JP3924911B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーミスタなどの温度検知素子による温度検知を、より正確に測定する技術に関しており、温度制御精度などに応用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
鍋やフライパンなどを加熱して調理を行う加熱調理器において、調理中の温度を検知する方法として、鍋を置くプレートの裏側にサーミスタなどの温度センサを接触させ、鍋底から熱伝導された熱を検知して、鍋温度や調理物の温度を推測する温度検知方式が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来使用されている温度検知方式では、温度センサと実際に加熱される鍋底とプレートとの隙間であるギャップ距離の他、鍋底の反り具合などの形状や、材質、鍋底のザラつき具合などの表面状態により、鍋底から温度センサに熱伝導される効率や、温度上昇に要する遅延時間が変化する場合があった。このため、実際の鍋温度と検出温度と差が出たり、温度上昇予測の精度が悪化するといったばらつきにより、温度調節したい温度と実際の温度とのズレが生じる課題があった。
【0004】
図12は実際の鍋ギャップの異なる鍋で、鍋底温度が一定になるように変化させたとした場合の、温度センサの検知温度を示したグラフ図である。図12のaは鍋底の温度、bはギャップ距離dの場合の温度センサの検知温度、cはギャップ距離d’(d’>d)の場合の検知温度である。図12に示すように検知温度は、鍋ギャップが大きくなればなる程に熱伝導によるロスが大きくなり、より低目に検知される。また、検知温度の飽和時間も鍋ギャップが大きい程、鍋底温度の飽和時間よりも遅延時間が大きくなるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被加熱物からの熱伝導をプレート面に敷設した温度センサにより間接的に検出し、前記温度センサによる検知温度を元に被加熱物への加熱量の制御を行う制御部を備えた加熱調理器において、前記温度センサから鍋底までのギャップ距離を距離センサにより測定し、前記温度センサの検知温度とギャップ距離の補正関係を定めた温度補正テーブルを予め記憶させておき、調理時に前記ギャップ距離と前記検知温度から前記温度補正テーブルを使って補正した補正検知温度を元に、被加熱物への加熱量の制御を行う加熱調理器。
【0006】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、温度センサによる検知温度を、鍋とプレート面のギャップ距離に応じて補正する事により鍋底の浮き具合などに影響されずに正確な温度制御ができる構成となっている。
【0007】
請求項2に記載した発明は、受光位置を算出できる複数の信号を出力する位置検出素子を用いて距離センサを構成することで、小型で鍋底の形状や色などの反射率に影響されずに距離を検出できる構成となっている。
【0008】
請求項3に記載した発明は、反射物の距離を受光量の強弱により検出する反射型フォトリフレクタを用いて距離センサを構成する事で、小型で安価な汎用部品を用いることができる構成となっている。
【0009】
請求項4に記載した発明は、距離センサを反射型フォトリフレクタを距離を変えて複数個併設し、各反射型フォトリフレクタの比を算出する構成とするにより、小型で安価な汎用部品を用いて鍋底の反射率差によるギャップ距離の検知ズレを防ぎ、精度良く温度センサの補正ができる構成となっている。
【0010】
請求項5に記載した発明は、プレート面と鍋底のギャップ容積を間隙センサにより測定し、前記温度センサの検知温度とギャップ容積の補正関係を定めた温度補正テーブルを予め記憶させておき、調理時に前記ギャップ容積を測定し、温度補正テーブルを使って検知温度を補正した補正検知温度により、被加熱物への加熱量の制御を行う構成としており、鍋底の形状が反っているような鍋を使用した場合でも精度の高い温度補正が可能な構成となっている。
【0011】
請求項6に記載した発明は、プレート面の上部と鍋底の距離を複数点測定し、制御部にて隙間容積を近似計算する方式で間隙センサを構成することにより、小型で安価な汎用部品を用いることができる構成となっている。
【0012】
請求項7に記載した発明は、距離センサまたは間隙センサの使用する光の波長として、水分など調理物の噴きこぼれ成分に対して透過率の高い波長の素子を使用する事により、調理中の吹きこぼれなどの実使用上の条件に対しても精度よく間隙の測定できる構成となっている。
