JP3927782B2 - 電気音響変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカやレシーバとして使用可能な電気音響変換装置、特に2つの電気音響変換ユニットを備えた電気音響変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−203589号公報にこの種の電気音響変換装置についての記載がある。同公報に記載されている電気音響変換装置は、双方向輻射スピーカとして用いられるとされており、図6に示した内部構造を備えている。すなわち、リング状マグネット1を挟んでそのマグネット1にトッププレート2と内部プレート3とが重ね合わされていると共に、内部プレート3の中央部にその内部プレート3の表裏両側に突き出たポール部4,5が設けられている。また、トッププレート2の外周部に外部ヨーク6が延設されている。そして、内部プレート3に具備されている一方側のポール部4と内部プレート2の中央に具備された開口縁2aとの間の隙間空間によって磁気ギャップG1が形成されているのに加え、内部プレート3に具備されている他方側のポール部5と外部ヨーク6に具備された開口縁6aとの間の隙間空間によって上記磁気ギャップG1とは別の磁気ギャップG2が形成されている。
【0003】
また、図6の電気音響変換装置には、2枚の振動板7,8がそれらの裏面同士を対面させた状態で配備されており、それぞれの振動板7,8に各別に装備された同一直径のボイスコイル9,10が、上記した磁気ギャップG1,G2に各別に配備されている。11,12はそれぞれの振動板7,8に対応して設けられたダンパー、13,14はそれぞれの振動板7,8に対応して設けられたフレームである。
【0004】
図6に示した電気音響変換装置では、2つのボイスコイル9,10に独立した入力信号を印加することによって、2枚の振動板7,8を独立して駆動させることが可能である。
【0005】
一方、携帯電話機などの携帯型端末装置として用いられる電子機器において、送話機能と受話機能とを具備させるためにはその電子機器にスピーカとレシーバとが備わっている必要がある。図7は従来の携帯型端末装置(携帯電話機)の内部構造を概略で示したものであり、21は偏平な中空のケースで、そのケース21の内部には、レシーバ22やスピーカ23、液晶表示装置(LCD)24などが組み込まれていて、レシーバ22はケース21の内側壁25の音孔26に臨んで配備され、スピーカ23はケース21の外側壁28の音孔29に臨んで配備されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6で説明した電気音響変換装置では、内部プレート3を挟んでその両側に配備されている2枚の振動板7,8のそれぞれに設けられているボイスコイル9,10が同一直径を有しているため、それぞれの振動板7,8の振動に伴う各ボイスコイル9,10の変位を許容する2箇所のスペースS1,S2を、内部プレート3の両側に確保してある。このため、この電気音響変換装置によると、その全厚寸法T1に、2箇所の上記スペースS1,S2の各高さ寸法を合わせた長さが含まれてしまう。そのため、振動板7,8の形状や外部ヨーク6の形状をどのように変更したとしても、2箇所の上記スペースS1,S2を確保するための場所が、全厚寸法T1を短くして電気音響変換装置の薄形化を図ることの障害になる。
【0007】
また、図7で説明した携帯型端末装置では、ケース21の内部に配備されているレシーバ22やスピーカ23が薄型であってそれらの厚さ寸法R1,S1が短いものであったとしても、図示のようにレシーバ22とスピーカ23とをケース21の内部で互いに反対向きに振り分けて位置させるような場合には、ケース21の全厚寸法T2が長くなる。特に、図7のように液晶表示装置24を挟んでレシーバ22とスピーカ23とを配置してある電気音響変換装置では、そのケース21の全厚寸法T2に、レシーバ22の厚さ寸法R1とスピーカ23の厚さ寸法S1とが含まれるので、ケース21の全厚寸法T1を薄形化しにくいという状況が存在する。
【0008】
