JP3926101B2 - 通信システムでの反復デコーダに対する量子化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システムの受信機に関し、特に、受信信号に対する量子化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
実際にチャネルデコーダを具現する時、ビット数、電力及びプロセスディレー(Process Delay)などのシステム資源(System Resource)が制限されるのが一般的である。特に、ある特定の信号がデコーダ内で処理される時、前記信号は限定されたビット数で表現されるべきである。即ち、デコーダの入力信号は量子化(Quantization)されなければならない。このように信号を量子化する場合に信号の分解能(Resolution)又は精度(Precision)を考慮しなければならない。なぜなら、信号の分解能などはデコーダの全体性能に大きな影響を及ぼすためである。従って、デコーダの入力端及びデコーダ内での信号表現を行う上で正確なビットの数(Quantization Bit:以下、QBと称する)の選択のような量子化方法は重要な課題となる。
【0003】
無線通信システム(例えば、衛星システム、WCDMA、CDMA−2000)において送信側(transmitter)は信頼できるデータ伝送のために誤り訂正符号(Forward Error Correction)を使用することができる。また、受信側では伝送されたデータに対するデコーディングが行われ、この時、前記受信側は前記伝送されたデータについて反復デコーディング(Iterative Decoding)方式を使用することができる。該反復デコーディング方式は、デコーダの出力成分を次のデコーディングのための入力として再び用いる点にその特徴がある。従って、前記反復デコーダの出力はハイ(High)、ロー(Low)信号(例えば、+1,−1)のように硬判定(Hard Decision)された信号でなく、ソフトな信号値(例えば、0.7684、−0.6432…)を有しなければならない。また、反復デコーダは少なくとも二つ以上のデコーダから構成される。また、各デコーダ間のインタリーバはデコーダの出力ビット列の順序を変える。そして、デコーディングされた信号の成分が出力端にフィードバックされる時、反復デコーダに備えられるデインタリーバはインタリービングされた信号の各ビットを元の位置に再配置する。
【0004】
図1は従来の音声信号伝送に対するビタビデコーダ(Viterbi Decoder)の量子化方法を説明するためのグラフである。
前記図1のグラフにおいて、横軸は受信信号のレベルを意味し、縦軸は確率密度関数(Probability Density Function:PDF)を意味する。この時、前記受信信号の伝送チャネルを付加白色ガウス雑音(Additive White Gaussian Noise:AWGN)チャネルと仮定する。また、受信及び復調された信号をPDFについて一定間隔に量子化する。かかる一定間隔の量子化方法は、具現の容易さと良好な復号性能のために広く使用されている。また、前記図1に示すように、与えられたQBは4であり、これから得られる量子化レベル(Quantization Level:以下、QLと称する)は、送信側から伝送した信号レベル(+A〜−A)間の区間を表現するのに用いられる。例えば、送信側から伝送された信号は伝送チャネル上における雑音によって前記+A以上及び−A以下の値を有し得るが、前記+A以上及び−A以下の信号は全てQMAX(Maximum Quantization Level)又はQMIN(Minimum Quantization Level)にマッピングされてしまう。
【0005】
しかしながら、ビタビデコーダは、基本的に非反復デコーディング方式(Non-Iterative Decoding Scheme)を使用するためその出力値は硬判定された値になり、デコーダ出力成分が再び復号動作に使用されない。従って、ビタビデコーダは前記量子化方法による信号を入力して十分に信頼性あるデコーディング動作が行える。実際に、QBを4にセットする時(QL=16)、前記ビタビデコーダと無限大レベルデコーディング間の性能には0.2dBの差しかない。
【0006】
