JP4113763B2 - 帯電装置、転写装置、現像装置、排紙装置及び画像形成装置 - Google Patents
帯電装置、転写装置、現像装置、排紙装置及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電装置、転写装置、現像装置、排紙装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成を行う複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置においては、装置内に感光体を有し、この感光体の周囲に帯電装置、転写装置、現像装置、クリーニング装置等が配置され、さらに、給紙装置や排紙装置が設けられている。
【0003】
これらの各装置と湿度との関係は、感光体はその周囲の湿度が低ければ低い程都合がよく、その他の各装置には適度な湿度条件が存在する。
【0004】
帯電装置が低湿環境下で使用された場合には、異常放電が発生しやすくなり、その異常放電によって感光体の帯電異常が発生し、形成される画像の画像品質が低下する。
【0005】
転写装置が低湿環境下で使用された場合には、帯電装置の場合と同じように異常放電が発生しやすくなり、その異常放電によって感光体から記録媒体へ転写されるトナーが散る現象、所謂、転写散りが発生し、形成される画像の画像品質が低下する。
【0006】
現像装置が低湿環境下で使用された場合には、トナーの電荷が過度に大きくなり、それによって現像時にトナーが感光体へ付着しにくくなり、形成される画像の画像品質が低下する。これを防止するためには感光体の帯電電位を上げなければならず、感光体の帯電電位を上げることにより感光体の劣化が早まる。
【0007】
また、記録媒体に転写されたトナー像が定着装置において定着されるとき、記録媒体は熱と圧力とを加えられてカールが付いた状態で排紙装置上に排紙される。このようなカールを除去するためには、排紙装置上に排紙された記録媒体を加湿することが有効である。
【0008】
このようなことから、周囲の湿度が過度に低下した場合等には、感光体を除いた他の装置を加湿する発明が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−72871号公報
【特許文献2】
特開平9−81018号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特許文献1、特許文献2に記載された発明では、加湿のための機構を設置するためのスペースを新たに確保しなければならず、画像形成装置の小型化を図るうえでの障害となっている。
【0011】
また、加湿には水を使用するため、水の補給などといった日常のメンテナンスが必要になり、殺菌、水垢の除去などの処理も必要になってくるため、コストアップや信頼性の低下などさまざまな問題を派生しやすい。
【0012】
本発明の目的は、帯電装置、転写装置、現像装置、排紙装置等の加湿を、各装置及び画像形成装置全体の小型化を図りつつ行うことである。
【0013】
本発明の目的は、帯電装置、転写装置、現像装置、排紙装置等の加湿に際し、水を補給する作業を不用とすることである。
【0014】
本発明の別の目的は、帯電装置や転写装置の加湿時に、帯電装置や転写装置での放電に伴うオゾンや窒素酸化物の発生を低減することである。
【0015】
本発明の別の目的は、帯電装置、転写装置、現像装置、排紙装置等の加湿を行いつつ同時に感光体周りや給紙装置等の除湿が必要な箇所の除湿を行うことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1乃至7それぞれ記載の発明の帯電装置は、感光体の外周面に対向する位置に配置される帯電手段と、前記帯電手段を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有する。
【0017】
ここで、本発明及び以下の各発明において、固体高分子電解膜を挟んで配置されている多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加すると、多孔性陽極に対向する領域では水分子(H2O)が水素イオン(H+)と酸素(O2)と電子(e−)とに分解される。水素イオンは固体高分子電解膜を通過して多孔性陰極側へ移動し、多孔性陰極に対向する領域において酸素と結合して水になる。
【0018】
したがって、帯電手段が配置されているケーシング部材の内側の湿度が設定湿度より低下したことを湿度センサ等によって検出した場合には、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるケーシング部材の内側を加湿することができ、この加湿によって帯電手段からの異常放電が発生しなくなり、異常放電による感光体の帯電異常が防止され、帯電異常が原因となる画像品質の低下が防止される。また、ケーシング部材の内側である帯電手段の周囲では加湿により酸素の量が少なくなるため、帯電時の放電に伴う窒素酸化物やオゾンの発生が抑制され、窒素酸化物やオゾンの影響による形成される画像の画像品質の低下が防止される。さらに、固体高分子電解膜と多孔性陰極と多孔性陽極とからなる加湿機構は、新たな設置スペースを確保しなくてもケーシング部材の一部を利用して設けることが可能であり、この加湿機構を設けた場合でも帯電装置の小型化を図れる。
【0019】
そして、請求項1記載の発明は、前記多孔性陽極は、前記感光体の外周面に対向させて配置される。
【0020】
したがって、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となる。このため、この多孔性陽極を感光体の外周面に対向させることによって感光体の外周面に対向する領域が除湿され、この除湿により感光体が帯電しやすくなるとともに感光体の帯電電位を上げることなく感光体へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質が向上するとともに感光体の劣化が抑制される。
【0021】
請求項2記載の発明は、前記ケーシング部材の外側に、前記多孔性陽極に対向する領域から前記感光体の外周面に向けて送風する除湿空気送風路が形成されている。
【0022】
したがって、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域の空気は水分を分解された除湿空気となり、この除湿空気が除湿空気送風路を通って感光体の外周面に向けて送風される。これにより、感光体の外周面に対向する領域が除湿され、感光体が帯電しやすくなるとともに感光体の帯電電位を上げることなく感光体へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質が向上するとともに感光体の劣化が抑制される。
【0023】
ここで、本発明及び以下の各発明において、除湿空気送風路内の送風は、送風ファンを用いて行ってもよく、或いは、感光体の回転に伴って発生する空気の流れにより感光体の外周面へ向けて吸引させるようにして行ってもよい。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の帯電装置において、前記固体高分子電解質膜とこの固体高分子電解質膜の片面に設けられた前記多孔性陰極と他の片面に設けられた前記多孔性陽極とが、前記感光体の回転方向に沿った前記帯電手段の上流側と下流側とに設けられている。
【0025】
したがって、感光体の外周面に対向する領域であって感光体の回転方向に沿った帯電手段の上流側と下流側との両方が除湿されることになり、感光体の外周面に対向する領域を除湿することに伴う形成される画像の画像品質向上と感光体の劣化抑制の効果が高くなる。
【0026】
請求項4又は5記載の発明は、前記ケーシング部材の内側に、前記多孔性陰極に対向する領域から前記帯電手段に向けて送風される加湿空気送風路が形成されている。
【0027】