本発明は以上の状況の下でなされたものであり、2枚の振動板を有し、その2枚の振動板を独立に動作させて送話機能や受話機能を発揮させることが可能でありながら、それぞれの振動板に固着されている2つのボイスコイルの変位を許容するためのスペースの高さ寸法を合わせた長さが全体の厚さ寸法に含まれなくなるような工夫を講じることによって、全体の厚さ寸法を短くして薄形化を図りやすくなる電気音響変換装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、部品点数の削減によるコストダウンを図ることのできる電気音響変換装置を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、携帯型端末装置に組み込んだ場合に、その携帯型端末装置の薄形化を図りやすい電気音響変換装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気音響変換装置は、振動板の中央部に固着された環状のボイスコイルが上記振動板の裏面側に突き出て磁気回路の磁気ギャップに配備されてなる第1及び第2の2つの電気音響変換ユニットを有し、それら2つの電気音響変換ユニットは、それらの各振動板の裏面同士が対面する状態で配備されている。
【0012】
そして、第1電気音響変換ユニットのボイスコイルの直径よりも第2電気音響変換ユニットのボイスコイルの直径が大きく、かつ、それらのボイスコイルが同心状に配備され、第1電気音響変換ユニット側での振動板の振動に伴うボイスコイルの変位を許容するための第1スペースと第2電気音響変換ユニット側での振動板の振動に伴うボイスコイルの変位を許容するための第2スペースとが、第1及び第2の各電気音響変換ユニットの各ボイスコイルの径方向でラップする位置に形成されているという基本構成を備えている。ここで、第1電気音響変換ユニットのボイスコイルの径方向と第2電気音響変換ユニットのボイスコイルとは同心状に配備されるので、それら両方のボイスコイルの径方向は一致する。
【0013】
この構成であると、第1電気音響変換ユニット側での振動板の振動に伴うボイスコイルの変位を許容するための第1スペースの高さ寸法と第2電気音響変換ユニット側での振動板の振動に伴うボイスコイルの変位を許容するための第2スペースの高さ寸法とを合わせた長さが、電気音響変換装置の全体の厚さ寸法に含まれなくなり、それだけ電気音響変換装置が薄形化される。また、第1及び第2の各電気音響変換ユニットが別々のボイスコイルを備えているので、第1電気音響変換ユニットと第2電気音響変換ユニットとを独立して動作させることが可能であり、そのために、一方の電気音響変換ユニットによって送話機能を発揮させ、他方の電気音響変換ユニットによって受話機能を発揮させるという使い方が可能になる。したがって、この電気音響変換装置を送話機能と受話機能とを備えることが要求される携帯電話機などの携帯型端末装置に組み込むことによって、その携帯型端末装置の薄形化を図りやすくなる。
【0014】
本発明に係る電気音響変換装置は、上記した基本構成に、第1及び第2の各電気音響変換ユニットは、マグネットとそのマグネットを挟んでそのマグネットに重ね合わされたヨーク及びポールピースとによって形成される磁気回路を有し、かつ、ヨークとポールピースとの間の隙間空間によって上記磁気ギャップが形成され、第1電気音響変換ユニットのヨークと第2電気音響変換ユニットのヨークとが、単一の金属部材の異なる部分によって形成されており、単一の上記金属部材は、上記第1電気音響変換ユニットのマグネット及びポールピースの周囲を取り囲む筒状部を有し、その筒状部の一端内側に上記第1電気音響変換ユニットのマグネットに対する重なり部分が連設され、その筒状部の他端外側に上記第2電気音響変換ユニットのマグネットに対する重なり部分が連設され、上記金属部材の筒状部の他端とその内側に位置するポールピースとの間の隙間空間によって磁気ギャップを形成する上記第1電気音響変換ユニット側の内磁型の磁気回路と、上記金属部材の筒状部の一端とその外側に位置するポールピースとの間の隙間空間によって磁気ギャップを形成する上記第2電気音響変換ユニット側の外磁型の磁気回路を一体に構成している点を付加したものである。これによれば、第1電気音響変換ユニットのヨークと第2電気音響変換ユニットのヨークとが単一の金属部材によって共用されるので、それだけ部品点数が減少してコストダウンを図りやすくなるだけでなく、各ヨークに単一の金属部材が共用されているために磁気回路効率が向上するという利点がある。
