JP3929787B2 - プリンタ用操作盤の支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ用操作盤の支持装置に係るもので、特に、プリンタの操作盤を必要に応じて任意の傾斜角度および高さ位置に保持することができるプリンタ用操作盤の支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種のプリンタにおいて、その操作用の操作盤をプリンタ本体における所定の部位に設けているが、プリンタ本体の側面部分に当該操作盤を設けた場合には、プリンタの設置場所ないし高さによっては、操作者との相対的な姿勢が変わり、操作盤上の各種スイッチを操作しにくくなる可能性があるという問題がある。
【0003】
しかも、最近では上記操作盤上の各種スイッチの操作内容を表示するためLCD(liquid crystal display;液晶表示装置)を備えたものが多く用いられており、操作性だけでなく、操作盤の姿勢を適正な角度に調整しないとLCDに表示される操作内容が見にくいため、操作者に対するLCDの視認性をよくすべく操作盤を任意角度に傾斜することのできる装置が要請されるに至り、例えば、特開平9−20044号に開示されるような操作盤傾斜装置(以下、先例と称する)が提案された。
【0004】
しかしながら、先例は、必要に応じて操作盤の傾斜角度を調整することが可能なものの、高さ方向の調整が配慮されておらず、傾斜角度のみの調整では、特にLCDの視認性の向上に難点があるため、傾斜角度および高さの双方を確実に位置決め・調整できるプリンタ用操作盤の支持装置の開発が望まれた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は以上のような問題点に着目してなされたもので、プリンタ用操作盤の傾斜角度および高さ方向の位置決めを必要に応じて調整することが可能なプリンタ用操作盤の支持装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るプリンタ用操作盤の支持装置は、プリンタ本体と、このプリンタ本体に対し、一端に設けられた第一の保持機構を介して回動自在とされ、かつ、任意回動位置に保持可能とされる支持アームと、この支持アームの他端に設けられた第二の保持機構を介して回動自在に支持されるとともに、任意傾斜状態に回動・保持可能とされる操作盤と、を有し、上記プリンタ本体と上記第一の保持機構は、これらのいずれか一方に固定される第一の支持軸と、他方に固定される第一の取付部を介して連結され、この取付部および支持軸の間には、上記支持アームの上記プリンタ本体に接近する方向のみに回転を許容するワンウェイクラッチと、プリンタ本体からの離反方向にのみ回転を許容するスプリングクラッチとを同軸上に備え、このスプリングクラッチは前記支持アームの自重によるトルクを超える力が加えられた場合のみ回転を許容し、且つ、上記支持アームと上記第二の保持機構は、これらのいずれか一方に固定される第二の支持軸と、他方に固定される第二の取付部を介して連結され、この取付部および支持軸の間には、上記操作盤の起立方向のみに回転を許容するワンウェイクラッチと、倒伏方向にのみ回転を許容するスプリングクラッチとを同軸上に備え、このスプリングクラッチは前記操作盤の自重によるトルクを超える力が加えられた場合のみ回転を許容することを特徴とする。
更に、請求項に記載の支持アームは、プリンタ本体側に回動位置決めされた際、プリンタ本体内に設けられた収納部へ収納されるようにできる。
また、請求項に記載の第一および第二の保持機構は、フェルト、ゴム等の高摩擦係数の摩擦部材で形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図6を参照して、本発明の好適な−実施の形態を説明する。
図1および図3は、本発明の操作盤の支持装置が搭載されたプリンタの概観を示す概略斜視図であって、プリンタ2は、プリンタ本体4と、操作盤支持装置6とから構成される。
【0008】
プリンタ本体4は、図示しない印字部や用紙収納部などの各部分が収納されたケーシング部8と、カバー部10とを備え、ケーシング部8の前面(図2における左側)には用紙の排出口12が形成されるとともに、後述の操作盤支持装置6の一部が収納可能な収納部14が形成されている。
また、プリンタ本体4の上面部は斜めに切り欠かれた形状となっている。すなわち、ケーシング部8前面の上部と、このケーシング部8を覆うカバー部10の前面が下部のケーシング部8から上部のカバー部10に向けて奥側へ連続して傾斜する傾斜面部24となっている。
【0009】
操作盤支持装置6は、前記プリンタ本体4の前面側(排出口12側)に設けられており、各種スイッチ群16aおよびLCD16bを備えた操作盤16と、この操作盤16を回動自在に支持する支持アーム18と、この支持アーム18をプリンタ本体4に対し回動可能とするとともに、操作盤16を任意の回動位置に保持する第一および第二の保持機構20,22とを備えている。
【0010】
