JP3926821B2 - 可動人形用胴体 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において、「上半身部品」とは、腰より上の部分をいい、「下半身部品」とは腰から下の部分(腰部含む)をいうものとする。
すなわち、より人間の身体的な特徴、例えば胸部又は臀部分の肌感なども人間の胸部や臀部分と変わらないものとしたいと欲しているものである。これは、例えば、特に水着を着用させたり、あるいは衣裳などを着替えさせたりする度に、胸部や臀部分などの肌を露出させる度合いの高い女性を模写したフィギュアにあっては極めて重要であり、需要者の要求が高く、かつ当業者の追求する要素でもある。
従って、このように二つ割された腰部分片201,202をネジ止めして上半身部品100、下半身部品200、左右の脚部分を分解可能に固着するものであったため、固着した際に必然的に生じる合わせ目の線(接合線ともいう)800(図20、図21)が下半身部品200の肌外表面に露呈しており、外観上の美観・リアルさに欠けていた。さらに、ネジ穴900およびネジ901(図21)が需要者の視覚に入るため、フィギュア全体としての外観上の美観を損ね、リアルさは到底得られていなかった。
そこで本発明者は、このような上半身部品と下半身部品が分離組み立て可能な可動人形において、下半身部品の肌表面から接合線800、ネジ穴900、ネジ901などを無くし、この種の人形の外観的リアルさを追求・提案するため先に出願している(例えば特許文献1を参照。)。
すなわち、人間の身体が各人によって様々であるように、このような可動人形用胴体を使用したフィギュアにあっても、様々な身体形状、特に女性を模写したフィギュアにあっては胸の形状・大きさが様々である。特に、胸(乳房部)が極端に大きい形態が昨今需要者から要求されている。
また、これはフィギュアに限らず、美術デッサン用のモデルとして利用される可動人形用胴体であっても同様である。
従来、この種の可動人形用胴体は、図19に示すように、ABS樹脂などの硬質合成樹脂から上半身部品100と下半身部品200が別体若しくは一体成形されているものが一般的である。
しかし、図19に示すように乳房部300が極端に大きい構成とした可動人形用胴体の場合、乳房部300のアンダーバスト301位置と腹部400との接点(図19に示すX部分)が鋭角になるため、このような硬質材で成形する場合、型抜きが不可能であった。そこで従来は、ゴム型に樹脂を流し込んで成形し、成型後ゴム型を伸張せしめて離型する、いわゆる流し込み成形を採用することによりこの種の形態を得ていたが、この製法によることは、原料の注入から離型までの時間が長く掛かりコストが高くなるという課題を抱えていた。
また、フィギュア用若しくは美術デッサン用の可動人形用胴体では、上半身を右方向や左方向などに捩じったポーズをとることが多々在る。
従来のようにABS樹脂などの硬質材から上半身部品100を成形する場合では、胸部分500と腹部分400(若しくは腰部分600)を別体として分割成形したものでないと上述のように上半身を捩じった形態を表現することはできない。
しかし、このように上半身を複数の部分に分割してなるものでは、各連結部位700が外観から目視され、外観的リアルさが低く、外表面(肌面)の身体的リアルさに欠けていた。
また、このように硬質材からなるものでは、上半身を捩じった表現を採ったとしても、単に分割部位(連結部位)700で捩じり表現をしているにすぎず、実際の人間が上半身を捩じった時の肌表情は再現し得なかった。すなわち、実際の人間が上半身を捩じった場合、皮膚のしわ、たるみ、筋肉などの移動が肌表面に現れるものであるが、従来技術では到底成し得るものではない。
このような肌の細かい動き・表現は、人間により近い肌表面を求めるフィギュア需要者からの要望も高く、また特に美術用デッサンで使用される可動人形用胴体で望まれている現状がある。すなわち、実物の裸体女性を描こうとする場合、そのためのモデルとなる女性を探さなければならず、モデル探しが簡単にいかないばかりか面倒であると共に、モデルに支払うコストも掛かるため、上述のような可動人形用胴体の提供が望まれていたものである。
