JPH0310791Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、着せ替え人形に関するものであ
る。

［従来技術とその欠点］ 従来の着せ替え人形は、衣服の着せ替えのみを
行なつて、その外観の変化を楽しむ程度のもので
あり、人形の外形自体に変化を生じさせない。

また、人形以外の形象を有する玩具には、例え
ば、ぬいぐるみ、その他の動物玩具があるが、従
来品は姿勢又は形態の変化に限りがあつて、例え
ば、怪獣ならば怪獣のみの形態からはみ出したも
のとすることはできなかつた。

従つて、従来の着せ替え人形にしても、動物玩
具にしても、それぞれ独立した形態を有するに留
まり、組み合せによる形態的変化を楽しむことが
できなかつた。

［この考案の目的］ この考案は、上記の点に鑑み、着せ替え人形の
人形本体を特殊な構造のものとするとともに、人
形以外の形態を有する特殊な構造の被覆体を着脱
自在に備えることにより、着せ替え人形と被覆体
との有機的な結合を可能として、従来の着せ替え
人形単独又は動物玩具単独では得られなかつた形
態及び姿勢を任意に得ることができ、遊びの内容
が拡大された着せ替え人形を提供することを目的
とする。

［この考案の実施例］ 次に、この考案の一実施例を図面に基いて説明
する。

第１図は着せ替え人形の本体を、一部を分解し
て、示すものである。この人形本体Ａは、好まし
い例として、頭部１が胸部２に対して回動自在に
結合され、また、腕部３の付根が胸部の肩に回転
自在に結合され、胸部２の下部に固着されている
半球状の胴部４に腰部５が回動自在に保持され、
また、腰部５に球体６を介して脚部７の付根が回
動自在に結合されている。

頭部１には、第２図に例示するように、下端部
に半球状の首部１ａが設けられ、その首部にその
下面から下方に突出する小径部８ａと、大径の円
板状の抜け止め部８ｂとを有する結合部材C₁が
固着されている。

胸部２は前部２ａと後部２ｂに二分されて形成
され、前後突合せてねじなどで固着して単一の胸
部を構成しており、この状態において上面及び両
側面にそれぞれ凹曲面部２ｃ，２ｄを有し、上面
の凹曲面部２ｃに前記頭部の首部１ａを嵌合する
とともに、結合部材C₁の抜け止め部８ｂを凹曲
面部の孔から内側に嵌め込むことにより、頭部が
胸部に対して回動自在とされている。

また、腕部３は第１図に明示されているよう
に、上下二分された上腕部３ａと、下腕部３ｂと
及び手部３ｃとからなり、上腕部３ａは上半部３
a₁と下半部３a₂とをその対向面に設けられた孔
に、第３図に示すような表面に中央方向に傾斜す
る環状凸条９を有する円棒状の弾性樹脂製の結合
部材C₂のそれぞれの端部を差込んで互いに回転
自在に結合してなり、上半部３a₁は、第４図に示
すように、付根に形成されたスリツト１０に結合
部材C₃の連結板１１の先端を嵌合するとともに、
その付根に前記スリツトに対して直角方向に貫通
された孔１２及び前記連結板１１の先端に形成さ
れた孔１３にピン１４を差込んである。そして、
結合部材C₃は連結板１１の他端に凹曲面体１５
及び抜け止め部１６を有し、その凹曲面体１５と
抜け止め部１６を第５図に示すように、前記胸部
２の両側の凹曲面部２ｄに嵌合し、かつ、抜け止
め部１６を凹曲面部の孔から内側に嵌込んで上腕
部３ａを胸部に対して回転自在に結合している。

下半部３a₂の下端には、スリツト１７に第６図
に示すように、第３図に示されたものと同様の結
合部材の一端に結合輪１８を備えてなる結合部材
C₄の前記結合輪を嵌合し、スリツト１７を直角
方向に貫通する孔及び結合輪１８にピン１９を貫
通するとともに、下腕部３ｂの上端に形成してあ
る孔２０に前記結合部材の軸部を差し込んで下腕
部が上腕部に回動自在に結合してある。

