JP3926944B2 - 郵便物読取装置、および郵便物読取方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーソルモードの宛名読取りを行う郵便物読取装置、および郵便物読取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
郵便物上の画像を光学的に読取り、この読取画像から行領域を検出し、この検出行領域から文字領域を検出し、この検出文字領域の画像を文字として認識し、この認識文字から宛名を認識する郵便物読取装置がある。
【0003】
この郵便物読取装置では、印刷された同一種類の大量の郵便物や、ダイレクトメール等、いわゆる大口バルク郵便物を処理する場合、カーソルモードの宛名読取が行われる。これは、郵便物上の宛名情報が記載されていると思われるエリアを予めカーソル指定しておき、その指定領域の画像のみを読取対象とするもので、読取精度の向上と読取速度の向上を目的としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
宛名ラベルが貼付される郵便物の場合、宛名位置が郵便物ごとにずれてしまう。このため、カーソル指定エリア内に宛名情報が収まらず、読取不能(リジェクト)となることがある。
【0005】
この発明は上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、宛名読取を郵便物上の宛名位置のずれにかかわらず適切に行うことができる郵便物読取装置、および郵便物読取方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
の発明に係る郵便物読取装置は、郵便物上の画像を読取る画像読取部と;前記画像読取部の読取画像のうち予め指定されたエリアの画像から行領域を検出する行検出部と;前記画像読取部の読取画像のうち前記指定エリア以外の画像において、前記行検出部の検出行領域の端部から行方向所定範囲内に存在する画像ブロックを検出する第1の検出部と;この第1の検出部で検出した画像ブロックの少なくとも一部が前記検出行領域の行幅を延長した領域に存在するか否かを検出する第2の検出部と;この第2の検出部により検出された場合に前記検出された画像ブロックの領域を対応する前記検出行領域に統合する第1の統合部と;前記第1及び第2の検出部による検出処理及び前記第1の統合部による統合処理を前記画像ブロックを検出しなくなるまで逐次に実行する第2の統合部と;この第1および第2の統合部の処理を経た検出行領域から文字を認識する文字認識部と;を備える。
【0012】
の発明に係る郵便物読取方法は、郵便物上の画像を読取る画像読取工程と、前記画像読取工程で読み取った読取画像のうち予め指定されたエリアの画像から行領域を検出する行検出工程と、前記画像読取工程で読み取った読取画像のうち前記指定エリア以外の画像において、前記行検出工程で検出した検出行領域の端部から行方向所定範囲内に存在する画像ブロックを検出する第1の検出工程と、この第1の検出工程で検出した画像ブロックの少なくとも一部が前記検出行領域の行幅を延長した領域に存在するか否かを検出する第2の検出工程と、この第2の検出工程により検出された場合に前記検出された画像ブロックの領域を対応する前記検出行領域に統合する第1の統合工程と、前記第1及び第2の検出工程における検出処理及び前記第1の統合工程における統合処理を前記画像ブロックを検出しなくなるまで逐次に実行する第2の統合工程と、この第1および第2の統合工程における処理を経た検出行領域から文字を認識する文字認識工程と、を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、郵便物Pの搬送路に対し画像読取部1が配設される。画像読取部1は、図示矢印方向に搬送される郵便物P上に光を照射し、その郵便物Pからの反射光を捕らえることにより、郵便物P上の画像を光学的に読取る。
【0015】
郵便物Pは、たとえば図2に示すように、紙面上に料金計器Aおよび宛名ラベルBを有する。宛名ラベルBには、宛名情報として住所および氏名が印刷されている。
【0016】
画像読取部1の読取画像は2値化部2で2値化画像に変換され、行検出切出部(行検出部)3および統合部5に送られる。
【0017】
行検出切出部3は、2値化画像のうち、カーソル指定部(指定手段)4でカーソル指定される読取対象エリア(以下、カーソル指定エリアと称す)の画像において、行領域Lを1行ずつ検出して切出す。切出された各検出行領域Lの画像は統合部5に送られる。
