JP3926760B2 - 炭化硼素−二硼化クロム焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化硼素−二硼化クロム焼結体及びその製造方法等に関するものであり、更に詳しくは、非加圧条件化で焼結することによって作製した焼結体であって、高い密度を有する炭化硼素−二硼化クロム焼結体、更に、高い導電率を持ち、高い曲げ強度を有すると共に、高い破壊靭性値を兼ね備えた炭化硼素−二硼化クロム焼結体、それらの製造方法、及び耐摩耗性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、炭化硼素焼結体は、軽量で高い硬度を有し、耐摩耗性や耐腐食性に優れた材料であり、現状では、サンドブラストノズル、線引きダイス、押し出しダイス等に使用されている。しかしながら、炭化硼素焼結体は、難焼結性であり、通常は、ホットプレス法により作製されている。この製造方法は、生産コストが高いことから炭化硼素焼結体の一般的な応用を妨げている。そこで、ホットプレス法に代わって、非加圧条件下(常圧法)で加熱(焼結)することにより、炭化硼素焼結体を作製することが検討されている。例えば、先行技術文献(非特許文献1参照)では、焼結助剤として、炭素を添加し、非加圧条件下にて炭化硼素焼結体を作製しているが、2150℃以上の極めて高い温度で焼結する必要があることから、実用上好ましくない。
【0003】
【非特許文献1】
K.A.Schwetz,J.Solid State Chemistry133,177−81(1997)
【0004】
更に、炭化硼素焼結体は、その硬度が極めて高いことから、通常の研削・研磨法では加工し難く、また、炭化硼素焼結体の導電率が10〜300S/mのレベルと低いために、放電加工が困難である、という問題があった。
上記の様に、炭化硼素焼結体は、難焼結性、難加工性であることから、現状では、極めて限定された用途にのみ使用されているのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、非加圧条件下にて焼結することにより、緻密で高強度、高靭性の炭化硼素−二硼化クロム焼結体の研究/開発を鋭意進める過程で、特定の物性を有する炭化硼素粉末に二硼化クロムを所定量添加し、非加圧条件下にて二硼化クロムの液相が発生する液相焼結を行って、それにより、特定の微細組織を有し、導電性の高い二硼化クロム相が3次元的にネットワーク構造を形成した焼結体を作製することで、優れた特性を持つ炭化硼素−二硼化クロム焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、相対密度が90%以上であり、5×102 S/m以上の導電率を持ち、400MPa以上の四点曲げ強度を有すると共に、3.0MPa・m1/2 以上の破壊靱性値を兼ね備えた炭化硼素−二硼化クロム焼結体、及びそれらを非加圧条件下にて焼結することによって製造する方法、及びそれらの用途を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)平均粒径(D50)が2μm以下で、比表面積が10m2/g以上である炭化硼素粉末に二硼化クロム粉末を10〜25mol%添加し、混合してなる原料粉末を、成形した後、二硼化クロム(CrB2)を主成分とする液相が発生する温度領域で、非加圧条件下で二硼化クロムの液相が発生する液相焼結を行うことにより、導電性の高い二硼化クロム相が3次元的なネットワーク構造を形成した焼結体であり、当該焼結体中の炭化硼素粒子の最大粒子径が100μm以下であり、粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10〜100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6であり、5×102S/m以上の導電率を有する炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製することを特徴とする炭化硼素−二硼化クロム焼結体の製造方法。
(2)平均粒径(D50)が8μm以下の二硼化クロム粉末を用いる、前記(1)記載の方法。
(3)非酸化性雰囲気下の非加圧条件下で1950〜2100℃に加熱して液相焼結を行う、前記(1)記載の方法。
(4)炭化硼素(B4C)に二硼化クロム(CrB2)を10〜25mol%含有する炭化硼素−二硼化クロム焼結体であって、二硼化クロム相が3次元的なネットワーク構造を形成した焼結体であり、当該焼結体の相対密度が90%以上であり、前記焼結体中の炭化硼素粒子の最大粒子径が100μm以下であり、粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10〜100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6であり、5×102S/m以上の導電率を有することを特徴とする炭化硼素−二硼化クロム焼結体。
(5)四点曲げ強度が400MPa以上であり、破壊靱性値が3.0MPa・m1/2以上であることを特徴とする前記(4)記載の炭化硼素−二硼化クロム焼結体。
(6)前記(4)又は(5)に記載の炭化硼素−二硼化クロム焼結体を構成要素として含むことを特徴とする耐摩耗性部材。
