JP3930477B2 - 誘電体アンテナ - Google Patents
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Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電話機や携帯型無線通信機に用いられる誘電体アンテナに関し、特に回路基板上の実装密度の向上を図れる誘電体アンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型電話機や携帯型無線通信機の普及が進むにつれ、その小型軽量化が要求されている。半導体集積回路を初めとした各種電子部品の小型化は急速に進んでいるが、無線通信機器に関して小型化の妨げになるのはアンテナである。周知のようにアンテナは電磁波の出入り口であり、使用する周波数に共振していないと効率が極端に低下する。通常のダイポールアンテナの場合、使用周波数の1/2波長の長さを必要とするため、小型化が非常に困難である。このためアンテナの小型化に関する様々な工夫が提案されている。
【0003】
例えば、特開平10−13135号公報に開示されるアンテナでは、アンテナエレメントを長尺方向に沿って実質的に平行になるように折り返すことによって、アンテナの形状を小型にすると共に2つの周波数帯に共振するように構成している。
【0004】
また、特開平10−229304号公報に開示されるアンテナでは、誘電体基板の表面にアンテナエレメントを形成することにより、さらなる小型化を図ると共に簡単に回路基板に実装して用いることができるように工夫している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化及び集積化が進み、回路基板上に実装するときに、回路基板に形成されている接地導体パターンの近傍に配置しなければならいことが生じる。この場合、従来のアンテナを接地導体パターンの近傍に配置すると、アンテナの共振周波数が変化して通信に用いる周波数帯域におけるVSWRが上昇してしまい、効率が大幅に低下するという問題点があった。
【0006】
例えば、直方体形状をなす2.4GHz帯用の誘電体アンテナの場合、上記小型化及び集積化が進み、上記誘電体アンテナを回路基板の接地導体に近づけて配置しなければならないとき、誘電体アンテナと接地導体との間の距離を3mm以上離さなければ、アンテナとして使用可能な電圧定在波比(以下、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)と称する)を得ることはできなかった。
【0007】
一方、外出先で携帯型電話機にノートパソコンをつないだインターネット接続(ダイヤルアップ接続)も行われているが、最近、無線を利用したインターネット接続が注目されている。これは 一般に「ホットスポット」 と称されているサービスで、特定の屋内に無線LANの基地局を設け、これを通じてインターネットに接続させるシステムである。この無線LANに使用される周波数は、2.4GHz帯と5.2GHz帯の周波数である。
【0008】
このため、これら2つの周波数帯に対応した無線LAN用の無線通信機を構成する場合、それぞれの周波数帯に対応したアンテナを備える必要があり、無線通信機の小型化の障害になっている。
【0009】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、回路基板に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる小型の誘電体アンテナを提供することである。本発明のさらなる目的は、異なる2つの周波数帯において良好なVSWR特性が得られる小型の誘電体アンテナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
本発明は上記の目的を達成するために、表面に導電体が設けられた1つ以上の誘電体層からなる積層素体と、積層素体の外表面に設けられた1つ以上の外部端子とからなり、積層素体に設けられた導電体によって形成され、共振周波数が第1周波数に設定されている第1アンテナエレメントと、積層素体に設けられた導電体によって形成され、共振周波数が第1周波数と同一周波数帯域内であり且つ第1周波数とは異なる第2周波数に設定されている第2アンテナエレメントと、第1及び第2アンテナエレメントの給電点に接続された給電用外部端子と、第2アンテナエレメントに接続されているオープンスタブとを備え、前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントは誘電体層を挟んで異なる層に設けられていると共に、前記オープンスタブが、誘電体層を挟んで前記第1アンテナエレメントの一部に重なっている誘電体アンテナを提案する。
【0011】
本発明の誘電体アンテナは、オープンスタブを設けることにより、第1及び第2アンテナエレメントの長さが、使用周波数の波長によって決まる通常の長さよりも短い長さで使用周波数に共振可能となり、オープンスタブを、一端が第2アンテナエレメントのうち給電用外部端子に接続される導電体に接続し、積層素体の長手方向に形成するようにしたので、オープンスタブを誘電体層表面の未導電体形成領域に配置でき、オープンスタブを設けたとしても誘電体アンテナ自体は大きくならず、その小型化につながる。さらに、回路基板に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる周波数帯域幅が拡大される。
【0012】
また、本発明の誘電体アンテナは、第1及び第2アンテナエレメントを誘電体層を挟んで異なる層に設けることにより積層素体の形状を小型化すると共に、オープンスタブを誘電体層を挟んで第1アンテナエレメントの一部に重なるように配置することにより、第1アンテナエレメントとオープンスタブとの間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブのインダクタンス成分が第1アンテナエレメントの一部に並列接続された状態となり、第1アンテナエレメントの長さがさらに短縮される。
【0013】
さらに、第1アンテナエレメントの形状を、積層面内で矩形波形状をなした形状とすることにより、第1アンテナエレメントとオープンスタブとが重なる部分を複数箇所設定している。
【0014】
また、第1アンテナエレメントまたは第2アンテナエレメント或いはこれらの双方の先端部分を2つ以上に分岐することにより、先端部分の導電体とその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメントはヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、第1或いは第2周波数に共振するアンテナエレメントの長さが短縮される。
【0015】
また、第1及び第2アンテナエレメントのうちの少なくとも一方の先端部分の導電体の幅を、先端部分直前の導電体の幅よりもが広く形成することにより、先端部分の導電体とその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメントはヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、第1或いは第2周波数に共振するアンテナエレメントの長さが短縮される。
【0016】
また、第1アンテナエレメントの給電点側の所定位置に一端が接続され且つ他端が接地用外部電極に接続された導電体を設けることによって、第1アンテナエレメントを一般に逆F型と称されるアンテナとしている。
【0017】
さらに、本発明は、第1周波数を第2周波数よりも高い周波数に設定した。
【0018】
また、本発明は、第1アンテナエレメントの蛇行間隔を所定値に設定することにより、第1周波数帯とは異なる第1周波数帯よりも高い第2周波数帯の周波数における電圧定在波比が所定値以下になるようにし、第1周波数帯と第2周波数帯において使用可能とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0020】
第1図は本発明の第1実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第2図は第1アンテナエレメントを示す平面図、第3図は第2アンテナエレメントを示す平面図である。第1の実施形態では、現在、携帯通信に用いられている2.4GHz帯用の誘電体アンテナの一例を説明する。
【0021】
第1図乃至第3図において、10は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)11a,11b,11cを積層した積層素体11を備えている。この積層素体11の一側面には、外部端子12a,12bが設けられている。
【0022】
中間層の基板11bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)13を形成する導電体が設けられている。また、下層の基板11cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)14を形成する導電体が設けられている。さらに、最下層の基板11cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極16a〜16cが形成されている。
【0023】
上記積層素体11の大きさは、長さL1が10mm、幅Wが4mm、厚さDが1mmである。また、第2図及び第3図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0024】
基板11bの上面に形成されたアンテナエレメント13は、帯状の導電体13a〜13oからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントである。アンテナエレメント13は、所定の蛇行間隔(ミアンダピッチ)で蛇行し、矩形波形状に配置されている。さらにアンテナエレメント13は、例えば共振周波数が2.4GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子12bには導電体13aの一端が接続されている。さらに、導電体13aの他端には、導電体13b〜13kが記述の順に、蛇行するように折り返して連結されている。ここで、隣り合う導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔、即ち導電体13aと導電体13cの間隔、導電体13cと導電体13eの間隔、導電体13eと導電体13gの間隔、導電体13gと導電体13iの間隔はほぼ同じに設定されている。
【0025】
さらに、アンテナエレメント13の先端部にある導電体13kの幅は、先端部直前の導電体13jの幅よりも大きく形成されている。このため、導電体13kの面積を大きくすることによって、導電体13kとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント13はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.4GHzに共振するアンテナエレメント13の長さが短縮される。
【0026】
また、導電体13aを境にして導電体13b〜13kが配置された側とは反対側に導電体13l〜13oが設けられ、導電体13lの一端は導電体13aの長手方向中間部に直角に接続されている。さらに導電体13lの他端には導電体13mの一端が直角に接続されている。導電体13mの他端に導電体13nの一端が直角に接続されている。導電体13nの他端は導電体13oを介して接地端子となる外部端子12aに接続されている。
【0027】
基板11cの上面に形成されたアンテナエレメント14は、帯状の導電体14a〜14gからなり、例えば共振周波数は2.5GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子12bに一端が接続された導電体14aの他端には導電体14b〜14gが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これによりアンテナエレメント14は矩形波形状をなしている。これらの導電体14b〜14gは上記アンテナエレメント13を構成する導電体13l〜13oと基板11b(誘電体層)を挟んで重なるように配置されている。
【0028】
さらに、アンテナエレメント14の先端部にある導電体14gの幅は、先端部直前の導電体14fの幅よりも大きく形成されている。このように導電体14gの面積を大きくすることによって、導電体14gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント14はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.5GHzに共振するアンテナエレメント14の長さが短縮される。
【0029】
また、導電体14aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ15が設けられ、オープンスタブ15の一端は導電体14aの中間部に直角に接続され、積層素体11の長手方向に形成されている。また、オープンスタブ15は、長さLstが約2mm、幅Wstが0.3mmに設定されている。さらに、オープンスタブ15と導電体14aとの接続位置と給電点(外部端子12b)との間の距離L3が約2mmに設定されている。また、オープンスタブ15は、基板11bを挟んでアンテナエレメント13と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0030】
使用時において、誘電体アンテナ10は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子12aが接続され、給電用の外部端子12bが給電用ランド2に接続される。
【0031】
上記構成よりなる誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15を設けたことにより、誘電体アンテナ10を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ10では、接地導体3との間の距離L2を1mmに設定しても良好な特性を得ることができた。さらに、形状も従来より小型にすることができた。
【0032】
即ち、誘電体アンテナ10は、第4図に示すように2つのアンテナエレメント13,14の給電点が同一の外部端子12bに接続されているので、外部端子12bにおける給電点インピーダンスは一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されている50Ωになる。