一方、反復デコーディング方式を用いるデコーダにおいて、デコーダの入/出力はSISO(Soft-Input/Soft-Output)に基づいている。従って、反復デコーディング方式を使用するデコーダの入力信号は両極性(Polarity)の他に信頼度も考慮されるべきである。即ち、SISO反復デコーダからフィードバックされる出力信号は、硬判定されたハイ又はローレベルの信号でなく、ソフトな信号になるべきである。しかし、前記図1で上述した従来の量子化方法においてアナログ信号がデジタル値に変換される時に既に送信信号のレベル(−A〜+A)以上及び以下の信号は切断(truncation)される。このため、従来の量子化方法では反復デコーダの深刻な性能劣化が生ずる恐れがあった。従って、反復デコーダに入力される送信レベル(−A〜+A)以上及び以下の信号についても相異なるレベルを割り当てることによって、即ち量子化区間(Quantization Range)を送信レベル(−A〜+A)以上及び以下に拡張することによって、反復デコーダ入力信号に対する信頼性を差別化しなければならない。
【0007】
また、前記図1の従来の量子化方法のように受信信号の表現レベルが割り当てられると、量子化区間の拡張によって生ずる不十分な量子化レゾリューション(Quantization Resolution)のため反復デコーダの性能が劣化してしまう恐れもある。従って、最適のQBを求めなければならない。
特に、受信側でBPSK(Bi-Phase Shift Keying)又はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などで復調されたターボデコーダの入力端の信号は大抵アナログ信号であるが、ターボデコーダを実VLSIで具現する場合、そのアナログ信号を量子化するためのパラメータの基準が提示されなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、通信システムにおいて反復デコーダの量子化区間を入力信号の送信レベル以上及び以下に拡張する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ターボデコーダに対する量子化方法において、任意の量子化ビット数における最適の量子化区間を求める方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、通信システムで実験的に与えられた量子化ビットからターボデコーダに対する最適の量子化区間を求める方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、反復デコーダの符号率が1/4以上の時、反復デコーダの入力信号の量子化ビット数と各コンポーネントデコーダのメートル計算(Metric Computation)を考慮した前記各デコーダの信号表現ビットの数を設定する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、通信システムにおいて、ターボデコーダに対する最適の量子化パラメータを求める方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、ターボデコーダを実VLSIで具現する場合、ターボデコーダの入力端のアナログ信号を量子化するためのパラメータの基準を提示する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、通信システムで反復デコーダに対する量子化方法を提供する。この量子化方法は、送信器からの送信信号レベルの2n(nは正の整数)倍の範囲で受信信号のレベルを予め設定された区間に等分する過程と、前記等分された各区間で受信される信号のレベルを量子化する過程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う好適な実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一な構成要素及び部分には、可能な限り同一な符号及び番号を共通使用するものとする。
そして、以下の説明では、具体的な特定事項が示しているが、これに限られることなく本発明を実施できることは、当技術分野で通常の知識を有する者には自明である。また、関連する周知技術については適宜説明を省略するものとする。
【0013】
図2は、本発明の実施形態による反復デコーダに対する量子化方法を説明するためのグラフである。
前記図2のグラフにおいて、横軸は受信信号のレベルを意味し、縦軸はPDFを意味する。この時、前記受信信号の伝送チャネルをAWGNチャネルと仮定する。そして、図2に示すように、使用されたQBは前記図1と同様に4であり、これから得られるQL、即ち本発明の実施形態によって量子化区間は送信レベル(−A〜+A)以上及び以下に拡張されたことが判る。従って、本発明の実施形態による量子化方法では、反復デコーダに入力される送信レベル(−A〜+A)以上及び以下の信号についても相異なるレベルを割り当てるようになる。即ち、量子化区間を送信レベル(−A〜+A)以上及び以下に拡張して反復デコーダ入力信号に対する信頼性を差別化し得る。
【0014】
