JP3922732B2 - 複数パターン同時計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エッチング製品の設計パターン、該設計パターンに基づいて製造される製品のエッチングパターン、該製品の製造途中で使用される原版及び製版の各パターンを任意にコンピュータ画面上で重ね合せて表示し、相互に比較して得られるデータに基づいて製品の加工設計や品質管理に有効に利用でき、エッチング条件管理、エッチング補正を適格に行うことができる複数パターン同時計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エッチング製品としては、搭載するIC(集積回路)チップと電気的に接続するために用いるリードフレームがある。
【0003】
図1は、一方の面から見た1チップ分のリードフレームの一例を示したもので、中心にはチップ(図示せず)を取り付けるためのダイパッド(アイランド)10が位置し、該ダイパッド10は、外枠12にタブ吊りバー14を介して支持されており、その周囲にはインナリード16が先端をダイパッド10に近接させて配置されていると共に、該インナリード16に連続するアウタリード18がダムバー20等を介して上記外枠12に支持されている。又、上記インナリード16には、該リード16の変形を防止するためにプラスチックからなる固定用テープ22が貼り付けられている。なお、図中破線はモールドラインである。
【0004】
上記リードフレームを例に、エッチング製品の設計から製品完成までの工程の概略を示すと、図1のようになる。
【0005】
リードフレームのパターン設計はCAD(Computer Aided Design )を用いて行われ、まずCAD1の製品パターン設計工程で目標とする製品の寸法と同一の(A)製品寸法CADデータを作成し、次いでCAD2のエッチング補正工程で、実際のエッチング工程でレジストパターンの幅より余分に削られてしまうサイドエッチング分の補正代を、上記(A)製品寸法CADデータに加算してレジストパターンの原型となる(B)加工寸法CADデータを作成し、次のパターン製造工程でこの加工寸法CADデータをレーザプロッタで描画し、描画したパターンをガラス乾板に焼付けて(C)ガラス原版パターンを作成する。この原版パターンは、リードフレームの表裏両面についてそれぞれ作成される。
【0006】
その後、上記ガラス原版をマスクとして用いて、リードフレームの基材である銅板等の金属材料にコーティングされているレジストを露光(焼付け)し、現像し、バーニング(硬化)して(D)製版パターン(レジストパターン)を作成し、次いで露出部分の金属材料を除去するエッチングを行い、その後付着しているレジストを剥離することにより、最終的にリードフレーム、即ち(E)製品パターンが得られる。
【0007】
上記リードフレームの製造工程では、(E)製品パターンは、設計パターンである(A)製品寸法CADデータと同一になることが望ましい。そのためにこの(A)に補正代を加えて設計される(B)加工寸法CADデータ(これは(C)ガラス原版パターン、(D)製版パターンと基本的に同一寸法パターンである)と上記(E)との寸法差は大きく、通常数十μmの差がある。
【0008】
同様に微細加工される他のエッチング製品として、カラーテレビ用のシャドウマスクがあるが、これに比較してリードフレームは形状が不規則である上に、エッチング終了後に行う後工程が複雑であるという特徴を有している。
【0009】
又、リードフレームの特徴として、チップが取り付けられるアイランド10とワイヤボンディングされるインナリードの先端との間にギャップ(エッチング除去される空間)があり、そこにエッチング液が入り易いために、インナリードの先端部のエッチングが進み易く、先細りになり易い反面、ワイヤボンディングのためには十分な先端幅の寸法が要求される。
【0010】
前述した如く、リードフレームは通常表裏両面に互いに対称なレジストパターンが露光・現像を通して形成され、ICチップが取付けられるダイパッド側の表面を下に向けた状態で、図20(A)に金属板24と、その表面(図では下側)と裏面に着したレジストパターン26とを、その一部を拡大して示すように、上下両方向からエッチング液を吹き付けて非レジスト部分の金属板24Aをエッチング除去して形成される。表面を下側にしてエッチングする理由は、インナリード先端近傍にはワイヤボンディングのために表面に十分な幅を確保しなくてはならないのに、上側の方がサイドエッチングされ易いことにある。
【0011】
従って、上記図20(A)に示したパターンのレジスト26が表裏面に被着されている場合、図20(B)に表面パターンA、裏面パターンB、貫通パターンCをそれぞれ示すように、最小貫通幅より表面開口幅の方が大きいアンダーエッチング不良が生じることがある。通常、エッチングパターンの断面形状は、図20(C)に示すように、貫通幅が表面(図中下面)で最小になり、最小貫通幅と表面の開口幅が一致している、A=Cのものが好ましい。又、極端な場合には、図20(D)に示すような、レジストパターン26表裏見当がずれていることに起因する、リード変形不良が生じることがある。
【0012】
又、例えばリードフレームの外枠に文字を刻印するために、図21(A)に示すように、片面だけにレジストパターン26を形成して、図21(B)に示すような貫通しないエッチングパターンDを形成する、いわゆるハーフエッチングも行われるが、このハーフエッチング部分が貫通する不良が発生することもある。
【0013】
上記図20に示した貫通パターンや、図21に示したハーフエッチングパターンの良否の検査は、従来(1)顕微鏡等で表面、裏面及び貫通をそれぞれ個別に測定する方法、(2)測定部分を断裁して局所的に断面形状を測定する方法が採用されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記(1)の顕微鏡等による各部の個別測定では、開口幅の表裏寸法差や開口幅と貫通幅との寸法差を一瞥の下でつかみ難い。又、(2)の局所的測定では、広範囲に見渡せないため、全体の中での位置関係が不明であり、測定する毎にその位置を設計図面に目印を付ける等により、特定しておく必要がある。又、寸法計測用顕微鏡もあるが、貫通寸法しか測定できない。なお、計測を目的としたものではないが、表裏両面の観察像を2台のモニタに個別に表示できる両面同時観察顕微鏡があるが、表裏寸法差がつかみ難い。