【0008】
【発明の実態の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
非加圧条件下で焼結することにより、緻密な炭化硼素系焼結体を作製するには、ある程度の炭化硼素の粒成長が必要であり、粒成長がまったく起こらないと、高い密度の焼結体が得られない。一方、粒成長が進みすぎると、粗大粒子が緻密化の障害となり、返って焼結体密度が低下し、また、粗大粒子が破壊起点となって曲げ強度が低下する。本発明では、特定の物性を有する炭化硼素粉末を用い、二硼化クロム(CrB2 )を主成分とする液相が発生する温度領域にて、特定の非加圧条件下で焼結を行うことにより、炭化硼素粒子の最大粒子径が100μm以下であり、粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10から100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02から0.6の範囲であって、相対密度が90%以上であり、導電性の高い二硼化クロム相が3次元的にネットワーク構造を形成しており、5×102 S/m以上の導電率を持ち、400MPa以上の四点曲げ強度を有し、かつ3.0MPa・m1/2 以上の破壊靱性値を有することを特徴とする炭化硼素−二硼化クロム焼結体、が作製される。
【0009】
本発明に用いる炭化硼素粉末としては、好適には、レーザー回折散乱法やドップラー法にて測定した平均粒径(D50) :2μm以下のものがあげられる。平均粒径(D50)が2μmより大きいと、焼結性が劣り、1950〜2100℃の温度範囲で緻密な焼結体が得られず、それを緻密化するためには粒成長が起こり易い、より高い温度で焼結する必要があり、曲げ強度の劣化をまねく可能性がある。比表面積(BET) については、好ましくは焼結性が良好な10m2 /g以上の炭化硼素粉末を用い、より好ましくは15m2 /g以上のものを用いるのがよい。
【0010】
前記の物性を有する炭化硼素粉末は、ふるい分け、沈降分離、粉砕等の手段によって調製し得るが、前記物性を有する市販品を入手して使用してもよい。
上記の物性を有する炭化硼素粉末に二硼化クロム粉末を10〜25mol%添加し、成形した後に、真空中或いはAr等非酸化性雰囲気下の非加圧条件下で1950〜2100℃の焼結温度範囲で、二硼化クロム系液相を発生させた状態にて加熱(焼結)を行う。
【0011】
二硼化クロム粉末は、焼結中に一部の炭化硼素粉末と反応して溶融し、二硼化クロム系液相を発生し、炭化硼素粒子間に浸透することから、炭化硼素粉末に比較して、粒径の大きな原料粉末でも使用でき、好ましくは、平均粒径(D50)が8μm以下の二硼化クロム粉末を用いることができ、より好ましくは平均粒径(D50)が4μm以下のものを使用することができる。
【0012】
焼結温度が1950℃より低い場合には、二硼化クロム系液相が発生しないことから、十分に緻密な炭化硼素焼結体が作製できず、二硼化クロム相の3次元的なネットワーク構造が形成されず、そのために、高い導電率が得られない。また、2100℃より高い焼結温度では、粒成長により粗大な炭化硼素粒子が生成し、曲げ強度の低下を招く可能性がある。
【0013】
二硼化クロムの添加量が10mol%未満であると、十分な量の二硼化クロム系液相が生成しないことから、緻密な焼結体が得られず、導電率及び破壊靭性値の改善効果も十分でない。また、二硼化クロムの添加量が25mol%より多い場合には、焼結体の密度が3. 0g/cm3 よりも高くなり、炭化硼素系焼結体の軽量性の特徴が損なわれ、硬度も低下する。本発明の方法により作製された炭化硼素−二硼化クロム焼結体は、優れた特性を有し、耐摩耗性部材として有用である。本発明において、上記耐摩耗性部材とは、摺動部品、切削工具、耐摩耗性部品などのあらゆる種類の部材を包含するものであることを意味している。
【0014】
【作用】
本発明では、非加圧条件下にて二硼化クロムの液相が発生する液相焼結を行って、特定の微細構造を有し、導電性の高い二硼化クロム相が3次元的にネットワーク構造を形成した焼結体を作製することで、優れた特性を有する炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製することができる。本発明の炭化硼素−二硼化クロム焼結体は、二硼化クロムの熱膨張率が炭化硼素より大きいため、破壊の進行時に炭化硼素粒子と二硼化クロム相との界面近傍にて亀裂の伝播の迂回やマイクロクロックが発生することによって、破壊靭性値が改善される。また、最大粒子サイズが100μm以下であること、二硼化クロム系液相による溶解・析出機構によって、炭化硼素粒子の突起部分が消失して応力集中が緩和されること、炭化硼素粒子が二硼化クロム相によって結合されるため、加工時に炭化硼素粒子の脱落が抑制されることや破壊靭性値が改善されることにより、強度が改善され、400MPa以上の高い曲げ強度が得られる。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の内容を、実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
