JP3928362B2 - 流体移送装置のシール面圧向上構造 - Google Patents

流体移送装置のシール面圧向上構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1管状部品と筒状部品との密着面同士または第2管状部品と筒状部品との密着面同士のシール面積の低減による少ない締結軸力での流体通路周りのシール面圧の向上が可能な流体移送装置のシール面圧向上構造に関するもので、特に内燃機関に取り付けられる内燃機関用燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の各気筒毎に取り付けられる内燃機関用燃料噴射ノズル100がある。これは、図3および図4に示したように、ノズルボデー101の密着面とノズルホルダー102の密着面とをチップパッキン103を介して所定の締結軸力で密着させるリテーニングナット104を備えた内燃機関用燃料噴射ノズル100においては、密着面には加工を施さず、リテーニングナット104により所定の締結軸力を加えることでシール性を確保していた。
【0003】
なお、チップパッキン103には、ノズルボデー101およびノズルホルダー102との位置決めを行う位置決め用ピンが嵌まり込むピン孔111、112、およびノズルボデー101の油溜り105および燃料送出路106とノズルホルダー102の燃料供給路107とを連絡するための燃料中継路108が形成されている。
【0004】
また、ノズルホルダー102の内部には、ノズルホルダー102の密着面とチップパッキン103の密着面よりリークした燃料を低圧配管系内に回収するためのリーク回収用通路109が形成されている。そして、リーク回収用通路109の密着面側には、チップパッキン103およびノズルホルダー102の軸方向孔115、116とリーク回収用通路109とを連絡するリーク回収用通路110が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、近年、燃料噴射圧力の高圧化が進むディーゼルエンジン用の燃料噴射ノズルにおいては、より高い高圧シール性の確保のため、リテーニングナットの締結軸力を高めての各部品同士の密着面のシール面圧の向上が要求されている。ところが、チップパッキンを介してノズルボデーの密着面とノズルホルダーの密着面とを締結するリテーニングナットの締結時には、締結軸力によってノズルボデーの肩部とリテーニングナットの奥座面との間に生ずる摩擦力によりノズルボデーがひねられ、ノズルニードルの摺動部の円筒度の悪化を生じ、終にはノズルニードルの摺動不良を起こす懸念がある。
【0006】
したがって、ノズルボデー等の各部品の変形や強度面から制約が多く、リテーニングナットの締結軸力を高めての各部品同士の密着面のシール面圧を向上する構造を採用することはコストの面においても非常に困難である。そこで、シール面積の低減による少ない締結軸力での燃料通路周りのシール面圧の向上が望まれるが、各部品の小型化が進むなかシール面積を低減させる目的ためだけに各部品同士の密着面に凹部を設けることは不利益であるという問題があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、第1管状部品と筒状部品との密着面同士または第2管状部品と筒状部品との密着面同士のシール面積の低減による少ない締結軸力での流体通路周りのシール面圧の向上を図ることができ、且つ第1管状部品と筒状部品との密着面、または第2管状部品と筒状部品との密着面に設けた凹状の肉盗み部をリーク回収用通路として兼用することのできる流体移送装置のシール面圧向上構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、第1管状部品と筒状部品との密着面、あるいは第2管状部品と筒状部品との密着面に凹状の肉盗み部を設けることにより、第1管状部品と筒状部品との密着面同士、あるいは第2管状部品と筒状部品との密着面同士のシール面積の低減による少ない締結軸力での流体通路周りのシール面圧の向上を図ることができる。また、第1管状部品と筒状部品との密着面、あるいは第2管状部品と筒状部品との密着面に設けた凹状の肉盗み部をリーク回収用通路として兼用できるので、第1管状部品または第2管状部品の筒状部品側の密着面の形状が簡素な形状となり、コストダウンを図れる。