上半身部品はスラッシュ成形により成形された塩化ビニル樹脂製の中空の軟質製本体と、
該本体内に嵌入して内装され、下半身部品と揺動可能かつ分離・組み立て可能に連結する下半身連結部材を有し、硬質合成樹脂材からなる芯材とで構成され、
下半身部品は、前記芯材の下半身連結部材を連結可能な上半身部品連結構造を備えて構成されていることを特徴とする可動人形用胴体としたことである。
また、第2の発明は、第1の発明において、上半身部品は、アンダーバストの位置と腹部との接触角が鋭角である乳房部を備え、接合線の無い一体成形品であることを特徴とする可動人形用胴体としたことである。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一実施形態にすぎず、何等これに限定解釈されるものではない。
図中、40は上半身部品、1は下半身部品の一実施形態を夫々示す。
なお、言うまでもないが、本実施形態では特に極端に大きい胸(乳房部)を持つ人間の女性裸体を模写した上半身部品を示すが、人間の男性裸体を模写した構成であってもよいことは勿論である。
上記上半身部品本体41を構成する軟質材は、芯材48の揺動作動によって変形可能な程度に軟質であればよく、例えば、塩化ビニル樹脂などの軟質合成樹脂材でスラッシュ成形等したものが代表例として挙げられる。なお、上記本体41の軟質材は、塩化ビニル樹脂などの軟質合成樹脂材に限定されず、他の軟質合成樹脂材であってもよく、また軟質ゴム材などから一体成形されるものであってもよい。
上半身部品本体41は、特にその全体的なスタイル、すなわち、痩せ型、中肉型、太り型、あるいはウエストのくびれ程度、背中のラインなど種々選択して適用可能であり限定されないが、本実施形態では本体41の前面(胸部45)位置には極端に大きい乳房部47を一体成形している。なお、本実施形態では、上半身本体41は、胸部45と腹部46とが一体成形された一体物である。
上半身部品本体41の下端に設けた開口43は、後述する芯材48の第一芯材49の外周よりも小径状とする。
なお、首部38は、芯材48と連結される構成でなくともよい。
芯材間連結部材52は、棹部52aの両端に摺動ボール52b,52cを一体形成してなり、一端側の摺動ボール52bを前後片50,51の上端内面に形成した凹部50a,51aで摺動自在に保持すると共に、他端側の摺動ボール52cを、第二芯材54を構成する前後片55,56の下端内面に形成した凹部55a,56aで摺動自在に保持することにより第一芯材49と第二芯材54が夫々揺動可能、かつ着脱可能に連結される。
また、人形を大型にし、上半身部品本体41を長くする必要性が出た場合、第一芯材49と第二芯材54を夫々に合うように大型にしてもよいが、上記芯材間連結部材52の棹部52aの長さを長尺状にすれば適宜適合可能でもある。
上記下半身連結部材53は、棹部53aの一端に摺動ボール53bを一体形成し、その摺動ボール53bを前後片50,51の下端内面に形成した凹部50b,51bで摺動自在に保持すると共に、下半身部品1の腰部2に備えられる上半身部品連結構造19の連結部20に、前記棹部53aを差込嵌合して揺動可能、かつ着脱可能に連結される。
腕部連結部材57は、円板状に形成した腕部連結片57aと、該連結片57aと一体形成されている摺動ボール57bとで構成されている。そして、この摺動ボール57bは、前後片55,56の側面上端寄り内面に備えた凹部55b,56bにより摺動自在に保持する。ちなみに腕部連結片57aは、腕部上端36aと摺動自在に軸着する。この場合の軸着ピン36bとしては、特に限定されないが、合成樹脂材からなり、かつ腕部上端36aと腕部連結片57aの双方に穿設した挿通孔に嵌合する程度の径太さとすることで、摩擦抵抗を高め、腕部36の動きに渋み(適度な抵抗)を付けるものとすると良い。