したがって、多孔性陰極に対向する領域で加湿された空気が帯電手段の周囲へスムーズに供給されるようになり、帯電手段の加湿が良好に行われる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一記載の帯電装置において、前記ケーシング部材の内側に吸水性樹脂分散体が設けられている。
【0029】
ここで、本発明及び以下の各発明において、吸水性樹脂分散体とは、特開平8−302218号公報に記載されているように、吸水性樹脂の微粒子を均一に分散させて形成された部材を意味し、周囲の湿度が設定値以上のときは吸湿し、周囲の湿度が設定値以下のときは放湿し、周囲の湿度を設定値に維持するように機能する。
【0030】
したがって、高湿時に吸水性樹脂分散体に吸湿された水分が低湿時に放湿されるので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体から放湿される水分によって帯電手段の周囲であるケーシング部材の内側が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加する時間が短縮され、消費電力が低減される。
【0031】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の発明の帯電装置において、前記帯電手段は、接触式帯電手段である。
【0032】
ここで、接触式帯電手段としては、接触式帯電ローラ、帯電ブラシ等が挙げられる。これらの接触式帯電手段は、感光体を帯電させるときにオゾンや窒素酸化物等の発生が少ないという長所を有するが、その反面、温度や湿度の変動によって帯電電位が変動しやすいという欠点がある。例えば、低温低湿雰囲気では帯電部である感光体の抵抗値が増加するため、帯電開始電圧の上昇および帯電電流の減少によって帯電電位が低下してしまい、かぶりなどの画質欠陥が発生するという問題がある。
【0033】
したがって、加湿機構を備えた帯電装置の帯電手段として接触式帯電手段を用いることにより、感光体を帯電させるときに発生するオゾンや窒素酸化物の発生を低減させつつ、接触式帯電手段の周囲が低湿となることの問題発生が防止される。
【0034】
請求項8及び9それぞれ記載の発明の転写装置は、感光体の外周面に対向する位置に配置される転写手段と、前記転写手段を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有する。
【0035】
したがって、転写手段を囲むケーシング部材の内側の湿度が設定湿度より低下したことを湿度センサ等によって検出した場合には、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるケーシング部材の内側を加湿することができ、この加湿によって転写手段からの異常放電の発生が防止され、異常放電が原因となって発生する感光体から記録媒体へ転写されるトナーが散る現象、所謂、転写散りが防止される。また、ケーシング部材の内側である転写手段の周囲では酸素の量が少なくなっているため、転写のための放電に伴う窒素酸化物やオゾンの発生が抑制される。さらに、固体高分子電解膜と多孔性陰極と多孔性陽極とからなる加湿機構は、新たな設置スペースを確保しなくてもケーシング部材の一部を利用して設けることが可能であり、この加湿機構を設けた場合でも転写装置の小型化を図れる。
【0036】
そして、請求項8記載の発明は、前記多孔性陽極は、記録媒体を収納する給紙装置に対向させて配置される。
【0037】
したがって、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となる。このため、この多孔性陽極を給紙装置に対向させることにより、給紙装置の周囲の領域が除湿され、給紙装置から給紙される記録媒体が湿気により搬送性が低下して重送を起こすということが防止される。
【0038】
請求項9記載の発明は、前記ケーシング部材の内側に吸水性樹脂分散体が設けられている。
【0039】
したがって、高湿時に吸水性樹脂分散体に吸湿された水分が低湿時に放湿されるので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体から放湿される水分によって転写手段の周囲であるケーシング部材の内側が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加する時間が短縮され、消費電力が低減される。
【0040】
請求項10及び11それぞれ記載の発明の現像装置は、トナーを収納するトナーケースと、片面を前記トナーケースの内側に向けるとともに他の片面を前記トナーケースの外側に向けて前記トナーケースに設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記トナーケースの内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記トナーケースの外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有する。
【0041】
したがって、トナーが収納されているトナーケースの内側の湿度が設定湿度より低下したことを湿度センサ等によって検出した場合には、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるトナーケースの内側を加湿することができる。この加湿によってトナーの電荷が過度に大きくなるとともにそのトナーが感光体に付着しにくくなるということが防止され、感光体の電位を上げることなく良好な画像形成を行える。また、この現像装置における加湿は、トナーケース内に加湿空気を送風する方式ではないので、加湿に伴うトナーの舞い上がりが発生せず、舞い上がったトナーのトナーケース外への漏れ出し等が発生しない。さらに、固体高分子電解膜と多孔性陰極と多孔性陽極とからなる加湿機構は、新たな設置スペースを確保しなくてもトナーケースの一部を利用して設けることが可能であり、この加湿機構を設けた場合でも現像装置の小型化を図れる。
【0042】
そして、請求項10記載の発明は、前記トナーケースの外側に、前記多孔性陽極に対向する領域から感光体の外周面に向けて送風する除湿空気送風路が形成されている。
【0043】
したがって、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域の空気は水分を分解された除湿空気となり、この除湿空気が除湿空気送風路を通って感光体の外周面に向けて送風される。これにより、感光体の外周面に対向する領域を除湿でき、感光体が帯電しやすくなるとともに感光体の帯電電位を上げることなく感光体へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質が向上するとともに感光体の劣化が抑制される。
【0044】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の現像装置において、前記トナーケースの内側に吸水性樹脂分散体が設けられている。
【0045】
したがって、高湿時に吸水性樹脂分散体に吸湿された水分が低湿時に放湿されるので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体から放湿される水分によってトナーケース内が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加する時間が短縮され、消費電力が低減される。
【0046】
請求項12及び13それぞれ記載の発明の排紙装置は、定着装置を通過した記録媒体が排紙される排紙トレイと、排紙トレイ上に排紙された記録媒体の少なくとも下面側又は上面側を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有する。
【0047】
