JP3923592B2 - ガラス塊分配器を位置決めする取付具 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラス塊から例えばビンやジャーなど中空のガラス物品を成形するためにガラス塊が成形機械へ送られる過程で、該ガラス塊が融解ガラス塊シュートから固定式塊桶へ進む間に、該桶に対して振動している該シュートを正確に位置決めする取付け具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ガラス容器は、通常、Ｉ．Ｓ．機械で形成される。この機械は、例えば６、８、あるいは１０もの多数の横並びのセクションを有し、一般に多塊法と呼ばれる方法を用いて、最新のものでは各セクションで３あるいは４個の容器を同時に形成するものである。いずれの構成においても、融解ガラスの塊をＩ．Ｓ．機械の各セクションへ順次分配するための塊分配器が必要であり、多塊式Ｉ．Ｓ．機械では、Ｉ．Ｓ．機械の各セクションの各型セット（ブランク型／容器型）に一塊分配器の割合で多数の塊分配器が必要となる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上に述べた種類の各塊分配器は、湾曲したスコップを有し、また該スコップが取り付けられた振動部材の割出しを行なうための駆動装置が必要である。Ｉ．Ｓ．機械の各セクションでは、一基のシュートがブランク型の一つに通じており、この振動部材は、スコップが一連の塊シュートと順次心合わせされるのに応じて段階的に前進するように駆動される。Ｉ．Ｓ．機械の各セクションの各シュートで塊分配器が止められている間に、ガラス融解炉の前床のフィーダー・ボウルの出口から流れ出た融解ガラスは、分割されてあらかじめ定められた重量の塊となり、分配器のスコップを通過し、さらにシュートを通過してＩ．Ｓ．機械の当該セクションのブランク型の中へ入る。塊分配器のスコップは、塊がそこを通過するときには、遠心力によって塊がほうり出されるのを防ぐために、休止していなければならず、また、塊がスコップからシュートの中へ進むときには、ブランク型のシュートときわめて正確に心合わせされていなければならない。ほぼこのような構成の公知の先行技術のＩ．Ｓ．機械の塊分配システムは、アメリカ合衆国特許５１３５５５９（サッソ等）およびアメリカ合衆国特許４５２９４３１（マムフォード）に開示されている。前記の特許は、参考資料として本明細書に添付する。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明にもとづけば、塊分配器の駆動機構、とくにサーボ駆動式駆動機構の出力シャフトを、複数の塊送出樋を支持するために用いられる構造物に対して周方向に正確に位置決めするための方法および装置が提供される。なお、該桶の一つが、塊分配器から塊の供給を受けているＩ．Ｓ．機械の各セクションに用いられる。本発明は、塊分配器の出力シャフトの位置に対して決められた周方向の位置で塊分配器駆動装置の出力シャフトに一時的に取り付けられる取付け具を使用するものである。最新のＩ．Ｓ．機械でのガラス形成には、多塊式操作と呼ばれる方法が採用され、機械の各セクションで、通常、例えば３セットなど多数の型のセットが用いられる。多塊式Ｉ．Ｓ．機械の操作では、例えば３塊式Ｉ．Ｓ．機械では３基の分配器駆動装置というように、塊分配器駆動装置各々の出力シャフトに本発明にもとづく装置が取り付けられる。いずれの構成においても、各取付け具が塊分配器駆動装置Ｓの出力シャフトに取り付けられ、その後で各塊分配器の出力シャフトが「ゼロに位置決めされる」。すなわち、調節してきまった周方向の位置に合わされる。各塊分配器の出力シャフトに取り付けられる装置は、該装置を貫通する開口を有し、塊分配器の出力シャフトに取り付けられた取付け具の開口が互いに一線上にあるとき、該出力シャフトが互いに正しい位置にあることがわかる。さらに、該分配器の出力シャフトが、塊桶に対して確実に正しい位置にあるようにするために、各塊分配器出力シャフトの取付け具の開口に位置決め棒が挿入され、さらに、各塊分配器駆動装置の出力シャフトが、角度的に、塊が塊シュートから塊樋へ進む間塊送出シュートが心合わせされていなければならない各塊樋に対して確実に正しい周方向の位置にあるようにするために、同じその位置決め棒が塊送出樋を懸架するために用いられる構造物上の開口に挿入される。さらに、コンピューター制御サーボ駆動式塊分配器を備えたＩ．Ｓ．機械の施設では、塊分配器出力シャフトを互いにまた塊樋の位置に対して位置決めすることによって、コンピューター制御システムで用いるための正確な始動位置があたえられる。
【０００５】
したがって、本発明の一つの目的は、塊分配器駆動装置の出力シャフトを互いにまた塊送出シュートの振動中該塊送出シュートが正確かつ瞬間的に心合わせされなければならない塊送出樋に対して位置決めするための方法および装置を提供することである。