【0033】
さらに、誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15が、基板11bを挟んでアンテナエレメント13と複数箇所で容量結合するように配置されているため、第4図に示したように、アンテナエレメント13とオープンスタブ15との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ15のインダクタンス成分がアンテナエレメント13の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント13の長さがさらに短縮される。
【0034】
また、前述のようにアンテナエレメント13,14の先端部の導電体13k、14gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント13,14はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成するので、アンテナエレメント13,14の長さがさらに短縮される。
【0035】
また、誘電体アンテナ10のVSWRは、第5図に示すように、個々のアンテナエレメント13,14のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント13,14を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第5図に示すVSWR特性では、2.15〜2.68GHzでVSWRが3以下となり、2.25GHzでVSWRが1.1、2.50GHzでVSWRが1.4という低い良好な値を示している。このように、本実施形態の誘電体アンテナ10によれば特性曲線に示されるように使用対象となる周波数帯において良好に使用可能な帯域幅を拡大することができる。
【0036】
さらに、誘電体アンテナ10は、第6図に示すようなゲイン特性を有している。この特性によれば、2.3GHz〜2.6GHzの周波数、特に2.2GHz付近では0dBであるのに対して、2.6GHz以上の周波数では周波数の増加に伴って徐々にゲインが低下し、2.2GHz付近の周波数では−10dB以下を示す。これにより、使用周波数帯域外において10dB以上の減衰を得ることができ、帯域外周波数の信号による混変調を防止することができる。
【0037】
誘電体アンテナ10に対してXYZ座標を第7図に示すように設定したときの放射ビームパターンを第8図乃至第10図に示す。ここでは、誘電体アンテナ10の幅W方向にX軸を、厚さD方向にY軸を、長さL1方向にZ軸を設定した。
【0038】
第8図は、YZ平面における主偏波(実線)と交差偏波(破線)を表しているが、主偏波はほぼ円形に近い状態になっている。第9図はXY平面における主偏波(実線)と交差偏波(破線)を表している。また、第10図はXZ平面における主偏波(実線)と交差偏波(破線)を表している。このように良好な放射ビームパターンを得ることができる。
【0039】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ10を用いることにより、誘電体アンテナ10を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0040】
第11図乃至第13図に比較例を示す。第11図は第1アンテナエレメントの平面図、図第12図は第2アンテナエレメントの平面図、第13図はVSWR特性を示す図である。この比較例は、前述した誘電体アンテナ10から上記オープンスタブ15を除去したものであり、第11図及び第12図に示すアンテナエレメント13,14を備えた誘電体アンテナである。
【0041】
また、第13図に示すVSWR特性は、第1実施形態と同様に、誘電体アンテナを回路基板1の接地導体3から距離L2(1mm)離して回路基板1に実装したときのものである。オープンスタブ15がない場合、第13図に示すように、2.22〜2.84GHzでVSWRが3以下となり、2.34GHzでVSWRが1.5、2.67GHzでVSWRが1.0という低い値を示しているが、オープンスタブ15を除去したことにより、共振周波数が全体的に150MHzくらい高くなってしまう。即ち、共振周波数を第1実施形態と同じにするためには、150MHz分(約6%)だけアンテナエレメントを大きくしなければならず、形状が大きくなってしまう。
【0042】
尚、第1実施形態の誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15を設けることにより、実際は、共振周波数を合わせるだけでなく、結合状態を含むインピーダンスも制御できるため、短縮率6%の効果だけではなく、それ以上の効果が得られている。
【0043】
また、オープンスタブ15の長さLstや幅Wstを変化させたり、或いはオープンスタブ15と導電体14aとの接続位置を変えることにより、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0044】
また、アンテナエレメント13,14の先端部の導電体13k,14gの長さや面積、及びアンテナエレメント13における給電点と接地端とを結ぶ導電体13l〜13oの全体の長さや面積を変えることによっても、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態の誘電体アンテナに関して説明する。
【0046】
第2実施形態では、2GHz帯のW−CDMA用の誘電体アンテナを構成した。第14図は本発明の第2実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第15図は第1アンテナエレメントの平面図、第16図は第2アンテナエレメントの平面図である。
【0047】
図において、20は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)21a,21b,21cを積層した積層素体21を有し、その一側面に外部端子22a,22bが設けられている。
【0048】
中間層の基板21bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)23を形成する導電体が設けられている。また、下層の基板21cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)24を形成する導電体が設けられている。さらに、最下層の基板21cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極26a〜26cが形成されている。
【0049】
上記積層素体21の大きさは、長さL1が12mm、幅Wが4mm、厚さDが1mmである。また、第15図及び第16図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0050】
基板21bの上面に形成されたアンテナエレメント23は、帯状の導電体23a〜23oからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントで、例えば共振周波数が1.9GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子22bに一端が接続された導電体23aの他端には導電体23b〜23kが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント23は矩形波形状をなしている。
【0051】
また、導電体23aを境にして導電体23b〜23kが配置された側とは反対側に導電体23l〜23oが設けられ、導電体23lの一端は導電体23aの長手方向中間部に直角に接続されている。導電体23lの他端には導電体23mの一端が直角に接続されている。導電体23mの他端に導電体23nの一端が直角に接続されている。導電体23nの他端は導電体23oを介して接地端子となる外部端子22aに接続されている。
【0052】
基板21cの上面に形成されたアンテナエレメント24は、帯状の導電体24a〜24gからなり、例えば共振周波数は2.2GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子22bに一端が接続された導電体24aの他端には、導電体24b〜24gが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント24は矩形波形状をなしている。これらの導電体24b〜24gは、上記アンテナエレメント23を構成する導電体23l〜23oと基板(誘電体層)21bを挟んで重なるように配置されている。
【0053】
また、導電体24aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ25が設けられている。このオープンスタブ25の一端は、導電体24aの長手方向中央よりも給電点側(外部端子22b側)で直角に接続されている。また、オープンスタブ25は、長さLstが4.00mm、幅Wstが0.5mmに設定されている。オープンスタブ25と導電体24aとの接続位置と給電点(外部端子22b)との間の距離L3は0.2mmに設定されている。さらに、オープンスタブ25、基板21bを挟んでアンテナエレメント23と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0054】
誘電体アンテナ20の給電点インピーダンスは、上記と同様に、2つのアンテナエレメント23,24の給電点が同一の外部端子22bに接続されているので、一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されているのと同じ50Ωになる。
【0055】
使用時において、誘電体アンテナ20は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子22aが接続され、給電用の外部端子22bが給電用ランド2に接続される。
【0056】
上記構成よりなる誘電体アンテナ20も第1実施形態と同様の効果が得られる。即ち、オープンスタブ25を設けたことにより、誘電体アンテナ20を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ20では、接地導体3との間の距離L2を2mmに設定しても良好な特性を得ることができた。さらに、形状も従来より小型にすることができた。
【0057】
さらに、オープンスタブ25が、基板21bを挟んでアンテナエレメント23と複数箇所で容量結合するように配置されているため、アンテナエレメント23とオープンスタブ25との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ25のインダクタンス成分がアンテナエレメント23の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント23の長さがさらに短縮される。
【0058】
また、誘電体アンテナ10のVSWRは、第17図に示すように、個々のアンテナエレメント23,24のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント23,24を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第17図に示すVSWR特性では、W−CDMAにおける送信周波数帯域1.92〜1.98GHzの内の1.92〜1.965GHzでVSWRが2以下が得られ、1.98GHzにおいてもVSWRが2.4であった。また、W−CDMAにおける受信周波数帯域2.11〜2.17GHzでは1.8以下のVSWRを示している。このように送信周波数帯域及び受信周波数帯域のそれぞれにおいて60MHzにわたる帯域幅内で良好なVSWRが得られた。
【0059】
また、誘電体アンテナ20は、第8図乃至第10図に示したのと同様の放射ビームパターンを有している。
【0060】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ20を用いることにより、誘電体アンテナ20を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0061】
尚、オープンスタブ25の長さLstや幅Wst、オープンスタブ25と導電体24aとの接続位置、アンテナエレメント23,24の先端部の導電体23k,24gの長さや面積、アンテナエレメント23における給電点と接地端とを結ぶ導電体23l〜23oの全体の長さや面積のうちの何れかを変えることによって、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0062】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0063】
第3実施形態は、第1実施形態と同様に、現在携帯電話に用いられている2.4GHz帯用の誘電体アンテナの一例を説明する。第3実施形態では、前述したと同様のオープンスタブを設けると共にアンテナエレメントの先端部を分岐させることにより、第1実施形態よりもさらに小型化を可能にした。
【0064】
第18図は第3実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第19図は第1アンテナエレメントの平面図、第20図は第2アンテナエレメントの平面図である。
【0065】
これらの図において、30は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)31a,31b,31cを積層した積層素体31を有し、その一側面に外部端子32a,32bが設けられている。
【0066】
中間層の基板31bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)33を形成する導電体が設けられている。また、下層の基板31cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)34を形成する導電体が設けられている。さらに、最下層の基板31cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極36a〜36cが形成されている。
【0067】
上記積層素体31の大きさは、長さL1が10mm、幅Wが3mm、厚さDが1mmである。また、第19図及び第20図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0068】