【0015】
本発明に係る電気音響変換ユニットでは、第1電気音響変換ユニットの振動板の形状と第2電気音響変換ユニットの振動板の形状とが異なっているものであってもよく、これによれば、各ユニットの音響特性を個別にコントロールしやすくなるという利点がある。
【0016】
本発明に係る電気音響変換ユニットでは、第1電気音響ユニットと第2電気音響ユニットとがそれらに共通の筐体に取り付けられていることが望ましく、これによれば、筐体の数が1つになるのでそれだけ部品点数が削減されてコストダウンを図りやすくなる。
【0017】
本発明に採用されている構造によって発揮される作用については、以下の実施形態の説明によっても明らかにする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態に係る電気音響変換装置の概略平面図、図2は図1のII−II線に沿う部分の概略断面図である。この電気音響変換装置Aは、第1電気音響変換ユニット(以下「第1ユニット」という)30と第2電気音響変換ユニット(以下「第2ユニット」という)50との2つのユニットを備えている。そして、それらの第1及び第2の各ユニット30,50がそれらに共通の筐体70に互いに反対向きに取り付けられている。すなわち、第1及び第2の各ユニット30,50に各別に備わっている振動板34,54の裏面同士が対面する状態で、第1及び第2の各ユニット30,50が筐体70に取り付けられている。
【0019】
第1ユニット30は、偏平な円板状のマグネット31と、そのマグネット31を挟んでそのマグネット31に重ね合わされたヨーク41及びポールピース32とを有し、それらによって内磁型の磁気回路が形成されている。そして、その磁気回路に具備されている磁気ギャップ33に、円形の振動板34の裏面側に突き出る形態でその振動板34の中央部に固着された環状のボイスコイル35が配備されている。第2ユニット50は、第1ユニット30のマグネット31を取り囲む位置に同心状に配備された偏平なリング状のマグネット51と、そのマグネット51を挟んでそのマグネット51に重ね合わされたヨーク61及びポールピース52とを有し、それらによって外磁型の磁気回路が形成されている。そして、その磁気回路に具備されている磁気ギャップ53に、長円形ないし楕円形の振動板54の裏面側に突き出る形態でその振動板54の中央部に固着された環状のボイスコイル55が配備されている。そして、第1ユニット30のボイスコイル35の直径よりも第2ユニット50のボイスコイル55の直径が大きくなっていて、それらのボイスコイル35,55は同心状に配備されている。
【0020】
この実施形態において、第1ユニット30のヨーク41と第2ユニット50のヨーク61とは単一の金属部材90の異なる部分によって形成されている。この点を図2の一部拡大図を参照して具体的に説明する。
【0021】
図2で判るように、金属部材90は、中央部に凹所を有する円板状に形成されていて、その凹所の周壁を形成している筒状部91が、第1ユニット30のマグネット31の周囲を取り囲む形態で、そのマグネット31と第2ユニット50のマグネット51との対向空間内に配備されている。また、その筒状部91の一端91aに連設されている平坦な円形の底壁部が第1ユニット30のマグネット31に対する重なり部分92とされていて、それら筒状部91と重なり部分92とによって第1ユニット30のヨーク41が形成されている。これに対し、筒状部91の他端91bに連設されている平坦なリング状の鍔形部が第2ユニット50のマグネット51に対する重なり部分93とされていて、それら筒状部91と重なり部分93とによって第2ユニット50のヨーク51が形成されている。したがって、第1ユニット30のマグネット31に対する上記金属部材90の重なり部分92がその筒状部91の内側に位置し、第2ユニット50のマグネット51に対する上記金属部材の重なり部分93がその筒状部91の外側に位置している。そして、第1ユニット30の上記磁気ギャップ33が、上記金属部材90の筒状部91の他端と第1ユニット30のポールピース32との間の隙間空間によって形成されているのに対し、第2ユニット50の上記磁気ギャップ53が、上記金属部材90の筒状部91の一端91aと第2ユニット50のポールピース52との間の隙間空間によって形成されている。