【0015】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、エッチング製品の微細パターンについて、表・裏及び貫通の各パターンを任意に組合せ、重ね合せて表示し、相互に照合して寸法計測することができる複数パターン同時計測装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、エッチング加工された製品パターンを画像入力する画像入力手段と、入力された画像データをCADデータに変換するラスタ・ベクタ変換手段とを備えると共に、2以上のCADデータを重ね合せ表示する機能を有する複数パターン同時計測装置であって、単一の画像入力手段により、同一製品パターンの表面パターン及び裏面パターンをそれぞれ落射光源下で反射像として個別に複数分割したセルを単位に画像入力し、各入力画像データをラスタ・ベクタ変換手段によりCADデータに変換し、いずれか一方のCADデータを他方と撮り込んだ画像の向きが同一になるように反転して、複数のCADデータ間の寸法差が計測可能なように所定の基準点を中心にCADデータの位置合わせを行い、互いに重ね合せる機能を有している構成とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0017】
請求項2の発明は、又、上記複数パターン同時計測装置において、エッチング加工された製品パターンを画像入力する画像入力手段と、入力された画像データをCADデータに変換するラスタ・ベクタ変換手段とを備えると共に、2以上のCADデータを重ね合せ表示する機能を有する複数パターン同時計測装置であって、単一の画像入力手段により、同一製品パターンの表面パターン及び裏面パターンのいずれか一方を落射光源下で反射像として、又、貫通パターンを透過光源下で透過像として、それぞれ個別に複数分割したセルを単位に画像入力し、各入力画像データをラスタ・ベクタ変換手段によりCADデータに変換し、両パターンの画像撮り込み方向が逆の場合にはいずれか一方のCADデータを他方と撮り込んだ画像の向きが同一になるように反転して、複数のCADデータ間の寸法差が計測可能なように所定の基準点を中心にCADデータの位置合わせを行い、互いに重ね合せる機能を有している構成とすることにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0018】
請求項3の発明は、又、上記複数パターン同時計測装置において、エッチング加工された製品パターンを画像入力する画像入力手段と、入力された画像データをCADデータに変換するラスタ・ベクタ変換手段とを備えると共に、2以上のCADデータを重ね合せ表示する機能を有する複数パターン同時計測装置であって、単一の画像入力手段により、同一製品パターンの表面パターン及び裏面パターンの両方を落射光源下で反射像として、又、貫通パターンを透過光源下で透過像として、それぞれ個別に複数分割したセルを単位に画像入力し、各入力画像データをラスタ・ベクタ変換手段によりCADデータに変換し、貫通パターンとは画像撮り込み方向が逆の表面パターン又は裏面パターンのCADデータを貫通パターンと撮り込んだ画像の向きが同一になるように反転して、複数のCADデータ間の寸法差が計測可能なように所定の基準点を中心にCADデータの位置合わせを行い、三者を互いに重ね合せる機能を有している構成とすることにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0019】
【作用】
請求項1の発明においては、表面パターン及び裏面パターンの反射像をそれぞれ画像入力してベクタデータからなるCADデータに変換すると共に、いずれか一方のCADデータを反転させて互いに重ね合せるようにしたので、画像撮り込み方向が逆の関係にある両パターンを、CAD装置上で相互に位置合せして正確に重ね合せることが可能となる。
【0020】
従って、リードフレームであれば、1ICチップ分等を単位として両パターンを重ね合せた状態を画面に表示することが可能となり、表裏両面パターンの寸法差が視覚的に認識でき、ズーム、スクロール等も実行可能となるので、リアルタイムで広範囲に亘って両パターンを見渡せ、比較することができて、しかも必要に応じてズームをかけた状態での寸法計測も可能となる。
【0021】
請求項2の発明においては、同様に、反射像である表面パターン又は裏面パターンと、貫通パターンとをCAD装置上で正確に重ね合せ、画面上等に表示させることができるので、同様に両者の寸法差を視覚的に容易に認識することが可能となる。
【0022】
請求項3の発明においては、表面パターン及び裏面パターンの両反射像と、貫通パターンの透過像とを、その画像撮り込み方向が逆のパターンについては、変換されたCADデータを反転してCAD装置上で3者を重ね合せるようにしたので、これら3パターンを同様に画面上に正確に重ね合せた状態で表示することが可能となる。
【0023】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る一実施例のCADシステム(複数パターン同時計測装置)の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
