JP3928919B2 - キーシリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用ドアパネルをロック又はアンロック状態にするキーシリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、キーシリンダの組立作業は次のように行われていた。即ち、ロータに複数のロックプレートを取り付けた後、同ロータには各ロックプレートの脱落防止のためダミーキーを挿通する。ダミーキーとは正規のキーのようにロックプレートを押し下げてロータを回動可能とするものでなく、ロータの回動操作が不能とされた溝なしキー及び正規のキーでない溝付キーのことをいう。一方、ロータケースにはバックスプリングを予め組付けておき、前記ダミーキーを正規のキーへ差し替えてからロータをロータケースに組付ける。即ち、正規のキーにてロータを回動操作しながら同ロータをロータケースに押し込む。そして、バックスプリングの両端がロータの係合部に係合すると、ロータのロータケースへの組付けが完了となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のキーシリンダにおいては、正規のキーはキーシリンダと1対1で対応しているため、キーシリンダ毎に正規のキーを交換しなければならなかった。このため、組み立てライン上において、正規のキーとキーシリンダとをセットで取り扱う必要があり不便であった。そして、ダミーキーから正規キーへの差替工程が必要であることから、組付けの作業工数が増大するという問題があった。
【0004】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、組付の作業工数を低減させることができるキーシリンダを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、キーの差込操作に連動してロータケースに対して中心軸周方向に回動する円柱状のロータを備え、前記ロータケースの外周に巻装されるとともにロータの回動に伴い操作方向へ巻き込まれて同ロータを反操作方向へ付勢するバックスプリングの少なくとも一端部をロータの外周面に形成した第1凹部に係合させるようにしたキーシリンダにおいて、前記バックスプリングの少なくとも一端部は同バックスプリングの中心方向へ屈曲させるとともに、前記ロータの外周面において前記第1凹部のキー差込側と反対側の端部である内端部側には同第1凹部に連続する第2凹部をロータの内端部から外方へ開放して形成し、前記ロータの内端部側には、バックスプリングの少なくとも一端部をロータの内端部側から前記第1凹部へ案内するロータ案内手段を設け、前記ロータ案内手段は、前記第2凹部内の互いに対向する2つの側壁の内端部側に形成した第1案内面と、前記2つの側壁の第1凹部側における内面と前記第2凹部の内底面との間に形成した第2案内面とを備え、前記第1及び第2案内面は、それぞれ前記ロータの内端部へ向かうにつれて拡開するように、且つ前記ロータの中心軸放射方向へ向かうにつれて拡開するように傾斜するとともに、前記第1案内面と前記第2案内面とは前記側壁の内面を介して滑らかに連続してなることをその要旨とする。
【0007】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ロータケースの内端部側には、バックスプリングをロータケースの外周に巻装する際、同バックスプリングをロータケースにおける所定の取付位置へ案内するケース案内手段を設け、同ケース案内手段は前記取付位置に巻装されたバックスプリングのロータケース内端側への移動を規制する規制手段を兼ねることをその要旨とする。
【0008】
作用)
請求項1に記載の発明では、ロータケースの外周に巻装されるバックスプリングの少なくとも一端部はロータ案内手段によりロータの第1凹部へ案内される。
【0010】
請求項に記載の発明では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、バックスプリングをロータケースの外周に巻装する際、バックスプリングはケース案内手段によりロータケースにおける所定の取付位置へ案内される。また、取付位置に巻装されたバックスプリングのロータケース内端側への移動が規制される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、例えば車両用ドアパネルに組込まれるキーシリンダに具体化した一実施形態を図1〜図9(a)〜(d)に従って説明する。
【0013】
(全体概要)
図1に示すように、キーシリンダ10は車両用ドアパネル(図示略)に固定されたロータケース11を備えており、同ロータケース11内には円柱状のロータ12がその中心軸周方向に回動可能に配設されている。ロータ12の内端部にはレバー13の基端部が一体回動可能に連結されており、同レバー13の先端部はドアパネル内に配置されたロック機構(図示略)に連結されている。
【0014】
(ロータケース)
