JP3927633B2 - 配管用止水栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インナーパイプやケーブルの外周面と、このインナーパイプやケーブルを通す配管孔の内周面との間の隙間をシールする配管用止水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の配管用止水栓としては、弾性部材を軸方向に圧縮することによって、同弾性部材を軸方向と交差する方向に膨出させ、これによってインナーパイプやケーブル(外周部がパイプ状に形成されている)の外周面と、このインナーパイプやケーブルを通す配管孔の内周面との間の隙間をシールするように構成したものが知られている。
【0003】
このように構成された配管用止水栓は、例えば光通信ケーブルを埋設する場合に使用されることがある。この場合、光通信ケーブルはインナーパイプに挿入されて、マンホール間に埋設されることになるが、配管用止水栓はマンホールの壁部に設けられた配管孔と、上記インナーパイプとの間の隙間を埋め、水が配管孔を通ってマンホール内に侵入するのを防止するようになっている。
【0004】
また、配管用止水栓のなかには、複数のパイプと配管孔との間をシールするように構成したものがある。このような配管用止水栓は、複数の各パイプが嵌まる嵌合孔を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記複数のパイプと配管孔との間をシールする配管用止水栓においては、各パイプの端部から弾性部材を嵌め込んだ後、この弾性部材を各パイプに沿って配管孔の位置まで移動しなければならず、全パイプに対する大きな摺動抵抗がかかる上に、パイプの端部から配管孔の位置まで長い距離を移動しなければならないという問題がある。すなわち、弾性部材を配管孔に対応する所定の位置に設置するのに大きな労力を要するという問題があった。
【0006】
この発明は上述した問題を解消するためになされたもので、その目的は、少なくとも弾性部材の移動距離を短くすることによって、設置のための労力を軽減することのできる配管用止水栓を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、弾性部材(2)を軸方向に圧縮することによって、同弾性部材(2)を軸方向と交差する方向に膨出させ、これによって複数の各パイプ(31、32、33)の外周面とこれらのパイプ(31、32、33)を通す配管孔(40a)の内周面との間の隙間をシールする配管用止水栓であって、前記弾性部材(2)は、各パイプ(31、32、33)がそれぞれ嵌まるように形成された嵌合孔(2a、2b、2c)を有しているとともに、各嵌合孔(2a、2b、2c)を2等分するように切り込まれたスリット(2d、2e、2f)によって、複数に分割されるようになっており、弾性部材(2)は、軸方向の各端面側の部分が相対的に硬度の高い高硬度弾性部材(21)によって構成され、軸方向の中央寄りの部分が相対的に硬度の低い低硬度弾性部材(22)によって構成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、高硬度弾性部材(21)には、軸方向の中央寄りの外周部に周方向に延びる溝(21a)が形成されており、この溝(21a)には、低硬度弾性部材(22)が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、溝(21a)には、水が侵入する側の位置に水を吸収して膨潤する水膨潤性弾性部材(23)が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、高硬度弾性部材(21)は、軸方向の各端面側に少なくとも2つ設けられ、低硬度弾性部材(22)は、各高硬度弾性部材(21)に挟まれるようにして少なくとも1つ設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、各高硬度弾性部材(21)の間には、水が侵入する側の位置に水を吸収して膨潤する水膨潤性弾性部材(23)が設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に係る発明において、弾性部材(2)の嵌合孔(2a、2b、2c)と、パイプ(31、32、33)の外周面との間には、これらの間の隙間を埋めるように弾性変形自在な筒状のアダプター(9)を設けたことを特徴としている。
【0013】
請求項7に係る発明は、弾性部材(2)を軸方向に圧縮することによって、同弾性部材(2)を軸方向と交差する方向に膨出させ、これによって複数の各パイプ(31、32、33)の外周面とこれらのパイプ(31、32、33)を通す配管孔(40a)の内周面との間の隙間をシールする配管用止水栓であって、前記弾性部材(2)は、各パイプ(31、32、33)がそれぞれ嵌まるように形成された嵌合孔(2a、2b、2c)を有しているとともに、各嵌合孔(2a、2b、2c)を2等分するように切り込まれたスリット(2d、2e、2f)によって、複数に分割されるようになっており、弾性部材(2)の嵌合孔(2a、2b、2c)と、パイプ(31、32、33)の外周面との間には、これらの間の隙間を埋めるように弾性変形自在な筒状のアダプター(9)を設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に係る発明において、アダプター(9)は、複数の筒状部材(91)によって層状に構成されており、パイプ(31、32、33)の外周面の径又は嵌合孔(2a、2b、2c)の径に応じて、筒状部材(91)の着脱が可能になっていることを特徴としている。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、アダプター(9)は、軸方向に延びる一つのスリット(9a)によって壁部が切断されており、このスリット(9a)の部分を周方向に広げることによって、各筒状部材(91)が着脱可能になっていることを特徴としている。