JP3926016B2 - 液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含有する口腔内使用配合物 - Google Patents

液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含有する口腔内使用配合物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液体ポリアルキレングリコール担体および該液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含む口腔ケア配合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシアルキレンブロックコポリマー類は、非イオン性界面活性技術において当業者周知である。特に、BASFに譲渡されたUS 3,740,421(Schmolka)は、薬学的ケア組成物およびパーソナルケア組成物に適したポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンのブロックコポリマーを使用して製造される水性ゲルを開示している。BASFに譲渡されたUS 3,639,574(Schmolka)は、過酸化水素組成物用のゲル化剤として、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類を開示している。BASFに譲渡されたUS 4,465,663(Schmolka)は、パーソナルケアおよび薬学的用途に有用な水性ゲル用のゲル化剤として、ポリオキシブチレン/ポリオキシエチレンブロックコポリマー類を開示している。これら配合物は、PLURONICRの商品名の下、BASF Corporationによって販売されている。
【0003】
また、US 4,272,394およびUS 4,411,810は、機械皿洗い用途におけるポリオキシアルキレンブロックコポリマー類の使用を開示している。US 4,925,988は、自動皿洗い用途において有用な、アルカノール、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの特定の組み合わせを使用する非イオン性界面活性剤を開示している。US 5,374,368は、55〜90重量%の歯科用ケア組成物のレベルで安定な過酸化水素を放出する歯科用ケア組成物における液体EO/PO/EOトリブロックコポリマー類(PLURONICRL31およびL 35界面活性剤)の使用を記載している。US 3,740,421は、ほぼ20〜25重量%のレベルで化粧用ケア配合物およびパーソナルケア配合物において有用な、ゲル形成固体EO/PO/EOトリブロックコポリマー類を開示している。好ましい固体EO/PO/EOトリブロックコポリマー類は、分子量4,600〜16,000を有する。前記固体EO/PO/EOトリブロックコポリマー類は、水溶液に加えた時に、ゲルを形成する。US 3,867,533は、固体のEO/PO/EOトリブロックコポリマー類を含有し、ほぼ20重量%のレベルで有効な分子量6,450〜20,000を有する水性ゲル組成物を開示している。前記組成物は、化粧用配合物を調製するのに有効である。US 4,465,663は、ほぼ20%のレベルで固体のEO/BO(ブチレンオキシド)/EOトリブロックコポリマー類を含有する透明な水性化粧ゲルを開示している。US 5,035,880は、セチルピリジニウム殺菌剤とEO/PO/EO固体トリブロックコポリマー類(PLURONICRF 127界面活性剤)と、15〜80重量%のレベルのポリエチレングリコールとを含有する安定な口腔内使用組成物を開示している。US 4,476,107は、0.5〜5.0重量%のレベルでEO/BO(ブチレンオキシド)/EOトリブロックコポリマー類を含有する口内洗浄剤を開示している。US 5,057,307は、非イオン性界面活性剤、被覆物質および粘着剤(viscosifiers)を含有する口腔衛生ゲルを開示している。前記非イオン性界面活性剤は、BASF Corporation, Mt. Olive, New Jerseyより入手可能なPLURONICRF 108およびPLURONICRF 127界面活性剤である。US 5,256,396は、10重量%より大で約17重量%までのレベルで使用される、約EO/PO/EO固体トリブロックコポリマー(PLURONICRF 127界面活性剤)を含む局所組成物を開示している。EPO-546-627Aは、0.5〜3重量%のレベルで固体EO/PO/EOトリブロックコポリマー類、例えば、PLURONICRL 108、F88界面活性剤を含む口内洗浄剤を開示している。US 5,073,368は、0.1〜3重量%のレベルで固体EO/PO/EOトリブロックコポリマー類、例えば、PLURONICRF 87界面活性剤を含有する口内洗浄剤を開示している。WO 93/13750は、固体のPLURONICRF 87とペーストのPLURONICRP 85EO/PO/EOトリブロックコポリマー類とを含む接眼レンズ洗浄組成物を開示している。PLURONICRP 85界面活性剤は、洗浄組成物の4〜9重量%であり、PLURONICRF 87界面活性剤は、洗浄組成物の0.5〜2重量%である。最後に、US 5,096,698は、0.1〜5重量%のレベルで非イオン性のトリブロック液体EO/PO/EOコポリマーまたは固体のトリブロックEO/PO/EOコポリオマーを含有する歯科用クリーム組成物を開示している。前記コポリマー類は、相分離を防止するのを補助する。PLURONICRF 108界面活性剤(固体)が最も好ましく、続いて、PLURONICRF 87界面活性剤、PLURONICRF 127、PLURONICRL 72界面活性剤が好ましい。US 4,272,394は、機械皿洗浄組成物用の新規な低発泡非イオン性界面活性剤を開示している。US 4,411,810は、機械皿洗浄組成物用の低発泡低曇り点非イオン性界面活性剤を開示している。JP47-48366 B4は、分子量1000以上を有する無味液体ヘテリック(heteric)ポリオキシアルキレン化合物を製造するための方法を開示している。US 5,187,191、US 5,374,368およびUS 5,424,060は、安定なパーカーボネート配合物および口腔内使用組成物を配合するためのポリオキシアルキレン化合物の使用を開示している。