上記CADシステムは、サンプル(現物)を装着するサンプル装着装置30と、該装着装置30にセットされたサンプルを拡大する光学顕微鏡32と、該顕微鏡32による観察像を受光してカラーのビデオ信号に変換するCCDカメラ34と、該CCDカメラ34からのカラービデオ信号を処理する画像処理装置36と、該画像処理装置36で処理した画像データをカラー表示できるTVモニタ38と、通常の作図機能の他に上記画像処理装置36から入力される画像データからCADデータを生成させるためのラスタ・ベクタ変換機能や、2以上のCADデータの重ね合せや、それらの相互の位置移動(シフト)、寸法測定等の機能を有するCAD装置を構成するエンジニアリングワークステーション(EWS)40とを備えている。
【0026】
又、上記CADシステムでは、サンプル装着装置30が、サンプル装着部(図示せず)を有する手動の回転ステージ42と、サンプルを平面方向に移動させるXYステージ44と、サンプルを垂直方向に移動させるZステージ46で構成され、XYステージ44及びZステージ46は、ワークステーション40からインタフェイスRS232Cを介して指令を受けて作動するXYステージコントローラ48及びオートフォーカスコントローラ50によりそれぞれ駆動制御されるようになっている。又、上記XYステージ44にはレーザ位置検出器が取り付けられ、そのXY方向の位置計測が同じくワークステーション40からの指令により作動するレーザスケールカウンタ52により行われ、その実測値がワークステーション40にフィードバックされ、XYステージコントローラ48によるXYステージ44の位置計測値の修正が行われるようになっている。
【0027】
又、上記オートフォーカスコントローラ50には、CCDカメラ34からオートフォーカスに使用する画像信号が直に入力されるようになっており、顕微鏡32を介して取り込まれた画像を別に設けてあるオートフォーカス用モニタ(図示せず)で直接見ることができるようになっていると共に、該オートフォーカスコントローラ50からTVモニタ38にもモノクロ(B/W)のビデオ信号が入力されるようになっている。
【0028】
図2は、上記装着装置30、光学顕微鏡32及びCCDカメラ34の外観を示した斜示図であり、前記図1に示したXYステージ44は、Xステージ44AとYステージ44Bからなり、それぞれ前記ステージコントローラ48に接続されているX駆動モータ54A、Y駆動モータ54BによりX方向、Y方向に移動可能になされ、Yステージ44Bの上にはサンプルを装着する回転ステージ42が取り付けられ、手動で回転できるようになっている。
【0029】
又、Xステージ44A及びYステージ44Bの側面には、それぞれ微細回折格子からなるスケールパターン56A、56Bが付設され、且つ上記X駆動モータ54A、Y駆動モータ54Bで移動された両ステージ44A、44Bの位置をレーザ光をスケールパターン56A、56Bに照射して検出するためのX位置検出器58Aと、Y位置検出器58Bとが設置され、これら両検出器58A、58Bは前記レーザスケールカウンタ52に接続されている。
【0030】
又、上記Xステージ44Aの下には、前記Zステージ46が配置され、該Zステージ46はZ駆動モータ54Cにより垂直方向に進退動可能になっており、該Z駆動モータ54Cは前記オートフォーカスコントローラ50に接続され、該コントローラ50からの制御信号に基づいて光学顕微鏡32の対物レンズ32Aとサンプルとの間の距離を増減して、該顕微鏡32に対するオートフォーカスが行われるようになっている。
【0031】
又、上記Zステージ46の下には支持台を兼ねた透過光源ユニット60が配置され、該ユニット60には顕微鏡32に対して下から投光する透過光源(図示せず)が内蔵され、且つその側壁には透過光源スイッチ60Aと光量調整ボリューム60Bとが付設されている。
【0032】
更に、前記顕微鏡32には落射光源ユニット62が取り付けられ、該ユニット62には落射光源(図示せず)が内蔵され、該ユニット62の側壁には落射光源スイッチ62Aと光量調整ボリューム62Bとが付設されている。
【0033】
従って、サンプルの顕微鏡画像をCCDカメラ34で取り込む際には、透過及び落射の少なくとも一方の光源を使用することが可能になっている。
【0034】
次に、図3を用いて前記画像処理装置36の構成の特徴と処理機能について説明する。なお、この処理装置36としては、画像入力・処理・2値化の処理機能を有する、例えば、セイコー電子工業(株)製のSV−2110(商品名)を利用することができる。
【0035】
この画像処理装置36は、CCDカメラ34から入力されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各信号を1画面毎に記憶することができる、それぞれ四角形で囲んで示すR画像、G画像、B画像用の3つのフレームメモリと、Y(輝度)信号を記憶するモノクロのB/W画像用の1つのフレームメモリと、前記R、G、B信号を3×3マトリックス演算部で処理して得られるH(色相)、S(彩度)、V(輝度)のそれぞれの画像データを記憶するH、S、Vの各画像用の3つのフレームメモリと、R信号とB信号を画像算術演算部で処理して得た両者の差分画像データを記憶するR−B差分画像用フレームメモリの、合計8個のフレームメモリを備えている。
【0036】
このように異なる色信号を採用する理由は、図4の表に示すように、現物試料(現物パターン)によって使用されている材料や要求される画像の種類が異なることがあるため、使用に適した光源の種類や最適な色信号が異なることにある。
【0037】
即ち、原版パターンは、リードフレームの表用と裏用の2種類あり、いずれもガラス乾板(ガラス板に不透明なフィルムでパターンが形成されている)であるため、白黒の透過像が良好なコントラストで得られることから、B/W画像のフレームメモリが最適プレーンである。
【0038】
又、製版パターンは、リードフレームの表面及び裏面に形成されるレジストパターンであるため、金属材料及びレジストの種類によって異なると共に、落射光源を使用して反射像を受光する必要がある。
【0039】
レジストとしてカゼインを使用している場合には、現像後の加熱硬化の段階でレジストが赤系統の色になっているため、材料が銀白色の42アロイでは最適プレーンとしてB画像のフレームメモリを使用できるが、銅(Cu)材ではそれ自体が赤系統の色であるため、B画像ではその差が明瞭でないため、V画像のフレームメモリが最適のプレーンとなる。