また、請求項3に記載の発明によれば、ノズルボデーとチップパッキンとの密着面、あるいはノズルホルダーとチップパッキンとの密着面に凹状の肉盗み部を設けることにより、ノズルボデーとチップパッキンとの密着面同士、あるいはノズルホルダーとチップパッキンとの密着面同士のシール面積の低減による少ない締結軸力での流体通路周りのシール面圧の向上を図ることができる。また、ノズルボデーとチップパッキンとの密着面、あるいはノズルホルダーとチップパッキンとの密着面に設けた凹状の肉盗み部をリーク回収用通路として兼用できるので、ノズルボデーまたはノズルホルダーのチップパッキン側の密着面の形状が簡素な形状となり、コストダウンを図れる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、筒状部品には、径小孔およびこの径小孔よりも大径の径大孔が形成されており、凹状の肉盗み部は、径大孔と連通している。また、請求項4に記載の発明によれば、チップパッキンには、径小孔およびこの径小孔よりも大径の径大孔が形成されており、凹状の肉盗み部は、径大孔と連通している。また、請求項5に記載の発明によれば、チップパッキンを介してノズルボデーの密着面とノズルホルダーの密着面を所定の締結軸力で密着させる筒状の締結部材を設けている。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成]
図1および図2は本発明の実施形態を示したもので、図1は内燃機関用燃料噴射ノズルの主要構造を示した図で、図2は内燃機関用燃料噴射ノズルのチップパッキンを示した図である。
【0011】
本実施形態の内燃機関用燃料噴射ノズル1は、流体移送装置としての蓄圧式燃料噴射装置(コモンレールシステム)に使用されるインジェクタの燃料噴射ノズルで、図示しないディーゼルエンジンの各気筒毎に取り付けられ、図示しない高圧供給ポンプ(サプライポンプ)から圧送された高圧燃料をコモンレールの蓄圧室内に蓄圧し、この蓄圧室内に蓄圧した高圧燃料を直接燃焼室内に霧状に噴射する直接噴射タイプの内燃機関用燃料噴射弁である。
【0012】
この内燃機関用燃料噴射ノズル1は、図示しないノズルニードルを収容するノズルボデー2、ノズルニードルを閉弁側に付勢するスプリング等の付勢手段を収容するノズルホルダー3、ノズルボデー2とノズルホルダー3との間に配置されたチップパッキン4、およびこのチップパッキン4を介してノズルボデー2とノズルホルダー3とを所定の締結軸力により固定するリテーニングナット5等から構成されている。
【0013】
ノズルボデー2は、本発明の第1管状部品に相当するもので、先端側(図示下側)に、高圧燃料を噴射するための燃料噴射孔(図示せず)を1個または複数個備えた第1筒状体である。このノズルボデー2の内部には、棒状のノズルニードルを摺動自在に保持するための摺動孔11が形成されている。この摺動孔11の中間部位には、孔径が拡げられた油溜り16が設けられている。また、ノズルボデー2の図示上端面(チップパッキン4との密着面)には、チップパッキン4の第1ピン孔12(後述する)と連通し、ノズルボデー2とチップパッキン4の組み付けの際の位置決めおよび回転を防止する第1ノックピン(図示せず)が嵌まり込む第1ピン孔(図示せず)が形成されている。
【0014】
さらに、ノズルボデー2には、このノズルボデー2の図示上端側の密着面から油溜り16へ延びる燃料送出路(本発明の第1流体通路に相当する)15が設けられている。なお、この燃料送出路15は、ノズルホルダー3の燃料供給路13(後述する)と連通し、且つチップパッキン4の燃料中継路14(後述する)と連通することで、コモンレールの蓄圧室から油溜り16へ高圧燃料を送り込むための燃料通路を構成する。
【0015】
ノズルホルダー3は、本発明の第2管状部品に相当するもので、内部にスプリング等の付勢手段(図示せず)およびノズルニードルに連結するプレッシャピンまたは油圧ピストン(図示せず)を収容するスプリング室21が設けられた第2筒状体である。このスプリング室21は、中間の段差23より図示下側の内径寸法が、図示上側の内径寸法よりも大きく設けられている。
【0016】
なお、油圧ピストンの他端には、図示しない電磁弁等の電磁式アクチュエータにより油圧が給排される油圧制御室(図示せず)が設けられている。この油圧制御室から油圧が抜かれると、ノズルニードルおよび油圧ピストンがスプリング等の付勢手段の付勢力に抗して軸方向に移動(リフト)する。つまりノズルニードルが開弁する。また、油圧制御室内に油圧が導入されると、ノズルニードルおよび油圧ピストンがスプリング等の付勢手段の付勢力によって軸方向に移動して、ノズルニードルが閉弁する。
