JP3924902B2 - 車両用空調装置の冷却ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の冷却ユニットで発生する凝縮水が下流側に飛散するのを防止するためのリブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置の冷却ユニットで発生する凝縮水が下流側のヒータユニット側へ侵入するのを防止するため、種々な提案がなされている。その代表的なものは、冷却ユニット内の冷却器(蒸発器)の空気下流側の部位において、ケース下部側に空気流れ方向と直交する方向に延びるリブ(堰)を上方へ突出させて、このリブにて凝縮水が空気流れとともに下流側へ移行するのを阻止するものである。
【0003】
また、他の代表的なものとしては、冷却器空気下流側のケース部分に、十分大きな容積を持つ下方への凹状部を設定して、凝縮水の排出を容易にするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、車両の急旋回時、急加速時、急停車時等には、冷却ユニットのケース底面部に溜まっている凝縮水に大きな遠心力が作用して、遠心力の作用方向に凝縮水が集中し、凝縮水の水面高さが一時的に急激に高くなる。従って、この急旋回時の凝縮水の水面高さに対応し得るように、前者のリブを設計すると、このリブ高さが高くなって、冷却ユニットの送風圧損の増大を招き、空調装置の風量低下を引き起こすという不具合がある。
【0005】
また、後者のものでは、冷却器空気下流側における下方への凹状部の容積拡大により、冷却ユニットが大型になるという不具合がある。
本発明は上記点に鑑み、急旋回時、急加速時、急停車時等における凝縮水の堰止め効果を高さの低いリブで達成できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜3記載の発明では、冷却器(11)を収容するケース(12)のうち、冷却器(11)の底部下方側の部位に凝縮水受け面(14)を下方へ傾斜して形成し、
この凝縮水受け面(14)の最下部に、冷却器(11)で発生する凝縮水を排出する排水口(15)を形成し、
ケース(12)のうち、冷却器(11)の空気下流側部位における底面部に、凝縮水を堰止める主リブ(16)を配置し、
この主リブ(16)は、凝縮水受け面(14)の上端部において送風空気の流れ方向(A)と直交する方向に連続して延びるように形成し、
さらに、主リブ(16)から直交状に送風空気の上流側に向かって延びる補助リブ(17)を凝縮水受け面(14)のうち前記上端部付近に設け、
主リブ(16)の空気上流側部位の領域を複数の補助リブ(17)により複数に仕切ることを特徴としている。
【0007】
ところで、車両の急旋回時等には、ケース底面部の凝縮水が遠心力を受けて、遠心力の作用方向へ集中しようとするが、補助リブ(17)により主リブ(16)の空気上流側領域を複数に仕切っているため、凝縮水は補助リブ(17)による仕切り領域内で移動するのみであり、ケース底面部の凝縮水全体が遠心力の作用方向に集中するのを阻止できる。
【0008】
その結果、車両急旋回時等における凝縮水の水面高さの上昇を僅少に抑制できるため、主リブ(16)の高さを特別に高くする必要がなく、そのため、主リブ(16)の設置に伴う圧損上昇を僅少に抑制できる。
請求項2記載の発明のように、ケース(12)を樹脂製とし、主リブ(16)および補助リブ(17)をケース(12)に一体成形すれば、両リブ(16,17)を簡単に形成できる。
【0009】
また、補助リブ(17)は請求項3のように所定間隔にて多数個並列配置することにより、車両急旋回時等における凝縮水の水面高さの上昇を一層良好に抑制できる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1、2は、本発明の一実施形態による車両用空調装置の冷却ユニットを示すもので、図1は冷却ユニット10の上ケース(図示せず)を取り外した状態の平面図で、図2はその縦断面図である。
【0011】
冷却ユニット10は、送風空気を冷却する冷却器11を有しており、この冷却器11は冷凍サイクルの蒸発器で構成される。この冷却器11を収容するケースは、上下に分割された上ケースと下ケース12とにより構成される。この上ケースと下ケース12は図示しない金属バネクリップ等の締結手段を用いて脱着可能に一体に結合される。
【0012】
冷却ユニット10は車室内の計器盤下方部に、車両の上下、左右、前後方向に対して図1、2に示す位置関係で搭載される。なお、図1、2では、左ハンドル車に搭載する例を示しているので、冷却ユニット10の右側(助手席側)に送風ユニット(図示せず)が配置され、冷却ユニット10の左側(運転席側)にヒータユニット(図示せず)が配置されるようになっている。従って、冷却ユニット10内を送風ユニットからの送風空気が矢印Aのように右から左方向へと流れる。
【0013】
冷却ユニット10の上ケースと下ケース12は、例えばポリプロピレンのような機械的強度が高くて、ある程度の弾性を有する樹脂材料で成形される。ここで、下ケース12には冷却器11の底部の周縁部を載せて支持する支持台部13を形成するとともに、下ケース12において冷却器11の底部下方側の部位に、漏斗状に下方へ傾斜した凝縮水受け面14を形成している。そして、この凝縮水受け面14の最下部に凝縮水の排水口15を形成している。
