JP3920497B2 - 農業用組成物粒剤の散布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は農業用組成物粒剤の散布方法に関し、更に詳細には、農薬、肥料等の浮遊性農薬製剤を上面に適切な大きさ、数の吐出穴を設けた筒状体に充填し、この筒状体を振り出すことにより容易に散布することのできる農業用組成物粒剤の散布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の水稲栽培においては、育苗箱で苗を育て移植する方法が主体となっており、例えば本田での病害虫防除を目的として、移植前に粒剤形態の農薬製剤が使われている。そして、粒剤の施用に際しては均一な散布が求められており、現在、目盛付箱型散布袋や孔付き散粒容器等が使用されている。
【0003】
例えば、農薬粒剤の散布容器としては、円筒の底面に小孔を設け、微粒剤が特定の速度で流出するように調節した農薬微粒剤の散布容器(実開昭61−12381号公報)や、箱状体の両対向側壁を対称的に斜めに切った形状を有する口付箱状体の突出縁部の内側に幅の狭い板を設け、突出縁部に近接する底板に多数の小孔を設けた簡易農薬等散布袋(実開昭63−20975号公報)等が知られている。
【0004】
しかし、いずれの方法も包装容器からの詰め代えが必要であり、農薬を使用する際の安全衛生面から、なるべく直接手に触れたり、被爆したりすることがなく、簡便に散布できる散布器、散布方法の開発が望まれている。
【0005】
また、本発明者は先に、詰め替えの不要な農薬粒剤の散布容器を発明し、特許出願しているが(特開平7−264963号)、更に面積の広い圃場においてより散布しやすい散布容器、散布方法が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、詰め替え等が不要で、広い範囲に簡単に農薬、肥料等の農業用組成物を散布することのできる散布容器およびこれを用いる散布方法の提供をその課題とする。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者らは、散布容器およびこれを用いる散布方法に関し鋭意研究した結果、遠くまで散布しやすい散布容器の形状として筒状体を選択し、かつ、一度に全ての製剤が吐出されないよう上面に適当な手段を設け、散布する農業用組成物粒剤には特定の性質を有する浮遊性農薬製剤を使用し、所定の動作で散布することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、農業用組成物粒剤が充填され、上面に全面積が4〜12cm 2 の1個の吐出穴が設けられるとともに、当該穴がシール状物で封止された筒状体の農業用組成物粒剤散布容器の当該シール状物を剥がし、前記上面の吐出穴から農業用組成物粒剤を振り出して散布する農業用組成物粒剤の水田への散布方法であって、散布される農業用組成物粒剤が(1)1粒当たりの重量が0 . 03g〜0 . 3g、かつ目的の1粒の密度が0 . 4以上1 . 0未満、(2)1粒の短径が3〜7mmであって短径と長径の比率が1〜3、曲面で構成された外的形状、(3)水面に浮いた粒が崩壊分散するまでの時間が30分以内、である浮遊性農薬製剤であり、さらに、農業用組成物粒剤を前記吐出穴から振り出して散布する動作が、前記筒状体の下部を持って弧を描くように前方に振り出し、かつ、10aの水田に対し、10〜35回振り出すことを特徴とする農業用組成物粒剤の水田への散布方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の農業用組成物粒剤の散布方法に用いられる散布容器は筒状体に農業用組成物粒剤(以下、「粒剤」という)を充填し、筒状体の上面に1個の吐出穴を設け、当該穴をシール状物で封止したものであるが、その具体例を図示し説明する。
【0010】
図1は、本発明の散布方法に用いられる散布容器の一実施例の正面図、図2は、その平面図を示す図面である。各図中、1は散布容器、2は筒状体、3はシール状物、4は突出片を示す。また、図3は、シール状物3を途中まで剥離した状態を示す斜視図、図4は上面の形状を示す図面、図5はシール状物に塗布された粘着剤の状態を示す図面である。各図中、5は上面、6は吐出穴、7は粘着剤を示す。
