JP3922740B2 - 表面特性及び耐食性の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凝固後室温までγ相が存在しないフェライト系ステンレス鋼に関するものであって、冷延時に発生する微小うねり(ローピング)が小さく、また発銹起点となる介在物を制御することで表面特性及び耐食性の優れたフェライト系ステンレス鋼を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べてNi含有量が少なく低価格であるため、厨房機器をはじめ広く使用されている。この場合、表面の美麗さが必要となるため、表面特性を向上させることがフェライト系ステンレス鋼に要求される。
【0003】
一方、フェライト系ステンレス鋼は、成形加工時にリジングと言われる表面凹凸が発生し易いことが知られている。このリジングは、加工時に発生する5〜50μm高さの凹凸である。このリジングを改善する方法は、従来から種々検討されており、例えば「鉄と鋼」(Vol.76、1990、1520頁)には、その発生メカニズムについても考察されている。
【0004】
これとは別の表面性状に関して、最近では上記の製品を成形加工した際の表面凹凸とは異なり、フェライト系ステンレス鋼熱延板を冷延したときに冷延後の表面に発生する微小なうねり(ローピング)が問題となっている。
その理由は、冷延時に発生した微小なうねりは最終製品まで消えずに残り、近年の厳しく求められる表面品位を満足することができず、製品としての価値を損なうためである。この冷延板表面の微小なうねりは、高さ 0.2〜0.5 μm程度で圧延方向に伸びたうねりであり、このうねりは製品の成形加工時に発生するリジングと区別してローピングと呼ばれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このローピングは、リジングと同一の現象であると考えられていたが、成形加工時のリジング発生と冷間圧延時のローピングの発生には必ずしも良い対応があるとも言えず、特にリジングは加工率が高くなるとその高さが大きくなるのに対し、ローピング高さは冷延圧下率が高くなるほど小さくなり、リジングとは発生挙動が異なるなど、ローピングの発生メカニズムも明らかになっていないため、ローピングを低減できる製造方法を確立することが必要となった。
【0006】
また、大気湿潤環境での耐食性を確保するためには、基本成分の高Cr化やMo添加が有効であることが知られている。このほかに耐食性を安定化させるためには、基本成分の高耐食化と同時に、発銹起点となり易い非金属介在物の制御が必要であることが知られている。
【0007】
フェライト系ステンレス鋼では「鉄と鋼」(1979、S329)に記載されているように、Tiを 0.3%以上添加することによって非金属介在物を改質して耐銹性を改善する方法が知られている。しかし、Tiを 0.3%以上含有させると鋳造時のノズル詰まりや疵の発生を招き、また靭性が低下するなど製造性が著しく劣るために、多量のTiを含有させずに非金属介在物を改質する方法が望まれていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、大気湿潤環境中で使用されるフェライト系ステンレス鋼を製造する際の問題点である鋳造時のノズル詰まりや疵の発生、靭性低下などを起こさせることなく、発銹起点となる非金属介在物の改質を行うと同時に、冷延時の耐ローピング特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、多量のTiを添加せずに非金属介在物を制御する方法を検討した。まず、大気暴露試験材の結果から、発銹起点として非金属介在物のうち特にMnSがその主体をなしていることを確認した。これに対して、Tiを多量に添加した場合には、硫化物はMnSからTi系の硫化物へ変化し、Ti系介在物は発銹起点にならないことを確認した。
【0010】
この知見から、発銹起点となり易いMnSの析出を抑える方法について更に検討を加えた結果、脱酸元素として使用されるMnとTi及びSの量と熱間圧延前の加熱温度を制御することによって、発銹起点となるMnSの析出を抑えられ、耐銹性を大きく改善できることが判明した。
また、フェライト系ステンレス鋼の製造プロセス条件とローピング発生挙動の関係を調査し、ローピングを低減する方法を種々検討した。その結果、熱延条件、捲取条件の一連のプロセス条件を制御することによって、ローピングを低減できることを知見した。
【0011】
本発明は上記知見に基づくものであって、その要旨は、質量%で、
C :0.0005〜0.030%、 N :0.0005〜0.030%、
Cr:11.0〜35.0%、 S :0.010%以下、
P :0.04%以下、 Ti:0.04〜0.30%、
Mn:0.01〜1.0%、 Si:0.01〜1.0%、