【0004】
本明細書において、「口腔ケア組成物」および「口腔内使用組成物」とは、口内における治療組成物および非治療組成物(例えば、義歯用クリーム、ガム、歯磨き剤等)を意味する。
【0005】
本発明は、口腔内使用配合物のような口腔ケア組成物に関する。口腔内使用配合物は、典型的には、実質量の保湿剤を含有する。保湿剤は、配合物が水分を保持するのを助け、かくして、容器キャップを長期間開いたままである時、配合物が硬まるのを防止する。このような配合物に使用される典型的な保湿剤は、通常、それらの甘味により好ましい保湿剤であるグリセロール、ソルビトールである。使用することのできるその他の保湿剤は、典型的には、200〜600の分子量を有するポリエチレングリコール類である。液体ポリエチレングリコール類は、それらが幾つかの利点、例えば、良好な吸湿性、低粘度、幾つかの口腔内使用組成物成分との良好な相溶性、低揮発性、低コスト、低い毒性、低臭気および低い流動点をもたらすので、非水性口腔内使用配合物を配合するための担体として優れた選択を構成する。さらに最近では、練歯磨き組成物は、有意な水の配合なしで処方されている。このような練歯磨き組成物の例は、鍵となる成分の分解が活性の喪失または成分の反応性の喪失をもたらさない、例えば、ベーキングソーダおよび過酸化水素またはナトリウムパーカーボネートのような過酸素化合物である、有意なレベルの水の存在を許しえないものである。このような練歯磨き組成物の配合および高い安定性は、典型的には、低分子量液体ポリエチレングリコール類より選択される非水性担体を使用することによって達成される。口腔内使用配合物は、また、典型的には、C10 18アルコール類の硫酸エステル類より選択されるアニオン性界面活性剤を含有する。このようなアニオン性界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウムである。アニオン性界面活性剤の主要な機能は、歯磨き中に効率のよい発泡作用を付与することである。しかし、多くの例において、アニオン性界面活性剤単独によって付与される発泡作用は、不適当であり、歯磨き中の所望される発泡プロフィルを達成するために、アニオン性界面活性剤と組み合わせて、追加の成分を加える必要がある。追加の発泡増強を達成するために、典型的に、選択される一般的な成分は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの高分子量固体ブロックコポリマー類である。このような固体ブロックコポリマー類の例は、8,000を上回る数平均分子量を有し、また、少なくとも50%のエチレンオキシドを含有するものである。70%〜80%のエチレンオキシドを含有し、9,000より大なる数平均分子量を有するものが特に好ましい。
【0006】
さらに、また、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの高分子量固体ブロックコポリマー類の非水性口腔内使用配合物での使用で、それらが液体ポリアルキレングリコール担体に不溶であるために、制限が存在する。固体ブロックコポリマーの液体ポリアルキレングリコール担体への溶解は、単一の透明相が得られるまで、それら2つの成分を加熱することによって達成される。遺憾ながら、周囲温度に冷却し戻すと、固体ブロックコポリマーは、相分離して、不均一な混合物の形成をもたらす傾向を有する。不均一な相の配合は、それがいずれかの相におけるある種の口腔内使用組成物成分の優勢な分配をもたらし、配合物の均一性を変更するので、特に問題である。配合物の均一性のこの変化は、口腔内使用配合物が輸送および貯蔵の間に多数回の加熱および冷却サイクルを受ける時、特に顕著である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、当分野におけるこれら前述の問題点を解決した。驚くべきことに、本出願人は、固体ブロックコポリマー類がそれらの調製の間に、固体ブロックコポリマーの結晶質疎水性部分に少量のC3以上のアルキレンオキシドを加えることによって液体とされ、同様の疎水性および分子量を有するポリアルキレン化合物を生成させると、液体ポリオキシアルキレングリコール担体に加える際に、単一で、透明な均一相が達成されることを発見した。本発明の高分子量液体ポリオキシアルキレン化合物の使用に伴うさらなる利点は、ポリアルキレングリコール担体に加える際に、それらが容易に混和し、透明で、均一な単一相組成物を形成し、溶解を達成するために、加熱する必要がないことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
概要
(a)液体ポリアルキレングリコール担体;および、
(b)前記液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含み、前記液体ポリアルキレングリコール担体(a)が、
(i)分子量約600以下を有する液体ポリエチレングリコール類;
