JP3921131B2 - マイナスイオン発生繊維製品及びその加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維又は繊維製品にマイナスイオン発生機能性、抗菌性、柔軟性、消臭性、吸保湿性、帯電防止性、皮膚安全性(弱酸性)等の高機能性を付与する加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維の種類はかなりの数にのぼり、各用途によって適当な繊維が選択され使用されている。特に、衣料品としては薄物の繊維製品が用いられることが多い。しかし、この様な薄物の繊維製品は外観は良好であっても風合い及び吸保湿性、柔軟性、抗菌性、帯電防止性、紫外線防禦性、皮膚安全性(弱酸性)等の高機能性付与の改良が望まれている、特に、近年、繊維(天然、合成繊維)に癒し効果が求められており、中でも、マイナスイオン効果等が望まれている。現在、マイナスイオン発生素材例えば一般のサンゴや鉱物のトルマリン等は天然繊維や合成繊維に付与又は繊維に練り込み等の方法で行われているが、特に、付与する方法については、現在の所あまり良い方法がなく、繊維上に簡単で効率よくマイナスイオン発生素材を付与することが出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に、繊維及び/又は繊維製品に、マイナスイオン発生機能を持った素材を、多くの高機能を持ったアミノ酸誘導体の存在のもとに、より多く簡単に付与させることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、マイナスイオン発生機能素材(風化造礁サンゴ、トルマリン等)(a)にアミノ酸誘導体(b)の存在下でバインダー(合成繊維はシリコーンアクリルコポリマー、熱反応性水溶性ウレタン樹脂等、天然繊維はポリエステル系ウレタン等)(c)と触媒(脂肪酸金属塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル、重炭酸ソーダ等)(d)の成分を含む水溶液で繊維及び/又は繊維製品(合成、天然繊維)を処理し、次いで、熱処理を行い、繊維及び/又は繊維製品にマイナスイオン発生機能性、抗菌性、柔軟性、消臭性、吸保湿性、帯電防止性、皮膚安全性(弱酸性)の機能を付与するようにした方法において、アミノ酸誘導体(b)としてのアミノ酸は、一般のアミノ酸、好ましくは、アミノ酸のエステル体、アミド体及びN−アシル体、アルキル体、より好ましくは、塩基性のアミノ酸のN−アシル・エステル体を用い、そのアミノ酸誘導体と相溶性の良い第四級アンモニュウム塩を混合してなることを特徴としたものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、バインダー(c)は、合成繊維の場合は、シリコーンアクリルコポリマー系とイソシアネートブロック熱反応性型水溶性ウレタン樹脂系、天然繊維の場合は、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂を配合してなることを特徴としたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、触媒(d)は、脂肪酸金属塩乳化物系素材、又は重炭酸ソーダ等を配合してなることを特徴としたものである。
【0009】
請求項4の発明は、マイナスイオン発生機能素材として、風化造礁サンゴ又はトルマリンにアミノ酸誘導体の存在下でバインダーと触媒の成分を含む水溶液で繊維及び/又は繊維製品を処理し、次いで、熱処理を行う繊維及び/又は繊維製品に高機能性を付与する加工方法において、前記成分の配合成分百分率を、繊維又は繊維製品に対して風化造礁サンゴ、トルマリンは0.05−5.00%、アミノ酸誘導体溶液は0.50−10.00%、バインダーは各々0.50−5.00%、触媒(d)は0.10−3.00%を含むことを特徴としたものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの加工方法によって加工された繊維又は繊維製品を特徴としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、繊維及び又は繊維製品に、マイナスイオン発生機能を持つ風化造礁サンゴや天然鉱石のトルマリン等を、高機能を具備したアミノ酸誘導体の存在に、より多くかつ簡単に付与する方法を提供するものである。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、用いられる風化造礁サンゴは未焼成末の天然多孔質サンゴ及び天然鉱物のトルマリンの0.01−20.00μmの粒度のものである。好ましくは、0.5−10μmのものが良く、更に、風化造礁サンゴは水に可溶体の乳酸塩等でもよい。高機能性素材のアミノ酸誘導体は一般のアミノ酸で良いが、アミノ酸のエステル体、アミド体及びN−アシル体、アルキル体が良く、特に塩基性のアミノ酸のN−アシル・エステル体が良く、そのアミノ酸誘導体0.1−50%を含む第四級アンモニウム塩との混合水溶液が良い。