主に、図2に示すように、支持アーム18の上端部側に第二の保持機構22を介して操作盤16が支持されており、一方、支持アーム18の下端部側に設けられた第二の保持機構20を介し、支持アーム18がプリンタ本体4のケーシング部8に支持されている。
【0011】
そして、支持アーム18は、第一の保持機構20を介してプリンタ本体4に対し回動可能とされるものであり、かつ、任意回動位置に保持可能とされる。
また、支持アーム18の上端部側に支持された操作盤16は、第二の保持機構22を介して回動自在に支持されるとともに、任意傾斜角度に保持可能とされている。
【0012】
更に、操作盤支持装置6の支持アーム18は、第一の保持機構20を介してプリンタ本体4側に回動されたとき収納部14に収納されるとともに、支持アーム18の上端部側に第二の保持機構22を介して回動可能に設けられた操作盤16は、前記傾斜面部24に沿って位置決めされ突出しないようになっており、プリンタ2の不使用時は邪魔とならないようにされている。
また、支持アーム18をプリンタ本体4から離反する方向に回動すると、前記傾斜面部24から操作盤16も離れるとともに、操作盤支持装置6全体がプリンタ本体4から離反するため、カバー部10の開閉およびケーシング部8に対する図示せぬ用紙の交換などの作業に邪魔とならないようにされている。
【0013】
次に、上記第二の保持機構22の詳細を、図4ないし図6に基づき説明する。
保持機構22は、支持アーム18に固定・設置された筒状のケース本体30を有し、このケース本体30は一端の側壁30aを有し、他端に開口30bを有し、更に、側壁30a側には外方へ延びるフランジ(取付部)30cを有している。そして、側壁30aには、放射線状に延びる溝30dが複数本形成されている。
【0014】
このケース本体30内には、周面にコイルスプリング32を嵌着させたスリーブ34と、このスリーブ34の内周面に装着されるワンウェイクラッチ36が収納される。そして、スリーブ34の内周面に突設させた突条34aにワンウェイクラッチ36の外周に形成させた溝36aを嵌合させることによりワンウェイクラッチ36をスリーブ34に係止し、またコイルスプリング32の一端32aをケース本体30の溝30dに挿嵌させることによって、コイルスプリング32をケース本体30に位置決めしている。それらは、ケース本体30の開口30bに円盤状の蓋38を嵌着させることによってユニット化が図られている。
【0015】
そして、ケース本体30、コイルスプリング32は、スリーブ34にコイルスプリング32の巻きが締まる(縮径)方向の回転を禁止し、逆方向に所定値(リミット値)を超える回転力が加えられた場合に、コイルスプリング32が拡径して回転を許容するスプリングクラッチを構成する。
【0016】
なお、スプリングクラッチは、ワンウェイクラッチ36とはロック・フリー方向が逆向きに構成されている。
【0017】
このように構成された第二の保持機構22は、ケース本体30のフランジ30cを操作盤支持装置6の支持アーム18にネジ等によって固定される。一方、操作盤16には支持軸40が突設されている。そして、保持機構22の蓋38に形成した孔38aを支持軸40にて嵌挿させ、この支持軸40にワンウェイクラッチ36の内周面を嵌合させる。
上記の構成により、操作盤16は、支持アーム18に対し回動自在に支持されるとともに、任意の傾斜角度に回動・保持可能とされる。
【0018】
第一の保持機構20は、主に、プリンタ本体4から支持アーム18側に突出した支持軸50と、図示省略のフェルト、ゴム等の高摩擦係数の摩擦部材と、この摩擦部材に適宜の押圧力を付与する図示省略のスプリング等の弾性部材とより成り、前記支持軸50に支持アーム18を回動自在に取り付けている。そして、プリンタ本体4と支持アーム18の間に前記図示省略の摩擦部材および弾性部材を介在させ、プリンタ本体4に対し支持アーム18を任意の回動位置に保持可能としている。
【0019】
このような一連の動作において、操作盤支持装置6は以下のように作動する。
【0020】
先ず、操作盤16を所望の高さにすべく、支持アーム18に反時計方向(図2における左方向)の所定(リミット値)以上の力を加えると、支持アーム18は回動軸50を支点としてプリンタ本体4から離反する方向へ回動する。そして、任意位置で手を離すと、第一の保持機構20の図示せぬ摩擦部材および弾性部材が支持アーム18に作用して止まり、操作盤支持装置6全体が任意回動位置に保持される。
【0021】
次に、操作盤16の角度を調整するため、操作盤16に反時計方向(図2における左方向)の所定(リミット値)以上の力を加えると、第二の保持機構22のコイルスプリング32も同方向に回動する。また、コイルスプリング32はスリーブ34に圧着されているため、スリーブ34も同方向に回動され、このスリーブ34と一体的に結合されているワンウェイクラッチ36も回動される。すると、ワンウェイクラッチ36のコロ36bが操作盤16の支持軸40の周面に圧接され、操作盤支持装置6の支持アーム19はプリンタ本体4から離反する方向の回動が阻止される。
【0022】
