JP3921340B2 - 携帯型情報機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信した電子メールを効率よく削除可能とした携帯型情報機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信技術や情報処理技術の発達に伴い、情報のやりとりの一つの手段として電子メールが広く利用されてきている。この電子メールは、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)上でのみならず、携帯電話機や通信機能を有したPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型情報機器によっても行えるようになってきている。
【0003】
しかし、受信した多数の電子メールの中には、不要な電子メールも少なからず存在する。このような電子メールを削除する際は、PCであれば、削除対象となるメールを複数選択して一度に削除する機能を有するものもあるが、この種の携帯型情報機器では、削除すべき電子メールを1つ1つ選択して、1つずつ削除する操作を行う必要があるのが一般的である。これを図8により簡単に説明する。
【0004】
図8(A)は、メールボックス内に蓄積された個々の電子メールに対応する電子メールアドレス一覧(電子メールの差し出し人の一覧)を画面上に読み出した表示例を示すもので、これは、それぞれの機器ごとに決められた所定の操作をユーザが行うことによって、このような電子メールアドレス一覧を画面上に表示させることができる。
【0005】
そして、これらの電子メールアドレス一覧の中から不要となった電子メールを削除する場合には、図8(A)に示すように、ユーザは、削除対象の電子メールアドレスをカーソルCで指示する。この例では、「koukoku@abc.co.jp」の電子メールを削除対象の電子メールとしている。
【0006】
なお、この図8(A)の例では、この「koukoku@abc.co.jp」と同じ電子メールアドレスは5個(それぞれ電子メールアドレスに符号A1,A2,・・・,A5が付されている)存在している。これら符号A1,A2,・・・,A5が付された電子メールアドレスを有する電子メールの特定のもの、たとえば古い受信のものである符号A1のみを削除したい場合は、その符号A1の電子メールのみを削除する。
【0007】
このような削除に加え、同じ電子メールアドレスを有する電子メールのすべてを削除対象の電子メールアドレスとする場合がある。このように削除対象の電子メールが複数存在し、その電子メールの電子メールアドレスが同一である場合、それを削除するには、やはり1つずつ順番に削除の操作を行う。この場合、図8(A)に示すように、まず、符号A1の付された電子メールアドレス「koukoku@abc.co.jp」をカーソルCで指示したのち、図8(B)に示すように、サブメニューSMをバルーン表示(ポップアップ表示でもよい)などによって画面上に開く。
【0008】
このサブメニューSMにはユーザの指示した電子メールに対し、何らかの処理を行わせるための実行命令項目が表示される。この実行命令項目としては、たとえば、「返信」、「転送」、「削除」などがあり、これらの実行命令項目のいずれかを選択して指示すると、それに対応した処理が実行される。
【0009】
この場合、不要となった電子メールの削除を行うのであるから、サブメニューSMの中から「削除」を選択する(選択された実行命令項目を枠Wで囲って示す)。これによって、図8(C)に示すように、符号A1の付された電子メールアドレス「koukoku@abc.co.jp」とそれに対応する電子メール内容が削除され、電子メールアドレス一覧としては、符号A1の付された電子メールアドレスが無くなり、それ以外の電子メールアドレスがそれぞれ1つずつ繰り上がった状態で表示される。
【0010】
続いて、符号A2の付された電子メールアドレス「koukoku@abc.co.jp」をカーソルCで指示したのち、同様に、サブメニューSMを画面上に開いて、そのサブメニューSMの中から実行命令項目の「削除」を選択することによって、その符号A2が付された電子メールアドレス「koukoku@abc.co.jp」とそれに対応する電子メール内容が削除され、電子メールアドレス一覧としては、符号A2の付された電子メールアドレスが無くなり、それ以下の電子メールアドレスがそれぞれ1つずつ繰り上がった状態で表示される。
【0011】