また、本実施形態では、第二芯材54の上端内面に、首部38の下端に突出した連結用摺動ボール38aを摺動自在かつ揺動可能に保持する凹部55c,56cを備えている。
なお、第一芯材49・第二芯材54共に、前後片に分割形成せずに夫々摺動ボール保持用の凹部を備えて一体的に立体形成したものとし、芯材間連結部材52の両端ボール52b,52cや下半身連結部材53のボール53b、腕部連結部材57のボール57b、あるいは首部38の下端に突出するボール38bを、外方から強制的に押し込み嵌合させる構成としても良い。
また、本実施形態では、上述した通り左右の腕部36が第二芯材54と軸着して一体的に連結されているが、左右の腕部36と第二芯材54とは、後述する他の実施形態のように分離・組み立て可能な構造としてもよい。
なお、芯材48は、第一芯材49と第二芯材54の二分割構成が最も人間的な動きを表現でき好ましいが、その分割構成に限定はされない。多分割すればするほど複雑な動きが得られるが、人間的な動きからは掛け離れていってしまう虞があるためその点を考慮して種々選択するのがよい。
上半身部品40の作動を図5を参照して説明する。
従って、上半身部品40を右方向あるいは左方向に捩じった場合、図5(c)のように第一芯材49・第二芯材54が揺動し、その動きに従って疑似皮膚となる上半身部品本体41の第二芯材作動対応箇所周辺・第一芯材49との連結箇所周辺が追随して変形するため、あたかも人間が体を捩じった時に生じる皮膚のしわ・たるみ・筋肉の移動(図中Yで示す)などが上半身部品本体41表面に表現される(図5(a)(b))。このような表現方法は全く新規なものでこの種の可動人形用胴体において極めて人間の肌表面の表現に近いリアルさを表現できた。
図6は、第一芯材49と連結されている第二芯材54の変更例を示し、本体54aの両側面に同軸上に差込連結部58,58を凹設すると共に、該連結部58はその軸中心に嵌合穴58aを有し、そしてこれに対応する腕部36は、上端36a側に円板状の連結片36dを軸着した揺動自在な連結部36cを備えており、該連結部36cは嵌合棹36eを突設し、この嵌合棹36eを上記第二芯材54の差込連結部58の嵌合穴58aに嵌合する構成とした。
これにより、左右の腕部36と第二芯材54とは、分離・組み立て可能となる。また、差込連結部58は、第二芯材本体54aの両側面から同軸上に突設する構成を採用しても良い。本実施形態では、上述した実施形態のように本体54aを形成しているが、本体54aの形状は何等限定されるものはなく適宜任意の形状を採ることができる。
図に示す左右の脚部24、左右の腕部36、左右の手部37、首部38は、夫々分解・組み立て可能(図2参照)で、その接合部位にて任意に回動作動と屈曲作動のいずれか若しくは双方が可能である。また、これら各部の材質は特に限定解釈されず任意に選択可能である。なお、本発明において、例えば左右の腕部(手部37を含む)36、首部38などの構造は、特に図示形態に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で適宜必要に応じて他の形態・構成を採用することが可能である。また、本実施形態では、左右の足部31、首部38などがすべて分解・組み立て可能な構成(図2参照)としているが、これには特に限定されず本発明の範囲内で変更可能である。
腰部2は、上半身部品連結空間3と左右の脚部連結空間4,4とを備えて人間の腰部外表面を忠実に表現すべく、従来のような二つ割構成ではなく一体成形され、左右の脚部24,24の付け根位置における股間連結部材32の係止片32a,32aを着脱・回動可能に連結する脚部連結構造5と、上半身部品40を着脱可能に連結する上半身部品連結構造19を有している。
このように一体成形されるため、腰部2には従来のような合わせ面に生じていた線(図20に示すような接合線800)がなく、また臀部2bにはネジ穴(図21に示すようなネジ穴900,ネジ901)などもなく、外観上の美観向上・リアルさ向上を図り、より人間の腰部外表面(肌面)を忠実に表現し得る。これによれば、上述した上半身部品40の構造と相俟って、特に女性を模写した可動人形用胴体における人間的肌感のリアルさが極めて向上する。
