。この圧縮変形は、周壁部の内面の全周に渡って生じる。
【0026】
請求項2記載の発明は、1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、少なくとも底面部と、底面部の外周縁から立ち上がる周壁部とからなる紙容器において、周壁部の外面に凹部が形成され、凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とするものである。
【0027】
このように構成すると、周壁部を形成する板紙原紙の部分の凹部において圧縮変形が生じる。この圧縮変形は、周壁部の外面の全周に渡って生じる。
【0028】
請求項3記載の発明は、1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、底面部と、底面部の外周縁から立ち上がる周壁部と、周壁部の上端縁から水平方向に伸びる水平フランジ部と、水平フランジ部の外周縁に形成された縁巻とからなる紙容器において、縁巻の内面に凹部が形成され、凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とするものである。
【0029】
このように構成すると、縁巻を形成する板紙原紙の部分に折り癖が生じ、縁巻の巻込み時の反発力が低下する。
【0032】
請求項4記載の発明は、1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、底面部と、底面部の外周縁から立ち上がる周壁部と、周壁部の上端縁から水平方向に伸びる水平フランジ部と、水平フランジ部の外周縁に形成された縁巻とからなる紙容器において、縁巻の外面に凹部が形成され、凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とするものである。
【0033】
このように構成すると、縁巻を形成する板紙原紙の部分に折り癖が生じ、縁巻の巻込み時の反発力が低下する。
【0034】
請求項5記載の発明は、1枚の板紙原紙から少なくとも底面部と、底面部の外周縁から立ち上がる周壁部とからなる紙容器をプレス成形するための成形装置であって、周壁部の外面をその第1の傾斜壁部でプレスするための第1の型部材と、周壁部の内面をその第2の傾斜壁部でプレスするための第2の型部材とを備え、第2の傾斜壁部には、水平方向に連続する三角形断面の突起体がn本形成されており、突起体の外方の2辺の長さをT1,T2とし、突起体の内方の1辺の長さをDとし、前記突起体の高さをHとし、第2の傾斜壁部の立ち上がり方向の長さをL1とし、第1の傾斜壁部の立ち上がり方向の長さをL2とすると、L2−L1=S1,T1+T2−D=S2,0.7×S1≦n×S2≦1.5×S1,0.02mm≦H≦0.10mmの関係を有するものである。
【0035】
このように構成すると、プレス成形された紙容器の周壁部の外面の立ち上がり長さと内面の立ち上がり長さとがほぼ同一となる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、周壁部の内面全周に渡って板紙原紙の圧縮変形が生じるため、周壁部におけるスプリングバックが防止され、紙容器の保形性がより向上する。
【0038】
請求項2記載の発明は、周壁部の外周の全周に渡って板紙原紙に圧縮変形が生じるため、周壁部におけるスプリングバックが防止され、紙容器の保形性がより向上する。
【0039】
請求項3記載の発明は、縁巻を形成する板紙原紙に折り癖が生じるため、縁巻の緩みが防止され、紙容器の保形性が向上する。又、縁巻の巻込み時の反発力が低下するため、より安定した縁巻状態が維持される。
【0041】
請求項4記載の発明は、縁巻を形成する板紙原紙に折り癖が生じるため、縁巻の緩みが防止され、紙容器の保形性が向上する。又、縁巻の巻込み時の反発力が低下するため、より安定した縁巻状態が維持される。
【0042】
請求項5記載の発明は、紙容器の周壁部の外面の立ち上がり長さと内面の立ち上がり長さとがほぼ同一となるため、プレス成形された紙容器の周壁部におけるスプリングバックが防止され、紙容器の保形性が向上する。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態による紙容器の成形装置の主要部の概略断面図である。
【0044】
この成形装置の基本的な構造は図11で示した従来の成形装置によるものと同一であり、又その動作も基本的には同一である。従って、ここでは、図11で示した成形装置との相違点について主に説明する。
【0045】