図3に示すように、ロータケース11の内端部には円筒状の保護部材としてのプロテクタ21が形成されている。プロテクタ21を構成するロータケース11の外周壁下面の一部分は切り欠かれており、その両切り欠き端縁はそれぞれ掛止部22a, 22bとなっている。プロテクタ21の外周にはバックスプリング23が巻装されており、その両端部はそれぞれ中心方向へ屈曲され両掛止部22a,22bに係止されている。尚、図1及び図3ではバックスプリング23の一方の端部のみ図示する。
【0015】
(ケース案内手段)
図4に示すように、プロテクタ21の外周面には突条24が一方の掛止部22aに沿うように形成されている。突条24の中程には凹部25が形成されている。凹部25の幅(ロータケース11の中心軸方向の長さ)はバックスプリング23のが配置可能な程度の長さに設定されており、同凹部25はバックスプリング23のロータケース11に対する所定の取付位置となっている。
【0016】
突条24のロータケース11内端側には案内面26が形成されている。案内面26はロータケース11の内端に向かうにつれて同ロータケース11の外周面に収束するように傾斜している。案内面26の内端側はロータケース11の内端開口端縁に滑らかに連続している。突条24において、案内面26を含む凹部25よりも内端側の部分はバックスプリング23を凹部25内に案内するケース案内手段を構成する。また、ケース案内手段は、所定の取付位置(凹部25)に巻装されたバックスプリング23のロータケース11内端側への移動を規制する規制手段を兼ねる。
【0017】
(ロータ)
図1に示すように、ロータ12の内端部はロータケース11の内端面から若干突出している。ロータケース11の突出部分において、プロテクタ21の内端面近傍には円環状の溝31が形成されており、同溝31にはEリング等の止め輪32が装着されている。ロータ12のロータケース11に対する外端方向への移動は止め輪32がプロテクタ21の内端面に係止されることによって規制される。
【0018】
ロータ12にはキー33が挿通される鍵穴34が形成されており、同鍵穴34内部の上下面にはそれぞれ複数のロックプレート35が互いに対向するように且つ等間隔となるように配設されている。各ロックプレート35はそれぞれスプリング(図示略)の弾性力により常に鍵穴34の中心軸方向に付勢されている。また、各ロックプレート35はそれぞれスプリングの弾性力に抗してロータ12の中心軸に対する放射方向(図1における上下方向)に進退可能となっている。そして、キー33が鍵穴34に挿入されると各ロックプレート35はそれぞれキー33の凹凸に対応してロータ12は回動可能となる。キー33が鍵穴34から引き抜かれるとロータ12は回動不能となる。
【0019】
図4及び図6に示すように、ロータ12の内端部外周において、前記嵌合凹部37の反対側には係合凹部36が形成されている。係合凹部36の互いに対向する両側壁はそれぞれバックスプリング23の両端部を前記両掛止部22a, 22bと共に係止する係合部となっている(図8(b)参照)。そして、キー33の差込操作によるロータ12の回動に伴ってバックスプリング23は操作方向に巻き込まれ、ロータ12はバックスプリング23の弾性力により反操作方向に付勢される。
【0020】
図1及び図2に示すように、ロータ12の内端部における外周上面には被嵌合部としての嵌合凹部37が形成されている。嵌合凹部37の内端側には一対の係合段部38a,38bが形成されており、両係合段部38a,38bはそれぞれロータ12の中心軸に対して垂直をなしている。両係合段部38a, 38bは所定距離だけ離間しており、両係合段部38a, 38b間には後述のレバー13が配置可能となっている。
【0021】
(ロータ案内手段)
図4及び図8(a)に示すように、ロータ12の係合凹部36よりも内端側には、同係合凹部36に連続するように凹部41が形成されている。凹部41は係合凹部36よりも浅くなっている。凹部41内の互いに対向する両側壁42a,42bにおいて、それぞれの内端部側には第1案内面43a,43bが形成されている。両第1案内面43a,43bはそれぞれロータ12の内端に向かうにつれて拡開するように、且つロータ12の中心軸放射方向(図4における上方)に向かうにつれて拡開するように傾斜したテーパ面となっている。
【0022】
また、両側壁42a,42bの係合凹部36側において、両側壁42a,42b内面と凹部41の内底面との間にはそれぞれ第2案内面44a,44bが形成されている。両第2案内面44a,44bはそれぞれロータ12の内端に向かうにつれて拡開するように、且つロータ12の中心軸放射方向(図4における上方)に向かうにつれて拡開するように傾斜している。両第1案内面43a,43bと両第2案内面44a,44bとはそれぞれ両側壁42a,42bの内面を介して滑らかに連続している。両第1案内面43a,43b、両側壁42a,42b及び両第2案内面44a,44bはバックスプリング23の両端部をそれぞれ係合凹部36内へ案内するロータ案内手段を構成する。
【0023】
(レバー)