基板31bの上面に形成されたアンテナエレメント33は、帯状の導電体33a〜33tからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントで、例えば共振周波数が2.4GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子32bに一端が接続された導電体33aの他端には、導電体33b〜33iが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント33は矩形波形状をなしている。さらに、導電体33iの先端には導電体33j,33kがそれぞれ異なる方向に分岐するように接続されている。導電体33kは、導電体33iと直交する方向に延ばされ、導電体33kの先端には導電体33lが直交するように接続されている。また、導電体33jの先端には積層素体31の側面に設けられた導電体33mが接続され、この導電体33mを介して基板31cに設けられた導電体33nの一端に接続されている。導電体33nの他端には導電体33kに対して平行に配置された導電体33oの一端が直交するように接続されている。さらに、導電体33oの他端には導電体33pの一端が直交するように接続されている。
【0069】
また、上記導電体33a,33c,33e,33g,33i,33l,33pは互いに平行に配置され、アンテナエレメント33の先端部の分岐枝である導電体33lと導電体33pとの間隔は0.55mmに設定され、導電体33iと導電体33pとの間隔は0.6mmに設定されている。また、導電体33l,33pの幅は共に0.2mmに設定され、導電体33lの長さが2.4mm、導電体33pの長さが2.2mmにそれぞれ設定されている。
【0070】
従って、アンテナエレメント33の先端部は導電体33k,33lからなる分岐枝と導電体33j,33m〜33pからなる分岐枝の2つに分岐している。これにより、これら2つの分岐枝とその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント33はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.4GHzに共振するアンテナエレメント33の長さが短縮される。
【0071】
また、導電体33aを境にして導電体33b〜33pが配置された側とは反対側に導電体33q〜13tが設けられ、導電体33qの一端は導電体33aの長手方向中間部に直角に接続されている。導電体33qの他端には導電体33rの一端が直角に接続されている。導電体33rの他端には導電体33sの一端が直角に接続されている。導電体33sの他端は導電体33tを介して接地端子となる外部端子32aに接続されている。
【0072】
基板31cの上面に形成されたアンテナエレメント34は、帯状の導電体34a〜34iからなり、例えば共振周波数が2.5GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子32bに一端が接続された導電体34aの他端には、導電体34b〜34fが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント34は矩形波形状をなしている。
【0073】
さらに、導電体34fの先端には導電体34g,34hがそれぞれ異なる方向に分岐するように接続され、導電体34hの先端には導電体34iが直角に接続されている。
【0074】
これらの導電体34b〜34gは上記アンテナエレメント33を構成する導電体33o〜33rが配置されている側に配置され、上記導電体34a,34c,34e,34g,34iは互いに平行に配置されている。
【0075】
さらに、アンテナエレメント34の先端部の分岐枝である導電体34gと導電体34iとの間隔は0.5mmに設定され、導電体34gと導電体34eとの間隔は0.65mmに設定されている。また、導電体3g,34iの幅は共に0.2mmに設定され、導電体34g,34iの長さが共に2.4mmに設定されている。
【0076】
従って、アンテナエレメント34の先端部は2つに分岐している。これにより、導電体34g,34iとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント33はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.5GHzに共振するアンテナエレメント34の長さが短縮される。
【0077】
また、導電体34aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ35が設けられ、オープンスタブ35の一端は導電体34aの長手方向中間部に直角に接続されている。また、オープンスタブ35は、長さLstが2.75mm、幅Wstが0.3mmに設定されていると共に、オープンスタブ35と導電体34aとの接続位置と給電点(外部端子32b)との間の距離L3が0.9mmに設定され、基板31bを挟んでアンテナエレメント33と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0078】
また、誘電体アンテナ30の給電点インピーダンスは、上記と同様に、2つのアンテナエレメント33,34の給電点が同一の外部端子32bに接続されているので、一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されている50Ωになる。
【0079】
使用時において、誘電体アンテナ30は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子32aが接続され、給電用の外部端子32bが給電用ランド2に接続される。
【0080】
上記構成よりなる誘電体アンテナ30は、オープンスタブ35を設けたことにより、誘電体アンテナ30を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ30では、接地導体3との間の距離L2を1mmに設定しても良好な特性を得ることができた。
【0081】
さらに、第3実施形態ではアンテナエレメント33,34の先端部を分岐させたことによって、第1実施形態よりもさらにアンテナエレメントを小型にし且つ良好な特性を得ることができた。
【0082】
即ち、オープンスタブ35が、基板31bを挟んでアンテナエレメント33と複数箇所で容量結合するように配置されているため、アンテナエレメント33とオープンスタブ35との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ35のインダクタンス成分がアンテナエレメント33の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント33の長さがさらに短縮される。
【0083】
また、前述のようにアンテナエレメント33,34の先端部が分岐しているので、分岐した導電体のそれぞれとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント33,34はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成するので、アンテナエレメント33,34の長さがさらに短縮される。
【0084】
また、誘電体アンテナ30のVSWRは、第21図に示すように、個々のアンテナエレメント33,34のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント33,34を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第21図に示すVSWR特性では、2.15〜2.66GHzでVSWRが3以下となり、2.25GHzでVSWRが1.4、2.48GHzでVSWRが1.1という低い良好な値を示している。このように、本実施形態の誘電体アンテナ30によれば特性曲線に示されるように使用対象となる周波数帯において良好に使用可能な帯域幅を拡大することができる。
【0085】
また、誘電体アンテナ30は、第6図に示したのと同様のゲイン特性、並びに第8図乃至第10図に示したのと同様の放射ビームパターンを有している。
【0086】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ30を用いることにより、誘電体アンテナ30を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0087】
また、上記第1及び第2実施形態と同様に、オープンスタブ35の長さLstや幅Wst、オープンスタブ35と導電体34aとの接続位置、アンテナエレメント33,34の先端部の分岐導電体33j〜33p,34g,34iの長さや面積、アンテナエレメント33における給電点と接地端とを結ぶ導電体33q〜33tの全体の長さや面積のうちの何れかを変えることによって、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0088】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
【0089】
第4実施形態は、現在携帯電話に用いられている2.4GHz帯と無線LANなどに用いられる5.2GHz帯の2つの周波数帯に対応した誘電体アンテナの一例を説明する。第4実施形態では、前述したと同様のオープンスタブを設けると共に第1アンテナエレメント13のミアンダピッチ(蛇行間隔)を設定を変えることにより、第1実施形態の誘電体アンテナではVSWRが高くて使用不可能であった5.2GHz帯での使用を可能にした。
【0090】
第22図は第4実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第23図は第1アンテナエレメントの平面図、第24図は第2アンテナエレメントの平面図である。
【0091】
図において、40は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)41a,41b,41cを積層した積層素体41を備えている。この積層素体41の一側面には、外部端子42a,42bが設けられている。
【0092】
中間層の基板41bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)43を形成する導電体43a〜43oが設けられている。また、下層の基板41cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)44を形成する導電体44a〜44gが設けられている。さらに、最下層の基板41cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極46a〜46cが形成されている。
【0093】
上記積層素体41の大きさは、長さL1が10mm、幅Wが4mm、厚さDが1mmである。また、第23図及び第24図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0094】
基板41bの上面に形成されたアンテナエレメント43は、帯状の導電体43a〜43oからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントで、例えば共振周波数が2.4GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子42bに一端が接続された導電体43aの他端には導電体43b〜43kが記述の順に蛇行するように折り返して連結された矩形波形状をなしている。
【0095】
さらに、アンテナエレメント43の先端部にある導電体43kの幅は、先端部直前の導電体43jの幅よりも大きく形成され、導電体43kの面積が大きく形成されている。
【0096】
このようにエレメント先端部の導電体43kの面積を大きく形成するによって、導電体43kとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント43はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.4GHzに共振するアンテナエレメント43の長さが短縮される。
【0097】
また、導電体44a〜44kによって形成される矩形状(ミアンダ形状)のエレメントの蛇行間隔(ミアンダピッチ)d1〜d5はそれぞれ異なる間隔に設定されている。即ち、隣り合う導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔、即ち導電体13aと導電体13cの間隔d1、導電体13cと導電体13eの間隔d2、導電体13eと導電体13gの間隔d3、導電体13gと導電体13iの間隔d4、導電体13iと導電体13kの間隔d5はそれぞれ異なる間隔に設定されている。この様に蛇行間隔(ミアンダピッチ)を設定することによって、アンテナエレメント43の全長を変えることなく高次共振周波数を変化させた。これにより、5.2GHz帯における電波の送受信が可能な程度にVSWRを低下させることができた。
【0098】
即ち、上記の隣り合う導電体13a,13c,13e,13g,13iの間における静電容量は2.5GHz帯の周波数に対して影響を及ぼさない。しかし、5GHz以上の周波数に対しては影響を及ぼし、5GHz以上の高次共振周波数を変化させる。導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔を狭めることにより、高次共振周波数を低下させる。また、導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔を広めることにより、高次共振周波数を上昇させる。第4実施形態では、導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔を狭めることにより、高次共振周波数を低下させ、5.2GHz帯における電波の送受信が可能な程度に、5.2GHz帯におけるVSWRを低下させた。
【0099】
一方、導電体43aを境にして導電体43b〜43kが配置された側とは反対側に導電体43l〜43oが設けられている。導電体43lの一端は導電体43aの長手方向中間部に直角に接続されている。さらに導電体43lの他端には導電体43mの一端が直角に接続されている。導電体43mの他端に導電体43nの一端が直角に接続されている。導電体43nの他端は導電体43oを介して接地端子となる外部端子42aに接続されている。
