JP3924484B2 - 電子写真方式の画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体の表面に静電潜像を形成し、静電潜像が形成された感光体にトナーを供給することによりその静電潜像をトナー像として顕像化し、そのトナー像を記録媒体に転写することにより画像形成を行っている。
【0003】
トナー像の転写が行われた後の感光体の表面には、記録媒体へ転写されずに残留した残留トナーが存在するので、この残留トナーをクリーニングユニットにより除去している。
【0004】
感光体の表面から残留トナーを除去する方式としては様々な方式が知られているが、その一例として、感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを用いた方式が広く知られている。
【0005】
クリーニングブレードを用いた方式のクリーニングユニットは、クリーニングブレードを感光体の回転中心と平行に配置し、クリーニングブレードのエッジ部分を感光体の外周面に当接させ、感光体の回転に伴って残留トナーを掻き落としている。
【0006】
クリーニングブレードの感光体に対する当接圧が弱過ぎる場合には、感光体上の残留トナーの掻き落としを十分に行えず、残留トナーが次の画像に混じってしまい、画像品質が損なわる。
【0007】
一方、クリーニングブレードの感光体に対する当接圧が強過ぎる場合には、クリーニングブレードと感光体との当接箇所から異音が発生し、又は、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命が短くなる。
【0008】
そのため、クリーニングブレードを用いた方式のクリーニングユニットでは、クリーニングブレードと感光体との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件を最適に設定する必要がある。
【0009】
しかし、クリーニング条件を最適に設定しても、温度や湿度の変化に伴ってクリーニング条件が変化し、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落とし性能(クリーニング性能)が低下する。
【0010】
クリーニングブレードによるクリーニング性能と、温度、湿度との関係を実験したところ、以下のような結論が得られた。実験の条件としては、クリーニングブレードは、ゴム硬度が70°のポリウレタンゴムで作成し、自由長を8mmとした。感光体の線速は、230mm/秒、感光体の直径は60mmである。
【0011】
温度が10℃、湿度が15%の条件下では、良好なクリーニング性能が得られなかった。温度が23℃、湿度が65%の条件下では良好なクリーニング性能が得られた。温度が27℃、湿度が80%の条件下では良好なクリーニング性能が得られた。
【0012】
そこで近年では、温度や湿度が変化してもクリーニング条件の変化が少なく、クリーニング性能を良好に維持できる材質、例えば、ヤング率が高く、反発弾性が高い材質でクリーニングブレードを形成することが提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、温度や湿度が変化してもクリーニング条件の変化が少ない材質でクリーニングブレードを形成する場合には、材料選択の自由度が狭められ、安価であってクリーニング性能に優れた材質を自由に選択することができない。
【0014】
さらに、温度や湿度が変化してもクリーニング条件の変化が少ない材質であっても、温度や湿度の変化が大きくなるにつれてクリーニング条件の変化が僅かながら生じるため、クリーニング条件を常に最適状態に維持することはできない。
【0015】
また、湿度の変化に伴うトナーの電荷量の変化に対応することができない。湿度が下がると、トナーの電荷量が高くなり、そのトナーの感光体への付着力が強くなり、クリーニングブレードによる掻き落とし性能が低下する。
【0016】
さらに、クリーニングブレードの材料として用いられるポリウレタンゴムは、耐トナー性、耐磨耗性に優れるという利点があるが、高湿度の環境下では加水分解を起こしやすく、寿命が短くなるという問題がある。
【0017】
本発明の目的は、電子写真方式の画像形成装置が設置されている環境の温度や湿度が変化した場合であっても、クリーニングブレードによる感光体上の残留トナーを掻き落とす性能を良好な状態に維持することができるようにすることである。
【0018】
本発明の別の目的は、画像品質を向上させるために、粒径の小さい小粒径トナーや、重合法で形成されたトナーを使用する場合であっても、クリーニングブレードによる感光体上の残留トナーを掻き落とす性能を良好な状態に維持することができるようにすることである。
【0019】
本発明の別の目的は、クリーニングブレードによる感光体上の残留トナーを掻き落とす性能を良好な状態に維持するために駆動させる空調手段の小型化を図ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の電子写真方式の画像形成装置は、外周面に静電潜像が形成される感光体と、トナーを貯留し、このトナーを前記感光体に供給することにより前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、前記トナー像を記録媒体に転写した後の前記感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを備えたクリーニングユニットと、暖められた空気を供給する加熱動作や冷却された空気を供給する冷却動作を行う温度調整装置を備え、前記クリーニングブレードの温度を調節する機能を有する空調手段と、前記クリーニングブレードの温度を測定する温度センサと、前記クリーニングブレードの温度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるように、前記温度センサの検出値と予め設定されている基準値温度とに応じて前記空調手段を駆動させる温度制御手段と、を有する電子写真方式の画像形成装置において、少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる作像モジュールが複数設けられ、前記空調手段により温度が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度が前記作像モジュールごとに設定されていることを特徴とするものである。
ここで、本発明及び以下の各発明において、「略密閉空間」とは、空調手段による空調を、その外部と区別して行える程度の密閉性を有する空間を意味する。例えば、作像モジュールに、作像モジュールの外部の雰囲気が作像モジュールの内部に入り込む可能性のある開口として、その作像モジュール内で感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写するための転写用開口のみが形成されているような場合、その作像モジュール内の空間は略密閉空間であると言える。
