JP3922762B2 - アクリル系粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系粘着剤組成物に関し、更に詳細には、常温から高温の粘着特性に優れ、特に、低極性被着体に対する耐剥離性能に優れたアクリル系粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アクリル系粘着剤は、その優れた物性バランスや耐久性から、天然ゴム系粘着剤や合成ゴム系粘着剤に代わって広く普及してきた。
アクリル系粘着剤は、耐熱性、耐久性及び耐水性等の種々の性能に優れており、粘着力等の要求される物性を種々のアクリル系モノマーの組み合わせを変えることでコントロールできることから広く使用されている。
【0003】
アクリル系共重合体は、それ自体に粘着特性を有し、粘着付与樹脂を添加しなくとも感圧性接着剤となりうるが、ポリエチレンやポリプロピレン等の低極性被着体に対しては、剥離力が低い。このため、他の粘着剤と同様に粘着付与樹脂を添加して低極性被着体に対する剥離力向上の検討が試みられている。
【0004】
特公平3−281587号公報には、粘着付与樹脂として、高い水酸基価を有する樹脂酸エステルを用いたアクリル系感圧接着剤組成物が開示されている。
しかしながら、このような粘着付与樹脂を添加しても、JIS剥離試験に基づく剥離速度より低い速度(以下「低速剥離速度」という)での剥離力の大幅な向上は見られない。即ち、一定荷重が長時間作用した場合に簡単に剥がれてしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、常温から高温にかけての粘着特性に優れ、低極性被着体に対する剥離力に優れたアクリル系粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクリル系共重合体、粘着付与樹脂及び架橋剤からなるアクリル系粘着剤組成物であって、上記アクリル系共重合体は、アルキル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ビニルモノマーとのみからなり、上記粘着付与樹脂は、軟化点120〜160℃、水酸基価15〜80mg.KOH/gの重合ロジンエステル化物であり、上記重合ロジンエステル化物は重合ロジン系化合物と多価アルコールとのエステル化物であり、上記架橋剤は、イソシアネート化合物及びアジリジン化合物を配合してなるものであるアクリル系粘着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
上記アクリル系共重合体は、アルキル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ビニルモノマーとのみからなる。
上記アルキル基の炭素数が1であったり、14を超えると、上記アクリル系粘着剤組成物の粘着剤としての特性が損なわれるので、上記範囲に限定される。好ましくは、炭素数が4〜9のものである。
上記アルキル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、エチルアクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ter−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用して用いてもよい。
【0008】
上記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸等が挙げられる。
【0009】
上記アクリル系共重合体においては、上記カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合量は、1〜7重量%が好ましい。1重量%未満であると、上記アクリル系粘着剤組成物の架橋度が上昇せず、充分なクリープ特性が得られないばかりか、低極性被着体に対する低速剥離速度での剥離力が向上せず、7重量%を超えると、初期粘着力が低下するので好ましくない。
【0011】
上記アクリル系共重合体の重量平均分子量は、20万〜150万が好ましい。重量平均分子量が20万未満であると、必要な凝集力が得られず、150万を超えると、粘度が高くなり、粘着付与樹脂の混合や塗工工程での生産性が悪くなるので好ましくない。より好ましくは、30万〜120万である。
【0012】
また、上記分子量を調整するために、連鎖移動剤が添加されても良い。上記連鎖移動剤としては特に限定されず、チオール化合物、ハロゲン化合物等の連鎖移動性の高いもの等が挙げられる。
【0013】
上記チオール化合物としては特に限定されず、例えば、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸オクチル、β−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、チオグリコール酸ブチル;プロパンチオール類;ブタンチオール類;チオホスファイト類等が挙げられる。
【0014】
上記ハロゲン化合物としては特に限定されず、例えば、四塩化炭素等が挙げられる。
【0015】
上記アクリル系共重合体の製造方法としては特に限定されず、例えば、塊状重合、溶液重合、分散重合、乳化重合等の公知の重合方法等が挙げられる。