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項8又は請求項9に係る発明において、各筒状部材(91)は、パイプ(31、32、33)の外周面の径に応じて着脱が可能になっているものであって、互いに重なり合う部分の内周面に凹状に形成され、外周面に凸状に形成された凹凸よって、軸方向のずれが互いに規制されていることを特徴としている。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項8又は請求項9に係る発明において、各筒状部材(91)は、嵌合孔(2a、2b、2c)の径に応じて着脱が可能になっているものであって、互いに重なり合う部分の外周面に凹状に形成され、内周面に凸状に形成された凹凸よって、軸方向のずれが互いに規制されていることを特徴としている。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に係る発明において、弾性部材(2)の軸方向の各端面には、同弾性部材(2)を軸方向に圧縮するための押板(5)が設けられており、各押板(5)は、各嵌合孔(2a、2b、2c)に対応する位置に各パイプ(31、32、33)を通すための貫通孔(51、52、53)を有しているとともに、弾性部材(2)に切り込まれたスリット(2d、2e、2f)に対応する位置に切り込まれたスリット(5a、5b、5c)によって複数に分割されるようになっていることを特徴としている。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明において、各押板(5)と各弾性部材(2)とを位置決めするピン(8)が設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項14に係る発明は、請求項1ないし請求項13のいずれか一項に係る発明において、各弾性部材(2)同士が接着されていることを特徴としている。
【0021】
そして、請求項1および請求項7に係る発明においては、各嵌合孔(2a、2b、2c)を2等分するように切り込まれたスリット(2d、2e、2f)によって、弾性部材(2)が複数に分割されるようになっているから、配管孔(40a)の近傍において、弾性部材(2)を各パイプ(31、32、33)に取り付けることができる。したがって、各パイプ(31、32、33)に対する弾性部材(2)の摺動抵抗が大きくても、その移動距離が短いから、配管孔(40a)に対応する所定の位置に設置するための労力を軽減することができる。
【0022】
また、請求項1に係る発明においては、例えば同一種類の弾性部材を軸方向に圧縮した場合、両端面に近い部分の膨出量が大きく、中央寄りの部分の膨出量が小さい傾向にあるが、中央寄りの部分を低硬度弾性部材(22)で構成しているから、弾性部材(2)の全体にわたって一定の膨出量を得ることができる。したがって、弾性部材(2)の両端部の膨出量が大きいために、同両端部が局部的にへたって弱くなり弾性がなくなるようなことを防止することができ、防水性を長期にわたって良好に維持することができる。
【0023】
請求項2に係る発明においては、高硬度弾性部材(21)に形成した溝(21a)に低硬度弾性部材(22)を設けることによって、両端面側に高硬度弾性部材(21)を有し、中央寄りに低硬度弾性部材(22)を有する弾性部材(2)を簡単に製造することができる。
【0024】
請求項3に係る発明においては、高硬度弾性部材(21)に形成した溝(21a)には水が侵入する側の位置に水膨潤性弾性部材(23)が設けられているから、特に配管孔(40a)の内周面に対する防水性の向上を図ることができる。
【0025】
請求項4に係る発明においては、少なくとも2つの高硬度弾性部材(21)の間に、少なくとも1つの低硬度弾性部材(22)を挟むようにして重ねることにより、両端面側に高硬度弾性部材(21)を有し、中央寄りに低硬度弾性部材(22)を有する弾性部材(2)を簡単に製造することができる。
【0026】
請求項5に係る発明においては、水が侵入する側の高硬度弾性部材(21)と低硬度弾性部材(22)とで水膨潤性弾性部材(23)を挟みつけた状態になる。そして、この水膨潤性弾性部材(23)によって、配管孔(40a)の内周面に対しても、各パイプ(31、32、33)の外周面に対しても、防水性の向上を図ることができる。
【0027】
請求項6および請求項7に係る発明においては、嵌合孔(2a、2b、2c)より径の小さなパイプ(31、32、33)であっても、アダプター(9)によって、嵌合孔(2a、2b、2c)とパイプ(31、32、33)との間の隙間を埋めることができる。したがって、種々の径のパイプ(31、32、33)に対しても防水効果を得ることができる。
【0028】
請求項8に係る発明においては、アダプター(9)が複数の筒状部材(91)によって構成されているから、各筒状部材(91)の弾性変形を利用して、内側の筒状部材(91)を外したり、外側の筒状部材(91)を外したりすることによって、アダプター(9)の内径をパイプ(31、32、33)の外径に合わせたり、アダプター(9)の外径を嵌合孔(2a、2b、2c)の内径に合わせたりすることができる。したがって、特に工事現場において、施工能率の向上を図ることができる。
【0029】
請求項9に係る発明においては、アダプター(9)にスリット(9a)が形成されているから、このスリット(9a)の部分を周方向に開くことによって、内側及び外側の筒状部材(91)を極めて簡単に着脱することができる。
【0030】