Al:0.005〜0.050%、かつ0.15×Ti%以上、
O :0.010%以下
で残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間圧延時の加熱温度(HT,℃)を下記 (1) 式を満たす範囲で加熱した後に、粗圧延を累積圧下率80%以上かつ粗圧延の最終パス及びその前のパスの圧下率をそれぞれ30%以上とし、温度1000℃以上で終了し、次いで仕上圧延を行った後に、
1)捲取温度が700℃以上の場合は、熱延板焼鈍を省略して、酸洗、冷延、焼鈍し、
2)捲取温度が700℃未満の場合は、熱延板焼鈍を行った後に、酸洗、冷延、焼鈍する
ことを特徴とする表面特性及び耐食性の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法である。
0.30≧Ti(%) ≧ (1.3 ×10-3×HT−1.4)×Mn(%) +0.04 …… (1)
【0013】
更に、上記の本発明方法において、フェライト系ステンレス鋼に、必要に応じてさらに質量%で、Mo:0.5 〜5.0 %、Ni:0.1 〜5.0 %、Cu:0.1 〜3.0 %の中から1種以上、及び/またはNb:0.01〜0.5 %、V:0.01〜0.5 %、B:0.005 %以下の中から1種以上を含有させることは、表面特性及び耐食性の向上に好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における成分の限定理由を述べる。
C:Cは、耐食性の点では有害であり、特に溶接部の耐食性に悪影響を与えるが、強度の観点からある程度は必要である。現状では0.0005%未満にするには製造コストが高くなり、また0.030 %を超えて添加すると加工性、靭性及び耐食性が劣化するため、Cは0.0005〜0.030 %とした。
【0015】
N:Nは、Cと同様に含有量が少ないほど耐食性、加工性に好ましいが、0.0005%未満にすることは工業的に困難であり、また0.030 %を超えて添加すると加工性、靭性及び耐食性が劣化するため、Nは0.0005〜0.030 %の範囲で添加する。
【0016】
Cr:Crは、本発明のフェライト系ステンレス鋼の主要元素であり、湿潤大気環境中で銹発生を抑制するには11.0%以上添加する必要がある。しかし、 35.0 %を超えて添加しても、耐食性は向上するが加工性や靭性が劣化するので、Crの上限は 35.0 %とした。
【0017】
S:Sは、延性・靭性等を劣化させ、また耐食性の観点からも有害であり、本発明においてはMn,Tiとの関係で熱延板の靭性を確保する点、及び非金属介在物を改質することによって耐食性を確保する点から、0.010 %以下とする。 P:Pは、加工性や靭性または耐食性の点でも有害であり、その含有量は少ないほど望ましく、0.04%以下とする。
【0018】
Ti:Tiは、本発明においてはC及びNを固定する以外にMnSの析出を防止する観点からも必須の元素であり、下限を0.04%とする。また、鋳造時のノズル詰まり防止や疵防止の観点から、上限は0.30%とする。なおかつ、Mn及び熱間圧延時の加熱温度(HT,℃)との関係において、下記 (1)式を満足することが必要である。
0.30≧Ti(%) ≧ (1.3 ×10-3×HT−1.4)×Mn(%) +0.04 …… (1)
【0019】
Mn:Mnは、脱酸元素として添加するが、0.01%未満では効果が十分でなく、1.0 %を超えて添加してもその効果が飽和し、かつMnSの析出が促進され耐食性が劣化するため、Mn:0.01〜1.0 %添加する。Mnも上記の相互関係式を満たす必要がある。
【0020】
Si:Siは、脱酸剤として使用されるが、0.01%未満では効果が十分でなく、1.0 %を超えて添加すると脆化を著しく促進させ延性、靭性を劣化させるので、0.01〜1.0 %の範囲で添加する。
【0021】
Al:Alは、脱酸元素として添加するが、本発明においては硫化物をTi系とするため、酸化物はTi系ではなくAl系の酸化物とすることが重要である。このためAlはTiの 0.15 倍以上が必要である。また0.05%超では脱酸程度も飽和するため、上限を0.05%とした。
O:Oは、熱延板の靭性を劣化させたり、鋳造時のノズル詰まりや疵発生の原因となるため、本発明においては0.010 %以下とした。
【0022】
本発明では上記成分の他に、必要に応じてMo,Ni,Cuのいずれか1種以上を選択的に含有させることができる。
Mo:Moは耐食性の点で好ましい元素であるが、0.5 %未満ではその効果は十分でなく、また5.0 %を超えて添加してもその効果が飽和し脆化が著しいので、0.5 〜5.0 %とした。
【0023】
