JP3924393B2 - 印刷システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数台のホストコンピュータと複数台の印刷装置とをローカルエリアネットワーク(LAN)で接続し、各ホストコンピュータによって各印刷装置を共有する印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数台のパーソナルコンピュータ(ホストコンピュータ)と複数台のプリンタ(印刷装置)とをローカルエリアネットワーク(LAN)で接続し、各ホストコンピュータによって各印刷装置を共有する印刷システム(例えば、特開平7―228026号公報,特開平10―133835号公報,及び特開平10―187373号公報参照)があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなホストコンピュータと印刷装置がLANで接続されている印刷システムでは、LAN上のホストコンピュータの数よりも多くの印刷装置が印刷待機状態にある場合、ホストコンピュータから印刷要求が来ることがありえないまま印刷待機状態になり、徒に電力を消費する印刷装置が発生してしまうという問題があった。
【0004】
また、ユーザーがホストコンピュータから省電力状態にある印刷装置に対して印刷要求を行なうと、その印刷装置は省電力状態から印刷待機状態に移行するまでにいくらか時間を必要とするが、その間ユーザーは印刷装置が省電力状態にあったことを知らないまま徒に待機させられてしまうという問題があった。
【0005】
さらに、印刷装置は最後の印刷処理を終了した時刻から一定時間経過すると印刷待機状態から省電力状態に移行する機能があるが、一定期間内において、ある一定時間経過後省電力状態に入ってすぐ再び印刷要求が発生して印刷待機状態に移行するといったことが繰り返し行なわれた場合、一定期間内では絶えず印刷待機状態である場合と変わりないという問題があった。
【0006】
また、印刷装置をできる限り消費電力量を抑えて使用するには、印刷処理頻度の高い印刷装置においては省電力状態への移行時間を長く、印刷処理頻度の低い印刷装置においては省電力状態への移行時間を短くなるように、ユーザが特徴を考慮して手動で決定しなければならないという問題があった。
【0007】
さらに、ユーザがホストコンピュータから省電力状態にある印刷装置に対して印刷要求を行なった後にその印刷装置が省電力状態にあることを知り、他の印刷可能状態にある印刷装置に印刷要求を切り替えたい場合には、その印刷要求を取り消して再度印刷要求を送り直さねばならないという問題があった。
【0008】
この発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、複数台のホストコンピュータが複数台の印刷装置を共有する際に各印刷装置を有効に且つ使い勝手良く利用できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、印刷データを送信する複数台のホストコンピュータと、電力消費量を印刷待機状態,省電力状態,及び電源オフ状態の3段階に制御する複数台の印刷装置とをネットワーク接続し、上記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータによって自ホストコンピュータ及び他のホストコンピュータが印刷データ送信可能か否か、及び上記各印刷装置が印刷待機状態,又は省電力状態のいずれの状態にあるかを把握し、上記各印刷装置は前記いずれかのホストコンピュータから問い合わせがあった場合に現在印刷待機状態,又は省電力状態のいずれであるかを返答する印刷システムにおいて、上記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータに、上記各印刷装置の印刷待機状態である時間を累積し、その累積した時間が一定時間を越えた印刷装置に対しては直ぐに省電力状態に移行するように制御する制御手段を設けたものである。
【0010】
また、上記のような印刷システムにおいて、上記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータに、上記印刷装置に対する印刷要求があった場合、その印刷装置が省電力状態にあるか否かを判断し、省電力状態にあるときには印刷要求があった印刷装置が省電力状態であることを通知する通知手段を設けるとよい。
【0013】