さらに、手部３ｃは、その手首側に同様なスリ
ツトを有して、そのスリツトに同様な他の結合部
材C₄が設けられ、その軸部の先端が下腕部３ｂ
の下端部に形成してある孔内に差し込んで回転自
在に結合してある。このような構成により、腕部
は、手部３ｃを下腕部３ｂから、又は下腕部３ｂ
を上腕部の下半部３a₂から、あるいは、下半部３
a₂を上半部３a₁からそれぞれ強く引くことにより
取外すことができる。

脚部７は、その上脚部７ａの内側に設けた固定
片２１に一端を結合したゴム紐２２を前記球体６
に貫通するとともに、腰部５の右下側を貫通して
前記胴部４の下面に固定した輪２３に挿通して、
そのゴム紐の他端を再び腰部５の左下側、他の球
体６を貫通して、他の脚部の上脚部の内側に設け
た固定片２１に結合することにより、両脚部７が
胴部４に連結されている。

また、脚部７は、上脚部７ａの下端部にスリツ
ト２４を有し、これに第６図のものと同様な結合
部材C₄が取付けられ、その軸部が下脚部７ｂの
上端部に形成されている孔２５に差し込んで回転
自在に結合されている。この下脚部の下端部に
は、さらに、前記手部３ｄと同様な構成を有する
足部７ｃに、第６図のものと同様な結合部材C₄
が取付けられてあり、その結合部材の軸部を下脚
部７ｂの下端部に開口されている孔に差し込むこ
とにより、足部７ｃが回転自在に結合されてい
る。従つて、脚部も足部７ｃを下脚部７ｂから、
又は下脚部を上脚部７ａからそれぞれ取外すこと
ができる。

上記のような構成により、この人形本体は、人
間とほぼ同様な関節を備えて、任意の姿勢に変化
させることができる。そして、この人形本体に、
第７図に単に一例を示すような人形用衣服２６，
２７を被着させることにより、種々着せ替えて任
意の形態に変化させて、遊び、楽しむことができ
る。

第８図は、前記人形本体Ａとともに使用される
被覆体Ｂの一例を示すものであり、この被覆体は
人形以外の任意の外形を有するものであればよ
い。図示の例は怪獣の外形を備えたものであつ
て、この被覆体Ｂは、弾性樹脂材料で前記人形本
体を収容して被覆することができるような空洞を
もつて形成され、頭部２８と胴体２９と手部３０
と及び足部３１とからなり、前記胴体２９は、前
記人形本体の胸部２、胴部４及び腰部５を挿入す
ることができる空洞部３２と、前記人形本体の腕
部３及び脚部７に対応する腕部３３と脚部３４と
を備えている。これらの腕部及び脚部は空洞部３
２に連通させて中空に形成されており、その中空
部３５，３６にはそれぞれ人形本体の腕部、脚部
の少くとも一部を挿通することができる。また、
胴体２９は、背後に前記空洞部に人形本体を入れ
たり、出したりするための開閉部３７を備えてお
り、この開閉部は、例えば、スライドフアスナー
又はホツクなどの簡易締結具により開閉すること
ができるようになつている。

頭部２８は怪獣の外形を備え、その内側は前記
人形本体の頭部１を挿入することができるよう
に、首の下方に開放する孔を有し、その首部の下
端周縁部２８ａを胴体の上部に設けてある首孔に
嵌合し、前記開閉部３７の締結具を締めることに
より、頭部が抜けないように固定することができ
る。

また、前記手部３０は、怪獣の手の外観を有す
るとともに、その手首部に前記人形本体Ａの手部
３ｃの結合部材C₄と同様な結合部材C₅又は少く
とも、その軸部のみを有し、あるいは、怪獣の腕
部の長さが人形本体の腕部付根から上腕部の下半
部３a₂まで、もしくは、上半部３a₁までの長さに
等しい場合は、それぞれ怪獣の手部３０の手首部
には下腕部の孔２０、もしくは下半部３a₂の孔と
同様な孔を備えている。