請求項10に係る発明においては、各筒状部材(91)における互いに重なり合う部分の内周面に凹状に形成され、外周面に凸状に形成された凹凸よって、各筒状部材(91)の軸方向のずれを防止することができる。しかも、各筒状部材(91)の内周面には凹状に形成された部分があるだけであり、凸状のものがないから、筒状部材(91)の着脱によって、パイプ(31、32、33)の外周面に対するアダプター(9)の密着性が損なわれることがない。
【0031】
請求項11に係る発明は、各筒状部材(91)の軸方向のずれを防止することができるとともに、各筒状部材(91)の外周面には凹状に形成された部分があるだけであるから、筒状部材(91)の着脱によって、嵌合孔(2a、2b、2c)の内周面に対するアダプター(9)の密着性が損なわれることがない。
【0032】
請求項12に係る発明においては、弾性部材(2)とともに分割される押板(5)によって、弾性部材(2)を軸方向に圧縮することができる。
【0033】
請求項13に係る発明においては、スリット(2d、2e、2f)(5a、5b、5c)の部分で分割された状態になっていても、分割された各押板(5)と各弾性部材(2)とをピン(8)によって位置決めすることができるから、それぞれ分割されたものにおいて、押板(5)と弾性部材(2)とがばらばらになるのを防止することができる。したが って、各パイプ(31、32、33)に押板(5)及び弾性部材(2)を嵌め付けるのが簡単になる。
【0034】
請求項14に係る発明においては、各パイプ(31、32、33)に弾性部材(2)を嵌め付けた後、例えばスリット(2d、2e、2f)の部分で各弾性部材(2)同士を接着することにより、弾性部材(2)を一体化することができる。この場合には、弾性部材(2)を配管孔(40a)まで移動する際に、例えば各パイプ(31、32、33)に対して潤滑剤を使用したとしても、その潤滑剤がスリット(2d、2e、2f)の部分から外側に食み出すのを防止することができる。
【0035】
また、低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)を溝(21a)に接着することによって、これらの低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)と高硬度弾性部材(21)とを強固に一体化することができる。
【0036】
さらに、高硬度弾性部材(21)、低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)を重ねるようにして接着した場合には、これらの重ね合わせ部から上記潤滑剤が外側に食み出すのを防止することができる。
【0037】
なお、弾性部材(2)を軸方向に圧縮した際には、上記スリット(2d、2e、2f)の部分も、高硬度弾性部材(21)、低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)の互いに重ね合わせた部分も、強固に密着した状態になるので、上述した接着剤がなくても、スリット(2d、2e、2f)の部分あるいは重ね合わせ部を通って水が漏れることがない。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図10を参照して説明する。なお、図1〜図3は第1の実施形態、図4〜図6は第2の実施の形態、図7〜図8は第3の実施の形態、図9は第4の実施の形態、図10は第5の実施の形態、図11〜図13は第6の実施の形態を示している。
【0039】
まず、図1〜図3を参照して第1の実施の形態について説明する。この実施の形態で示す配管用止水栓1は、図1〜図3に示すように、弾性部材2を軸方向に圧縮することによって、同弾性部材2を軸方向と交差する方向に膨出させ、これによって、例えばポリエチレン製の2つのパイプ31、32及び1つのケーブル33の各外周面と、これらのパイプ31、32及びケーブル33を通す配管孔40a(図2参照)の内周面との間の隙間をシールするように構成されたものである。そして、パイプ31、32は同一の径に形成され、ケーブル33は外周部がパイプ状に形成されたものであり、他の2つのパイプ31、32より小径に形成されている。
【0040】
弾性部材2は、配管孔40aに容易に嵌まる外径の円柱状に形成されたものであり、各パイプ31、32及びケーブル33がそれぞれ嵌まるように形成された嵌合孔2a、2b、2cを有しているとともに、各嵌合孔2a、2b、2cを2等分するように切り込まれたスリット2d、2e、2fによって、3つに分割されるようになっている。各嵌合孔2a、2b、2cは、各パイプ31、32及びケーブル33が容易に嵌まる径に形成されている。
【0041】
また、弾性部材2は、軸方向の各端面側の部分が相対的に硬度の高い高硬度弾性部材21によって構成され、軸方向の中央寄りの部分が相対的に硬度の低い低硬度弾性部材22によって構成されている。そして、この実施の形態では、2つの高硬度弾性部材21によって低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23を挟み付けた状態になっている。すなわち、弾性部材2は、高硬度弾性部材21、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23を互いに重ね合わせたもので構成されている。
【0042】
上記高硬度弾性部材21は、ショア硬度(Hs)が60〜80のエチレンプロピレンゴム製のもので構成されており、低硬度弾性部材22は、ショア硬度が20〜60のエチレンプロピレンゴム製のもので構成されている。また、水膨潤性弾性部材23は、各高硬度弾性部材21、21間における水が侵入する側に配置されており、水を吸収して膨潤するエチレンプロピレンゴム製のもので構成されている。この水膨潤性弾性部材23のショア硬度は20〜30である。
【0043】