さらに、上記のような印刷システムにおいて、上記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータに、上記省電力状態を通知した後にその印刷装置で印刷処理を続行するか、他の印刷装置に印刷処理を切り替えるかを問い合わせる手段を設けるとよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1はこの発明の一実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。
この印刷システムは、複数台のホストコンピュータ1と複数台のプリンタ(印刷装置)2とがローカルエリアネットワーク(LAN)3を介して接続されている。
【0015】
この印刷システムの各ホストコンピュータ1は次の特徴を有する。
(1)印刷データをLAN3を介して任意のプリンタ2へ送信して印刷させることができる
(2)他の全ホストコンピュータ1及び全プリンタ2が現在は印刷待機状態と省電力状態と電源オフ状態のいずれの消費電力状態かを把握することができる
【0016】
(3)他のホストコンピュータ1からくる消費電力状態についての問い合わせに応えることができる
(4)各ホストコンピュータ1と各プリンタ2の消費電力状態や、各プリンタ2の印刷に係わる各種の時間情報等をデータベース化することができる
【0017】
(5)上記データベースに基づいてLAN3上で必要な数のプリンタ3のみを印刷待機状態にするために、当面不要なプリンタ2に対しては省電力状態に移行させ、その移行制御をLAN3上の印刷データ送信可能状態のホストコンピュータ1の数に応じて動的に制御することができる
【0018】
(6)ユーザが印刷要求したプリンタ2が省電力状態であることを通知したり、その省電力状態時に印刷続行やプリンタ2の変更等を選択させることができる
【0019】
一方、この印刷システムのプリンタ2は次の特徴を有する。
(1)LAN3上の各ホストコンピュータ1からの印刷データを受信し、印刷を行なうことができる
【0020】
(2)各ホストコンピュータ1からくる消費電力状態についての問い合わせに応じて、印刷待機状態,省電力状態等の情報を伝えることができる
(3)各ホストコンピュータ1からの要求に応じて自装置を省電力状態等に移行することができる
【0021】
次に、図1に基づいてホストコンピュータ1とプリンタ2の構成と機能を説明する。ホストコンピュータ1は、コンピュータ本体10,ディスプレイ11,及び記憶装置12等からなる。
【0022】
コンピュータ本体10は、CPU,ROM,及びRAM等からなるマイクロコンピュータによって実現され、通常のコンピュータにおける各種の制御処理を行なう制御部(図示を省略する)と、LAN3を通してプリンタ2に印刷データを送信するネットワークインタフェース13を備えている。
【0023】
また、ネットワークインタフェース13を通じて他のホストコンピュータ1及びプリンタ2の消費電力状態等の情報を取得し、後述する状態データベース16にデータとして記憶させて管理し、各プリンタ2の省電力状態を制御する処理等を司るパワーマネージャ14と、他のホストコンピュータ1からくる消費電力状態についての問い合わせに対して自装置の状態を応えるパワーエージェント15とを備えている。
【0024】
パワーマネージャ14は、他の各ホストコンピュータ1に対して現在の消費電力状態を問い合わせ、各プリンタ2に対して消費電力状態を定期的に問い合わせて、状態データベース16にそれらの情報を消費電力状態として記録する。
【0025】
そして、パワーマネージャ14は、ユーザからの印刷要求があった場合、状態データベース16を参照し、そのプリンタ2の消費電力状態を確認し、省電力状態であれば、ディスプレイ11にメッセージを表示してそのプリンタ2が省電力状態であることを印刷要求を出したユーザに伝えると共に、そのまま印刷を続行するか、もしくは他の印刷待機状態にあるプリンタ2へ印刷要求を切り替えるかの指示をユーザに求める表示も行なう。
【0026】
一方、パワーエージェント15は、他のホストコンピュータ1のパワーマネージャ14からLAN3を介して消費電力状態の問い合わせがあったときに、自装置の消費電力状態について返答する。
【0027】
ディスプレイ11は、通常のコンピュータにおける各種の作業画面やパワーマネージャ14から通知されたユーザ情報を表示して伝えるCRT,LCD等表示装置である。