したがって、温度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードと感光体との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節される。このため、クリーニングブレードを安価であってクリーニング性能に優れた材質で形成することができるとともにそのクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。さらに、作像モジュールを複数有する電子写真方式のカラー画像形成装置において、各作像モジュールごとに、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるような調節と、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるような調節との少なくとも一方が行われるので、異なる色の画像を形成する各作像モジュール毎に温度や湿度の最適条件が異なる場合に対応することができ、記録媒体に転写されるカラー画像の画像品質の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明の電子写真方式の画像形成装置は、外周面に静電潜像が形成される感光体と、トナーを貯留し、このトナーを前記感光体に供給することにより前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、前記トナー像を記録媒体に転写した後の前記感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを備えたクリーニングユニットと、加湿された空気を供給する加湿動作や除湿された空気を供給する除湿動作を行う湿度調整装置を備え、前記感光体周りの湿度を調節する機能を有する空調手段と、前記感光体周りの湿度を測定する湿度センサと、前記感光体周りの湿度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるように、前記湿度センサの検出値と予め設定されている基準値湿度とに応じて前記空調手段を駆動させる湿度制御手段と、を有する電子写真方式の画像形成装置において、少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる作像モジュールが複数設けられ、前記空調手段により湿度が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値湿度が前記作像モジュールごとに設定されていることを特徴とするものである。
したがって、湿度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体への付着力が強くなるためにクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態になることを防止でき、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。さらに、作像モジュールを複数有する電子写真方式のカラー画像形成装置において、各作像モジュールごとに、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるような調節と、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるような調節との少なくとも一方が行われるので、異なる色の画像を形成する各作像モジュール毎に温度や湿度の最適条件が異なる場合に対応することができ、記録媒体に転写されるカラー画像の画像品質の向上を図ることができる。
請求項3記載の発明の電子写真方式の画像形成装置は、外周面に静電潜像が形成される感光体と、トナーを貯留し、このトナーを前記感光体に供給することにより前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、前記トナー像を記録媒体に転写した後の前記感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを備えたクリーニングユニットと、暖められた空気を供給する加熱動作や冷却された空気を供給する冷却動作、加湿された空気を供給する加湿動作や除湿された空気を供給する除湿動作を行う温湿度調整装置を備え、前記クリーニングブレードの温度と前記感光体周りの湿度とを調節する機能を有する空調手段と、前記クリーニングブレードの温度を測定する温度センサと、前記感光体周りの湿度を測定する湿度センサと、前記クリーニングブレードの温度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としが適正に行える温度となるように、前記温度センサの検出値と予め設定されている基準値温度とに応じて前記空調手段を駆動させる温度制御手段と、前記感光体周りの湿度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるように、前記湿度センサの検出値と予め設定されている基準値湿度とに応じて前記空調手段を駆動させる湿度制御手段と、を有する電子写真方式の画像形成装置において、少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる作像モジュールが複数設けられ、前記空調手段により温度と湿度との少なくとも一方が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度と前記基準値湿度との少なくとも一方が前記作像モジュールごとに設定されていることを特徴とするものである。