このような操作を順次繰り返すことによって、符号A1,A2,・・・,A5の付された削除すべき5個の電子メールアドレス「koukoku@abc.co.jp」とそれに対応するそれぞれの電子メールが削除されることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では、削除したい電子メールが多数存在する場合、特に、同じ電子メールアドレスを有する複数のメールを削除する場合、それぞれの電子メールに対し、1つずつ削除したり、PCの場合は1つずつ指定したりする操作を行う必要があり、削除するための操作が面倒である。また、携帯型情報機器の場合は、さらにPCと異なり、表示画面が小さく、マウスやフルキーボードが存在しないので、多数の電子メールを削除するには複雑なキー操作を行う必要があり、多くの時間を要する。
【0013】
しかも、携帯電話機やPDAなどの携帯型情報機器は、PCに比べるとメモリ容量も小さく、そのメールソフトウエアも、PCのメールソフトウエアに比べて機能が貧弱であるのが普通である。
【0014】
したがって、頻繁に電子メールを受信した場合、削除動作が不便であるため、電子メールの削除がなされなくなり、メールボックスを形成するメモリが容量オーバとなり、新たなメールの受信ができなくなる問題が生じがちとなる。特に、送られてくる電子メールの中には、広告や株式情報など長期間に渡って保存しておくほどの重要性を持たない電子メールも多く存在し、これら重要性を持たない電子メールがメールボックスの多くを占有してしまうことも多い。
【0015】
これらあまり重要性のない電子メールは、読んだら直ぐ削除すればよいが、削除操作が面倒であるためそれを怠りがちとなり、結局は、メールボックスにそれらの電子メールがたくさん蓄積されてしまうこととなる。
【0016】
そこで本発明は、効率よく短時間に不要な電子メールの削除を可能とした携帯型情報機器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明の携帯型情報機器は、受信済みの電子メールを削除する電子メール削除方法において、ユーザによって削除対象の電子メールが指示されると、その削除対象の電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが他に存在するか否かを判定し、同じ電子メールアドレスが存在しないと判定された場合には、削除に関する実行命令項目として、当該指示された電子メールのみを削除可能とする第1の削除実行命令項目のみを含む第1の画面が表示され、同じ電子メールアドレスが存在すると判定された場合には、削除に関する実行命令項目として、第1の削除実行命令項目に加えて、当該同じ電子メールアドレスを有する全ての電子メールを一括して削除可能とする第2の削除実行命令項目の2つの実行命令項目、またはこの第2の削除実行命令項目および当該同じ電子メールアドレスを有する全ての電子メール中、未読の電子メールを削除対象から除外して削除可能とする第3の削除実行命令項目の3つの実行命令項目を含む第2の画面が表示されるようにしている。
【0018】
このように本発明の携帯型情報機器は、ユーザの指示した削除対象の電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが、受信済みの電子メールとして存在する場合には、当該同じ電子メールアドレスを有する複数の電子メールを一括して削除する第2の削除実行命令項目や第3の削除実行命令項目が表示されるようにしたので、同じアドレスを有する電子メールが多数存在している場合、削除すべき電子メールを1つ1つ指示して、それを1つずつ削除するという煩わしい操作を行う必要がなくなり、きわめて効率のよい電子メール削除操作を行うことができる。また、ユーザの指示した削除対象の電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが、受信済みの電子メールとして存在しない場合には、第2の削除実行命令項目や第3の削除実行命令項目が表示されないようにし、その指示された電子メールのみを削除する第1の削除実行命令項目のみを削除に関する項目として表示するようにしたので、操作しやすいものとなる。
【0019】
他の発明は、上述の発明の携帯型情報機器において、第2の画面において、第1の削除実行命令項目の選択がなされた場合には、指示された電子メールのみを削除対象として削除処理を行い、第2の削除実行命令項目の選択がなされた場合には、未読の電子メールも削除対象として削除処理を行い、第3の削除実行命令項目の選択がなされた場合には、未読の電子メールを削除対象から除外して削除処理を行うようにしている。
【0020】
