JP3925623B2 - 光記録媒体の位置検出方法及び装置並びに該装置を備える記録装置 - Google Patents

光記録媒体の位置検出方法及び装置並びに該装置を備える記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−RやDVD−R等の光記録媒体の表面に印刷を行う場合に、記録装置上における該光記録媒体の位置、特に印刷開始端を検出する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CD−Rなどのコンパクトディスクを代表とする光記録媒体の表面に印刷を行うことができるプリンタが市場に出回っている。このようなプリンタにより円板形状の光記録媒体に印刷を行う場合、通常の用紙に印刷するときに印刷ヘッドがスキャンする領域を光記録媒体が移動できるように専用トレーを使用する。この専用トレーは光記録媒体を支持する支持部を備え、専用トレーがプリンタの用紙搬送方向、即ち副走査方向に移動することで印刷ヘッドにより光記録媒体の表面に印刷を行うことができる。
【0003】
このような光記録媒体への印刷では、プリンタが光記録媒体の大きさ及び位置を認識しなければ正確な印刷が行えない。そこで従来は専用トレイの所定位置にマーカーを付しておき、該マーカーをセンサで読み取ると共に、該マーカーと光記録媒体の支持部との位置関係から光記録媒体の位置を間接的に求めるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光記録媒体を支持部内にセットしても光記録媒体が支持部内で微妙に動いてしまうことがあり、また前記マーカーと光記録媒体の支持部との位置関係は精度的には製造公差に基づく限界があり、僅かにばらつくため、マーカーの位置が検出できても光記録媒体の位置を必ずしも正確に認識できない場合がある。この状態で印刷動作を行えば、光記録媒体の表面の所定位置に正確に印刷が行えず、低印刷品質の光記録媒体となってしまう。
【0005】
また従来のようにマーカーのみを検出する方法では、光記録媒体自体を検出していないため、光記録媒体が存在していないときにトレイ上にいわゆる空打ちをしてしまうこともあり得る。
【0006】
そこで本発明の課題は、光記録媒体の位置を直接求めることにより光記録媒体の位置を正確に認識し、低印刷品質や空打ち等の弊害を生じない光記録媒体の位置検出方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の光記録媒体の位置検出方法は、光記録媒体を支持可能であり、位置マーカーを有したディスクトレイにおける前記位置マーカーの位置を、前記位置マーカー及び前記光記録媒体の印刷面の色と前記ディスクトレイの色との明度の変化に基づいて検出可能なセンサを主走査方向へ移動させて検出する工程と、前記センサで検出した前記位置マーカーの位置を基準として、前記ディスクトレイに支持されている光記録媒体を主走査方向に横切ることができる副走査方向における所定位置まで前記光記録媒体が至るように前記ディスクトレイを副走査方向に移動させる工程と、前記センサを主走査方向へ往復動させて前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置を検出する工程と、前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の主走査方向での中心を求める工程と、前記光記録媒体の副走査方向における両端を検出するために、前記センサを前記光記録媒体の主走査方向の所定位置まで移動する工程と、前記主走査方向の所定位置において前記ディスクトレイを副走査方向へ往復動させて、前記センサにより前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置を検出する工程と、前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の副走査方向での中心を求める工程と、前記光記録媒体の主走査方向での中心と、副走査方向での中心とから光記録媒体の印刷開始端を求める工程とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、センサが光記録媒体の印刷面の色とディスクトレイの色との明度差を検知して光記録媒体の周縁の位置を検出することができる。従ってセンサの主走査方向での走査により光記録媒体の主走査方向における両端の位置が検出でき、またディスクトレイを副走査方向に移動することにより光記録媒体の副走査方向における両端の位置が検出できる。そして主走査方向と副走査方向での両端の位置からそれぞれの中心が求まり、これに基づき光記録媒体の大きさ即ち種類と、光記録媒体の印刷開始端を求めることができる。
【0009】
従って、本発明では従来のように位置マーカーだけを検出するのではなく、光記録媒体自体の位置を検出するから、より正確な位置を求めることができ、これにより光記録媒体の印刷面により正確な印刷を行うことができる。また光記録媒体自体の存在を検知できるから、光記録媒体が存在していない状態での印刷、即ち空打ちを防止することもできる。
【0010】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された光記録媒体の位置検出方法において、前記センサは印刷ヘッドを備えたキャリッジに設けられていることを特徴とするものである。本発明によれば、キャリッジを印刷時における走査の他に、主走査方向でのセンサの検出にも利用できるから、センサを主走査方向へ走査するための新たな構成を加える必要がない。