【0018】
カーソル指定エリアは、係員によるカーソル指定部4の操作により、図2に符号Cで示すように、郵便物P上の宛名情報が記載されていると思われる領域に設定される。
【0019】
統合部5は、2値化画像のうち、カーソル指定エリアC以外の画像において、行検出切出部3による検出行領域Lの端部から行方向所定範囲内に存在する画像ブロックWを検出し、検出した画像ブロックWの領域を検出行領域Lに統合し、この検出および統合の処理を統合後の検出行領域Lについても逐次に実行する。
【0020】
統合部5の処理を経た各検出行領域Lの画像は文字検出部6に送られる。文字検出部6は、各検出行領域Lの画像から文字領域を検出する。この検出文字領域の画像が文字認識部7に送られる。
【0021】
文字認識部7は、検出文字領域の画像を文字辞書との照合により文字候補として認識する。この認識結果が宛名認識部8に送られる。宛名認識部8は、文字候補の並びから、宛名を認識する。
【0022】
つぎに、上記の構成の作用を説明する。
【0023】
郵便物Pには、上記した図2のように宛名ラベルBの貼付位置がカーソル指定エリアC内に収まっているものと、図4に示すように宛名ラベルBの貼付位置がカーソル指定エリアCから外れているものとがある。
【0024】
図2の郵便物Pであれば、図3に示すように、宛名ラベルBから宛名情報を完全に含む状態の行領域L1、L2,L3の画像が検出され、これらL1、L2,L3の画像から宛名が認識される。この場合、全ての宛名情報が完全な形で読取られる。
【0025】
図4の郵便物Pであれば、図5に示すように、宛名ラベルBから宛名情報を一部欠いた状態の行領域L1、L2,L3の画像が検出される。このままでは、宛名情報を完全な形で読取ることができない。
【0026】
そこで、図6および図7のフローチャートに示す処理が行われる。
【0027】
まず、カーソル指定エリアCに基づいて宛名を読取るカーソルモードが実行される(ステップ101)。この実行に際し、係員などにより、郵便物P上の宛名エリアの位置がカーソル指定部4でたとえば液晶表示画面を見ながらカーソル指定される(ステップ102)。
【0028】
搬送される郵便物P上の画像が画像読取部1で光学的に読取られ、2値化される(ステップ103)。この読取画像のうち、上記カーソル指定エリアCに対応する画像から、行領域Lが1行ずつ検出される(ステップ104)。そして、この検出行領域Lに関わる統合処理が実行される(ステップ105)。
【0029】
まず、読取画像のうち、カーソル指定エリアC以外の画像において、上記検出行領域Lの端部から行方向所定範囲内に存在する画像ブロックWが存在するかどうかの検出が行われる(ステップ201)。
【0030】
図8に示すように、検出行領域(矩形状)Lの位置が、X方向(画像読取部1のスキャン方向)座標の始点Lxsと終点Lxe、およびY方向(郵便物Pの搬送方向)座標の始点Lysと終点Lyeにより把握される。画像ブロック(矩形状)Wの位置は、X方向座標の始点Wxsと終点Wxe、およびY方向座標の始点Wysと終点Wyeにより把握される。座標の零点は、郵便物Pの右下隅位置に相当する。
【0031】
この検出行領域Lと画像ブロックWの位置関係において、検出行領域Lの行幅(=Lxe−Lxs)を延長した領域に画像ブロックWの少なくとも一部が存在していて、しかも検出行領域LのY方向終点Lyeと画像ブロックWのY方向始点Wysとの間の距離dが設定値th1以内であれば、検出行領域Lの端部から行方向所定範囲内に画像ブロックWが存在していると判定、つまりカーソル指定エリアCの外に行の“はみ出し”があると判定される(ステップ202)。
【0032】
この判定に際し、画像ブロックWの領域が検出行領域Lに統合される(ステップ203)。たとえば、図9に示すように初めはカーソル指定エリアC内に存在する検出行領域L1,L2,L3が、図10に示すようにカーソル指定エリアCの外の内の画像ブロックWの領域まで延長される。
【0033】
統合後の検出行領域Lについても、同様の検出および統合が逐次に実行される(ステップ204,203)。
【0034】
検出行領域Lの端部から行方向所定範囲内に画像ブロックWが存在していない場合は、統合はなされない。
【0035】