このように、ユーザの選択によって、指示された電子メールのみの削除、指示された電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有する全ての電子メールの削除、指示された電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスの中に、未読電子メールが存在する場合には、当該未読の電子メールを削除対象から除外しての削除がされるので、ユーザの使い勝手の良いものとなる。
【0021】
そして、他の発明は、上述の発明の携帯型情報機器に加え、第1の画面と第2の画面には、さらに、ユーザによって指示された電子メールに対する返信の実行命令項目とその電子メールを転送する実行命令項目が含まれるようにしている。
【0022】
このため、第1の画面と第2の画面のいずれでも、その画面を利用して、ユーザによって指示された電子メールに対する返信やその電子メールを転送することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の携帯型情報機器についての実施の形態の例を図1から図7を参照しながら説明する。なお、図1から図6によって説明するものは、図7に示す本発明の携帯型情報機器およびその携帯型情報機器を使用しての電子メール削除方法の前提となるものであるが、以下では、本発明の実施の形態として説明する。なお、この実施の形態では、本発明を携帯電話機に適用した例について説明する。
【0031】
図1は、メールボックス内に保存されているそれぞれの受信電子メールに対応する電子メールアドレスを電子メールアドレス一覧の形式で表示画面上に読み出して表示させた例である。図2は、この実施の形態の基本的なメール削除処理手順を説明するフローチャートを示すものである。これら図1および図2を参照しながら本発明の携帯型情報機器が実行する基本的なメール削除方法を説明する。
【0032】
まず、ユーザが、それまでに受信した電子メールの中から削除しようとする電子メールに対する電子メールアドレスをカーソルCなどで指示する(ステップS1)。たとえば、表示画面上に表示された図1に示すような電子メールアドレス一覧の中から、削除対象の電子メールとして、ユーザが、最も上方に位置している「koukoku@abc.co.jp」をカーソルCによって指示したとする。すると、図1(B)に示すようなサブメニューSMを前述したようにバルーン表示などにより画面上に開く(ステップS2)。
【0033】
第2の画面となる、そのサブメニューSMには、従来同様、ユーザの指示した削除対象メールアドレスに対する実行命令項目が表示される。この場合、「返信」、「転送」、「削除」(これは第1の削除実行命令項目)など従来と同様の実行命令項目の他に、本発明では、「同アドレス削除」の実行命令項目(これは第2の削除実行命令項目)が追加される。この「同アドレス削除」の実行命令項目は、同じ電子メールアドレスを有する電子メールを一括して削除するという意味である。
【0034】
ここで、ユーザが「同アドレス削除」を選択(この図1の例でも、ユーザによって選択された実行命令項目を枠Wで囲って示す)したか否か判定する(ステップS3)。「同アドレス削除」を選択した場合、そのユーザの指示した削除しようとする電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが他に存在するか否かを判定する(ステップS4)。この図1の例では、この「koukoku@abc.co.jp」の電子メールアドレスは5個(これらの電子メールアドレスに対し、前述同様、符号A1,A2,・・・,A5を付す)存在するので、これら同じ電子メールアドレスを有する5個の電子メールアドレスを削除対象メールアドレスとする。
【0035】
そして、これら5つの削除対象メールアドレスを一括して削除する(ステップS5)。つまり、この図1の例では、符号A1,A2,・・・,A5の付された「koukoku@abc.co.jp」の電子メールアドレスすべてが一括して同時に削除される。
【0036】
図1(C)は、削除処理された後の表示画面上の電子メールアドレス一覧を示すもので、この図1(C)からもわかるように、「koukoku@abc.co.jp」の電子メールアドレスがすべて削除されている。これによって、電子メールボックス内の「koukoku@abc.co.jp」の電子メールアドレスを有する電子メールは全て削除されたことになる。
【0037】
なお、ステップS3において、「同アドレス削除」が選択されなかった場合は、従来と同様な返信、転送、削除のいずれかが選択されたこととなるので、対応する操作画面へ移行したり当該1つの電子メールの削除のみが実行される(ステップS6)。
【0038】