したがって、温度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードと感光体との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節される。このため、クリーニングブレードを安価であってクリーニング性能が優れた材質で形成することができるとともにそのクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。さらに、湿度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体への付着力が強くなるためにクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態になることを防止でき、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。また、作像モジュールを複数有する電子写真方式のカラー画像形成装置において、各作像モジュールごとに、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるような調節と、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるような調節との少なくとも一方が行われるので、異なる色の画像を形成する各作像モジュール毎に温度や湿度の最適条件が異なる場合に対応することができ、記録媒体に転写されるカラー画像の画像品質の向上を図ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記温度センサは、前記クリーニングブレードの近傍に設置されている。
したがって、温度センサによるクリーニングブレードの温度測定を精度良く行える。
請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記湿度センサは、前記現像ユニット内又は前記現像ユニットの近傍に設置されている。
したがって、湿度センサによる感光体に供給されるトナーやクリーニングブレードの周囲の湿度測定を精度良く行える。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記基準値温度と前記基準値湿度とは変更可能である。
したがって、クリーニングブレードと感光体との間のクリーニング条件が変化した場合や、使用するトナーの種類が変わった場合には、それに応じて、基準値温度や基準値湿度を適宜変更することができ、空調手段による温度や湿度の調節を最適な状態で行える。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記基準値温度と前記基準値湿度との少なくとも一方を格納したチップが設けられ、このチップが交換自在に取付けられている。
したがって、基準値温度や基準値湿度の変更を、チップを交換することにより簡単に行える。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記トナーは、平均粒径が10μm以下の小粒径トナーである。
ここで、平均粒径が10μm以下の小粒径トナーを使用することにより、きめの細かい高品質の画像形成が可能となる。その反面、クリーニングブレードによる感光体上からの残留トナーの掻き落としを良好に行えるクリーニング条件が狭くなり、残留トナーがクリーニングブレードにより掻き落とされにくくなる。このため、小粒径トナーを使用する場合には、クリーニングブレードを感光体に強く当接させる必要があり、その当接により、当接箇所から異音が発生し、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命が短くなる。
したがって、空調手段により温度や湿度を調節することによって、クリーニングブレードの温度を、クリーニングブレードと感光体との間のクリーニング条件が残留トナーの掻き落としを良好に行うために最適となる温度に維持することができ、平均粒径が10μm以下の小粒径トナーを使用した場合においても、クリーニングブレードと感光体との当接箇所から異音を発生させることなく、及び、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命を短くすることなく、きめが細かく、残留トナーの影響を受けない高品質の画像形成を行える。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記トナーは、重合法で形成されたものである。
ここで、重合法で形成されたトナーは球形又は楕円球形をしており、粒径や極性が揃っているので、現像工程や転写工程でのロスが少なく、高品質の画像形成が可能となる。その反面、クリーニングブレードにより感光体上から残留トナーを掻き落とす場合に、トナーが感光体上を転がってしまい、残留トナーがクリーニングブレードにより掻き落とされにくくなる。このため、重合法で形成されたトナーを使用する場合には、クリーニングブレードを感光体に強く当接させる必要があり、その当接により、当接箇所から異音が発生し、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命が短くなる。
したがって、空調手段により温度や湿度を調節することによって、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを良好に行えるクリーニング条件を維持することができ、クリーニングブレードを感光体に強く当接させる必要がなくなる。そして、重合法で形成したトナーを使用した場合においても、クリーニングブレードと感光体との当接箇所から異音を発生させることなく、及び、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命を短くすることなく、残留トナーの影響を受けない高品質の画像形成を行える。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記空調手段を常時駆動させるための専用電源が設けられている。
したがって、専用電源からの電力供給によって空調手段を常時駆動させることにより、いつでも高品質の画像形成を行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明に適用可能な第1の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。図1は電子写真方式の画像形成装置の概略構造を示す縦断正面図、図2は作像モジュールを示す斜視図、図3は空調手段の構造を示す概略図、図4は作像モジュールと空調手段との接続構造を示す概略図、図5は温度調節及び湿度調節に関連する部分のブロック図、図6は温度調節の内容を示すフローチャート、図7は湿度調節の内容を示すフローチャートである。
【0049】
この画像形成装置の装置本体1内には、記録媒体が積層保持される給紙部2から画像形成された記録媒体が排紙される排紙部3に至る記録媒体搬送路4が形成され、その記録媒体搬送路4に沿って、レジストローラ5、作像モジュール6、転写器7、定着器8等が配置されている。さらに、装置本体1内には、画像データに応じて潜像形成光であるレーザ光を出射することにより後述する感光体の外周面に静電潜像を形成する露光手段9、装置本体1内からの排気を行う排気手段10、後述するように作像モジュール6内をの温度と湿度とを調節する空調手段11が設けられている。
【0050】