【0028】
記憶装置12は、状態データベース16や各種のデータを記憶するハードディスク装置等のメモリである。
【0029】
状態データベース16は、パワーマネージャ14の管理データとして、LAN3に接続されている各ホストコンピュータ1,及び各プリンタ2のLAN3内で一意に識別できる名称20,各ホストコンピュータ1,及び各プリンタ2の現在の電力消費量の印刷待機状態,省電力状態,又は電源オフ状態を示す消費電力状態21,各プリンタ2の一日のうち印刷待機状態でいられる時間である印刷待機状態可能時間22,一日のうちその日の始まりから現在までにおいて印刷待機状態にあった累積時間である印刷待機状態累積時間23,印刷処理を行なった合計時間である印刷処理合計時間24,印刷処理を行なった回数である印刷処理回数25,印刷処理を開始した時刻である印刷処理開始時刻26をデータとして記憶している。
【0030】
一方、プリンタ2はレーザプリンタ等の印刷装置であり、プリンタ本体30に図示を省略した通常の印刷機構部と各種の制御部と共に、ネットワークインタフェース31とパワーエージェント32を備えている。
【0031】
ネットワークインタフェース31は、LAN3を通じてホストコンピュータ1からの印刷データを受信し、図示を省略した制御部による制御によって同じく図示を省略した印刷機構部によってプリント出力する。
また、図示を省略した制御部によって電力消費量を印刷待機状態,省電力状態,及び電源オフ状態の3段階に制御する。
【0032】
パワーエージェント32は、ネットワークインターフェース31を通してホストコンピュータ1からくる消費電力状態についての問い合わせに応えると共に、印刷処理が終了したことを示す情報をホストコンピュータ1のパワーマネージャ14へ通知する。
【0033】
そのパワーエージェント32は、印刷処理が終了するとホストコンピュータ1のパワーマネージャ14に印刷処理終了を報告する。
【0034】
すなわち、上記ホストコンピュータ1が印刷データを送信し、自ホストコンピュータ及び他のホストコンピュータが印刷データ送信可能か否か、及び前記各印刷装置が印刷待機状態,又は省電力状態のいずれの状態にあるかを把握し、前記各印刷装置は前記いずれかのホストコンピュータから問い合わせがあった場合に現在印刷待機状態,又は省電力状態のいずれであるかを返答する機能を果たす。
【0035】
一方、上記プリンタ2が、電力消費量を印刷待機状態,省電力状態,及び電源オフ状態の3段階に制御する機能を果たす。
【0036】
また、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14が、印刷データ送信可能状態にあるホストコンピュータの数よりも印刷待機状態にある印刷装置の数の方が多い場合、その差の数だけ印刷装置を省電力状態に移行させる管理手段の機能を果たす。
【0037】
さらに、上記ディスプレイ11とパワーマネージャ14は、印刷装置に対する印刷要求があった場合、その印刷装置が省電力状態にあるか否かを判断し、省電力状態にあるときには印刷要求があった印刷装置が省電力状態であることを通知する通知手段の機能を果たす。
【0038】
また、上記パワーマネージャ14と状態データベース16は、各印刷装置の印刷待機状態である時間を累積し、その累積した時間が一定時間を越えた印刷装置に対しては直ぐに省電力状態に移行するように制御する制御手段の機能を果たす。
【0039】
さらに、上記パワーマネージャ14と状態データベース16は、印刷要求頻度,印刷要求に対して要した印刷処理時間等の統計情報を用いて上記省電力状態に移行する印刷装置を決定する手段の機能を果たす。
【0040】
さらにまた、上記ディスプレイ11とパワーマネージャ14は、前記省電力状態を通知した後にその印刷装置で印刷処理を続行するか、他の印刷装置に印刷処理を切り替えるかを問い合わせる手段の機能を果たす。
【0041】
次に、この実施形態の印刷システムにおける処理について説明する。
【0042】
この印刷システムは、各ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14が各プリンタ2,及び各ホストコンピュータ1の消費電力状態を状態データベース16を参照し、印刷待機状態にあるプリンタ2の数と電源オンとなっているホストコンピュータ1の数を比較し、プリンタ2の数の方が多ければその数の差だけ印刷待機状態にあるプリンタ2を省電力状態に移行させる。
【0043】