したがって、画像形成動作時には多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるケーシング部材の内側を加湿することができる。これにより、定着装置を通過することによってカールが生じた状態で排紙トレイ上に排紙された記録媒体が加湿され、カールが減少する。また、この排紙装置における加湿は、排紙された記録媒体に加湿空気を送風する方式ではないので、記録媒体に対する加湿を行ってもその記録媒体の積層状態が乱れない。さらに、固体高分子電解膜と多孔性陰極と多孔性陽極とからなる加湿機構は、新たな設置スペースを確保しなくてもケーシング部材の一部を利用して設けることが可能であり、この加湿機構を設けた場合でも排紙装置の小型化を図れる。
【0048】
そして、請求項12記載の発明は、前記多孔性陽極は、記録媒体を収納する給紙装置に対向させて配置される。
【0049】
したがって、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となる。このため、この多孔性陽極を給紙装置に対向させることにより、給紙装置の周囲の領域が除湿され、給紙装置から給紙される記録媒体が湿気により搬送性が低下して重送を起こすということが防止される。
【0050】
請求項13記載の発明は、前記多孔性陽極は、定着装置に対向させて配置される。
【0051】
したがって、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となる。このため、この多孔性陽極を定着装置に対向させることにより、定着装置に対向する領域が除湿され、定着装置での加熱により記録媒体から発生した水蒸気の除湿を行え、その水蒸気が原因となる画像形成装置内の結露を防止できる。
【0052】
請求項14記載の発明は、帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記帯電装置として請求項1ないし6のいずれか一記載の帯電装置を有している。
【0053】
したがって、この画像形成装置は、請求項1ないし7に記載した発明と同様の作用を奏する。
【0054】
請求項15記載の発明は、帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記転写装置として請求項8又は9記載の転写装置を有している。
【0055】
したがって、この画像形成装置は、請求項8又は9に記載した発明と同様の作用を奏する。
【0056】
請求項16記載の発明は、帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記現像装置として請求項10又は11記載の現像装置を有している。
【0057】
したがって、この画像形成装置は、請求項10又は11に記載した発明と同様の作用を奏する。
【0058】
請求項17記載の発明は、帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記排紙装置として請求項12又は13記載の排紙装置を有している。
【0059】
したがって、この画像形成装置は、請求項12又は13に記載した発明と同様の作用を奏する。
【0060】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は画像形成装置である電子写真方式の画像形成を行うプリンタの概略構造を示すもので、本体ケース1の略中央部に感光体2が配置され、この感光体2の周囲に、帯電装置3、光書込み装置4、現像装置5、転写ローラ6、クリーニング装置7等が配置されている。感光体2の外周面が帯電装置3により所定の電位に帯電され、帯電された感光体2の外周面が光書込み装置4によって露光されることにより感光体2の外周面に静電潜像が形成され、この静電潜像に対して現像装置5からトナーが供給されることにより静電潜像がトナー像として顕像化され、顕像化されたトナー像が転写ローラ6により記録媒体S上に転写される。この転写時に感光体2の外周面に残留したトナーはクリーニング装置7により除去される。
【0061】
本体ケース1内における感光体2や現像装置5等の下方位置には、記録媒体Sを収納する給紙装置8が設けられている。この給紙装置8から排紙トレイ9に向けて記録媒体Sが搬送される搬送経路10が形成されており、この搬送経路10上に、搬送ローラ11、レジストローラ12、転写ローラ6、搬送ベルト13、定着装置14等が配置されている。
【0062】
帯電装置3は、感光体2の外周面に平行に対向する位置に配置される帯電手段である帯電用ワイヤ15と、この帯電用ワイヤ15を囲むケーシング部材16と、ケーシング部材16内である帯電用ワイヤ15の周囲を加湿する加湿機構17とを有している。ケーシング部材16には、このケーシング部材16内に送風するための送風ファン18が接続されている。ケーシング部材16の感光体2の外周面に対向する端部には、可撓性を有して感光体2の外周面に接触するマイラー19が取付けられている。ケーシング部材16内には、このケーシング部材16内における帯電用ワイヤ15の近傍の湿度を検出する湿度センサ20が設けられている。
【0063】
送風ファン18を駆動して送風することにより、帯電用ワイヤ15での放電により発生したオゾンや窒素酸化物等の放電生成物が除去される。送風ファン18により送風された空気は、マイラー19と感光体2の外周面との間を通過してケーシング部材16の外部に流れ出る。
【0064】
加湿機構17は、片面をケーシング部材16の内側に向けるとともに他の片面をケーシング部材16の外側に向けてケーシング部材16に設けられた固体高分子電解膜21と、固体高分子電解膜21におけるケーシング部材16の内側を向いた面に設けられて電源部(図示せず)の陰極に接続された多孔性陰極22と、固体高分子電解膜21におけるケーシング部材16の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極23とにより構成されている。固体高分子電解膜21を挟んで配置された多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電流を印加することにより、多孔性陽極23に対向する領域では水分子(H2O)が水素イオン(H+)と酸素(O2)と電子(e−)とに分解される。分解された水素イオンは固体高分子電解膜21を通過して多孔性陰極22側へ移動し、多孔性陰極22に対向する領域において酸素と結合して水になる。
【0065】
加湿機構17は、送風ファン18の駆動に伴う空気の流れ方向に沿った帯電用ワイヤ15より上流側に設けられており、ケーシング部材16の内側には、送風ファン18の駆動により多孔性陰極22に対向する領域の空気が帯電用ワイヤ15に向けて送風される加湿空気送風路24が形成されている。
【0066】
このような構成において、ケーシング部材16内の湿度が設定湿度より低くなったことが湿度センサ20によって検出された場合には、その検出結果に基づき制御部(図示せず)からの指示により多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電流が印加される。
【0067】
この直流電流の印加により、多孔性陽極23に対向する領域では水分子(H2O)が水素イオン(H+)と酸素(O2)と電子(e−)とに分解され、一方、多孔性陰極22に対向する領域であるケーシング部材16の内側では、固体高分子電解膜21を通過した水素イオンが酸素と結合して水になる。これにより、帯電用ワイヤ15の周囲の領域であるケーシング部材16の内側の空間が加湿され、帯電用ワイヤ15の周囲の領域が低湿度になることが原因で発生する帯電用ワイヤ15からの異常放電が防止され、異常放電による感光体2の帯電異常、及び、その帯電異常が原因となる画像品質低下が防止される。多孔性陰極22に対向する領域で加湿された空気は加湿空気送風路24内を通って送風されるので、帯電用ワイヤ15の周囲への加湿された空気の供給を良好に行える。
【0068】
また、ケーシング部材16の内側では、酸素が水素イオンと結合することにより酸素の量が少なくなる。このため、帯電のための放電に伴う窒素酸化物やオゾンの発生が抑制され、窒素酸化物やオゾンの影響による画像品質の低下も抑制される。