図を参照して、紙容器の周壁部の内面をプレスする第2の型部材22の傾斜壁部42の部分に、3本の線条の突起体43a〜突起体43cが形成されている。図4はこの突起体43a〜突起体43cの断面形状を示したものであり、これらは三角形断面形状を有している。
【0046】
又、紙容器の縁巻に相当する部分を板紙原紙からしごくように形成する第2の型部材22の垂直壁部45の部分にも、3本の線条の突起体46a〜突起体46cが形成されている。この突起体46a〜突起体46cの断面形状も同様に図4にて示された形状と同一である。
【0047】
尚、突起体43a〜突起体43cの各々と、突起体46a〜突起体46cの各々とは水平方向に連続している。すなわち、これらの突起体は、第2の型部材22の周方向に連続して形成されている。
【0048】
図2は図1で示された成形装置を用いて板紙原紙をプレス成形した際の変形状態を示した図である。尚、板紙原紙の材質、寸法、形状等は、従来例の図9で示したものと同一である。
【0049】
図2の(1)は従来例として示した図10の(2)に対応したものである。すなわち、図1で示した成形装置の第1の型部材21及び第2の型部材22によって、板紙原紙がプレスされた状態である。周壁部14に相当する板紙原紙の部分は、第1の型部材21の傾斜壁部52と第2の型部材22の突起体43a〜43cを含む傾斜壁部42とによってプレスされる。これによって、紙容器を構成する周壁部14の内面側に水平方向に連続する三角形断面の3条の凹部50a〜凹部50cが溝として形成される。
【0050】
図2の(2)は従来例として示した図10の(3)に対応したものである。相違点としては、紙容器の縁巻を形成するための縁巻用脚立部19の内面側に水平方向に連続する三角形断面の3条の凹部51a〜凹部51cが溝として形成されている点である。この凹部51a〜凹部51cは、第2の型部材22の垂直壁部45に形成された3本の突起体46a〜突起体46cによってプレス成形されたものである。縁巻用脚立部19は、この状態で次の工程(図示せず)によって第2の外枠部材23の溝部26a,カーリング部材25の溝部26bによって巻込まれて縁巻が形成される。
【0051】
図3はこのようにしてプレス成形された紙容器の概略断面図である。
【0052】
図を参照して、底面部13の外周縁から立ち上がる周壁部14の内面には水平方向に連続する3条の溝となる凹部50a〜凹部50cが形成されている。ここで周壁部14の内面の立ち上がり長さをX1とし、これに対応する第2の型部材22の傾斜壁部42の長さをL1とする。又、周壁部14の外面の立ち上がり長さX2に対応する第1の型部材21の傾斜壁部52の長さをL2とする。
【0053】
そして、図4に示されている突起体43の本数をn本とし、その外方の2辺の長さをT1,T2とし、突起体43の内方の1辺の長さをDとし、突起体43の高さをHとする。そこで、
L2−L1=S1
T1+T2−D=S2
0.7×S1≦n×S2≦1.5×S1
0.02mm≦H≦0.10mm
の関係を有するようにすると、形成された周壁部14の内面側の実質的な立ち上がり長さと周壁部14の外面の立ち上がり長さとがほぼ同一となるため、スプリングバックを効率的に防止することができる。
【0054】
尚、凹部50a〜凹部50cは上述のように周壁部14の実質的な内面側の立ち上がり長さを長くする効果があるが、この効果に加えて、凹部50a〜凹部50cの各部分において周壁部14を構成する板紙原紙の材料に圧縮変形を起こすことにもなる。これによっても周壁部14の外方へ広がろうとする変形を効率的に防止することが可能となる。
【0055】
尚、突起体43の高Hさを限定しているが、これは紙容器の内面側に樹脂コーティング等がある場合に、これを傷つけないように配慮したものである。
【0056】
一方、縁巻部20においては、その巻込み前のしごかれた状態において凹部51a〜凹部51cが形成されるため、これらが巻癖となり縁巻部20の巻込形成を容易とすると共に、その巻込み状態を効率的に維持する効果を発揮する。
【0057】
尚、縁巻部20の凹部51a〜51cを形成する突起体46a〜46cの高さHも、突起体43a〜43cと同様の範囲にあることが好ましい。これによって、第2の型部材22の垂直壁部45と第1の外枠部材23の垂直壁部48とから既定されるクリアランスが部分的につめられることになる。このクリアランスは、通常板紙原紙の厚さに設定するのが適切であり、大きすぎると材料がしごけず縁巻が困難になり、一方、小さいと材料が割れてしまう虞がある。そこで、上記の用にクリアランスが部分的に詰められると、材料の割れの発生が防止されると共に適度のしごきがなされるので、より縁巻が良好となる効果も生じる。
【0058】