【0011】
本実施例では筒状体2は、円柱状であるが、これに限られず多角柱等の手で握りやすい形状の容器体であれば良く、その材質としては、紙、プラスチック、アルミニウム等の金属あるいは紙にプラスチックをラミネートしたもの等が挙げられる。紙にプラスチックをラミネートする場合、層間に酸化ケイ素、アルミニウム等を存在させても良く、こうすることが筒状物の密閉性を高められるので好ましい。
【0012】
また、上面5は、筒状体2あるいはシール状物3と同じ材質が用いられる。上面5は、筒状体2を成型する際、一体成型するが、あるいは別途用意したものを筒状体2の上面に接着剤を用いるか、ヒートシールにより取り付けることもできる。更に、上面5は、貼付されたシール状物3が容易にはがせることが好ましい。なお、上面に設けられる吐出穴6は、図4で示すような円に限られず、図6に示す楕円、図7に示す正方形等他の形状であっても良い。また、吐出穴の数は1個である。
【0013】
更にまた、上面5に貼付されるシール状物3は、上面5に設けられた吐出穴6を封止するものであり、例えば図5に示すように紙あるいはプラスチック、アルミニウム等の金属で加工したもの、例えばポリエステルフィルム、アルミ蒸着ポリエステルフィルム、クラフト紙等に粘着剤7を塗布したものであることが好ましい。
【0014】
本発明において使用する粘着剤は、農薬輸送中及び倉庫に保管中に自然に剥がれず、散布する際には容易に剥がすことが可能なものであれば、再接着可能なものでもまた、再接着不可能なものであっても特に制約なく使用することができる。市販されている接着剤の例としては、アクリル系の糊粘着剤PA−T1(リンテック株式会社製)、感圧性接着剤BPS−4627−6(東洋インキ製造株式会社製)等が挙げられる。なお、図5では吐出穴6に対応する部分を除いて粘着剤7を塗布しているが、粒剤がシール状物3に付着することを厭わなければ全面に粘着剤7を塗布しても良い。なお、上記のシール状物3への粘着剤7の塗布に代え、既に粘着剤を塗布してあるタック紙を用いても、また逆に上面5に粘着剤7を塗布しても良い。
【0015】
以上説明した本発明の散布方法に用いられる散布容器1の外形は、特に制約されるものではないが、その使用し易さの点から、太さが30mmから100mm、好ましくは40mmから70mmであり、高さ(長さ)は200mmから500mm、好ましくは250mmから400mmである。
【0016】
一方、本発明の散布方法に用いられる散布容器1に充填散布される粒剤(図示せず)は、短径が3〜7mm、長径がその1〜3倍程度のジャンボ粒剤あるいは豆粒粒剤と呼ばれるものである。この粒剤の形状も曲面で構成された外的形状を備えていれば特に制約はなく、球状、円柱状、タワラ状、まゆ状、楕円形等の何れであってもよい。
【0017】
本発明の散布方法に用いられる散布容器1においては、図3に示されるように吐出穴6が設けられる。この吐出穴6が穿たれた上面5は、粒剤を散布する場合にじゃま板として作用し、粒剤が一度に出てしまうことを防ぐとともに散布量を調整するものである。
【0018】
本発明においては、吐出穴6の面積(以下、「吐出面積」という;面積A)に対する筒状体の横断面の面積(面積B)から吐出面積Aを引いた面積(以下、「阻止面積」という;面積(B−A))の比(以下、「吐出穴比」という)が重要な意味を持つ。すなわち、前記のように、上面3の吐出穴6からのみ粒剤が吐出され、それ以外からは吐出されないのであるから、散布量を増やすためには吐出穴6を大きくすること、すなわち吐出穴比を大きくすることが必要である。しかし一方、吐出穴6を大きくすると散布容器中の粒剤が数回の散布操作でなくなってしまうため均一に散布できないとともに効率的ではない。従って、散布量と散布回数を考慮した上で、吐出穴比を決める必要がある。
【0019】
最も適切な吐出穴比は、実験的に定めるしかないが、例えば短径が5mm、長径が短径の1から3倍、1粒当たりの密度が約0.7の粒剤を散布する場合は、1:1から1:7程度、好ましくは1:1から1:4程度である。
【0020】
また、本発明においては、吐出穴6の大きさと粒剤の平均粒径も考慮すべき要素である。すなわち、粒剤の平均粒径が小さければ小さい吐出穴でもある程度の量の粒剤を散布することができるが、粒剤の平均粒径が大きい場合は吐出穴を大きくしなければ十分な量の散布が期待できない。