【0040】
又、レジストとしてブルー系のドライフィルムを使用する場合は、42アロイではR画像が最適であるが、銅材ではR−B差分画像のフレームメモリが最適プレーンとなる。
【0041】
エッチングが終了し、レジスト膜を除去した後の製品パターンの場合は、貫通形状の透過像と表裏両面それぞれの反射像とを受光することができ、透過像は前述した如く黒白のB/W画像が、反射像の場合はH(色相)画像が最適プレーンとなる。
【0042】
又、製品パターンの中でも、前記図18に示したようにインナリードにポリイミド樹脂からなる固定用テープ22(表にはTPと記す)が貼り付けられている場合には、テープは赤系統で透明度が高いため、テープが画像入力されない完全透過像を得るためには、B/W画像が最適プレーンとなる。但し、後述する2値化の閾値を適切に設定する必要がある。
【0043】
逆に、テープを含めた透過像を撮り込むためには、テープに対しても不透過のブルーが好適であるため、B画像が最適プレーンとなる。
【0044】
更に、テープ部分のみを撮り込みたい場合は、落射光源を用いる反射像に対してH画像が最適プレーンとなる。
【0045】
上述した如く、画像として撮り込む対象に応じて最適な使用プレーンを選択すると、前記8個のフレームメモリの中から対応する画像信号が2値化処理部に入力される。この2値化処理部で入力された画像データについて2値化処理を行う。その際に設定する閾値は、例えば0から255の階調値の中から任意に設定することができる。
【0046】
上記2値化処理部で2値化された画像データに対して、現物パターンの表面の微細な粗さ等が原因で生じる画像上の黒スポット又は白スポットを除去するためのモフォロジー処理を行う。但し、透過像の場合はこのようなスポットは発生しないので行う必要はない。
【0047】
除去する対象のスポットが白又は黒のいずれであるかを設定し、所定のモフォロジー回数を設定して、その回数の画像の膨脹・収縮処理を行ってスポットの除去を行う。
【0048】
次いで、上記処理を行って得られた2値画像は、CAD装置として機能するワークステーション40に入力され、ここで該2値画像をラスタ・ベクタ変換部で処理してCADデータに変換する。このワークステーション40としては、通常のCADソフトと現物照合CADソフト(例えばコンピュータビジョン社のCADソフトMedusa (商品名))で起動される、例えばサンマイクロシステムズ社のSparc Station10(商品名)を利用することができる。
【0049】
上記ラスタ・ベクタ変換部には、一般的なアウトラインのCADデータに変換する方式と、詳細説明は省略するが、白又は黒の領域の画像データを台形エリアのCADデータに変換する方式とがある。このラスタ・ベクタ変換部で信号の変換処理を行う場合には、直線近似の精度を決めるためのRV頂点間引係数を設定する。この係数が小さい程アウトラインの場合は、線のギザギザが少なく、台形エリアの場合は抽出される台形を細かくすることができる。
【0050】
又、上記2つの変換方式のいずれかを選定すると共に、台形エリア変換方式を選定する場合には、白又は黒のいずれかを選定し、台形エリア処理の対象領域を決めてやる必要がある。
【0051】
本実施例のCADシステムは、更に、画像入力手段により、リードフレームの表面パターン及び裏面パターンの両方を落射光源下で反射像として、又、貫通パターンを透過光源下で透過像として、それぞれ画像入力し、ラスタ・ベクタ変換手段により各入力画像データをCADデータに変換し、貫通パターンの画像が表面パターンと、同方向から撮り込まれ、裏面パターンのCADデータを反転して、互いに重ね合せる機能を有している。この機能は、前記ワークステーション40でソフトウェアによって与えられるようになっており、上記3つのパターンを全て重ね合せると共に、任意の2つの重ね合せもできるようになっている。
【0052】
次に、本実施例の作用を、図5のフローチャート等を参照しながら説明する。
【0053】
まず、具体的な操作を開始する前に、システムの機能の基本的な設定と調整とを行っておく。特に、顕微鏡32のレンズやカメラ34を交換したときには、カメラ34とXYステージ44の直交調整を行う必要がある。これはカメラマウント部を手動で回転させて行う。この直交調整は、図6にモニタ画面を模式的に示すように、サンプル装着部にある、×印で示す微小なマーク(微小なゴミでもよい)を基準点とし、これがモニタ画面から外れない範囲で左右のX方向に水平移動させた場合に、モニタ上の基準線(水平線)から上記基準点がズレなければOKとすることで行うことができる。
【0054】
又、画像計測機能を与えるために、1画素当りの寸法と、画面送りピッチを測定しておく必要がある。これは、1画面サイズ(本実施例では、512×480画素)に対応するステージ送り値を測定することにあたり、具体的には、モニタ38の画面を示した図7に示すように、×印で示す基準点を、画面上のX方向及びY方向のいずれにも1/4、3/4の位置にある基準線上の4ポイントに動かし、そのときのX方向、Y方向のステージ移動距離を、前記レーザスケールカウンタ52によるカウント値を用いることにより高精度に測定することができる。この場合、1画素当りの寸法はXs/256、Ys/240となり、X方向、Y方向それぞれの画面送りピッチは2Xa、2Ysとして計算される。なお、上記寸法、ピッチの測定には、レーザスケールカウンタを使用せずに、XYステージの駆動モータ(ステップモータ)による送りピッチ、例えば1μmを使用してもよい。
【0055】
以上の準備操作が完了していることを前提に、ステップS1でサンプルのセッティングを行う。具体的には、前記図2に示したように、回転ステージ42の所定位置にサンプル(リードフレーム)を装着し、オペレータがモニタ38に表示されているカメラ34から撮り込まれたサンプルの画像を見ながら、上記回転ステージ42を操作して、サンプルの直交調整を行う。