【0012】
本発明に用いられる繊維又は繊維製品は、ナイロン、ポリエステル、アクリル繊維、ビニロン等の合成繊維又はこれらの混紡された繊維、さらには、これを編織したものなどいずれでもよい。又、綿、シルク、ウール等の天然繊維も適材である。
【0013】
本発明に用いられる高機能性素材はマイナスイオン発生効果、消臭効果、紫外線防禦効果のある風化造礁サンゴの未焼成物、及びマイナスイオン発生効果のある天然鉱物のトルマリンの微粉末素材である。又、抗菌効果、吸保湿効果、柔軟効果を具備するアミノ酸及びアミノ酸誘導体であり、アミノ酸は天然アミノ酸単体では、好ましくは、グリシン、アラニン等であり、アミノ酸誘導体はアルキル化体、アシル化体、エステル体、等が良く、より好ましくは、トリメチルグリシン、N−アシルアミノ酸とそのエステル、例えば、N−アシルグルタミン酸、N−アシルグルタミン酸高級エステル、N−アシルグリシン又はアラニン、アルギル又はリジン高級脂肪酸エステル、N−アシルアルギニン又はリジンのエステル塩、PCAグリセリンエステル、天然保湿因子(NMF)成分のアミノ酸成分、ポリアスパラギン酸、N−アシルグルタミン酸ジエステル(角質細胞間脂質類似体)等が良く、更に、他の素材には柔軟効果、帯電防止、抗菌効果を具備するカチオン界面活性剤等の効果を持つ素材との混合である。
【0014】
本発明に用いられるバインダー及び触媒は一般的素材で良いが、好ましくは、合成繊維でのバインダーは乳化性のシルコーンアクリルコポリマー系とイソシアネートブロック熱反応性水溶性ウレタン樹脂系の素材で良く、又、天然繊維でのバインダーはポリエステル系ウレタン樹脂で良く、触媒は脂肪酸金属塩のポリオキシエチレンエマルジョンタイプの脂肪酸金属塩又は重炭酸ソーダ等の素材がよい。
【0015】
(実施例1)
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明による繊維及び繊維製品に高機能性素材を付与する加工方法は従来の浸漬法又はパッテイング法によって行われる。高機能性素材として風化造礁サンゴ(a)(マリーンバイオ製:「サンゴ」)の8μmの微粉末0.05g、アミノ酸誘導体(b)(商品名「アミアートF」)の5.0g、バインダーとしてシリコーンアクリルコポリマー(c)3.0g及びイソシアネートブロック熱反応製水溶性型ウレタン樹脂(c)3.0g、触媒としてポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸金属塩(d)2.0g、を水100ml中に混合撹拌分散して繊維処理剤液を作った。この処理剤液に処理しようとするポリエステル(合成繊維)の15%の減量加工を施したポリエステル布(20×20cm)を処理剤液に2−5分間浸漬し、後処理した布をマングルで余分の処理剤液を除いた後170℃、1分間熱処理を行った。次いで、ウインスにて5分間水洗処理を行い高機能性素材(アミアート,サンゴ)を定着させた。その後、乾燥して「評価表」に示す評価を行った。
【0016】
(実施例2)
実施例1と同一条件(同一スケール)で、処理したポリエステル(合成繊維)を洗剤(商品名「モノゲン」)で10回洗濯した。
【0017】
(比較例1)
実施例1を同一スケール、同一条件でアミノ酸誘導体の無添加の場合で行った。
【0018】
(実施例3)
実施例1と同一条件(同一スケール)で、マイナスイオン発生素材に天然鉱石の微粉末のトルマリンの0.05gのを使用した。
【0019】
(実施例4)
実施例3と同一条件(同一スケール)で、処理したポリエステル(合成繊維)を洗剤(商品名「モノゲン」)で10回洗濯した。
【0020】
(比較例2)
実施例3と同一スケール、同一条件でアミノ酸誘導体の無添加の場合で行った。
【0021】
(実施例5)