(ii)分子量600より大で分子量約3000未満の式(I):
I−[(EO)a(AO)b−M]x (式I)
[ここで、式(I)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個以上のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
AOは、C3 4アルキレンオキシドまたはC3 4アルキレンオキシド類の混合物であり;
EOは、エチレンオキシドであり;
さらにEOおよびAOは、ランダムに分布させてもよく、および/または、ブロック配列で配置させてもよく;
Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
aは、約6〜22の整数であり;
bは、約1〜9の整数であり;
xは、約2〜4の整数である。]
を有する液体ポリオキシアルキレングリコール類または(i)および(ii)の混合物より選択される口腔内使用組成物であるが;
さらに、ただし、前記液体ポリオキシアルキレン化合物(b)が、担体(a)に混和性であり、式(II):
I[(AO)a−(XO)−M]x (式II)
[ここで、式(II)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および2個のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
AOは、C3 4アルキレンオキシドであるか、または、ブロック配列に配置されたC3 4アルキレンオキシドの混合物であり;
XOは、(EO)b(AO)c{ここで、EOは、エチレンオキシドであり、EOおよびAOは、ランダムに分布されている。}であり;
Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
aは、15〜35の整数であり;
bは、50〜150の整数であり;
cは、7〜90の整数であり;
xは、2である。]
によって表される組成物。
【0009】
式(II)で表される化合物の分子量は、8,000〜28,000である。
【0010】
詳細な説明
(a)液体ポリアルキレングリコール担体;および、
(b)前記液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含み、前記液体ポリアルキレングリコール担体(a)が、
(i)分子量約600以下を有する液体ポリエチレングリコール類;
(ii)分子量600より大で分子量約3000未満の式(I):
I−[(EO)a(AO)b−M]x (式I)
[ここで、式(I)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個以上のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
AOは、C3 4アルキレンオキシドまたはC3 4アルキレンオキシド類の混合物であり;
EOは、エチレンオキシドであり;
さらにEOおよびAOは、ランダムに分布させてもよく、および/または、ブロック配列で配置させてもよく;
Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
aは、約6〜22の整数であり;
bは、約1〜9の整数であり;
xは、約2〜4の整数である。]
を有する液体ポリオキシアルキレングリコール類または(i)および(ii)の混合物より選択される口腔内使用組成物であるが;
さらに、ただし、前記液体ポリオキシアルキレン化合物(b)が、担体(a)に混和性であり、式(II):
I[(AO)a−(XO)−M]x (式II)
[ここで、式(II)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および2個のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
AOは、C3 4アルキレンオキシドであるか、または、ブロック配列に配置されたC3 4アルキレンオキシドの混合物であり;
XOは、(EO)b(AO)c{ここで、EOは、エチレンオキシドであり、EOおよびAOは、ランダムに分布されている。}であり;
Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
aは、15〜35の整数であり;
bは、50〜150の整数であり;
cは、7〜90の整数であり;
xは、2である。]
によって表される組成物。
【0011】
式(I)についての分子量範囲は、約600〜3,000である。分子量についてのさらに好ましい値は、約1,000〜2,500である。最も好ましい分子量は、約1,500〜2,000である。
【0012】
式(II)で表される液体ポリオキシアルキレン化合物の分子量は、8,000〜28,000であり、9,000〜24,000がさらに好ましく、10,000〜19,500が最も好ましい。
【0013】
式(I)において、aは、約6〜22の整数であり、好ましくは、約7〜20の整数であり、さらに好ましくは、約10〜16の整数であり;bは、約1〜9の整数であり、好ましくは、約1〜7の整数であり、さらに好ましくは、約2〜5の整数であり;xは、約2〜4の整数であり、好ましくは、約2〜3の整数であり、さらに好ましくは、2である。
【0014】
式(II)において、aは、15〜35の整数であり、好ましくは、20〜32の整数であり、さらに好ましくは、24〜31の整数であり;bは、50〜150の整数であり、好ましくは、65〜135の整数であり;さらに好ましくは、70〜120の整数であり;cは、7〜90の整数であり、好ましくは、10〜70の整数であり、さらに好ましくは、15〜45の整数であり;xは2である。