また、ステップS4において、ユーザの指示した削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスが他に存在するか否かを判定した結果、同じアドレスが存在しない場合には、ステップS7に処理が移り、従来から普通に行われている削除処理がなされる。この従来から普通に行われている削除処理は、ユーザの指示した電子メールアドレスに対応する1つの電子メールのみだけを削除する処理であり、サブメニューSMで「削除」の実行命令項目が選択されることによって、ユーザの指示した1つの電子メールだけが削除されるものと同一の操作となる。
【0039】
なお、ステップS4,S7を省略して、ステップS3において「同アドレス削除」が選択されたときは、その電子メールアドレスを有するすべての電子メールを一括削除、すなわち1つ以上の電子メールを一括削除するようにしても良い。
【0040】
このように、ユーザによって削除対象として指定された電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有する電子メールを一括して同時に削除できるようにしているので、同じ電子メールアドレスを有する電子メールが多数存在していて、それらの電子メールをすべて削除したい場合、従来のように、1つずつ削除すべき電子メールアドレスを指示して、1つずつ削除するという煩わしい操作を繰り返し行う必要がなく、きわめて効率よく削除することができる。
【0041】
特に、同じ発信人から頻繁に配信されてくるような広告の電子メールなど、読みたくないものやそれらを読んだあとは直ちに削除したいと思われるような電子メールを管理する上できわめて有効なものとなる。また、1つの電子メールアドレスを指定するだけで、それと同じ電子メールアドレスを持つ電子メールを一括して削除することができるので、1つ1つの内容を読まないで削除することも可能であり、これによって、たとえば、悪戯を持った内容の電子メールが同じ発信人から頻繁に送られてくるような場合、いちいちその電子メール内容を読むことなしに、一括して削除することもできる。
【0042】
一方、同じ電子メールアドレスを有する電子メールを一括して削除する際、それらの電子メールの中に、未読の電子メールが存在する場合、その未読の電子メールは削除対象から除外させることもできる。これは、上述のように、電子メールには読む必要のない電子メールばかりではなく、有効な情報も多く含まれるため、同じ電子メールアドレスを一括して削除してしまうと、未読の電子メールも削除される可能性もあるので、それを防ぐために、未読電子メールは削除対象から除外させるという機能を付加することで達成される。
【0043】
これを実現するために、ユーザが削除対象として指示した電子メールが有する電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスに、未読電子メールが存在するか否かを判定して、もし、未読電子メールがあれば、その未読電子メールは削除対象から除外するような処理を行う。
【0044】
たとえば、図1の例において、符号A1,A2,・・・,A5で示される「koukoku@abc.co.jp」の電子メールアドレスの中で、符号A5を付した「koukoku@abc.co.jp」の電子メールアドレスに対応する電子メールが未読であったとすると、そのメールは削除対象から除外する。
【0045】
この場合、図1(B)で示すようなサブメニューSMの実行命令項目の中から「同アドレス削除」がユーザによって選択されると、同じ電子メールアドレスに、未読電子メールが存在するか否かを判断して、未読電子メールが存在する場合には、それを削除対象から除外して、それ以外の同じ電子メールアドレスを持つ電子メールを一括して削除するようにする。
【0046】
この場合の処理手順を示すフローチャートを図3に示す、この図3に示すステップS11〜S13の処理は、図1のフローチャートのステップS1〜S3と同じ処理である。図3におけるステップS14以降の処理として、以下に示すような処理がなされる。
【0047】
ユーザによって「同アドレス削除」が選択される(ステップS13でYes)と、ユーザによって指示された削除対象の電子メールが有する電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有するそれぞれの電子メールの中に、未読電子メールが存在するか否かを判断する(ステップS14)。そして、未読電子メールが存在する場合には、ユーザによって指示された削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスを持つ未読電子メールは削除対象から除外して、それ以外の同じ電子メールアドレスを持つ電子メールを一括して削除する(ステップS15)。
【0048】