上記上半身部品連結空間3と左右の脚部連結空間4,4とは夫々連通状に形成されている。
腰部2全体の大きさ、形状など任意で、また外表面の形状、例えば臀部2b・下腹部2cの膨らみ等、股2dの切れ込み程度等も任意で、特に図示形状に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で任意に設計変更可能である。
押え部材本体11は、例えば腰部本体2aの股間部6内面幅と同幅の略直方体状に形成され、その下面略中央に上側係止部12を設けると共に、該上側係止部12の同一軸上の上面略中央に上半身部品連結構造19を立設する。
押え部材10に設けられる上側係止部12は、腰部本体2aに設けた下側係止部7の凹部8と同一形状の凹部13を有し、該凹部13は下側係止部7上に合わせた際に、下側係止部7の凹部8と共に短尺筒状の係止片内装空間15を形成する。そして上側係止部12は、下側係止部7の左右係止溝9,9と同一形状の半円状の左右係止溝14,14を、該凹部13と連通状に本体11の下面両端縁に設けて構成されている。
また、下側係止部7の凹部8と上側係止部12の凹部13は、夫々左脚部係止片用凹部と右脚部係止片用凹部とを別個独立して凹設するものとしてもよい。
また、押え部材10の全体形状も特に限定されず設計変更可能である。
連結部20は、例えば本実施形態の如く、上面を開放し、差込み穴21を備えた円筒状に構成され、例えば上半身部品40の下部から突出している下半身連結部材53の棹部53aを、上記差込み穴21に着脱自在に差込み連結する。
なお、本実施形態では、上半身部品40と腰部2との継手部分にボールジョイント構成とした下半身連結部材53を使用しているため、上記連結部20の差込み穴21を断面角穴状とした場合には、この棹部53a外形も角柱状にすることが可能で、上半身部品40と腰部分2とが着脱自在な継手構造を有していれば、棹部53aと差込み穴21との関係は任意に設計変更可能である。但し、容易に抜け落ちないように嵌合されているものとする。
そして次に、押え部材10を、上半身部品連結空間19の方向(上方向)から股間部6内面上に被せて上側凹部13内に上記係止片32a,32aの上側半分を内装すると共に、係止溝14,14を上記係止溝9,9と合致させる。
次に、ネジ16を押え部材10の上方から締め付けて、該押え部材10を股間部6内面上に固着する。これにより、左右の脚部24,24は、係止片32a,32aが係止片内装空間15で回動可能に連結保持される。
そして次に、上述の通り固着された押え部材10の連結部20の差込み穴21に、上半身部品40の下半身連結部材53の棹部53aを差込み連結する。これにより、上半身部品40の下側は、腰部2の内方に挿入された状態で腰部2に連結されるため、外観上で上半身部品40と腰部2とが分離せず一体感を醸し出す。
次に、上半身部品40を分離した腰部2の上半身部品連結空間3には、押え部材10が現れ、そのネジ16が直視できるため、該押え部材10を腰部2の股間部6内面に固着している該ネジ16を外すことができる。このネジ16を外すことにより、押え部材10は上方に外すことができる。これにより、股間部6の内面にある下側係止部7に内装係止されていた左右脚部24,24の係止片32a,32aを外すことができる。
従って、このように簡単に分解組み立てができるため、他のパーツ(他の上胴部や他の脚部)への組み替え、あるいは洋服などの着せ替え・装備などの取付けなども容易に可能である。
すなわち、上半身部品連結空間3が広く確保できるということは、腰部2の上半身部品連結空間3内に上半身部品40下側が挿入された状態で連結される人形において、該上半身部品40がその空間3内で自由に動き得るスペースが広く取れ、上半身部品40と腰部2との境目の折曲・回動作動がスムーズかつ自由度が広がる。