【0069】
さらに、固体高分子電解膜21と多孔性陰極22と多孔性陽極23とからなる加湿機構17は、新たな設置スペースを確保しなくてもケーシング部材16の一部を利用して設けることが可能である。このため、帯電装置3に加湿機構17を設けた場合でも、帯電装置3の小型化、及び、プリンタ全体の小型化を図れる。
【0070】
ケーシング部材16内の湿度が設定湿度まで上昇したことが湿度センサ20によって検出された場合には、多孔性陰極22と多孔性陽極23との間への直流電流の通電が停止され、加湿機構17による加湿が停止される。
【0071】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。なお、本実施の形態及び他の実施の形態において、先行して説明した実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。
【0072】
本実施の形態では、帯電装置3を構成するケーシング部材16の一部に張出し部16aが形成され、この張出し部16aに加湿機構17が設けられている。張出し部16aは感光体2の外周面に対向する位置に形成され、加湿機構17の多孔性陽極23が感光体2の外周面に対向させて配置されている。
【0073】
送風ファン18(図1参照)により送風される空気は、張出し部16a内を通過した後に帯電用ワイヤ15の周囲に至り、その後ケーシング部材16内を通って感光体2から離反する向きに排気される。
【0074】
このような構成において、ケーシング部材16内の湿度が設定湿度より低くなったことが湿度センサ20によって検出された場合には、その検出結果に基づき制御部(図示せず)からの指示により多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電流が印加され、多孔性陰極22に対向する領域である張出し部16a内の空間が加湿され、加湿された空気は加湿空気送風路24内を通って帯電用ワイヤ15の周囲の領域へ送風される。これにより、第1の実施の形態の場合と同じように、帯電用ワイヤ15の周囲の領域が加湿され、帯電用ワイヤ15の周囲の領域が低湿度になることが原因で発生する帯電用ワイヤ15からの異常放電が防止され、異常放電による感光体2の帯電異常、及び、その帯電異常が原因となる画像品質低下が防止される。
【0075】
また、本実施の形態では、多孔性陽極23が感光体2の外周面に対向させて配置されているので、この多孔性陽極23に対向する領域では水分が分解されることに伴う除湿が行われ、この除湿の影響が感光体2の表面に及ぶようになる。このため、感光体2の外周面が除湿されるようになり、この除湿によって感光体2が帯電しやすくなるとともに感光体2の帯電電位を上げることなく感光体2へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質向上を図ることができるとともに感光体2の劣化を抑制できる。
【0076】
つぎに、本発明の第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。本実施の形態では、帯電装置3を構成するケーシング部材16の一部に張出し部16a、16bが形成され、これらの張出し部16a、16bに加湿機構17が設けられている。張出し部16a、16bは感光体2の外周面に対向する位置であって感光体2の回転方向に沿った帯電用ワイヤ15の下流側と上流側とに形成され、加湿機構17の多孔性陽極23が感光体2の外周面に対向させて配置されている。
【0077】
送風ファン18(図1参照)により送風される空気は、張出し部16a、16b内を通過した後に帯電用ワイヤ15の周囲に至り、その後ケーシング部材16内を通って感光体2から離反する向きに排気される。
【0078】
このような構成において、多孔性陰極22に対向する領域である張出し部16a、16b内の空間が加湿され、この加湿された空気は帯電用ワイヤ15の周囲の領域へ送風され、帯電用ワイヤ15の周囲の領域が加湿される。このため、帯電用ワイヤ15の周囲の領域が低湿度になることが原因で発生する帯電用ワイヤ15からの異常放電が防止され、異常放電による感光体2の帯電異常、及び、その帯電異常が原因となる画像品質低下が防止される。
【0079】
また、本実施の形態では、多孔性陽極23が感光体2の外周面に対向させて配置されているので、この多孔性陽極23に対向する領域では水分が分解されることに伴う除湿が行われ、この除湿の影響が感光体2の表面に及ぶようになる。このため、感光体2の外周面が除湿されるようになり、この除湿によって感光体2が帯電しやすくなるとともに感光体2の帯電電位を上げることなく感光体2へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質向上を図ることができるとともに感光体2の劣化を抑制できる。しかも、感光体2の外周面の除湿が、感光体2の回転方向に沿った帯電用ワイヤ15の上流側と下流側との両方で行われるので、感光体2の外周面を除湿することによる形成される画像の画像品質向上と感光体2の劣化抑制の効果とがより一層高くなる。
【0080】
つぎに、本発明の第4の実施の形態を図5に基づいて説明する。本実施の形態では、帯電装置3を構成するケーシング部材16の外側に、多孔性陽極23に対向する領域から感光体2の外周面に向けて送風する除湿空気送風路25が形成されている。この除湿空気送風路25内の送風は、送風ファン18(図1参照)を利用してもよく、或いは、感光体2の回転に伴って発生する空気の流れにより感光体2の外周面へ向けて吸引させるようにして行ってもよい。
【0081】
このような構成において、多孔性陽極23に対向する領域に存在する空気はその空気中に含まれる水分が分解されることにより除湿されており、その除湿された空気が除湿空気送風路25を通って感光体2の外周面に向けて送風される。これにより、感光体2の外周面に対向する領域が除湿され、この除湿によって感光体2が帯電しやすくなるとともに感光体2の帯電電位を上げることなく感光体2へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質向上を図ることができるとともに感光体の劣化を抑制できる。
【0082】
つぎに、本発明の第5の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第4の実施の形態(図5参照)と同じであり、この第4の実施の形態と異なる点は、ケーシング部材16の一部である張出し部16aの内側に吸水性樹脂分散体26が設けられている点である。
【0083】
吸水性樹脂分散体26は、吸水性樹脂の微粒子を均一に分散させて形成された部材であり、周囲の湿度が設定値以上のときは吸湿し、周囲の湿度が設定値以下のときは吸湿した水分を放湿し、周囲の湿度を設定値に維持するように機能する。
【0084】
このような構成において、高湿時には吸水性樹脂分散体26が水分を吸湿し、低湿時には吸湿された水分が放湿される。このため、周囲の環境(ケーシング部材16の外側の環境)が低湿状態となった場合でも、吸水性樹脂分散体26から放湿される水分によってケーシング部材16の内側である帯電用ワイヤ15の周囲は直ちに低湿状態とはならない。このため、このような吸水性樹脂分散体26を設けない場合と比較して多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加する時間が短縮され、消費電力の低減を図ることができる。
【0085】
