JP3922069B2 - シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムなどのシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子フィルムなどのシートの幅方向の厚みを所望のプロファイル、例えば均一の厚みに制御する従来のシート製造方法の例を図1および図2を用いて説明する。
【0003】
押出機3より押し出されたシートの材料たる重合体は、ダイ4で図1の紙面に垂直な方向(シートの幅方向)に拡げられ押し出されて、延伸機2により縦方向(シート走行方向、以下MD方向とも呼ぶ)、横方向(シート幅方向、以下TD方向とも呼ぶ)に延伸されて巻取機6に巻き取られる。厚み測定器8はセンサをシート幅方向に走査させることでシート1の厚みをシート幅方向の分布として測定し、制御手段9は、ダイ4の幅方向に等間隔に複数個配設された厚み調整手段10のそれぞれを、これに対応する箇所の測定値に基づいて制御する。厚み調整手段10は、ヒーター、ギャップ調整具等によってダイのスリット幅を調整し、もって重合体の吐出量を変える働きをする。
【0004】
厚みの測定結果を厚み調整手段の制御に反映させる方法としては、複数の厚み調整手段のそれぞれについて独立した制御ループを構成し、各制御ループで、厚み測定値と目標値の偏差に対して比例、積分、微分演算を施した結果を操作量として厚み制御手段に出力するPID制御が広く利用されている。また、特公平6−75906号公報、特公平6−75907号公報、特公平6−75908号公報、特許第3021135号公報に開示されているような現代制御も知られている。
【0005】
ところで、シートの厚み分布にはTD方向の厚みプロファイルの他に、特許第3006751号に記載のように押出機3の吐出量変動(1.0×10-3[1/s]以下)、ダイ4と冷却ドラム5の間の膜振動(0.5[1/s]以上1.5[1/s]未満)、延伸機2での縦延伸の延伸ムラ(5.0[1/s]以上)に起因するMD方向の周期的な厚み分布も存在する。厚み測定手段がTD方向に走査する間には形成されるシートもMD方向に走行しているので、厚み測定手段から得られる信号には、TD方向の厚みプロファイルとMD方向の厚み分布が混在していることになる。
【0006】
ここで、吐出量変動に起因するMD方向の厚み分布の変動は、厚み測定手段の走査よりも十分ゆっくりであるため、厚み測定手段が測定する信号にはほとんど影響しない。
【0007】
一方、膜振動と縦延伸の延伸ムラに起因するMD方向の厚み分布は、厚み測定手段が測定する信号に加わるため、TD方向の厚みムラと混同され、そのまま厚み調整手段にフィードバックさせると、かえって厚みムラを作り出してしまうという問題がある。従って、得られる信号成分から膜振動と縦延伸の延伸ムラに起因するMD方向の厚み成分を取り除き、TD方向の厚みプロファイルのみを演算することがTD厚み制御上大変有益である。
【0008】
この問題に対して特開平1−192892号公報には厚み測定装置から得られる信号を測定位置毎に2次の低域IIRフィルタを用いて平滑化演算をすることでTD厚みプロファイルを求める手法が開示されている。しかしながら、この手法では精度良くTD方向厚みプロファイルを求めるためには平滑化に用いる走査回数を多く取らなければならず、結局厚み調整手段へのフィードバックが遅れるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術の上記問題点を解決し、厚み測定手段の少ない走査回数で、膜振動と縦延伸の延伸ムラに起因するノイズ成分を取り除いたTD方向の厚みプロファイルを演算し、もって所望の厚みプロファイルを実現するシートの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、複数の厚み調整手段を備えたダイから材料を吐出してシートを形成し、シートの幅方向に走査するシート厚み測定手段によってシート厚みを測定し、測定したシート厚みプロファイルに基づいて所望の厚みプロファイルとなるように厚み調整手段を操作する手順を含むシートの製造方法であって、次式(1)を満たすようにシート厚み測定手段を走査させる、シートの製造方法である。
v<2・f・d …式(1)