【0015】
式(I)の開始剤は、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールおよびジエチレングリコールならびにグリセロールからなる群より選択され、最も好ましくは、開始剤は、プロピレングリコールである。
【0016】
式(II)の開始剤は、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールおよびジエチレングリコールからなる群より選択される。好ましくは、開始剤は、プロピレングリコールである。
【0017】
式(I)および式(II)において、EOは、エチレンオキシドである。
【0018】
式(I)および式(II)において、AOは、3個〜4個の炭素を有するアルキレンオキシド部分であり、好ましくは、前記アルキレンオキシド部分は、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドであり、最も好ましくは、プロピレンオキシドである。
【0019】
さらに、式(I)のEOおよびAOは、ランダムに分布されていてもよく、ブロック配列で配置されていてもよい。式(II)においては、分布は、ランダムである必要がある。
【0020】
式(I)および式(II)において、Mは、H;または、リチウム、カルシウム、カリウムおよびセシウムを含むがこれらに限定されない群より選択されるカチオンであり、最も好ましくは、カリウムまたは水素である。
【0021】
本発明の液体ポリアルキレングリコール担体と該液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物の製造方法の説明
本発明の液体ポリオキシアルキレン化合物の製造
本発明の液体ポリオキシアルキレン化合物は、撹拌、圧力ゲージ、熱電対および添加チューブを備えた1または2ガロンのステンレススチールオートクレーブ中で従来の技術によって製造した。例えば、全ての場合において、開始剤、プロピレンおよび触媒は、水を除くために、ステンレススチール撹拌オートクレーブ中で減圧でストリップした。アルキレンオキシドブロックの形成は、窒素雰囲気下、全圧が90psigを上回らないように設定された添加速度で105℃の温度でプロピレンオキシドを加えることによって達成された。ポリオキシプロピレンブロックには、混合オキシド親水性ブロックを形成するために、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物を加えた。混合したオキシドの添加は、上記と同様な圧力制限で135℃で行った。最終生成物は、85%リン酸の添加によって中和し、100ppmのt−ブチルヒドロキシトルエンの添加によって抑制した。
【0022】
本発明の液体ポリアルキレングリコール担体の製造
2ガロンのステンレススチールオートクレーブに、1,089gのプロピレングリコール、46.6gの45%水酸化カリウムを充填し、窒素でパージした。内容物を80℃に加熱し、2時間ストリップして、揮発物を除いた。内容物を130℃に加熱し、6時間かけて、4,412.9gのエチレンオキシドを加えた。添加が終了した後、混合物を130℃に1時間保ち、ついで、揮発物を0.5時間ストリップした。
【0023】
5ガロンのステンレススチールオートクレーブに、3,078.6gの上記物質を充填し、窒素でパージした。この物質を116℃まで加熱し、76.8%のエチレンオキシドと23.2%のプロピレンオキシドとの混合物11,168gを9.5時間かけて加えた。添加が完了した後、混合物をさらに2時間116℃に保った。1,762gのエチレンオキシドの最終充填物を2時間かけて加え、ついで、116℃に2.5時間保った。混合物を0.5時間ストリップして、80℃まで冷却し、50%次亜リン酸(Hypophosphorous acid)30.1gを加えた。混合物をオートクレーブ中で0.5時間撹拌し、ついで、取り出した。
【0024】
本発明の有用性
本発明の有用性を示すために、本出願人は、液体ポリアルキレングリコールと分子量8,000より大を有する高分子量固体ブロックコポリマーとを含む2成分ブレンドを製造した。ついで、式(II)で表される化合物A(液体)と式(I)で表される化合物B(液体)とを含む本発明のブレンドと前記2成分ブレンドを比較した。表1参照。
【0025】
2成分(固体/液体)ブレンドは、最初に、固体ブロックコポリマーを液体ポリアルキレングリコールと混合し、ついで、このブレンドを固体ブロックコポリマーの融点以上に加熱して、透明な単一相の組成物を得ることによって製造した。ついで、得られた透明な組成物を、LIGHTNINミキサーで100rpmで継続して撹拌しつつ、周囲温度まで徐々に冷却した。ついで、最終組成物を周囲温度で貯蔵し、その組成物の物理的安定性を記録した。
【0026】
本発明の2成分(液体/液体)ブレンドは、成分(a)の液体ポリアルキレングリコール担体および成分(b)の上記定義した液体ポリアルキレン化合物を単に混合することによって製造された。
【0027】
表1に示したように、分子量400を有する液体ポリエチレングリコールおよび固体ブロックコポリマーを含む全てのブレンドは、貯蔵不安定であり、2相に分離した。これは、試料を45℃で貯蔵する時、特に明らかである。明らかに、試験8および試験9(本発明)は、口腔内使用配合物の安定性および均一性を維持するのに本発明の有用性を示す。
【0028】