つぎに、本発明の第6の実施の形態を図7に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第5の実施の形態(図6参照)と同じであり、この第5の実施の形態と異なる点は、帯電手段である帯電用ワイヤ15に代えて、帯電手段の一形態である接触式帯電手段である接触式帯電ローラ27を用いた点である。接触式帯電ローラ27は、感光体2を帯電させるときにオゾンや窒素酸化物等の発生が少ないという長所を有するが、その反面、温度や湿度の変動によって帯電電位が変動しやすいという欠点がある。しかし、本実施の形態では、加湿機構17を有するために接触式帯電ローラ27の周囲の領域が過度に低湿状態になることを防止でき、接触式帯電ローラ27の周囲の領域が過度に低湿状態になることによって帯電開始電圧の上昇や帯電電流の減少によって感光体2の帯電電位が低下してしまい、かぶりなどの画質欠陥が発生するという問題の発生が防止される。
【0086】
このような構成において、接触帯電方式の長所であるオゾンや窒素酸化物の発生が少ないという点を維持できるとともに、低湿状態のときには接触式帯電ローラ27の周囲の領域を加湿できるので、接触式帯電ローラ27の周囲の領域が低湿状態となることにより発生する不都合な点を解消しつつ画像形成を行うことができる。
【0087】
本実施の形態の第7の実施の形態を図8に基づいて説明する。本実施の形態の帯電装置3は、接触式帯電ローラ27を囲むケーシング部材28における接触式帯電ローラ27を囲む領域内に対し送風を行わず、ケーシング部材28内の気密性を高めて構成されている。この帯電装置3における加湿機構17の取付けは、上述した他の実施の形態と同じようにケーシング部材28の一部を利用して行われている。ケーシング部材28の外側には、多孔性陽極23に対向する領域から感光体2の外周面に向けて送風する除湿空気送風路25が形成されている。
【0088】
このような構成において、接触式帯電ローラ27が配置されているケーシング部材28の内側の領域の気密性が高められているので、多孔性陰極22と多孔性陽極23との間へ通電してケーシング部材28内の加湿を行った場合、ケーシング部材28内の湿度が所定湿度に上昇した後に通電を遮断してもケーシング部材28内の湿度は直ちには低下しない。このため、外部の環境が低湿時においても加湿のための通電を継続して行う必要がなく、加湿のための通電を間欠的に行うことができ、加湿のための通電に要する消費電力が低減される。
【0089】
つぎに、本発明の第8の実施の形態を図9に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第7の実施の形態(図8参照)と同じであり、この第7の実施の形態と異なる点は、ケーシング部材28の内側に吸水性樹脂分散体26が設けられている点である。
【0090】
このような構成において、ケーシング部材28の内側に吸水性樹脂分散体26を設けることにより、加湿時に発生した水分を吸水性樹脂分散体26に吸湿させることにより、低湿時には吸水性樹脂分散体26から放湿させることができる。このため、加湿のために行う通電の断続周期を長くすることができ、通電の断続頻度を減らすことができるとともにスイッチ部分の耐久性向上を図ることができる。
【0091】
つぎに、本発明の第9の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態のプリンタは、感光体2の周囲に、帯電装置3a、光書込み装置4、現像装置5、転写装置29、クリーニング装置7等が配置されている。
【0092】
帯電装置3aは、接触式帯電ローラ27、この接触式帯電ローラ27を囲むケーシング部材28等により構成され、上述した各実施の形態で説明した加湿機構17は設けられていない。
【0093】
転写装置29は、感光体2の外周面に対向する位置に配置された転写手段である転写ローラ6、転写ローラ6を囲むケーシング部材30、加湿機構17等により構成されている。加湿機構17は、片面をケーシング部材30の内側に向けるとともに他の片面をケーシング部材30の外側に向けてケーシング部材30に設けられた固体高分子電解膜21と、固体高分子電解膜21におけるケーシング部材30の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極22と、固体高分子電解膜21におけるケーシング部材30の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極23とにより構成されている。
【0094】
多孔性陽極23は、記録媒体Sを収納する給紙装置8に対向させて配置されている。
【0095】
ケーシング部材30の内側には、吸水性樹脂分散体26と湿度センサ31とが設けられている。
【0096】
このような構成において、ケーシング部材30内の湿度が設定湿度より低くなったことが湿度センサ31によって検出された場合には、その検出結果に基づき制御部(図示せず)からの指示により多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電流が印加される。
【0097】
この直流電流の印加により、多孔性陽極23に対向する領域では水分子(H2O)が水素イオン(H+)と酸素(O2)と電子(e−)とに分解され、多孔性陰極22に対向する領域であるケーシング部材30の内側では、固体高分子電解膜21を通過した水素イオンが酸素と結合して水になる。これにより、転写ローラ6の周囲の領域であるケーシング部材30の内側の空間が加湿され、転写ローラ6の周囲の領域が低湿度になることが原因で発生する転写ローラ6からの異常放電が防止され、異常放電が原因となって発生する感光体2から記録媒体Sへ転写されるトナーが散る現象、所謂、転写散りが防止される。
【0098】
また、この転写装置29に設けられている加湿機構17は、新たな設置スペースを確保しなくてもケーシング部材30の一部を利用して設けることができ、転写装置29に加湿機構17を設けた場合でも、転写装置29の小型化、及び、プリンタ全体の小型化を図れる。
【0099】
多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極23に対向する領域では水が分解されて除湿状態となり、この多孔性陽極23が給紙装置8に対向させて配置されているので、給紙装置8の周囲の領域が除湿される。このため、給紙装置8から給紙される記録媒体Sが湿気により搬送性が低下して重送を起こすということが防止される。
【0100】
また、ケーシング部材30の内側に吸水性樹脂分散体26が設けられ、高湿時に吸水性樹脂分散体26に吸湿された水分が低湿時に放湿されるので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体26から放湿される水分によって転写ローラ6の周囲であるケーシング部材30の内側が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加する時間が短縮され、消費電力の低減を図ることができる。
【0101】
なお、本実施の形態では、加湿機構17を有しない帯電装置3aを用いた場合を例に挙げて説明したが、この帯電装置3aに代えて、上述した各実施の形態で説明した加湿機構17を有する帯電装置3を用いてもよい。
【0102】
つぎに、本発明の第10の実施の形態を図11に基づいて説明する。本実施の形態のプリンタは、感光体2の周囲に、帯電装置3a、光書込み装置4、現像装置32、転写ローラ6、クリーニング装置7等が配置されている。
【0103】
現像装置32は、トナーを収納するトナーケース33、トナーケース33内に収納された現像ローラ34、トナーを攪拌・搬送するスクリュー35、加湿機構17等により構成されている。加湿機構17は、片面をトナーケース33の内側に向けるとともに他の片面をトナーケース33の外側に向けてトナーケース33に設けられた固体高分子電解膜21と、固体高分子電解膜21におけるトナーケース33の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極22と、固体高分子電解膜21におけるトナーケース33の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極23とにより構成されている。
【0104】