この時、前記図1の従来の量子化方法と同様に、受信信号を16レベルで表現する場合(QB=4)は、量子化区間の拡張によって発生する不十分な量子化レゾリューション(QS=1/Δ)のために反復デコーダの性能が劣化してしまう恐れがある。従って、最適のQBを求めなければならない。また、反復デコーダに備えられる各コンポーネントデコーダの内部メートル計算によるダイナミックレンジ(Dynamic Range)の増加を考慮しなければならない。その結果、各コンポーネントデコーダの内部で信号を処理するためのビット数は反復デコーダ入力量子化ビット数より所定ビット大きくなるべきである。
【0015】
かかる観点からターボデコーダに対する最適の量子化区間及び量子化ビット数を求める具体的な方法は後述される。
図3は、本発明の実施形態による量子化器が入力信号を量子化して反復デコーダに出力する関係を示すブロック図である。
図3を参照すれば、第1入力信号、第2入力信号及び第3入力信号は受信側(図示せず)の復調部(図示せず)から出力されたアナログ信号になり得る。そして、第1入力信号は元のデータ値の順序を有するシステマティック部(systematic part)XKになり得る。また、第2入力信号及び第3入力信号は、各々パリティ部(parity part)Y1K及びY2Kになり得る。即ち、前記第2入力信号及び第3入力信号は送信側で誤り訂正のために元のデータ値に予め加えられた値(redundant value)になる。また、第2入力信号及び第3入力信号は前記送信側でターボ符号化及びデインタリーブされた信号になり得る。
【0016】
量子化器310は、XK、Y1K及びY2Kを受けて本発明の実施形態による量子化動作を行い、量子化したX'K、Y'1K及びY'2Kを反復デコーダ320に出力する。この時、量子化器310は本発明に従って量子化区間を送信レベル以上及び以下に拡張する。
【0017】
反復デコーダ320はターボデコーダから構成することもできる。反復デコーダ320に備えられる各コンポーネントデコーダは、様々な方式で入力信号についてデコーディング動作を行うことができる。これら方式には、代表的にMAP(Maximum Aposteriori Probability)アルゴリズムとSOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)がある。SOVAを使用する場合、ブランチメートル計算(branch metric computation)によって増加されるデコーダ内のダイナミックレンジを考慮しなければならなく、従って、所定のビットがさらに必要とされる。これと同様に、MAPアルゴリズムを使用する場合も、内部ブランチメートル計算が符号率によって決定されるため、所定のビットがさらに必要とされる。本発明の実施形態による量子化器310は前記2方式のデコーダのいずれにも適用可能である。通常、前記両方式において同一の符号化パラメータが使用される。一方、反復デコーダ入力信号に対する量子化器310の表現ビット数、即ちQBをNビットと仮定すれば、デコーダ内ではn+m(m≧0)のビットプレシジョン(precision)で入力信号を処理すべきである。一般にmビット数はコンポーネントデコーダの符号化率によって可変される。
【0018】
図4は、本発明の実施形態による符号率が1/3である反復デコーダの構造を示す図である。
図3及び図4を参照すれば、第1デコーダ420及び第2デコーダ450は複数のビットからなるビット群のソフト信号値を受信する。この時、第1デコーダ420及び第2デコーダ450はMAP及びSOVA方式に基づいて動作される。また、前記反復デコーダはターボデコーダで構成しても良い。
【0019】
そして、第1入力信号、第2入力信号及び第3入力信号はnビットで表現する場合に前記図3の量子化器310によって所定レベル{l0,l1,l3,……l2 n -1}中の一つのレベルにマッピングされる。この時、X'K、Y'1K及びY'2Kは下記の式(1)で表現できる。
【0020】
【数1】
【0021】
第1加算器410は、X'Kを受信して第2減算器470からフィードバックされる外部情報信号(extrinsic information signal)EXT2に加える動作を行う。前記EXT2信号は、初期復号時には存在しなく、第2デコーダ450のデコーディング動作によって発生する。そして、第1デコーダ420は第1加算器410の出力とY´1Kを受信してデコーディング動作を行う。この時、第1デコーダ420から出力される信号は、X´K、EXT1及びEXT2になる。次いで、第1減算器430は、前記第1デコーダ420の出力からEXT2を減算する動作を行う。即ち、ノードNAにおける信号はXK、EXT1になる。
【0022】