【0056】
上述したXYステージ44との直交調整が既に終了しているCCDカメラ34により入力されたサンプルの水平エッジを表示したモニタ画面が、図8のようであるとすれば、XYステージ44をX軸方向に大きく動かした場合でも水平基準線から上記エッジがズレないような位置に、回転ステージ42を手動で回転させ、サンプルとXYステージ44との間の直交調整を行う。
【0057】
次いで、ステップS2で、使用光源の選択と、その光量調整を行う。即ち、スイッチ60A又は62Aのいずれかをオンにすることにより、透過光源又は落射光源を選択する。希望する光源を選択し、オートフォーカス装置のモニタを見て輝度信号が規定範囲に入るように60B又は62Bの光量ボリュームにより、光量の調整を行う。なお、場合によっては上記両光源を同時に使用することもできる。
【0058】
次のステップS3からS6までは、例えば図9〜図11に模式的に示したような、モニタ画面に表示されるメニュー画面(それぞれ同一画面にウィンドウ表示することもできる)でメニューを選択することにより実行される。
【0059】
まず、ステップS3で、画像として取り込まれたアイランド(ダイパッド)の中心指定を行う。
【0060】
本実施例では、図12にアイランド10を拡大して示すと共に、その右側にモニタ画面を示すように、該アイランド10の上端の点PT 、及び下端の点PB をそれぞれカメラ入力画面のY軸方向中心に一致させて入力することにより、それぞれのY座標値YT 、YB が算出され、左側端の点PL 及び右側端の点PR をそれぞれ画面のX方向中心に一致させて入力することにより、それぞれX座標値XL 、XR が算出されるようになっている。従って、これら4箇所の白黒(黒の部分は斜線で示した)の境界にあたるエッジ位置の座標値から、位置合せ原点となるアイランド中心の座標(X、Y)が次式で算出される。
【0061】
X=(XR +XL )/2, Y=(YT +YB )/2
【0062】
なお、CADシステムにエッジ検出機能がある場合には、上述のように左右上下の白黒の境界のエッジ部を、画面上のX座標、Y座標の中心に一致させなくとも、同様の中心指定を行うことができる。このように入力画像のアイランドの中心を特定することにより、該中心をCADデータの設計パターンのアイランドの中心に一致させる重ね合せ表示を正確に行うことが可能となる。
【0063】
次のステップS4では、サンプルの撮り込みエリアを指定する。
【0064】
1チップ分の、例えば前記図1に示したリードフレームを撮り込む場合であれば、XYステージ44を移動させながら、カメラ34から入力され、モニタ上に映し出されているリードフレームの左右上下の端部を順次画面内に移動させて、例えばカーソルでそれぞれの点(矩形領域を規定する4端点)を指定することにより、撮り込みエリアを指定することができる。その際、部分的な領域(例えばインナリードのボンディングエリア)を含む複数のエリアを指定することもできる。
【0065】
又、製品設計寸法のCADデータが入力されている場合には、そのCADデータから寸法を読み取り、その寸法値を使って4端点の座標を、例えば自動設定できるようにして撮り込みエリアを指定することもできる。この場合は、短時間でエリア指定ができると共に、後に実行するCADデータの設計パターンと画像入力された現物パターンの重ね合せの際の位置合せが容易になる。
【0066】
以上のステップS3、S4で指定された画像上のアイランドの中心と撮り込みエリアに関する情報は、設定ファイルXYに格納される。
【0067】
次いで、ステップS5でオートフォーカス(AF)の条件設定を行う。ここでは、モードを選択し、リミット値を設定する。このモードには、平坦なサンプルに適用するZ軸方向に1つの基準点(位置)を決め、その点から上下にZステージ46を微小移動させながら合焦させる2WAY方式と、凹凸の大きい表面に適用する、合焦点を越える所定の下方位置迄Zステージ46を下降させた状態から、該ステージ46を徐々に上昇させてサンプルをレンズに近付けて合焦させる1WAY方式と、対物レンズ(本実施例では5種類)の中からの使用レンズの選択とがある。
【0068】
リミットは、オートフォーカス時にレンズとサンプルとの衝突を防止するために設定する接近限界距離である。なお、ここでは、モードとして凹凸の激しい製品サンプルでは1WAYを、激しくない場合は2WAYを選択する、レンズとして分解能1μm/1画素で取り込むために20倍対物レンズを用い、そのためのフォーカスパラメータ設定ファイルを使用する、リミット値として原点より2mm、フォーカス作動距離の最大値をリミットの1/2にする、等の通常デフォルト値を設定する。このステップで設定した条件は、設定ファイルAFに格納される。
【0069】
AFモードとして2WAY方式を選択する場合、試料のエッジ部分が画面に入るようにし、オートフォーカスを起動するか、あるいはマニュアルでZステージ46を移動するかして、フォーカス原点(基準点のZ座標値)も設定する。オートフォーカスは、上述の如くこの位置を基準にZステージ46を上下微小移動して実行される。
【0070】
次のステップS6では、画像処理の条件を設定する。その内容は、使用する色が異なる前記図3に示した8種類の画像フレームメモリの中から使用する入力プレーンの選択と、2値画像を作成する際の2値化閾値の設定、白又は黒の不要な点を画像データから除くために行うモフォロジー条件及びラスタ・ベクタ(RV)変換条件である。このステップで設定した条件は、設定ファイルSVに格納される。
【0071】
以上の操作で各設定ファイルへの条件の格納が終了した後、ラスタ・ベクタ変換方式(アウトライン(輪郭)モード又は台形エリアモード)の選択を行う。
【0072】