表1に示す物性を有する炭化硼素粉末Iに、平均粒径(D50):3.5μmの二硼化クロム粉末をそれぞれ20mol%配合し、メタノール溶媒を用いて、SiC製遊星ボールミルにて回転数:275rpm、1時間の混合を行った。スラリーをエバポレーターで乾燥させ、更に、150℃、24時間の乾燥を行った後に、250meshのふるいに通して、炭化硼素−二硼化クロム混合粉末を調製した。20MPaにて金型成形した後、200MPaのCIP成形を行って成形体を作製した。黒鉛製容器に成形体を入れ、抵抗加熱式焼結炉に取り付けた。拡散ポンプを用いて2. 0×10-1〜2. 0×10-2Paの圧力に真空引きをしながら、40℃/分の昇温速度にて加熱を行った。1000℃に到達した時に真空引きを終了してArガスを導入し、1500℃まで加熱した。1500℃から2030℃までは10℃/min昇温速度にて加熱した。2030℃に到達した後、非加圧条件下で1時間の焼結を行って炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製した。
【0016】
【表1】
【0017】
炭化硼素焼結体の四点曲げ強度及び破壊靭性値を、それぞれ、JIS R1601、JIS R1607に基づいて測定した。テストピースの表面は、平面研削盤 400番にて仕上げた。また、アルキメデス法にてテストピースの密度を測定し、相対密度を計算した。テストピースの表面をラッピングし、エッチング処理を行った後に、SEM観察を行い、画像処理を行うことによって、炭化硼素の最大粒子径、及び粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10から100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)を測定した。導電率は4端子法を用いて測定した。
【0018】
評価の結果を表2に示す。得られた焼結体は、90%以上の相対密度を持ち、最大粒子径が100μm以下であり、炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6の範囲内にあり、5×102 S/m以上の導電率を有し、400MPa以上の四点曲げ強度及び3.0MPa・m1/2 以上の破壊靱性値を有していた。
【0019】
【表2】
【0020】
実施例2
表1に示す物性を有する炭化硼素粉末IIに、平均粒径(D50):3.5μmの二硼化クロム粉末をそれぞれ20mol%配合し、メタノール溶媒を用いて、SiC製遊星ボールミルにて回転数:275rpm、1時間の混合を行った。スラリーをエバポレーターで乾燥させ、更に、150℃、24時間の乾燥を行った後に、250meshのふるいに通して、炭化硼素−二硼化クロム混合粉末を調製した。20MPaにて金型成形した後、200MPaのCIP成形を行って成形体を作製した。黒鉛製容器に成形体を入れ、抵抗加熱式焼結炉に取り付けた。拡散ポンプを用いて2. 0×10-1〜2. 0×10-2Paの圧力に真空引きをしながら、40℃/分の昇温速度にて加熱を行った。1000℃に到達した時に真空引きを終了してArガスを導入し、1500℃まで加熱した。1500℃から2030℃までは10℃/min昇温速度にて加熱した。2030℃に到達した後、非加圧条件下で1時間の焼結を行って炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製した。
【0021】
炭化硼素焼結体の四点曲げ強度及び破壊靭性値を、それぞれ、JIS R1601、JIS R1607に基づいて測定した。テストピースの表面は、平面研削盤 400番にて仕上げた。また、アルキメデス法にてテストピースの密度を測定し、相対密度を計算した。テストピースの表面をラッピングし、エッチング処理を行った後に、SEM観察を行い、画像処理を行うことによって、炭化硼素の最大粒子径、及び粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10から100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)を測定した。導電率は4端子法を用いて測定した。
【0022】
評価の結果を表2に示す。得られた焼結体は、90%以上の相対密度を持ち、最大粒子径が100μm以下であり、炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6の範囲内にあり、5×102 S/m以上の導電率を有し、400MPa以上の四点曲げ強度及び3.0MPa・m1/2 以上の破壊靱性値を有していた。
【0023】
比較例1
表1に示す物性を有する炭化硼素粉末III を用いたこと以外は、上記実施例1〜2と同様の手順にて、非加圧条件下で焼結を行って、炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製し、評価を行った。
表2に、評価の結果を示す。比較例1では、平均粒径(D50)が2μmより大きく、比表面積(BET) が10m2 /gより小さい炭化硼素粉末を用いたため、緻密な焼結体ができずに、炭化硼素粒子の存在比(面積比)が、0.02〜0.6の範囲内からはずれ、曲げ強度及び破壊靭性値は低い値となった。
【0024】
実施例3