さらに、インタリーバ440は、入力される信号をインタリービングして前記第1減算器430の出力のビット順序を変える動作を行う。この時、前記インタリーバ440の出力はX´K及びEXT1になる。そして、第2デコーダ450はインタリーバ440の出力とY´2Kを受信してデコーディング動作を行う。この時、第2デコーダ450から出力される信号はX´K、EXT1及びEXT2になる。次いで、デインタリーバ460は前記第2デコーダ450の出力をデインタリービングして元のデータ順序にX´Kを再配置する。第2減算器470によって、前記再配置されたデインタリーバ460のソフト信号出力からノードNAの信号X´1、EXT1が減算され、第1デコーダ420の外部情報信号として再び使用される。
【0023】
かかる反復デコーダの反復デコーディング動作によって第1デコーダ420の出力又は第2デコーダ450の出力ソフト信号値は改善された誤り訂正能力を有することになる。そして、ある時点では前記デコーダ出力は完全に誤り訂正された状態になる。前記誤り訂正されたデコーダの出力は、レベル判別器480で硬判定されて出力バッファ490を通じて出力される。
【0024】
一方、第1デコーダ420と第2デコーダ450内ではメートル計算によって信号のダイナミックレンジが増加する。従って、各デコーダ内における信号表現レベルは2n+m−1レベルにならなければならない。ここで、前記nは前記図3において入力信号に対するQBを意味し、前記mはコンポーネントデコーダの信号復号時、各デコーダのメートル計算による信号のダイナミックレンジに対応してさらに加えられるべきビットの数を意味する。一般に、前記m値は反復デコーダのコンポーネントデコーダの符号率によって決定される。
【0025】
前述の如く、本発明の実施形態による反復デコーダに対する量子化方法は、入力信号を所定レベルで表現するに際して反復デコーダに備えられるコンポーネントデコーダの符号率を考慮すべきである。即ち、内部メートル計算のために増加されるデコーダ入力信号のダイナミックレンジを考慮しなければならなく、従って、n+m個のQBが必要とされる。
【0026】
例えば、SOVAデコーダにおいて、mビットの増加はパスメートル計算(path metric computation)過程で発生する。即ち、現時点でのパスメートルは、以前時点までのデコーディングを行う上で累積されたパスメートル(normalized path metric)と、現時点で新規の入力によるブランチメートルと、外部情報との和である。従って、新規のパスメートルは、デコーダに入力される信号に比べてダイナミックレンジがさらに大きくなる。下記の式(2)、(3)は現時点(k)でのパスメートルの計算式を示す。
【0027】
【数2】
【0028】
ここで、前記PM(k)は、k時点で新たに計算されたパスメートルであり、前記PM(k−1)はk−1時点まで累積されたパスメートルである。そして、前記BM(k)は、k時点でのブランチメートルであり、前記X(k)はk時点でのシステマティック入力信号であり、前記Yi(k)はi番目のパリティ入力信号である。そして、前記Ci(k)はi番目のパリティコードワード(Parity Codeword)であり、前記ui(k)はシステマティックコードワード(Systematic Codeword)であり、前記EXT(k)は外部情報信号である。
【0029】
一方、前記式(2)、(3)において、反復デコーダの符号率が1/3である時、新規に入力される信号による第1デコーダ420のブランチメートルは下記の式(4)で示せる。
【0030】
【数3】
【0031】
前記式(4)において、BM(k)は四つのコンポーネントの和である。また、Ci(k)は−1又は+1なので前記BM(k)は下記の式(5)で示せる。
【0032】
【数4】
【0033】
ここで、前記nは反復デコーダの入力信号を表現するために割り当てられたビット数を意味する。そして、前記式(5)でBM(k)の絶対値(|BM(k)|)は|X(k)・ui(k)+Yi((k)・Ci(k)+Y2((k)・C2(k)+EXT(K)|を意味し、前記2n-1は各コンポーネントの上限(Upperbound)の値を意味する。従って、前記式(5)は、デコーダの符号率が1/3である時に反復デコーダ入力端における信号表現ビット数(QB=n)が割り当てられる場合、コンポーネントデコーダ内での信号のダイナミックレンジの増加によって、割り当てられた前記nビットに2(=m)ビットがさらに加えられるべきであるということを表している。そして、PM(k)は、BM(k)とPM(k−1)との和であって、BM(k)に比べてダイナミックレンジが大きくなるが、毎計算時に正規化(normalization)されて一定なレベルを維持する。即ち、デコーダの符号率が1/3である時、入力信号のレベル表現時ビット数(QB=n)が割り当てられる場合、デコーダの内部メートル計算のためにn+2ビットを使用すると、反復デコーダは劣化することなくデコーディング動作が行える。一方、前記式(5)は反復デコーダの符号率が1/3である場合を仮定したものであって、デコーダの符号率によってその計算式が異なる。