【0013】
請求項8に記載した発明は、距離センサまたは間隙センサの使用する光の波長として、プレートの透過率の高い波長の素子を使用して構成することにより、プレートの影響を低減して光の強度を上げることができ、より大きいギャップに対しても測定精度が改善できる構成となっている。
【0014】
請求項9に記載した発明は、ギャップ距離を複数点測定する構成として、1つの広指向性光源と複数レンズの組み合わせにより光源の数当たり複数箇所のギャップ距離を測定できる構成とすることにより、部品点数を少なくし、部品間の感度差などのバラツキの影響を低減でき、より正確に間隙の測定できる構成となっている。
【0015】
請求項10に記載した発明は、ギャップ距離を複数点測定する構成として、ポリゴンミラーを回転させる事により複数のギャップ距離を測定できる構成とすることにより、少ない部品点数でより多くの箇所のギャップ距離を測定でき、より正確な温度補正が可能な構成となっている。
【0016】
請求項11に記載した発明は、ギャップ距離を複数点測定する構成として、1つのPSDと2つのLEDとを備え、一のLEDを消灯しかつ他のLEDを点灯して、他のLEDからの光を前記PSDに受光することにより、ある1点のギャップ距離を測定し、次に、一のLEDを点灯しかつ他のLEDを消灯して、一のLEDからの光を前記PSDに受光することにより、別の1点のギャップ距離を測定できる構成とすることにより、より少ない部品点数にできる構成としている。
【0017】
請求項12に記載した発明は、温度センサと鍋ギャップ距離との補正関係を、温度補正テーブルの代わりに、演算式の形式で記憶し、制御部にて前記演算式に従って補正検知温度を算出する構成とすることにより、温度補正テーブルのためのメモリ容量を低減することができる構成となっている。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について説明する。図1は本実施例の構成を示すブロック図であり、電磁誘導式の加熱調理器の場合を示す。1は鍋、2は鍋1を乗せるトッププレート、6は鍋1を加熱するための加熱コイル、3は加熱コイル6の電流量を調節し鍋1の加熱量を調整する加熱制御部、5はトッププレート2を介して鍋1の温度を検知するサーミスタなどの温度センサ、7は鍋とトッププレートの隙間を測定して温度センサ5の検出温度を補正するギャップセンサであり、8はギャップセンサ7からの信号を検出するアンプ回路などから構成するギャップ検出部である。4は加熱制御部3の制御や、各センサからの信号を入力演算、ユーザからの操作の受付や表示を行う制御部であり、マイコンやその周辺回路で構成するものである。なお、本実施例では、電磁誘導式の加熱調理器で説明するが、加熱手段6はハロゲンヒータなど別の熱源とする方式でも構わないものである。
【0019】
通常、鍋底温度から温度センサ5への熱伝導の具合は、熱源となる鍋底の形状や位置関係に左右される。熱伝導の量は一般に熱源と受光位置との距離に反比例し、垂直対向面積に比例することが知られている。そこで本実施例では、鍋ギャップ距離を測定し温度センサ5の検知温度を補正する構成とするものである。
【0020】
本実施例では、図1の各部は次のように動作する。まず、ユーザの指示などにより制御部4から加熱制御部3に指示して、加熱コイル6により鍋1の加熱を開始する。制御部4は、ギャップセンサ7からの信号をギャップ検出部8を通してギャップ距離dを入力すると共にし、温度センサ5からの検知温度Thを入力する。制御部4は、ギャップ距離d、検知温度Thをパラメータとして予め記憶しておいた温度補正テーブルを参照して鍋1の推定温度Th’を算出する。制御部4は、ユーザから設定された温度や調理メニューにより設定制御温度と、算出した現在の推定温度Th’を比較し、加熱制御部3により鍋1の加熱量を増減させて運転を進行するものである。なお、温度補正テーブルの代わりにTh’=Th×f(d)の様な演算式の形式で記憶させておいても差し支えないものである。
【0021】
図2〜図4に、本実施例でのギャップセンサ7の代表的な構成例を示す。各図中に温度センサ5は図示していないが、各図のギャップセンサ7は温度センサ5とその上部の鍋底との距離が測定できるように取り付けるものである。
【0022】
図2は、位置検出素子(以下、PSDと略記)とLEDなどの光源でギャップセンサ7を構成するものであり、図2の7aはLED、7bはPSDである。PSD7bは受光面への光の照射位置を反映した電流が出力される素子であり、その光源となるLED7aは、豆電球とレンズを組み合わせる方法や、レーザ光源により構成しても構わないものである。