【0014】
さらに、下ケース12のうち、冷却器11の空気下流側部位における底面部に、凝縮水を堰止める主リブ16を配置している。この主リブ16は、凝縮水受け面14の上端部分において、送風空気の流れ方向Aと直交する方向(すなわち、車両前後方向)に延びるように形成されている。
この主リブ16から直交状に送風空気の上流側に向かって延びる補助リブ17を下ケース12の底面部(凝縮水受け面14の上端部付近)に配置している。この補助リブ17は、主リブ16の空気上流側部位の領域を複数に仕切るためのものである。本例では、図1に示すように、補助リブ17は所定間隔Lにて多数個(図1では9個)並列配置されている。
【0015】
ここで、主リブ16および補助リブ17の具体的設計例について述べると、主リブ16の高さH=10〜20mmであり、補助リブ17の頂部は主リブ16の頂部より所定量h(=5mm)低くしている。
また、補助リブ17の相互の所定間隔L=30〜40mmであり、補助リブ17の、主リブ16からの突出量D=20mm程度である。また、冷却器11と主リブ16との間隔M=40mm程度である。
【0016】
なお、主リブ16および補助リブ17は、樹脂製の下ケース12に一体成形で作ることができる。18は冷却器11への冷媒出入口ジョイントである。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。空調装置が作動すると、送風ユニットからの送風空気(内気または外気)が矢印A方向に送風され、冷却器11において冷凍サイクルの冷媒が送風空気より蒸発潜熱を吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却、除湿され、冷却器11で凝縮水が発生する。この凝縮水は重力にて冷却器11の下方側へ落下していくが、凝縮水の一部は送風空気の流れに押されて、冷却器11の空気下流側(図1、2の左側)へ移動しようとする。
【0017】
しかし、下ケース12のうち、冷却器11の空気下流側部位の底面部の全長にわたって主リブ16が送風空気の流れ方向Aと直交する方向に設けてあるので、この主リブ16の堰止め作用により、凝縮水が空気下流側へさらに移動するのを防止できる。
そして、主リブ16により堰止められた凝縮水および冷却器11から直接下方側へ落下した凝縮水は凝縮水受け面14の傾斜に沿って排水口15の部位に集まり、排水口15から排水パイプ(図示せず)を経て車室外部に排水される。
【0018】
ところで、車両の急旋回時等には、凝縮水受け面14上の凝縮水が遠心力の作用方向(図1の車両前方向または車両後方向)へ集中しようとするが、主リブ16より空気上流側に設けた補助リブ17により主リブ16の空気上流側領域を複数に仕切っているため、補助リブ17相互の間で凝縮水が移動するのみで、凝縮水受け面14上の凝縮水全体が遠心力の作用方向に集中するのを阻止できる。
【0019】
その結果、車両急旋回時等における凝縮水の水面高さの上昇を僅少に抑制できるため、主リブ16の高さHを特別に高くする必要がなく、前述のごとくH=10〜20mm程度にとどめることができる。そのため、主リブ16の設置に伴う送風圧損の上昇を僅少に抑制できる。
上記の作用効果をより効果的に発揮するためには、補助リブ17の相互の間隔Lが重要であり、この間隔Lは本発明者らの検討によると、100mm以内が好ましく、より好ましくは前述の30〜40mm以内がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用空調装置の冷却ユニットの一実施形態を示す平面図で、上ケースを取り外した状態を示す。
【図2】図1の縦断面図である。
【符号の説明】
11…冷却器、12…下ケース、15…排水口、16…主リブ、
17…補助リブ。
Claims (3)
- 送風空気を冷却する冷却器(11)と、この冷却器(11)を収容するケース(12)とを備え、
このケース(12)のうち、前記冷却器(11)の底部下方側の部位に凝縮水受け面(14)が下方へ傾斜して形成され、
この凝縮水受け面(14)の最下部に、前記冷却器(11)で発生する凝縮水を排出する排水口(15)が形成され、
前記ケース(12)のうち、前記冷却器(11)の空気下流側部位における底面部に、前記凝縮水を堰止める主リブ(16)を配置し、
この主リブ(16)は、前記凝縮水受け面(14)の上端部において前記送風空気の流れ方向(A)と直交する方向に連続して延びるように形成されており、
さらに、前記主リブ(16)から直交状に前記送風空気の上流側に向かって延びる補助リブ(17)を前記凝縮水受け面(14)のうち前記上端部付近に設け、
前記主リブ(16)の空気上流側部位の領域を前記補助リブ(17)により複数に仕切ることを特徴とする車両用空調装置の冷却ユニット。 - 前記ケース(12)は樹脂製であり、前記主リブ(16)および前記補助リブ(17)が前記ケース(12)に一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の冷却ユニット。
- 前記補助リブ(17)は所定間隔にて多数個並列配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置の冷却ユニット。
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