トナーケース33の外側には、多孔性陽極23に対向する領域から感光体2の外周面に向けて送風する除湿空気送風路36が形成されている。この除湿空気送風路36内の送風は、送風ファン18(図1参照)を利用してもよく、或いは、感光体2の回転に伴って発生する空気の流れにより感光体2の外周面へ向けて吸引させるようにして行ってもよい。
【0105】
トナーケース33の内側には、吸水性樹脂分散体26と湿度センサ(図示せず)とが設けられている。
【0106】
このような構成において、トナーケース33内の湿度が設定湿度より低くなったことが湿度センサによって検出された場合には、その検出結果に基づき制御部(図示せず)からの指示により多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電流が印加される。
【0107】
この直流電流の印加により、多孔性陽極23に対向する領域では水分子(H2O)が水素イオン(H+)と酸素(O2)と電子(e−)とに分解され、多孔性陰極22に対向する領域であるトナーケース33の内側では、固体高分子電解膜21を通過した水素イオンが酸素と結合して水になる。これにより、トナーケース33内のトナーの電荷が乾燥により過度に大きくなるとともにそのトナーが感光体2に付着しにくくなるということが防止され、感光体2の電位を上げることなく良好な画像形成を行える。
【0108】
この現像装置32における加湿は、トナーケース33内に加湿空気を送風する方式ではないので、加湿に伴うトナーの舞い上がりが発生せず、舞い上がったトナーのトナーケース33外への漏れ出しや、トナーの舞い上がりによる現像ローラ34側へのトナーの補給不良等が発生しない。
【0109】
さらに、固体高分子電解膜21と多孔性陰極22と多孔性陽極23とからなる加湿機構17は、新たな設置スペースを確保しなくてもトナーケース33の一部を利用して設けることが可能であり、現像装置32に加湿機構17を設けた場合でも、現像装置32の小型化、及び、プリンタ全体の小型化を図れる。
【0110】
多孔性陽極23に対向する領域に存在する空気はその空気中に含まれる水分が分解されることにより除湿されており、その除湿された空気が除湿空気送風路36を通って感光体2の外周面に向けて送風される。これにより、感光体2の外周面に対向する領域が除湿され、感光体2が帯電しやすくなるとともに感光体2の帯電電位を上げることなく感光体2へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質向上を図ることができるとともに感光体の劣化を抑制できる。
【0111】
また、トナーケース33の内側に吸水性樹脂分散体26が設けられ、高湿時に吸水性樹脂分散体26に吸湿された水分が低湿時に放湿されるので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体26から放湿される水分によってトナーケース33の内側が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加する時間が短縮され、消費電力の低減を図ることができる。
【0112】
なお、本実施の形態では、加湿機構17を有しない帯電装置3aを用いた場合を例に挙げて説明したが、この帯電装置3aに代えて、上述した各実施の形態で説明した加湿機構17を有する帯電装置3を用いてもよい。
【0113】
また、転写ローラ6に代えて、第9の実施の形態(図10)で説明したように、加湿機構17を備えた転写装置29を用いてもよい。
【0114】
つぎに、本発明の第11の実施の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態のプリンタは、感光体2の周囲に、帯電装置3a、光書込み装置4、現像装置5、転写ローラ6、クリーニング装置7等が配置されている。本体ケース1の側面部には、搬送経路10上を搬送された記録媒体Sが排紙される部分としての排紙装置38が設けられている。
【0115】
排紙装置38は、排紙トレイ9、排紙トレイ9と排紙トレイ9上に排紙された記録媒体Sの下面側とを囲むケーシング部材39、加湿機構17等により構成されている。加湿機構17は、片面をケーシング部材39の内側に向けるとともに他の片面をケーシング部材39の外側に向けてケーシング部材39に設けられた固体高分子電解膜21と、固体高分子電解膜21におけるケーシング部材39の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極22と、固体高分子電解膜21におけるケーシング部材30の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極23とにより構成されている。
【0116】
多孔性陽極23は、記録媒体Sを収納する給紙装置8に対向させて配置されている。
【0117】
このような構成において、画像形成動作時には多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極22に対向する領域であるケーシング部材39の内側を加湿することができる。これにより、定着装置14を通過することによってカールが生じた状態で排紙トレイ9上に排紙された記録媒体Sが加湿され、カールが減少する。また、この排紙装置38における加湿は、排紙された記録媒体Sに加湿空気を送風する方式ではないので、記録媒体Sに対する加湿を行ってもその記録媒体Sの積層状態が乱れない。
【0118】
また、この排紙装置38に設けられている加湿機構17は、新たな設置スペースを確保しなくてもケーシング部材39の一部を利用して設けることができ、排紙装置38に加湿機構17を設けた場合でも、排紙装置38の小型化、及び、プリンタ全体の小型化を図れる。
【0119】
多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極23に対向する領域では水が分解されて除湿状態となり、この多孔性陽極23が給紙装置8に対向させて配置されているので、給紙装置8の周囲の領域が除湿される。このため、給紙装置8から給紙される記録媒体Sが湿気により搬送性が低下して重送を起こすということが防止される。
【0120】
なお、本実施の形態では、加湿機構17を有しない帯電装置3a、現像装置5、転写ローラ6を用いた場合を例に挙げて説明したが、これらの帯電装置3a、現像装置5、転写ローラ6に代えて、加湿機構17を備えた帯電装置3(図1ないし図9参照)、加湿機構17を備えた現像装置(図11参照)、加湿機構17を備えた転写装置29(図10参照)を用いてもよい。
【0121】
つぎに、本発明の第12の実施の形態を図13に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第11の実施の形態(図12参照)と同じであり、この第11の実施の形態と異なる点は、加湿機構17を構成する多孔性陽極23が、定着装置14に対向させて配置されている点である。
【0122】
このような構成において、多孔性陰極22と多孔性陽極23との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極23に対向する領域では水が分解されて除湿状態となる。このため、この多孔性陽極23を定着装置14に対向させることにより、定着装置14の周囲の領域除湿され、定着装置14での加熱により記録媒体Sから発生した水蒸気の除湿を行え、その水蒸気が原因となるプリンタ内の結露を防止できる。
【0123】
【発明の効果】
請求項1乃至7それぞれに記載の発明の帯電装置によれば、固体高分子電解膜の両側に設けた多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるケーシング部材の内側を加湿することができ、この加湿によって帯電手段からの異常放電の発生を防止し、異常放電による感光体の帯電異常を防止でき、帯電異常が原因となる画像品質の低下を防止でき、しかも、この加湿を帯電装置の小型化を図りつつ行うことができる。
