JP3927672B2 - シンクロトロン放射光を利用する光学装置、該光学装置を用いたx線顕微鏡及びx線露光装置 - Google Patents

シンクロトロン放射光を利用する光学装置、該光学装置を用いたx線顕微鏡及びx線露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンクロトロン放射光を光源とする光学装置、該光学装置を用いたX線顕微鏡及びX線露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のシンクロトロン放射光光源を用いた光学装置の一例として、図13に示すようなX線顕微鏡が挙げられる。従来のX線顕微鏡は、シンクロトロン放射光光源93より放射されるX線ビーム94を集光鏡95により試料97に対して集光させ、その後試料97を透過したX線ビーム94を拡大投影光学系であるシュワルツシルト投影光学系98を用いてX線検出器99に照射し結像させることで試料97を観測する。
【0003】
シンクロトロン放射光光源93は、高いエネルギに加速された電子ビームが、偏向電磁石による磁場の中で、円軌道を描く電子軌道91からの放射を利用した光源である。高速で加速度運動する電子は電磁波を放射するが、そのエネルギは電子の進行方向に鋭く集中する。従って円軌道を描く電子軌道91からは軌道面に集中したシート状の指向性を持った電磁波が放射される。また電子軌道面内の一点から観測した場合、電子軌道91の接線が観測点を通過するような箇所から電磁波であるX線ビーム94が放射されるようにみえ、観測点からみたこの電磁波の放射点を発光点92と呼ぶ。
【0004】
回転楕円面形状を有する集光鏡95の第1の焦点は、上記発光点92に一致し、かつ第1の焦点位置の電子軌道の接線が集光鏡95の反射面の中心と交わるように設置されており、さらに第2の焦点位置に、観察される試料97が配置される。
【0005】
電子ビームから放射された電磁波、すなわちX線ビーム94は集光鏡95で反射され、試料97の位置に集光、透過し、シュワルツシルト投影光学系98によってX線検出器99上に結像される。シュワルツシルト投影光学系98は多層膜が形成された2枚の反射鏡によって構成される拡大投影光学系である。また、X線検出器99としては、X線フィルム、CCD、イメージングプレートなどの撮像型のセンサが用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の光学装置は、図14に示すように、電子ビーム加速エネルギの変動や、偏向電磁石の磁場の方向と強度の変動、などによって電子軌道91の位置が変動することがある。また、通常、シンクロトロン放射光光源93と試料観測部101とは数メートル以上離れており、装置を設置する建物の温度変動などによって、両者の相対的な位置が変動することがある。これらにより、集光鏡95の第1の焦点が正規の電子軌道91aからずれた電子軌道91bへと移動することで発光点92がずれ、よってずれた電子軌道91bから放射されたX線ビーム94も試料97の位置よりずれる。このため、試料97を照射するX線ビーム94の強度が低下して試料97の高精度な観察が行えなくなるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明はシンクロトロン放射光光源の発光点と光学装置との相対的な位置変動が生じても、照射部において常に高い強度、あるいは均一な強度のX線ビームが得られるシンクロトロン放射光を利用する光学装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の光学装置は、光源から放射されたX線ビームを被照射物に導く学装置において、前記光源から放射された前記X線ビームが入射する位置に配置され、中央に穴が設けられた集光鏡と、前記集光鏡の前記穴を通過した前記X線ビームを受けて、その入射角を検出する検出手段と、前記集光鏡により集光された前記X線ビームが入射するシュワルツシルト投影光学系と、前記検出手段での検出結果に基づいて記入射角を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記の通り構成された本発明の光学装置では、光源から放射されたシンクロトロン放射光は検出手段に入射され、入射角が検出される。そして、検出手段での検出結果に基づいて、補正手段は被照射物に照射されるシンクロトロン放射光の強度が最大となるように、検出手段への入射角を補正する。これにより、被照射物に照射されるシンクロトロン放射光の強度は最大となるものである。