作像モジュール6は、ケース12内に、感光体13と、現像ユニット14と、帯電器15と、クリーニングユニット16とを収納することにより形成されている。作像モジュール6のケース12には、作像モジュール6の外部の雰囲気が作像モジュール6の内部に入り込む可能性のある開口として、感光体13の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写するための転写用開口17のみが形成されており、このような作像モジュール6内の空間は略密閉空間とされている。さらに、ケース12には、露光手段9から出射されたレーザ光(潜像形成光)を感光体13の外周面に露光させるためのスリット状の露光口18が形成されている。この露光口18はガラスや樹脂などの透明板19で覆われ、作像モジュール6内の空間の密閉性が高められている。
【0051】
クリーニングユニット16内には、クリーニングブレード16aが設けられている。クリーニングブレード16aはポリウレタンゴムで形成された矩形状部材であり、感光体13の回転中心と平行に延出する向きに配置され、そのエッジ部分が感光体13の外周面に所定の圧力で当接されている。さらに、クリーニングユニット16内には、クリーニングブレード16aの近傍に配置されてクリーニングブレード16aの温度を測定する温度センサ20が配置されている。
【0052】
現像ユニット14内には、重合法により形成され、平均粒径が10μm以下となる小粒径トナーが貯留されている。この現像ユニット14はトナーボトル(図示せず)からのトナー補給が行われるタイプのもので、トナーボトルからのトナー補給が行われるトナー補給口(図示せず)の近傍には、感光体13周りの湿度を検知する湿度センサ21が配置されている。ここで、感光体13周りの湿度とは、現像ユニット14内のトナーが貯留されている領域の湿度、及び、クリーニングブレード16aが設置されている領域の湿度を意味する。
【0053】
空調手段11は図3に示すように、ケース22、このケース22内に収納されているエアコン23、除湿器24、加湿器25、ポンプ26等により構成されている。ケース22には、吸気口27と排気口28とが形成されている。
【0054】
空調手段11と作像モジュール6とは、図4に示すように接続されている。即ち、空調手段11の排気口28と作像モジュール6に形成された流入口29とが接続パイプ30で接続されている。このような接続により、ポンプ26が駆動されることにより装置本体1内の空気が吸気口27からケース22内に吸入され、その空気はケース22内において温度や湿度の調節が行われ、温度や湿度を調節された空気は排気口28から接続パイプ30内を経由して流入口29から作像モジュール6内へ流入する。そして、作像モジュール6内を経由した後に流出口31から作像モジュール6外に流出する。このようにして、空調手段11において温度及び湿度が調節された空気が作像モジュール6内に供給されることにより、クリーニングブレード16aの温度調節、及び、感光体13周りの湿度調節が行われる。
【0055】
作像モジュール6のケース12の外周部には、チップ32が取付けられている。このチップ32には、空調手段11により温度を調節する際における基準値となる基準値温度、及び、空調手段11により湿度を調節する際における基準値となる基準値湿度が格納されている。また、チップ32は、ケース12に対して交換自在に取付けられている。つまり、ケース12に取付けるチップ32を、必要に応じて、格納されている基準値温度や基準値湿度の値が異なるものに交換することができる。チップ32が取付けられた作像モジュール6を装置本体1に装着することにより、チップ32が装置本体1内に設けられている接点(図示せず)に電気的に接続され、チップ32に格納されている基準値温度と基準値湿度との値が画像形成装置の制御部33に入力される。
【0056】
画像形成装置の制御部33は、CPU、ROM、RAM等により構成されており、この制御部33に対し、チップ32、温度センサ20、湿度センサ21、エアコン23、加湿器24、除湿器25、ポンプ26等が接続されている。
【0057】
また、画像形成装置には、空調手段11を常時駆動させるための専用電源(図示せず)が設けられている。この専用電源をオンにすることにより、空調手段11による温度、湿度の調節を常時行うことが可能となる。
【0058】
このような構成において、温度センサ20からの検出値と湿度センサ21からの検出値とが制御部33に入力されており、入力された検出値とチップ32に格納された基準値温度、基準値湿度とが比較され、その比較結果に応じて空調手段11が駆動され、作像モジュール6内の温度、湿度の調節が行われる。
【0059】
ここで、作像モジュール6内の温度の調節を図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、温度センサ20の検出値が基準値温度の範囲より低いか否かが判断される(ステップS1)。
【0060】
ステップS1において、検出値が基準値温度の範囲より低いと判断された場合には(ステップS1のY)、空調手段11による加熱動作が開始される(ステップS2)。この加熱動作では、エアコン23の暖房運転と、ポンプ26の運転とが行われ、ケース22内で暖められた空気が作像モジュール6内に供給される。そして、温度センサ20からの検出値が所定値まで上昇したか否かが判断される(ステップS3)。この所定値としては、例えば、基準値温度の範囲の中央値が設定されている。温度センサ20からの検出値が所定値まで上昇した場合には(ステップS3のY)、加熱動作が終了する(ステップS4)。
【0061】
一方、ステップS1において、検出値が基準値温度の範囲より低くはないと判断された場合には(ステップS1のN)、検出値が基準値温度の範囲より高いか否かが判断される(ステップS5)。
【0062】
ステップS5において、検出値が基準値温度の範囲より高いと判断された場合には(ステップS5のY)、空調手段11による冷却動作が開始される(ステップS6)。この冷却動作では、エアコン23の冷房運転と、ポンプ26の運転とが行われ、ケース22内で冷却された空気が作像モジュール6内に供給される。そして、温度センサ20からの検出値が所定値まで下降したか否かが判断される(ステップS7)。温度センサ20からの検出値が所定値まで下降した場合には(ステップS7のY)、冷却動作が終了する(ステップS8)。
【0063】
一方、温度センサ20の検出値が基準値温度の範囲内である場合には(ステップS1のN、ステップS5のN)、空調手段11による加熱動作、冷却動作は行われない。
【0064】
ここで、上述したステップS2〜S4の処理、及び、ステップS6〜S8の処理が、温度センサ20の検出値と予め設定されている基準値温度とに応じて空調手段11を駆動させる温度制御手段の機能として実行される。
【0065】
