JP3929214B2 - ガス系消火設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消火剤貯蔵容器内に貯蔵されているガス消火剤を消火対象区画内に放出し、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上にすることによって消火するようにしたガス系消火設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、消火剤貯蔵容器内に貯蔵されているガス系消火剤を消火対象区画内に放出し、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上にすることによって消火するようにしたガス系消火設備として、消火剤に二酸化炭素、ハロンガス、窒素ガス等のガス系消火剤を使用するようにしたものが実用化されている。
【0003】
ところで、近年になって、オゾン層の破壊に関する問題が世界的な規模で提起され、ハロンガス等のハロゲン化炭化水素成分を含有する消火剤については、1994年1月に生産中止となり、事実上使用することができなくなった。
【0004】
一方、二酸化炭素を消火剤として使用する消火設備については、消火時の消火対象区画内の二酸化炭素の設計濃度を、通常、35%程度に設定しており、このため、万一消火対象区画内に人が存在していた場合、二酸化炭素の毒性(麻酔性)により人命に係わる事態が発生するおそれがある等の問題があった。
【0005】
この問題点に対処し、消火対象区画内に人が存在していても、消火剤によって人命に係わる事態が発生することがないように、窒素ガス、アルゴン等の希ガス、オゾン層を破壊しないパーフルオロアルカン(パーフルオロブタン(C10))、ハイドロジェノフルオロアルカン(トリフルオロメタン(CHF)、へプタフルオロプロパン(CHF)又はペンタフルオロエタン(CHF))、ハイドロジェノフルオロハロゲノアルカン(アイオドトリフルオロメタン(CFI))等のフッ素系ガスをそれぞれ単独で、あるいはこれらを所定の割合で混合した混合ガス(二酸化炭素等の他のガスを混合する場合を含む。)を消火剤(本明細書において、これらの消火剤を総称して「不活性ガス系消火剤」といい、この不活性ガス系消火剤を使用する消火設備を「不活性ガス系消火設備」という。)として使用する消火設備が提案されている。
【0006】
ところで、二酸化炭素を消火剤として使用する消火設備の場合、消火対象区画内に人が存在しないことが前提となっているため、消火対象区画内の消火剤の濃度を自由に設定することができ、このため、例えば、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度の2倍以上に設定することが可能であるのに対して、上記の不活性ガス系消火剤を使用する消火設備においては、消火対象区画内に人が存在することが前提となっていたり、人が存在する可能性があるため、消火対象区画内の消火剤の濃度の設定に制約等があり(消火剤の濃度を必要以上に高くすると、人の健康に係わる事態が発生するおそれがある。)、通常は、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度の1.2〜1.4倍程度に設定するようにしていた。
【0007】
そして、不活性ガス系消火剤を使用する消火設備においては、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度の1.2〜1.4倍程度にすることができる所定量の消火剤を、窒素ガスやアルゴン等の希ガス等の場合には、1分以内に消火対象区画内への放出がほぼ完了するように、また、フッ素系ガスの場合には、フッ化水素等の発生を抑制するため、10秒以内に消火対象区画内への放出がほぼ完了するように、消火設備を設計するようにしている。
【0008】
ところで、これらのガス系消火設備では、水系消火設備とは異なり、消火対象となる空間が閉鎖されることが必要な条件となる。
ガス系消火設備は、特殊な局所放出方式を除き、閉鎖された空間に消火剤を放出し、空間の消火剤濃度を均一に確保することにより消火する方法が一般的であり、この場合、空間内の消火剤濃度を速やかに一定濃度に立ち上げるとともに、立ち上げた消火剤濃度を一定時間維持することが重要な要素となる。
したがって、空間を形成する部分に開口が存在する場合は、開口部に閉鎖装置を設け、消火剤を放出する直前に開口部を閉鎖し、消火剤の流出を防止していた。
また、従来の二酸化炭素やハロンガスからなる消火剤では、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい構造の開口を有する場合は、消火対象区画に必要な消火剤量に開口の面積に応じた付加的な消火剤量を加えた量の消火剤を一度に放出し、初期の消火剤濃度を上げることにより消火性能の低下を補正するようにしていた。
【0009】