上記重合方法における重合の開始方法としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アゾイソブチロイルニトリル等の熱重合開始剤による方法;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン等の光重合開始剤による方法;及びこれらの方法と紫外線照射や電子線照射等とを併用する方法等が挙げられる。
【0016】
本発明に用いられる粘着付与樹脂は、軟化点120〜160℃、水酸基価15〜80mg.KOH/gの重合ロジンエステル化物である。
上記軟化点が120℃未満であると、低極性被着体に対する低速剥離速度での剥離力の向上が小さく、上記軟化点が160℃を超えると、アクリル系共重合体への相溶性が悪くなり、低極性被着体に対する剥離力だけでなく、初期粘着力が低下するため、上記範囲に限定される。好ましくは、120〜140℃である。上記水酸基価が15mg.KOH/g未満であると、低極性被着体に対する低速剥離速度での剥離力が向上せず、上記水酸基価が80mg.KOH/gを超えると、初期粘着力が著しく低下するため、上記範囲に限定される。好ましくは、25〜60mg.KOH/gである。
【0017】
上記重合ロジンエステル化物とは、重合ロジン系化合物と多価アルコールとのエステル化物である。
上記重合ロジン系化合物としては、例えば、重合ロジンやロジンモノマー、不均化ロジン、水添ロジン、部分不均化ロジン及びこれらの混合物を重合したもの等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
なかでも、架橋性に優れ、物性向上効果が非常に大きいもので、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル化物が好適に用いられる。
【0018】
本発明に用いられる架橋剤は、イソシアネート化合物及びアジリジン化合物を配合してなるものである。
上記イソシアネート化合物は、水酸基と反応可能であり、粘着付与樹脂同士の架橋のために用いらる。上記アジリジン化合物は、カルボキシル基と反応可能であり、アクリル系共重合体間の架橋のため、粘着付与樹脂同士架橋したものをアクリル系共重合体ヘグラフトさせるため、及び、粘着付与樹脂のカルボキシル基による粘着付与樹脂同士の更なる架橋のために用いられる。
【0019】
上記イソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IDI)等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物;トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3量体付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等のトリイソシアネート化合物;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。
【0020】
上記イソシアネート化合物の配合量は、ガラス転位点(Tg)が、粘着付与樹脂単独における値と、粘着付与樹脂に前記イソシアネート化合物を配合して架橋を完了させたものにおける値との差が、4℃以上となる量であることが好ましく、より好ましくは、そのTg差が最大になる量、即ち、粘着付与樹脂同士の架橋が全て完了すると考えられる量である。上記Tgは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定できる。
上記Tg差が4℃未満であると、低極性被着体に対する低速剥離速度の剥離力の充分な向上が見られない。本発明においては、上記Tg差が最大になる点が最も低速剥離力が高くなる。 また、イソシアネート化合物を加えすぎると粘着剤が硬くなりすぎ、低極性被着体に対するJIS剥離試験に基づく剥離速度(以下「高速剥離速度」という)の剥離力及び初期粘着力が低下する。
【0021】
上記アジリジン化合物としては特に限定されず、例えば、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
【0022】
上記アジリジン化合物の配合量は、アクリル系共重合体組成物の架橋後のゲル分率が、20〜50重量%であることが好ましい。上記ゲル分率が20重量%未満であると、クリープ特性が改善されず、50重量%を超えると、高速剥離速度の剥離性能及び初期粘着特性が低下するため好ましくない。
上記ゲル分率は、架橋後のアクリル系粘着剤組成物をテトラヒドロフラン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の重量と浸漬前のアクリル系粘着剤組成物との重量比である。
【0023】
上記粘着剤組成物には、低極性被着体に対する耐剥離性能を損なわない範囲で上記アクリル系共重合体の他に、更に、他の粘着付与樹脂や架橋剤が使用されてもよい。
上記他の粘着付与樹脂としては、例えば、C5系(脂肪族系)、C9系(芳香族系)等の石油樹脂;α−ピネン、β−ピネン重合体、ジテルペン重合体、α−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン又はその誘導体、キシレン樹脂又はその変成体、ロジンのエステル化物等が挙げられる。
【0024】