【0010】
検出手段としては、シンクロトロン放射光が通過するスリットが設けられたスリット板と、スリットを通過したシンクロトロン放射光が照射する位置に配置された少なくとも1次元の位置検出機能を有する光センサとを有するものであってもよい。
【0011】
または、シンクロトロン放射光が通過するスリットが設けられたスリット板と、スリットを通過したシンクロトロン放射光が照射する位置に配置された2分割の光センサとで構成されるものであってもよい。
【0012】
あるいは、シンクロトロン放射光が進行する方向に間隔をおいて配置され、それぞれシンクロトロン放射光が通過するスリットが設けられた2枚のスリット板と、スリット板を通過したシンクロトロン放射光が照射する位置に配置された第1の光センサと、スリット板を通過せずにシンクロトロン放射光が照射する位置に配置された第2の光センサとで構成されるものであってもよい。
【0013】
この他、シンクロトロン放射光が進行する方向に間隔をおいて配置され、それぞれシンクロトロン放射光が通過するスリットが設けられた2枚のすだれコリメータと、すだれコリメータを通過したシンクロトロン放射光が照射する位置に配置された第1の光センサとスリット板を通過せずにシンクロトロン放射光が照射する位置に配置された第2の光センサとで構成される場合もある。
【0014】
また、補正手段は、前記集光鏡、前記検出手段および前記シュワルツシルト投影光学系が設置された定盤を駆動させる駆動機構とを有するものであってもよい。
【0015】
あるいは、補正手段は、前記光源から放射された前記X線ビームの進行方向を変える反射鏡を駆動させる駆動機構とを有するものであってもよい。または、補正手段は、前記光源の電子軌道を移動させる電磁石とを有するものであってもよい。
【0016】
本発明のX線顕微鏡は、X線ビームを試料に照射し、前記試料を透過した前記X線ビームを検出することで前記試料を観察するX線顕微鏡であって、前記X線ビームを放射する光源と、上記本発明のいずれか1つの光学装置と、前記試料を透過した前記X線ビームを検出する第2の検出手段とを有する。
【0017】
また本発明のX線露光装置は、シンクロトロン放射光をマスクに照射し、前記マスクのパターンをウエハに転写するX線露光装置であって、
前記シンクロトロン放射光を放射する光源と、
上記本発明のいずれか1つの光学装置とを有するX線露光装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態であるX線顕微鏡の概略構成図である。
【0020】
シンクロトロン放射光光源3は、加速された電子ビームが偏向電磁石による磁場の中を電子軌道1のように円軌道を描きながら進む時、電子ビームの進行方向にX線を含む電磁波を放射し、また電子ビームは円軌道を描いているので、円軌道の軌道面に一致したシート状のX線ビーム4を放射するものである。
【0021】
シンクロトロン放射光光源3より放射されたX線ビーム4は、集光鏡5で試料7に集光され、その後試料7を透過したX線ビーム4を拡大投影光学系であるシュワルツシルト投影光学系8によりX線検出器9に照射される。これら集光鏡5、試料7、シュワルツシルト投影光学系8及びX線検出器9は、定盤13の上に設置されている。定盤13は、ステージ駆動機構12により駆動されるステージ11上に設置されており、ステージ11が駆動されることにより定盤13が駆動される。集光鏡5は回転楕円面形状をしており、集光鏡5の第1の焦点が電子軌道1上に位置し、かつ第1の焦点位置の電子軌道1の接線が集光鏡5の反射面の中心に交わるように設置されていて、さらに第2の焦点位置に観察対象となる試料7が位置する。
【0022】
シンクロトロン放射光光源3から放射されたX線ビーム4は集光鏡5で反射され、試料7の位置に集光し、試料7を透過した後、多層膜で形成された2枚の反射鏡で構成されるシュワルツシルト投影光学系8によりX線検出器9に結像する。X線検出器9には、X線フィルム、CCD、イメージングプレートなどの撮像型の検出器が用いられる。
【0023】
集光鏡5の中央には穴が開けてあり、ここを通過したX線ビーム4が入射される位置には、入射するX線ビームの入射角を検出するX線角度検出器6が配置されている。さらに本実施形態のX線顕微鏡にはX線角度検出器6での検出結果に基づいて、ステージ駆動機構12を制御するための信号を出力する角度ずれ演算回路10が設けられている。
【0024】
以下に、X線角度検出器6について説明する。
【0025】