つぎに、作像モジュール6内の湿度の調節を図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、湿度センサ21の検出値が基準値湿度の範囲より低いか否かが判断される(ステップS11)。
【0066】
ステップS1において、検出値が基準値湿度の範囲より低いと判断された場合には(ステップS1のY)、空調手段11による加湿動作が開始される(ステップS12)。この加湿動作では、加湿器24の運転と、ポンプ26の運転とが行われ、ケース22内で加湿された空気が作像モジュール6内に供給される。そして、湿度センサ21からの検出値が所定値まで上昇したか否かが判断される(ステップS13)。この所定値としては、例えば、基準値湿度の範囲の中央値が設定されている。湿度センサ21からの検出値が所定値まで上昇した場合には(ステップS13のY)、加湿動作が終了する(ステップS14)。
【0067】
一方、ステップS11において、検出値が基準値湿度の範囲より低くはないと判断された場合には(ステップS11のN)、検出値が基準値湿度の範囲より高いか否かが判断される(ステップS15)。
【0068】
ステップS15において、検出値が基準値湿度の範囲より高いと判断された場合には(ステップS15のY)、空調手段11による除湿動作が開始される(ステップS16)。この除湿動作では、除湿器25の運転と、ポンプ26の運転とが行われ、ケース22内で加湿された空気が作像モジュール6内に供給される。そして、湿度センサ21からの検出値が所定値まで上昇したか否かが判断される(ステップS17)。湿度センサ21からの検出値が所定値まで下降した場合には(ステップS17のY)、除湿動作が終了する(ステップS18)。
【0069】
一方、湿度センサ21の検出値が基準値湿度の範囲内である場合には(ステップS11のN、ステップS15のN)、空調手段11による加湿動作、除湿動作は行われない。
【0070】
ここで、上述したステップS12〜S14の処理、及び、ステップS16〜S18の処理が、湿度センサ21の検出値と予め設定されている基準値湿度とに応じて空調手段11を駆動させる湿度制御手段の機能として実行される。
【0071】
上述したように、温度センサ20の検出値と予め設定されてチップ32内に格納されている基準値温度ともに基づいて空調手段11が駆動されることにより、作像モジュール6内の温度、即ち、作像モジュール6内に設けられているクリーニングブレード16aの温度を、クリーニングブレード16aと感光体13との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節できる。このため、クリーニングブレード16aを安価であってクリーニング性能が優れた材質で形成することができるとともに、そのクリーニングブレード16aによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
【0072】
さらに、湿度センサ21の検出値と予め設定されてチップ32内に格納されている基準値湿度とに基づいて空調手段11が駆動されることにより、作像モジュール6内の湿度、即ち、感光体13周りの湿度を、クリーニングブレード16aが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体13への付着力が強くなるためにクリーニングブレード16aによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態とならない湿度に調節することができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
【0073】
また、空調手段11により空調される領域は作像モジュール6内の略密閉空間のみであり、画像形成装置内の全体を空調する場合に比べて大幅に小さくなり、空調手段11の小型化、空調手段11の運転時に発生する騒音の低減、空調手段11の運転に伴う消費電力の低減を図ることができる。
【0074】
つぎに、本発明に適用可能な第2の形態を図8に基づいて説明する。なお、本発明に適用可能な第2の形態及び以下の実施の形態及び本発明に適用可能な第3の形態において、先行して説明した本発明に適用可能な第1の形態と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。本発明に適用可能な第2の形態では、空調手段11から作像モジュール6内に供給された空気を、作像モジュール6から空調手段11へ還流させるための循環流路34が形成されている。この循環流路34は、作像モジュール6の流入口29と空調手段11の排気口28とを接続パイプ30で接続し、作像モジュール6の流出口31と空調手段11の吸気口26とを接続パイプ35で接続することにより構成されている。他の部分の構成については本発明に適用可能な第1の形態と同じである。
【0075】
このような構成において、空調手段11のケース22内に吸入される空気は、一旦空調手段11において温度や湿度を調節された空気である。このため、新たな空気をケース22内に吸入して温度や湿度を調節する場合に比べ、温度や湿度の調節に要する消費電力などを減らすことができる。
【0076】
つぎに、本発明の実施の形態を図9に基づいて説明する。本実施の形態は、上述した本発明に適用可能な第1又は第2の形態で説明した作像モジュール6が装置本体1a内に4個設けられ、各作像モジュール6で異なる色のトナー像を形成するようにした電子写真方式のカラー画像形成装置に関するものである。各作像モジュール6は記録媒体の搬送方向に沿って一列に配列され、各作像モジュール6にはそれぞれ空調手段11が接続されている。各作像モジュール6の構造、各空調手段11の基本的な構造は、上述した本発明に適用可能な第1の形態と同じである。
【0077】
各作像モジュール6のケース12にチップ32が取付けられている。各チップ32にはそれぞれ、空調手段11により温度を調節する際の基準となる基準値温度と、空調手段11により湿度を調節する際における基準値となる基準値湿度とが格納されている。基準値温度は各チップ32において同じ値に設定されているが、基準値湿度は各作像モジュール6ごとに異なる値に設定されている。具体的には、イエローの画像を形成する作像モジュール6、マゼンタの画像を形成する作像モジュール6、シアンの画像を形成する作像モジュール6、ブラックの画像を形成する作像モジュール6の順で、基準値湿度の値が低くなっている。
【0078】
このような構成において、各作像モジュール6ごとに、クリーニングブレード16aの温度が、クリーニングブレード16aと感光体13との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節されるため、クリーニングブレード16aを安価であってクリーニング性能が優れた材質で形成することができるとともにそのクリーニングブレード16aによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができる。