上記ロジンのエステル化物とは、ロジン系化合物と多価アルコールとのエステル化物である。
上記ロジン系化合物としては、例えば、ロジンモノマー、不均化ロジン、水添ロジン、部分不均化ロジン及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらの粘着付与樹脂は、単独でも2種以上併用して用いてもよいが、配合量が多すぎると、耐剥離性能が低下するため、アクリル系共重合体100重量部に対して、20重量部以内にすることが好ましい。
【0025】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記の各種材料を所定量配合し、従来と同様に酢酸エチルやトルエン等の適当な有機溶剤に溶解して調整することができる。
なお、本発明のアクリル系粘着剤組成物には、必要に応じて、充填剤、顔料、染料等のアクリル系粘着剤組成物に使用される公知の添加剤が配合されても良い。
【0026】
本発明のアクリル系粘着剤組成物の用途としては特に限定されず、例えば、塗料、接着剤、粘着剤、シーリング材等が挙げられる。
本発明のアクリル系粘着剤組成物を粘着剤として用いる場合には、その用途としては、例えば、粘着テープ、粘着性シート、ラベル、両面粘着テープ等が挙げられる。
【0027】
上記アクリル系粘着剤組成物を粘着テープや粘着シートの製造に使用する場合には、上記アクリル系粘着剤組成物を溶液にして、例えば、基材の片面又は両面に塗布し、乾燥する。
上記基材としては、例えば、紙;不織布;ポリエステル、ポリオレフィン等の合成樹脂フィルム;ポリウレタン、ポリクロロプレン、アクリル系樹脂等の合成樹脂発泡体シート等が挙げられる。また、上記アクリル系粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤自体を剥離シート状にした基材のない両面粘着テープとすることもできる。
【0028】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、基材に塗布後、樹脂同士が架橋される必要があり、このために粘着テープ又は粘着シートの製造後、必要に応じて、加熱養生等を行っても良い。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
(アクリル系共重合体の調製)
n−ブチルアクリレート97重量部、アクリル酸3重量部を配合し、更に、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.06重量部を酢酸エチル80重量部とともに攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入口を備えた五つ口フラスコ中に仕込み、攪拌溶解して均―混合物とした後、窒素ガスで約30分間パージして、モノマー溶液中に存在する酸素を除去した。
その後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換し、攪拌しながら昇温し、これを70℃に保持してベンゾイルパーオキサイド0.03重量部を1重量部の酢酸エチルに溶解させた溶液を、滴下ロートにより滴下した後、そのままの温度で10時間重合反応させてアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体の分子量をGPCにより測定すると、重量平均分子量(Mw)は47万、分子量分布(Mw/Mn)は3.5であった。
【0031】
実施例1
上記で得られたアクリル系共重合体100重量部に粘着付与樹脂(重合ロジンのペンタエリスリトールエステル化物;軟化点125℃、水酸基価31mg.KOH/g、荒川化学工業社製、商品名「ペンセルD125」)25重量部、イソシアネート化合物(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の酢酸エチル溶液;日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL55E」、固形分55重量%)2.8重量部、及び、アジリジン化合物(N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシド);日本触媒社製、商品名「HDU」)0.125重量部をトルエンで希釈しながら均一に混合して45重量%のアクリル系粘着剤組成物を得た。
【0032】
得られたアクリル系粘着剤組成物を、表面にコロナ処理を施した38μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)基材に塗布し、ギアオーブンにより110℃で5分間乾燥させ、50μm厚の粘着剤層を形成させた粘着テープを得た。その後、上記サンプルを40℃中で3日間養生した。ここでのアクリル系粘着剤組成物のゲル分率は、36重量%であった。
また、上記粘着付与樹脂単独と粘着付与樹脂に上記イソシアネート化合物を上記配合量と同等となるように配合し、架橋させた後のものそれぞれについてDSC(パーキンエルマー社製)によるTg測定を行い、両者のTg差を求めた。ただし、この測定に用いるサンプルは、粘着付与樹脂を酢酸エチルに固形分濃度70重量%で溶解させ、これに架橋剤を粘着付与樹脂100重量部に対して添加後、よく攪拌した後、真空乾燥機により80℃で24時間乾燥させて作製した。この結果、Tg差は、9.8℃であった。粘着テープの評価を下記の方法により行い、結果を表1に示した。