また本発明は、複数の厚み調整手段を備えたダイから材料を吐出してシートを形成し、シートの幅方向に走査するシート厚み測定手段によってシート厚みを測定し、測定したシート厚みプロファイルに基づいて所望の厚みプロファイルとなるように厚み調整手段を操作する手順を含むシートの製造方法であって、隣接する2個以上の厚み調整手段を群として同一の操作量を与えるときに、次式(2)を満たすようにシート厚み測定手段を走査させる、シートの製造方法である。
v<2・f・d’ …式(2)
また本発明は、複数の厚み調整手段を備えたダイから材料を吐出してシートを形成し、シートの幅方向に走査するシート厚み測定手段によってシート厚みを測定し、測定したシート厚みプロファイルに基づいて所望の厚みプロファイルとなるように厚み調整手段を操作する手順を含むシートの製造方法であって、次式(3)を満たすようにシート厚み測定手段を走査させる、シートの製造方法である。
v<d …式(3)
上記式(1)〜(3)において、
v:厚み測定手段の幅方向走査速度(m/s)、
f:シートの走行方向の厚みムラをスペクトル解析した時に0.5(1/s)〜1.5(1/s)でエネルギーが最大となるべき周波数(1/s)、
d:複数の厚み調整手段の間隔に対応する、厚み測定位置における幅方向位置の間隔(m)、
d’:複数の厚み調整手段の群同士の間隔に対応する、厚み測定位置における幅方向位置の間隔(m)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をプラスチックフィルムの製造に適用した実施形態例に基づいて説明する。
【0012】
図1は、一般的なシートの製造設備全体概略構成図を示す図であり、図2は図1に示すダイの要部拡大斜視図である。
【0013】
押出機3より押し出されたシートの材料たる重合体は、ダイ4で図1の紙面に垂直な幅方向に拡げられ押し出されてシート1となり、延伸機2により縦方向、横方向に延伸されて巻取機6に巻き取られる。
【0014】
厚み測定手段8はシート1の厚みをシート幅方向(TD方向)に走査して測定する。厚み測定装置8としては、β線、赤外線、紫外線、X線等の吸収率を利用したもの、光の干渉現象を利用したもの等、任意の厚み測定装置を用いることができる。
【0015】
本願第1の発明として、式(1)を満たすようにシート厚み測定手段をTD方向に走査させることが重要である。
v<2・f・d …式(1)。
【0016】
そうすることで、膜振動や延伸ムラによる変動を高周波成分として拾うことができ、データ処理上問題なく、真のTD方向の厚み分布と区別をすることができる。
【0017】
その理論は次の通りである。シートの厚み分布Y(x,t)は、幅方向の位置に応じて定まるTD方向の厚みプロファイルYTD(x)と、膜振動や縦延伸の延伸ムラによる周期変動を行う成分を有するMD方向厚み分布YMD(t)と、ランダムに発生するノイズN(x,t)が加わったものであり、以下のように定式化される。ここでxはTD方向位置、tは時刻を表す。
Y(x,t)=YTD(x)+YMD(t)+N(x,t)
厚み測定手段8が幅方向に速度vで走査することで得られる走査プロファイルZ(x)は、次のようになる。
YMD(x/v)は周期変動を行う成分を有するMD方向厚み分布であるので、図5に模式的に示すように、走査速度が小さいほど走査プロファイルZ(x)では短い波長の厚みむらとなる。例えばYMD(t)が振幅A、周波数Fの正弦波
YMD(t)=Asin(2πFt)
である場合、スキャンプロファイルZ中のYMD(x/v)は
YMD(x/v)=Asin(2πx/(v/F))
となり、波長v/Fの正弦波状のプロファイルとなる。
【0018】
一方、前述のようにダイに等間隔に複数設けられた厚み調整手段は、通常個々がスリット幅や材料の吐出量を調整(すなわちTD方向の厚みプロファイルの調整)の単位となるので、各厚み調整手段の間隔に対応する厚み測定位置における幅方向位置の間隔をd(m)とする(図6参照)と、厚み調整手段はTD方向の厚みプロファイルについて波長が2d未満の成分を調整することはできない。すなわち、厚み測定手段の測定結果から選別され、厚み調整手段へのフィードバックが依拠すべき厚みプロファイルの成分は、波長が2d以上のものということになる。
【0019】
してみると、膜振動や縦延伸の延伸ムラといった厚み調整手段では制御し得ない要因によるYMD(x/v)は、その成分の波長(v/F)を2dよりも短いものとして拾えば、つまり
v/F<2d
∴v<2・F・d