図2は、この実施形態の印刷システムにおける省電力状態移行決定処理を示すフローチャートである。
【0044】
この処理は、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は、自装置も含めて他のホストコンピュータ1について印刷データ送信可能状態にあるホストコンピュータの数を把握し、状態データベース(DB)16に登録する。
【0045】
ステップ(図中「S」で示す)1でパワーマネージャ14は消費電力状態についてプリンタ2のパワーエージェント32に対して定期的に問い合わせを行ない、ステップ2へ進んでプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が無いか否かを判断する。
【0046】
ステップ2の判断でパワーエージェント32からの返答が無ければ、ステップ3へ進んで予め設定された返答時間オーバーか否かを判断し、返答時間オーバーでなければステップ2の判断を繰り返し、返答時間オーバーならステップ4へ進んでそのプリンタ2は電源オフ状態として状態データベース(DB)16に状態情報を登録し、ステップ5へ進む。
【0047】
また、ステップ2の判断でプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が有れば、ステップ8へ進んで状態データベース(DB)16に印刷待機状態にあるものとしてその状態情報を登録し、ステップ5へ進む。
【0048】
ステップ5では全てのホストコンピュータ1とプリンタ2の状態を取得できたか否かを判断し、取得できなければステップ2へ戻って上述の処理を繰り返し、全てのホストコンピュータ1とプリンタ2の状態を取得できたら、ステップ6へ進んで印刷待機状態にあるプリンタ2の数が電源オンであって印刷データ送信可能状態のホストコンピュータ1の数よりも多いか否かを判断する。
【0049】
ステップ6の判断で多く無ければ、そのままこの処理を終了する。
そして、ステップ6の判断で印刷待機状態にあるプリンタ2の数が電源オンのホストコンピュータ1の数よりも多ければ、ステップ7へ進んでホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は省電力状態に移行するプリンタ2を決定し、そのプリンタ2のパワーエージェント32に通知して省電力状態に移行させ、この処理を終了する。
【0050】
このようにして、ホストコンピュータ1によって印刷要求を受けることがありえないプリンタ(印刷装置)2を印刷待機状態から省電力状態に自動的に移行させ、LAN3上に必要最低限なプリンタ2のみを印刷待機状態にし、余分なプリンタ2は省電力状態で電力消費を提言させることにより、省電力な印刷システムとして機能させることが可能になる。
【0051】
次に、この実施形態の印刷システムにおける他の処理について説明する。
【0052】
この印刷システムは、上述の省電力状態移行決定処理と共に、ユーザがホストコンピュータ1からいずれかのプリンタ2への印刷要求を行なったとき、そのホストコンピュータ1上のパワーマネージャ14が状態データベース16を参照し、そのプリンタ2の消費電力状態を判断する。
【0053】
そして、そのプリンタ2が省電力状態であればディスプレイ11を通じてユーザに印刷要求を行なったプリンタ2が省電力状態であることを知らせる。
【0054】
図3は、この実施形態の印刷システムにおける他の省電力状態通知処理を示すフローチャートである。
【0055】
この処理は、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は、自装置も含めて他のホストコンピュータ1について印刷データ送信可能状態にあるホストコンピュータの数を把握し、状態データベース(DB)16に登録する。
【0056】
ステップ(図中「S」で示す)11でパワーマネージャ14は消費電力状態についてプリンタ2のパワーエージェント32に対して定期的に問い合わせを行ない、ステップ12へ進んでプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が無いか否かを判断する。
【0057】
ステップ12の判断でパワーエージェント32からの返答が無ければ、ステップ13へ進んで予め設定された返答時間オーバーか否かを判断し、返答時間オーバーでなければステップ12の判断を繰り返す。
【0058】