一方、未読電子メールが存在しない場合には、ユーザによって指示された削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスの電子メール(削除対象とされた電子メールのみの場合を含む)はすべて一括して削除する(ステップS16)。
【0049】
なお、ステップS13において、「同アドレス削除」が選択されなかった場合には、ステップS17に処理が移り、従来から普通に行われている削除処理等がなされる。このステップS17は、先のフローではステップS6に相当する。
【0050】
また、図1(B)に示したサブメニューSMの第2の削除実行命令項目としての「同アドレス削除」に加えて、図4に示す第2の画面となるサブメニューSMのように、たとえば、第2の削除実行命令項目としての「同アドレス削除(未読除外)」といった実行命令項目を付加し、この「同アドレス削除」と「同アドレス削除(未読除外)」をユーザが選択可能とし、ユーザが「同アドレス削除」を選択した場合には、未読電子メールの有無に係わらず、ユーザの指示した削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスを持つ電子メール一括して削除し、「同アドレス削除(未読除外)」を選択した場合には、ユーザの指示した削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスに、未読電子メールがあれば削除対象から除外して、それ以外の同じ電子メールアドレスを持つ電子メールを一括して削除するといったこともできる。
【0051】
この処理手順を図5のフローチャートに示す。この処理手順は、いわば、図2のフローチャートで示される処理手順の考え方と、図3のフローチャートで示される処理手順の考え方とを組み合わせたものである。
【0052】
図5におけるステップS21とS22の処理は、図2のステップS1とS2および図3のステップS11とS12と同じ処理であるが、この図5においては、ステップS23として、ユーザが「同アドレス削除」と「同アドレス削除(未読除外)」のどちらを選択したかを判断する処理がある。
【0053】
そして、ユーザによって「同アドレス削除」が選択された場合には、図2のステップS5と同じ処理を行う。つまり、ユーザによってサブメニューSMから「同アドレス削除」の実行命令項目が選択されると、そのユーザの実行命令を受け付けて、ユーザによって指示された削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスを持つ電子メールを一括して削除する(ステップS24)。なお、図1に示すフローチャートのように、ステップS4,S7を加えるようにしても良い。
【0054】
一方、ユーザによって「同アドレス削除(未読除外)」が選択された場合には、そのユーザの実行命令を受け付けて、それ以降は、図3のステップS14,S15,S16と同じ処理を行う。つまり、未読電子メールがあるか否かを判断して(ステップS25)、未読電子メールが存在する場合には、ユーザによって指示された削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスを持つ未読電子メールは削除対象から除外して、それ以外の同じ電子メールアドレスを持つ電子メールを一括して削除し(ステップS26)、未読電子メールが存在しない場合には、ユーザによって指示された削除対象メールアドレスと同じ電子メールアドレスを持つ電子メールをすべて一括して削除する(ステップS27)。
【0055】
なお、ステップS23において、ユーザが返信、転送、削除のいずれか1つを選択した場合には、ステップS28に処理が移り、従来から普通に行われている削除処理等がなされる。
【0056】
また、図6は、この実施の形態における携帯電話機であって図5のフローチャートで示す処理を実行する携帯電話機器のメール削除機能部分とその周辺のみだけを取り出して示して、それを概略的に示すブロック図である。この携帯電話機器は、保存電子メール表示手段1と、カーソル指示判定手段2と、サブメニュー選択項目判定手段3と、電子メール操作手段4と、受信したメールを保存するメール記憶部としてのメールボックス5を有した構成となっている。なお、携帯電話機としては、これ以外にも様々な構成要素が存在するが、本発明の要旨と直接関係しない部分については図示とその説明は省略する。
【0057】
保存電子メール表示手段1は、メールボックス4内の電子メールの電子メールアドレスを携帯電話機の表示部に表示させる機能を有するもので、CPUや表示部駆動回路等から構成される。カーソル指示判定手段2は、カーソルCがどの電子メールを指示しているかを判定するもので、主にCPUがこの機能を果たしている。このカーソル判定手段2の判定によって次のサブメニューSMの画面が開くこととなる。サブメニュー選択項目判定手段3は、サブメニューSMがポップアップ表示等された後、ユーザが選択した項目を判定する機能を有するもので、CPUから主に構成される。電子メール操作手段4は、返信等の操作をする機能を有するもので、主にCPUから構成される。メールボックス5は、RAM等の記憶手段から構成される。