こうして、統合がなされた検出行領域L、および統合がなされなかった検出行領域Lから、それぞれ文字領域が検出される(ステップ106)。この検出文字領域の画像が文字辞書との照合により文字候補として認識され(ステップ107)、その文字候補の並びから宛名が認識される(ステップ108)。
【0036】
たがって、大口バルク郵便物を処理する場合など、郵便物P上の宛名がカーソル指定エリアCから外れた位置にあっても、読取不能(リジェクト)を生じることなく、宛名を確実に読取ることができる。
【0037】
なお、上記実施例では、宛名ラベルが貼付される郵便物Pを例に説明したが、宛名が直接的に印刷される郵便物Pへの適用についても同様に実施可能である。
【0038】
その他、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、郵便物Pの画像を読取り、その読取画像のうち予め指定されたエリアの画像から行領域を検出するとともに、上記読取画像のうち上記指定エリア以外の画像において上記検出行領域の端部からのはみ出しがあるかを検出し、検出されたはみ出し領域を検出行領域に統合し、この処理を経た検出行領域から文字を認識するようにしたので、宛名読取を郵便物上の宛名位置のずれにかかわらず適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】同実施例に係る郵便物の例を示す図。
【図3】図2の郵便物から検出される行領域を示す図。
【図4】同実施例に係る郵便物の他の例を示す図。
【図5】図4の郵便物から検出される行領域を示す図。
【図6】同実施例の作用を説明するためのフローチャート。
【図7】図6における統合処理を説明するためのフローチャート。
【図8】同実施例における検出行領域と画像ブロックとの位置関係を示す図。
【図9】同実施例の統合処理を説明するための図。
【図10】同実施例の統合処理を説明するための図。
【符号の説明】
1…画像読取部
2…2値化部
3…行検出切出部
4…カーソル指定部
5…統合部
6…文字検出切出部
7…文字認識部
8…宛名認識部
P…郵便物
B…宛名ラベル
C…カーソル指定エリア
L…検出行領域
W…画像ブロック

Claims (3)

  1. 郵便物上の画像を読取る画像読取部と、
    前記画像読取部の読取画像のうち予め指定されたエリアの画像から行領域を検出する行検出部と、
    前記画像読取部の読取画像のうち前記指定エリア以外の画像において、前記行検出部の検出行領域の端部から行方向所定範囲内に存在する画像ブロックを検出する第1の検出部と、
    この第1の検出部で検出した画像ブロックの少なくとも一部が前記検出行領域の行幅を延長した領域に存在するか否かを検出する第2の検出部と、
    この第2の検出部により検出された場合に前記検出された画像ブロックの領域を対応する前記検出行領域に統合する第1の統合部と、
    前記第1及び第2の検出部による検出処理及び前記第1の統合部による統合処理を前記画像ブロックを検出しなくなるまで逐次に実行する第2の統合部と、
    この第1および第2の統合部の処理を経た検出行領域から文字を認識する文字認識部と、
    を具備したことを特徴とする郵便物読取装置。
  2. 上記検出行領域の文字は、郵便物上に記載された宛名情報の文字であることを特徴とする請求項1に記載の郵便物読取装置。
  3. 郵便物上の画像を読取る画像読取工程と、
    前記画像読取工程で読み取った読取画像のうち予め指定されたエリアの画像から行領域を検出する行検出工程と、
    前記画像読取工程で読み取った読取画像のうち前記指定エリア以外の画像において、前記行検出工程で検出した検出行領域の端部から行方向所定範囲内に存在する画像ブロックを検出する第1の検出工程と、
    この第1の検出工程で検出した画像ブロックの少なくとも一部が前記検出行領域の行幅を延長した領域に存在するか否かを検出する第2の検出工程と、
    この第2の検出工程により検出された場合に前記検出された画像ブロックの領域を対応する前記検出行領域に統合する第1の統合工程と、
    前記第1及び第2の検出工程における検出処理及び前記第1の統合工程における統合処理を前記画像ブロックを検出しなくなるまで逐次に実行する第2の統合工程と、
    この第1および第2の統合工程における処理を経た検出行領域から文字を認識する文字認識工程と、
    を具備したことを特徴とする郵便物読取方法。
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