この消火剤濃度の維持は、消火対象区画内の消火剤の濃度の設定に制約等がある不活性ガス系消火剤では重要であり、また、近年使用されている圧縮性の不活性ガス系消火剤では、液化ガスの消火剤に比べて冷却効果が少ないため、消火剤濃度の維持がさらに重要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塗装ブース等の工場施設では、物品の出入口や換気のための通気窓が常時開口しており、この開口は消火剤放射時も閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい構造となっていることから、ガス系消火設備を適用することが難しいという現状がある。
すなわち、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい開口を有する施設にガス系消火設備を適用する場合は、上記のとおり、消火対象区画に必要な消火剤量に開口の面積に応じた付加的な消火剤量を加えた量の消火剤を一度に放出するようにしていたが、このような従来のガス系消火設備では、初期の消火剤濃度を上げる効果はあるとしても、消火剤の濃度を一定時間維持することができず、このため、火災が完全に消火されていれば何等問題はないが、可燃物の深部にまで燃焼が及び燻焼している場合には、消火対象区画内の消火剤の濃度が、部分的にでも消炎濃度以下に低下すると、その箇所から再発火するおそれがあるという問題があった。
【0011】
また、二酸化炭素を消火剤として使用する消火設備の場合、消火対象区画内に人が存在しないことが前提となっているため、消火対象区画内の消火剤の濃度を自由に設定することが可能である。
これに対して、不活性ガス系消火剤を使用する消火設備では、消火対象区画内に人が存在することを前提とする場合もあるため、消火対象区画内の消火剤の濃度の設定に制約等があった。
【0012】
本発明は、上記従来のガス系消火設備の有する問題点に鑑み、初期放出により消火剤濃度を所定の消炎濃度に立ち上げた後、開口からの流出量に相当する消火剤を追加放出することによって補い、消火剤の濃度を一定時間維持することにより、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい開口を有する施設においても、高い消火効果を持つガス系消火設備を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のガス系消火設備は、消火剤貯蔵容器内に貯蔵されているガス消火剤を消火対象区画内に放出し、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上にすることによって消火するようにしたガス系消火設備において、消火対象区画内の消火剤濃度を消炎濃度以上にする所定量の消火剤が放出された後、消火対象区画の開口からの流出により減少する消火剤を連続的な追加放出により補う消火剤の追加放出手段を設置し、消火対象区画内の消火剤と空気の混合気体と消火対象区画外の空気との密度差により消火剤の流出量を算出し、該算出した流出量に基づいて追加放出する消火剤の量を設定し、該設定した量の消火剤を追加放出することにより、所定時間に亘って消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に維持するようにしたことを特徴とする。
【0014】
この不活性ガス系消火設備では、消炎濃度以上となる所定量の消火剤が消火対象区画内に放出された後に、消火対象区画内の消火剤と空気の混合気体と消火対象区画外の空気との密度差により消火剤の流出量を算出し、該算出した流出量に基づいて追加放出する消火剤の量を設定し、該設定した量の消火剤を、追加放出手段により消火対象区画内に追加放出し、この追加放出した消火剤によって、開口からの流出により減少する消火剤を連続的に補えることから、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい開口を有する施設においても、長時間に亘って消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に確実に維持することができる。
【0015】
また、追加放出用の容器弁として制圧弁を使用し、追加放出の消火剤をほぼ一定の流量とすることができる。
【0016】
消火対象区画の開口からの消火剤の流出量は一定であるため、追加放出の消火剤の流量も一定であることが望ましく、上記のように制圧弁で消火剤をほぼ一定の流量とすることにより、消火対象区画内の消火剤の濃度を効率的かつ安定して維持することができる。
【0017】
一方、追加放出用のノズルを消火対象区画の開口付近に配設し、流入する空気に追加放出した消火剤を混合させることもできる。
【0018】
これにより、ノズル位置に起因する空気と消火剤の部分的な置換を防止し、消火対象区画における消火剤の均一な濃度を維持することができる。
【0019】
また、追加放出用のノズルを消火対象区画の開口付近に配設し、該ノズルにより開口からの空気の流入を防止するエアカーテンを形成することができる。
【0020】