しかし、固体ブロックコポリマーを式(II)で表される液体ポリオキシアルキレン化合物(化合物A)で代替する時、溶解性は、瞬時であり、得られる組成物は、単一相、透明で、安定な均一液体であった。表は、さらに、分子量400を有する液体ポリエチレングリコールを式(I)で表される液体ポリアルキレングリコール(化合物B)で代替する時、式(II)で表される液体ポリオキシアルキレン化合物(化合物A)とブレンドする際に、透明、単一相で、安定な均一組成物が得られる。
【0029】
【表1】
Figure 0003926016
【0030】
各ブレンドにおいて、液体ポリアルキレングリコールと固体ブロックコポリマーまたは成分Bとの重量比は、90:10であった。
【0031】
表1の用語の説明
PEG400−分子量400を有する液体ポリエチレングリコール。BASF CorporationよりPLURACOL E-400ポリエチレングリコールとして入手可能。
【0032】
PLURONICRは、BASFの登録商標である。Pluronic界面活性剤は、BASFより入手可能なエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのトリブロックコポリマーである。Pluronic F界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマー類をいう。
【0033】
PLURONICRF38界面活性剤は、平均分子量4,700を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0034】
PLURONICRF68界面活性剤は、平均分子量8,400を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0035】
PLURONICRF87は、平均分子量7,700を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0036】
PLURONICRF88は、平均分子量11,400を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0037】
PLURONICRF98は、平均分子量13,000を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0038】
PLURONICRF108は、平均分子量14,600を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0039】
PLURONICRF127は、平均分子量12,600を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの固体トリブロックコポリマーである。
【0040】
式(II)で表される化合物A Iがプロピレングリコールであり、AOがプロピレンオキシドであり、aが29であり、bが78であり、cが15であり、Xが2であり、Mが水素である。
【0041】
式(I)で表される化合物B Iがプロピレングリコールであり、AOがプロピレンオキシドであり、aが18であり、bが3であり、Mが水素である。
【0042】
本発明の液体ポリアルキレングリコール担体および該液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含有する口腔内使用組成物の製造
本発明の液体ポリアルキレングリコール担体および該液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物は、好ましくは、口腔内使用組成物の1〜99重量%レベル、さらに好ましくは、口腔内使用組成物の20〜79重量%レベル、最も好ましくは、口腔内使用組成物の30〜50重量%レベルで口腔内使用組成物中に存在する。
【0043】
概して、配合のレベルは、本発明の液体ポリアルキレン配合物の最終用途に依存する。これらが、例えば、本質的に非水性の口腔内使用配合物中で担体として機能する場合、より高い使用レベルが配合物に要求される。
【0044】
口腔内使用配合物は、また、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムグリセリルエーテルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート等のアニオン性界面活性剤より選択される界面活性剤のようなその他の成分も含有する。その他のアニオン性界面活性剤としては、C6〜C18アルコール類のオキシアルキレート類も挙げられる。また、当業者であれば、口腔内使用組成物の発泡性能をさらに増進させるために、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンの固体ブロックコポリマー類を使用することは公知であろう。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのこのような固体ブロックコポリマー類は、本発明の範囲からは除外される。さらに、少量のカチオン性界面活性剤は、第4級窒素を有し、これは、本発明の非イオン性担体ブレンドと相溶性を示し、また、使用することができる。種々のその他の物質も、また、パーソナルケア製品の配合に使用することができる。例えば、過酸化水素、ナトリウムパーカーボネートのような過酸素化合物は、このような口腔内使用組成物に使用することができる。微細に粉砕されたシリカ、もしくは、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、カルシウムピロホスフェートおよび水和したアルミナからなる歯科用研磨剤を研磨性能のために添加される。また、コロイド状のシリカ、キサンタンガム、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、トラガカンスガム、カラギーナンのような増粘剤もまた配合物に十分な増粘稠度を付与するために使用することができる。また、ペパーミント、スペアミントオイルのような芳香剤、または、保存剤、隠蔽剤、緩衝塩、甘味剤、抗細菌剤、抗結石剤または抗プラーク剤、抗炎症剤、フルオライドのような虫歯予防剤もまた少量含ませることができる。活性物質の輸送を促進する高分子可塑剤も含ませることができる。また、口腔内使用組成物は、少量の水を含有してもよい。