図5はこの発明の第2の実施の形態による紙容器の成形装置の主要部の概略構造を示した断面図である。
【0059】
尚、この実施の形態による成形装置も従来で示した図11によるものと基本的な形状及び動作は同一であるため、その相違点について主に説明する。
【0060】
図を参照して、紙容器の周壁部の外面をプレスするための第1の型部材21の傾斜壁部52の部分に、水平方向に連続して伸びる断面が三角形状の3本の突起体53a〜突起体53cが形成されている。一方、紙容器の縁巻を形成する部分をしごくための第1の外枠部材23の垂直壁部48の部分に、水平方向に連続する断面が三角形状の3本の突起体55a〜突起体55cが形成されている。尚、これらの突起体53,55は、先の実施の形態による図4で示された突起体の形状と同一である。
【0061】
図6は図5で示された成形装置を用いて板紙原紙をプレス成形した場合の変形状態を示した図である。
【0062】
図6の(1)は従来例で示した図10の(2)に対応したものである。すなわち、図5で示した成形装置の第1の型部材21及び第2の型部材22によって、板紙原紙がプレスされた状態である。周壁部14に相当する板紙原紙の部分は、第1の型部材21の突起体53a〜53cを含む傾斜壁部52と第2の型部材22の傾斜壁部42とによってプレスされる。これによって、紙容器の底面部13の外周縁に接続する周壁部14の外面に水平方向に連続する三角形断面の3条の凹部56a〜凹部56cが溝として形成される。従って、凹部56a〜凹部56cの形状は成形装置の突起体53a〜突起体53cに対応した形状となっている。
【0063】
図6の(2)は従来例で示した図10の(3)の状態に対応したものである。図を参照して、図6の(1)で示した平坦部15の外方部分は下方に折り曲げられ、図5で示した成形装置の第2の型部材22の垂直壁部45と第1の外枠部材23の垂直壁部48との間でプレスされながらしごかれる。これによって、第1の外枠部材23の突起体55a〜突起体55cに対応した形状の凹部57a〜凹部57cが、水平方向に連続する三角形断面の3条の溝として形成されることになる。縁巻用脚立部19は、この状態で次の工程(図示せず)において溝部26a,溝部26bによって巻込まれ、縁巻部が形成される。
【0064】
図7はこのようにしてプレス成形された紙容器の断面形状を示した概略図である。
【0065】
図を参照して、紙容器の底面部13の外周縁から立ち上がる周壁部14の外面に、凹部56a〜凹部56cが水平方向に連続する三角形断面の3条の溝として形成されている。これによって周壁部14を構成する板紙原紙に圧縮変形を生じさせ、スプリングバックが効率的に防止される。
【0066】
一方、縁巻部20においてはその内面に、凹部57a〜凹部57cが水平方向に連続する三角形断面の3条の溝として形成されている。これによって縁巻部20を構成する縁巻用脚立部19に折り癖がつけられるため、巻込みが容易となると共に巻込み状態が安定して保持されることになる。
【0067】
尚、この第2の実施の形態によってプレス成形された紙容器は図7から明らかなように、容器の内面側及び縁巻の外面側には先の実施の形態によるものとは異なり凹部が形成されていない。従って、紙容器の内面側に樹脂等のコーティングがされているような場合には、コーティングを傷つける虞がないと共に容器の内面側に凹部が表れないため、紙容器の品質をより向上することになる。
【0068】
尚、上記の各実施の形態では、縁巻付きの紙容器を対象としているが、縁巻のない紙容器であってもその周壁部に対して同様に適用できる。
【0069】
又、上記の各実施の形態では、紙容器の縁巻及び周壁部のいずれにも凹部を形成しているが、この凹部は縁巻及び周壁部の一方にのみ形成しても良い。
【0070】
更に、上記の各実施の形態では、凹部は紙容器の縁巻及び周壁部の各々の一方面に形成しているが、これらの両面に形成しても良い。
【0071】
更に、上記の各実施の形態では、成形装置の突起体が連続的に形成されているが、これらは断続的に形成しても良く、又、点状に形成しても良い。
【0072】
更に、上記の各実施の形態では、成形装置の突起体の形状や本数を特定しているが、断面半円形状や他の本数であっても良い。
【0073】
更に、上記の各実施の形態では、板紙原紙に樹脂等のコーティングが施されているが、このようなコーティングがされていない板紙原紙にも同様に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による紙容器の成形装置における主要部の概略構成を示した断面図である。
【図2】図1で示した成形装置によって板紙原紙がプレス成形された際の形状変化を示した図である。