実施例1と同一条件(同一スケール)で、高機能性素材として風化造礁サンゴ(a)(マリーンバイオ製:「サンゴ」)の1ミクロン微粉末のみ0.05g、を使用した。
【0022】
(実施例6)
実施例5と同一条件(同一スケール)で、処理したポリエステル(合成繊維)を洗剤(商品名「モノゲン」)で10回洗濯した。
【0023】
(比較例3)
実施例5と同一スケール、同一条件でアミノ酸誘導体の無添加の場合で行った。
【0024】
(実施例7)
実施例1と同一条件(同一スケール)でバインダーに綿用のポリエステル系ウレタン樹脂3.0gを使用した処理剤液に処理しようとする綿布(天然繊維)の15%の減量加工を施した綿布(20×20cm)を使用した。
【0025】
(実施例8)
実施例7と同一条件(同一スケール)で、処理した綿(天然繊維)を洗剤(商品名「モノゲン」)で10回洗濯した。
【0026】
(比較例4)
実施例7と同一スケール、同一条件でアミノ酸誘導体の無添加の場合で行った。
【0027】
(実施例9)
繊維種にナイロンを用いて実施例1と同一条件(同一スケール)、無洗濯で行った。
【0028】
(実施例10)
実施例9を洗剤(商品名「モノゲン」)で10回洗濯した。
【0029】
(実施例11)
繊維種にウールを用いて実施例1及び実施例7と同一条件(同一スケール)、で無洗濯で行った。
【0030】
(実施例12)
実施例11を洗剤(商品名「モノゲン」)で10回洗濯した。
【0031】
表1に上記実施例及び比較例の高機能性付与処理評価を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
なお、表1に示した記号は下記による。ただし、L0は洗濯回数0回、L10は10回を示す。
【0034】
測定項目、測定条件、測定方法は、表2の通りである。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】
本発明によると、繊維又は繊維製品に、多くの高機能性、特に、癒し効果による自律神経の調整、細胞の新陳代謝の活性化を促すマイナスイオン機能を持つ風化造礁サンゴをアミノ酸誘導体の存在下で効率良く簡単に付与出来た。この様な高機能素材で処理した繊維及び/又は繊維製品は摩擦(高摩擦)によりその効果を増大する。
しかも、それらの素材は人体になじみの良く安全性の高い機能性向上素材であり、洗濯を繰り返してもその効果を維持することができる。繊維及び/又は繊維製品の機能性が問われているなかで一層の効果を示す事が出来た。
Claims (5)
- マイナスイオン発生機能素材にアミノ酸誘導体の存在でバインダーと触媒の成分を含む水溶液で繊維及び/又は繊維製品を処理し、次いで、熱処理を行う加工方法において、前記アミノ酸誘導体としてのアミノ酸は、一般のアミノ酸、好ましくは、アミノ酸のエステル体、アミド体及びN−アシル体、アルキル体、より好ましくは、塩基性のアミノ酸のN−アシル・エステル体を用い、そのアミノ酸誘導体と相溶性の良い第四級アンモニュウム塩の混合してなることを特徴とする繊維又は繊維製品に高機能性を付与する加工方法。
- 前記バインダーとして、合成繊維の場合は、シリコーンアクリルコポリマー系とイソシアネートブロック熱反応性型水溶性ウレタン樹脂系、天然繊維の場合は、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂を配合してなることを特徴とする請求項1に記載の繊維又は繊維製品に高機能性を付与する加工方法。
- 前記触媒として、脂肪酸金属塩乳化物系素材、又は、重炭酸ソーダを配合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維又は繊維製品に高機能性を付与する加工方法。
- マイナスイオン発生機能素材として風化造礁サンゴ又はトルマリンにアミノ酸誘導体の存在でバインダーと触媒の成分を含む水溶液で繊維又は繊維製品を処理し、次いで、熱処理を行うことを特徴とする繊維又は繊維製品に高機能性を付与する加工方法において、前記成分の配合成分百分率は、繊維又は繊維製品に対して風化造礁サンゴ、トルマリンは0.05−5.00%、アミノ酸誘導体溶液は0.50−10.00%、バインダーは各々0.50−5.00%、触媒(d)は0.10−3.00%を含むことを特徴とする繊維及び/又は繊維製品に高機能性を付与する加工方法。
- 請求項1乃至4のいずれかの加工方法によって加工された繊維又は繊維製品。
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