一方、配管孔40aは、立坑4の壁部40に空けられたものである。立坑4は、地表から地中に垂直に形成されたものであり、複数のものが設置されている。そして、各立坑4間にパイプ31、32及びケーブル33、その他のパイプ等がわたされており、各パイプを通して光通信ケーブルや通常のケーブル等が埋設されるようになっている。
【0044】
また、弾性部材2の軸方向の各端面には、同弾性部材2を軸方向に圧縮するためのプラスチック製の押板5が設けられている。各押板5は、嵌合孔2a、2b、2cに対応する位置に各パイプ31、32及びケーブル33を通すための貫通孔51、52、53を有しているとともに、弾性部材2の各スリット2d、2e、2fと同位置に形成されたスリット5a、5b、5cによって3つに分割されるようになっている。
【0045】
このようにして分割された各弾性部材2及び押板5は、それぞれボルト6及びナット7によって、圧縮されるようになっている。また、分割された各押板5及び各弾性部材2は、ピン8によって、各スリット2d、2e、2f及びスリット5a、5b、5cの位置がそろえられている。すなわち、ピン8は、それぞれ分割されたものにおける各押板5及び各弾性部材2の位置決めをするようになっている。このピン8は、立坑4の内側に位置する押板5の取付孔5dに固定され、弾性部材2の位置きめ孔2g及び他の押板5の位置決め孔5eに嵌合するようになっている。取付孔5dは、有底のもので形成されており、この取付孔5dを介して水が立坑4内に侵入するのを防止するようになっている。
【0046】
また、分割された各押板5及び各弾性部材2は、押板5、高硬度弾性部材21、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23がそれぞれ互いに重なるようにして接着されている。なお、押板5を除く高硬度弾性部材21、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23のみを互いに接着するようにしてもよい。
【0047】
さらに、分割された各押板5及び各弾性部材2は、各パイプ31、32及びケーブル33に嵌め付けた後、スリット2d、2e、2f及びスリット5a、5b、5cの部分で接着され、押板5及び弾性部材2を一体化するようになっている。なお、弾性部材2のみをスリット2d、2e、2fの部分で接着するように構成してもよい。
【0048】
一方、立坑4の内側に位置する押板5には、図1に示すように、最も小径の貫通孔53の立坑4の内側寄りの端部に段差部53aが形成されている。この段差部53aは、ケーブル径の差を調整するアダプターを装着する時に、このアダプターが軸方向に移動するのを防止するためのものである。
【0049】
さらに、立坑4の内側に位置する押板5は、同内側の部分の径が配管孔40aより大きく形成されており、この拡径された部分は配管孔40aに対する位置決め用のストッパ5fになっている。
【0050】
上記のように構成された配管用止水栓1においては、各嵌合孔2a、2b、2c及び各貫通孔51、52、53のそれぞれを2等分するように切り込まれたスリット2d、2e、2f及びスリット5a、5b、5cによって、弾性部材2及び押板5が3つに分割されるようになっているから、配管孔40aの近傍において、弾性部材2及び押板5を各パイプ31、32及びケーブル33に取り付けることができる。したがって、各パイプ31、32及びケーブル33に対する弾性部材2の摺動抵抗が大きくても、同弾性部材2を移動する距離が短いから、配管孔40aに対応する所定の位置に設置するための労力を軽減することができる。
【0051】
また、ボルト6及びナット7によって、弾性部材2を、押板5を介して容易に圧縮することができる。
【0052】
そして、例えば同一種類の弾性部材を軸方向に圧縮した場合には、両端面に近い部分の膨出量が大きく、中央寄りの部分の膨出量が小さい傾向になるが、中央寄りの部分を低硬度弾性部材22や水膨潤性弾性部材23の硬度の低いもので構成しているから、弾性部材2の全体にわたって一定の膨出量を得ることができる。したがって、弾性部材2の両端部の膨出量が大きいために、同両端部が局部的にへたって弱くなり弾性がなくなるようなことを防止することができ、防水性を長期にわたって良好に維持することができる。
【0053】
さらに、水が侵入する側に水膨潤性弾性部材23が設けられているから、配管孔40aの内周面に対しても、各パイプ31、32及びケーブル33の外周面に対しても、防水性の向上を図ることができる。
【0054】
また、各パイプ31、32及びケーブル33に弾性部材2及び押板5を嵌め付けた後、スリット2d、2e、2f及びスリット5a、5b、5cの部分で各弾性部材2同士及び各押板5同士を接着することにより、弾性部材2及び押板5を一体化することができる。この場合には、弾性部材2及び押板5を配管孔40aまで移動する際に、例えば各パイプ31、32及びケーブル33に対して潤滑剤を使用したとしても、その潤滑剤がスリット2d、2e、2fやスリット5a、5b、5cの部分から外側に食み出すのを防止することができる。すなわち、配管孔40aと弾性部材2との間に潤滑剤が入って、同弾性部材5が配管孔4aから抜けやすくなるのを防止することができる。
【0055】
さらに、押板5、高硬度弾性部材21、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23を重ねるようにして接着しているから、これらの重ね合わせ部から上記潤滑剤が外側に食み出すのを防止することができる。したがって、配管孔40aと弾性部材2との間に潤滑剤が入って、同弾性部材5が配管孔4aから抜けやすくなるのを防止することができる。
【0056】
なお、弾性部材2を軸方向に圧縮した際には、上記スリット2d、2e、2fの部分も、高硬度弾性部材21、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23の互いに重ね合わせた部分も、強固に密着した状態になるので、上述した接着剤がなくても、スリット2d、2e、2fの部分あるいは重ね合わせ部を通って水が漏れることがない。