そして、ステップ13の判断で返答時間オーバーならステップ14へ進んでパワーマネージャ14はディスプレイにそのプリンタ2が電源オフ状態であることを示すメッセージを表示し、ユーザにプリンタ電源がオフであることを伝えて、この処理を終了する。
【0059】
また、ステップ12の判断でプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が有れば、ステップ15へ進んでパワーマネージャ14は状態データベース(DB)16を参照し、そのプリンタ2は省電力状態か否かを判断する。
【0060】
ステップ15の判断でそのプリンタ2が省電力状態でなければ、ステップ17へ進んで直ちに印刷処理を開始し、この処理を終了する。
【0061】
ステップ15の判断でそのプリンタ2が省電力状態なら、ステップ16へ進んでパワーマネージャ14はユーザにプリンタ2が省電力状態であることを伝える。
【0062】
例えば、ディスプレイ11に印刷要求のあったプリンタ2が省電力状態であって直ちに印刷を開始できないことを示すメッセージを表示する。そして、ステップ17へ進んで印刷処理を開始して、この処理を終了する。
【0063】
このようにして、ユーザが印刷要求時に指定したプリンタが省電力状態であるときにはそれを知らせることにより、ユーザは印刷待機状態から印刷完了までに要する時間よりも長くなることを認識することができる。
【0064】
したがって、印刷結果を早く得たいときには、直ちに他のプリンタ2によって印刷するように変更することができ、LAN3上のプリンタ2の使い勝手が向上する。
【0065】
次に、この実施形態の印刷システムにおけるまた他の処理について説明する。
【0066】
この印刷システムは、パワーマネージャ14上で一日という期間において、プリンタ2が電源オンになった時刻から最初に省電力状態に移行した時刻までの時間と、その後省電力状態で印刷処理が発生した時刻から再び省電力状態もしくは電源オフ状態に移行した時刻までの時間を累積し、その累積時間がパワーマネージャ上に設定された時間(ユーザ設定時間)を越えたときは、その後に発生した印刷処理が終了したときに直ちにそのプリンタ2を省電力状態に移行するようにパワーマネージャ14が制御を行なう。
【0067】
図4は、この実施形態の印刷システムにおけるプリンタ2の印刷待機状態の累積時間による省電力状態通知処理を示すフローチャートである。
【0068】
この処理は、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は、自装置も含めて他のホストコンピュータ1について印刷データ送信可能状態にあるホストコンピュータの数を把握し、状態データベース(DB)16に登録する。
【0069】
ステップ(図中「S」で示す)21でパワーマネージャ14は消費電力状態についてプリンタ2のパワーエージェント32に対して定期的に問い合わせを行ない、ステップ22へ進んでプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が無いか否かを判断する。
【0070】
ステップ22の判断でパワーエージェント32からの返答が無ければ、ステップ23へ進んで予め設定された返答時間オーバーか否かを判断し、返答時間オーバーでなければステップ22の判断を繰り返し、返答時間オーバーならステップ24へ進んで直前に印刷待機状態になった時刻(印刷待機状態可能時間)から現時刻までの時間を累積時間として加えて印刷待機状態累積時間を求め、ステップ27へ進む。
【0071】
一方、ステップ22の判断でパワーエージェント32からの返答が有れば、ステップ25へ進んでパワーマネージャ14は状態データベース(DB)16を参照し、そのプリンタ2は省電力状態か否かを判断し、状態データベース(DB)16に印刷待機状態にあるものとしてその状態情報を登録する。
【0072】
ステップ25へ進んで直前に印刷待機状態になった時刻(印刷待機状態可能時間)から現時刻までの時間を累積時間として加えて印刷待機状態累積時間を求め、ステップ27へ進む。
【0073】
ステップ27では印刷待機状態累積時間が予め設定された印刷待機状態でいられる時間(予め設定された一定時間)をオーバーしたか否かを判断し、オーバーしなければそのままこの処理を終了するが、オーバーしたらステップ28へ進んでパワーマネージャ14はそのプリンタ2に対して省電力状態に移行する指示を送って、そのプリンタ2を省電力状態に移行させ、この処理を終了する。
【0074】