脚部24は、上脚25と下脚30と足部31とから構成され、上脚25の付け根位置が腰部2の股間位置にて任意方向に開脚作動可能、かつ着脱可能に連結されている。脚部24を構成する上脚25、下脚30、足部31の外観形状、すなわち肌感等(例えば筋肉の盛り上がり、女性的なライン、肌表面の色合いなど)は特に限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。本実施形態の脚部構造によれば、上述した上半身部品40の構造および腰部2の構造と相俟って、さらに外観的美観・人間的肌感のリアルさがさらに向上する。
第一の板状部固定用ネジ止め部26、第二の板状部固定用ネジ止め部27、および股間連結部材用ネジ止め部28は、上端にネジ挿入口26a,27a,28aを有すると共に、外面に非貫通状なネジ穴26b,27b,28bを設けた所望高さ・所望径の短筒状に突設されている。
なお、この股間連結部材用ネジ止め部28は、第一・第二の板状部固定用ネジ止め部26,27よりも、その上端を高い位置となるように構成されている。
詳しくは、後述する股間連結部材32の上脚側連結片32cと、嵌合連結部材33の第二連結部33eを嵌挿した時に、上記ネジ止め部28の上端28cが上記第二連結部33eの上面33e′と面一若しくは第二連結部33eの上面33e′よりも低く位置する程度の高さ寸法で形成されている(図17(a)参照)。
また、第一・第二の板状部固定用ネジ止め部26,27は、嵌合連結部材33の板状部33aができる限り上脚の幅方向中心に配置されるよう第二連結片33eの基端33gから段差をもって形成されるため、その上端26c,27cが板状部33aの裏面33a″を接触支持する高さをもって形成される。なお、本実施形態では、第一・第二の板状部固定用ネジ止め部26,27の位置決め用の溝33hを裏面33a″に設けている。
他方の上脚本体25bは、一方の上脚本体25aと組合わせた時に、上記第一の板状部固定用ネジ止め部26と第二の板状部固定用ネジ止め部27と同軸上に位置する嵌合凹部29,29をその内面に突設してなる。
この嵌合凹部29は、嵌合連結部材33の板状部33aの一面(上脚本体25b対向面)33a′に突設される嵌合突起33cを筒部内径29aに嵌合せしめることで、前後の上脚本体25a,25b同士を着脱可能に連結固定する役目を有している。
なお、本実施形態では、板状部33aの嵌合突起33cを、嵌合凹部29の筒部内径29aに嵌め込む構成としているが、板状部33aの嵌合突起33cの貫通穴33c′に嵌まり込むような突起を他方の上脚本体25b内面に突設する構成としてもよい。
本実施形態では、薄肉円板状に形成されると共に、その円板中心位置に挿通穴32dを設けた上脚側連結片32cと、該上脚側連結片32cの外周から、該連結片32cの径方向外方に突設される棹部32bと、該棹部32b先端を軸中心に連結し一体成形されている小径円板状の係止片32aとから構成されている。
そして、この股間連結部材32における上脚側連結片32cの挿通穴32dは、上脚本体25aの股間連結部材用ネジ止め部28の外径を摺接状に嵌め込むことのできる穴径とする。
また、本実施形態では、各上脚本体25a,25bの上端側は、上記上脚側連結片32cの円板形状と同一円弧状に形成すると共に、上脚本体25a,25bを一体的に組み合わせた時に、該上脚側連結片32cの円板形状に合致する切り欠き25c,25cを夫々設けている。上脚側連結片32cは、上脚本体25a,25bの切り欠き25c,25c間に挟まれた時に、該切り欠き25c,25c間で上脚上端中心に位置する。
嵌合連結部材33は、上脚本体25a内に内装固定される板状部33aの一端に下脚30と連結される第一連結部33dを備えると共に、他端には上記股間連結部材32の上脚側連結片32cとネジ止め連結される第二連結部33eを備えてなる。
上記板状部33aは、上脚本体25a内に内装可能な幅・長さの所望板形状に形成し、板長さ方向に複数個のネジ穴33b,33bを設けると共に、該夫々のネジ穴33b上端には、該ネジ穴33bと穴中心軸方向に連通する貫通穴33c′を有した嵌合突起33cを設けている。