【0022】
第1ユニット30のボイスコイル35は、第1ユニット30の振動板34が振動するとそれに伴って軸線に沿う方向に変位し、同様に、第2ユニット50のボイスコイル55は、第2ユニット50の振動板54が振動するとそれに伴って軸線に沿う方向に変位する。そこで、この実施形態では、第1ユニット30のボイスコイル35の変位を許容するための第1スペースS10を、第1ユニット30のマグネット31と上記金属部材90の筒状部91と上記金属部材90のマグネット31に対する重なり部分92の外周部とによって囲まれた円環状の空間によって形成してあるのに対し、第2ユニット50のボイスコイル55の変位を許容するための第2スペースS20を、第2ユニット50のマグネット51と上記金属部材90の筒状部91と上記金属部材90のマグネット51に対する重なり部分93の内周部とによって囲まれた円環状の空間によって形成してある。このため、第1スペースS10と第2スペースS20とが、第1及び第2の各ユニット30,50の各ボイスコイル35,55の径方向Xでラップして位置している。図2中の拡大図には、第1及び第2の各ユニット30,50の各ボイスコイル35,55の径方向Xでの第1スペースS10と第2スペースS20とのラップ幅寸法を符号Kで示してある。なお、第1ユニット30のボイスコイル35と第2ユニット50のボイスコイル55とは同心状に配備されているので、両方のボイスコイル35,55の径方向Xは一致している。
【0023】
筐体70は電気絶縁性に優れた合成樹脂で一体成形されていて、横長の平板状ベース部71の片面側長手方向中央部と他面側外周部とに背低筒状の周壁部72,73を有する。そして、ベース部71の片面側長手方向一端部に配線基板75が重なり状に配備されていて、この配線基板75に備わっている電極76,77に第1及び第2の各ユニット30,50のボイスコイル35,55から引き出されたリード線端末が半田付けされている。また、ベース部71の片面側の周壁部72の内側に、第1及び第2のユニット30,50の各ヨーク41,61を形成している金属部材90の外周部が固定されていて、その金属部材90の外周部に、上記周壁部72の内側に配備された振動板34の外周部が取り付けられ、さらに、その振動板34を覆うバッフル36の外周部が取り付けられている。37はバッフル36に形成されている音孔である。これに対し、他面側の周壁部73の内側に、第2ユニット50の振動板54とその振動板54を覆うバッフル56が配備されてそれらの外周部が取り付けられている。57はバッフル56に形成されている音孔である。
【0024】
以上説明した第1実施形態によると、第1及び第2の各ユニット30,50が別々のボイスコイル35,55を備えているので、第1ユニット30と第2ユニット50とを独立して動作させることが可能である。そのため、たとえば第1ユニット30をレシーバとして活用し、第2ユニット50をスピーカとして活用したり、その逆に、第1ユニット30をスピーカとして活用し、第2ユニット50をレシーバとして活用するという使い方が可能である。
【0025】
また、第1ユニット30のボイスコイル35の変位を許容するための第1スペースS10と第2ユニット50のボイスコイル55の変位を許容するための第2スペースS20とが、金属部材90の筒状部91を挟んでその内外両側に形成されていて、第1スペースS10と第2スペースS20とが、第1及び第2の各ユニット30,50の各ボイスコイル35,55の径方向Xでラップ幅寸法Kだけラップして位置している。このため、第1スペースS10と第2スペースS20とを確保するのに、第1スペースS10に必要な高さ寸法Y1と第2スペースS20に必要な高さ寸法Y2とを合わせた長さ(Y1+Y2)は要求されない。言い換えると、第1スペースS10と第2スペースS20とを確保するには、両スペースS10,S20の各ボイスコイル35,55の径方向でのラップ幅寸法Kと、そのラップ箇所からはみ出している両スペースS10,S20の個々の長さとを合わせた長さ〔K+(Y1−K)+(Y2−K)=Y1+(Y2−K)〕があればよい。したがって、第1スペースS10の高さ寸法と第2スペースS20の高さ寸法とを合わせた長さが、電気音響変換装置Aの全体の厚さ寸法に含まれなくなり、それだけ電気音響変換装置Aを薄形化しやすくなる。