Ni:Niはフェライト系ステンレス鋼の耐食性を改善する効果があるが、0.1 %未満では効果がなく、また5.0 %を超えて添加するとフェライト相を不安定にし、熱間での脆化を引き起こし易くなるので、0.1 〜5.0 %とした。
Cu:Cuは耐食性の点で好ましい元素であるが、0.1 %未満ではその効果は十分でなく、また3.0 %を超えて添加してもその効果が飽和するので、0.1 〜3.0 %添加する。
【0024】
本発明では、なお一層の耐食性向上を図るため、Nb,V,Bの1種以上を更に選択的に含有させることができる。
Nb:Nbは、CやNを固定するため、特に溶接部でのCr炭窒化物の析出を抑制して耐食性を向上させるために、0.01%以上添加できる。また0.5 %超添加しても靭性及び延性を低下させるため、0.01〜0.5 %とした。
【0025】
V:Vは、CやNを固定するため、特に溶接部でのCr炭窒化物の析出を抑制して耐食性を向上させるために、0.01%以上添加できる。また0.5 %超添加しても靭性及び延性を低下させるため、0.01〜0.5 %とした。
B:Bは、特にNを固定するため、耐食性や加工性を改善できる。しかし過剰に添加してもその効果が飽和するため、0.005 %以下とした。
【0026】
次に、本発明の製造条件の限定理由について述べる。
上記成分鋼の熱間圧延前の加熱温度については、17%Cr−0.0030%C−0.0060%N鋼(S量: 0.010%以下)を基本成分とし、Mn:0.01〜3%、Ti:0〜1.0 %の範囲で変化させたフェライト系ステンレス鋼を用いて、加熱温度の硫化物形態に及ぼす影響を詳細に検討した。加熱後のサンプル中に析出した硫化物の形態は、SEM−EDS及び電顕観察により調査した。
【0027】
その調査結果に基づいて、Ti系硫化物とMn系硫化物の生成する領域を分類したところ、Mn量、Ti量及び加熱温度(HT,℃)との関係において図1に示すような結果が整理できた。この結果より、加熱時にMnSからTi系の硫化物に変化させて発銹起点となるMnSの析出を抑制するには、
0.30≧Ti(%) ≧ (1.3 ×10-3×HT−1.4)×Mn(%) +0.04
を満足させれば良いことが判明した。
【0028】
また、加熱温度としては、1100℃未満ではスケール疵の発生の問題、また1300℃超ではスラブ加熱中に自重により変形し、圧延が困難となることから、1100〜1300℃の範囲とするのが望ましい。また、熱延後の工程における焼鈍やその他の熱処理に関しても、上式から導かれる加熱温度以下とすることにより、最終製品に至るまでTi系を主体とする析出物とすることができ、耐食性のより安定化が可能である。
【0029】
次に、本発明者らはフェライト系ステンレス鋼の冷延に発生する微小うねり(ローピング)の低減方法を詳細に検討した(詳細は後述の実施例に示す)。
その結果、ローピングを改善する方法の一つとしては、粗圧延を1000℃以上で終了し、かつ累積圧下率を90%以上とすることが有効であると判明した。上記の粗圧延条件を満たさない場合には、ローピングの改善効果が十分に得られない。
【0030】
ローピングを改善する他の方法として、粗圧延を1000℃以上で終了し、かつ累積圧下率を80%以上とし、なおかつ粗圧延の最終パス及びその前のパスの圧下率をそれぞれ30%以上とする方法も判明した。上記条件を外れた粗圧延ではローピングを改善するという所定の効果が得られない。
【0031】
次に、仕上げ圧延後の捲取温度は、上記の粗圧延条件を特定することによってローピングを改善するためには、700℃以上とするのがよい。捲取温度を700℃以上とした場合には、後で熱延板の焼鈍を省略しても良好なローピング評価が確保できる。捲取温度の上限は特に定めないが、本発明では粗圧延を1000℃以上で終了させるため、仕上圧延〜捲取での温度低下を考慮すると950℃が捲取温度の上限といえる。
一方、捲取温度を700℃未満とした場合には、後で熱延板焼鈍を施さないと良好なローピング評価が得られない。
【0032】
【実施例】
[実施例1]
表1に示すフェライト系ステンレス鋼の50kg鋼塊(厚み100mm)を実験室の真空溶解炉によって溶製した。この鋼塊を実験室で熱延実験を行い3mmの熱延板を製造する際に、表2に示すように、加熱条件、粗圧延条件、仕上圧延条件及び捲取条件を変えて、その後の冷延時のロ−ピング発生挙動との関係を調査した。熱延は、鋼塊を加熱後、粗圧延を5パスまたは6パスで10〜30mmまで実施し、仕上圧延を20〜3mmまで4〜6パスで実施し、そのまま熱延板を800〜300℃の炉に挿入して1時間保持後に炉冷して捲取をシミュレ−トした。表中の捲取温度はこのシミュレ−トの保持温度である。
【0033】