【0021】
この吐出穴6と平均粒径との好適な関係も実験的に定められるが、例えば短径が5mm、長径が短径の1から3倍、1粒当たりの密度が約0.7の粒剤を、10a当たり250g散布する場合は、吐出穴6の面積は4.5〜8cm2程度、特に6〜6.5cm2程度とすることが好ましい。吐出穴6の面積が8cm2以上の場合は、1回当たりの吐出量が多すぎて均一に散布することが難しく、また、4cm2以下では1回当たりの吐出量が少なすぎることがある。
【0022】
以上、本発明の散布方法に用いられる散布容器の好ましい具体例として筒状体に粒剤を充填し、筒状体の上面に1個の吐出穴を設け、当該穴をシール状物で封止したものを挙げ、詳しく説明したが、別の例としては、筒状体2の上面3にミシン線8を1個の吐出穴を開設可能に設け、使用時にこのミシン線8に沿って切り取って吐出穴6を設ける粒剤の散布容器が挙げられる。
【0023】
このタイプの散布容器の一例を図8に示すが、この散布容器では上面2に設けられたミシン線に沿って上面2の一部を切断し、吐出穴6を設ければよい。
【0024】
次に、本発明の粒剤の散布方法について説明する。まず、粒剤の散布容器1の上部のシール状物3を剥がし、次いで筒状体2の下部を持って弧を描くように前方に振り出すこと(以下、「手振り」という)により、上面2の吐出穴6から粒剤を散布する。
【0025】
粒剤を散布するための手振り動作は、省力化の点からは少ない程良いが、圃場全体に均一に散布するためには、ある程度の手振り動作の回数が必要となる。この手振り動作の回数は、粒剤中の薬剤の水溶性、土壌吸収性、拡散性等により異なるが、一般には10aの水田の場合、1個の散布容器で10〜35回程度である。
【0026】
なお、本発明の散布方法に用いられる散布容器1に充填する粒剤は、好ましく充填される粒剤の例としては、成分として農薬有効成分、界面活性剤、固体担体、水面浮遊性付与剤および必要に応じてその他補助剤を含有する浮遊性農薬製剤が挙げられる。
【0027】
この浮遊性農薬製剤で用いられる農薬有効成分としては、固体あるいは液体状の何れでも用いることができ、この農薬活性成分は水に難溶性あるいは易溶性であってもよく、例えば、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、植物成調節剤等の農薬活性成分が用いられるが、とりわけ水面施用において有用な農薬活性成分が好適である。また、界面活性剤も、農薬製剤に一般的に用いられるものが使用でき、例えば、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレート、アセチレンアルコールおよびアセチレンジオール並びにそれらのアルキレンオキシドを付加物等のノニオン性界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリール燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性剤等、さらにはシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。
【0028】
更に、上記浮遊性農薬製剤で用いられる固体担体としては、水溶性あるいは非水溶性の固形担体を用いることができ、水溶性固形担体としては、例えば、硫酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の有機又は無機酸塩類、クエン酸、コハク酸等の有機酸類、蔗糖、チクトース等の糖類、尿素等を挙げることができる。また、非水溶性固形担体としては一般的には鉱物質微粉が用いられ、例えば、クレー類、炭酸カルシウム、ベントナイト、タルク、珪藻土、ステアリン酸カルシウム、ホワイトカーボン等を挙げることができる。
【0029】