【0026】
さらに、第1実施形態では、第1及び第2の各ユニット30,50のヨーク41,61が単一の金属部材90の異なる部分、すなわち第1ユニット30のヨーク41が金属部材90の筒状部91と重なり部分92とにより形成され、第2ユニット30のヨーク61が金属部材90の筒状部91と重なり部分93とにより形成されているので、第1及び第2の各ユニット30,50のヨーク41,61を別々の部材によって形成する場合に比べて部品点数が削減されてコストダウンが図られるだけでなく、各ヨーク41,61に単一の金属部材90が共用されているために磁気回路効率が向上するという利点もある。
【0027】
図3は本発明の第2実施形態に係る電気音響変換装置の概略平面図、図4は図3のIV−IV線に沿う部分の概略断面図である。
【0028】
この第2実施形態において、上記した第1実施形態と異なる点は、第2ユニット50の振動板54が円形であり、しかも、筐体70のベース部71が略円形に形成されている点だけであり、その他の構造は、図1及び図2で説明した第1実施形態と同様である。また、作用についても、次に説明する音響特性に関する事項以外は図1及び図2で説明した第1実施形態と同様である。したがって、説明の重複を避けるため、同一又は相応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】
上記した第1実施形態では、第1ユニット30の振動板34が円形であり、第2ユニット50の振動板54が長円形ないし楕円形になっているのに対し、第2実施形態では、第1ユニット30の振動板34と第2ユニット50の振動板54とが円形に形成されている。このため、第1実施形態及び第2実施形態のいずれの電気音響変換装置Aにおいても、各ユニット30,50の音響特性を個別にコントロールしやすい。たとえば第1実施形態では、第1ユニット30をレシーバとして用い、その振動板34を直径10mmの円形とするのに対し、第2ユニット50をスピーカとして用い、その振動板54を楕円形にしておくことによって、各ユニット30,50の音響特性を個別にコントロールしやすくなる。また、第2実施形態では、第1ユニット30をレシーバとして用い、その振動板34を直径10mmの円形とするのに対し、第2ユニット50をスピーカとして用い、その振動板54を直径16mmの円形にしておくことによって、各ユニット30,50の音響特性を個別にコントロールしやすくなる。
【0030】
図5は、第1及び第2の各実施形態として説明した電気音響変換装置Aを携帯型端末装置として用いられる携帯電話機に組み込んだ場合の内部構造を概略で示してある。同図において、21は偏平な中空のケースで、そのケース21の内部には、上記電気音響変換装置A、液晶表示装置(LCD)24などが組み込まれていて、電気音響変換装置Aに備わっている第1ユニット30がケース21の内側壁25の音孔26に臨んで配備され、第2ユニット50がケース21の外側壁28の音孔29に臨んで配備されている。そして、第1ユニット30がレシーバとして利用され、第2ユニット50がスピーカとして利用されている。
【0031】
この携帯電話機では、ケース21の内部に配備されている電気音響変換装置Aがレシーバとしての第1ユニット30とスピーカとしての第2ユニット50とを一体に有し、しかも、その電気音響変換装置Aが第1及び第2の各実施形態で説明したように薄型であるため、ケース21の全厚寸法T1を短くしてその薄形化を図りやすい。
【0032】