【0057】
また、各押板5及び弾性部材2がスリット2d、2e、2f及びスリット5a、5b、5cの部分で分割された状態になっているが、分割された各押板5と各弾性部材21、22、23とがピン8によって位置決めされた状態になっているから、それぞれ分割された押板5、高硬度弾性部材21、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23とがばらばらになることがない。したがって、分割された各押板5、各弾性部材21、22、23を正確に位置合わせして接着することができるとともに、接着直後であっても各パイプ31、32及びケーブル33に押板5及び弾性部材2を簡単に嵌め付けることができる。また、接着しなくても各押板5、各弾性部材21、22、23を各パイプ31、32及びケーブル33に簡単に嵌め付けることができる。
【0058】
次ぎに、この発明の第2の実施の形態を図4〜図6を参照して説明する。この第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、シールすべきパイプの数が2つになっている点である。
【0059】
すなわち、弾性部材2は、大小の2つの嵌合孔2a、2bを有するものとなっている。ただし、スリット2dは、各嵌合孔2a、2bを2等分するように一本だけ設けられている。同様にして、押板5は、2つの貫通孔51、52を有し、一本のスリット5aによって2つに分割されている。そして、立坑4の内側に位置する押板5には、図4に示すように、径の小さな貫通孔52の立坑4の内側寄りの端部に段差部52aが形成されている。
【0060】
その他、第1の実施の形態と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、位置決め用のピンについては、図示していないが、図2に示したピン8と同様のピンが配置された状態になっている。
【0061】
次ぎに、この発明の第3実施の形態を図7及び図8を参照して説明する。この第3の実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、2つのパイプ31、32が同一の径に形成されている点である。
【0062】
すなわち、弾性部材2は、同一径の2つの嵌合孔2a、2bを有するものとなっている。同様にして、押板5は、同一径の2つの貫通孔51、52を有している。そして、立坑4の内側に位置する押板5には、図7に示すように、一方の貫通孔52の立坑4の内側寄りの端部に段差部52aが形成されている。
【0063】
その他、第2の実施の形態と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、位置決め用のピンについては、図示していないが、図2に示したピン8と同様のピンが配置された状態になっている。
【0064】
次ぎに、この発明の第4実施の形態を図9を参照して説明する。この第4の実施の形態が第3の実施の形態と異なる点は、2つの貫通孔51、52のいずれ側にも段差部がない点である。
【0065】
その他、第3の実施の形態と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、位置決め用のピンについては、図示していないが、図2に示したピン8と同様のピンが配置された状態になっている。
【0066】
次ぎに、この発明の第5の実施の形態を図10を参照して説明する。この第5実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23が高硬度弾性部材21に形成された溝21aに設けられている点である。
【0067】
すなわち、高硬度弾性部材21には、軸方向の中央寄りの外周部に周方向に延びる溝21aが形成されており、この溝21aには、リング状に形成された低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23が嵌合されている。ただし、水膨潤性弾性部材23は、低硬度弾性部材22よりも水が侵入する上流側の位置に設けられている。そして、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23は、溝21aに接着されており、高硬度弾性部材21と一体化されている。
【0068】
上記のように構成された配管用止水栓1においては、高硬度弾性部材21に形成した溝21aに低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23を設けることによって、両端面側に高硬度弾性部材21を有し、中央寄りに低硬度弾性部材22を有する弾性部材2を簡単に製造することができる。しかも、水が侵入する側に設けた水膨潤性弾性部材23によって、特に配管孔40aの内周面に対する防水性の向上を図ることができる。
【0069】
また、低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23を溝21aに接着することによって、これらの低硬度弾性部材22及び水膨潤性弾性部材23と高硬度弾性部材21とを強固に一体化することができる。
【0070】
その他、第1の実施の形態と同一に構成されているので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
次ぎに、この発明の第6の実施の形態を図11〜図13を参照して説明する。
【0072】
この実施の形態は、上述の第1〜第5実施の形態で示した各パイプ31、32あるいはケーブル33の径と、各嵌合孔2a、2b、2cの径との差を調整するアダプター9を設けたものである。
【0073】