【0058】
電子メール操作手段4は、電子メールの返信処理を行うための返信制御手段6と、電子メールの転送処理を行うための転送制御手段7と、電子メールの各種の削除処理を行う削除制御手段8とから構成される。削除制御手段8は、同一電子メールアドレス判定手段11と、電子メール抽出手段となる同一電子メールアドレス抽出手段12と、未読電子メール判定手段13と、電子メール抽出手段となる未読電子メール抽出手段14とを有している。
【0059】
同一電子メールアドレス判定手段11は、「同アドレス削除」または「同アドレス削除(未読除外)」が選択されたとき、削除対象の電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが、メールボックス5に保存された受信済みメールとして存在するか否かを判断するものである。また、同一電子メールアドレス抽出手段12は、削除対象となる同一の電子メールアドレスを有する電子メールをメールボックス5内から抽出し、削除対象エリア(図示省略)に移動させるものである。
【0060】
未読電子メール判定手段13は、「同アドレス削除(未読除外)」が選択されたときに働くもので、同一電子メールアドレス抽出手段12によって抽出された電子メール中に、未読電子メールが存在するか否かを判定する。また、未読電子メール抽出手段14は、削除対象エリアに移動された電子メール中で未読のものをメールボックス5へ戻す動作をする。
【0061】
なお、削除制御手段8は、同一電子メールアドレス判定手段11による判定結果と、ユーザがサブメニューSMから選択した実行命令項目とを受け取って、それに応じた処理を行うものである。その処理内容は図2、図3、図5のフローチャートで詳細に説明したので、ここでは簡単な説明にとどめる。
【0062】
今、ユーザの行ったサブメニューSMからの実行命令項目の選択が「削除」であれば、ユーザが削除対象としたメールアドレスに対応する電子メール(メールボックス3内に保存されている)に対してのみ削除を行う。これは、従来から普通に行われているメール削除処理である。
【0063】
また、サブメニューSMからユーザの行った実行命令項目の選択が「同アドレス削除」でかつ同一電子メールアドレス判定手段11によって、ユーザの指示した削除対象の電子メールが有する電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが複数存在すると判定されれば、ユーザが削除対象とした電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有するすべての電子メールを同一電子メールアドレス抽出手段12によって抽出し、それらに対して一括して削除を行う。
【0064】
また、サブメニューSMからユーザの行った実行命令項目の選択が「同アドレス削除(未読除外)」でかつ同一電子メールアドレス判定手段11によって、ユーザの指示した削除対象の電子メールが有する電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが存在すると判定されれば、同一電子メールアドレス抽出手段12によってその電子メールをすべて抽出する。
【0065】
そして、その抽出した電子メールの中に未読電子メールがあるか否かを判定し、未読電子メールがなければ、ユーザが削除対象とした電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有するすべての電子メール対して一括して削除を行う。一方、未読電子メールがあれば、未読電子メール抽出手段14によってその未読電子メールを抽出し、メールボックス5に戻す。そして、その未読電子メールを除く他の同じ電子メールアドレスを持つ電子メールに対して一括して削除を行う。
【0066】
以上説明したように、この各実施の形態によれば、ユーザが削除対象として指示した電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有する電子メールを一括して同時に削除することができるので、従来のように、たとえ、同じアドレスを有する電子メールが多数存在している場合でも、削除すべきメールアドレスを1つ1つ指示して、それを1つ1つ削除したり、一括削除したりするという煩わしい操作を行う必要がなくなり、きわめて効率のよい削除操作を行うことができる。
【0067】