【0011】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載された光記録媒体の位置検出方法において、前記位置マーカー及び光記録媒体の印刷面の色は白色であり、前記ディスクトレイの色は黒色であることを特徴とするものである。本発明によれば、光記録媒体とディスクトレイの色の明度差を明瞭に検知することができる。
【0012】
また、本願請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出方法において、前記位置マーカーは矩形であり、前記センサは矩形の前記位置マーカーの上流側の辺を検出することを特徴とするものである。本発明によれば、光記録媒体の主走査方向を検出するために移動させる副走査方向の位置が正確に決まる。
【0013】
また、本願請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出方法において、前記光記録媒体の前記副走査方向における所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の主走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とするものである。本発明によれば、ディスクトレイ上に置かれたディスクが8cm光記録媒体と12cm光記録媒体のいずれであっても主走査方向における両端の位置を同じ位置で検出することができる。
【0014】
また、本願請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出方法において、前記光記録媒体の主走査方向の所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の副走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とするものである。本発明によれば、ディスクトレイ上に置かれたディスクが8cm光記録媒体と12cm光記録媒体のいずれであっても副走査方向における両端の位置を同じ位置で検出することができる。
【0015】
また、本願請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出方法において、前記光記録媒体はCD−Rであることを特徴とするものである。本発明によれば、通常白色の印刷面を有するCD−Rに正確に印刷を行うことができる。
【0016】
また、本願請求項8に記載の光記録媒体の位置検出装置は、明度の変化を検出可能なセンサと、前記センサを主走査方向に往復移動する手段と、光記録媒体を支持可能であり、前記センサにより検出可能な位置マーカーを有し、前記位置マーカーの色及び前記光記録媒体の印刷面の色と対照的な明度の色のディスクトレイと、前記ディスクトレイを副走査方向に移動させる手段と、前記位置マーカーの位置を前記センサを主走査方向へ移動させて検出し、前記検出した前記位置マーカーの位置を基準として、前記ディスクトレイに支持されている光記録媒体を主走査方向に横切ることができる副走査方向における所定位置まで前記光記録媒体が至るように前記ディスクトレイを副走査方向に移動させ、前記センサを主走査方向へ往復動させて前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置を検出し、前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の主走査方向での中心を求め、前記光記録媒体の副走査方向における両端を検出するために、前記センサを前記光記録媒体の主走査方向の所定位置まで移動し、前記主走査方向の所定位置において前記ディスクトレイを副走査方向へ往復動させて、前記センサにより前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置を検出し、前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の副走査方向での中心を求め、前記光記録媒体の主走査方向での中心と、副走査方向での中心とから光記録媒体の印刷開始端を求めるように制御可能な制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、センサが光記録媒体の印刷面の色とディスクトレイの色との明度差を検知して光記録媒体の周囲の位置を検出することができる。従ってセンサの主走査方向での走査により光記録媒体の主走査方向における両端の位置が検出でき、またディスクトレイを副走査方向に移動することにより光記録媒体の副走査方向における両端の位置が検出できる。そして主走査方向と副走査方向での両端の位置からそれぞれの中心が求まり、これに基づき光記録媒体の大きさ即ち種類と、光記録媒体の印刷開始端を求めることができる。
【0018】
従って、本発明では従来のように位置マーカーだけを検出するのではなく、光記録媒体自体の位置を検出するから、より正確な位置を求めることができ、これにより光記録媒体の印刷面により正確な印刷を行うことができる。また光記録媒体自体の存在を検知できるから、光記録媒体が存在していない状態での印刷、即ち空打ちを防止することもできる。
【0019】