【0023】
LED7aから放射された光はプレート2を透過し、鍋底で反射してPSD7bに受光される。PSD7bからの出力はギャップ検出部8を介して、制御部4に入力される。制御部4では、LED7aの光の射出角度とPSD7bの受光位置に応じた出力により、三角測量の形式で鍋ギャップdを算出するものである。なお、厳密にはプレート2での屈折が起こる場合には、制御部4にてこれを考慮した演算を行うものである。
【0024】
図3は、反射型フォトリフレクタ7cによりギャップセンサ7を構成する場合の構成図である。
【0025】
反射型フォトリフレクタ7cは、反射対象物との距離により反射光が減衰して受光出力が変わるものである。反射型フォトリフレクタ7cから放射され鍋底で反射して受光された受光出力は、ギャップ検出部8により制御部4に入力され、制御部4では反射型フォトリフレクタ7cの特性として予め記憶させておいたテーブルに従って、受光量をギャップ距離dに換算するものである。
【0026】
図4は、図3に示した反射型フォトリフレクタ7cを複数組み合わせることにより、鍋ギャップ距離の測定精度を改善する構成を示したものである。図4の7d、7eはそれぞれ△dだけ鉛直方向にずらして反射型フォトリフレクタを取り付けたものである。図5の(a)は、反射型フォトリフレクタの距離と出力の特性図を示した模式図であり、aおよびbは、ある鍋を使用した場合の反射型フォトリフレクタ7eおよび7fの特性、dおよびeは別の鍋を使用した場合の特性である。また、図5の(b)は両者の特性の比を算出した特性である。図5(a)に示すように鍋底の色が黒っぽいものなど反射率の小さい鍋を用いた場合には、反射型フォトリフレクタ7eの特性はaからdへ、同じく反射型フォトリフレクタ7fの特性はbからeへ変化してしまう。ところが、両者の比は図5(b)のcに示す様に変化しないものである。
【0027】
従って、図5(b)に該当する特性をテーブルとして制御部4に予め記憶しておき、反射型フォトリフレクタ7e、7fからの出力を制御部4に入力して両者の比を算出し、このテーブルを元にギャップ距離に換算すれば、鍋の反射率が変わるような場合でも、より正確なギャップ距離の測定が可能となるものである。
【0028】
最後に、本実施例で示した距離センサで使用する光の波長を、水分などの透過しやすい波長を選んでおけば、調理途中の噴きこぼれなどでプレート面に水分がのった場合でも光を妨げることなく測定ができる。また、合わせてプレート2を透過しやすい波長にしておけば、同じ光量の光源を使用した場合でも、より大きな受光量が得られ、より長いギャップ距離まで測定できるものである。
【0029】
(実施例2)
以下に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例に示した構成では、鍋底の形状がすり鉢状に反っている場合など平面でない鍋が使用される場合には、測定する位置により温度センサ上部のギャップ距離が変わる。このため、本実施例では、第1の実施例に示した温度センサ5上部と鍋底の1点のギャップ距離でなく、鍋の隙間容量Vを近似的に測定することにより温度センサ5の検出温度を補正するものである。本実施例の構成は、ギャップセンサ7の構成と、制御部4に記憶する温度センサ5の補正式が変えることで、他の構成は第1の発明と同じに出来うるものである。
【0030】
本実施例では第1の実施例と同様に、制御部4により隙間容量Vと温度センサ5での検知温度Thから、予め記憶しておいた温度補正テーブルに従って、鍋1の推測温度Th’を算出するものである。
【0031】
図6〜図7に、隙間容量を測定する構成のギャップセンサの構成例を示す。まず図6の7gは、豆電球、7fはフォトトランジスタである。豆電球7gの代わりに放射角度の広いLEDなどを用いても差し支えないものである。図6では、豆電球7gから各方向に一様に放射された光はプレート2を透過し、鍋底で反射してフォトトランジスタ7fで受光される。各方向に放射された光は鍋底までの距離が遠い程に反射光は小さくなるため、半球状に光を放射してその反射光を受光すれば、鍋の隙間容量Vに相関した受光量が得られるものである。
【0032】
図7は、複数ヶ所でのギャップ距離を測定し、隙間容量Vを近似的に算出する構成の例である。図7は、2ヶ所でのギャップ距離を測定する場合の構成であり、図8は2ヶ所のギャップ距離から隙間容量を3角錐状のモデルで近似して算出する場合の例を示したものである。