なお、図5では、図7に説明した部分と同一又は相応する部分に同一符号を付して説明を簡略にした。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2枚の振動板を有し、その2枚の振動板を独立に動作させて送話機能や受話機能を発揮させることが可能でありながら、全体の厚さ寸法を短くして薄形化を図りやすくなる電気音響変換装置を提供することが可能になる。また、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができ、さらに、携帯型端末装置に組み込んだ場合に、その携帯型端末装置の薄形化を図りやすい電気音響変換装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電気音響変換装置の概略平面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿う部分を一部拡大して示した概略断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る電気音響変換装置の概略平面図である。
【図4】 図3のIV−IV線に沿う部分の概略断面図である。
【図5】 本発明に係る電気音響変換装置を携帯電話機に組み込んだ場合の内部構造を示した概略説明図である。
【図6】 従来例の説明図である。
【図7】 レシーバとスピーカとを携帯型端末装置(携帯電話機)に組み込んだ場合の内部構造を示した概略説明図である。
【符号の説明】
30 第1ユニット(第1電気音響変換ユニット)
31,51 マグネット
32,52 ポールピース
33,53 磁気ギャップ
34,54 振動板
35,55 ボイスコイル
41,61 ヨーク
50 第2ユニット(第2電気音響変換ユニット)
70 筐体
90 金属部材
91 筒状部
91a 筒状部の一端
91b 筒状部の他端
92,93 重なり部分
S10 第1スペース
S20 第2スペース
X ボイスコイルの半径方向
Claims (3)
- 振動板の中央部に固着された環状のボイスコイルが上記振動板の裏面側に突き出て磁気回路の磁気ギャップに配備されてなる第1及び第2の2つの電気音響変換ユニットを有し、それら2つの電気音響変換ユニットは、それらの各振動板の裏面同士が対面する状態で配備されると共に、第1電気音響変換ユニットのボイスコイルの直径よりも第2電気音響変換ユニットのボイスコイルの直径が大きく、かつ、それらのボイスコイルが同心状に配備されており、第1電気音響変換ユニット側での振動板の振動に伴うボイスコイルの変位を許容するための第1スペースと第2電気音響変換ユニット側での振動板の振動に伴うボイスコイルの変位を許容するための第2スペースとが、第1及び第2の各電気音響変換ユニットの各ボイスコイルの径方向でラップする位置に形成されている電気音響変換装置において、
第1及び第2の各電気音響変換ユニットは、マグネットとそのマグネットを挟んでそのマグネットに重ね合わされたヨーク及びポールピースとによって形成される磁気回路を有し、かつ、ヨークとポールピースとの間の隙間空間によって上記磁気ギャップが形成され、第1電気音響変換ユニットのヨークと第2電気音響変換ユニットのヨークとが、単一の金属部材の異なる部分によって形成されており、
単一の上記金属部材は、上記第1電気音響変換ユニットのマグネット及びポールピースの周囲を取り囲む筒状部を有し、その筒状部の一端内側に上記第1電気音響変換ユニットのマグネットに対する重なり部分が連設され、その筒状部の他端外側に上記第2電気音響変換ユニットのマグネットに対する重なり部分が連設され、
上記金属部材の筒状部の他端とその内側に位置するポールピースとの間の隙間空間によって磁気ギャップを形成する上記第1電気音響変換ユニット側の内磁型の磁気回路と、上記金属部材の筒状部の一端とその外側に位置するポールピースとの間の隙間空間によって磁気ギャップを形成する上記第2電気音響変換ユニット側の外磁型の磁気回路を一体に構成していることを特徴とする電気音響変換装置。 - 第1電気音響変換ユニットの振動板の形状と第2電気音響変換ユニットの振動板の形状とが異なっている請求項1に記載した電気音響変換装置。
- 第1電気音響ユニットと第2電気音響ユニットとがそれらに共通の筐体に取り付けられている請求項1又は請求項2に記載した電気音響変換装置。
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