X線角度検出器6は図2に示すようなスリット板14と、1次元位置検出型X線検出器16とにより構成されている。スリット板14には幅1mm、長さ10mmのスリット15を有する厚さ0.1mmの銅板を、また1次元位置検出型X線検出器16は抵抗分割型の1次元位置検出型フォトダイオード、いわゆるPSDを用いる。フォトダイオードの照射損傷を回避するため、フォトダイオードの入射面には厚さ50μm程度のニッケル箔がフィルタとして設けており、フォトダイオードに入射するX線強度を減じている。本実施形態では、スリット板14と1次元位置検出型X線検出器16との距離を200mmとし、スリット板14におけるスリット15の長手方向がシンクロトン電子軌道面に直交するように設置し、また1次元位置検出型X線検出器16は、その位置検出軸がシンクロトン電子軌道面上に一致するよう設置している。
【0026】
シンクロトロン放射光光源3から放射されたX線ビーム4はスリット15を通過し、1次元位置検出型X線検出器16に入射する。1次元位置検出型X線検出器16からはこの入射位置に応じた2つの信号が出力される。この2つの信号の強度比を求めれば、X線ビーム4の入射位置が分かる。即ち、2つの信号をそれぞれ出力S1、出力S2とすると、x=k(S1―S2)/(S1+S2)により、X線ビームの入射位置xが求まる。ここでkは校正係数で、例えば1mm程度の値となる。
【0027】
このX線角度検出器6に入射するX線ビーム4の角度が、例えば1mrad変動した場合、X線ビーム4が1次元位置検出型X線検出器16に入射する位置が0.2mm変動する。この時(S1―S2)/(S1+S2)は0.2変動する。すなわち、(S1―S2)/(S1+S2)が0.2変動した場合、X線ビーム4の角度の変動は1mradということであり、この関係よりX線ビーム4の角度を容易に把握できる。
【0028】
またX線角度検出器6を図3のような、スリット板14と2分割型X線検出器17で構成することも可能である。スリット15を通過したX線ビーム4は2分割型X線検出器17上の2つの領域に照射され、入射位置に応じた2つの出力S1、出力S2が出力される。この2つの信号比を求めれば、2分割型X線検出器17上へのX線ビーム4の入射位置がわかる。従って、上述したスリット板14と1次元位置検出型X線検出器16の組み合わせによる手順と同様にX線ビーム4の角度の変動を容易に検出できる。なお、図4にスリット板14と2分割型X線検出器17で構成するX線角度検出器6からの出力S1、出力S2による出力の信号比を示す。
【0029】
次に本実施形態における、角度補正の方法に関して説明する。本実施形態では、集光鏡5、X線角度検出器6、試料7、シュワルツシルト投影光学系8及びX線検出器9は定盤13の上に設置されているため、ステージ11のステージ駆動機構12により定盤13を駆動することで、角度の補正が行われる。すなわち、まずX線ビーム4の強度が最大となる角度でのX線角度検出器6の出力を角度ずれ演算回路10に記憶させる。試料観察時には、X線角度検出器6の出力が、先ほど記憶しておいたX線ビーム4の強度が最大時のX線角度検出器6の出力と同じ値となるように定盤13を移動させ、角度を補正する。この状態を保持することで、試料7に照射されるX線ビーム4の強度は常に最大値を保つこととなる。
【0030】
(第2の実施形態)
次に図5に第2の実施形態であるX線顕微鏡の概略構成図を示す。
【0031】
本実施形態の場合もX線ビーム34の放射方式は第1の実施形態と同様にシンクロトロン放射光光源33の発光点32から放射される。シンクロトロン放射光光源33から放射されたX線ビーム34は、まず平面鏡駆動機構51により移動可能に設けられた平面鏡50で反射された後、さらに集光鏡35で反射され、試料37に集光する。集光鏡35の横にはX線角度検出器36が設けられており、これによりX線ビーム34の角度が検出される。X線角度検出器36としては図6に示すような2枚のスリット板(光源側スリット板44a、X線検出器側スリット板44b)と2つのシンチレーション型X線検出器52を用いる。光源側スリット板44a、X線検出器側スリット板44bにはそれぞれ幅1mm、長さ10mmのスリット45を有する厚さ0.2mmのステンレス板を用いることとする。光源側スリット板44aとX線検出器側スリット板44bはX線ビーム34aの進行方向に間隔をおいて設置され、両者の間隔は100mmとする。また光源側スリット板44a及びX線検出器側スリット板44bのスリット45はそれぞれ長手方向がシンクロトロンの電子軌道面に対して直交する方向に開口されている。さらにX線検出器側スリット板44bのスリット45は、光源側スリット板44aのスリット45に対して、シンクロトロン電子軌道面内でX線ビーム34の進行方向に直交する方向に0.5mmオフセットして設置されている。2つのシンチレーション型X線検出器52のうち、1つはX線検出器側スリット板44bの直後に設置され、またもう1つは光源側スリット板44a及びX線検出器側スリット板44bに遮られないでX線ビーム34bを受ける位置に配置される。