【0033】
図7の7iはプレート中心部の鍋ギャップ距離d2を測定する反射型フォトリフレクタ、7hはそれからLだけ離れた外周部でのギャップ距離d1を測定する反射型フォトリフレクタである。鍋の底の隙間が三角錐状である場合には、隙間は図8に示すようなサイズになり、例えばこの場合の隙間容量Vは、(数1)のように近似できるものである。
【0034】
V=π×(d)^3×L^2/{3(d2−d1)^2} (数1)
(記号の”△^n”は、”△のn乗”を示す)
なお、隙間を近似するためのモデルは三角錐に限らず、お椀型や球の一部分を切り取った型のモデル等でも構わないものであり、一般に広く出回っている鍋や標準品として添付する鍋の形状に合わせたモデルを使用したり、複数のモデルからユーザ操作で選択させる構成も可能なものである。
【0035】
最後に、図9〜図11に複数ヶ所のギャップ距離を測るセンサの構成において部品点数をより少なくできる例を説明するものである。図9の7j、7kはPSD素子、7mはLED、7nは各片の角度が異なっているポリゴンミラーであり、このポリゴンミラー7nを回転させることによりLED7mの放射角度を変更できるものである。図9では、制御部4の指示によりポリゴンミラー7nが回転され、ある一辺がLED7mに向かいあった場合には、LED7mからの光は図9の経路を辿ってPSD素子7kに受光され、PSD素子7kの上部のギャップ距離が測定され、更に回転されてまた別の一辺の場合には波線の経路を辿ってPSD素子7jに受光され別の箇所のギャップ距離が測定されるものである。
【0036】
図10はレンズにより複数のギャップを検出する構成であり、、7sは豆電球などの光源、7r、7qはレンズ、7p、7tはPSD素子である。豆電球7sから放射された光はレンズ7q、7rで絞られ、それぞれ鍋底で反射されて、PSD素子7p、7tで受光する配置にするものである。この配置により、PSD素子7p、7tの上部のギャップ距離が測定できるものである。
【0037】
図11は、2つのLEDと1つのPSD素子から構成する方法であり、7v、7xはLED、7WはPSD素子である。ある時点で制御部4はLED7xを消灯し、LED7vを点灯する。この時LED7vからの光は実線の経路を辿ってPSD7wに受光され、ある1点のギャップ距離が測定される。次に、制御部4はLED7vを消灯し、LED7xを点灯する。この場合は、光は反対側の波線の経路を辿ってPSD素子7wに受光され、別の1点のギャップ距離が測定できるものである。
【0038】
なお、本実施例では複数ヶ所のギャップ距離を測定する例として2ヶ所の場合のみを説明したが、これらは更に3ヶ所以上のギャップ距離を測定する構成としても構わないものである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載した発明は、温度センサによる検知温度を、鍋とプレート面のギャップ距離に応じて補正する事により鍋底の浮き具合などに影響されずに正確な温度制御ができる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0040】
また、請求項2に記載した発明は、受光位置を算出できる複数の信号を出力する位置検出素子を用いて距離センサを構成することで、小型で鍋底の形状や色などの反射率に影響されずに距離を検出できる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0041】
また、請求項3に記載した発明は、反射物の距離を受光量の強弱により検出する反射型フォトリフレクタを用いて距離センサを構成する事で、小型で安価な汎用部品を用いることができる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0042】
また、請求項4に記載した発明は、距離センサを反射型フォトリフレクタを距離を変えて複数個併設し、各反射型フォトリフレクタの比を算出する構成とするにより、小型で安価な汎用部品を用いて鍋底の反射率差によるギャップ距離の検知ズレを防ぎ、精度良く温度センサの補正ができる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0043】