【0079】
さらに、感光体13周りの湿度が、クリーニングブレードブレード16aが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体13への付着力が強くなるためにクリーニングブレード16aによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態になることを防止でき、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。なお、チップ32に格納されている基準値湿度の値は、各チップ32ごとに異なり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成する作像モジュール6の順で低くなっている。これは、トナーの電荷量がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順となっているため、この順序で除湿の程度を高くする(基準値湿度の値を高くする)ことにより、各色のトナーの記録媒体への転写状態を均一化することができ、カラー画像の画像品質の向上を図ることができるためである。
【0080】
また、本実施の形態のカラー画像形成装置としては、搬送される記録媒体に対して各作像モジュール6において次々と画像を転写するタイプのものを例に挙げて説明したが、中間転写ベルトを用いるタイプのカラー画像形成装置においても本発明を適用することができる。
【0081】
つぎに、本発明に適用可能な第3の形態を図10に基づいて説明する。上述した実施の形態及び本発明に適用可能な各形態が、作像モジュール6を形成してこの作像モジュール6内のみを空調するようにしたのに対し、本発明に適用可能な第3の形態では、装置本体1内に、感光体13、現像ユニット14、帯電器15、クリーニングユニット16等を収納し、さらに、措置本体1内に空調手段11や露光手段9を収納したものである。
【0082】
このような構成において、本発明に適用可能な第3の形態においては、空調手段11による温度の調節と湿度の調節とが、装置本体1内の全域に対して行われる。
【0083】
したがって、クリーニングブレード16aの温度が、上述した実施の形態及び本発明に適用可能な各形態と同じように、クリーニングブレード16aと感光体13との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節される。これにより、クリーニングブレード16aを安価であってクリーニング性能が優れた材質で形成することができるとともに、そのクリーニングブレード16aによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
【0084】
さらに、感光体13周りの湿度が、上述した実施の形態及び本発明に適用可能な各形態と同じように、クリーニングブレード16aが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体13への付着力が強くなるためにクリーニングブレード16aによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態になることを防止でき、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
【0085】
なお、本発明に適用可能な第3の形態では、各作像モジュール6ごとに基準値湿度を変えた場合を例に挙げて説明したが、各作像モジュール6においてクリーニングブレード16aの材質や当接圧などを変えた場合には、それに応じて各作像モジュール6ごとに基準値温度を変えることも有効である。
【0086】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の電子写真方式の画像形成装置によれば、温度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、クリーニングブレードの温度を、クリーニングブレードと感光体との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節することができ、このため、クリーニングブレードを安価であってクリーニング性能に優れた材質で形成することができる、そのクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
さらに、少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる複数の作像モジュールが設けられ、前記空調手段により温度が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度が前記作像モジュールごとに設定されているので、作像モジュールを複数有する電子写真方式のカラー画像形成装置において、各作像モジュールごとに、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるような調節と、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるような調節との少なくとも一方が行われるので、異なる色の画像を形成する各作像モジュール毎に温度や湿度の最適条件が異なる場合に対応することができ、記録媒体に転写されるカラー画像の画像品質の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明の電子写真方式の画像形成装置によれば、湿度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、感光体周りの湿度を、クリーニングブレードが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体への付着力が強くなるためにクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態になることを防止するように調節することができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
