JP3927259B2 - 直火型バッチ式金属加熱炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属の焼鈍、焼戻し等の熱処理を行う直火型燃焼加熱方式によるバッチ式金属加熱炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に燃焼によって加熱を行う金属加熱炉において、処理温度での被処理物の酸化が許容されない場合には、ラジアントチューブ等を用いた間接加熱方式が採用されるが、多少の酸化は許容される場合には、加熱効率が高い直火型燃焼加熱方式が採用される。そしてこの方式における温度制御は、排熱損失を低減するために燃焼用空気と燃料の流量を同時に調整して、通常1.1〜1.3程度の一定空気比になるように行われている。なお燃料としては、天然ガス、プロパン、ブタン等の炭化水素系気体燃料が多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の直火型燃焼加熱方式によるバッチ式金属加熱炉には次のような問題点があった。すなわちこの種の加熱炉において、炉内に常温の被処理物を入れて昇温を開始すると、燃焼排気中に蒸気として含まれている燃焼生成水が被処理物に接触して冷却され、その温度が露点よりも低い場合には被処理物の表面に結露する。この露点が比較的高く被処理物の温度との差が大きい場合には、結露した燃焼生成水が再度蒸発するまでの時間が長くなり、この間に被処理物の金属表面に錆が発生する。例えば燃料に天然ガスを用いた場合、空気比が1.1のときの排気の露点は約56℃であり、昇温開始前の被処理物の温度がこれ以下の場合は表面温度が56℃以上になるまで結露し続けることになり、特に冬期に錆が発生し易くなる。本発明はこのような問題点を解消し、この種の金属加熱炉において、結露による錆の発生を防止することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による直火型バッチ式金属加熱炉は、昇温の初期段階において、定常運転時よりも高い4.7以上の空気比でバーナを燃焼させ、炉温が100℃以上に達した後は通常の1.1〜1.3の空気比で燃焼させるようにしたもので、運転初期における熱効率を若干犠牲にすることにより、水を生成する燃料に対する燃焼用空気の混合比を一時的に高くし、それによって炉内の露点を低くすることにより、燃焼排気中の蒸気が被処理物表面に結露するのを防止し、あるいは結露水の再蒸発の時期を早めるようにした点に特徴を有するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による金属加熱炉の一実施例を示したもので、炉体1の上板に設けられた複数のバーナ2から燃焼排気が攪拌用ファン3によって直接炉内を循環するようになっており、4は火炎が直接被処理物5に直射しないための隔板、6は扉である。空気比の切り替えは、炉温センサ(図示せず)の出力でバーナ2への燃料供給量を制御することによって行われる。その場合、複数のバーナのうち一部のバーナへの燃料供給を停止するか、あるいは全てのバーナの燃料供給量を定格値より減らし、燃焼用空気は常に定格流量だけ供給するようにすれば制御が容易である。また昇温時間を短縮するために、燃料供給量は定格値とし、別途炉内への流入空気量を増すようにしてもよい。
【0006】
【実施例】
天然ガスを燃料とし、図1に示すように、通常燃焼時の空気比が1.1のバーナ(燃焼量:3万kcal/h)を4台取り付けた炉(炉内容積:1m×1m×1.5m)において、3台のバーナについては運転開始後、炉温が100℃になるまで燃料の供給を停止するようにした。この間の空気比は4.7、露点は30℃となり、冬期においても結露している時間が短くなったため、錆の発生を防止することができた。図2のグラフは、本発明方式Bによる炉内温度変化を他の方式と比較して示したもので、Aは初期段階で高空気比運転を行わない従来方式、Cは全運転期間を通じて高空気比運転を行うようにした高空気比運転方式、Dは参考のために示したラジアントチューブ方式で、いずれもバーナの能力及び台数等は同一条件で測定したものである。各方式について、炉温が定常温度300℃に達するまでの時間を比較すると、
従来方式(A): 21分 (錆あり)
本発明方式(B): 23分 (錆なし)
高空気比方式(C): 28分 (錆なし)
ラジアントチューブ方式(D): 34分 (錆なし)
となり、本発明方式の加熱効率がきわめて優れていることが分かる。
【0007】
【発明の効果】
本発明による直火型金属加熱炉は上述のように、昇温初期に4.7以上の高空気比でバーナを燃焼させ、炉温が100℃以上に達した後は1.1〜1.3の通常の空気比で燃焼させるものであるから、従来の直火型燃焼加熱方式と比較しても、加熱効率を殆ど損なうことなく、錆の発生を防止することができるという利点があり、またラジアントチューブ等を用いる間接加熱方式と比較すると明らかに加熱効率が高く、また全運転期間中高空気比運転を行う高空気比方式と比較しても、100℃以上では1.1〜1.3の通常の空気比運転を行うので、遥かに高い加熱効率を維持し得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による金属加熱炉の一実施例を示す一部切欠斜視図。
【図2】 同上の加熱炉を用いて本発明方式の性能を測定したグラフ。
【符号の説明】
1 炉体
2 バーナ
3 攪拌用ファン
4 隔板
5 被処理物
6 扉
Claims (1)
- 昇温の初期段階に定常運転時よりも高い4.7以上の空気比で運転し、炉温が100℃以上に達した後は通常の1.1〜1.3の空気比で運転することを特徴とする直火型バッチ式金属加熱炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17995296A JP3927259B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 直火型バッチ式金属加熱炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17995296A JP3927259B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 直火型バッチ式金属加熱炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108131A JPH108131A (ja) | 1998-01-13 |
JP3927259B2 true JP3927259B2 (ja) | 2007-06-06 |
Family
ID=16074834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17995296A Expired - Lifetime JP3927259B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 直火型バッチ式金属加熱炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3927259B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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-
1996
- 1996-06-19 JP JP17995296A patent/JP3927259B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH108131A (ja) | 1998-01-13 |
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