また、ユーザが削除対象として指示した電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスの中に、未読電子メールが存在するか否かを判定して、もし、未読電子メールがあれば、その未読電子メールは削除対象から除外する機能を持たせることも可能であり、これにより、未読電子メールを不用意に削除してしまうのを未然に防止できる。
【0068】
さらに、ユーザが削除対象として指示した電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスの中に、未読電子メールが存在する場合、未読電子メールに対して、削除対象とするかしないかをユーザが選択できるようにすることで、未読電子メールを不用意に削除してしまうのを未然に防止できるとともに、未読電子メールであっても、読む必要のない内容であることがわかっている電子メールに対しては、その電子メールを読むことなしに、他の同じ電子メールアドレスを持つ電子メールとともに一括して削除することもできる。
【0069】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。たとえば、図7のフローチャートに示すように、サブメニューSMの画面を2種類または3種類とし、それらのサブメニューSMの画面が所定条件によって自動的に選択されて現れるようにしても良い。
【0070】
すなわち、削除したい電子メールをカーソルCで指示する(ステップS31)と、その指示された電子メールと同一の電子メールアドレスを有する電子メールが存在するか否かを予め判定する(ステップS32)。この判定でNoとされた場合、ポップアップ画面やバルーン画面等となる第1の画面としてのサブメニューSMの項目中には、「同アドレス削除」等の付加項目を入れず、従来と同様に「返信、転送、削除」のみの表示項目とする(ステップS33)。
【0071】
ステップS32でYesと判定されたときに初めて、先に示した「同アドレス削除」(第2の削除実行命令項目)や「同アドレス削除(未読除外)」(第3の削除実行命令項目)の表示が可能な状態とする(ステップS34)。このステップS34以後は、図2のステップS2や、図3のステップS12や図5のステップS22に行き、同一の電子メールアドレスを有する電子メールを一括削除可能となる。なお、ステップS32,S34を経由する場合、図2に示すフローチャート中のステップS4,S7は不要となる。
【0072】
また、未読電子メールを削除するか否かの判断を、図3のステップS14とステップS15との間に、たとえば「未読電子メールがあります。未読電子メールも削除しますか?」の表示を出させ、ユーザが選択できるようにしても良い。また、一括削除する際、期限を設定しての削除が可能となるようにしても良い。たとえば、2000年7月1日以前のもののみを削除する等の設定ができるようにしても良い。さらに、本発明は、携帯型情報機器に適用して好ましいものであるが、PC等携帯型以外の情報機器にも適用できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザの指示した削除対象の電子メールが有する電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスを有する他の電子メールが、受信済みの電子メールとして存在する場合には、当該同じ電子メールアドレスを有する複数の電子メールを一括して削除する第2の削除実行命令項目や第3の削除実行命令項目が表示されるようにしたので、同じアドレスを有する電子メールが多数存在している場合、削除すべき電子メールを1つ1つ指示して、それを1つずつ削除するという煩わしい操作を行う必要がなくなり、きわめて効率のよいメール削除操作を行うことができる。また、ユーザの指示した削除対象の電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが、受信済みの電子メールとして存在しない場合には、第2の削除実行命令項目や第3の削除実行命令項目が表示されないようにし、その指示された電子メールのみを削除する第1の削除実行命令項目のみを削除に関する項目として表示するようにしたので、操作しやすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の携帯型情報機器で実行されるメール削除方法を示す図で、(A)は携帯電話(携帯型情報機器)中のメールボックス内に保存されている受信済みのそれぞれの電子メールに対応する電子メールアドレス一覧を表示画面上に読み出して表示させた例を示す図で、(B)はカーソルで指示した電子メールを操作するためのサブメニューが現れた状態を示す図で、(C)は同一の電子メールアドレスを