【0033】
(粘着テープの評価方法)
対ポリプロピレン被着体への粘着力評価
得られた粘着テープをポリプロピレン板に20mm幅で2kgゴムローラ1往復の荷重にて貼り合わせ、23℃で20分間放置した後、23℃、40℃、60℃、80℃で各々30分経過後に90°方向のピール試験により剥離力を測定した。
この時の剥離速度は、0.01〜5mm/secの範囲で6点測定し、ここで得られたそれぞれの温度での剥離力の速度依存性をもとに、温度−速度換算則に従って、60℃を基準としたマスターカーブを得、これから剥離速度10mm/sec及び0.0001mm/secの剥離力を読みとった。
【0034】
対SUSの保持力の評価
得られた粘着テープをJIS Z 0237に準拠し、幅20mm、長さ100mmに裁断し、厚さ1.5mm、幅25mm、長さ100mmのSUS304板に接着長さ20mmで、2kgゴムロール1往復の荷重にて貼り合わせ、23℃、60%RH雰囲気下に20分間放置し、粘着テープの下端に1kgの荷重をかけて垂直に放置し、1時間後のズレ距離(mm)を測定した。
【0035】
実施例2
粘着付与樹脂に重合ロジンのペンタエリスリトールエステル化物(軟化点135℃、水酸基価45.3mg.KOH/g、荒川化学工業社製、商品名「ペンセルD135」)を用い、イソシアネート化合物量を4.2重量部としたこと以外は実施例1と同様にした。アクリル系粘着剤組成物のゲル分率は、37重量%であった。
なお、粘着付与樹脂単独と粘着付与樹脂にイソシアネート化合物を配合し架橋させた後のものとのTg差は12.1℃であった。粘着テープの評価を実施例1と同様の方法により行い、結果を表1に示した。
【0036】
比較例1
イソシアネート化合物を配合せず、アジリジン化合物の配合量を0.085重量部としたこと以外は実施例1と同様にした。粘着テープの評価を実施例1と同様の方法により行い、結果を表1に示した。
【0037】
比較例2
イソシアネート化合物の配合量を1.0重量部にし、アジリジン化合物の配合量を0.095重量部としたこと以外は実施例1と同様にした。アクリル系粘着剤組成物のゲル分率は、34重量%であった。
なお、粘着付与樹脂単独と粘着付与樹脂にイソシアネート化合物を配合し架橋させた後のものとのTg差は2.3℃であった。粘着テープの評価を実施例1と同様の方法により行い、結果を表1に示した。
【0038】
比較例3
粘着付与樹脂に不均化ロジンのペンタエリスリトールエステル化物(軟化点125℃、水酸基価18.1mg.KOH/gの荒川化学工業社製、商品名「スーパーエステルA125」)を用い、イソシアネート化合物量を1.0重量部にし、アジリジン化合物の配合量を0.095重量部としたこと以外は実施例1と同様にした。アクリル系粘着剤組成物のゲル分率は、34重量%であった。
なお、粘着付与樹脂単独と粘着付与樹脂にイソシアネート化合物を配合し架橋させた後のものとのTg差は3.5℃であった。粘着テープの評価を実施例1と同様の方法により行い、結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0003922762
【0040】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成からなるので、イソシアネート化合物により粘着付与樹脂である重合ロジンエステル化物同士を積極的に架橋させ、アジリジン化合物によりアクリル系共重合体間の架橋、粘着付与樹脂同士架橋したもののアクリル系共重合体へのグラフト、及び、粘着付与樹脂のカルボキシル基による粘着付与樹脂同士の更なる架橋を行わせる。これによりクリープ時の粘性流動によるズレを抑制するため、より高い低速剥離力が得られる。この結果、常温から高温にかけての粘着特性に優れ、特に、ポリオレフィンのような低極性被着体に対する剥離力が高いアクリル系粘着剤組成物が得られ、プラスチック部品の接着固定などの用途に幅広く使用でき、粘着テープ、粘着シート等に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. アクリル系共重合体、粘着付与樹脂及び架橋剤からなるアクリル系粘着剤組成物であって、
    前記アクリル系共重合体は、アルキル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ビニルモノマーとのみからなり、
    前記粘着付与樹脂は、軟化点120〜160℃、水酸基価15〜80mg.KOH/gの重合ロジンエステル化物であり、前記重合ロジンエステル化物は重合ロジン系化合物と多価アルコールとのエステル化物であり、
    前記架橋剤は、イソシアネート化合物及びアジリジン化合物を配合してなるものであることを特徴とするアクリル系粘着剤組成物。
  2. イソシアネート化合物の配合量は、ガラス転位点(Tg)が、粘着付与樹脂単独における値と、粘着付与樹脂に前記イソシアネート化合物を配合して架橋を完了させたものにおける値との差が、4℃以上となる量であり、アジリジン化合物の配合量は、アクリル系粘着剤組成物の架橋後のゲル分率が、20〜50重量%となる量である請求項1記載のアクリル系粘着剤組成物。
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