【0100】
基板41cの上面に形成されたアンテナエレメント44は、帯状の導電体44a〜44gからなり、例えば共振周波数は2.5GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子42bに一端が接続された導電体44aの他端には導電体44b〜44gが記述の順に蛇行するように折り返して連結され、矩形波形状をなしている。これらの導電体44b〜44gは上記アンテナエレメント43を構成する導電体43l〜43oが配置されている側に配置されている。
【0101】
さらに、アンテナエレメント44の先端部にある導電体44gの幅は、先端部直前の導電体44fの幅よりも大きく形成され、導電体44gの面積を大きくすることによって、導電体44gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント44はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.5GHzに共振するアンテナエレメント44の長さが短縮される。
【0102】
また、導電体44aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ45が設けられている。オープンスタブ45の一端は導電体44aの長手方向中間部に直角に接続されている。また、オープンスタブ45は、長さLstが約2mm、幅Wstが0.3mmに設定されている。さらに、オープンスタブ45と導電体44aとの接続位置と、給電点(外部端子42b)との間の距離L3が約2mmに設定されている。また、オープンスタブ45は、基板41bを挟んでアンテナエレメント43と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0103】
使用時において、誘電体アンテナ40は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子42aが接続され、給電用の外部端子42bが給電用ランド2に接続される。
【0104】
上記構成よりなる誘電体アンテナ40は、オープンスタブ45を設けたことにより、誘電体アンテナ40を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ40では、接地導体3との間の距離L2を1mmに設定しても良好な特性を得ることができた。さらに、形状も従来より小型にすることができた。さらにまた、前述したようにアンテナエレメント43の蛇行間隔(ミアンダピット)を設定したことにより高次共振周波数を変化させて、5.2GHz帯における電波の送受信が可能な程度のVSWRを得ることができた。
【0105】
即ち、誘電体アンテナ40は、第1実施形態と同様に2つのアンテナエレメント43,44の給電点が同一の外部端子42bに接続されているので、外部端子42bにおける給電点インピーダンスは一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されている50Ωになる。
【0106】
さらに、オープンスタブ45が、基板41bを挟んでアンテナエレメント43と複数箇所で容量結合するように配置されているため、アンテナエレメント43とオープンスタブ45との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ45のインダクタンス成分がアンテナエレメント43の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント43の長さがさらに短縮される。
【0107】
また、前述のようにアンテナエレメント43,44の先端部の導電体43k、44gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント43,44はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成するので、アンテナエレメント43,44の長さがさらに短縮される。
【0108】
また、誘電体アンテナ40のVSWRは、第25図に示すように、個々のアンテナエレメント43,44のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント43,44を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第25図に示すVSWR特性では、2.15〜2.68GHzでVSWRが3以下となり、2.25GHzでVSWRが1.1、2.50GHzでVSWRが1.4という低い良好な値を示している。このように、本実施形態の誘電体アンテナ40によれば特性曲線に示されるように使用対象となる周波数帯において良好に使用可能な帯域幅を拡大することができる。
【0109】
さらに、5.2GHz帯の周波数でもVSWRが約3程度まで低下しているので、電波の送受信を支障無く行うことができる。
【0110】
また、誘電体アンテナ40は、第6図に示したのと同様のゲイン特性、並びに第8図乃至第10図に示したのと同様の放射ビームパターンを有している。
【0111】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ40を用いることにより、誘電体アンテナ40を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。さらに、誘電体アンテナ40を使用することにより、2.4GHz帯と5.2GHz帯の双方の周波数帯域において電波の送受信を行うことができる。
【0112】
第26図に比較例の一例を示す。第26図は第1実施形態の誘電体アンテナ10の2GHz〜7GHzにおけるVSWR特性である。この様に、第1実施形態の誘電体アンテナ10では、5.2GHz帯でのVSWRは5以上となり、5.2GHz帯での電波の送受信は損失が大きくなりすぎてほぼ不可能である。
【0113】
上記のように、第4実施形態の誘電体アンテナ40は、アンテナエレメント43の蛇行間隔(ミアンダピッチ)が上記のように設定されているので、異なる2つの周波数帯域での使用が可能になる。
【0114】
また、誘電体アンテナ40は、オープンスタブ45を設けることにより、実際は、共振周波数を合わせるだけでなく、結合状態を含むインピーダンスも制御できるため、短縮率6%の効果だけではなく、それ以上の効果が得られている。
【0115】
また、オープンスタブ45の長さLstや幅Wstを変化させたり、或いはオープンスタブ45と導電体44aとの接続位置を変えることにより、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0116】
また、アンテナエレメント43,44の先端部の導電体43k,44gの長さや面積、及びアンテナエレメント43における給電点と接地端とを結ぶ導電体43l〜43oの全体の長さや面積を変えることによっても、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0117】
以上説明したように本発明の誘電体アンテナは、オープンスタブを設けたことにより、第1及び第2アンテナエレメントの長さが、使用周波数の波長によって決まる通常の長さよりも短い長さで使用周波数に共振可能となった。さらに、本発明の誘電体アンテナは、回路基板に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる周波数帯域幅が拡大される。このため、回路基板上に実装するときに、回路基板に形成されている接地導体との距離を従来よりも短く設定することができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0118】
さらに、本発明の誘電体アンテナは、異なる2つの周波数帯域での使用が可能になるので、無線LANに使用される2.4GHz帯と5.2GHz帯の双方の周波数において使用可能となる。このため、これら2つの周波数帯に対応した無線LAN用の無線通信機を構成する場合、それぞれの周波数帯に対応したアンテナを備える必要が無くなり、無線通信機の小型化に大いに貢献することができる。
【0119】
尚、上記第1乃至第3実施形態は、本願発明の一具体例に過ぎず、本願発明がこれらの実施形態のみ限定されることはない。例えば第1実施形態の第1アンテナエレメント13に代えて第27図に示すような第1アンテナエレメント53を設けてもよい。この第1アンテナエレメント53は、第1アンテナエレメント13の導電体13b〜13kに代えて蛇行方向を90°変えて配置した導電体53b〜53hを有するものである。この様に、アンテナエレメントの蛇行方向は上記実施形態に限定されることはない。
【0120】
この様に、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0121】
産業上の利用可能性
第1周波数に共振する第1アンテナエレメント13と、第1周波数と同一周波数帯域内であり且つ第1周波数とは異なる第2周波数に共振する第2アンテナエレメント14とを積層素体11に設け、第1及び第2アンテナエレメントの給電点に接続された給電用外部端子12bと、第2アンテナエレメントの給電点近傍に接続されているオープンスタブ15とを備えている誘電体アンテナ10を構成する。誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15により、通常よりも短い長さの第1及び第2アンテナエレメント13,14が使用周波数に共振可能となる。さらに、回路基板1に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる周波数帯域幅が拡大される。また、第1アンテナエレメントの蛇行間隔を所定値に設定することにより、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯における電圧定在波比を低下させ、第1周波数帯と第2周波数帯において使用可能とした。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第2図は本発明の第1実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第3図は本発明の第1実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第4図は本発明の第1実施形態におけるオープンスタブの作用を説明する図、
第5図は本発明の第1実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第6図は本発明の第1実施形態における相対利得特性を示す図、
第7図は本発明の第1実施形態における放射ビームパターン測定におけるXYZ座標を示す図、
第8図は本発明の第1実施形態におけるYZ平面での放射ビームパターンを示す図、
第9図は本発明の第1実施形態におけるXY平面での放射ビームパターンを示す図、
第10図は本発明の第1実施形態におけるXZ平面での放射ビームパターンを示す図、
第11図は本発明の第1実施形態における比較例の第1アンテナエレメントを示す平面図、
第12図は本発明の第1実施形態における比較例の第2アンテナエレメントを示す平面図、
第13図は本発明の第1実施形態における比較例のVSWR特性を示す図、
第14図は本発明の第2実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第15図は本発明の第2実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第16図は本発明の第2実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第17図は本発明の第2実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第18図は本発明の第3実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第19図は本発明の第3実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第20図は本発明の第3実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第21図は本発明の第3実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第22図は本発明の第4実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第23図は本発明の第4実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第24図は本発明の第4実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第25図は本発明の第41実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第26図は本発明の第4実施形態における比較例のVSWR特性を示す図、
第27図は本発明におけるアンテナエレメントの他の構成例を示す平面図である。
【0001】
本発明は、携帯型電話機や携帯型無線通信機に用いられる誘電体アンテナに関し、特に回路基板上の実装密度の向上を図れる誘電体アンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型電話機や携帯型無線通信機の普及が進むにつれ、その小型軽量化が要求されている。半導体集積回路を初めとした各種電子部品の小型化は急速に進んでいるが、無線通信機器に関して小型化の妨げになるのはアンテナである。周知のようにアンテナは電磁波の出入り口であり、使用する周波数に共振していないと効率が極端に低下する。通常のダイポールアンテナの場合、使用周波数の1/2波長の長さを必要とするため、小型化が非常に困難である。このためアンテナの小型化に関する様々な工夫が提案されている。
【0003】
例えば、特開平10−13135号公報に開示されるアンテナでは、アンテナエレメントを長尺方向に沿って実質的に平行になるように折り返すことによって、アンテナの形状を小型にすると共に2つの周波数帯に共振するように構成している。
【0004】