【０００６】
【実施例】
本発明およびその目的をさらに理解するためには、図面、その簡単な説明、本発明の好ましい実施例の説明、および特許請求の範囲を参照されたい。
本発明の方法を実施するために用いられる取付け具は、全体を参照番号１０で示し、フランジ１２および該フランジ１２の表面に熔接または他の方法で固定されたスピンドル１４で構成される。フランジ１２は、該フランジを貫通して伸びて直径方向に対向した一対のボルト穴１６、１８を有し、該ボルト穴１６、１８は、ボルト２０（第６図）を受けて、該取付け具１０をＩ．Ｓ．型のガラス容器形成機械とともに用いられる種類のガラス塊分配器のサーボ−駆動式駆動装置Ｓの出力シャフト（第６図）に周方向に正しく配置するために用いられる。この点に関して、サーボ駆動式装置の塊分配器は、機械の各セクションごとの各型セットのために一つの駆動装置を使用する。第６図は、三つの取付け具１０を用いる３塊式Ｉ．Ｓ．機械にとって好ましい構成である三つのサーボ駆動式駆動装置Ｓをもつ施設を示す。
【０００７】
各取付け具１０のスピンドル１４は、その上端面に直径方向のスロット２２を有し、駆動装置Ｓの出力シャフトは、各スピンドルの直径方向のスロット２２が他の各駆動装置Ｓのスピンドルの直径方向のスロット２２と正確に心合わせされると、互いに正確に周方向に位置決めされる。この点に関して、取付け具１０が互いに正確にまた確実に周方向に位置決めされるようにするために、位置決め棒４０が用いられる。位置決め棒４０は、各駆動装置Ｓに取り付けられる取付け具１０のスロット２２に同時に受けられるように十分に長いシャンク４２を有する。位置決め作業中、各位置決め棒４０が各取付け具１０に対して正しく保持されるようにするために、位置決め棒４０は、該位置決め棒４０のシャンク４２内のボルト穴４４を通るボルト５０（第６図）によって、各取付け具１０に一時的に固定され、また、ボルト５０は、各取付け具１０の各スロット２２の底部にあるボルト穴２４にねじ止め式に受けられる。
【０００８】
位置決め棒４０が、上に述べたように各駆動装置Ｓの取付け具１０に対して所定の位置にあるときには、塊樋支持部材Ｔが、位置決め棒４０に対して正確に周方向に心合わせされ、それによって、該支持部材Ｔを周方向また必要な場合には垂直方向に調節することによって各駆動装置Ｓの出力シャフトに対しても正確に周方向に心合わせされ、その結果、その中の凹部が、位置決め棒４０の段の内端部分４６を受けるようになる。この点に関して、シャンク部分１２から垂直方向にずらされている位置決め棒４０の自由端部分４６には、該部分を貫通して延びるボルト穴４８が配設され、該位置決め棒４０は、ロール・ピン５２によって一時的に部材Ｔに固定される。
各塊樋支持装置Ｔの間の垂直方向の間隔を相対的に調節するために、第７および８図に示す段付き取付け具６０が配設され、各種の塊樋支持装置Ｔは、互いにほぼ垂直に積み重ねられる。これらの支持装置Ｔによって支持される塊樋の入口と融解ガラスの塊を塊樋へ送出する振動式塊シュートの出口の間に重なり合いが生じたりあるいは過度の隙間が生じたりするのを確実に防ぐためには、各支持装置Ｔを垂直方向に正しく位置決めすることが重要である。そのために、位置決め棒４０の段式端部分４６の段は、支持装置Ｔを正確に配置する形状に構成され、位置決め棒４０の段の付いた部分４６は、駆動装置Ｓに対して該支持装置Ｔの中に受けられるが、他の各支持装置Ｔは、該位置決め棒４０を受けた支持装置Ｔに対して垂直方向に独立に調節自在となる。段付き取付け具６０は、プレート６２と、該プレート６２に固定されてそこから横方向に延びる一連の位置合わせ棒６４で構成される。該位置合わせ棒６４は、水平方向および垂直方向に互いに間隔を置いて配置される。各駆動装置Ｓの出力シャフトに対する各支持装置Ｔの周方向の位置の位置ぎめは、取付け具１０から位置決め棒４０を取りはずした後に行なわれるが、その間に、段付け取付け具６０が駆動装置Ｓに対して位置決めされ、各位置合わせ棒６４が、駆動装置Ｓの出力シャフトの周方向の位置の位置決めに用いられた取付け具１０のいずれかの底部にある直径方向に延びる凹部２６に受けられるようになる。この点に関して、各取付け具１０の凹部２６は、該取付け具１０のスロット２２から垂直方向にずらされており、スロット２２のある垂直面に対して直角に延びる垂直面にある。段付き取付け具６０のプレート６２は、各塊樋支持装置Ｔが正しく立っている時に該装置に接触する形状に構成されている。
【０００９】
駆動装置Ｓの出力シャフトが、互いにまた各塊樋支持装置Ｔに対して正しく周方向に配向され、また各塊樋支持装置が他の各塊樋支持装置Ｔに対して正しく垂直方向に配置されると、段付き取付け具６０が取りはずされ、取付け具１０が各駆動装置Ｓから取りはずされ、各駆動装置Ｓが、それによお手駆動される塊分配器のシュートに接続できるようになる。