すなわち、図11〜図13に示すアダプター9は、例えば図1に示す嵌合孔2cの内側に配置され、より細いケーブル33に対しても止水が行われるようにしたものである。つまり、アダプター9は、弾性部材2の嵌合孔2cと、ケーブル33の外周面との間の隙間を埋めるためのものである。
【0074】
そして、アダプター9は、図11〜図13に示すように、ゴム状の弾性を有する複数の筒状部材91によって層状に構成されており、ケーブル33の外周面の径に応じて、筒状部材91の着脱が可能になっている。しかも、アダプター9は、軸方向に延びる一つのスリット9aによって壁部が切断されており、このスリット9aの部分を周方向に広げることによって、各筒状部材91が容易に着脱することが可能になっている。また、各筒状部材91は、互いに重なり合う内周面及び外周面に、互いに嵌合し合う凹部91a及び凸部91bが形成されている。
【0075】
すなわち、各筒状部材91の互いに重なり合う一方の面である内周面には、周方向に延びる凹部91aが形成され、他方の面である外周面には、周方向に延びる凸部91bが形成されている。
【0076】
また、最外周に位置する筒状部材91には、図11及び図12に示すように、その両端部外周に、段差部53a(図1参照)に嵌合するフランジ部91cが形成されている。すなわち、アダプター9は、フランジ部91cが弾性部材2の段差部53aに嵌合することにより、同弾性部材2に対して軸方向に移動しないようになっている。
【0077】
上記のように構成されたアダプター9を有する配管用止水栓においては、嵌合孔2cより径の小さなケーブル33であっても、アダプター9によって、嵌合孔2cと、ケーブル33との間の隙間を埋めることができる。したがって、種々の径のケーブル33に対しても水漏れを防止することができる。
【0078】
しかも、アダプター9が複数の筒状部材91によって構成されているから、内側の筒状部材91を着脱することによって、種々の径のケーブル33にアダプター9の内径を合わせることができる。したがって、特に工事現場において、施工能率の向上を図ることができる。
【0079】
さらに、アダプター9にスリット9aが形成されているから、このスリット9aの部分を周方向に開くことによって、筒状部材91を極めて簡単に着脱することができる。
【0080】
また、各筒状部材91における互いに重なり合う部分の内周面に凹部91aが形成され、外周面に凸部91bが形成されているから、各筒状部材91の軸方向のずれを防止することができる。しかも、各筒状部材91の内周面には凹部91aが形成されているだけであり、凸部91bのようなものがないから、筒状部材91の着脱によって、ケーブル33の外周面に対するアダプター9の密着性が損なわれることがない。
【0081】
なお、上記第6の実施の形態においては、アダプター9を図1に示す嵌合孔2cと、ケーブル33との間に設けるように構成したが、このアダプター9は他の嵌合孔2a、2bと、パイプ31、32との間に設けるようにしてもよい。例えば、図4や図7に示す嵌合孔2bと、パイプ32との間にアダプター9を設けてもよい。この場合には、アダプター9のフランジ部91cが段差部52aに嵌合することになる。
【0082】
また、上記第6の実施の形態においては、各筒状部材91の内周面に凹部91aを形成し、外周面に凸部91bを形成するように構成したが、これとは全く反対に、各筒状部材91の外周面に凹部91aを形成し、内周面に凸部91bを形成するように構成してもよい。このように構成した場合には、各筒状部材91は、例えば嵌合孔2cの径に応じて着脱が可能なものになる。すなわち、各筒状部材91の外周面には凹部91aがあるだけであるから、外側の筒状部材91を取り外したとしても、嵌合孔2cの内周面に対するアダプター9の密着性が損なわれることがない。
【0083】
さらに、上記第6の実施の形態においては、アダプター9にスリット9aを設けるように構成したが、このようなスリット9aのないもので構成してもよい。すなわち、スリット9aがなくても、各筒状部材91の弾性変形を利用して、内側の筒状部材91を着脱したり、外側の筒状部材91を着脱したりすることが可能である。ただし、スリット9aを設けることにより、各筒状部材91の着脱がより簡単になる。
【0084】
【発明の効果】
請求項1および請求項7に係る発明においては、各嵌合孔(2a、2b、2c)を2等分するように切り込まれたスリット(2d、2e、2f)によって、弾性部材(2)が複数に分割されるようになっているから、配管孔(40a)の近傍において、弾性部材(2)を各パイプ(31、32、33)に取り付けることができる。したがって、各パイプ(31、32、33)に対する弾性部材(2)の摺動抵抗が大きくても、その移動距離が短いから、配管孔(40a)に対応する所定の位置に設置するための労力を軽減することができる。
【0085】
また、請求項1に係る発明においては、例えば同一種類の弾性部材を軸方向に圧縮した場合、両端面に近い部分の膨出量が大きく、中央寄りの部分の膨出量が小さい傾向にあるが、中央寄りの部分を低硬度弾性部材(22)で構成しているから、弾性部材(2)の全体にわたって一定の膨出量を得ることができる。したがって、弾性部材(2)の両端部の膨出量が大きいために、同両端部が局部的にへたって弱くなり弾性がなくなるようなことを防止することができ、防水性を長期にわたって良好に維持することができる。
【0086】
請求項2に係る発明においては、高硬度弾性部材(21)に形成した溝(21a)に低硬度弾性部材(22)を設けることによって、両端面側に高硬度弾性部材(21)を有し、中央寄りに低硬度弾性部材(22)を有する弾性部材(2)を簡単に製造することができる。
【0087】
請求項3に係る発明においては、高硬度弾性部材(21)に形成した溝(21a)には水が侵入する側の位置に水膨潤性弾性部材(23)が設けられているから、特に配管孔(40a)の内周面に対する防水性の向上を図ることができる。
【0088】