また、本願請求項9に記載の発明は、請求項8に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記センサは印刷ヘッドを備えたキャリッジに設けられていることを特徴とするものである。本発明によれば、キャリッジを印刷時における走査の他に、主走査方向でのセンサの検出にも利用できるから、センサを主走査方向へ走査するための新たな構成を加える必要がない。
【0020】
また、本願請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記位置マーカー及び光記録媒体の印刷面の色は白色であり、前記ディスクトレイの色は黒色であることを特徴とするものである。本発明によれば、光記録媒体とディスクトレイの色の明度差を明瞭に検知することができる。
【0021】
また、本願請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記光記録媒体の前記副走査方向における所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の主走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とするものである。本発明によれば、ディスクトレイ上に置かれたディスクが8cm光記録媒体と12cm光記録媒体のいずれであっても主走査方向における両端の位置を同じ位置で検出することができる。
【0022】
また、本願請求項12に記載の発明は、請求項8〜11のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記光記録媒体の主走査方向の所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の副走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とするものである。本発明によれば、ディスクトレイ上に置かれたディスクが8cm光記録媒体と12cm光記録媒体のいずれであっても副走査方向における両端の位置を同じ位置で検出することができる。
【0023】
また、本願請求項13に記載の発明は、請求項8〜12のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記光記録媒体はCD−Rであることを特徴とするものである。本発明によれば、通常白色の印刷面を有するCD−Rに正確に印刷を行うことができる。
【0024】
また、本願請求項14に記載の記録装置は、請求項8〜13のいずれか1項に記載の光記録媒体の位置検出装置を備えることを特徴とするものである。本発明によれば、光記録媒体に正確な印刷を行うことができる記録装置を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る光記録媒体の位置検出装置を備えるインクジェットプリンタの斜視図であり、図2は該インクジェットプリンタのキャリッジ周辺を示す側断面図であり、図3はディスクトレイ上にCD−Rが載せられた状態を示す平面図である。また図4、図5は本発明の光記録媒体の位置検出方法を示すフローチャートである。
【0026】
図1において、符号1はインクジェットプリンタを示し、該インクジェットプリンタ1は、給紙ボタン2を備えるプリンタ本体3と、プリンタ本体3の前方側に形成される排紙部7とを備えている。尚、インクジェットプリンタ1は通常は用紙に印刷するためのものであり、用紙を印刷媒体とする場合にはプリンタ本体3の後方側に用紙をストックするための給紙トレイを取り付けることができるようになっている。
【0027】
図2に示す如く、プリンタ本体3の内部にはキャリッジ9が設けられている。キャリッジ9は、印刷動作を行わないときにはプリンタ1の右側のホームポジションに位置し、印刷時にはプリンタ本体3の幅方向、即ち主走査方向に往復動できるようになっている。キャリッジ9の下端には印刷ヘッド11が設けられると共に、光記録媒体であるCD−R(コンパクトディスク レコーダブル(Compact Disk Recordable)の略)を検出するためのセンサ10が設けられている。このセンサ10は色の明度を検出し、明度の変化によって物体の存在を検知するものであり、具体的にはCD−Rの白色の印刷面と後述する黒色のディスクトレイとの明度差を感知してCD−Rの存在を検知するものである。
【0028】
印刷ヘッド11と対向する位置には、印刷時に用紙を下側から支持するプラテン14が設けられている。また印刷ヘッド11の上流側には搬送駆動ローラ13aと搬送従動ローラ13bとから成る搬送ローラ13が設けられ、印刷ヘッド11の下流側には排紙駆動ローラ15aと排紙従動ローラ15bとから成る排紙ローラ15が設けられている。搬送駆動ローラ13aは、搬送駆動モータ16を正転または逆転することにより後述するディスクトレイをインクジェットプリンタ1の前後方向に駆動することができる。
【0029】
図1に戻り、プリンタ本体3の前方側にはディスクトレイ受入部17が形成されており、ディスクトレイ受入部17にはトレイアッタチメント19を前側から度当てに当接するまで一杯に挿入できるようになっている。トレイアッタチメント19は、左右両側に設けられるトレイ支持体21と、トレイ支持体21の内側に形成されたガイドに沿って前後方向にスライド可能に支持される、平板状で黒色のプラスチックで構成されたディスクトレイ23とを備えている。ディスクトレイ23上にはCD−Rなどの印刷対象物となる光記録媒体の収納部25が形成されており、その中央には光記録媒体の中央に形成された穴と同径の突部26が形成されている。12cmCD−R、8cmCD−Rなどの異なる大きさの光記録媒体の穴を該突部26に挿入することにより、光記録媒体を収納部25に対して同心的に配置できるようになっている。またディスクトレイ23には所定の位置に白色で矩形の位置マーカー27が印刷されている。位置マーカー27の作用については後述する。