【0124】
そして、請求項1記載の発明によれば、前記多孔性陽極は、前記感光体の外周面に対向させて配置されるので、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となるため、この多孔性陽極を感光体の外周面に対向させることによって感光体の外周面に対向する領域を除湿でき、この除湿により感光体が帯電しやすくなるとともに感光体の帯電電位を上げることなく感光体へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質を向上させることができるとともに感光体の劣化を抑制できる。
【0125】
請求項2記載の発明によれば、前記ケーシング部材の外側に、前記多孔性陽極に対向する領域から前記感光体の外周面に向けて送風する除湿空気送風路が形成されているので、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域の空気は水分を分解された除湿空気となり、この除湿空気が除湿空気送風路を通って感光体の外周面に向けて送風されることによって感光体の外周面に対向する領域を除湿でき、この除湿により感光体が帯電しやすくなるとともに感光体の帯電電位を上げることなく感光体へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質を向上させることができるとともに感光体の劣化を抑制できる。
【0126】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の帯電装置において、前記固体高分子電解質膜とこの固体高分子電解質膜の片面に設けられた前記多孔性陰極と他の片面に設けられた前記多孔性陽極とが、前記感光体の回転方向に沿った前記帯電手段の上流側と下流側とに設けられているので、感光体の外周面に対向する領域であって感光体の回転方向に沿った帯電手段の上流側と下流側との両方が除湿されることになり、感光体の外周面に対向する領域を除湿することに伴う形成される画像の画像品質向上と感光体の劣化抑制の効果を高めることができる。
【0127】
請求項4又は5記載の発明によれば、前記ケーシング部材の内側に、前記多孔性陰極に対向する領域から前記帯電手段に向けて送風される加湿空気送風路が形成されているので、多孔性陰極に対向する領域で加湿された空気を帯電手段の周囲へスムーズに供給することができ、帯電手段の加湿を良好に行うことができる。
【0128】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか一記載の帯電装置において、前記ケーシング部材の内側に吸水性樹脂分散体が設けられているので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体から放湿される水分によって帯電手段の周囲であるケーシング部材の内側が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加する時間を短縮することができ、消費電力の低減を図ることができる。
【0129】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の発明の帯電装置において、前記帯電手段は、接触式帯電手段であるので、加湿機構を備えた帯電装置の帯電手段として接触式帯電手段を用いることにより、感光体を帯電させるときに発生するオゾンや窒素酸化物の発生を低減できるという接触式帯電手段の効果を維持しつつ、周囲が低湿となった場合に帯電電位を低下させてしまうという不具合を解消することができる。
【0130】
請求項8及び9それぞれ記載の発明の転写装置によれば、固体高分子電解膜の両側に設けた多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるケーシング部材の内側を加湿することができ、この加湿によって転写手段からの異常放電の発生を防止でき、異常放電によって感光体から記録媒体へ転写されるトナーが散る現象、所謂、転写散りを防止して画像品質の向上を図ることができ、しかも、この加湿を転写装置の小型化を図りつつ行うことができる。
【0131】
そして、請求項8記載の発明によれば、前記多孔性陽極は、記録媒体を収納する給紙装置に対向させて配置されるので、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となるため、この多孔性陽極を給紙装置に対向させることによって給紙装置の周囲の領域を除湿でき、給紙装置から給紙される記録媒体が湿気により搬送性が低下して重送を起こすということを防止できる。
【0132】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の発明の転写装置において、前記ケーシング部材の内側に吸水性樹脂分散体が設けられているので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体から放湿される水分によって転写手段の周囲であるケーシング部材の内側が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加する時間を短縮することができ、消費電力の低減を図ることができる。
【0133】
請求項10及び11それぞれ記載の発明の現像装置によれば、固体高分子電解膜の両側に設けた多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるトナーケースの内側を加湿することができ、この加湿によってトナーの電荷が過度に大きくなるとともにそのトナーが感光体に付着しにくくなるということを防止でき、感光体の電位を上げることなく良好な画像形成を行うことでき、しかも、この加湿を現像装置の小型化を図りつつ行うことができる。
【0134】
そして、請求項10記載の発明によれば、前記トナーケースの外側に、前記多孔性陽極に対向する領域から前記感光体の外周面に向けて送風する除湿空気送風路が形成されているので、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域の空気は水分を分解された除湿空気となり、この除湿空気が除湿空気送風路を通って感光体の外周面に向けて送風されることによって感光体の外周面に対向する領域を除湿でき、この除湿により感光体が帯電しやすくなるとともに感光体の帯電電位を上げることなく感光体へトナーが付着しやすくなり、形成される画像の画像品質を向上させることができるとともに感光体の劣化を抑制できる。
【0135】
請求項11記載の発明によれば、前記トナーケースの内側に吸水性樹脂分散体が設けられているので、周囲の環境が低湿状態となった場合でも吸水性樹脂分散体から放湿される水分によってトナーケース内が低湿状態となるまでに時間がかかり、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加する時間を短縮することができ、消費電力の低減を図ることができる。
【0136】
請求項12及び13それぞれ記載の発明の排紙装置によれば、固体高分子電解膜の両側に設けた多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加することによって多孔性陰極に対向する領域であるケーシング部材の内側を加湿することができ、この加湿によって定着装置を通過することによってカールが生じた状態で排紙トレイ上に排紙された記録媒体を加湿してカールを減少させることができ、しかも、この加湿を排紙装置の小型化を図りつつ行うことができる。
【0137】
そして、請求項12記載の発明によれば、前記多孔性陽極は、記録媒体を収納する給紙装置に対向させて配置されるので、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となるため、この多孔性陽極を給紙装置に対向させることによって給紙装置の周囲の領域を除湿でき、給紙装置から給紙される記録媒体が湿気により搬送性が低下して重送を起こすということを防止できる。