請求項4に係る発明においては、少なくとも2つの高硬度弾性部材(21)の間に、少なくとも1つの低硬度弾性部材(22)を挟むようにして重ねることにより、両端面側に高硬度弾性部材(21)を有し、中央寄りに低硬度弾性部材(22)を有する弾性部材(2)を簡単に製造することができる。
【0089】
請求項5に係る発明においては、水が侵入する側の高硬度弾性部材(21)と低硬度弾性部材(22)とで水膨潤性弾性部材(23)を挟みつけた状態になる。そして、この水膨潤性弾性部材(23)によって、配管孔(40a)の内周面に対しても、各パイプ(31、32、33)の外周面に対しても、防水性の向上を図ることができる。
【0090】
請求項6および請求項7に係る発明においては、嵌合孔(2a、2b、2c)より径の小さなパイプ(31、32、33)であっても、アダプター(9)によって、嵌合孔(2a、2b、2c)とパイプ(31、32、33)との間の隙間を埋めることができる。したがって、種々の径のパイプ(31、32、33)に対しても防水効果を得ることができる。
【0091】
請求項8に係る発明においては、アダプター(9)が複数の筒状部材(91)によって構成されているから、各筒状部材(91)の弾性変形を利用して、内側の筒状部材(91)を外したり、外側の筒状部材(91)を外したりすることによって、アダプター(9)の内径をパイプ(31、32、33)の外径に合わせたり、アダプター(9)の外径を嵌合孔(2a、2b、2c)の内径に合わせたりすることができる。したがって、特に工事現場において、施工能率の向上を図ることができる。
【0092】
請求項9に係る発明においては、アダプター(9)にスリット(9a)が形成されているから、このスリット(9a)の部分を周方向に開くことによって、内側及び外側の筒状部材(91)を極めて簡単に着脱することができる。
【0093】
請求項10に係る発明においては、各筒状部材(91)における互いに重なり合う部分の内周面に凹状に形成され、外周面に凸状に形成された凹凸よって、各筒状部材(91)の軸方向のずれを防止することができる。しかも、各筒状部材(91)の内周面には凹状に形成された部分があるだけであり、凸状のものがないから、筒状部材(91)の着脱によって、パイプ(31、32、33)の外周面に対するアダプター(9)の密着性が損なわれることがない。
【0094】
請求項11に係る発明は、各筒状部材(91)の軸方向のずれを防止することができるとともに、各筒状部材(91)の外周面には凹状に形成された部分があるだけであるから、筒状部材(91)の着脱によって、嵌合孔(2a、2b、2c)の内周面に対するアダプター(9)の密着性が損なわれることがない。
【0095】
請求項12に係る発明においては、弾性部材(2)とともに分割される押板(5)によって、弾性部材(2)を軸方向に圧縮することができる。
【0096】
請求項13に係る発明においては、スリット(2d、2e、2f)(5a、5b、5c)の部分で分割された状態になっていても、分割された各押板(5)と各弾性部材(2)とをピン(8)によって位置決めすることができるから、それぞれ分割されたものにおいて、押板(5)と弾性部材(2)とがばらばらになるのを防止することができる。したがって、各パイプ(31、32、33)に押板(5)及び弾性部材(2)を嵌め付けるのが簡単になる。
【0097】
請求項14に係る発明においては、各パイプ(31、32、33)に弾性部材(2)を嵌め付けた後、例えばスリット(2d、2e、2f)の部分で各弾性部材(2)同士を接着することにより、弾性部材(2)を一体化することができる。この場合には、弾性部材(2)を配管孔(40a)まで移動する際に、例えば各パイプ(31、32、33)に対して潤滑剤を使用したとしても、その潤滑剤がスリット(2d、2e、2f)の部分から外側に食み出すのを防止することができる。
【0098】
また、低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)を溝(21a)に接着することによって、これらの低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)と高硬度弾性部材(21)とを強固に一体化することができる。
【0099】
さらに、高硬度弾性部材(21)、低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)を重ねるようにして接着した場合には、これらの重ね合わせ部から上記潤滑剤が外側に食み出すのを防止することができる。
【0100】
なお、弾性部材(2)を軸方向に圧縮した際には、上記スリット(2d、2e、2f)の部分も、高硬度弾性部材(21)、低硬度弾性部材(22)あるいは水膨潤性弾性部材(23)の互いに重ね合わせた部分も、強固に密着した状態になるので、上述した接着剤がなくても、スリット(2d、2e、2f)の部分あるいは重ね合わせ部を通って水が漏れることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態として示した配管用止水栓の正面図。
【図2】 同配管用止水栓の側面図。
【図3】 同配管用止水栓の背面図。
【図4】 この発明の第2の実施の形態として示した配管用止水栓の正面図。
【図5】 同配管用止水栓の側面図。
【図6】 同配管用止水栓の背面図。
【図7】 この発明の第3の実施の形態として示した配管用止水栓の正面図。
【図8】 同配管用止水栓の背面図。
【図9】 この発明の第4の実施の形態として示した配管用止水栓の正面図。
【図10】 この発明の第5の実施の形態として示した配管用止水栓の側面図。
【図11】 この発明の第6の実施の形態として示した配管用止水栓であって、同配管用止水栓のアダプターを示す斜視図。
【図12】 同アダプターの半断面図。
【図13】 同アダプターの図であって、図12のXIII矢視図。
【符号の説明】