【図3】図1で示した成形装置を用いてプレス成形された紙容器の概略断面形状を示した図である。
【図4】図1で示した成形装置の第2の型部材に形成された突起体の断面形状を示した図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態による紙容器の成形装置における主要部の概略構成を示した断面図である。
【図6】図5で示した成形装置によって板紙原紙がプレス成形された際の形状変化を示した図である。
【図7】図5で示した成形装置を用いてプレス成形された紙容器の概略断面形状を示した図である。
【図8】従来のプレス成形装置によって形成された紙容器の概略形状を示した斜視図である。
【図9】図8で示した紙容器を成形するための板紙原紙の概略形状を示した図である。
【図10】図9で示した板紙原紙のプレス成形による形状変化を示した図である。
【図11】図8で示した紙容器をプレス成形するための従来の成形装置の概略構成を示した断面図である。
【図12】従来の紙容器の問題点を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
13…底面部
14…周壁部
15…平坦部
16…紙容器
18…水平フランジ部
20…縁巻部
21…第1の型部材
22…第2の型部材
42…傾斜壁部
43…突起体
50,51,56,57…凹部
101…板紙原紙
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (5)
- 1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、少なくとも底面部と、前記底面部の外周縁から立ち上がる周壁部とからなる紙容器において、
前記周壁部の内面に凹部が形成され、前記凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とする、紙容器。 - 1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、少なくとも底面部と、前記底面部の外周縁から立ち上がる周壁部とからなる紙容器において、
前記周壁部の外面に凹部が形成され、前記凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とする、紙容器。 - 1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、底面部と、前記底面部の外周縁から立ち上がる周壁部と、前記周壁部の上端縁から水平方向に伸びる水平フランジ部と、前記水平フランジ部の外周縁に形成された縁巻とからなる紙容器において、
前記縁巻の内面に凹部が形成され、前記凹部は、水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とする、紙容器。 - 1枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、底面部と、前記底面部の外周縁から立ち上がる周壁部と、前記周壁部の上端縁から水平方向に伸びる水平フランジ部と、前記水平フランジ部の外周縁に形成された縁巻とからなる紙容器において、
前記縁巻の外面に凹部が形成され、前記凹部は、前記水平方向に連続する三角形断面の複数の溝よりなることを特徴とする、紙容器。 - 1枚の板紙原紙から少なくとも底面部と、前記底面部の外周縁から立ち上がる周壁部とからなる紙容器をプレス成形するための成形装置であって、
前記周壁部の外面をその第1の傾斜壁部でプレスするための第1の型部材と、
前記周壁部の内面をその第2の傾斜壁部でプレスするための第2の型部材とを備え、
前記第2の傾斜壁部には、水平方向に連続する三角形断面の突起体がn本形成されており、前記突起体の外方の2辺の長さをT1,T2とし、前記突起体の内方の1辺の長さをDとし、前記突起体の高さをHとし、前記第2の傾斜壁部の立ち上がり方向の長さをL1とし、前記第1の傾斜壁部の立ち上がり方向の長さをL2とすると、
L2−L1=S1
T1+T2−D=S2
0.7×S1≦n×S2≦1.5×S1
0.02mm≦H≦0.10mm
の関係を有する、紙容器の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002332012A JP3930797B2 (ja) | 2002-11-15 | 2002-11-15 | 紙容器及び紙容器の成形装置 |
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