さらに、少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる複数の作像モジュールが設けられ、前記空調手段により温度が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度が前記作像モジュールごとに設定されているので、作像モジュールを複数有する電子写真方式のカラー画像形成装置において、各作像モジュールごとに、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるような調節と、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるような調節との少なくとも一方が行われるので、異なる色の画像を形成する各作像モジュール毎に温度や湿度の最適条件が異なる場合に対応することができ、記録媒体に転写されるカラー画像の画像品質の向上を図ることができる。
請求項3記載の発明の電子写真方式の画像形成装置によれば、温度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、クリーニングブレードの温度を、クリーニングブレードと感光体との間の当接圧、当接角度、食い込み量などのクリーニング条件が最適な状態に維持される温度となるように調節することができ、このため、クリーニングブレードを安価であってクリーニング性能に優れた材質で形成することができる、そのクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを良好に行うことができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。さらに、湿度制御手段によって空調手段が駆動されることにより、感光体周りの湿度を、クリーニングブレードが加水分解により劣化する高湿状態や、トナーの電荷量が高くなって感光体への付着力が強くなるためにクリーニングブレードによる残留トナーの掻き落とし性能が低下する低湿状態になることを防止するように調節することができ、記録媒体に転写される画像の画像品質の向上を図ることができる。
さらに、少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる複数の作像モジュールが設けられ、前記空調手段により温度と湿度との少なくとも一方が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度と前記基準値湿度との少なくとも一方が前記作像モジュールごとに設定されているので、作像モジュールを複数有する電子写真方式のカラー画像形成装置において、各作像モジュールごとに、クリーニングブレードの温度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるような調節と、感光体周りの湿度が、クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるような調節との少なくとも一方が行われるので、異なる色の画像を形成する各作像モジュール毎に温度や湿度の最適条件が異なる場合に対応することができ、記録媒体に転写されるカラー画像の画像品質の向上を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は3記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記温度センサは、前記クリーニングブレードの近傍に設置されているので、温度センサによるクリーニングブレードの温度測定を精度良く行える。
請求項5記載の発明によれば、請求項2又は3記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記湿度センサは、前記現像ユニット内又は前記現像ユニットの近傍に設置されているので、湿度センサによる感光体に供給されるトナーやクリーニングブレードの周囲の湿度測定を精度良く行える。
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記基準値温度と前記基準値湿度とは変更可能であるので、クリーニングブレードと感光体との間のクリーニング条件が変化した場合や、使用するトナーの種類が変わった場合には、それに応じて、基準値温度や基準値湿度を適宜変更することができ、空調手段による温度や湿度の調節を最適な状態で行える。
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記基準値温度と前記基準値湿度との少なくとも一方を格納したチップが設けられ、このチップが交換自在に取付けられているので、基準値温度や基準値湿度の変更を、チップを交換することにより簡単に行える。
請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記トナーは、平均粒径が10μm以下の小粒径トナーであるので、平均粒径が10μm以下の小粒径トナーを使用した場合においても、クリーニングブレードと感光体との当接箇所から異音を発生させることなく、及び、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命を短くすることなく、きめが細かく、残留トナーの影響を受けない高品質の画像形成を行える。
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし8のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記トナーは、重合法で形成されたものであるので、重合法で形成したトナーを使用した場合においても、クリーニングブレードと感光体との当接箇所から異音を発生させることなく、及び、磨耗によりクリーニングブレードや感光体の寿命を短くすることなく、残留トナーの影響を受けない高品質の画像形成を行える。
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし9のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置において、前記空調手段を常時駆動させるための専用電源が設けられているので、専用電源からの電力供給によって空調手段を常時駆動させることにより、いつでも高品質の画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用可能な第1の形態である電子写真方式の画像形成装置の概略構造を示す縦断正面図である。
【図2】 作像モジュールを示す斜視図である。
【図3】 空調手段の構造を示す概略図である。
【図4】 作像モジュールと空調手段との接続構造を示す概略図である。
【図5】 温度調節及び湿度調節に関連する部分のブロック図である。
【図6】 温度調節の内容を示すフローチャートである。
【図7】 湿度調節の内容を示すフローチャートである。
【図8】 本発明に適用可能な第2の形態である電子写真方式の画像形成装置における作像モジュールと空調手段との接続構造を示す概略図である。