また、特開平10−229304号公報に開示されるアンテナでは、誘電体基板の表面にアンテナエレメントを形成することにより、さらなる小型化を図ると共に簡単に回路基板に実装して用いることができるように工夫している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化及び集積化が進み、回路基板上に実装するときに、回路基板に形成されている接地導体パターンの近傍に配置しなければならいことが生じる。この場合、従来のアンテナを接地導体パターンの近傍に配置すると、アンテナの共振周波数が変化して通信に用いる周波数帯域におけるVSWRが上昇してしまい、効率が大幅に低下するという問題点があった。
【0006】
例えば、直方体形状をなす2.4GHz帯用の誘電体アンテナの場合、上記小型化及び集積化が進み、上記誘電体アンテナを回路基板の接地導体に近づけて配置しなければならないとき、誘電体アンテナと接地導体との間の距離を3mm以上離さなければ、アンテナとして使用可能な電圧定在波比(以下、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)と称する)を得ることはできなかった。
【0007】
一方、外出先で携帯型電話機にノートパソコンをつないだインターネット接続(ダイヤルアップ接続)も行われているが、最近、無線を利用したインターネット接続が注目されている。これは 一般に「ホットスポット」 と称されているサービスで、特定の屋内に無線LANの基地局を設け、これを通じてインターネットに接続させるシステムである。この無線LANに使用される周波数は、2.4GHz帯と5.2GHz帯の周波数である。
【0008】
このため、これら2つの周波数帯に対応した無線LAN用の無線通信機を構成する場合、それぞれの周波数帯に対応したアンテナを備える必要があり、無線通信機の小型化の障害になっている。
【0009】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、回路基板に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる小型の誘電体アンテナを提供することである。本発明のさらなる目的は、異なる2つの周波数帯において良好なVSWR特性が得られる小型の誘電体アンテナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
本発明は上記の目的を達成するために、表面に導電体が設けられた1つ以上の誘電体層からなる積層素体と、積層素体の外表面に設けられた1つ以上の外部端子とからなり、積層素体に設けられた導電体によって形成され、共振周波数が第1周波数に設定されている第1アンテナエレメントと、積層素体に設けられた導電体によって形成され、共振周波数が第1周波数と同一周波数帯域内であり且つ第1周波数とは異なる第2周波数に設定されている第2アンテナエレメントと、第1及び第2アンテナエレメントの給電点に接続された給電用外部端子と、第2アンテナエレメントに接続されているオープンスタブとを備え、前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントは誘電体層を挟んで異なる層に設けられていると共に、前記オープンスタブが、誘電体層を挟んで前記第1アンテナエレメントの一部に重なっている誘電体アンテナを提案する。
【0011】
本発明の誘電体アンテナは、オープンスタブを設けることにより、第1及び第2アンテナエレメントの長さが、使用周波数の波長によって決まる通常の長さよりも短い長さで使用周波数に共振可能となり、オープンスタブを、一端が第2アンテナエレメントのうち給電用外部端子に接続される導電体に接続し、積層素体の長手方向に形成するようにしたので、オープンスタブを誘電体層表面の未導電体形成領域に配置でき、オープンスタブを設けたとしても誘電体アンテナ自体は大きくならず、その小型化につながる。さらに、回路基板に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる周波数帯域幅が拡大される。
【0012】
また、本発明の誘電体アンテナは、第1及び第2アンテナエレメントを誘電体層を挟んで異なる層に設けることにより積層素体の形状を小型化すると共に、オープンスタブを誘電体層を挟んで第1アンテナエレメントの一部に重なるように配置することにより、第1アンテナエレメントとオープンスタブとの間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブのインダクタンス成分が第1アンテナエレメントの一部に並列接続された状態となり、第1アンテナエレメントの長さがさらに短縮される。
【0013】
さらに、第1アンテナエレメントの形状を、積層面内で矩形波形状をなした形状とすることにより、第1アンテナエレメントとオープンスタブとが重なる部分を複数箇所設定している。
【0014】
また、第1アンテナエレメントまたは第2アンテナエレメント或いはこれらの双方の先端部分を2つ以上に分岐することにより、先端部分の導電体とその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメントはヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、第1或いは第2周波数に共振するアンテナエレメントの長さが短縮される。
【0015】
また、第1及び第2アンテナエレメントのうちの少なくとも一方の先端部分の導電体の幅を、先端部分直前の導電体の幅よりもが広く形成することにより、先端部分の導電体とその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメントはヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、第1或いは第2周波数に共振するアンテナエレメントの長さが短縮される。
【0016】
また、第1アンテナエレメントの給電点側の所定位置に一端が接続され且つ他端が接地用外部電極に接続された導電体を設けることによって、第1アンテナエレメントを一般に逆F型と称されるアンテナとしている。
【0017】
さらに、本発明は、第1周波数を第2周波数よりも高い周波数に設定した。
【0018】
また、本発明は、第1アンテナエレメントの蛇行間隔を所定値に設定することにより、第1周波数帯とは異なる第1周波数帯よりも高い第2周波数帯の周波数における電圧定在波比が所定値以下になるようにし、第1周波数帯と第2周波数帯において使用可能とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0020】
第1図は本発明の第1実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第2図は第1アンテナエレメントを示す平面図、第3図は第2アンテナエレメントを示す平面図である。第1の実施形態では、現在、携帯通信に用いられている2.4GHz帯用の誘電体アンテナの一例を説明する。
【0021】
第1図乃至第3図において、10は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)11a,11b,11cを積層した積層素体11を備えている。この積層素体11の一側面には、外部端子12a,12bが設けられている。
【0022】
中間層の基板11bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)13を形成する導電体が設けられている。また、下層の基板11cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)14を形成する導電体が設けられている。さらに、最下層の基板11cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極16a〜16cが形成されている。
【0023】
上記積層素体11の大きさは、長さL1が10mm、幅Wが4mm、厚さDが1mmである。また、第2図及び第3図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0024】
基板11bの上面に形成されたアンテナエレメント13は、帯状の導電体13a〜13oからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントである。アンテナエレメント13は、所定の蛇行間隔(ミアンダピッチ)で蛇行し、矩形波形状に配置されている。さらにアンテナエレメント13は、例えば共振周波数が2.4GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子12bには導電体13aの一端が接続されている。さらに、導電体13aの他端には、導電体13b〜13kが記述の順に、蛇行するように折り返して連結されている。ここで、隣り合う導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔、即ち導電体13aと導電体13cの間隔、導電体13cと導電体13eの間隔、導電体13eと導電体13gの間隔、導電体13gと導電体13iの間隔はほぼ同じに設定されている。
【0025】
さらに、アンテナエレメント13の先端部にある導電体13kの幅は、先端部直前の導電体13jの幅よりも大きく形成されている。このため、導電体13kの面積を大きくすることによって、導電体13kとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント13はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.4GHzに共振するアンテナエレメント13の長さが短縮される。
【0026】
また、導電体13aを境にして導電体13b〜13kが配置された側とは反対側に導電体13l〜13oが設けられ、導電体13lの一端は導電体13aの長手方向中間部に直角に接続されている。さらに導電体13lの他端には導電体13mの一端が直角に接続されている。導電体13mの他端に導電体13nの一端が直角に接続されている。導電体13nの他端は導電体13oを介して接地端子となる外部端子12aに接続されている。
【0027】
基板11cの上面に形成されたアンテナエレメント14は、帯状の導電体14a〜14gからなり、例えば共振周波数は2.5GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子12bに一端が接続された導電体14aの他端には導電体14b〜14gが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これによりアンテナエレメント14は矩形波形状をなしている。これらの導電体14b〜14gは上記アンテナエレメント13を構成する導電体13l〜13oと基板11b(誘電体層)を挟んで重なるように配置されている。
【0028】
さらに、アンテナエレメント14の先端部にある導電体14gの幅は、先端部直前の導電体14fの幅よりも大きく形成されている。このように導電体14gの面積を大きくすることによって、導電体14gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント14はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.5GHzに共振するアンテナエレメント14の長さが短縮される。
【0029】
また、導電体14aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ15が設けられ、オープンスタブ15の一端は導電体14aの中間部に直角に接続され、積層素体11の長手方向に形成されている。また、オープンスタブ15は、長さLstが約2mm、幅Wstが0.3mmに設定されている。さらに、オープンスタブ15と導電体14aとの接続位置と給電点(外部端子12b)との間の距離L3が約2mmに設定されている。また、オープンスタブ15は、基板11bを挟んでアンテナエレメント13と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0030】
使用時において、誘電体アンテナ10は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子12aが接続され、給電用の外部端子12bが給電用ランド2に接続される。
【0031】
上記構成よりなる誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15を設けたことにより、誘電体アンテナ10を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ10では、接地導体3との間の距離L2を1mmに設定しても良好な特性を得ることができた。さらに、形状も従来より小型にすることができた。
【0032】
即ち、誘電体アンテナ10は、第4図に示すように2つのアンテナエレメント13,14の給電点が同一の外部端子12bに接続されているので、外部端子12bにおける給電点インピーダンスは一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されている50Ωになる。
【0033】
さらに、誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15が、基板11bを挟んでアンテナエレメント13と複数箇所で容量結合するように配置されているため、第4図に示したように、アンテナエレメント13とオープンスタブ15との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ15のインダクタンス成分がアンテナエレメント13の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント13の長さがさらに短縮される。
【0034】
また、前述のようにアンテナエレメント13,14の先端部の導電体13k、14gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント13,14はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成するので、アンテナエレメント13,14の長さがさらに短縮される。
【0035】