【0030】
ディスクトレイ受入部17は、トレイアッタチメント19を挿入したときに、平板状のディスクトレイ23が排紙駆動ローラ15aと排紙従動ローラ15bとの間および搬送駆動ローラ13aと搬送従動ローラ13bとの間に挟持されるように構成されており、これによりディスクトレイ23は搬送駆動ローラ13a及び排紙駆動ローラ15aの駆動力を受けてトレイ支持体21の間でプリンタの前後方向に移動できるようになっている。
【0031】
また、インクジェットプリンタ1は、光記録媒体の位置を検出するためのフローが記憶され、座標系演算等を行うことができる制御装置29を備えている。
【0032】
次に、光記録媒体の一例であるCD−R8、12に印刷を行う手順について説明し、併せて本発明の光記録媒体の位置検出装置及び位置検出方法について説明する。尚、以下の説明ではプリンタ1の後方、即ちトレイアタッチメント19を押し込む方向を+Y方向、その反対方向を−Y方向とし、図1においてプリンタ1の右方向、即ちキャリッジ9のホームポジション側を+X方向、その反対方向を−X方向とする。ここで+Y方向、−Y方向はプリンタにおける用紙の搬送方向、即ち副走査方向に対応し、+X方向、−X方向はキャリッジ9の走査方向、即ち主走査方向に対応する。
【0033】
(1)まずトレイアタッチメント19のトレイ支持体21をディスクトレイ受入部17からプリンタ本体3内へ押し込んで装着すると共に(図4のステップ101)、搬送ローラ13と排紙ローラ15等の用紙用の搬送駆動系をレリース状態にする。
【0034】
(2)ディスクトレイ23上にCD−Rを載せ、ディスクトレイ23をプリンタ本体3内へ一杯に押し込む(ステップ103)。そして、搬送ローラ13のレリース状態を解除してディスクトレイ23を搬送可能な状態にする。
【0035】
(3)この状態で給紙ボタン2を押す(ステップ105)と、キャリッジ9がホームポジションから位置マーカー27付近まで移動する(ステップ107)。
【0036】
(4)またキャリッジ9の移動後、搬送ローラ13が正転または逆転することによりディスクトレイ23を−Y方向または+Y方向に移動させ、キャリッジ9に設けられたセンサ10が位置マーカー27を探し始める(ステップ107)。
ステップ103において、ディスクトレイ23が一杯に押し込まれている場合には、位置マーカー27のY方向位置がセンサ10のY方向位置と同じになるように設定されているため、センサ10が位置マーカー27と対面するようになる(ステップ109)。
またステップ103において、ディスクトレイ23の押し込み具合が足りない場合には、上記探索動作によりディスクトレイ23が前後に移動し、センサ10が位置マーカー27と対面する位置で止まる(ステップ111)。
【0037】
(5)ステップ109またはステップ111において、センサ10が位置マーカー27を検出したら、ディスクトレイ23を−Y方向に移動させて位置マーカー27の上流側(+Y方向側)の辺28を検出する(ステップ113)。この検出は、白色の位置マーカー27と黒色のディスクトレイ23との明度差により、その境界を求めることにより行われる。
【0038】
位置マーカー27の上流側の辺を検出することで、CD−R8、12のX方向を検出するために移動させるY方向の位置(図3中、ラインmで示す位置)が決まり、その位置にCD−Rが移動するように搬送駆動モータ16を駆動する(図5のステップ115)。
【0039】
尚、収納部25には大きさが12cmのCD−R12または8cmのCD−R8を配置することがあるので、CD−RのX方向を検出するときに、これらいずれのCD−Rでも書き込み面31(白色の面)を横切ることができるようなY方向の位置にCD−Rを移動する。図3には12cmのCD−R12と8cmのCD−R8とが両方示されているが、これは説明の便宜のためであり、実際にはいずれか一枚のCD−Rだけであることは云うまでもない。
【0040】
(6)次に、キャリッジ9を往復走査させて、センサ10によりCD−R8、12のX方向両端(12cmCD−R12では符号12a、12bで示し、8cmのCD−R8では符号8a、8bで示す)を検出し(ステップ117)、検出したX方向両端の位置データを基に制御装置29でその中間地点の座標を演算して求める(ステップ119)。CD−Rは真円形状であるから、求めた座標はCD−RのX方向での中心に相当する。
【0041】
(7)次に、キャリッジ9を駆動して、CD−R8、12のY方向を検出するためのX方向の所定位置までディスクトレイ23上を移動させる(ステップ121)が、このX方向の所定位置は、トレイアタッチメント19をディスクトレイ受入部17に挿入する時点で機械的に決定されているので、制御装置29は予め記憶された該所定位置(図3中、ラインnで示す位置)の情報に基づいてキャリッジ9を駆動することになる。
尚、X方向の所定位置も、CD−R8、12のY方向を検出するときにいずれの大きさのCD−R8、12でも書き込み面31(白色の面)を横切ることができるような位置となっていることは上記と同様である。
【0042】