この状態で、操作盤16の傾斜を更に緩める(起こす)方向に力を加わえると、すなわち操作盤16に所定(リミット値)以上の力を加えると、コイルスプリング32は、図6に示すように拡開され、その結果、コイルスプリング32のスリーブ34に対する圧着力が弱められ、コイルスプリング32はスリーブ34上を摺動する。したがって、操作盤16は所定以上の力が加えられる限り傾斜を緩める方向に傾斜角度を変えながら回動し、所望の高さに操作盤16が位置決めされた際に手を離すと、操作盤16の自重によるトルクではコイルスプリング32を拡開することはできず、したがって、操作盤16はその位置に留まる。
【0023】
上述したように、プリンタ本体4と支持アーム18との間に設けた第一の保持機構20により、支持アーム18をプリンタ本体4に対して任意回動位置に回動自在かつ保持可能とし、更に、支持アーム18と操作盤16の間に設けた第二の保持機構22により操作盤16を任意傾斜状態に回動・保持可能とするため、プリンタ操作盤16を必要に応じて任意の傾斜角度および高さ位置に保持することが可能となる。
【0024】
なお、本実施の形態においては、第二の保持機構22を支持アーム18に取付けた例で説明したがこれに限定されないことは勿論であり、操作盤16側に取付けることも可能である。
【0025】
また、第一の保持機構20として、摩擦部材および弾性部材(図示省略)を用い、また、第二の保持機構22として、コイルスプリング32やワンウェイクラッチ36を用いた例で説明したが、これに限定されないことは勿論であり、第一の保持機構としてコイルスプリング32やワンウェイクラッチ36を使用可能である。
【0026】
【発明の効果】
この発明に係るプリンタ用操作盤の支持装置は、プリンタ本体と支持アームとの間に設けた第一の保持機構により、支持アームをプリンタ本体4に対して任意回動した高さ位置に回動自在かつ保持可能とされ、更に、支持アームと操作盤の間に設けた第二の保持機構により操作盤を任意傾斜状態に回動・保持可能とされるため、プリンタ操作盤を必要に応じて任意の傾斜角度および高さ位置に保持することが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタ用操作盤の支持装置が搭載されたプリンタの概略斜視図である。
【図2】同、側面図である。
【図3】同、操作盤をプリンタ本体から離反した状態を示す概略斜視図である。
【図4】同、保持機構の各構成要素を示した分解斜視図である。
【図5】同、保持機構の動作を示したもので、操作盤支持装置がプリンタ本体側に回動された状態を示す断面図である。
【図6】同、保持機構の動作を示したもので、操作盤支持装置がプリンタ本体から任意位置に回動された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 プリンタ
4 プリンタ本体
6 操作盤支持装置
8 ケーシング部
10 カバー部
12 排出口
14 収納部
16 操作盤
16a スイッチ群
16b LCD
18 支持アーム
20 第一の保持機構
22 第二の保持機構
30 ケース本体
30a 側壁
30b 開口
30c フランジ
30d 溝
32 コイルスプリング
34 スリーブ
34a 突条
36 ワンウェイクラッチ
36a 溝
38 蓋
40 支持軸

Claims (3)

  1. プリンタ本体と、このプリンタ本体に対し、一端に設けられた第一の保持機構を介して回動自在とされ、かつ、任意回動位置に保持可能とされる支持アームと、この支持アームの他端に設けられた第二の保持機構を介して回動自在に支持されるとともに、任意傾斜状態に回動・保持可能とされる操作盤と、を有し、
    上記プリンタ本体と上記第一の保持機構は、これらのいずれか一方に固定される第一の支持軸と、他方に固定される第一の取付部を介して連結され、この取付部および支持軸の間には、上記支持アームの上記プリンタ本体に接近する方向のみに回転を許容するワンウェイクラッチと、プリンタ本体からの離反方向にのみ回転を許容するスプリングクラッチとを同軸上に備え、このスプリングクラッチは前記支持アームの自重によるトルクを超える力が加えられた場合のみ回転を許容し、且つ、上記支持アームと上記第二の保持機構は、これらのいずれか一方に固定される第二の支持軸と、他方に固定される第二の取付部を介して連結され、この取付部および支持軸の間には、上記操作盤の起立方向のみに回転を許容するワンウェイクラッチと、倒伏方向にのみ回転を許容するスプリングクラッチとを同軸上に備え、このスプリングクラッチは前記操作盤の自重によるトルクを超える力が加えられた場合のみ回転を許容することを特徴とするプリンタ用操作盤の支持装置。
  2. 上記支持アームは、プリンタ本体側に回動位置決めされた際、プリンタ本体内に設けられた収納部へ収納されることを特徴とする請求項に記載のプリンタ用操作盤の支持装置。
  3. 上記第一および第二の保持機構は、フェルト、ゴム等の高摩擦係数の摩擦部材で形成されていることを特徴とする請求項に記載のプリンタ用操作盤の支持装置。
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