また、誘電体アンテナ10のVSWRは、第5図に示すように、個々のアンテナエレメント13,14のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント13,14を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第5図に示すVSWR特性では、2.15〜2.68GHzでVSWRが3以下となり、2.25GHzでVSWRが1.1、2.50GHzでVSWRが1.4という低い良好な値を示している。このように、本実施形態の誘電体アンテナ10によれば特性曲線に示されるように使用対象となる周波数帯において良好に使用可能な帯域幅を拡大することができる。
【0036】
さらに、誘電体アンテナ10は、第6図に示すようなゲイン特性を有している。この特性によれば、2.3GHz〜2.6GHzの周波数、特に2.2GHz付近では0dBであるのに対して、2.6GHz以上の周波数では周波数の増加に伴って徐々にゲインが低下し、2.2GHz付近の周波数では−10dB以下を示す。これにより、使用周波数帯域外において10dB以上の減衰を得ることができ、帯域外周波数の信号による混変調を防止することができる。
【0037】
誘電体アンテナ10に対してXYZ座標を第7図に示すように設定したときの放射ビームパターンを第8図乃至第10図に示す。ここでは、誘電体アンテナ10の幅W方向にX軸を、厚さD方向にY軸を、長さL1方向にZ軸を設定した。
【0038】
第8図は、YZ平面における主偏波(実線)と交差偏波(破線)を表しているが、主偏波はほぼ円形に近い状態になっている。第9図はXY平面における主偏波(実線)と交差偏波(破線)を表している。また、第10図はXZ平面における主偏波(実線)と交差偏波(破線)を表している。このように良好な放射ビームパターンを得ることができる。
【0039】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ10を用いることにより、誘電体アンテナ10を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0040】
第11図乃至第13図に比較例を示す。第11図は第1アンテナエレメントの平面図、図第12図は第2アンテナエレメントの平面図、第13図はVSWR特性を示す図である。この比較例は、前述した誘電体アンテナ10から上記オープンスタブ15を除去したものであり、第11図及び第12図に示すアンテナエレメント13,14を備えた誘電体アンテナである。
【0041】
また、第13図に示すVSWR特性は、第1実施形態と同様に、誘電体アンテナを回路基板1の接地導体3から距離L2(1mm)離して回路基板1に実装したときのものである。オープンスタブ15がない場合、第13図に示すように、2.22〜2.84GHzでVSWRが3以下となり、2.34GHzでVSWRが1.5、2.67GHzでVSWRが1.0という低い値を示しているが、オープンスタブ15を除去したことにより、共振周波数が全体的に150MHzくらい高くなってしまう。即ち、共振周波数を第1実施形態と同じにするためには、150MHz分(約6%)だけアンテナエレメントを大きくしなければならず、形状が大きくなってしまう。
【0042】
尚、第1実施形態の誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15を設けることにより、実際は、共振周波数を合わせるだけでなく、結合状態を含むインピーダンスも制御できるため、短縮率6%の効果だけではなく、それ以上の効果が得られている。
【0043】
また、オープンスタブ15の長さLstや幅Wstを変化させたり、或いはオープンスタブ15と導電体14aとの接続位置を変えることにより、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0044】
また、アンテナエレメント13,14の先端部の導電体13k,14gの長さや面積、及びアンテナエレメント13における給電点と接地端とを結ぶ導電体13l〜13oの全体の長さや面積を変えることによっても、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態の誘電体アンテナに関して説明する。
【0046】
第2実施形態では、2GHz帯のW−CDMA用の誘電体アンテナを構成した。第14図は本発明の第2実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第15図は第1アンテナエレメントの平面図、第16図は第2アンテナエレメントの平面図である。
【0047】
図において、20は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)21a,21b,21cを積層した積層素体21を有し、その一側面に外部端子22a,22bが設けられている。
【0048】
中間層の基板21bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)23を形成する導電体が設けられている。また、下層の基板21cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)24を形成する導電体が設けられている。さらに、最下層の基板21cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極26a〜26cが形成されている。
【0049】
上記積層素体21の大きさは、長さL1が12mm、幅Wが4mm、厚さDが1mmである。また、第15図及び第16図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0050】
基板21bの上面に形成されたアンテナエレメント23は、帯状の導電体23a〜23oからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントで、例えば共振周波数が1.9GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子22bに一端が接続された導電体23aの他端には導電体23b〜23kが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント23は矩形波形状をなしている。
【0051】
また、導電体23aを境にして導電体23b〜23kが配置された側とは反対側に導電体23l〜23oが設けられ、導電体23lの一端は導電体23aの長手方向中間部に直角に接続されている。導電体23lの他端には導電体23mの一端が直角に接続されている。導電体23mの他端に導電体23nの一端が直角に接続されている。導電体23nの他端は導電体23oを介して接地端子となる外部端子22aに接続されている。
【0052】
基板21cの上面に形成されたアンテナエレメント24は、帯状の導電体24a〜24gからなり、例えば共振周波数は2.2GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子22bに一端が接続された導電体24aの他端には、導電体24b〜24gが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント24は矩形波形状をなしている。これらの導電体24b〜24gは、上記アンテナエレメント23を構成する導電体23l〜23oと基板(誘電体層)21bを挟んで重なるように配置されている。
【0053】
また、導電体24aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ25が設けられている。このオープンスタブ25の一端は、導電体24aの長手方向中央よりも給電点側(外部端子22b側)で直角に接続されている。また、オープンスタブ25は、長さLstが4.00mm、幅Wstが0.5mmに設定されている。オープンスタブ25と導電体24aとの接続位置と給電点(外部端子22b)との間の距離L3は0.2mmに設定されている。さらに、オープンスタブ25、基板21bを挟んでアンテナエレメント23と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0054】
誘電体アンテナ20の給電点インピーダンスは、上記と同様に、2つのアンテナエレメント23,24の給電点が同一の外部端子22bに接続されているので、一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されているのと同じ50Ωになる。
【0055】
使用時において、誘電体アンテナ20は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子22aが接続され、給電用の外部端子22bが給電用ランド2に接続される。
【0056】
上記構成よりなる誘電体アンテナ20も第1実施形態と同様の効果が得られる。即ち、オープンスタブ25を設けたことにより、誘電体アンテナ20を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ20では、接地導体3との間の距離L2を2mmに設定しても良好な特性を得ることができた。さらに、形状も従来より小型にすることができた。
【0057】
さらに、オープンスタブ25が、基板21bを挟んでアンテナエレメント23と複数箇所で容量結合するように配置されているため、アンテナエレメント23とオープンスタブ25との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ25のインダクタンス成分がアンテナエレメント23の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント23の長さがさらに短縮される。
【0058】
また、誘電体アンテナ10のVSWRは、第17図に示すように、個々のアンテナエレメント23,24のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント23,24を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第17図に示すVSWR特性では、W−CDMAにおける送信周波数帯域1.92〜1.98GHzの内の1.92〜1.965GHzでVSWRが2以下が得られ、1.98GHzにおいてもVSWRが2.4であった。また、W−CDMAにおける受信周波数帯域2.11〜2.17GHzでは1.8以下のVSWRを示している。このように送信周波数帯域及び受信周波数帯域のそれぞれにおいて60MHzにわたる帯域幅内で良好なVSWRが得られた。
【0059】
また、誘電体アンテナ20は、第8図乃至第10図に示したのと同様の放射ビームパターンを有している。
【0060】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ20を用いることにより、誘電体アンテナ20を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0061】
尚、オープンスタブ25の長さLstや幅Wst、オープンスタブ25と導電体24aとの接続位置、アンテナエレメント23,24の先端部の導電体23k,24gの長さや面積、アンテナエレメント23における給電点と接地端とを結ぶ導電体23l〜23oの全体の長さや面積のうちの何れかを変えることによって、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0062】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0063】
第3実施形態は、第1実施形態と同様に、現在携帯電話に用いられている2.4GHz帯用の誘電体アンテナの一例を説明する。第3実施形態では、前述したと同様のオープンスタブを設けると共にアンテナエレメントの先端部を分岐させることにより、第1実施形態よりもさらに小型化を可能にした。
【0064】
第18図は第3実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第19図は第1アンテナエレメントの平面図、第20図は第2アンテナエレメントの平面図である。
【0065】
これらの図において、30は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)31a,31b,31cを積層した積層素体31を有し、その一側面に外部端子32a,32bが設けられている。
【0066】
中間層の基板31bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)33を形成する導電体が設けられている。また、下層の基板31cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)34を形成する導電体が設けられている。さらに、最下層の基板31cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極36a〜36cが形成されている。
【0067】
上記積層素体31の大きさは、長さL1が10mm、幅Wが3mm、厚さDが1mmである。また、第19図及び第20図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0068】
基板31bの上面に形成されたアンテナエレメント33は、帯状の導電体33a〜33tからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントで、例えば共振周波数が2.4GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子32bに一端が接続された導電体33aの他端には、導電体33b〜33iが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント33は矩形波形状をなしている。さらに、導電体33iの先端には導電体33j,33kがそれぞれ異なる方向に分岐するように接続されている。導電体33kは、導電体33iと直交する方向に延ばされ、導電体33kの先端には導電体33lが直交するように接続されている。また、導電体33jの先端には積層素体31の側面に設けられた導電体33mが接続され、この導電体33mを介して基板31cに設けられた導電体33nの一端に接続されている。導電体33nの他端には導電体33kに対して平行に配置された導電体33oの一端が直交するように接続されている。さらに、導電体33oの他端には導電体33pの一端が直交するように接続されている。
【0069】