【0138】
請求項13記載の発明によれば、前記多孔性陽極は、定着装置に対向させて配置されるので、多孔性陰極と多孔性陽極との間に直流電圧を印加したときに、多孔性陽極に対向する領域では水が分解されて除湿状態となるため、この多孔性陽極を定着装置に対向させることによって定着装置の周囲の領域を除湿でき、定着装置での加熱により記録媒体から発生した水蒸気の除湿を行え、その水蒸気が原因となる画像形成装置内の結露を防止できる。
【0139】
請求項14記載の発明の画像形成装置によれば、請求項1ないし7のいずれか一記載の帯電装置を有しているので、請求項1ないし7に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0140】
請求項15記載の発明の画像形成装置によれば、請求項8又は9記載の転写装置を有しているので、請求項8又は9に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0141】
請求項16記載の発明の画像形成装置によれば、請求項10又は11一記載の現像装置を有しているので、請求項10又は11に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0142】
請求項17記載の発明の画像形成装置によれば、請求項12又は13記載の排紙装置を有しているので、請求項12又は13に記載した発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のプリンタの概略構造を示す正面図である。
【図2】その一部である帯電装置を示す正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態である帯電装置を示す正面図である。
【図10】本発明の第9の実施の形態のプリンタの概略構造を示す正面図である。
【図11】本発明の第10の実施の形態のプリンタの概略構造を示す正面図である。
【図12】本発明の第11の実施の形態のプリンタの概略構造を示す正面図である。
【図13】本発明の第12の実施の形態のプリンタの概略構造を示す正面図である。
【符号の説明】
2 感光体
3 帯電装置
6 転写手段
8 給紙装置
9 排紙トレイ
14 定着装置
15 帯電手段
16 ケーシング部材
21 固体高分子電解膜
22 多孔性陰極
23 多孔性陽極
24 加湿空気送風路
25 除湿空気送風路
26 吸水性樹脂分散体
27 帯電手段、接触式帯電手段
28 ケーシング部材
29 転写装置
32 現像装置
33 トナーケース
36 除湿空気送風路
38 排紙装置
39 ケーシング部材
Claims (17)
- 感光体の外周面に対向する位置に配置される帯電手段と、前記帯電手段を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記多孔性陽極は、前記感光体の外周面に対向させて配置される帯電装置。 - 感光体の外周面に対向する位置に配置される帯電手段と、前記帯電手段を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記ケーシング部材の外側に、前記多孔性陽極に対向する領域から前記感光体の外周面に向けて送風する除湿空気送風路が形成されている帯電装置。 - 前記固体高分子電解質膜とこの固体高分子電解質膜の片面に設けられた前記多孔性陰極と他の片面に設けられた前記多孔性陽極とが、前記感光体の回転方向に沿った前記帯電手段の上流側と下流側とに設けられている請求項1又は2記載の帯電装置。
- 前記ケーシング部材の内側に、前記多孔性陰極に対向する領域から前記帯電手段に向けて送風される加湿空気送風路が形成されている請求項1ないし3のいずれか一記載の帯電装置。
- 感光体の外周面に対向する位置に配置される帯電手段と、前記帯電手段を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記ケーシング部材の内側に、前記多孔性陰極に対向する領域から前記帯電手段に向けて送風される加湿空気送風路が形成されている帯電装置。 - 前記ケーシング部材の内側に吸水性樹脂分散体が設けられている請求項1ないし5いずれか一記載の帯電装置。
- 前記帯電手段は、接触式帯電手段である請求項1ないし6のいずれか一記載の帯電装置。
- 感光体の外周面に対向する位置に配置される転写手段と、前記転写手段を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記多孔性陽極は、記録媒体を収納する給紙装置に対向させて配置される転写装置。 - 前記ケーシング部材の内側に吸水性樹脂分散体が設けられている請求項8記載の転写装置。
- トナーを収納するトナーケースと、片面を前記トナーケースの内側に向けるとともに他の片面を前記トナーケースの外側に向けて前記トナーケースに設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記トナーケースの内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記トナーケースの外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記トナーケースの外側に、前記多孔性陽極に対向する領域から感光体の外周面に向けて送風する除湿空気送風路が形成されている現像装置。 - 前記トナーケースの内側に吸水性樹脂分散体が設けられている請求項10記載の現像装置。
- 定着装置を通過した記録媒体が排紙される排紙トレイと、排紙トレイ上に排紙された記録媒体の少なくとも下面側又は上面側を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記多孔性陽極は、記録媒体を収納する給紙装置に対向させて配置される排紙装置。 - 定着装置を通過した記録媒体が排紙される排紙トレイと、排紙トレイ上に排紙された記録媒体の少なくとも下面側又は上面側を囲むケーシング部材と、片面を前記ケーシング部材の内側に向けるとともに他の片面を前記ケーシング部材の外側に向けて前記ケーシング部材に設けられた固体高分子電解膜と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の内側を向いた面に設けられて電源部の陰極に接続された多孔性陰極と、前記固体高分子電解膜における前記ケーシング部材の外側を向いた面に設けられて電源部の陽極に接続された多孔性陽極と、を有し、
前記多孔性陽極は、定着装置に対向させて配置される排紙装置。 - 帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記帯電装置として請求項1ないし7のいずれか一記載の帯電装置を有している画像形成装置。
- 帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記転写装置として請求項8又は9記載の転写装置を有している画像形成装置。
- 帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記現像装置として請求項10又は11記載の現像装置を有している画像形成装置。
- 帯電装置により帯電された感光体の外周面を露光することにより静電潜像を形成し、その静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー象を形成し、そのトナー像を転写装置により記録媒体上に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理した後に排紙装置へ排紙するようにした画像形成装置において、前記排紙装置として請求項12又は13に記載の排紙装置を有している画像形成装置。
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