【0034】
前記式(5)は、BM(k)の上限を検出することによって前記BM(k)に追加されるビット数が求められるという思想から得られたものである。即ち、符号率が1/4の場合、BM(k)の絶対値が5×2n-1>|BM(k)|になる。しかし、コンポーネントデコーダの内部メートル計算のための追加ビット数が、前記符号率が1/3である場合と同様に、2ビットであれば、反復デコーダは劣化することなくデコーディング動作が行えることが実験的に証明される。そして、コンポーネントデコーダの符号率が小さくなるほどブランチメートル計算時に加えられるコンポーネントの数が増加する。この結果、BM(k)の値が大きくなり、従って、添加されるm値も増加する。
【0035】
下記の表1は本発明の好ましい実施形態に使用される符号化パラメータを示したものである。
【0036】
【表1】
【0037】
前記表1において、量子化器の特性を決定付けるパラメータはQB、L及びQSである。ミドスレッドユニホーム量子化器(Midthread uniform Quantizer)において、QLとQBとの関係は下記の式(6)で表示できる。
【0038】
【数5】
【0039】
そして、前記QB、QMIN及びQMAXの関係は下記の式(7)で示せる。
【0040】
【数6】
【0041】
また、QSは1/Δに定義され、Lが定められるとQSは下記の式(8)、(9)で示せる。
【0042】
【数7】
【0043】
前記式(8)、(9)において、Lが1である場合は前記図1の従来の量子化方法に該当する。即ち、前記Lが1である場合、量子化区間は、送信側の信号レベルに該当する+Aから−Aまでの区間になる。しかし、前記L=2である場合、量子化区間は、+2から−2までの区間になり、前記L=4である場合、量子化区間は+4Aから−4Aまでの区間になる。前述した数式間の関係に基づいて量子化パラメータの組合せを設定した後、実験的に最適のパラメータセットを求める。
【0044】
下記の表2は本発明の実施形態によるSISOターボデコーダに対する最適の符号化パラメータを求めるために多様なパラメータの組合せを示したものである。
【0045】
【表2】
【0046】
前記表2において、Lは切断値(Truncation Value)であって、例えばL=4の場合、量子化区間は送信信号レベルAの4倍になる。即ち、後述される実験は、割り当てられたQBで1倍、2倍、4倍に拡張される量子化区間上で実施するものと言える。全ての組合せで各コンポーネントデコーダの内部は2QB+2の量子化レベルを有する。このような条件下で最適の量子化パラメータセットを求める。
【0047】
下記の表3は、前記表2のパラメータセットを参照し、Eb/No、QB、QS・A及びLを組合して実験した結果をBER(Bit Error Rate)/FER(Frame Error Rate)の観点から示したものである。この時に使用された反復デコーダはターボデコーダであり、コンポーネントデコーダはlog−MAPアルゴリズム方式のデコーダである。前記log−MAPアルゴリズムは、Implementation and Performance of a Serial MAP Decoder for use in an Iterative Turbo Decoder, Steven S. Pietrobon, Proc., IEEE Int.Symp. on Information Theory, p.471, 1995を参照した。そして、CDMA−2000のF−SCH(Forward Supplemental Channel)、N=1モードでのRS2(Rate Set 2)、符号率が28.kbps(参考:Radio Transmission Technology(RTT) TIA-TR45.5, 02 June 1998)で実験が行われた。そして、テストチャネルはAWGNであり、Eb/Noは0.5dBと1.0dBである。
【0048】
【表3】
【0049】
前記表3の結果から、与えられたQB下でターボデコーダは既存の量子化方法よりさらに広い量子化区間を必要とすることがわかる。例えば、1.0dBで、Lが1の場合はL=2やL=4に比べて全てのQBでBER及びFERが7〜10倍程度大きい。即ち、L=1の場合にはΔ=1/QSが一番小さい場合なので、分解能は高いものの、QR(Quantization Range)が十分でないために性能劣化を来したわけである。言い換えれば、ターボデコーダではビタビデコーダとは違って、与えられたQB下でさらに広いQRが必要とされる。前記ターボデコーダは、QBが与えられと、量子化レゾリューション(quantization resolution)はビタビデコーダに比べて低くなるが、量子化器の動作領域(Quantizer Acting Area)、即ちQRは広くなる。しかし、ターボデコーダは、分解能が低くなっても最適のL値を求めてその領域の受信信号を全て表現するとより良好な性能を示すことができる。