【0032】
シンクロトロン放射光光源33から放射されたX線ビーム34aはまず光源側スリット板44aを通過し、さらにX線検出器側スリット板44bを通過し、X線検出器側スリット板44bの直後に配置されるシンチレーション型X線検出器52に入射する。このとき、入射量に比例した信号S1を出力する。シンチレーション型X線検出器52に入射するX線ビーム34aの量は、シンクロトロン放射光光源33の強度が一定ならば、シンクロトロン放射光光源33から放射されたX線ビーム34aの角度の関数である。光源側スリット板44a及びX線検出器側スリット板44bに遮られないでX線ビーム34bを受ける位置に配置されるシンチレーション型X線検出器52の出力信号S2はシンクロトロン放射光光源33の強度に比例するので、図7に示すようにS1/S2はX線ビーム34(X線ビーム34a、X線ビーム34b)の角度の関数となる。
【0033】
本実施形態では幅1mmの光源側スリット板44aとX線検出器側スリット板44bとの距離が100mmなので、例えばX線ビーム34の角度が1mrad変動した場合、S1/S2が10%変動する。すなわち、S1/S2が10%変動した場合、X線ビーム34の角度の変動は1mradということになり、この関係より角度を容易に把握できる。
【0034】
次に本実施形態における、角度補正の方法に関して説明する。本実施形態では、平面鏡50には平面鏡駆動機構51が備わっており、平面鏡50を駆動することで角度の補正が行われる。すなわち、まずX線ビーム34の強度が最大となる角度でのX線角度検出器36の出力を角度ずれ演算回路40に記憶させる。試料観察時には、X線角度検出器36の出力が、先ほど記憶しておいたX線ビーム34の強度が最大時のX線角度検出器36の出力と同じ値となるように平面鏡50を駆動させ、これにより角度を補正する。この状態を保持することで、試料37に照射されるX線ビーム34の強度は常に最大値を保つこととなる。
【0035】
(第3の実施形態)
図8(a)に第3の実施形態であるX線露光装置の平面図を、図8(b)には側面図をそれぞれ示す。
【0036】
本実施形態の場合もX線ビーム64の放射方式は第1の実施形態と同様にシンクロトロン放射光光源63から放射される。シンクロトロン放射光光源63から放射されたX線ビーム64はまずトロイダルミラー83で反射された後、さらにシリンドリカルミラー84で反射され、ベリリウム窓85を通過し、マスク86の回路パターンをウエハ87に露光することとなる。トロイダルミラー83の横にはX線角度検出器66が設けてあり、X線ビーム64の角度が検出される。X線角度検出器66には図9に示すような2枚のコリメータ(光源側すだれコリメータ74a、X線側すだれコリメータ73b)と2つの電離箱型X線検出器90を用いる。本実施形態では、光源側すだれコリメータ74a及びX線側すだれコリメータ73bには、それぞれ4mmピッチで幅2mm、長さ10mmの複数のスリット75を有する厚さ0.1mmのステンレス板を用いる。光源側すだれコリメータ74aとX線検出器側すだれコリメータ74bはX線ビーム64aの進行方向に設置され、両者の間隔は500mmとする。また光源側すだれコリメータ74a及びX線側すだれコリメータ73bのスリット75は長手方向がシンクロトロン電子軌道面に対して直交する方向に設置される。さらにX線検出器側すだれコリメータ74bのスリットは光源側すだれコリメータ74aに対して、シンクロトロン電子軌道面内でX線ビーム64aに直交する方向に1mmオフセットして設置されている。2つの電離箱型X線検出器90のうち、1つはX線検出器側すだれコリメータ74bの直後に設置され、またもう1つはすだれコリメータに遮られないでX線ビーム64bを受ける位置に配置される。
【0037】