輪郭モードを選択するステップS7、台形モードを選択するステップS8のバッチ処理がワークステーション40内で自動的に実行され、画像入力された撮り込み領域全体のラスタデータがベクタデータに変換されて作成されるCADデータは、出力ファイルLFXに格納されると共に、ステップS9で各種CADシステムのフォーマットへデータ変換され、種々の照合処理が行われる。この照合(重ね合せ)処理はワークステーションの画面上のメニューを選択することによって行われる。
【0073】
次に、CAD装置(ワークステーション40)の内部で実行される上記ステップS7、S8のバッチ処理を、図13のフローチャートに従って説明する。
【0074】
まず、ステップS11で、前述した各設定ファイルXY、AF、SV等から前記操作で格納したデータ等の読み込みと共に、撮り込みエリアのセル分割の計算を行う。
【0075】
ここで読み込まれる各設定ファイル内容を以下に例示する。
【0076】
ファイルXY
・アイランド4辺の位置(アイランド中心)
・入力指定エリア数
・各矩形エリアの座標値
ファイルSV
・入力カラープレーン番号
・2値化閾値
・モフォロジー方向と回数(+:白〜黒、−:黒〜白)
・RV間引係数
ファイルAF(通常固定)
・セル単位実行か、固定フォーカス選択
・AFモード(レンズ5種類に各2モード(1又は2WAY))
・ソフトリミット値(Zステージ上限、下限)
レンズファイル(固定)
・レンズ別視野寸法
・512×480画素の実寸法(非矩形歪みを含む)
【0077】
なお、ファイルSVの内容でモフォロジ−方向の+は白い画像から黒点を除く場合、−は黒い画像から白点を除く場合を意味する。又、ファイルAFの内容で、「セル単位実行」は1回の画像撮り込み毎にオートフォーカスを実行することで、例えばリードフレームのように微小凹凸があるサンプルに適用し、固定フォーカスはガラス原版のように平坦度が高いものに適用する。ソフトリミット値は、前記ステップ5で設定したリミット値と同様で、オペレータがサンプルとレンズが衝突しないように設定するZステージの移動上限値や、必要以上に下がらないようにするための下限値である。
【0078】
又、レンズファイルには、上記5種類の対物レンズについて、それぞれの視野寸法、本実施例に採用されているCCDカメラ34の全画素に対応する実寸法(レンズによる歪み分を補正した4点の寸法)とが格納されている。
【0079】
同じくステップS11で実行する前記セル分割の計算は、例えば1チップ分のリードフレームが40mm×40mmであり、CCDカメラ34の512×480画素による視野寸法が496μm×464μmであるとして説明すると、図14に示すように、リードフレームを80×86の単位(セル)に分割することを意味し、セルはXYステージ44をX方向、Y方向に順次移動させてリードフレーム全体を画像入力する際の入力単位であり、又、次のセルに送る際の送りピッチ(オフセット量)でもある。但し、実際には、各撮り込み画像の境界を鮮明にするために、通常はオフセット量をセル寸法の90%程度に設定する。
【0080】
ステップS11のセル分割数の計算が終わると、ステップS12で、ワークステーションからの指令によりXYステージコントローラ48がXYステージ44を移動させて、光学顕微鏡32の視野を最初の撮り込み位置に設定する。その際、レーザスケールカウンタ52で実際に計測した実測位置(X、Y座標値にあたる)をワークステーション40にフィードバックする。
【0081】
次いで、ステップS13で、上記カメラ設定位置でワークステーション40からの指令に基づいてオートフォーカスコントローラ50によりオートフォーカスが実行されると共に、該コントローラ50で合焦位置のZ座標値を読み込み、それをワークステーション40に送信する。
【0082】
その後、ステップS14で、ワークステーション40から画像処理装置36(SV)へ指令がなされ、画像処理装置36が起動して、CCDカメラ34から該処理装置36へ画像フレームの入力が行われ、入力されたラスタ画像に対する2値化と、不要な点を画像から除くモフォロジー処理が行われて2値画像を生成する。
【0083】
次いで、ステップS15で、ラスタ・ベクタ変換が実行される。まず、ステップS14で生成した上記2値画像のデータが画像処理装置36からワークステーション40に読み込まれ、該データをRV変換部でベクタデータに変換し、それを再び画像処理装置36に送信して、TVモニタ38に表示させると共に、ベクタデータをCADデータに変換し、それをファイルに格納すると同時に、XYステージを送った1回のオフセット量やスケーリングを演算して次のセルに移動し、前記ステップS12に戻って該セルに対してステップS15までの処理が実行され、この処理が繰り返される。
【0084】
なお、図13に破線で示したように、上記ステップS14が終了した時点で、XYステージコントローラ48、オートフォーカスコントローラ50に次のセルへ移動させるためのコマンドを発行し、先準備を行うことにより、RV変換処理とXYステージ移動と、オートフォーカス処理を並行処理で行うことができるようになっている。
【0085】
以上の画像撮り込みを、例えば前記図14の全領域について実行することにより、1チップ分のリードフレーム全体をベクタデータでモニタ38上に表示でき、且つリードフレームのCADデータを生成することができる。
【0086】
このように作成したCADデータを前記図5のフローチャートのステップS9で示したように、各種CADシステムのフォーマットへデータ変換すると、モニタ38の画面にもともとCADデータとして入力されている製品設計寸法データや、それに補正代を加えた加工寸法データを、図形パターンとして表示すると共に、これらデータに本実施例で画像入力データからCADデータに変換したリードフレームの製品パターンを重ねて表示させることができる。
【0087】
図15は、1つのリードフレームの画面上の照合例を示したものであり、外側の線画Aが加工寸法パターン、その内側のBが補正してAにする前の製品設計パターン、Cが実際にエッチングして得られた現物の製品パターン(インナリード)である。この製品パターンは、B/W画像のフレームメモリを使用した貫通像である。この図15から、補正代の設定がほぼ適切であることが分かる。