更にまた、水面浮遊性付与剤は、粒状の浮遊製剤を散布した際、各粒が水中に沈むことなく、水面に浮遊する性質を付与するもので、独立した1個または複数個の気室を有する物質である。具体的には、例えば、真珠岩や黒曜石よりなるパーライト、シラスよりなる発泡シラス、アルミノシリケート系で焼成してなるフィライト、珪酸ソーダあるいは硼砂を発泡させたマイクロバルーン、軽石、粒状珪藻土、粒状活性炭、木粉、コルク粉、フェノール樹脂よりなるフェノールマイクロバルーン、エポキシ樹脂よりなるエコスフェアー、ポリウレタンよりなるポリウレタンフォーム、ポリアクリロニトリルよりなるマイクロスフェアー等が挙げられるが、中でもマイクロスフェアーが好適である。マイクロスフェアーは、それ自体の浮力によって水面に浮遊させる性質を付与するのではなく、これを用いて成形する際、非常に多くの空気を造粒物に混入させることができ、即ち、非常に少ない含有量でも効果が高いこと、又、紫外線によって中空構造が容易に破壊されるため、いつまでも水面を漂うことがない点で好ましい。
【0030】
この浮遊性農薬製剤は、次の条件(1)〜(3)を満足するように成形されたものである。
(1)1粒当たりの重量が0.03g〜0.3g、且つ目的の1粒の密度が 0.4以上1.0未満
(2)1粒の短径と長径の比率が1〜3、曲面で構成された外的形状
(3)水面に浮いた粒が崩壊分散するまでの時間が30分以内
そして、好ましくはその1粒当たりの圧縮崩壊強度は0.1kgf以上である。
【0031】
【作用】
本発明の散布方法に用いられる散布容器は、その状態で販売されるものであり、購入後上面のシール状物を剥離することにより、すぐに圃場に散布することができるものであるから、詰め替えの操作がいらず、安全性が高いものである。また、手振りにより散布することができるから、ある程度の広さに散布することは容易であり、かつ、調整された吐出穴の存在により、均一に散布することができるから、散布方法としても有利なものである。
【0032】
更に、充填する粒剤として浮遊性農薬製剤を用い、水田に散布した場合には、散布の均一性と農薬製剤自体の拡散性とが相まって、容易に水田全体に農薬を散布することが可能となる。
【0033】
【実施例】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
【0034】
実 施 例 1
直径50mm、高さ300mmの円柱状のポリエチレン−アルミニウムラミネート紙製容器を調製した。この容器に、除草剤有効成分として、ピリミノバックメチル、ベンスルフロンメチル、オキサジクロメホン、界面活性剤として、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、固体担体として硫酸ナトリウム、水面浮遊性付与剤としてマイクロスフェアーを成分とし、常法により粒状化した短径5mm、長径8mm、1粒当たりの密度が0.7の粒状物250gを充填した。更に、直径28mmの円形の穴を施したポリエチレン−アルミニウムラミネートシートに同材質のシートを、粘着剤を用いて貼り付けて穴の部分をシールし、穴が開いている面を内側に円柱状容器の上面にヒートシールし、農薬粒剤が充填された散布容器を得た。
【0035】
実 施 例 2
直径60mm、高さ250mmの円柱状のポリエチレン−アルミニウムラミネート紙製容器を調製した。この容器に、除草剤有効成分として、ピリミノバックメチル、ベンスルフロンメチル、オキサジクロメホン、界面活性剤として、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、固体担体として硫酸ナトリウム、水面浮遊性付与剤としてマイクロスフェアーを成分とし、常法により粒状化した短径7mm、長径14mm、1粒当たりの密度が0.7の粒状物250gを充填した。更に、直径35mmの円形の穴を施したポリエチレン−アルミニウムラミネートシートに同材質のシートを、粘着剤を用いて貼り付けて穴の部分をシールし、穴が開いている面を内側に円柱状容器の上面にヒートシールし、農薬粒剤が充填された散布容器を得た。
【0036】
実 施 例 3
直径40mm、高さ400mmの円柱状のポリエチレン−酸化ケイ素ラミネート紙製容器を調製した。この容器に、除草剤有効成分として、ピリミノバックメチル、ベンスルフロンメチル、メフェナセット、界面活性剤として、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、固体担体として硫酸ナトリウム、水面浮遊性付与剤としてマイクロスフェアーを成分とし、常法により粒状化した短径4mm、長径6mm、1粒当たりの密度が0.8の粒状物300gを充填した。更に、一辺が21mmの正方形の穴を施したポリエチレン−アルミニウムラミネートシートに同材質のシートを、粘着剤を用いて貼り付けて穴の部分をシールし、穴が開いている面を内側に円柱状容器の上面にヒートシールし、農薬粒剤が充填された散布容器を得た。