このようにして、ホストコンピュータ1の制御により、LAN3上のプリンタ2が一定の期間において印刷待機状態でいられる時間を一定に設定することにより、印刷待機状態でいる時間を可能な限り一定に保ち、期間全体における消費電力量を抑えつつ、印刷要求が発生した時点に印刷待機状態であるように最適化することが可能になる。
【0075】
次に、この実施形態の印刷システムにおけるさらに他の処理について説明する。
【0076】
この印刷システムは、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は、状態データベース16を参照して一日における各プリンタ2の印刷処理合計時間を調べ、印刷処理合計時間の短いものから順に上述の省電力状態移行処理における省電力状態へ移行させるプリンタ2の候補にする。
【0077】
また、各プリンタ2の印刷処理合計時間の分散が小さい場合、一日における印刷回数の少ないものから順に上述の省電力状態における省電力状態へ移行させるプリンタ2の候補にする。
このように、プリンタ2の印刷処理合計時間に基づいて省電力状態に移行させるプリンタ2を決定する。
【0078】
図5及び図6は、この実施形態の印刷システムにおけるさらに他の省電力状態移行決定処理を示すフローチャートである。
【0079】
この処理は、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は、自装置も含めて他のホストコンピュータ1について印刷データ送信可能状態にあるホストコンピュータの数を把握し、状態データベース(DB)16に登録する。
【0080】
図5のステップ(図中「S」で示す)31でパワーマネージャ14は消費電力状態についてプリンタ2のパワーエージェント32に対して定期的に問い合わせを行ない、ステップ32へ進んでプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が無いか否かを判断する。
【0081】
ステップ32の判断でパワーエージェント32からの返答が無ければ、ステップ33へ進んで予め設定された返答時間オーバーか否かを判断し、返答時間オーバーでなければステップ32の判断を繰り返し、返答時間オーバーならステップ34へ進んでそのプリンタ2は電源オフ状態として状態データベース(DB)16に状態情報を登録し、ステップ35へ進む。
【0082】
また、ステップ32の判断でプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が有れば、ステップ37へ進んで状態データベース(DB)16に印刷待機状態にあるものとしてその状態情報を登録し、ステップ35へ進む。
【0083】
ステップ35では全てのホストコンピュータ1とプリンタ2の状態を取得できたか否かを判断し、取得できなければステップ32へ戻って上述の処理を繰り返し、全てのホストコンピュータ1とプリンタ2の状態を取得できたら、ステップ36へ進んで印刷待機状態にあるプリンタ2の数が電源オンであって印刷データ送信可能状態のホストコンピュータ1の数よりも多いか否かを判断する。
【0084】
ステップ36の判断で印刷待機状態にあるプリンタ2の数が電源オンのホストコンピュータ1の数よりも多く無ければ、そのままこの処理を終了するが、多ければ図6のステップ38へ進んでホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は印刷データ送信可能状態のホストコンピュータ1の数と印刷待機状態のプリンタ2の数の差を算出する。
【0085】
ステップ39へ進んでパワーマネージャ14は状態データベース(DB)16を参照し、印刷待機状態にある各プリンタ2の印刷処理合計時間を調べて、ステップ40へ進んで各印刷処理時間の分散を取り、ステップ41へ進んで分散がある値(予め設定された基準値)よりも小さいか否かを判断する。
【0086】
ステップ41の判断で分散がある値よりも小さいなら、ステップ42へ進んでパワーマネージャ14は状態データベース(DB)16を参照し、印刷待機状態にある各プリンタ2の印刷処理回数を調べる。
【0087】
そして、ステップ43へ進んで印刷データ送信可能状態のホストコンピュータ1の数との差の数だけ、印刷処理回数の少ない順から省電力状態に移行させるプリンタ2を決定し、その各プリンタ2に対して省電力状態に移行させる制御処理を施して、この処理を終了する。
【0088】