【0088】
本実施例では、更に、図16に模式的に示すような重ね合せ表示の機能を有している。即ち、図16(A)に、左から表面パターン、裏面パターン及び貫通パターンをそれぞれ模式的に示し、各パターンに同一の局所パターン位置と方向とを矢印で示したように、表面パターンと貫通パターンとは同一方向からそれぞれ反射像と透過像で撮り込まれ、裏面パターンはこれら両パターンとは反対側から反射像として撮り込まれる。従って、裏面パターンが他の2つと逆向きの関係にあり、矢印の位置が逆になっている。
【0089】
そこで、本実施例では、前記CCDカメラ34から所定のピッチで、例えば1チップ分のリードフレームについて画像入力する作業を、上記3つのパターンについて順次実行して、それぞれラスタデータとして撮り込み、それを個別に前記ワークステーション40に内蔵されているラスタ・ベクタ変換部でベクタデータに変換してCADデータにした後、逆向きに撮り込まれている裏面パターンのCADデータを反転する処理を行った後、これら3つのCADデータを装置上で重ね合せ、例えばモニタ38の画面に表示し、それを見ながら互いに位置合せするか、それぞれの原点を一致させることにより、正確に重ね合せることができる。
【0090】
図16(B)は、以上の処理がワークステーション40で実行され、画像処理装置36を介してモニタ38の画面に表示された拡大パターンを模式的に示したものであり、ここで符号A、B、Cは、前記図20(B)に示したアンダーエッチングによる不良の例と同様に表面、裏面及び貫通の各パターンに相当する。又、この図16(B)の左上の符号Dは、前記図21に示したハーフエッチングの正常なパターンの例である。
【0091】
又、図16(C)は、前記図20(C)に示した表面パターンAと貫通パターンCが一致している場合に、又、図16(D)は前記図20(D)に示した見当ずれの場合に、それぞれ相当する本実施例による重ね合せ表示を模式的に示したものである。
【0092】
このように、本実施例では、3つのパターンを正確に重ね合せることができるため、相互の寸法差を視覚的に容易に、しかも広範囲につかむことができるため、エッチング不良部分の検査も正確に行うことができる。又、前述した計測機能を用いることにより、その寸法差を、例えば拡大表示することにより、高精度に測定することもできる。
【0093】
又、図17は、同じく上記重ね合せ表示機能を使ってインナリードの先端部近傍を実際に画面表示したもので、外側の線画Dは表面側の反射像、その内側のEは裏面側の反射像をそれぞれ重ね合せて表示した画像の照合例である。
【0094】
この図から、透過像からは把握できない表側と裏側のエッチングの程度の差が明瞭に把握することができる。前述した如くリードフレームのエッチングは、通常、チップが搭載される側の表面を下にして、上下両方向からエッチング液を吹き付けて行う。表面側を下にする理由は、インナリード先端部の表面にワイヤボンディングのために十分な幅を確保する必要があるのに、上の面の方がエッチングが進み易いことにある。この図17から、表裏両面にエッチングの違いがあることが、はっきりと理解することができる。
【0095】
以上詳述した本実施例のCADシステムにおいて、その基本的特徴と性能を簡単にまとめると、次のようになる。
【0096】
フルカラー画像入力処理が可能であるため、レジストパターン、製品の表裏別パターンを、相互に、あるいは設計パターン等と重ね合せて照合することが可能になるため、寸法比較や計測が可能となり、エッチングの客観的評価が可能となる。独自の自動位置決め機能を有するため、アイランドのセンターを自動算出することができる。各種市販CADシステム、例えば前記コンピュータビジョン社のMedusa (商品名)等に対してインタフェイスとして機能する。
【0097】
又、測定性能としては、分解能:1μm、測定精度:1μm保証、視野寸法:496×464μm(512×480画素)、測定寸法:200mm角(拡張可能)、測定対象:製品(透過像、表裏別反射像)、製版(レジスト反射像)、ガラス原版(透過像)を挙げることができる。
【0098】
従って、本実施例のCADシステムは、エッチング補正代の自動算出、製造工程毎の寸法管理、製品の寸法検査等の品質管理、エッチングシミュレータ等、研究開発へのデータ提供等の用途に利用できる。
【0099】
以上詳述した如く、本実施例によれば、リードフレームの微細パターンについて、表、裏、及び貫通の各パターンを任意に組合せ、重ね合せて表示し、相互に照合して高精度に寸法計測することができる。
【0100】
又、エッチング補正代を客観的データにより定量化することが可能となることから、試行錯誤による補正代の入れ直しを減らすことが可能となり、結果として納期を短縮することができる。
【0101】
又、公差判定をまとめて、しかも自動的にも行うことが可能となるため、その認証の手間を大幅に省くことが可能となり、しかも見落としがなくなるため、精度を向上することができる。
【0102】
更に、CADパターン、原版パターン、製版パターン、製品パターンの間の相互比較が可能となるため、製造ラインの精度把握や品質保全が工程別に行うことが可能となる。
【0103】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0104】
例えば、サンプルはリードフレームに限定されるものでなく、例えばカラーテレビ用のシャドウマスクでもよい。
【0105】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、表面パターン及び裏面パターンの反射像をそれぞれ画像入力してベクタデータからなるCADデータに変換すると共に、いずれか一方のCADデータを反転させて互いに重ね合せるようにしたので、画像撮り込み方向が逆の関係にある両パターンを、CAD装置上で相互に位置合せして正確に重ね合せることが可能となる。従って、表裏両面パターンの寸法差が視覚的に認識でき、ズーム、スクロール等も実行可能となるので、リアルタイムで広範囲に亘って両パターンを見渡せ、比較することができて、しかも必要に応じてズームをかけた状態での寸法計測も可能となる。