第一連結部33dは、下脚30の上端に備えた連結部30aを、任意方向に回動作動可能かつ着脱可能に嵌合する嵌合部33d′を備えてなり、本実施形態によれば嵌合部33d′は、下脚30上端の連結部30aをきつく嵌合可能な内径とした嵌合穴とする。
なお、下脚30は、上述したように第一連結部33dに嵌合可能な連結部を有しているものであれば特にその構造に限定されるものではなく本発明の範囲内で任意形状が選択可能である。
第二連結部33eは、上記板状部33aの上端からフランジ板状に延設されると共に、その先端側に挿通穴33fを設けてなる。フランジ板状の形状は特に限定されず任意であり、挿通穴33fは、上脚本体25aの股間連結部材用ネジ止め部28の外径を摺接状に嵌め込むことのできる穴径とする。すなわち、第二連結部33eは、本実施形態では、股間連結部材32の上脚側連結片32cの摺接面(上面)32c′よりも小さく形成されているが、該摺接面(上面)32c′と同等の大きさとしてもよい。
そして、この第二連結部33eは、上記股間連結部材32の上脚側連結片32cと共に一方の上脚本体25a内面に備えた股間連結部材用ネジ止め部28を介してネジ止め連結されることで肌表面に露出しない渋み調整部39を構成している。
そして、第二連結部33eの基端33gから、段差を設けて一段下がった位置に板状部33aを一体的に延設すると共に、該板状部33aの他端が、第一連結部33dの筒円中心33d″若しくはその近傍に連結した構成としている。詳しくは、股間連結部材32の上脚側連結片32c上に第二連結部33eを重ねて配置した時に、板状部33aが、上脚側連結片32cと同一レベル位置に来るように設定される。
第二連結部33eは、股間連結部材32における上脚側連結片32cの上面32c′上に摺接状に置かれる。この時、上述した通り上脚側連結片32cは、その組み込み時には上脚本体25a,25b間の中心に配されるため、第二連結部33eは必然的に上脚本体25a,25b間中心よりも、上脚本体25b寄りに位置する。ここで、第二連結部33eの基端33gから同一延長線上に板状部33aを一体的に延設することも可能である。
しかし、このように構成すると、板状部33aが、上脚本体25b寄りに位置することとなる。このような構成となると、板状部33aと上脚本体25bとの間のすきまが狭くなり、嵌合凹部29と嵌合突起33cとの嵌合深さが不十分となる。これでは、嵌合が弱くなる虞があり、この点を解消するには上記すきまを広くして嵌合突起高さと嵌合凹部深さを十分にする必要があるが、このようにすきまを広くするということは上脚そのものを太くしなければならない。上脚を太くするということは、女性の美しい脚線美を求める需要者にとっては大きな問題で、商品価値の低下となる。
また、第二連結部33eと板状部33aを上述通り面一に延設したとすると、該板状部33aの他端側と、第一連結部33dとの連結部位が、筒状に形成されている第一連結部33dの筒円中心33d″より上方となる。第一連結部33dは、上脚の下端開口部25dと同心円状に嵌合部33d′が位置(図16において中心軸を符号Lで示す。)していなければならないため、その配設位置は常に一定である。そのため、板状部33aが上脚本体25b寄りに配されると、必然的に第一連結部33dと板状部33aとの連結部位は、筒円中心33d″より上方となる。この第一連結部33dは、下脚屈曲・回転作動時にかなりの力が掛かる。よって、板状部33aとの連結部位が筒円中心33d″より上方では、このような力に耐え得るのが難しい。
そこで、上述した通り、第二連結部33eの基端33gから、段差を設けて一段下がった位置に板状部33aを一体的に延設した構成とすることで、板状部33aを上脚幅方向中心に位置させることができるため、上脚そのものを太くすることなく嵌合突起高さ・嵌合凹部深さを十分に確保することができる。
また、板状部33aを上脚幅方向中心に位置させることができるため、第一連結部33dの筒円中心33d″又はその近傍に板状部33aを連結することができる。