本発明を実施するために発明者が考案した本発明の出願日の時点での最善の形態を図示し記述したが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく適当な修正、変更などが可能なことは明らかであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれと法的に等価なものによってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい一実施形態で、本発明にもとづく方法を実施するために用いられるガラス塊シュート駆動装置出力シャフト取付け具の平面図である。
【図２】図１の取付け具の立前面図である。
【図３】図１および図２の取付け具の側立面図である。
【図４】本発明にもとづく方法を実施するにあたって図１−図３の取付け具と同じ複数の取付け具に使用する位置決め棒の立面図である。
【図５】図４の位置決め棒の端立面図である。
【図６】本発明にもとづく方法を実施するにあたって図１−図３の取付け具と同じ複数の取付け具を図４−図５にもとづく位置決め棒とともに使用する状態を示す概要図である。
【図７】本発明の方法の一特徴を実施するのに有用な段付き取付け具の立面図である。
【図８】図７の段付き取付け具の端面図である。
【符号の説明】
１０ 取付け具
１２ フランジ
１４ スピンドル
１６、１８ ボルト穴
２２ スロット
４０ 位置決め棒
４２ シャンク
４６ 段の付いた部分
６０ 段付き取付け具
６２ プレート
６４ 位置合わせ棒

Claims (6)

1. 振動式の融解ガラス塊分配器の駆動装置の出力シャフトを複数の固定式塊分配樋を支持するために用いられる支持装置に対して周方向に正確に配置するための方法において、
   中を貫通して延びる開口を有する取付け具を該出力シャフトに対してあらかじめ定められた周方向の位置に固定する工程、および、
   細長い位置決め棒を、その第１部分が該取付け具の開口内に、且つその第２部分が支持装置の開口内となるように配置して、支持装置に関して取付け具の開口を周方向に配向する工程、
   を有する方法。
2. 融解ガラスの塊を複数の固定式塊分配樋に分配するために融解ガラス塊分配装置の駆動装置を作動する前に、取付け具内の位置決め棒を取り除く工程をさらに有する請求項１に記載の方法。
3. 複数の振動式の融解ガラス塊分配器の駆動装置の各々の出力シャフトを互いに対して、また複数の固定式塊分配樋を支持するために用いられる支持装置に対して周方向に正確に配置するための方法において、
   各々が直径方向に貫通して延びる複数の配向用取付け具を準備する工程、
   前記複数の配向用取付け具を各塊分配器の駆動装置の複数の出力シャフトに対して周方向のあらかじめ定められた位置で該複数の出力シャフトに固定する工程、
   シャンク部分と端部分とを有する細長い位置決め棒を準備し、該細長い位置決め棒の前記シャンク部分を前記取り付け具の各々の開口内に挿入し、そして該細長い位置決め棒の前記端部分を前記支持装置の開口内に挿入することによって、各取付け具の開口を他の各取付け具の開口と心合わせして、取付け具を互いに周方向に配向するとともに、前記支持装置を前記取り付け具の各々の開口に対して周方向に配向する工程、および、
   前記細長い位置決め棒を、その第１部分が該取付け具の開口内に、且つその第２部分が支持装置の開口内となるように配置することにより、支持装置を各取付け具の開口に対して周方向に配向する工程、
   を有する方法。
4. 位置決め棒の端部分が、シャンク部分から垂直方向にずらされており、また、さらに、
   位置決め棒の端部分が挿入されるスロットを有する支持装置を、該支持装置の凹部内に受けられる位置決め棒の端部分との係合によって垂直方向に配向する工程を有する請求項３に記載の方法。
5. 振動する融解ガラス塊分配器の駆動装置の出力シャフトを、支持装置に対して周方向に正確に配向するための装置であって、該支持装置は、該支持装置に固定された複数の塊樋を支持するために用いられ、取付け具と棒とを有する装置において、前記取付け具は、
   直径方向に貫通して延びる開口を有するスピンドル、および、
   前記スピンドルを、出力シャフトに対してきまった周方向の位置に固定するための位置決め棒を有し、
   前記棒は、前記取付け具の前記開口と協働するための第１部分と、前記支持装置と協働するための第２部分とを有する、
   ことを特徴とする装置。
6. 前記スピンドルが、上表面を有し、該開口が前記スピンドルの該上表面の直径方向に延びるスロットである請求項５に記載の装置。

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