【0106】
請求項2の発明によれば、同様に、反射像である表面パターン又は裏面パターンと、貫通パターンとをCAD装置上で正確に重ね合せ、画面上等に表示させることができるので、同様に両者の寸法差を視覚的に容易に認識することが可能となる。
【0107】
請求項3の発明によれば、同様に、表面パターン及び裏面パターンの両反射像と、貫通パターンの透過像とを、その画像撮り込み方向が逆のパターンについては、変換されたCADデータを反転してCAD装置上で3者を重ね合せるようにしたので、これら3パターンを同様に画面上に正確に重ね合せた状態で表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例のCADシステムの概略構成を示すブロック図
【図2】CADシステムのサンプル装着装置、顕微鏡、CCDカメラを示す斜示図
【図3】CADシステムの画像処理装置が有するフレームメモリと、処理機能を示すブロック図
【図4】サンプル別の最適入力プレーンを求めて示す図表
【図5】実施例の作用を示すフローチャート
【図6】カメラとXYステージの直交調整時のモニタ画面を示す説明図
【図7】画素当りの寸法と画面送りピッチの算出時のモニタ画面を示す説明図
【図8】サンプルとXYステージの直交調整時のモニタ画面を示す説明図
【図9】CADシステムのメニュー画面を例示する説明図
【図10】CADシステムのメニュー画面を例示する他の説明図
【図11】CADシステムのメニュー画面を例示する更に他の説明図
【図12】アイランドの中心指定の方法の一例を示す説明図
【図13】CAD装置内部で実行されるバッチ処理の手順を示すフローチャート
【図14】セル分割の計算方法を示す説明図
【図15】複数パターンを重ね合せ表示した画面の一例を示す説明図
【図16】複数パターンに対応する各CADデータの重ね合せ方法と表示例を示す説明図
【図17】複数パターンを重ね合せ表示した画面の他の一例を示す説明図
【図18】リードフレームの一例を示す平面図
【図19】リードフレームの製造過程を概念的に示す説明図
【図20】貫通エッチングの特徴と問題点を示す説明図
【図21】ハーフエッチングの特徴を示す説明図
【符号の説明】
30…サンプル装着装置
32…光学顕微鏡
34…CCDカメラ
36…画像処理装置
38…TVモニタ
40…ワークステーション(EWS)
42…回転ステージ
44…XYステージ
44A…Xステージ
44B…Yステージ
46…Zステージ
48…XYステージコントローラ
50…オートフォーカスコントローラ
52…レーザスケールカウンタ
54A…X駆動モータ
54B…Y駆動モータ
54C…Z駆動モータ
56A、56B…スケールパターン
58A…X位置検出器
58B…Y位置検出器
60…透過光源ユニット
60A…透過光源スイッチ
60B…光量調整ボリューム
62…落射光源ユニット
62A…落射光源スイッチ
62B…光量調整ボリューム

Claims (3)

  1. エッチング加工された製品パターンを画像入力する画像入力手段と、入力された画像データをCADデータに変換するラスタ・ベクタ変換手段とを備えると共に、2以上のCADデータを重ね合せ表示する機能を有する複数パターン同時計測装置であって、
    単一の画像入力手段により、同一製品パターンの表面パターン及び裏面パターンをそれぞれ落射光源下で反射像として、個別に複数分割したセルを単位に画像入力し、各入力画像データをラスタ・ベクタ変換手段によりCADデータに変換し、いずれか一方のCADデータを他方と撮り込んだ画像の向きが同一になるように反転して、複数のCADデータ間の寸法差が計測可能なように所定の基準点を中心にCADデータの位置合わせを行い、互いに重ね合せる機能を有していることを特徴とする複数パターン同時計測装置。
  2. エッチング加工された製品パターンを画像入力する画像入力手段と、入力された画像データをCADデータに変換するラスタ・ベクタ変換手段とを備えると共に、2以上のCADデータを重ね合せ表示する機能を有する複数パターン同時計測装置であって、
    単一の画像入力手段により、同一製品パターンの表面パターン及び裏面パターンのいずれか一方を落射光源下で反射像として、又、貫通パターンを透過光源下で透過像として、それぞれ個別に複数分割したセルを単位に画像入力し、各入力画像データをラスタ・ベクタ変換手段によりCADデータに変換し、両パターンの画像撮り込み方向が逆の場合にはいずれか一方のCADデータを他方と撮り込んだ画像の向きが同一になるように反転して、複数のCADデータ間の寸法差が計測可能なように所定の基準点を中心にCADデータの位置合わせを行い、互いに重ね合せる機能を有していることを特徴とする複数パターン同時計測装置。
  3. エッチング加工された製品パターンを画像入力する画像入力手段と、入力された画像データをCADデータに変換するラスタ・ベクタ変換手段とを備えると共に、2以上のCADデータを重ね合せ表示する機能を有する複数パターン同時計測装置であって、
    単一の画像入力手段により、同一製品パターンの表面パターン及び裏面パターンの両方を落射光源下で反射像として、又、貫通パターンを透過光源下で透過像として、それぞれ個別に複数分割したセルを単位に画像入力し、各入力画像データをラスタ・ベクタ変換手段によりCADデータに変換し、貫通パターンとは画像撮り込み方向が逆の表面パターン又は裏面パターンのCADデータを貫通パターンと撮り込んだ画像の向きが同一になるように反転して、複数のCADデータ間の寸法差が計測可能なように所定の基準点を中心にCADデータの位置合わせを行い、三者を互いに重ね合せる機能を有していることを特徴とする複数パターン同時計測装置。
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