足部３１も、怪獣の足の外観を有するととも
に、その足首部に前記人形本体の足部７ｃの結合
部材C₄、又は少くとも、その軸部と同様な結合
部材C₆を備えている。

上記構成により、この被覆体Ｂには、前記開閉
部３７を開放して、前記人形本体Ａを、足部７
ｃ、脚部７、腰部５、腕部３及び胸部２をこの順
序で挿入し、続いて、人形本体の頭部１に怪獣の
頭部２８を被せ、その頭部２８の下端周縁部を首
孔に嵌合した後、開閉部３７を閉じて、人形本体
Ａを被覆体Ｂで被覆してしまい、怪獣の腕部の先
端及び足部の先端から、第９図に示されているよ
うに、突出されている人形本体の手部３ｃ及び足
部７ｃを取外し、又は、すでに取外してある所
に、怪獣の手部３０と足部３１をそれぞれ前記結
合部材C₅，C₆により人形本体の腕部及び足部に
結合する。

なお、怪獣の腕部の中空部３５及び脚部の中空
部３６のそれぞれの先端を結合部材C₅，C₆と合
致する大きさに絞り、手部及び足部をそれぞれ腕
部と脚部に直接結合するようにしてもよい。

これにより、通常の着せ替え人形を用いて、そ
の人形の外観とは全く別の怪獣の外観を備えた形
象玩具が得られる。

そして、この場合、内部の人形本体を、前述の
実施例のように、多数の関節により任意の姿勢に
変化させることができ、しかも、結合部材の弾性
軸部の作用により、変化された後の姿勢を保持し
うるものを用いる場合は、人形本体が被覆体の心
材として機能するため、被覆体により、従来の例
えば、ぬいぐるみ、その他の動物玩具では得られ
なかつた形態・姿勢を創造し、表現することが可
能である。

上記の実施例では、被覆体Ｂが胴体２９から分
離された頭部２８を有していたが、これに限定さ
れるものではなく、第１０図に例示するように、
胴体に頭部を一体に備えたものとしてもよい。被
覆体を弾性樹脂材料で形成し、かつ、背部に人形
本体に着脱するための開閉部を備えるので、この
ように頭部を胴体に一体に成形しても、被覆体の
人形本体への装着は可能である。また、被覆体
は、第１０図に例示するように、手部又は足部の
いずれか一方が胴体から分離不可能なものであつ
てもよく、従つて人形本体も手又は足のいずれか
一方が本体に対して着脱自在であればよい。

［この考案の効果］ 上述のように、この考案によれば、人形のみで
従来と同様に着せ替えをして遊ぶことができるほ
か、その人形本体に被覆体を被着し、その人形本
体の手足に代えて、被覆体の手足を装着すること
により、その人形本体の有する外観とは全く異な
る外観の形態、例えば、怪獣など、に簡単に変化
させることができる。従つて、従来の被服の交換
しかできなかつた着せ替え人形から、予想もでき
ない、形態の著しい変化を楽しむことができ、遊
びの内容に厚みが増す。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであり、
第１図は人形本体の一部を分解して示す斜視図、
第２図は同じく頭部及び胸部の斜視図、第３図は
結合部材の一つを示すものでイは斜視図、ロは断
面図、第４図は腕部の付根の結合部材を示す斜視
図、第５図は同じく結合されている状態の断面
図、第６図は他の結合部材の斜視図、第７図は人
形衣服の一例を示す斜視図、第８図は被覆体の分
解斜視図、第９図は人形本体に被覆体を被着した
状態の背後から見た斜視図、第１０図は人形本体
に他の実施例の被覆体を被着した状態の正面図で
ある。 Ａ……人形本体、３ｃ……手部、７ｃ……足
部、Ｂ……被覆体、３０……手部、３１……足
部、３２……空洞部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 着せ替え人形本体と被覆体とからなり、 (ロ) 前記着せ替え人形本体は、その手及び／又は
   足が、人形本体に対して着脱可能な結合手段を
   有しており、 (ハ) 前記被覆体は、前記人形本体を収容被覆する
   ためのものであつて、人形以外の外観を有し、
   その手及び／又は足は前記人形本体の手及び／
   又は足の結合手段と同一の結合手段を有するこ
   と、 を特徴とする着せ替え人形。