炭化硼素粉末Iに、上記実施例1〜2と同じ二硼化クロム粉末を、15mol%配合し、上記実施例1〜2と同様な手順にて、炭化硼素−二硼化クロム混合粉末を調製した。焼結温度2050℃としたこと以外は上記実施例1〜2と同様の手順にて非加圧条件下で焼結を行って、炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製し、評価を行った。
評価の結果を表2に示す。得られた焼結体は、90%以上の相対密度を持ち、最大粒子径が100μm以下であり、炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6の範囲内にあり、5×102 S/m以上の導電率を有し、400MPa以上の四点曲げ強度及び3.0MPa・m1/2 以上の破壊靱性値を有していた。
【0025】
実施例4
炭化硼素粉末Iに、上記実施例1〜2と同じ二硼化クロム粉末を、22.5mol%配合し、上記実施例1〜2と同様な手順にて、炭化硼素−二硼化クロム混合粉末を調製した。焼結温度2020℃としたこと以外は上記実施例1〜2と同様の手順にて非加圧条件下で焼結を行って、炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製し、評価を行った。
評価の結果を表2に示す。得られた焼結体は、90%以上の相対密度を持ち、最大粒子径が100μm以下であり、炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6の範囲内にあり、5×102 S/m以上の導電率を有し、400MPa以上の四点曲げ強度及び3.0MPa・m1/2 以上の破壊靱性値を有していた。
【0026】
比較例2
二硼化クロム粉末の配合量を7.5mol%としたこと以外は、上記実施例1〜2と同様の手順にて、非加圧条件下で焼結を行って、炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製し、評価を行った。
評価の結果を表2に示す。二硼化クロム粉末の配合量が低く、十分な量の二硼化クロム系液相が発生しないため、緻密な焼結体が得られず、炭化硼素粒子の存在比(面積比)が、0.02〜0.6の範囲内からはずれ、導電率は改善されず、曲げ強度及び破壊靭性値は低い値となった。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、炭化硼素−二硼化クロム焼結体及びその製造方法等に係るものであり、本発明により、1)導電性の高い二硼化クロム相が3次元的にネットワーク構造を形成した焼結体が得られる、2)本発明の炭化硼素−二硼化クロム焼結体は、低い焼結温度にて非加圧条件下(常圧法)で加熱(焼結)することにより作製することが可能である、3)高い焼結体密度を有し、導電性が良好であり、放電加工による加工が可能である、4)新しい耐摩耗性部材を提供することができる、更に、5)本発明の炭化硼素−二硼化クロム焼結体は、強度・靭性が高く、機械的特性が優れるので、摺動部品、切削工具や新しい耐摩耗性部品等、いろいろな用途で用いられることができ、産業上有用である、という格別の効果が奏される。
Claims (6)
- 平均粒径(D50)が2μm以下で、比表面積が10m2/g以上である炭化硼素粉末に二硼化クロム粉末を10〜25mol%添加し、混合してなる原料粉末を、成形した後、二硼化クロム(CrB2)を主成分とする液相が発生する温度領域で、非加圧条件下で二硼化クロムの液相が発生する液相焼結を行うことにより、導電性の高い二硼化クロム相が3次元的なネットワーク構造を形成した焼結体であり、当該焼結体中の炭化硼素粒子の最大粒子径が100μm以下であり、粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10〜100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6であり、5×102S/m以上の導電率を有する炭化硼素−二硼化クロム焼結体を作製することを特徴とする炭化硼素−二硼化クロム焼結体の製造方法。
- 平均粒径(D50)が8μm以下の二硼化クロム粉末を用いる、請求項1記載の方法。
- 非酸化性雰囲気下の非加圧条件下で1950〜2100℃に加熱して液相焼結を行う、請求項1記載の方法。
- 炭化硼素(B4C)に二硼化クロム(CrB2)を10〜25mol%含有する炭化硼素−二硼化クロム焼結体であって、二硼化クロム相が3次元的なネットワーク構造を形成した焼結体であり、当該焼結体の相対密度が90%以上であり、前記焼結体中の炭化硼素粒子の最大粒子径が100μm以下であり、粒子径5μm以下の炭化硼素粒子に対する10〜100μmの炭化硼素粒子の存在比(面積比)が0.02〜0.6であり、5×102S/m以上の導電率を有することを特徴とする炭化硼素−二硼化クロム焼結体。
- 四点曲げ強度が400MPa以上であり、破壊靱性値が3.0MPa・m1/2以上であることを特徴とする請求項4記載の炭化硼素−二硼化クロム焼結体。
- 請求項4又は5に記載の炭化硼素−二硼化クロム焼結体を構成要素として含むことを特徴とする耐摩耗性部材。
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