シンクロトロン放射光光源63から放射されたX線ビーム64aはまず光源側すだれコリメータ74aを通過し、さらにX線検出器側すだれコリメータ74bを通過し、X線検出器側すだれコリメータ74bの直後に設置された電離箱型X線検出器90に入射する。このとき、入射量に比例した信号S1を出力する。X線検出器側すだれコリメータ74bの直後に設置された電離箱型X線検出器90に入射するX線ビーム64aの量はシンクロトロン放射光光源63の強度が一定ならば、シンクロトロン放射光光源63から放射されたX線ビーム64aの角度の関数である。光源側すだれコリメータ74a及びX線側すだれコリメータ73bを通過しないX線ビーム64bを受ける位置に配置される電離箱型X線検出器90の出力信号S2はシンクロトロン放射光光源63の強度に比例するので、図10に示すようにS1/S2はX線ビームの角度の関数となる。
【0038】
本実施形態では幅2mmの光源側スリット板44aとX線検出器側すだれコリメータ74bの距離が500mmなので、例えばX線ビーム64の角度が1mrad変動した場合、S1/S2が10%変動する。すなわち、S1/S2が10%変動した場合、X線ビーム64の角度の変動は1mradということになり、この関係より角度を容易に把握できる。
【0039】
次に本実施形態における、角度補正の方法に関して説明する。本実施形態では、シンクロトロン放射光光源63の電子軌道61を動かすことでX線ビーム64の角度の補正を行う。すなわち、照明光学系であるシンクロトロン放射光光源63の電子軌道61を電子軌道補正電磁石88により動かし、まず試し露光を行い、露光強度がウエハ87の露光領域内で均一かつ高い値を示す配置を求め、この時のX線角度検出器66の出力を位置ずれ演算回路89に記憶させる。露光時には、X線角度検出器66の出力が、試し露光時に記憶した値と同じ値となるように、電子軌道補正電磁石88の励磁力を調整し、電子軌道61の位置を補正する。
【0040】
以上、第1の実施形態から第3の実施形態まで、X線ビームの入射角の検出手段及び補正手段に関して述べたが、これらの手段は上述した以外の、どのような組み合わせでもよい。また、その組み合わせはX線顕微鏡あるいはX線露光装置のいずれにも利用可能な手段である。
【0041】
次に上記説明した露光装置または露光方法を利用したデバイス製造方法の実施形態を説明する。図11は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。図12は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶緑膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハにレジストを塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置または露光方法によってマスクの回路パターンをウエハの複数ショット領域に並べて焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態の生産方法を用いれば、従来は製造が難しかった大型のデバイスを低コストに製造することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンクロトロン放射光光源から放射されるX線ビームの角度を検出し、角度補正を行うことで、常に高い強度のX線ビームを得ることが可能となり、これによりX線顕微鏡においては試料の高精度な観測を可能とし、またX線露光装置においてはウエハに常に高精度なパターン転写が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態であるX線顕微鏡の概略構成図である。
【図2】図1に示したX線顕微鏡のX線角度検出器の一例の構成を示す。
【図3】図1に示したX線顕微鏡のX線角度検出器の他の例の構成を示す図である。
【図4】図3に示した構成によるX線角度検出器の出力を示すグラフである。
【図5】第2の実施形態であるX線顕微鏡の概略構成図である。
【図6】図5に示したX線顕微鏡のX線角度検出器の一例の構成を示す図である。
【図7】図6に示した構成によるX線角度検出器の出力を示すグラフである。
【図8】第3の実施形態であるX線露光装置の概略構成図である。
【図9】図8に示したX線顕微鏡のX線角度検出器の一例の構成を示す図である。
【図10】図9に示した構成によるX線角度検出器の出力を示すグラフである。
【図11】微小デバイスの製造のフローを説明する図である。
【図12】ウエハプロセスの詳細なフローを説明する図である。
【図13】従来のシンクロトロン放射光光源を用いたX線顕微鏡を説明する図である。
【図14】従来のシンクロトロン放射光光源を用いたX線顕微鏡における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1、31、61、91 電子軌道