【0017】
また、ノズルホルダー3の図示下端面(チップパッキン4との密着面)には、チップパッキン4の第2ピン孔22(後述する)と連通し、ノズルホルダー3とチップパッキン4の組み付けの際の位置決めおよび回転を防止する第2ノックピン(図示せず)が嵌まり込む第2ピン孔(図示せず)が形成されている。そして、ノズルホルダー3には、コモンレールの分岐管に接続される高圧配管との継手部(図示せず)が設けられており、ここでコモンレールから供給された高圧燃料を受ける。
【0018】
ノズルホルダー3の継手部の内部、およびスプリング室21の周囲には、供給された高圧燃料を、チップパッキン4の燃料中継路14、ノズルボデー2の燃料送出路15を介してノズルボデー2の油溜り16へ送るための燃料供給路(本発明の第2流体通路に相当する)13が設けられている。さらに、ノズルホルダー3には、スプリング室21に導かれた燃料を、燃料タンク等の低圧配管系内へ戻すための燃料逃がし通路(リーク回収用通路)24が設けられている。そして、ノズルホルダー3の図示下端側の外周には、リテーニングナット5の雌ねじ部25(後述する)と締結される雄ねじ部26が設けられている。
【0019】
チップパッキン4は、本発明の筒状部品に相当するもので、ノズルボデー2の図示上端側の密着面とノズルホルダー3の図示下端側の密着面との間に配置された環状体であるために、ノズルボデー2の燃料送出路15とノズルホルダー3の燃料供給路13とを連通するための燃料中継路(本発明の連通路に相当する)14が設けられている。このチップパッキン4の内部には、径大孔31が形成されており、この径大孔31の内径寸法は、その図示下方の径小孔32の内径寸法よりも大径に設けられている。
【0020】
なお、チップパッキン4の中央部の図示下端面は、ノズルニードルの開弁時にノズルニードルの移動量(リフト量)が最大リフト量に達した際にノズルニードルの移動を規制する規制面とされている。また、チップパッキン4の径大孔31および径小孔32の周囲には、ノズルボデー2の第1ピン孔と連通し、ノズルボデー2とチップパッキン4の組み付けの際の位置決めおよび回転を防止する第1ノックピンが嵌まり込む第1ピン孔12、およびノズルホルダー3の第2ピン孔と連通し、ノズルホルダー3とチップパッキン4の組み付けの際の位置決めおよび回転を防止する第2ノックピンが嵌まり込む第2ピン孔22が形成されている。
【0021】
そして、チップパッキン4の図示下端面(ノズルボデー2との密着面)には、その図示下端面のシール面積の低減による流体通路周りのシール面圧を向上させるための凹状の肉盗み部(図2の斜線部)35が複数個設けられている。なお、チップパッキン4の凹状の肉盗み部35を除く図示下端側の密着面は、ノズルボデー2の図示上端側の密着面(シール面)に緊密的に密着して、燃料送出路15と燃料中継路14との高圧シール性を確保するためのシール面38となる。
【0022】
また、チップパッキン4の図示上端面(ノズルホルダー3との密着面)には、その図示上端面のシール面積の低減による流体通路周りのシール面圧を向上させるための凹状の肉盗み部(図2の斜線部)36が複数個設けられている。そして、チップパッキン4の図示上端面の肉盗み部36と径小孔32との間を連通する凹状の肉盗み部(図2の格子状斜線部)37は、スプリング室21、径大孔31および径小孔32に導かれた燃料を、燃料タンク等の低圧配管系内へ戻すためのリーク回収用通路と兼用されている。なお、チップパッキン4の凹状の肉盗み部36、37を除く図示上端側の密着面は、ノズルホルダー3の図示下端側の密着面(シール面)に緊密的に密着して、燃料供給路13と燃料中継路14との高圧シール性を確保するためのシール面39となる。
【0023】
リテーニングナット5は、本発明の筒状の締結部材に相当するもので、チップパッキン4を介してノズルボデー2の図示上端側の密着面とノズルホルダー3の図示下端側の密着面とを所定の締結軸力で密着させるものである。このリテーニングナット5は、ノズルボデー2の図示下端面に設けられた肩部41を受けるための奥座面42を有する円環状の受け部43、およびこの受け部43の外周端より図示上方へ延びる円管状のスリーブ部44が設けられている。そのスリーブ部44の内径寸法は、その図示上方の肉薄部45の内径寸法よりも大径に設けられている。なお、肉薄部45の内周には、ノズルホルダー3の図示下端側の雄ねじ部26と締結される雌ねじ部25が設けられている。