また、請求項5に記載した発明は、プレート面と鍋底のギャップ容積を間隙センサにより測定し、前記温度センサの検知温度とギャップ容積の補正関係を定めた温度補正テーブルを予め記憶させておき、調理時に前記ギャップ容積を測定し、温度補正テーブルを使って検知温度を補正した補正検知温度により、被加熱物への加熱量の制御を行う構成としており、鍋底の形状が反っているような鍋を使用した場合でも精度の高い温度補正が可能な構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0044】
また、請求項6に記載した発明は、プレート面の上部と鍋底の距離を複数点測定し、制御部にて隙間容積を近似計算する方式で間隙センサを構成することにより、小型で安価な汎用部品を用いることができる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0045】
また、請求項7に記載した発明は、距離センサまたは間隙センサの使用する光の波長として、水分など調理物の噴きこぼれ成分に対して透過率の高い波長の素子を使用する事により、調理中の吹きこぼれなどの実使用上の条件に対しても精度よく間隙の測定できる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0046】
また、請求項8に記載した発明は、距離センサまたは間隙センサの使用する光の波長として、プレートの透過率の高い波長の素子を使用して構成することにより、プレートの影響を低減して光の強度を上げることができ、より大きいギャップに対しても測定精度が改善できる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0047】
また、請求項9に記載した発明は、プレート面の上部と鍋底の距離を複数点測定する構成として、1つの広指向性光源と複数レンズの組み合わせにより光源の数当たり複数箇所のギャップ距離を測定できる構成とすることにより、部品点数を少なくし、部品間の感度差などのバラツキの影響を低減でき、より正確に間隙の測定できる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0048】
また、請求項10に記載した発明は、ギャップ距離を複数点測定する構成として、ポリゴンミラーを回転させる事により複数のギャップ距離を測定できる構成とすることにより、少ない部品点数でより多くの箇所のギャップ距離を測定でき、より正確な温度補正が可能な構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【0049】
また、請求項11に記載した発明は、ギャップ距離を複数点測定する構成として、1つのPSDと2つのLEDとを備え、一のLEDを消灯しかつ他のLEDを点灯して、他のLEDからの光を前記PSDに受光することにより、ある1点のギャップ距離を測定し、次に、一のLEDを点灯しかつ他のLEDを消灯して、一のLEDからの光を前記PSDに受光することにより、別の1点のギャップ距離を測定できる構成とすることにより、より少ない部品点数にできる。
【0050】
また、請求項12に記載した発明は、温度センサとギャップ距離との補正関係を、温度補正テーブルの代わりに、演算式の形式で記憶し、制御部にて前記演算式に従って補正検知温度を算出する構成とすることにより、温度補正テーブルのためのメモリ容量を低減することができる構成となっており、温度制御のより正確な加熱調理器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の加熱調理器の構成を示すブロック図
【図2】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとしてLEDとフォトトランジスタを用いた場合の概観図
【図3】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとして反射型フォトリフレクタを用いた場合の概観図
【図4】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとして反射型フォトリフレクタ2個により鍋底の反射率を補正できる構成とした場合の概観図
【図5】 同加熱調理器の反射型フォトリフレクタを2個使って鍋底の反射率を補正する場合の出力特性図
【図6】 本発明の第2の実施例の加熱調理器の鍋ギャップセンサとして光源とフォトトランジスタにより鍋底の空間体積を測定する構成とした場合の概観図
【図7】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとして鍋ギャップを複数箇所で測定し鍋底の空間体積を近似計算する構成とした場合の概観図