なる条件で厚み測定をすれば、その波長の違いから、本発明において制御すべきTD方向の厚み分布と区別することができる。そして、YMDを厚み調整手段へのフィードバックへの影響から排除することが可能になる。
【0020】
従来はMD方向の厚み分布を排除するためには、厚み測定手段の走査速度をできるだけ速くすれば良いと考えられていたところ、本発明者等は全く逆の技術的思想に立ち、本発明に想到したものである。
【0021】
現実にはMD方向厚み分布は単一周波数ではなく複数のピークを持つ帯域のある厚み分布であるが、0.5(1/s)未満のMD厚み分布成分はほとんどないため、上記式(1)においてfを0.5以上として良い。0.5(1/s)未満に設定すると、MD厚み分布の影響を低減する効果は小さいうえに、却って制御の応答速度を落とす。一方、本願発明で考慮すべきMD方向の変動の一つである膜振動は、通常1.5(1/s)以下であるので、fも1.5(1/s)以下にはしておく。従って、MD厚み分布の0.5(1/s)から1.5(1/s)の帯域中で最も振幅が大きい周波数をfと設定する。
【0022】
この周波数fを求める方法として、予め同条件で生産したシートのサンプルをオフラインで接触式もしくは非接触式の厚さ計にて測定し、MD厚み分布のスペクトルを調べてもよい。また、製膜中にオンラインで、幅方向走査をせずにMD方向の厚み分布を随時測定してスペクトルを調べることも望ましい方法である。
【0023】
また、周波数fの測定を省略して、式(1)に最低周波数としてf=0.5(1/s)を代入した次式(3)を満たすように厚み測定手段をTD方向に走査させても良い。
v<d …式(3)。
【0024】
また、以上は複数の厚み制御手段の個々が調整の単位となる場合について述べたが、隣接する2個以上の厚み調整手段を群として同一の操作量を与え、当該群をスリット幅等の調整の単位とする場合には、当該群同士の間隔に対応する厚み測定位置における幅方向位置の間隔をd’(m)として、次式(2)を満たすように厚み測定手段をTD方向に走査させる。
v<2・f・d’ …式(2)。
【0025】
なお厚み測定手段の走査速度の下限は、押出機の吐出量変動(周波数1.0×10-3[1/s]以下)の厚みプロファイルに対する影響が小さくなるように決定することが望ましい。厚み測定手段が走査する幅方向の長さをL(m)とすると、一回の走査に要する時間が押出機の吐出量変動の周期の1/5以下となるように、すなわち次式(4)を満たすように厚み測定手段を走査させることが、好ましい。
L/v≦0.2/(1.0×10-3)
∴v≧5.0×10-3×L …式(4)。
【0026】
TD方向の厚み測定点数は、離散化によるエイリアシングを避けるために、多く取ることが望ましい。少なくとも厚み調整手段の個数の2倍よりも多く取ることが好ましい。例えば、厚み調整手段の個数が100個に対して幅方向厚み測定点数は256点が好ましく採用される。
【0027】
前述のように厚み調整手段は、波長が2d未満の変動成分に対応することはできないので、データ処理に際し、厚みプロファイルに矩形や三角形の重み関数など畳み込むことでフィルタリングを行い、波長が2d以上の成分のみを再びサンプリングし、このプロファイルを用いてPID制御で操作量を演算する。また、陽にフィルタリングをせず、制御手段9において2d未満の波長の成分を無視するように非干渉制御や最適制御の制御系を設計するのも望ましい形態である。
【0028】
このように、厚み測定手段8で測定した厚みのプロファイルから厚み調整手段10の各操作点に対応するシート厚み測定値を求め、制御動作演算を行って各厚み調整手段毎の制御出力を決定し、これを一定周期で各操作点に出力する。
【0029】
ダイ4には厚み調整手段10が幅方向に等間隔に複数個配設されている。厚み調整手段10としては例えば、ボルトを配置し、機械的、熱的または電気的にダイ4のギャップ11を変えることにより重合体の吐出量を変えるボルト方式、ヒーターを配置し、ヒータ発生熱を変えることにより、その個所の重合体の粘性を変えて流速を変えることにより吐出量を変えるヒーター方式などがある。
【0030】
各厚み調整手段毎の制御出力は図示しないパワーユニットを介して厚み調整手段10に入力され、例えばボルトを熱的に伸縮させるヒートボルト方式では、ボルトに付設したヒータに電力が供給されてボルトが加熱され、それに応じてボルトが伸縮してギャップ11の幅を調整する。他の方式でも電力が供給されて厚み調整手段10が動作することは同様であり、この厚み調整手段10の動作により、シートは所望のプロファイルに制御される。