また、ステップ41の判断で分散がある値よりも小さくなければ、ステップ44へ進んでパワーマネージャ14は、印刷データ送信可能状態のホストコンピュータ1の数との差の数だけ、印刷処理合計時間の短い順から省電力状態に移行させるプリンタ2を決定し、その各プリンタ2に対して省電力状態に移行させる制御処理を施して、この処理を終了する。
【0089】
このようにして、ホストコンピュータ1はLAN3上の省電力状態に移行させるプリンタ2を決定する際、各プリンタ2の印刷処理合計時間や印刷処理回数等の統計情報に基づいて印刷頻度の低いプリンタ2を選択するので、印刷頻度の低いプリンタ2から積極的に省電力状態に移行させることができる。
【0090】
したがって、LAN3上の各プリンタ2の使用効率を平均化することができ、一部のプリンタ2のみが多用されることによる障害の発生を極力抑えることができ、印刷システムの安定した運用を可能にすることができる。
【0091】
次に、この実施形態の印刷システムにおけるさらにまた他の処理について説明する。
【0092】
この印刷システムは、ユーザによってホストコンピュータ1からプリンタ2への印刷要求が行なわれたとき、そのホストコンピュータ1上のパワーマネージャ14は、そのプリンタ2の消費電力状態を参照し、それが省電力状態であればユーザにディスプレイ11を通じてそのことを知らせ、他に印刷待機状態にあるプリンタ2があればその一覧をユーザに提示する。
【0093】
そして、ユーザによってその一覧内のプリンタ2のいずれかが選択されれば、その選択されたプリンタ2に対して印刷処理を移行させ、選択されなければ当初印刷要求が出されたプリンタ2に印刷処理を執り行なわせる。
【0094】
図7は、この実施形態の印刷システムにおけるさらにまた他の省電力状態通知処理を示すフローチャートである。
【0095】
この処理は、ホストコンピュータ1のパワーマネージャ14は、自装置も含めて他のホストコンピュータ1について印刷データ送信可能状態にあるホストコンピュータの数を把握し、状態データベース(DB)16に登録する。
【0096】
ステップ(図中「S」で示す)51でパワーマネージャ14は消費電力状態についてプリンタ2のパワーエージェント32に対して定期的に問い合わせを行ない、ステップ52へ進んでプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が無いか否かを判断する。
【0097】
ステップ52の判断でパワーエージェント32からの返答が無ければ、ステップ53へ進んで予め設定された返答時間オーバーか否かを判断し、返答時間オーバーでなければステップ52の判断を繰り返す。
【0098】
そして、ステップ53の判断で返答時間オーバーなら、ステップ54へ進んでパワーマネージャ14はディスプレイにそのプリンタ2が電源オフ状態であることを示すメッセージを表示し、ユーザにプリンタ電源がオフであることを伝えて、この処理を終了する。
【0099】
また、ステップ52の判断でプリンタ2のパワーエージェント32からの返答が有れば、ステップ55へ進んでパワーマネージャ14は状態データベース(DB)16を参照し、そのプリンタ2は省電力状態か否かを判断する。
【0100】
ステップ55の判断でプリンタ2が省電力状態でなければ、ステップ57へ進む。
【0101】
ステップ55の判断でそのプリンタ2が省電力状態で有れば、ステップ56へ進んでパワーマネージャ14はユーザにプリンタ2が省電力状態であることを伝える。
【0102】
例えば、ディスプレイ11に印刷要求のあったプリンタ2が省電力状態であって直ちに印刷を開始できないことを示すメッセージを表示して、ステップ57へ進む。
【0103】
ステップ57ではパワーマネージャ14は状態データベース(DB)16を参照して印刷待機状態のプリンタ2をリストアップし、ステップ58へ進んでプリンタリストをユーザに提示して選択を待つ。
【0104】
例えば、ディスプレイ11に印刷待機状態にあるプリンタ2のリスト表示をし、ユーザに対して最初に指定されたプリンタ2による印刷を継続して実行するか、リスト中のいずれかのプリンタ2に変更するかを求めるメッセージを表示し、ステップ59へ進む。
【0105】
ここで、ユーザはメッセージの求めに応じて、最初に指定されたプリンタ2による印刷を継続するならその指示を入力し、他のプリンタ2に変更するならリスト中のいずれかのプリンタ2を選択入力する。
【0106】