キャリッジ9をX方向の所定位置まで移動したら、搬送駆動モータ16を駆動してディスクトレイ23をY方向に往復動させ、センサ10によりCD−R8、12のY方向両端(12cmCD−R12では符号12c、12dで示し、8cmのCD−R8では符号8c、8dで示す)を検出する(ステップ123)。そして検出したY方向両端の位置データを基に制御装置29でその中間地点の座標を演算し、CD−RのY方向での中心を求める(ステップ125)。
【0043】
(8)上記ステップ119とステップ125で求めたCD−RのX方向およびY方向での中心からCD−Rの中心座標Cがわかるから、CD−Rの直径(即ちCD−Rの種類)とCD−Rの印刷開始端(−Y方向の先端)が制御装置29において求められる(ステップ127)。制御装置29ではこれら情報に基づいて印刷すべきデータを展開し、印刷を実行する(ステップ127)。
【0044】
以上の実施の形態では光記録媒体としてCD−Rを例にとって説明したが、この他コンパクトディスク・リードオンリー・メモリ(CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory))、コンパクトディスク・リライタブル(CD−RW(Compact Disc ReWritable))、ディヴィディ(DVD(Digital Versatile Disc))などのディスク状記録済媒体やディスク状記録可能媒体も光記録媒体に含まれる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、センサが光記録媒体の印刷面の色とディスクトレイの色との明度差を検知して光記録媒体の周囲の位置を検出することができる。従ってセンサの主走査方向での走査により光記録媒体の主走査方向における両端の位置が検出でき、またディスクトレイを副走査方向に移動することにより光記録媒体の副走査方向における両端の位置が検出できる。そして主走査方向と副走査方向での両端の位置からそれぞれの中心が求まり、これに基づき光記録媒体の大きさ即ち種類と、光記録媒体の印刷開始端を求めることができる。
【0046】
従って、本発明では従来のように位置マーカーだけを検出するのではなく、光記録媒体自体の位置を検出するから、より正確な位置を求めることができ、これにより光記録媒体の印刷面により正確な印刷を行うことができる。また光記録媒体自体の存在を検知できるから、光記録媒体が存在していない状態での印刷、即ち空打ちを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光記録媒体の位置検出装置を備えるインクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】 インクジェットプリンタのキャリッジ周辺を示す側断面図である。
【図3】 ディスクトレイ上にCD−Rが載せられた状態を示す平面図である。
【図4】 本発明の光記録媒体の位置検出方法を示すフローチャートであり、前半の工程を示す。
【図5】 本発明の光記録媒体の位置検出方法を示すフローチャートであり、後半の工程を示す。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、 2 給紙ボタン、 3 プリンタ本体、 7 排紙部、 8 8cmCD−R、 8a、8b 8cmCD−RのX方向両端、 8c、8d 8cmCD−RのY方向両端、 9 キャリッジ、10 センサ、11 印刷ヘッド、12 12cmCD−R、12a、12b 12cmCD−RのX方向両端、12c、12d 12cmCD−RのY方向両端、13 搬送ローラ、15 排紙ローラ、16 搬送駆動モータ、17 ディスクトレイ受入部、19 トレイアッタチメント、21 トレイ支持体、23 ディスクトレイ、25 収納部、27 位置マーカー、28 位置マーカーの上流側の辺、29 制御装置、31 書き込み面、 m X方向を検出するためのY方向の位置、 n Y方向を検出するためのX方向の位置、 C CD−Rの中心座標

Claims (14)

  1. 光記録媒体を支持可能であり、位置マーカーを有したディスクトレイにおける前記位置マーカーの位置を、前記位置マーカー及び前記光記録媒体の印刷面の色と前記ディスクトレイの色との明度の変化に基づいて検出可能なセンサを主走査方向へ移動させて検出する工程と、
    前記センサで検出した前記位置マーカーの位置を基準として、前記ディスクトレイに支持されている光記録媒体を主走査方向に横切ることができる副走査方向における所定位置まで前記光記録媒体が至るように前記ディスクトレイを副走査方向に移動させる工程と、
    前記センサを主走査方向へ往復動させて前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置を検出する工程と、
    前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の主走査方向での中心を求める工程と、
    前記光記録媒体の副走査方向における両端を検出するために、前記センサを前記光記録媒体の主走査方向の所定位置まで移動する工程と、
    前記主走査方向の所定位置において前記ディスクトレイを副走査方向へ往復動させて、前記センサにより前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置を検出する工程と、
    前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の副走査方向での中心を求める工程と、