【図8】 同加熱調理器の2点の鍋底ギャップ距離から鍋底の隙間体積を近似計算する場合のモデル図
【図9】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとしてPSD素子、LED、ポリゴンミラーを用いた場合の概観図
【図10】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとして特にレンズを用いて複数のギャップを検出可能とした場合の概観図
【図11】 同加熱調理器の鍋ギャップセンサとして2つのLEDと1つのPSD素子を用いた場合の概観図
【図12】 鍋底温度と異なる鍋ギャップにおける検出温度の特性図
【符号の説明】
1・・・被加熱物
2・・・プレート
3・・・加熱制御部
4・・・制御部
5・・・温度センサ
6・・・加熱手段
8・・・ギャップ検出回路
9・・・ギャップセンサ

Claims (12)

  1. 被加熱物からの熱伝導をプレート面に敷設した温度センサにより間接的に検出し、前記温度センサによる検知温度を元に被加熱物への加熱量の制御を行う制御部を備えた加熱調理器において、前記温度センサから鍋底までのギャップ距離を距離センサにより測定し、前記温度センサの検知温度とギャップ距離の補正関係を定めた温度補正テーブルを予め記憶させておき、調理時に前記ギャップ距離と前記検知温度から前記温度補正テーブルを使って補正した補正検知温度を元に、被加熱物への加熱量の制御を行う加熱調理器。
  2. 距離センサを受光位置を算出できる信号を出力する位置検出素子を用いて構成する請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 距離センサを反射物の距離を受光量の強弱により検出する反射型フォトリフレクタを用いて構成する請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 距離センサを反射型フォトリフレクタを位置を変えて複数個併設し、前記反射型フォトリフレクタの比を算出することにより、使用される鍋底の反射率の違いによる受光量の変動を補正できる構成とする請求項1に記載の加熱調理器。
  5. 被加熱物からの熱伝導をプレート面に敷設した温度センサにより間接的に検出し、前記温度センサによる検知温度を元に被加熱物への加熱量の制御を行う制御部を備えた加熱調理器において、プレート面と鍋底のギャップ容積を間隙センサにより測定し、前記温度センサの検知温度とギャップ容積の補正関係を定めた温度補正テーブルを予め記憶させておき、調理時に前記ギャップ容積と前記検知温度から前記温度補正テーブルを使って補正した補正検知温度を元に、被加熱物への加熱量の制御を行う加熱調理器。
  6. 間隙センサを、プレート面の上部と鍋底のギャップ距離を複数点測定し、制御部にてギャップ容積を近似計算する構成とした請求項5に記載の加熱調理器。
  7. 距離センサまたは間隙センサの使用する光の波長として、水分など調理物の噴きこぼれ成分に対して透過率の高い波長の素子を使用して構成する請求項1または5に記載の加熱調理器。
  8. 距離センサまたは間隙センサの使用する光の波長として、プレートの透過率の高い波長の素子を使用して構成する請求項1または5に記載の加熱調理器。
  9. ギャップ距離を複数点測定する構成として、1つの広指向性光源と複数レンズの組み合わせにより光源の数当たり複数箇所のギャップ距離を測定できる構成とした請求項4または6に記載の加熱調理器。
  10. ギャップ距離を複数点測定する構成として、ミラーを回転させる事により複数のギャップ距離を測定できる構成とした請求項4または6に記載の加熱調理器。
  11. ギャップ距離を複数点測定する構成として、1つのPSDと2つのLEDとを備え、一のLEDを消灯しかつ他のLEDを点灯して、他のLEDからの光を前記PSDに受光することにより、ある1点のギャップ距離を測定し、次に、一のLEDを点灯しかつ他のLEDを消灯して、一のLEDからの光を前記PSDに受光することにより、別の1点のギャップ距離を測定し、複数箇所のギャップを測定できる構成とした請求項4または6に記載の加熱調理器。
  12. ギャップ距離またはギャップ容積と検知温度との補正関係を、温度補正テーブルの代わりに演算式の形式で記憶し、制御部にて前記演算式に従って補正検知温度を算出する構成とした請求項1または5に記載の加熱調理器。
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