これにより、消火対象区画への空気の流入を防止し、消火対象区画内の消火剤の濃度をさらに長時間に亘って、より正確に維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガス系消火設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に、本発明のガス系消火設備の第1実施例を示す。
このガス系消火設備は、ガス系消火剤として、例えば、窒素ガスを使用し、これを加圧して複数の消火剤貯蔵容器1に充填している。
各消火剤貯蔵容器1には容器弁2を介して連結管3を接続されており、さらにこの連結管3が集合管4に接続されるとともに、この集合管4が消火対象区画6まで延設された主配管5、5’に接続されている。
また、各消火剤貯蔵容器1には圧力計(図示省略)が取り付けられており、これにより、消火剤貯蔵容器1内の消火剤のガス圧を管理することができるようになっている。
主配管5、5’には、選択弁7、7’が配設されており、複数の消火対象区画6に対し選択的に消火剤を送れるようになっている。
消火対象区画6まで延設された主配管5には、消火対象区画6内の適所に複数個配設したノズル9が接続されている。
【0023】
通常、複数の消火対象区画6は、その容積が異なるため、当然、消火するのに必要となる消火剤の量も異なる。
このため、主配管5、5’の口径を各消火対象区画6の容積に応じて異ならせるほか、火災の際、消火対象となる消火対象区画6に対応した本数の消火剤貯蔵容器1が開放されるようにガス系消火設備を構成する。
このガス系消火設備では、これらの消火剤貯蔵容器1内に貯蔵されているガス消火剤を消火対象区画6内に放出し、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上にすることによって消火することができる。
【0024】
ところで、この消火対象区画6には、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい開口8が形成されており、この開口8から流出する消火剤を補充するために、消火剤の追加放出手段10が設置されている。
この追加放出手段10は、上記のように、消火対象区画6内の消火剤濃度を消炎濃度以上にする所定量の消火剤が放出された後に、開口8からの流出により減少する消火対象区画6の消火剤を連続的な追加放出により補うことが可能であり、これにより長時間(通常10〜30分、必要に応じて30分以上)に亘って消火対象区画6内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に維持することができるようにしたものである。
【0025】
この消火剤の追加放出手段10は、消火剤として窒素ガスを使用し、これを加圧して複数の追加消火剤貯蔵容器11に充填している。
各追加消火剤貯蔵容器11には、容器弁12を介して連結管13を接続されており、さらにこの連結管13が集合管14に接続されるとともに、この集合管14が前記消火対象区画6まで延設された主配管5に接続されている。
この場合、追加放出手段10による消火剤の放出はノズル9から行われる。
なお、集合管14には、選択弁16、16’が配設されており、複数の消火対象区画6に対し選択的に消火剤を送れるようになっている。また、前記した集合管4とこの集合管14とには、それぞれ逆止弁15が設けられている。さらに、選択弁16、16’の二次側には、各消火対象区画6に応じて、消火剤の流量を調整するオリフィス19,19’を配設するようにする。
【0026】
そして、消火剤貯蔵容器11の容器弁12としては、図4に示すように、容器弁12の放出側のガス系消火剤のガス圧P2を定圧ガス源のガス圧P1によって規制する制圧弁が用いられることが望ましい。
この制圧弁は、消火剤の流路21に設けた3本のガイド部材22aを有する流路弁22と、消火剤の流路21を閉鎖する方向に流路弁22を付勢するばね23と、定圧ガス源として窒素ガスを充填(例えば、35℃において、1.08×10Pa)した定圧ガス容器(図示省略)からのガス供給口24と、一端をガス供給口24に、他端を消火剤の流路21の放出側に接続したシリンダ25内に配設したピストン26と、消火剤の流路21を開放する方向に流路弁22を操作するピストン26の端部に形成した操作棒27と、流路弁22とは逆方向にピストン26を付勢するばね28とから構成したものである。
【0027】
この制圧弁では、別途配設する定圧ガス源としての定圧ガス容器(図示省略)からガス供給口24にガス圧P1(1.08×10)のガスを供給することにより、ピストン26をばね28の付勢力に抗して移動させ、ピストン26の端部に形成した操作棒27により流路弁22をばね23の付勢力に抗して操作し、消火剤の流路21を開放させる。
消火剤の流路21が開放されると、消火剤貯蔵容器11から流路21内に消火剤が流入し、消火剤貯蔵容器11内の消火剤のガス圧P2がピストン26の他端側に作用し、ピストン26は、操作棒27による流路弁22の操作を解除する方向に移動し、これにより、流路弁22もばね23の付勢力を受けて消火剤の流路21を閉鎖する方向に移動する。