【0024】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の内燃機関用燃料噴射ノズル1の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
【0025】
高圧源であるコモンレールから高圧配管、燃料供給路13、燃料中継路14、燃料送出路15を介して油溜り16に高圧燃料が供給されている。そして、油圧ピストンの他端に設けられた油圧制御室より燃料が抜かれると、油溜り16内の油圧力がスプリング等の付勢手段の付勢力よりも大きくなり、油圧ピストンおよびノズルニードルが燃料噴射孔を開く方向へ移動する。これにより、ノズルボデー2の弁座からノズルニードルが離脱することで、油溜り16内の高圧燃料がノズルボデー2の先端部に設けられた1個または複数個の燃料噴射孔よりディーゼルエンジンの燃焼室内へ噴射される。
【0026】
なお、燃料供給路13、燃料中継路14、燃料送出路15および油溜り16からノズルホルダー3のスプリング室21およびチップパッキン4の径大孔31および径小孔32とノズルニードルとの間に漏出(リーク)した燃料は、ノズルホルダー3の図示下端側の密着面とチップパッキン4の図示上端側の密着面の凹状の肉盗み部37との間に形成されるリーク回収用通路、ノズルホルダー3内部の燃料逃がし通路(リーク回収用通路)24を通って燃料タンク等の低圧配管系内へ戻される。
【0027】
[実施形態の効果]
以上のように、本実施形態の内燃機関用燃料噴射ノズル1においては、ノズルボデー2の図示上端側の密着面(シール面)とノズルホルダー3の図示下端側の密着面(シール面)との間に配置されるチップパッキン4の図示下端側の密着面および図示上端側の密着面より凹状の肉盗み部35、36を堀り下げている。この凹状の肉盗み部35、36は、燃料中継路14と干渉せず、燃料中継路14から高圧燃料が抜けることなく、近年の燃料噴射圧力の高圧化に対応可能な高圧シール性を確保できるように加工されている。
【0028】
また、ノズルホルダー3の図示下端側の密着面(シール面)と密着する密着面上に凹状の肉盗み部36と同様に掘り下げられた凹状の肉盗み部37が設けられており、その凹状の肉盗み部37がノズルホルダー3の燃料逃がし通路(リーク回収用通路)24と繋がるように加工されている。これらの加工をチップパッキン4の図示上下端面に施すことにより、材料の変形や強度面からの制約を受ける締結軸力を大きくすることなく、シール面積を低減することができる。 なお、上記肉盗み部35〜37は、切削加工にて形成されている。
【0029】
したがって、シール面積の低減による少ない締結軸力での流体通路周りのシール面圧の向上を図ることができるため、近年の燃料噴射圧力の高圧化に対する流体通路周りのシール面圧の向上が可能となり、且つ従来のリーク回収用通路110分の大きさの凹みを設けることなく、凹状の肉盗み部36とこれに連通する凹状の肉盗み部37をリーク回収用通路として兼用することができるので、ノズルホルダー3の密着面の形状が簡素な形状となり、コストダウンを図れる。
【0030】
ここで、本実施形態では、燃料噴射圧力の高圧化が進むディーゼルエンジンの内燃機関用燃料噴射ノズル1において、チップパッキン4を介してノズルボデー2の図示上端側の密着面とノズルホルダー3の図示下端側の密着面とを所定の締結軸力で密着させるリテーニングナット5の締結軸力を向上させることなく、各シール面の高圧シール性を確保することができる。
【0031】
これにより、チップパッキン4を介してノズルボデー2の密着面とノズルホルダー3の密着面とを締結するリテーニングナット5の締結時において、締結軸力によってノズルボデー2の肩部41とリテーニングナット5の奥座面42との間に生ずる摩擦力によりノズルボデー2がひねられることはなく、ノズルニードルの摺動部の円筒度の悪化を防ぐことができ、ノズルニードルの摺動不良は起きない。また、波及効果として、本構成にあるような蓄圧式燃料噴射装置のみならず、高圧シール面を有する全てのものに関して適用が可能である。
【0032】
[他の実施形態]