【図9】 本発明の実施の形態である電子写真方式のカラー画像形成装置の概略構造を示す縦断正面図である。
【図10】 本発明に適用可能な第3の形態である電子写真方式の画像形成装置の概略構造を示す縦断正面図である。
Claims (10)
- 外周面に静電潜像が形成される感光体と、
トナーを貯留し、このトナーを前記感光体に供給することにより前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、
前記トナー像を記録媒体に転写した後の前記感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを備えたクリーニングユニットと、
暖められた空気を供給する加熱動作や冷却された空気を供給する冷却動作を行う温度調整装置を備え、前記クリーニングブレードの温度を調節する機能を有する空調手段と、
前記クリーニングブレードの温度を測定する温度センサと、
前記クリーニングブレードの温度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える温度となるように、前記温度センサの検出値と予め設定されている基準値温度とに応じて前記空調手段を駆動させる温度制御手段と、を有する電子写真方式の画像形成装置において、
少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる作像モジュールが複数設けられ、前記空調手段により温度が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度が前記作像モジュールごとに設定されていることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。 - 外周面に静電潜像が形成される感光体と、
トナーを貯留し、このトナーを前記感光体に供給することにより前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、
前記トナー像を記録媒体に転写した後の前記感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを備えたクリーニングユニットと、
加湿された空気を供給する加湿動作や除湿された空気を供給する除湿動作を行う湿度調整装置を備え、前記感光体周りの湿度を調節する機能を有する空調手段と、
前記感光体周りの湿度を測定する湿度センサと、
前記感光体周りの湿度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるように、前記湿度センサの検出値と予め設定されている基準値湿度とに応じて前記空調手段を駆動させる湿度制御手段と、を有する電子写真方式の画像形成装置において、
少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる作像モジュールが複数設けられ、前記空調手段により湿度が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値湿度が前記作像モジュールごとに設定されていることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。 - 外周面に静電潜像が形成される感光体と、
トナーを貯留し、このトナーを前記感光体に供給することにより前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、
前記トナー像を記録媒体に転写した後の前記感光体上の残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードを備えたクリーニングユニットと、
暖められた空気を供給する加熱動作や冷却された空気を供給する冷却動作、加湿された空気を供給する加湿動作や除湿された空気を供給する除湿動作を行う温湿度調整装置を備え、前記クリーニングブレードの温度と前記感光体周りの湿度とを調節する機能を有する空調手段と、
前記クリーニングブレードの温度を測定する温度センサと、
前記感光体周りの湿度を測定する湿度センサと、
前記クリーニングブレードの温度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としが適正に行える温度となるように、前記温度センサの検出値と予め設定されている基準値温度とに応じて前記空調手段を駆動させる温度制御手段と、
前記感光体周りの湿度が前記クリーニングブレードによる残留トナーの掻き落としを適正に行える湿度となるように、前記湿度センサの検出値と予め設定されている基準値湿度とに応じて前記空調手段を駆動させる湿度制御手段と、を有する電子写真方式の画像形成装置において、
少なくも前記感光体と前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとがケース内に収納され、そのケース内が略密閉空間とされてそれぞれ異なる色の画像形成が行われる作像モジュールが複数設けられ、前記空調手段により温度と湿度との少なくとも一方が調節される空間が前記作像モジュール内の略密閉空間であり、前記基準値温度と前記基準値湿度との少なくとも一方が前記作像モジュールごとに設定されていることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。 - 前記温度センサは、前記クリーニングブレードの近傍に設置されている請求項1又は3記載の電子写真方式の画像形成装置。
- 前記湿度センサは、前記現像ユニット内又は前記現像ユニットの近傍に設置されている請求項2又は3記載の電子写真方式の画像形成装置。
- 前記基準値温度と前記基準値湿度とは変更可能である請求項1ないし5のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置。
- 前記基準値温度と前記基準値湿度との少なくとも一方を格納したチップが設けられ、このチップが交換自在に取付けられている請求項1ないし5のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置。
- 前記トナーは、
平均粒径が10μm以下の小粒径トナーである請求項1ないし7のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置。 - 前記トナーは、
重合法で形成されたものである請求項1ないし8のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置。 - 前記空調手段を常時駆動させるための専用電源が設けられている請求項1ないし9のいずれか一記載の電子写真方式の画像形成装置。
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