【0031】
【実施例】
ここで、本発明を用いてシートを製造した実施例について説明する。
【0032】
(測定方法)
1.厚みムラ(R値)
厚みムラ(R値)は次のように測定した。延伸し巻き取った後のフィルムを3500m毎(時間にして20分毎)にMD方向に0.03m、TD方向に3.5mの帯状サンプルを抜き出し、接触式厚さ計を用いてTD方向の厚みプロファイルを測定し、測定したプロファイルの最大値と最小値の偏差を厚みムラのR値と定めた。
【0033】
(実施例1)
図1に示すシートの製造設備を用いて、厚さ1.7μmのポリエステルフィルムを製造した。延伸は逐次二軸延伸により、TD方向の延伸倍率は3.1倍、製膜幅は3.5m、製膜速度は延伸後の巻取部で175m/分である。厚み調整手段10はカートリッジヒーターを内蔵したボルトを熱的に膨張収縮させてギャップ11を調整するヒートボルト方式を用いた。厚み制御に使用したヒートボルトの数は45本である。
【0034】
各厚み調整手段に対応する測定位置の間隔は、口金から吐出された直後のシートの厚み調整手段に対応する位置にインクでシートの走行方向に線状のマーキングを施し、シート厚みを測定する場所で前記マーキング位置を測定したところ、厚さ計測定位置における厚み調整手段の幅方向対応位置の間隔dは80mmであった。予め同条件で製造したポリエステルフィルムを100mフィルムのMD方向に切り出し、接触式厚さ計を用いてMD方向の厚み分布を測定し、フーリエ変換をしてスペクトルを調べたところ、スペクトルは1.0(1/s)をピークとする山形の形状を持っていた。このため、d=0.080(m)、f=1.0(1/s)として式(1)は
V<0.160(m)
となり、これに従って、厚み測定手段の走査速度vを0.090m/sとした。
【0035】
厚み測定手段8としては特公平4−522号公報に記載の、光干渉式厚さ計を使用した。
【0036】
厚み測定手段の往復の走査に要する時間は、往路・復路の方向転換に要する時間を含め、78秒である。また、TD方向の測定間隔は3mmである。走査は往路・復路ともに行い、片道の走査を終了するごとに、データ処理と各厚み調整手段の制御を行うので、その制御の周期は、39秒となる。
【0037】
厚み測定手段で測定したプロファイルをデータ処理としてTD方向に100mmの幅で厚み平均をとることでフィルタリングした。
【0038】
フィルタリングしたプロファイルを用い、PID制御により厚み調整手段であるヒートボルトの制御を行った。
【0039】
(比較例1)
厚み測定手段の走査速度vを0.180m/sとした以外は実施例と同様に、ポリエステルフィルムを製造した。
【0040】
(制御に採用される、フィルタリングしたプロファイルの比較)
実施例1および比較例1に対して、それぞれPID制御は行わずに厚み調整手段の操作を固定して、厚み測定手段で5往復(10回走査)分、製膜を行った。計20回の積層平均プロファイルに対してTD方向に100mm幅の平均をとることでフィルタリングしたプロファイル12と、実施例1に対応する1回(10回目)の走査における厚みプロファイルに対してTD方向に100mm幅の平均をとることでフィルタリングしたプロファイル13と、比較例1に対応する1回(10回目)の走査における厚みプロファイル14に対してTD方向に100mm幅の平均をとることでフィルタリングしたプロファイルを図3に示した。なお比較のために各プロファイルを縦方向にシフトしてプロットしてある。20回積層プロファイルをフィルタリングしたプロファイル12と実施例1に対応するフィルタリングしたプロファイル13はほぼ一致するのに対して、比較例1に対応するフィルタリングしたプロファイル14は膜振動に起因するMD方向の厚みムラが大きく入っている。
【0041】
(R値の比較)