1 配管用止水栓
2 弾性部材
2a、2b、2c 嵌合孔
2d、2e、2f スリット
21 高硬度弾性部材
21a 溝
22 低硬度弾性部材
23 水膨潤性弾性部材
31、32、33 パイプ
40a 配管孔
5 押板
5a、5b、5c スリット
51、52、53 貫通孔
8 ピン
9 アダプター
9a スリット
91 筒状部材
91a 凹部
91b 凸部
Claims (14)
- 弾性部材(2)を軸方向に圧縮することによって、同弾性部材(2)を軸方向と交差する方向に膨出させ、これによって複数の各パイプ(31、32、33)の外周面とこれらのパイプ(31、32、33)を通す配管孔(40a)の内周面との間の隙間をシールする配管用止水栓であって、
前記弾性部材(2)は、各パイプ(31、32、33)がそれぞれ嵌まるように形成された嵌合孔(2a、2b、2c)を有しているとともに、各嵌合孔(2a、2b、2c)を2等分するように切り込まれたスリット(2d、2e、2f)によって、複数に分割されるようになっており、
弾性部材(2)は、軸方向の各端面側の部分が相対的に硬度の高い高硬度弾性部材(21)によって構成され、軸方向の中央寄りの部分が相対的に硬度の低い低硬度弾性部材(22)によって構成されていることを特徴とする配管用止水栓。 - 高硬度弾性部材(21)には、軸方向の中央寄りの外周部に周方向に延びる溝(21a)が形成されており、この溝(21a)には、低硬度弾性部材(22)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の配管用止水栓。
- 溝(21a)には、水が侵入する側の位置に水を吸収して膨潤する水膨潤性弾性部材(23)が設けられていることを特徴とする請求項2記載の配管用止水栓。
- 高硬度弾性部材(21)は、軸方向の各端面側に少なくとも2つ設けられ、低硬度弾性部材(22)は、各高硬度弾性部材(21)に挟まれるようにして少なくとも1つ設けられていることを特徴とする請求項1記載の配管用止水栓。
- 各高硬度弾性部材(21)の間には、水が侵入する側の位置に水を吸収して膨潤する水膨潤性弾性部材(23)が設けられていることを特徴とする請求項4記載の配管用止水栓。
- 弾性部材(2)の嵌合孔(2a、2b、2c)と、パイプ(31、32、33)の外周面との間には、これらの間の隙間を埋めるように弾性変形自在な筒状のアダプター(9)を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の配管用止水栓。
- 弾性部材(2)を軸方向に圧縮することによって、同弾性部材(2)を軸方向と交差する方向に膨出させ、これによって複数の各パイプ(31、32、33)の外周面とこれらのパイプ(31、32、33)を通す配管孔(40a)の内周面との間の隙間をシールする配管用止水栓であって、
前記弾性部材(2)は、各パイプ(31、32、33)がそれぞれ嵌まるように形成された嵌合孔(2a、2b、2c)を有しているとともに、各嵌合孔(2a、2b、2c)を2等分するように切り込まれたスリット(2d、2e、2f)によって、複数に分割されるようになっており、
弾性部材(2)の嵌合孔(2a、2b、2c)と、パイプ(31、32、33)の外周面との間には、これらの間の隙間を埋めるように弾性変形自在な筒状のアダプター(9)を設けたことを特徴とする配管用止水栓。 - アダプター(9)は、複数の筒状部材(91)によって層状に構成されており、パイプ(31、32、33)の外周面の径又は嵌合孔(2a、2b、2c)の径に応じて、筒状部材(91)の着脱が可能になっていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の配管用止水栓。
- アダプター(9)は、軸方向に延びる一つのスリット(9a)によって壁部が切断されており、このスリット(9a)の部分を周方向に広げることによって、各筒状部材(91)が着脱可能になっていることを特徴とする請求項8記載の配管用止水栓。
- 各筒状部材(91)は、パイプ(31、32、33)の外周面の径に応じて着脱が可能になっているものであって、互いに重なり合う部分の内周面に凹状に形成され、外周面に凸状に形成された凹凸よって、軸方向のずれが互いに規制されていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の配管用止水栓。
- 各筒状部材(91)は、嵌合孔(2a、2b、2c)の径に応じて着脱が可能になっているものであって、互いに重なり合う部分の外周面に凹状に形成され、内周面に凸状に形成された凹凸よって、軸方向のずれが互いに規制されていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の配管用止水栓。
- 弾性部材(2)の軸方向の各端面には、同弾性部材(2)を軸方向に圧縮するための押板(5)が設けられており、
各押板(5)は、各嵌合孔(2a、2b、2c)に対応する位置に各パイプ(31、32、33)を通すための貫通孔(51、52、53)を有しているとともに、弾性部材(2)に切り込まれたスリット(2d、2e、2f)に対応する位置に切り込まれたスリット(5a、5b、5c)によって複数に分割されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の配管用止水栓。 - 各押板(5)と各弾性部材(2)とを位置決めするピン(8)が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の配管用止水栓。
- 各弾性部材(2)同士が接着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の配管用止水栓。
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