    前記光記録媒体の主走査方向での中心と、副走査方向での中心とから光記録媒体の印刷開始端を求める工程と、
    を備えることを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  2. 請求項1に記載の光記録媒体の位置検出方法において、前記センサは印刷ヘッドを備えたキャリッジに設けられていることを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  3. 請求項1または2に記載の光記録媒体の位置検出方法において、前記位置マーカー及び光記録媒体の印刷面の色は白色であり、前記ディスクトレイの色は黒色であることを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体の位置検出方法において、前記位置マーカーは矩形であり、前記センサは矩形の前記位置マーカーの上流側の辺を検出することを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体の位置検出方法において、前記光記録媒体の前記副走査方向における所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の主走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光記録媒体の位置検出方法において、前記光記録媒体の主走査方向の所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の副走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  7. 請求項1〜6のいずれ1項に記載の光記録媒体の位置検出方法において、前記光記録媒体はCD−Rであることを特徴とする光記録媒体の位置検出方法。
  8. 明度の変化を検出可能なセンサと、
    前記センサを主走査方向に往復移動する手段と、
    光記録媒体を支持可能であり、前記センサにより検出可能な位置マーカーを有し、前記位置マーカーの色及び前記光記録媒体の印刷面の色と対照的な明度の色のディスクトレイと、
    前記ディスクトレイを副走査方向に移動させる手段と、
    前記位置マーカーの位置を前記センサを主走査方向へ移動させて検出し、前記検出した前記位置マーカーの位置を基準として、前記ディスクトレイに支持されている光記録媒体を主走査方向に横切ることができる副走査方向における所定位置まで前記光記録媒体が至るように前記ディスクトレイを副走査方向に移動させ、前記センサを主走査方向へ往復動させて前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置を検出し、前記光記録媒体の主走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の主走査方向での中心を求め、前記光記録媒体の副走査方向における両端を検出するために、前記センサを前記光記録媒体の主走査方向の所定位置まで移動し、前記主走査方向の所定位置において前記ディスクトレイを副走査方向へ往復動させて、前記センサにより前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置を検出し、前記光記録媒体の副走査方向における両端の位置から前記光記録媒体の副走査方向での中心を求め、前記光記録媒体の主走査方向での中心と、副走査方向での中心とから光記録媒体の印刷開始端を求めるように制御可能な制御手段と
    を備えることを特徴とする光記録媒体の位置検出装置。
  9. 請求項8に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記センサは印刷ヘッドを備えたキャリッジに設けられていることを特徴とする光記録媒体の位置検出装置。
  10. 請求項8または9に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記位置マーカー及び光記録媒体の印刷面の色は白色であり、前記ディスクトレイの色は黒色であることを特徴とする光記録媒体の位置検出装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記光記録媒体の前記副走査方向における所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の主走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とする光記録媒体の位置検出装置。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記光記録媒体の主走査方向の所定位置は、8cm光記録媒体と12cm光記録媒体の両方の副走査方向における両端の位置を検出できるように位置決めされていることを特徴とする光記録媒体の位置検出装置。
  13. 請求項8〜12のいずれか1項に記載された光記録媒体の位置検出装置において、前記光記録媒体はCD−Rであることを特徴とする光記録媒体の位置検出装置。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の光記録媒体の位置検出装置を備えることを特徴とする記録装置。
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