また、上記導電体33a,33c,33e,33g,33i,33l,33pは互いに平行に配置され、アンテナエレメント33の先端部の分岐枝である導電体33lと導電体33pとの間隔は0.55mmに設定され、導電体33iと導電体33pとの間隔は0.6mmに設定されている。また、導電体33l,33pの幅は共に0.2mmに設定され、導電体33lの長さが2.4mm、導電体33pの長さが2.2mmにそれぞれ設定されている。
【0070】
従って、アンテナエレメント33の先端部は導電体33k,33lからなる分岐枝と導電体33j,33m〜33pからなる分岐枝の2つに分岐している。これにより、これら2つの分岐枝とその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント33はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.4GHzに共振するアンテナエレメント33の長さが短縮される。
【0071】
また、導電体33aを境にして導電体33b〜33pが配置された側とは反対側に導電体33q〜13tが設けられ、導電体33qの一端は導電体33aの長手方向中間部に直角に接続されている。導電体33qの他端には導電体33rの一端が直角に接続されている。導電体33rの他端には導電体33sの一端が直角に接続されている。導電体33sの他端は導電体33tを介して接地端子となる外部端子32aに接続されている。
【0072】
基板31cの上面に形成されたアンテナエレメント34は、帯状の導電体34a〜34iからなり、例えば共振周波数が2.5GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子32bに一端が接続された導電体34aの他端には、導電体34b〜34fが記述の順に蛇行するように折り返して連結されている。これにより、アンテナエレメント34は矩形波形状をなしている。
【0073】
さらに、導電体34fの先端には導電体34g,34hがそれぞれ異なる方向に分岐するように接続され、導電体34hの先端には導電体34iが直角に接続されている。
【0074】
これらの導電体34b〜34gは上記アンテナエレメント33を構成する導電体33o〜33rが配置されている側に配置され、上記導電体34a,34c,34e,34g,34iは互いに平行に配置されている。
【0075】
さらに、アンテナエレメント34の先端部の分岐枝である導電体34gと導電体34iとの間隔は0.5mmに設定され、導電体34gと導電体34eとの間隔は0.65mmに設定されている。また、導電体3g,34iの幅は共に0.2mmに設定され、導電体34g,34iの長さが共に2.4mmに設定されている。
【0076】
従って、アンテナエレメント34の先端部は2つに分岐している。これにより、導電体34g,34iとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント33はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.5GHzに共振するアンテナエレメント34の長さが短縮される。
【0077】
また、導電体34aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ35が設けられ、オープンスタブ35の一端は導電体34aの長手方向中間部に直角に接続されている。また、オープンスタブ35は、長さLstが2.75mm、幅Wstが0.3mmに設定されていると共に、オープンスタブ35と導電体34aとの接続位置と給電点(外部端子32b)との間の距離L3が0.9mmに設定され、基板31bを挟んでアンテナエレメント33と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0078】
また、誘電体アンテナ30の給電点インピーダンスは、上記と同様に、2つのアンテナエレメント33,34の給電点が同一の外部端子32bに接続されているので、一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されている50Ωになる。
【0079】
使用時において、誘電体アンテナ30は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子32aが接続され、給電用の外部端子32bが給電用ランド2に接続される。
【0080】
上記構成よりなる誘電体アンテナ30は、オープンスタブ35を設けたことにより、誘電体アンテナ30を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ30では、接地導体3との間の距離L2を1mmに設定しても良好な特性を得ることができた。
【0081】
さらに、第3実施形態ではアンテナエレメント33,34の先端部を分岐させたことによって、第1実施形態よりもさらにアンテナエレメントを小型にし且つ良好な特性を得ることができた。
【0082】
即ち、オープンスタブ35が、基板31bを挟んでアンテナエレメント33と複数箇所で容量結合するように配置されているため、アンテナエレメント33とオープンスタブ35との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ35のインダクタンス成分がアンテナエレメント33の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント33の長さがさらに短縮される。
【0083】
また、前述のようにアンテナエレメント33,34の先端部が分岐しているので、分岐した導電体のそれぞれとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント33,34はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成するので、アンテナエレメント33,34の長さがさらに短縮される。
【0084】
また、誘電体アンテナ30のVSWRは、第21図に示すように、個々のアンテナエレメント33,34のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント33,34を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第21図に示すVSWR特性では、2.15〜2.66GHzでVSWRが3以下となり、2.25GHzでVSWRが1.4、2.48GHzでVSWRが1.1という低い良好な値を示している。このように、本実施形態の誘電体アンテナ30によれば特性曲線に示されるように使用対象となる周波数帯において良好に使用可能な帯域幅を拡大することができる。
【0085】
また、誘電体アンテナ30は、第6図に示したのと同様のゲイン特性、並びに第8図乃至第10図に示したのと同様の放射ビームパターンを有している。
【0086】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ30を用いることにより、誘電体アンテナ30を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0087】
また、上記第1及び第2実施形態と同様に、オープンスタブ35の長さLstや幅Wst、オープンスタブ35と導電体34aとの接続位置、アンテナエレメント33,34の先端部の分岐導電体33j〜33p,34g,34iの長さや面積、アンテナエレメント33における給電点と接地端とを結ぶ導電体33q〜33tの全体の長さや面積のうちの何れかを変えることによって、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0088】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
【0089】
第4実施形態は、現在携帯電話に用いられている2.4GHz帯と無線LANなどに用いられる5.2GHz帯の2つの周波数帯に対応した誘電体アンテナの一例を説明する。第4実施形態では、前述したと同様のオープンスタブを設けると共に第1アンテナエレメント13のミアンダピッチ(蛇行間隔)を設定を変えることにより、第1実施形態の誘電体アンテナではVSWRが高くて使用不可能であった5.2GHz帯での使用を可能にした。
【0090】
第22図は第4実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、第23図は第1アンテナエレメントの平面図、第24図は第2アンテナエレメントの平面図である。
【0091】
図において、40は誘電体アンテナで、誘電体セラミック材料からなる絶縁性の平板状基板(以下、単に基板と称する)41a,41b,41cを積層した積層素体41を備えている。この積層素体41の一側面には、外部端子42a,42bが設けられている。
【0092】
中間層の基板41bの上面には、第1アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)43を形成する導電体43a〜43oが設けられている。また、下層の基板41cの上面には、第2アンテナエレメント(以下、単にアンテナエレメントと称する)44を形成する導電体44a〜44gが設けられている。さらに、最下層の基板41cの裏面には回路基板1への実装時に安定して半田付け固定できるように複数のダミー電極46a〜46cが形成されている。
【0093】
上記積層素体41の大きさは、長さL1が10mm、幅Wが4mm、厚さDが1mmである。また、第23図及び第24図においては、各部の寸法比が実物の寸法比と等しくなるように描いてある。
【0094】
基板41bの上面に形成されたアンテナエレメント43は、帯状の導電体43a〜43oからなり、一般に逆F型アンテナと称されているエレメントで、例えば共振周波数が2.4GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子42bに一端が接続された導電体43aの他端には導電体43b〜43kが記述の順に蛇行するように折り返して連結された矩形波形状をなしている。
【0095】
さらに、アンテナエレメント43の先端部にある導電体43kの幅は、先端部直前の導電体43jの幅よりも大きく形成され、導電体43kの面積が大きく形成されている。
【0096】
このようにエレメント先端部の導電体43kの面積を大きく形成するによって、導電体43kとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント43はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.4GHzに共振するアンテナエレメント43の長さが短縮される。
【0097】
また、導電体44a〜44kによって形成される矩形状(ミアンダ形状)のエレメントの蛇行間隔(ミアンダピッチ)d1〜d5はそれぞれ異なる間隔に設定されている。即ち、隣り合う導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔、即ち導電体13aと導電体13cの間隔d1、導電体13cと導電体13eの間隔d2、導電体13eと導電体13gの間隔d3、導電体13gと導電体13iの間隔d4、導電体13iと導電体13kの間隔d5はそれぞれ異なる間隔に設定されている。この様に蛇行間隔(ミアンダピッチ)を設定することによって、アンテナエレメント43の全長を変えることなく高次共振周波数を変化させた。これにより、5.2GHz帯における電波の送受信が可能な程度にVSWRを低下させることができた。
【0098】
即ち、上記の隣り合う導電体13a,13c,13e,13g,13iの間における静電容量は2.5GHz帯の周波数に対して影響を及ぼさない。しかし、5GHz以上の周波数に対しては影響を及ぼし、5GHz以上の高次共振周波数を変化させる。導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔を狭めることにより、高次共振周波数を低下させる。また、導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔を広めることにより、高次共振周波数を上昇させる。第4実施形態では、導電体13a,13c,13e,13g,13iの間隔を狭めることにより、高次共振周波数を低下させ、5.2GHz帯における電波の送受信が可能な程度に、5.2GHz帯におけるVSWRを低下させた。
【0099】
一方、導電体43aを境にして導電体43b〜43kが配置された側とは反対側に導電体43l〜43oが設けられている。導電体43lの一端は導電体43aの長手方向中間部に直角に接続されている。さらに導電体43lの他端には導電体43mの一端が直角に接続されている。導電体43mの他端に導電体43nの一端が直角に接続されている。導電体43nの他端は導電体43oを介して接地端子となる外部端子42aに接続されている。
【0100】
基板41cの上面に形成されたアンテナエレメント44は、帯状の導電体44a〜44gからなり、例えば共振周波数は2.5GHzに設定され、給電点インピーダンスが例えば約100Ωに設定されている。給電点となる外部端子42bに一端が接続された導電体44aの他端には導電体44b〜44gが記述の順に蛇行するように折り返して連結され、矩形波形状をなしている。これらの導電体44b〜44gは上記アンテナエレメント43を構成する導電体43l〜43oが配置されている側に配置されている。
【0101】
さらに、アンテナエレメント44の先端部にある導電体44gの幅は、先端部直前の導電体44fの幅よりも大きく形成され、導電体44gの面積を大きくすることによって、導電体44gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント44はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成する。これにより、2.5GHzに共振するアンテナエレメント44の長さが短縮される。
【0102】
また、導電体44aを境にして反対側には、長方形の導電体からなるオープンスタブ45が設けられている。オープンスタブ45の一端は導電体44aの長手方向中間部に直角に接続されている。また、オープンスタブ45は、長さLstが約2mm、幅Wstが0.3mmに設定されている。さらに、オープンスタブ45と導電体44aとの接続位置と、給電点(外部端子42b)との間の距離L3が約2mmに設定されている。また、オープンスタブ45は、基板41bを挟んでアンテナエレメント43と複数箇所で容量結合するように配置されている。
【0103】