【0045】
口腔内使用組成物のようなパーソナルケア製品は、当業者公知の方法に従い配合される。代表的なパーソナルケア製品配合物は、Cosmetics, Science and Technology, 2nd Edition, Vol. 1, Edited by M.S. Balsam, et al., and A Formulary of Cosmetic Preparations, Michael and Irene Ash, Chemical Publishing, N.Y., N.Y.に開示されており、この両者とも、参考のために、本明細書で引用する。
【0046】
【実施例】
以下の実施例は、本発明の有用性を示すためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。全てのパーセンテージは、特に断らない限り、総組成物についての重量パーセント(%)である。
【0047】
口腔内使用組成物:
無水のリン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウムピロホスフェートおよび炭酸水素ナトリウムを含むがこれらに限定されることのない群より選択される研磨剤1〜55%;
フッ化第1錫、フッ化ナトリウム、ナトリウムモノフルオロホスフェートを含むがこれらに限定されるものではないフッ素化剤0〜0.6%;
カラヤガム、トラガカンスUSP、ナトリウムアルギネート、トチャカおよびメチルセルロースを含むがこれらに限定されるものではない結合剤2〜10%;
コロイド状のシリカを含むがこれに限定されるものではない増粘剤0〜5%;
過酸化水素、ナトリウムパーカーボネートを含むがこれらに限定されるものではない過酸素源0〜10%;
ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウム−N−ラウリルサルコシネート、ジオクチルスルホスクシネートを含むがこれらに限定されるものではない界面活性剤0〜8%;
式(II):
I[(AO)a−(XO)−M]x (式II)
[ここで、式(II)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および2個のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
AOは、C3 4アルキレンオキシドであるか、または、ブロック配列に配置されたC3 4アルキレンオキシドの混合物であり;
XOは、(EO)b(AO)c{ここで、EOは、エチレンオキシドであり、EOおよびAOは、ランダムに分布されている。}であり;
Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
aは、15〜35の整数であり;
bは、50〜150の整数であり;
cは、7〜90の整数であり;
xは、2である。]
によって表される液体ポリオキシアルキレン化合物(b)0.1〜10%;
グリセリン、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、液体ポリエチレングリコール;および、式(I):
I−[(EO)a(AO)b−M]x (式I)
[ここで、式(I)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個以上のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
AOは、C3 4アルキレンオキシドまたはC3 4アルキレンオキシド類の混合物であり;
EOは、エチレンオキシドであり;
さらにEOおよびAOは、ランダムに分布させてもよく、および/または、ブロック配列で配置させてもよく;
Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
aは、約6〜22の整数であり;
bは、約1〜9の整数であり;
xは、約2〜4の整数である。]
によって表される液体ポリアルキレングリコールを含むがこれらに限定されるものではない群より選択される担体5〜70%。

Claims (5)

  1. (a)液体ポリアルキレングリコール担体;および、
    (b)前記液体ポリアルキレングリコール担体に混和性の液体ポリオキシアルキレン化合物を含み、前記液体ポリアルキレングリコール担体(a)が、
    (i)分子量600以下を有する液体ポリエチレングリコール類;
    (ii)分子量600より大で分子量3000未満の式(I):
    I−[(EO)a(AO)b−M]x (式I)
    [ここで、式(I)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個以上のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
    AOは、C3 4アルキレンオキシドまたはC3 4アルキレンオキシド類の混合物であり;
    EOは、エチレンオキシドであり;さらにEOおよびAOは、ランダムに分布させてもよく、および/または、ブロック配列で配置させてもよく;
    Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
    aは、6〜22の整数であり;
    bは、1〜9の整数であり;
    xは、2〜4の整数である。]
    を有する液体ポリオキシアルキレングリコール類または(i)および(ii)の混合物より選択される口腔ケア組成物であるが;
    さらに、ただし、前記液体ポリオキシアルキレン化合物(b)が、担体(a)に混和性であり、式(II):
    I[(AO)a−(XO)−M]x (式II)
    [ここで、式(II)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および2個のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
    AOは、C3 4アルキレンオキシドであるか、または、ブロック配列に配置されたC3 4アルキレンオキシドの混合物であり;
    XOは、(EO)b(AO)c{ここで、EOは、エチレンオキシドであり、EOおよびAOは、ランダムに分布されている。}であり;
    Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
    aは、15〜35の整数であり;
    bは、50〜150の整数であり;
    cは、7〜90の整数であり;
    xは、2である。]によって表される組成物。
  2. 式(I)において、aが7〜20であり;bが1〜7であり;xが2であり;Iがプロピレングリコールであり;AOがプロピレンオキシドであり;Mが水素である、請求項1に記載の組成物。
  3. 式(II)において、aが20〜32であり;bが65〜135であり;cが10〜70であり;xが2であり;Iがプロピレングリコールであり;AOがプロピレンオキシドである、請求項1に記載の組成物。
  4. 式(I)において、aが10〜16であり;bが2〜5であり;式(II)において、aが24〜31であり;bが70〜120であり;cが15〜45である、請求項1に記載の組成物。
  5. 無水のリン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウムピロホスフェートおよび炭酸水素ナトリウムを含むがこれらに限定されることのない群より選択される研磨剤1〜55%;
    フッ化第1錫、フッ化ナトリウム、ナトリウムモノフルオロホスフェートを含むがこれらに限定されるものではないフッ素化剤0〜0.6%;
    カラヤガム、トラガカントUSP(アメリカ薬局方適合トラガカント)、ナトリウムアルギネート、トチャカおよびメチルセルロースを含むがこれらに限定されるものではない結合剤2〜10%;
    コロイド状のシリカを含むがこれに限定されるものではない増粘剤0〜5%;
    過酸化水素、ナトリウムパーカーボネートを含むがこれらに限定されるものではない過酸素源0〜10%;
    ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウム−N−ラウリルサルコシネート、ジオクチルスルホスクシネートを含むがこれらに限定されるものではない界面活性剤0〜8%;
    式(II):
    I[(AO)a−(XO)−M]x (式II)
    [ここで、式(II)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および2個のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
    AOは、C3 4アルキレンオキシドであるか、または、ブロック配列で配置されたC3 4アルキレンオキシドの混合物であり;
    XOは、(EO)b(AO)c{ここで、EOは、エチレンオキシドであり、EOおよびAOは、ランダムに分布されている。}であり;
    Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
    aは、15〜35の整数であり;
    bは、50〜150の整数であり;
    cは、7〜90の整数であり;
    xは、2である。]
    によって表される液体ポリオキシアルキレン化合物(b)0.1〜10%;
    グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、液体ポリエチレングリコール;および、式(I):
    I−[(EO)a(AO)b−M]x (式I)
    [ここで、式(I)中、Iは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個以上のヒドロキシル置換基を有する開始剤または開始剤の混合物であり;
    AOは、C3 4アルキレンオキシドまたはC3 4アルキレンオキシド類の混合物であり;
    EOは、エチレンオキシドであり;
    さらにEOおよびAOは、ランダムに分布させてもよく、および/または、ブロック配列で配置させてもよく;
    Mは、水素もしくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;
    aは、6〜22の整数であり;
    bは、1〜9の整数であり;
    xは、2〜4の整数である。]
    によって表される液体ポリアルキレングリコール(a)を含むがこれらに限定されるものではない群より選択される担体5〜70%;
    を含む口腔内使用組成物。
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