次に、捲取処理した熱延板を硫酸で酸洗してスケールを除去した後、厚み0.4mmまで冷間圧延率を変えて冷延し、冷延後のロ−ピング高さを評価した。ロ−ピングは、冷延方向に対して直角方向に10mm長さについて粗度計で測定し、うねり高さの最大値をロ−ピング高さとした。この測定を3箇所実施し、その平均値でロ−ピングを評価した。ローピングの評価は、3箇所のロ−ピング最大高さの平均が0.15μm未満をAランク、0.15μm以上0.25μm未満をBランク、0.25μm以上0.35μm未満をCランク、0.35μm以上をDランクとして評価ランクを設け、表面品位の観点からはAランク及びBランクを合格と判定した。
【0034】
また、耐食性の評価も実施した。その耐食性は、複合サイクル腐食試験によって、5%NaCl溶液35℃−10分、乾燥60℃−60分、湿潤:湿度80%、50℃−60分を10サイクル実施し、発銹の程度を評価した。発銹なしを○、発銹ありを×とした。
【0035】
上記の評価結果を同じく表2に示した。表2から明らかなように、本発明の方法によって製造された試料は、発銹がなく良好な耐食性を示すとともに、ローピング高さもA〜Bランクで小さく優れた表面特性を示した。また、捲取温度が700℃以上であれば、熱延板焼鈍を省略してもローピング評点はA、Bランクを確保できるが、700℃未満の捲取温度では熱延板焼鈍を行うことによってローピングが改善される。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
[実施例2]
表3に示す成分のフェライト系ステンレス鋼を通常のLD−VODプロセスによって溶製し、厚み250mmの連続鋳造鋳片を鋳造した。この後、表4に示すように熱延条件をA、Bの2通りで実施した。この後、熱延板焼鈍を省略して硫酸酸洗し、厚み0.6mmまで冷間圧延率を変えて冷延し、ロ−ピング高さを評価した。ロ−ピング及び耐食性の評価方法は前述の方法と同様とした。
【0039】
その結果、表4に示すように、本発明法によるAプロセス材はローピング評価及び耐食性が優れているのに対し、比較法によるBプロセス材はローピング特性及び耐食性が劣化した結果となった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、多量のTiを含有しないのでフェライト系ステンレス鋼の製造上の問題点であるノズル詰まりやキズ及び靭性を低下させることがなく、また適量のTiを添加するので発銹起点となるMnSをTi系硫化物に改質して耐食性を安定化でき、かつ熱延条件を特定することによって表面特性の問題点である冷延時の微小うねり、ローピングの発生を防止でき、結果として耐食性及び表面特性の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 硫化物の形態分布に及ぼす、Ti量、Mn量、熱延時の加熱温度の影響を示す図。
Claims (3)
- 質量%で、
C :0.0005〜0.030%、
N :0.0005〜0.030%、
Cr:11.0〜35.0%、
S :0.010%以下、
P :0.04%以下、
Ti:0.04〜0.30%、
Mn:0.01〜1.0%、
Si:0.01〜1.0%、
Al:0.005〜0.050%、かつ0.15×Ti%以上、
O :0.010%以下
で残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間圧延時の加熱温度(HT,℃)を下記(1)式を満たす範囲で加熱した後に、粗圧延を累積圧下率80%以上かつ粗圧延の最終パス及びその前のパスの圧下率をそれぞれ30%以上とし、温度1000℃以上で終了し、次いで仕上圧延を行った後に、
1)捲取温度が700℃以上の場合は、熱延板焼鈍を省略して、酸洗、冷延、焼鈍し、
2)捲取温度が700℃未満の場合は、熱延板焼鈍を行った後に、酸洗、冷延、焼鈍する
ことを特徴とする表面特性及び耐食性の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
0.30≧Ti(%) ≧ (1.3 ×10-3×HT−1.4)×Mn(%) +0.04 …… (1) - 請求項1記載の成分に加えて、質量%で、
Mo:0.5〜5.0%、
Ni:0.1〜5.0%、
Cu:0.1〜3.0%
の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の表面特性及び耐食性の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。 - 請求項1又は2記載の成分に加えて、質量%で、
Nb:0.01〜0.5%、
V :0.01〜0.5%、
B :0.005%以下
の1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の表面特性及び耐食性の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
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