図3に示すように、前記レバー13は軸状に形成されている。レバー13の先端部には扁平部51が形成されており、同じく基端部には嵌合部としてのフランジ部52が形成されている。図2に示すように、フランジ部52のレバー先端側側面において、レバー13の軸部を間に挟む左右両側面はそれぞれ係合面52a, 52bとなっている。両係合面52a,52bはそれぞれロータ12の係合段部38a,38bに係合可能となっていると共に、レバー13の中心軸に対して垂直をなしている。図1に示すように、フランジ部52の基端面中央にはピン53が突設されており、同ピン53には弾性部材としてのクッション54が挿通されている。
【0024】
図3に示すように、クッション54はゴム材にて円柱状に形成されており、その中央には挿通孔54aが形成されている。図1に示すように、挿通孔54aの内径はピン53の外径よりも若干小さくなっている。ピン53の外周面にはクッション54の内方への弾性力が作用しており、これによりクッション54のピン53からの抜け止めがなされている。クッション54の中心軸方向(図1における左右方向)の長さはピン53のフランジ部52基端面からの突出長さよりも若干長くなっている。
【0025】
図1及び図2に示すように、レバー13のフランジ部52はピン53にクッション54を挿通した状態で嵌合凹部37内に配置されている。即ち、フランジ部52と嵌合凹部37との間にはクッション54が介在されている。係合面52a, 52bとクッション54の先端面(図2における左側側面)との間の距離は、両係合段部38a,38bとこれらに対向する嵌合凹部37の内面との間の距離よりも若干大きくなっている。
【0026】
このため、嵌合凹部37内において、クッション54はその中心軸方向に圧縮されており、レバー13はクッション54の弾性力により内端方向(図2における右方向)に付勢されている。そして、フランジ部52の両係合面52a, 52bがそれぞれ係合段部38a,38bに密着することにより、レバー13の中心軸とロータ12の中心軸とが一致する中立位置にレバー13の姿勢が保持されている。
【0027】
図1に示すように、フランジ部52の基端面上部には規制突起55が設けられている。規制突起55の内側面(レバー13の中心軸側側面)はクッション54の外周面に接触している。規制突起55は、クッション54を取り付けた状態のフランジ部52を嵌合凹部37に嵌合させる際、クッション54の上方への変形を規制する。これにより、フランジ部52及びクッション54は円滑に嵌合凹部37内に収容される。
【0028】
前記両係合段部38a,38b間の距離はレバー13の軸部外径よりも若干大きくなっている。また、嵌合凹部37の内底面とレバー13の外周面との間には若干の隙間が形成されている。このため、レバー13はその基端部を支点に上下左右(図1及び図2における矢印方向)に揺動可能となっている。レバー13の揺動に伴ってクッション54は弾性変形する。レバー13の中心軸周方向への回動は、フランジ部52の両側縁部が嵌合凹部37の内面に係合することにより規制される。従って、ロータ12の回転力はレバー13に伝達され、同レバー13はロータ12と一体的に回動する。
【0029】
(組立て時)
次に、前述のように構成したキーシリンダの組立て時の作用を説明する。
図3に示すように、キーシリンダ10を組立てるときには、まず各ロックプレート35(図1参照)が脱落しないようにロータ12にダミーキー(図示略)を差し込むと共に、ロータ12の嵌合凹部37にクッション54を取り付けた状態のフランジ部52を上方から嵌合させる。この状態のロータ12(図4参照)を予めバックスプリング23を巻装したロータケース11(図5参照)の外端側から挿入する。
【0030】
図9(a)に示すように、ロータ12の組付け前、バックスプリング23の両端部はそれぞれロータケース11の両掛止部22a, 22bに係止されていると共に同ロータケース11の内部に突出している。ロータ12はバックスプリング23の両端部がそれぞれ両第1案内面43a,43bに係合可能に対応するようにロータケース11内に挿入される。バックスプリング23のロータケース11内端側への移動は、同バックスプリング23が凹部25の内端側に係合することにより規制される。
【0031】
図9(b)に示すように、ロータ12をロータケース11内に挿通すると、ロータ12の両第1案内面43a,43bにはバックスプリング23の両端部がそれぞれ当接する。この状態でロータ12をロータケース11内に押し込むと、バックスプリング23の両端部はそれぞれ両第1案内面43a,43bにより案内されながらそれぞれの反折曲方向(図9(b)における上方)に撓む。図9(c)に示すように、ロータ12をロータケース11内にさらに押し込むと、バックスプリング23の両端部はそれぞれ両第1案内面43a,43bを乗り越えて凹部41における両側壁42a,42bの上縁部を摺動しながら係合凹部36側へ案内される。
【0032】