2、32、62、92 発光点
3、33、63、93 シンクロトロン放射光光源
4、34、34a、34b、64、64a、64b、94 X線ビーム
5、35、95 集光鏡
6、36、66、96 X線角度検出器
7、37、97 試料
8、38、98 シュワルツシルト投影光学系
9、39、99 X線検出器
10、40 角度ずれ演算回路
11 ステージ
12 ステージ駆動機構
13 定盤
14 スリット板
15、45、75 スリット
16 1次元位置検出型X線検出器
17 2分割型X線検出器
44a 光源側スリット板
44b X線検出器側スリット板
50 平面鏡
51 平面鏡駆動機構
52 シンチレーション型X線検出器
74a 光源側すだれコリメータ
74b X線検出器側すだれコリメータ
83 トロイダルミラー
84 シリンドリカルミラー
85 ベリリウム窓
86 マスク
87 ウエハ
88 電子軌道補正電磁石
89 位置ずれ演算回路
90 電離箱型X線検出器
91a 正規の電子軌道
91b ずれた電子軌道
101 試料観測部

Claims (10)

  1. 光源から放射されたX線ビームを被照射物に導く学装置において、
    前記光源から放射された前記X線ビームが入射する位置に配置され、中央に穴が設けられた集光鏡と、
    前記集光鏡の前記穴を通過した前記X線ビームを受けて、その入射角を検出する検出手段と、
    前記集光鏡により集光された前記X線ビームが入射するシュワルツシルト投影光学系と、
    前記検出手段での検出結果に基づいて記入射角を補正する補正手段とを有することを特徴とする光学装置。
  2. 前記検出手段は、前記X線ビームが通過するスリットが設けられたスリット板と、前記スリットを通過した前記X線ビームが照射する位置に配置された少なくとも1次元の位置検出機能を有する光センサとを有する請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記検出手段は、前記X線ビームが通過するスリットが設けられたスリット板と、前記スリットを通過した前記X線ビームが照射する位置に配置された2分割の光センサとを有する請求項1に記載の光学装置。
  4. 前記検出手段は、前記X線ビームが進行する方向に間隔をおいて配置され、それぞれ前記X線ビームが通過するスリットが設けられた2枚のスリット板と、前記2枚のスリット板を通過した前記X線ビームが照射する位置に配置された第1の光センサと、前記2枚のスリット板を通過せずに前記X線ビームが照射する位置に配置された第2の光センサとを有する請求項1に記載の光学装置。
  5. 前記検出手段は、前記X線ビームが進行する方向に間隔をおいて配置され、それぞれ前記X線ビームが通過するスリットが設けられた2枚のすだれコリメータと、前記2枚のすだれコリメータを通過した前記X線ビームが照射する位置に配置された第1の光センサと前記2枚のすだれコリメータを通過せずに前記X線ビームが照射する位置に配置された第2の光センサとを有する請求項1に記載の光学装置。
  6. 前記正手段は、前記集光鏡、前記検出手段および前記シュワルツシルト投影光学系が設置された定盤を駆動させる駆動機構とを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記正手段は、前記光源から放射された前記X線ビームの進行方向を変える反射鏡を動させる駆動機構とを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 前記正手段は、前記光源の電子軌道を動させる電磁石とを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学装置。
  9. X線ビームを試料に照射し、前記試料を透過した前記X線ビームを検出することで前記試料を観察するX線顕微鏡であって、
    前記X線ビームを放射する光源と、
    請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学装置と、
    前記試料を透過した前記X線ビームを検出する第2の検出手段とを有するX線顕微鏡。
  10. X線ビームをマスクに照射し、前記マスクのパターンをウエハに転写するX線露光装置であって、前記X線ビームを放射する光源と、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学装置とを有するX線露光装置。
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