有する全ての電子メールを削除した後の電子メールアドレス一覧を表示画面上に表示した例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の携帯型情報機器で実行される電子メール削除方法の処理手順を説明する図であり、本発明の基本的な処理手順を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の携帯型情報機器で実行される電子メール削除方法の他の処理手順を説明する図であり、未読電子メールが存在する場合、未読電子メールを削除対象から除外する機能を付加した処理手順を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の携帯型情報機器で実行される電子メール削除方法の他の例を示す図で、未読電子メールを削除対象から除外する機能を付加した場合におけるサブメニューの実行命令項目の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の携帯型情報機器で実行される電子メール削除方法のさらに他の処理手順を説明する図であり、未読電子メールが存在する場合、未読電子メールを削除対象とするかしないかをユーザが選択可能とした処理手順を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係わる携帯型情報機器である携帯電話におけるメール削除機能部分とその周辺のみを概略的に説明するブロック図である。
【図7】図2,3,5における各フローチャートにおけるサブメニューを画面上に開くステップの以前に行うフローの他の例を示すフローチャートで、削除しようとしている電子メールと同一の電子メールアドレスが他に存在するか否かによってサブメニューの画面中の項目が変わる例を示す図である。
【図8】従来の電子メール削除方法を説明する図であり、(A)はメールボックス内に保存されている受信済みのそれぞれの電子メールに対応する電子メールアドレス一覧を表示画面に読み出して表示させた例を示す図で、(B)はカーソルで示した電子メールを操作するためのサブメニューが現れた状態を示す図で、(C)は削除対象とした電子メールのみを削除した後の電子メールアドレス一覧を表示画面上に表示した例を示す図である。
【符号の説明】
1 保存電子メール表示手段
2 カーソル指示判定手段
3 サブメニュー選択項目判定手段
4 電子メール操作手段
5 メールボックス
6 返信制御手段
7 転送制御手段
8 削除制御手段
11 同一電子メールアドレス判定手段
12 同一電子メールアドレス抽出手段(電子メール抽出手段)
13 未読電子メール判定手段
14 未読電子メール抽出手段(電子メール抽出手段)
A1,A2,…,A5 削除対象の電子メールアドレス
C カーソル
SM サブメニュー
Claims (3)
- 受信済みの電子メールを削除する電子メール削除機能を有する携帯型情報機器において、
ユーザによって削除対象の電子メールが指示されると、その削除対象の電子メールの電子メールアドレスと同じ電子メールアドレスが他に存在するか否かを判定し、
同じ電子メールアドレスが存在しないと判定された場合には、削除に関する実行命令項目として、当該指示された電子メールのみを削除可能とする第1の削除実行命令項目のみを含む第1の画面が表示され、
同じ電子メールアドレスが存在すると判定された場合には、削除に関する実行命令項目として、上記第1の削除実行命令項目に加えて、当該同じ電子メールアドレスを有する全ての電子メールを一括して削除可能とする第2の削除実行命令項目の2つの実行命令項目、またはこの第2の削除実行命令項目および当該同じ電子メールアドレスを有する全ての電子メール中、未読の電子メールを削除対象から除外して削除可能とする第3の削除実行命令項目の3つの実行命令項目を含む第2の画面が表示される、
ことを特徴とする携帯型情報機器。 - 前記第2の画面において、前記第1の削除実行命令項目の選択がなされた場合には、前記指示された電子メールのみを削除対象として削除処理を行い、前記第2の削除実行命令項目の選択がなされた場合には、前記未読の電子メールも削除対象として削除処理を行い、前記第3の削除実行命令項目の選択がなされた場合には、前記未読の電子メールを削除対象から除外して削除処理を行うことを特徴とする請求項1記載の携帯型情報機器。
- 前記第1の画面と前記第2の画面には、さらに、前記ユーザによって指示された電子メールに対する返信の実行命令項目とその電子メールを転送する実行命令項目が含まれることを特徴とする請求項1または2記載の携帯型情報機器。
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