図9(d)に示すように、ロータ12をロータケース11内にさらに押し込むと、バックスプリング23の両端部はそれぞれ両第2案内面44a,44bに円滑に乗り移り、両第2案内面44a,44bにより係合凹部36側へ案内される。そして、バックスプリング23の両端部がそれぞれ第2案内面44a,44bを乗り越えると、同バックスプリング23の両端部は係合凹部36内に滑り込む。図8(b)に示すように、バックスプリング23の両端部は係合凹部36内に滑り込むと同時にそれぞれ折曲方向に弾性復帰し、係合凹部36の両掛止部22a,22bに係止される。
【0033】
このとき、ロータ12は図7に示すロータケース11に対する所定の挿入位置まで挿入されており、この状態でロータ12先端部の溝31に止め輪32を装着する。また、このとき、ロータ12とレバー13との嵌合部分(以下、「レバー嵌合部」という。)はロータケース11のプロテクタ21にて覆われている。以上で、キーシリンダ10の組立て作業が完了となる。
【0034】
キーシリンダ10をドアパネルに組付けるときには、レバー13をロータ12に対する中立位置に保持した状態でキーシリンダ10をドアパネル側の取付部に取り付ける。この後、レバー13の扁平部51をロック機構の連結部に連結する。このとき、ロック機構の連結部がレバー13の中心軸延長線上になく左右上下方向に若干ずれていても、レバー13をロック機構の連結部のずれ方向に揺動させることにより連結可能となる。
【0035】
以上で、キーシリンダ10のドアパネルへの取り付け作業が完了となる。この状態で、ロータ12がキー33によって差込操作されると、ロータ12の回転力はレバー13を介してロック機構(図示略)に伝達され、同ロック機構はロック又はアンロック状態に切り替えられる。尚、本実施形態において、キーシリンダ10はプロテクタ21側が上方、即ち窓側を向くようにドアパネルに取り付けられる。
【0036】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ロータ12の内端部側には、バックスプリング23を巻装する際、同バックスプリング23の両端部をそれぞれ係合凹部36の係合部へ案内する第1案内面43a,43b、両側壁42a,42b及び第2案内面44a,44bを設けた。ロータ12をバックスプリング23装着状態のロータケース11内に押し込むだけでバックスプリング23の両端部がそれぞれ第1案内面43a,43b、両側壁42a,42b及び第2案内面44a,44bにて順次案内され、同バックスプリング23の両端部が係合凹部36の係合部に係合する。即ち、正規キーにてロータ12を回動させることなく同ロータ12をロータケース11に対して組付けることができる。このため、従来のキーシリンダと異なり、その組付け途中においてダミーキーを正規キーに差し替える工程が不要となり、ダミーキーを挿通した状態のままロータ12をロータケース11へ組付けることができる。従って、キーシリンダ10の組付けの作業工数を低減させることができる。また、ロータ12をロータケース11内に押し込むのみで組付け可能となることから、ロータ12のロータケース11への組付けを自動化することができる。さらに、組立作業時、正規キーが不要となることから、組み立てライン上において同じダミーキーを使うことができ、正規のキーとキーシリンダとをセットで取り扱う必要がない。
【0037】
(2)ロータ12の内端部には軸状のレバー13の基端部を連結した。このため、ロータケース11にロータ12を組付ける前に同ロータ12に対してレバー13を組付けることができる。ちなみに、例えば板状のレバーを使用したキーシリンダにおいては、レバーがロータの外周から突出することによりロータ12をロータケース11に挿入してからでないとレバーをロータ12に組付けることができない。
【0038】
(3)ロータケース11の内端部側には、バックスプリング23を巻装する際、同バックスプリング23をロータケース11における所定の取付位置、即ち凹部25へ案内する案内面26を設けた。このため、バックスプリング23のロータケース11への取り付けを円滑に行うことができる。また、バックスプリング23をロータケース11に押し込むのみで組付け可能になることから、バックスプリング23のロータケース11への組付けを自動化することができる。
【0039】
(4)ロータ12の内端部に嵌合凹部37を設け、同嵌合凹部37に対してレバー13のフランジ部52を嵌合させるようにした。このため、レバー13を例えばセットスクリュー及びピン等の固定部材によりロータ12に固定する場合と異なり、レバー13のロータ12に対する組付け作業工数を低減させることができる。
【0040】
(5)ロータケース11の外周にはバックスプリング23を予め巻装し、このロータケース11内には前記バックスプリング23の少なくとも一端部が前記係合凹部36へ案内されるようにロータ12を挿入するようにした。ロータケース11に予めバックスプリング23を巻装しておくことで組み立てスペース及び作業動作が小さくてすむ。ちなみに、レバー13をロータ12に組み付けた後にバックスプリング23の取付作業を行う場合には、レバー13の長さ分だけ組立スペースを取る。また、レバー13の先端からバックスプリング23を挿通することになるため、大きな作業動作が必要となる。