すなわち、股間連結部材用ネジ止め部28の外径に、夫々の挿通穴32d,33fを介して上脚側連結片32c、続いて第二連結部33eを順次嵌め込み連結すると共に、その上方から固着部材、本実施形態ではネジ35を締め込んでいく。このネジ35の締込み具合によって、上脚側連結片32cの両摺接面(上面32c′,下面32c″)が、下位の上脚本体25aの切り欠き25cの周縁面25c′と、上位の第二連結部33eの摺接面(下面)33e″により密着度合いが調整される。これにより、上脚側連結片32cが回動する時、その各摺接箇所に摩擦が生じ、この摩擦を調整することで渋みが調整可能となる。また、この渋み調整部39は、上述の構成を採用したことにより、脚部24の外表面(肌表面)24aに露出することがなく、本発明の目的とするところの肌表面のリアルさを追求し得る。
また、足部31は、下脚30と着脱可能であっても一体的に備えられているもので有ってもよく、いずれも本発明の範囲内で任意にその形状・構造が選択できる。
まず、股間連結部材32の上脚側連結片32cの挿通穴32dに、一方の上脚本体25aの上端側に突設されている股間連結部材用ネジ止め部28の外径を嵌挿して、係止片32aが上脚本体25aの上端に突状に位置するように股間連結部材32を回動可能に備える。
この時、股間連結部材32の上脚側連結片32cの摺接面(下面)32c″は、上脚本体25aの切り欠き周縁面25c′に接している。
そして、次に、第一の板状部固定用ネジ止め部26と第二の板状部固定用ネジ止め部27に、嵌合連結部材33の各ネジ穴33b,33bを合わせると共に、ネジ穴上方の嵌合突起33c,33cの貫通穴33c′,33c′を介してネジ34,34を締め付ける。
この時、嵌合連結部材33の第二連結部33eは、その挿通穴33fに、上記上脚側連結片32c上に突出している股間連結部材用ネジ止め部28の外径を嵌挿させると共に、摺接面(下面)33e″が上脚側連結片32cの摺接面(上面)32c′に接している。
そして、股間連結部材用ネジ止め部28にネジ35を締め付けて股間連結部材32を上脚本体25aの切り欠き周縁面25c′と第二連結部33eの摺接面33e′によって挟み込むように密着させて連結する。
このネジ35の締め付け程度によって、股間連結部材32の渋みを強弱調整する。
そして、次に他方の上脚本体25bの嵌合凹部29と、嵌合連結部材33の嵌合突起33cとを嵌め合わせることにより、一方の上脚本体25aと他方の上脚本体25bが一体化されて上脚25が形成される。
そして、その後、上脚25の下端側に位置する第一連結部33dに、下脚30を連結する。
このように上脚25が形成されることにより、脚部24の外表面(肌表面)24aには、従来のようなネジやネジ穴がなく、人間のような肌感のリアルさが得られる。また、上脚本体25a,25b同士も自由に分離可能で、従来のように接着や溶着により分離不能となっているものではないため、必要に応じて分解できる。
2:腰部
40:上半身部品
45:胸部
46:腹部
47:乳房部
47a:アンダーバスト
48:芯材
49:第一芯材
54:第二芯材
X:アンダーバストと腹部との接触角
Y:皮膚のしわ・たるみ・筋肉の移動
Claims (2)
- 少なくとも上半身部品と下半身部品が別成形されると共に揺動可能、かつ分離・組み立て可能に連結されてなる可動人形用胴体であって、
上半身部品はスラッシュ成形により成形された塩化ビニル樹脂製の中空の軟質製本体と、
該本体内に嵌入して内装され、下半身部品と揺動可能かつ分離・組み立て可能に連結する下半身連結部材を有し、硬質合成樹脂材からなる芯材とで構成され、
下半身部品は、前記芯材の下半身連結部材を連結可能な上半身部品連結構造を備えて構成されていることを特徴とする可動人形用胴体。 - 上半身部品は、アンダーバストの位置と腹部との接触角が鋭角である乳房部を備え、接合線の無い一体成形品であることを特徴とする請求項1に記載の可動人形用胴体。
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