ステップ59ではリストアップされたプリンタ2のいずれかが選ばれたか否かを判断し、最初に指定されたプリンタ2による印刷継続が入力されたと判断したら、ステップ60へ進んで直ちに印刷処理を開始し、この処理を終了する。
【0107】
ステップ59の判断でリスト中のいずれかのプリンタ2が選ばれたら、ステップ61へ進んで印刷処理を行なうプリンタ2を、最初に指定されたプリンタ2から選択されたプリンタ2に切り替え、ステップ60へ進んで直ちに印刷処理を開始し、この処理を終了する。
【0108】
このようにして、ユーザが最初に指定したプリンタ2が省電力状態であって直ちに印刷を開始できない場合には、他の印刷待機状態のプリンタ2への切り替えという選択ができるようにする。
【0109】
したがって、そのプリンタ2を省電力状態に維持しつつ印刷要求を他の印刷可能状態であるプリンタ2によって処理することができ、ユーザの印刷要求を満たしつつ省電力である印刷システムとして機能させることが可能になる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の印刷システムによれば、複数台のホストコンピュータが複数台の印刷装置を共有する際に各印刷装置を有効に且つ使い勝手良く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施形態の印刷システムにおける省電力状態移行決定処理を示すフローチャートである。
【図3】 この実施形態の印刷システムにおける他の省電力状態通知処理を示すフローチャートである。
【図4】 この実施形態の印刷システムにおけるプリンタ2の印刷待機状態の累積時間による省電力状態通知処理を示すフローチャートである。
【図5】 この実施形態の印刷システムにおけるさらに他の省電力状態移行決定処理を示すフローチャートである。
【図6】図5の続きの処理を示すフローチャートである。
【図7】 この実施形態の印刷システムにおけるさらにまた他の省電力状態通知処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:ホストコンピュータ 2:プリンタ
3:ローカルエリアネットワーク(LAN)
10:コンピュータ本体 11:ディスプレイ
12:記憶装置
13,31:ネットワークインタフェース
14:パワーマネージャ
15,32:パワーエージェント
16:状態データベース
20:名称 21:消費電力状態
22:印刷待機状態可能時間
23:印刷待機状態累積時間
24:印刷処理合計時間 25:印刷処理回数
26:印刷処理開始時刻 30:プリンタ本体
Claims (3)
- 印刷データを送信する複数台のホストコンピュータと、電力消費量を印刷待機状態,省電力状態,及び電源オフ状態の3段階に制御する複数台の印刷装置とをネットワーク接続し、前記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータによって自ホストコンピュータ及び他のホストコンピュータが印刷データ送信可能か否か、及び前記各印刷装置が印刷待機状態,又は省電力状態のいずれの状態にあるかを把握し、前記各印刷装置は前記いずれかのホストコンピュータから問い合わせがあった場合に現在印刷待機状態,又は省電力状態のいずれであるかを返答する印刷システムにおいて、
前記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータに、前記各印刷装置の印刷待機状態である時間を累積し、その累積した時間が一定時間を越えた印刷装置に対しては直ぐに省電力状態に移行するように制御する制御手段を設けたことを特徴とする印刷システム。 - 請求項1記載の印刷システムにおいて、
前記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータに、前記印刷装置に対する印刷要求があった場合、その印刷装置が省電力状態にあるか否かを判断し、省電力状態にあるときには印刷要求があった印刷装置が省電力状態であることを通知する通知手段を設けたことを特徴とする印刷システム。 - 請求項2記載の印刷システムにおいて、
前記各ホストコンピュータのうちの少なくとも1つのホストコンピュータに、前記省電力状態を通知した後にその印刷装置で印刷処理を続行するか、他の印刷装置に印刷処理を切り替えるかを問い合わせる手段を設けたことを特徴とする印刷システム。
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