しかしながら、ピストン26の一端側には、定圧ガス容器のガス圧P1が作用しているため、流路弁22は、消火剤の流路21を完全に閉鎖することなく、下記の式(1)、(2)に従って、流路弁22及びピストン26は瞬時に平衡し、出口側ガス圧P0は、例えば、弁座23の直径Aが13.5mm、ピストン26の直径Bが26mmの制圧弁を用いた場合には、流路21の放出側の消火剤のガス圧P0は、定圧ガス容器のガス圧P1よりやや低い値に保持される。
【0028】
・P2+B・P0=A・P0+B・P1 ・・・(1)
P0=(B・P1−A・P2)/(B−A) ・・・(2)
ここで、Aは流路弁22の弁座23の直径、Bはピストン26の直径である。
【0029】
消火対象区画の開口からの消火剤の流出量は一定の割合であるため、追加放出の消火剤の流量も一定の割合であることが望ましく、上記のように制圧弁で消火剤をほぼ一定の流量とすることにより、消火対象区画内の消火剤の濃度を効率的かつ安定して維持することができる。
特に、圧縮性の消火剤の場合、通常の容器弁では放出開始時と放出完了時とでは流量が異なることから、制圧弁の使用は効果的である。
【0030】
図5を用いて、この制圧弁の作用を、具体的に説明する。
容器弁12の放出側のガス系消火剤の圧力P2が、定圧ガス源のガス圧P1以下に低下するまでは、制圧弁の放出側のガス系消火剤のガス圧P0を定圧ガス源のガス圧P1に保持する機能を有しているため、ガス系消火剤の放出により消火剤貯蔵容器11内のガス系消火剤の圧力P2が低下した場合でも、制圧弁の放出側のガス系消火剤のガス圧P0を定圧ガス源のガス圧P1に維持することにより、ガス系消火剤の放出量を一定に保つことができる。
なお、図5に、比較例として、減圧機能を有する容器弁を用いた場合の容器弁の放出側のガス系消火剤のガス圧P0’及び消火剤貯蔵容器内のガス系消火剤の圧力P2’の関係を示したが、減圧機能を有する容器弁の場合、ガス系消火剤の放出により消火剤貯蔵容器内のガス系消火剤の圧力P2’が低下すると、容器弁の放出側のガス系消火剤のガス圧P0’も、それに比例するように低下するため、ガス系消火剤の放出量が低下することとなる(制圧弁の場合との差を斜線部で示す。)。
【0031】
さらに、この消火剤の追加放出手段10では、消火対象区画6内の消火剤と空気の混合気体と、消火対象区画6外部の空気との密度差により消火剤の流出量を算出し、この算出した流出量に基づいて追加放出の消火剤の量を設定するようにしている。
この場合、追加放出する消火剤の量は、理論的に算出するほか、必要に応じて、追加放出手段10に、消火対象区画6内の消火剤の濃度を検知する消火剤濃度検知手段(図示省略)と、この消火剤濃度検知手段の出力信号によって消火剤の流出量を算出する演算手段(図示省略)とを設置しておき、この演算手段に基づいて容器弁12等の開度を調節することにより、消火対象区画6内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に正確に維持することもできる。
【0032】
本実施例のガス系消火設備では、消炎濃度以上となる初期放出の消火剤が消火対象区画6内に放出された後に、追加放出手段10により消火剤を消火対象区画6内に追加放出し、この追加放出した消火剤によって、開口8からの流出により減少する消火剤を連続的に補えることから、所定時間に亘って消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に維持することができる。
これにより、消火剤ガスの種類にかかわらず、また圧縮ガスにおいても同様に、消火剤の濃度を長時間に亘り消炎濃度以上に維持し、これにより開口8を有する消火対象区画6においてもその消火を確実に行うことが可能である。
【0033】
図6は、本実施例における消火対象区画6の酸素濃度と時間との関係を示すグラフであるが、本実施例のガス系消火設備では、図7に示す追加放出のない場合に比較し、長時間消に亘って消炎濃度を保つことができることが確認できた。
【0034】
次に、図2に、本発明のガス系消火設備の第2実施例を示す。
なお、第1実施例と同一部材は同一符号を記すことによりその説明を省略する。
本実施例のガス系消火設備では、追加放出用のノズル17を消火対象区画6の開口8付近に配設し、流入する空気に追加放出した消火剤を混合させるようにしている。
【0035】
このように、流入する空気に追加放出した消火剤を混合させることにより、ノズル位置に起因する空気と消火剤の部分的な置換を防止し、消火対象区画における消火剤の均一な濃度を維持することができる。
【0036】
次に、図3に、本発明のガス系消火設備の第3実施例を示す。
なお、第1実施例と同一部材は同一符号を記すことによりその説明を省略する。
本実施例のガス系消火設備では、追加放出用のノズル18を消火対象区画6の開口8付近に、その全長に亘って配設し、このノズル18から放出する消火剤によって、開口8からの空気の流入を防止するエアカーテンを形成している。