使用時において、誘電体アンテナ40は回路基板1に実装され、回路基板1上に形成された接地導体3の接続用ランド3aに接地用の外部端子42aが接続され、給電用の外部端子42bが給電用ランド2に接続される。
【0104】
上記構成よりなる誘電体アンテナ40は、オープンスタブ45を設けたことにより、誘電体アンテナ40を回路基板1上に実装するとき、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができる。本実施形態の誘電体アンテナ40では、接地導体3との間の距離L2を1mmに設定しても良好な特性を得ることができた。さらに、形状も従来より小型にすることができた。さらにまた、前述したようにアンテナエレメント43の蛇行間隔(ミアンダピット)を設定したことにより高次共振周波数を変化させて、5.2GHz帯における電波の送受信が可能な程度のVSWRを得ることができた。
【0105】
即ち、誘電体アンテナ40は、第1実施形態と同様に2つのアンテナエレメント43,44の給電点が同一の外部端子42bに接続されているので、外部端子42bにおける給電点インピーダンスは一般に高周波送受信回路の高周波入出力インピーダンスに設定されている50Ωになる。
【0106】
さらに、オープンスタブ45が、基板41bを挟んでアンテナエレメント43と複数箇所で容量結合するように配置されているため、アンテナエレメント43とオープンスタブ45との間に容量性結合を生じさせ且つオープンスタブ45のインダクタンス成分がアンテナエレメント43の一部に並列接続された状態となり、アンテナエレメント43の長さがさらに短縮される。
【0107】
また、前述のようにアンテナエレメント43,44の先端部の導電体43k、44gとその周辺の接地導体との間に静電容量が発生し、この静電容量によってアンテナエレメント43,44はヘッドキャパシティ型のアンテナを構成するので、アンテナエレメント43,44の長さがさらに短縮される。
【0108】
また、誘電体アンテナ40のVSWRは、第25図に示すように、個々のアンテナエレメント43,44のVSWRを合成したものとなる。このため、個々のアンテナエレメント43,44を単独で用いた場合に比べて、低いVSWRを示す周波数帯域幅が広がり、広帯域での使用が可能になる。第25図に示すVSWR特性では、2.15〜2.68GHzでVSWRが3以下となり、2.25GHzでVSWRが1.1、2.50GHzでVSWRが1.4という低い良好な値を示している。このように、本実施形態の誘電体アンテナ40によれば特性曲線に示されるように使用対象となる周波数帯において良好に使用可能な帯域幅を拡大することができる。
【0109】
さらに、5.2GHz帯の周波数でもVSWRが約3程度まで低下しているので、電波の送受信を支障無く行うことができる。
【0110】
また、誘電体アンテナ40は、第6図に示したのと同様のゲイン特性、並びに第8図乃至第10図に示したのと同様の放射ビームパターンを有している。
【0111】
従って、本実施形態の誘電体アンテナ40を用いることにより、誘電体アンテナ40を回路基板1上に実装するときに、回路基板1に形成されている接地導体3との距離L2を従来よりも短くすることができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。さらに、誘電体アンテナ40を使用することにより、2.4GHz帯と5.2GHz帯の双方の周波数帯域において電波の送受信を行うことができる。
【0112】
第26図に比較例の一例を示す。第26図は第1実施形態の誘電体アンテナ10の2GHz〜7GHzにおけるVSWR特性である。この様に、第1実施形態の誘電体アンテナ10では、5.2GHz帯でのVSWRは5以上となり、5.2GHz帯での電波の送受信は損失が大きくなりすぎてほぼ不可能である。
【0113】
上記のように、第4実施形態の誘電体アンテナ40は、アンテナエレメント43の蛇行間隔(ミアンダピッチ)が上記のように設定されているので、異なる2つの周波数帯域での使用が可能になる。
【0114】
また、誘電体アンテナ40は、オープンスタブ45を設けることにより、実際は、共振周波数を合わせるだけでなく、結合状態を含むインピーダンスも制御できるため、短縮率6%の効果だけではなく、それ以上の効果が得られている。
【0115】
また、オープンスタブ45の長さLstや幅Wstを変化させたり、或いはオープンスタブ45と導電体44aとの接続位置を変えることにより、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0116】
また、アンテナエレメント43,44の先端部の導電体43k,44gの長さや面積、及びアンテナエレメント43における給電点と接地端とを結ぶ導電体43l〜43oの全体の長さや面積を変えることによっても、共振周波数及び給電点インピーダンスを変化させることができる。
【0117】
以上説明したように本発明の誘電体アンテナは、オープンスタブを設けたことにより、第1及び第2アンテナエレメントの長さが、使用周波数の波長によって決まる通常の長さよりも短い長さで使用周波数に共振可能となった。さらに、本発明の誘電体アンテナは、回路基板に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる周波数帯域幅が拡大される。このため、回路基板上に実装するときに、回路基板に形成されている接地導体との距離を従来よりも短く設定することができるので、携帯型電話機や携帯型無線通信機の小型化および集積化に大いに貢献することができる。
【0118】
さらに、本発明の誘電体アンテナは、異なる2つの周波数帯域での使用が可能になるので、無線LANに使用される2.4GHz帯と5.2GHz帯の双方の周波数において使用可能となる。このため、これら2つの周波数帯に対応した無線LAN用の無線通信機を構成する場合、それぞれの周波数帯に対応したアンテナを備える必要が無くなり、無線通信機の小型化に大いに貢献することができる。
【0119】
尚、上記第1乃至第3実施形態は、本願発明の一具体例に過ぎず、本願発明がこれらの実施形態のみ限定されることはない。例えば第1実施形態の第1アンテナエレメント13に代えて第27図に示すような第1アンテナエレメント53を設けてもよい。この第1アンテナエレメント53は、第1アンテナエレメント13の導電体13b〜13kに代えて蛇行方向を90°変えて配置した導電体53b〜53hを有するものである。この様に、アンテナエレメントの蛇行方向は上記実施形態に限定されることはない。
【0120】
この様に、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0121】
産業上の利用可能性
第1周波数に共振する第1アンテナエレメント13と、第1周波数と同一周波数帯域内であり且つ第1周波数とは異なる第2周波数に共振する第2アンテナエレメント14とを積層素体11に設け、第1及び第2アンテナエレメントの給電点に接続された給電用外部端子12bと、第2アンテナエレメントの給電点近傍に接続されているオープンスタブ15とを備えている誘電体アンテナ10を構成する。誘電体アンテナ10は、オープンスタブ15により、通常よりも短い長さの第1及び第2アンテナエレメント13,14が使用周波数に共振可能となる。さらに、回路基板1に実装する際に接地導体パターンの近傍に配置しても使用周波数帯域において良好なVSWR特性が得られる周波数帯域幅が拡大される。また、第1アンテナエレメントの蛇行間隔を所定値に設定することにより、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯における電圧定在波比を低下させ、第1周波数帯と第2周波数帯において使用可能とした。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第2図は本発明の第1実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第3図は本発明の第1実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第4図は本発明の第1実施形態におけるオープンスタブの作用を説明する図、
第5図は本発明の第1実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第6図は本発明の第1実施形態における相対利得特性を示す図、
第7図は本発明の第1実施形態における放射ビームパターン測定におけるXYZ座標を示す図、
第8図は本発明の第1実施形態におけるYZ平面での放射ビームパターンを示す図、
第9図は本発明の第1実施形態におけるXY平面での放射ビームパターンを示す図、
第10図は本発明の第1実施形態におけるXZ平面での放射ビームパターンを示す図、
第11図は本発明の第1実施形態における比較例の第1アンテナエレメントを示す平面図、
第12図は本発明の第1実施形態における比較例の第2アンテナエレメントを示す平面図、
第13図は本発明の第1実施形態における比較例のVSWR特性を示す図、
第14図は本発明の第2実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第15図は本発明の第2実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第16図は本発明の第2実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第17図は本発明の第2実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第18図は本発明の第3実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第19図は本発明の第3実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第20図は本発明の第3実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第21図は本発明の第3実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第22図は本発明の第4実施形態における誘電体アンテナを示す透視斜視図、
第23図は本発明の第4実施形態における第1アンテナエレメントを示す平面図、
第24図は本発明の第4実施形態における第2アンテナエレメントを示す平面図、
第25図は本発明の第41実施形態におけるVSWR特性を示す図、
第26図は本発明の第4実施形態における比較例のVSWR特性を示す図、
第27図は本発明におけるアンテナエレメントの他の構成例を示す平面図である。
Claims (10)
- 表面に導電体が設けられた1つ以上の誘電体層からなる積層素体と、該積層素体の外表面に設けられた1つ以上の外部端子とからなり、
前記積層素体に設けられた導電体によって形成され、共振周波数が第1周波数帯の第1周波数に設定されている第1アンテナエレメントと、
前記積層素体に設けられた導電体によって形成され、共振周波数が前記第1周波数帯の前記第1周波数とは異なる第2周波数に設定されている第2アンテナエレメントと、
前記第1アンテナエレメントの給電点と前記第2アンテナエレメントの給電点に接続された給電用外部端子と、
前記第2アンテナエレメントに接続されているオープンスタブとを備え、
前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントは誘電体層を挟んで異なる層に設けられていると共に、
前記オープンスタブが、誘電体層を挟んで前記第1アンテナエレメントの一部に重なっている
ことを特徴とする誘電体アンテナ。 - 前記オープンスタブは、一端が前記第2アンテナエレメントのうち給電用外部端子に接続される導電体に接続され、前記積層素体の長手方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の誘電体アンテナ。
- 前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントは誘電体層を挟んで異なる層に設けられていると共に、
前記第1アンテナエレメントは積層面内で折り返されて蛇行した形状をなし、
前記第1アンテナエレメントと前記オープンスタブは、前記誘電体層を挟んで複数箇所で重なるように配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体アンテナ。 - 前記第1アンテナエレメントの隣り合う折り返された導電体は互いに平行になるように配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の誘電体アンテナ。 - 前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントのうちの少なくとも一方の先端部分が2つ以上に分岐している
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体アンテナ。 - 前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントのうちの少なくとも一方の先端部分の導電体は、先端部分直前の導電体よりも幅が広く形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 - 前記第1アンテナエレメントの給電点側の所定位置に一端が接続された導電体と、該導電体の他端に接続された接地用外部端子とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体アンテナ。 - 前記第1周波数が前記第2周波数よりも高い周波数に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体アンテナ。 - 前記第1アンテナエレメントは積層面内で折り返されて蛇行した形状をなし、かつ前記第1周波数帯の前記第1周波数に共振する長さを有すると共に、
前記第1アンテナエレメントの蛇行間隔は、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の周波数における電圧定在波比が所定値以下になるように設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体アンテナ。 - 前記第2周波数帯が前記第1周波数帯よりも高い周波数帯に設定されている
ことを特徴とする請求項9に記載の誘電体アンテナ。
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