本実施形態では、本発明を、高圧供給ポンプおよびコモンレールを備えた蓄圧式燃料噴射装置(コモンレールシステム)に使用されるインジェクタとしての内燃機関用燃料噴射ノズル1のシール面圧向上構造の例を示したが、本発明を、列型燃料噴射ポンプや分配型燃料噴射ポンプからインジェクタへ直接高圧燃料が噴射されて、油溜り内の燃料圧力がスプリング等の付勢手段の付勢力よりも大きくなるとノズルニードルが弁座よりリフトするような燃料噴射装置に使用されるインジェクタの内燃機関用燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造に適用しても良い。また、本発明を、燃料噴射孔の噴孔面積を変更可能な可変噴孔ノズルに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関用燃料噴射ノズルの主要構成を示した断面図である(実施形態)。
【図2】(a)は内燃機関用燃料噴射ノズルのチップパッキンの上端面を示した平面図で、(b)は(a)のA−A断面図で、(c)はチップパッキンの下端面を示した平面図である(実施形態)。
【図3】内燃機関用燃料噴射ノズルの主要構成を示した断面図である(従来の技術)。
【図4】(a)は内燃機関用燃料噴射ノズルのチップパッキンの上端面を示した平面図で、(b)は(a)のB−B断面図で、(c)はチップパッキンの下端面を示した平面図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 内燃機関用燃料噴射ノズル
2 ノズルボデー(第1管状部品)
3 ノズルホルダー(第2管状部品)
4 チップパッキン(筒状部品)
5 リテーニングナット(筒状の締結部材)
13 燃料供給路(第2流体通路、燃料通路)
14 燃料中継路(連通路、燃料通路)
15 燃料送出路(第1流体通路、燃料通路)
16 油溜り
35〜37 凹状の肉盗み部
38、39 シール面

Claims (5)

  1. 内部に第1流体通路を有する第1管状部品と、内部に第2流体通路を有する第2管状部品と、前記第1管状部品と前記第2管状部品との間に挟み込まれて、前記第1、第2流体通路同士を連通するための連通路を有する筒状部品とを備え、
    前記第1管状部品と前記筒状部品との密着面、あるいは前記第2管状部品と前記筒状部品との密着面には、シール面積の低減による流体通路周りのシール面圧を向上させるための凹状の肉盗み部が設けられており、
    前記凹状の肉盗み部を、流体を回収するためのリーク回収用通路として兼用することを特徴とする流体移送装置のシール面圧向上構造。
  2. 請求項1に記載の流体移送装置のシール面圧向上構造において、
    前記筒状部品には、径小孔およびこの径小孔よりも大径の径大孔が形成されており、
    前記凹状の肉盗み部は、前記径大孔と連通していることを特徴とする流体移送装置のシール面圧向上構造。
  3. 内部に第1燃料通路を有し、内部にノズルニードルを摺動自在に支持するためのノズルボデーと、内部に第2燃料通路を有し、内部に前記ノズルニードルを閉弁側に付勢する付勢手段を収容するノズルホルダーと、前記ノズルボデーと前記ノズルホルダーとの間に挟み込まれて、前記第1、第2燃料通路同士を連通するための連通路を有し、ノズルニードルの開弁時のリフト量を規制するためのチップパッキンとを備え、
    前記ノズルボデーと前記チップパッキンとの密着面、あるいは前記ノズルホルダーと前記チップパッキンとの密着面には、シール面積の低減による流体通路周りのシール面圧を向上させるための凹状の肉盗み部が設けられており、
    前記凹状の肉盗み部を、流体を回収するためのリーク回収用通路として兼用することを特徴とする燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造。
  4. 請求項3に記載の燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造において、
    前記チップパッキンには、径小孔およびこの径小孔よりも大径の径大孔が形成されており、
    前記凹状の肉盗み部は、前記径大孔と連通していることを特徴とする燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造。
  5. 請求項3に記載の燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造において、
    前記チップパッキンを介して前記ノズルボデーの密着面と前記ノズルホルダーの密着面を所定の締結軸力で密着させる筒状の締結部材を備えたことを特徴とする燃料噴射ノズルのシール面圧向上構造。
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