【0037】
このように、追加放出ノズル18によりエアカーテンを形成することにより、消火対象区画への空気の流入を防止し、消火対象区画内の消火剤の濃度をさらに長時間に亘って、より正確に維持することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明のガス系消火設備によれば、消炎濃度以上となる初期放出の消火剤が消火対象区画内に放出された後に、消火対象区画内の消火剤と空気の混合気体と消火対象区画外の空気との密度差により消火剤の流出量を算出し、該算出した流出量に基づいて追加放出する消火剤の量を設定し、該設定した量の消火剤を、追加放出手段により消火対象区画内に追加放出し、この追加放出した消火剤によって、開口からの流出により減少する消火剤を連続的に補えることから、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい開口を有する施設においても、長時間に亘って消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に維持することができ、これにより、消火剤ガスの種類にかかわらず、閉鎖できなかったり、閉鎖しにくい開口を有する消火対象区画においても、消火を確実に行うことが可能となる。
【0039】
そして、追加放出用の容器弁として制圧弁を使用し、追加放出の消火剤をほぼ一定の流量とすることにより、一定の割合で流出する開口からの消火剤に合わせて追加放出の消火剤を供給し、これにより消火対象区画内の消火剤の濃度を効率的かつ安定して維持することができる。
【0040】
さらに、追加放出用のノズルを消火対象区画の開口付近に配設し、流入する空気に追加放出した消火剤を混合させることにより、ノズル位置に起因する空気と消火剤の部分的な置換を防止し、消火対象区画における消火剤の均一な濃度を維持することができる。
【0041】
また、追加放出用のノズルを消火対象区画の開口付近に配設し、開口からの空気の流入を防止するエアカーテンを形成することにより、消火対象区画への空気の流入を防止し、消火対象区画内の消火剤の濃度をさらに長時間に亘って、より正確に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス系消火設備の第1実施例を示す概念図である。
【図2】 本発明のガス系消火設備の第2実施例を示す概念図である。
【図3】 本発明のガス系消火設備の第3実施例を示す概念図である。
【図4】 制圧弁の一例を示し、(a)はその全体図、(b)は流路弁の平面図、(c)は同縦断面図である。
【図5】 制圧弁の作用の説明図である。
【図6】 消火剤の追加放出をした場合の消火対象区画の酸素濃度と時間との関係を示すグラフである。
【図7】 消火剤の追加放出をしない場合の消火対象区画の酸素濃度と時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 消火剤貯蔵容器
2 容器弁
5、5’ 主配管
6 消火対象区画
7、7’ 選択弁
8 開口
9 ノズル
10 追加放出手段
11 追加消火剤貯蔵容器
12 容器弁(制圧弁)
15 逆止弁
16、16’ 選択弁
17 追加放出ノズル
18 追加放出ノズル

Claims (4)

  1. 消火剤貯蔵容器内に貯蔵されているガス消火剤を消火対象区画内に放出し、消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上にすることによって消火するようにしたガス系消火設備において、消火対象区画内の消火剤濃度を消炎濃度以上にする所定量の消火剤が放出された後、消火対象区画の開口からの流出により減少する消火剤を連続的な追加放出により補う消火剤の追加放出手段を設置し、消火対象区画内の消火剤と空気の混合気体と消火対象区画外の空気との密度差により消火剤の流出量を算出し、該算出した流出量に基づいて追加放出する消火剤の量を設定し、該設定した量の消火剤を追加放出することにより、所定時間に亘って消火対象区画内の消火剤の濃度を消炎濃度以上に維持するようにしたことを特徴とするガス系消火設備。
  2. 追加放出用の容器弁として制圧弁を使用し、追加放出の消火剤をほぼ一定の流量としたことを特徴とする請求項1記載のガス系消火設備。
  3. 追加放出用のノズルを消火対象区画の開口付近に配設し、流入する空気に追加放出した消火剤を混合させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のガス系消火設備。
  4. 追加放出用のノズルを消火対象区画の開口付近に配設し、該ノズルにより開口からの空気の流入を防止するエアカーテンを形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のガス系消火設備。
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