【0050】
実験結果によると、与えられたQBでLが2〜4になると、ターボデコーダは無難な性能を示し、これは既存のQRに比べて少なくとも2倍程度広いQRが必要とされるというのを意味する。最適の量子化パラメータは1.0dB以上のSNR(Signal to Noise Ratio)で選択するのが望ましく、その値はQB=6、QS=8である。これは、L=4、即ちAの4倍程度までをQRとして使用するのが最適のパラメータであるというのを意味する。勿論、QB=7及びQS=16である場合も優秀な性能を示すが、前記QB=6、QS=8である場合に比べてその性能が殆ど改善されなく、従って入力信号の表現ビット数の浪費を招いてしまう。さらに、QRがあまりにも狭く設定されることから生ずる性能劣化は、SNRが高くなるに伴って増加する。
【0051】
一方、信号を符号化する時、量子化スレショルド(Quantization Threshold)を決定しなければならない。前記量子化スレショルドはアナログ入力信号がマッピングされる限界値を意味する。量子化スレショルドセットは下記の式(10)で示せる。
【0052】
【数8】
【0053】
さらに、ミドスレッドユニホーム量子化器のスレショルドセットは下記の式(11)から求められる。
【0054】
【数9】
【0055】
次の表4は本発明の実施形態によるQB=6、L=4である場合の量子化スレショルドセットを示すものである。QL=63レベルであり、これを‘2's Complement Binary Format’で表示した。そして、Δ=1/QS=A/8であり、QMAX=31、QMIN=−31である。
【0056】
【表4】
【0057】
図5は本発明の実施形態による反復復号器に対する量子化方法を示す流れ図である。
図5を参照すれば、510段階で、量子化器310(図3)は符号化パラメータをセットする。この時に入力されるアナログ信号XK、YK1、YK2のうち、送信レベル(−A〜+A)以上及び以下の信号についても相異なるレベルを割り当てるために、量子化区間を送信レベル(−A〜+A)以上及び以下に拡張できるようLが設定されるべきである。この時、ターボデコーダにおいて、任意のQBで量子化区間は送信信号レベルの21乃至22倍程度が適当である。また、前記量子化区間の拡張によって生ずる不十分な量子化レゾリューションを考慮してQBを設定すべきである。ターボデコーダにおいて、入力端の量子化ビット数は5〜7程度が適当である。また、各コンポーネントデコーダの内部信号表現ビット数は内部メートル計算によるダイナミックレンジを考慮して設定すべきである。反復デコーダの符号率が1/4以上の場合、各コンポーネントデコーダ内の信号表現ビット数は前記入力端の量子化ビット数と追加ビットとの和となる。また、QMAXは2QB-1−1になり、QMINは−QMAXとなる。
【0058】
また、520段階で、量子化器310はクロックを1にセットする。次いで、530段階で、量子化器310はアナログ信号XK、Y1K、Y2Kを受信する。540段階で、量子化器310は、各XK、YK1、YK2にQSをかけ、ラウンドオフ(Round-Off)動作を通じて各X'K、Y'1K、Y'2Kを出力する。この時、X'KがQMAXより大きいと、そのX'KはQMAXにマッピングされ、X'KがQMINより小さいと、そのX'KはQMINにマッピングされる。また、Y'1KがQMAXより大きいと、そのY'1KはQMAXにマッピングされ、Y'1KがQMINより小さいと、そのY'1KはQMINにマッピングされる。また、Y'2KがQMAXより大きいと、そのY'2KはQMAXにマッピングされ、Y'2KがQMINより小さいと、そのY'2KはQMINにマッピングされる。
【0059】
次いで、550段階で、量子化器310は現在のクロックがFRAME_LENGTHより大きいか否か検査する。前記FRAME_LENGTHは復号される入力信号のフレーム大きさである。前記入力信号がフレームの終わりでないと、量子化器310は前記530段階からの制御動作を再度行う。前記入力信号がフレームの終わりであると、量子化器310は1フレームに対する量子化動作を終了する。
【0060】
【発明の効果】