【0041】
尚、前記実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・本実施形態における軸状のレバー13を例えば板状のレバー(プレスレバー)としてもよい。この場合、ロータ12をロータケース11に組付けた後、レバーをロータ12の内端部に組付ける。このようにしても、キーシリンダの組付け作業時、ダミーキーを正規キーに差し替えてロータ12を回動させることなく、ロータ12をロータケース11に押し込むだけで組付けることができる。
【0042】
・本実施形態においては、キーシリンダ10を車両用ドアパネルに使用したが、バックドア及びトランク等に使用してもよい。
・本実施形態におけるキーシリンダ10の設置方向は任意に変更してもよい。例えば図1において天地を逆にしたり、上下方向の向きを外内方向にしたりしてもよい。
【0043】
・本実施形態においては、バックスプリング23の両端部をそれぞれ側壁42a,42b、第1案内面43a,43b及び第2案内面44a,44bにて案内するようにしたが、バックスプリング23の一端部のみを案内するようにしてもよい。
【0044】
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・前記ロータの内端部には被嵌合部を設け、この被嵌合部に対して前記レバーの基端部を嵌合させるようにした請求項2に記載のキーシリンダ。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、ダミーキーを正規キーに差し替える必要がないことから、キーシリンダの組付けの作業工数を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キーシリンダの正断面図。
【図2】 ロータと軸状レバーとの連結部の要部平面図。
【図3】 ロータ、軸状レバー及びロータケースの分解斜視図。
【図4】 ロータ、ロータケース及びバックスプリングの分解斜視図。
【図5】 ロータケースの斜視図。
【図6】 ロータの下面図。
【図7】 キーシリンダの要部平面図。
【図8】 (a)は、キーシリンダの側面図。
(b)は、図7の1−1線断面図。
【図9】 (a)は、ロータ組付前のロータケースの側面図。
(b)は、ロータ組付開始時のロータケースの側面図。
(c)は、ロータ組付途中のロータケースの側面図。
(d)は、ロータ組付途中のロータケースの側面図。
【符号の説明】
10…キーシリンダ、11…ロータケース、12…ロータ、13…レバー、23…バックスプリング、25…凹部(ロータケースにおける所定の取付位置)、26…ケース案内手段を構成する案内面、33…キー、36…係合部を構成する係合凹部(第1凹部)41…凹部(第2凹部)、42a,42b…ロータ案内手段を構成する側壁、43a,43b…ロータ案内手段を構成する第1案内面、44a,44b…ロータ案内手段を構成する第2案内面。

Claims (2)

  1. キーの差込操作に連動してロータケースに対して中心軸周方向に回動する円柱状のロータを備え、前記ロータケースの外周に巻装されるとともにロータの回動に伴い操作方向へ巻き込まれて同ロータを反操作方向へ付勢するバックスプリングの少なくとも一端部をロータの外周面に形成した第1凹部に係合させるようにしたキーシリンダにおいて、
    前記バックスプリングの少なくとも一端部は同バックスプリングの中心方向へ屈曲させるとともに、前記ロータの外周面において前記第1凹部のキー差込側と反対側の端部である内端部側には同第1凹部に連続する第2凹部をロータの内端部から外方へ開放して形成し、
    前記ロータの内端部側には、バックスプリングの少なくとも一端部をロータの内端部側から前記第1凹部へ案内するロータ案内手段を設け
    前記ロータ案内手段は、前記第2凹部内の互いに対向する2つの側壁の内端部側に形成した第1案内面と、前記2つの側壁の第1凹部側における内面と前記第2凹部の内底面との間に形成した第2案内面とを備え、
    前記第1及び第2案内面は、それぞれ前記ロータの内端部へ向かうにつれて拡開するように、且つ前記ロータの中心軸放射方向へ向かうにつれて拡開するように傾斜するとともに、前記第1案内面と前記第2案内面とは前記側壁の内面を介して滑らかに連続してなるキーシリンダ。
  2. 前記ロータケースの内端部側には、バックスプリングをロータケースの外周に巻装する際、同バックスプリングをロータケースにおける所定の取付位置へ案内するケース案内手段を設け、同ケース案内手段は前記取付位置に巻装されたバックスプリングのロータケース内端側への移動を規制する規制手段を兼ねる請求項1に記載のキーシリンダ。
JP2000387442A 2000-12-20 2000-12-20 キーシリンダ Expired - Fee Related JP3928919B2 (ja)

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