実施例1の条件にてPID制御を行いつつ4時間製膜し、引き続いて、比較例1の条件にてPID制御を行いつつ4時間製膜を行った。製膜して得られた厚みデータのうち、オフラインで接触式厚さ計で測定した厚みプロファイルのR値で厚みムラを評価した結果を図4に示した。実施例1のほうが比較例1よりもR値が小さく、厚みムラの小さい、高品質なフィルムが製造できたことがわかる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシートの製造方法は、MD方向の厚み分布を制御には関係ない短い波長の厚みプロファイルへ変換することができるので、短期間に幅方向に走査する厚み測定装置から得られる信号から、幅方向厚み制御に用いるTD方向の厚みプロファイルを演算し、演算されたTD厚みプロファイルを用いて所望の厚みプロファイルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例におけるシートの製造設備の全体概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すダイの要部拡大斜視図である。
【図3】実施例1および比較例1のそれぞれに対応するフィルタリングしたプロファイル、並びに20回走査の積層平均厚みに対してフィルタリングしたプロファイルを示した図である。
【図4】実施例1と比較例1とを連続して行った際の、厚みプロファイルのR値を示した図である。
【図5】走査速度と、測定されるMD方向の変動成分の波長との関係を示した模式図である。破線矢印は、片道分の走査による、厚み測定手段のシートに対する相対的な軌跡を表す。
【図6】ダイに備えられた複数の厚み調整手段と、調整手段の間隔に対応する厚み測定位置における幅方向位置の間隔dとの関係を示した模式図である。間隔dは、厚み調整手段の真の間隔に対し、TD方向に延伸された分広がっている。
【符号の説明】
1:シート
2:延伸機
3:押出機
4:ダイ
5:冷却ロール
6:巻取機
7:搬送ロール
8:厚み測定手段
9:制御手段
10:厚み調整手段
11:間隙
12:20回走査の積層平均厚みに対してフィルタリングしたプロファイル
13:実施例1に対応するフィルタリングしたプロファイル
14:比較例1に対応するフィルタリングしたプロファイル
Claims (5)
- 複数の厚み調整手段を備えたダイから材料を吐出してシートを形成し、シートの幅方向に走査するシート厚み測定手段によってシート厚みを測定し、測定したシート厚みプロファイルに基づいて所望の厚みプロファイルとなるように厚み調整手段を操作する手順を含むシートの製造方法であって、次式(1)を満たすようにシート厚み測定手段を走査させる、シートの製造方法。
v<2・f・d …式(1)
ここで、
v:厚み測定手段の幅方向の走査速度(m/s)、
f:シートの走行方向の厚みムラをスペクトル解析した時に0.5(1/s)〜1.5(1/s)でエネルギーが最大となるべき周波数(1/s)、
d:複数の厚み調整手段の間隔に対応する、厚み測定位置における幅方向位置の間隔(m)。 - 複数の厚み調整手段を備えたダイから材料を吐出してシートを形成し、シートの幅方向に走査するシート厚み測定手段によってシート厚みを測定し、測定したシート厚みプロファイルに基づいて所望の厚みプロファイルとなるように厚み調整手段を操作する手順を含むシートの製造方法であって、隣接する2個以上の厚み調整手段を群として同一の操作量を与えるときに、次式(2)を満たすようにシート厚み測定手段を走査させる、シートの製造方法。
v<2・f・d’ …式(2)
ここで、
v:厚み測定手段の幅方向の走査速度(m/s)、
f:シートの走行方向の厚みムラをスペクトル解析した時に0.5(1/s)〜1.5(1/s)でエネルギーが最大となるべき周波数(1/s)、
d’:複数の厚み調整手段の群同士の間隔に対応する、厚み測定位置における幅方向位置の間隔(m)。 - 前記周波数fを求めるに際して、同条件で製造したシートの走行方向厚みムラをオフラインで測定し、予め算出しておく請求項1または2に記載のシートの製造方法。
- 前記周波数fを求めるに際して、シートの走行方向厚みムラをオンラインで測定し、周波数fを逐次算出する請求項1または2に記載のシートの製造方法。
- 複数の厚み調整手段を備えたダイから材料を吐出してシートを形成し、シートの幅方向に走査するシート厚み測定手段によってシート厚みを測定し、測定したシート厚みプロファイルに基づいて所望の厚みプロファイルとなるように厚み調整手段を操作する手順を含むシートの製造方法であって、次式(3)を満たすようにシート厚み測定手段を走査させる、シートの製造方法。
v<d …式(3)
ここで、
v:厚み測定手段の幅方向の走査速度(m/s)、d:複数の厚み調整手段の間隔に対応する、厚み測定位置における幅方向位置の間隔(m)。
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