前述の如く、本発明の実施形態による反復デコーダに対する量子化方法は、送信レベル(−A〜+A)以上及び以下に量子化区間を拡張し、前記量子化区間の拡張によって発生する不十分な量子化レゾリューションを考慮してQBを設定し、また、各コンポーネントデコーダの内部信号表現ビット数を内部メートル計算によるダイナミックレンジを考慮して設定することによって、反復デコーダを実際に具現する時、最適の量子化パラメータを求める基準を提示する。
【0061】
一方、前記本発明の詳細な説明では具体的な実施形態に上げて説明してきたが、本発明の範囲内で様々な変形が可能であるということは勿論である。従って、本発明の範囲は前記実施形態によって限られてはいけなく、特許請求の範囲とそれに均等なものによって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の音声信号伝送に対するビタビデコーダの量子化方法を説明するためのグラフである。
【図2】 本発明の実施形態による反復デコーダに対する量子化方法を説明するためのグラフである。
【図3】 本発明の実施形態による量子化器が入力信号を量子化し、反復デコーダに出力する連結関係を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施形態による1/3の符号率を有する反復デコーダの構造を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態による量子化方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
310 量子化器
320 反復デコーダ
Claims (13)
- 反復デコーダの量子化方法において、
送信器からの送信信号レベルをmとする時、m×2n(nは正の整数)の範囲で受信信号レベルを予め設定された区間に等分する過程と、
前記等分された各区間で受信される信号のレベルを量子化する過程と、を含み、
量子化する範囲が正の送信信号レベル以上および負の送信信号レベル以下に拡張されていることを特徴とする方法。 - 前記正の整数nが‘2’であることを特徴とする請求項1記載の反復デコーダでの量子化方法。
- 前記正の整数nが‘1’であることを特徴とする請求項1記載の反復デコーダでの量子化方法。
- 前記反復デコーダに備えられる各コンポーネントデコーダが、前記受信信号レベルを表現するためのビット数に比べて所定ビット大きいビット数を用いてメートル計算を行うことを特徴とする請求項1記載の反復デコーダでの量子化方法。
- 前記反復デコーダの符号率が1/4以上の場合、前記受信信号レベルを表現するためのビット数に加えられる所定ビットが2ビットであることを特徴とする請求項4記載の反復デコーダでの量子化方法。
- 前記各コンポーネントデコーダが、MAP(Maximum Aposteriori Probability)アルゴリズムとSOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)とのいずれか一方を用いて入力信号に対する復号を行うことを特徴とする請求項4記載の反復デコーダでの量子化方法。
- 反復デコーダの量子化方法において、
送信器からの送信信号レベルをmとする時、m×2n(nは正の整数)の範囲で5ビット〜7ビットの量子化ビット数を用いて受信信号レベルを‘8’又は‘16’の量子化スケーリングファクターの区間に等分する過程と、
前記等分された各区間で受信される信号のレベルを量子化する過程と、を含み、
量子化する範囲が正の送信信号レベル以上および負の送信信号レベル以下に拡張されていることを特徴とする方法。 - 前記正の整数nが‘2’であることを特徴とする請求項7記載の通信システムでターボデコーダに対する量子化方法。
- 前記量子化ビット数が6ビットであることを特徴とする請求項8記載の通信システムでターボデコーダに対する量子化方法。
- 前記量子化スケーリングファクターが‘8’であることを特徴とする請求項9記載の通信システムでターボデコーダに対する量子化方法。
- 前記ターボデコーダに備えられる各コンポーネントデコーダが、前記受信信号レベルを表現するためのビット数より大きい所定ビット数を用いてメートル計算を行うことを特徴とする請求項7記載の通信システムでターボデコーダに対する量子化方法。
- 前記反復デコーダの符号率が1/4以上の場合、前記受信信号レベルを表現するためのビット数に加えられる所定ビットが2ビットであることを特徴とする請求項11記載の通信システムでターボデコーダに対する量子化方法。
- 前記各コンポーネントデコーダが、MAPアルゴリズムとSOVAとのいずれか一方を用いて入力信号に対する復号を行うことを特徴とする請求項11記載の通信システムでターボデコーダに対する量子化方法。
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