【0037】
実 施 例 4
5mm角、高さ250mmの角柱状で、上部に10mm×40mmの長方形の穴を施したポリエチレンラミネート紙製容器を調製した。この容器に、除草剤有効成分として、ベンスルフロンメチル、メフェナセット、界面活性剤として、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、固体担体として硫酸ナトリウム、水面浮遊性付与剤としてマイクロスフェアーを成分とし、常法により粒状化した短径5mm、長径8mm、1粒当たりの密度が0.6の粒状物250gを充填した。更に、上部の穴の部分にポリエチレン−アルミニウムラミネートシートを、粘着剤を用いて貼り付けて穴の部分をシールし、農薬粒剤が充填された散布容器を得た。
【0038】
実 施 例 5
50mm角の容器に、除草剤有効成分として、ピリミノバックメチル、ベンスルフロンメチル、オキサジクロメホン、界面活性剤として、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、固体担体として硫酸ナトリウム、水面浮遊性付与剤としてマイクロスフェアーを成分とし、常法により粒状化した短径3mm、長径5mm、1粒当たりの密度が0.7の粒状物250gを充填した。次いで、容器上部を折り込み、三角屋根(いわゆるゲーブルトップ)とした高さ250mmの農薬粒剤が充填された散布容器を得た。なお、容器上部を折り込む前に、上部三角屋根の斜面となる部分に、底辺40mm高さ25mmの三角形の穴を施し、ポリエチレン−アルミニウムラミネートシートを、粘着剤を用いて貼り付けて穴の部分をシールした。
【0039】
試 験 例 1
実施例1〜5で製造した、粒剤の散布容器から上面のシール状物を剥がした後、この容器の下部を手で握り、弧を描く様に前方に振り出して、広さ10aの水田の畦畔から水田内部に振りまいた。容器内部の粒状物の殆どが振りまかれるまでの振り出し回数を計測し、容器に入っていた粒状物の重量を振り出し回数で除し、平均吐出量を算出した。この結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
農薬の散粒に当たって、農薬の散粒器への詰め替え及び、新たな散粒器具が不要であり、農薬の詰め替えによる労力の低減化を図り、散布作業者への農薬の曝露を防止し、安全且つ簡便に薬剤を散布する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の散布方法に用いられる散布容器の一実施例の正面図
【図2】 本発明の散布方法に用いられる散布容器の一実施例の平面図
【図3】 シール状物3を途中まで剥離した状態を示す斜視図
【図4】 上面の形状を示す図面
【図5】 シール状物に塗布された粘着剤の状態を示す図面
【図6】 上面の別の形状を示す図面
【図7】 上面の他の別の形状を示す図面
【図8】 本発明の散布方法に用いられる散布容器の別の実施例を示す図面
【符号の説明】
1 … … 散布容器
2 … … 筒状体
3 … … シール状物
4 … … 突出片
5 … … 上面
6 … … 吐出穴
7 … … 粘着剤
8 … … ミシン線
Claims (2)
- 農業用組成物粒剤が充填され、上面に全面積が4〜12cm2の1個の吐出穴が設けられるとともに、当該穴がシール状物で封止された筒状体の農業用組成物粒剤散布容器の当該シール状物を剥がし、前記上面の吐出穴から農業用組成物粒剤を振り出して散布する農業用組成物粒剤の水田への散布方法であって、散布される農業用組成物粒剤が(1)1粒当たりの重量が0.03g〜0.3g、かつ目的の1粒の密度が0.4以上1.0未満、(2)1粒の短径が3〜7mmであって短径と長径の比率が1〜3、曲面で構成された外的形状、(3)水面に浮いた粒が崩壊分散するまでの時間が30分以内、である浮遊性農薬製剤であり、さらに、農業用組成物粒剤を前記吐出穴から振り出して散布する動作が、前記筒状体の下部を持って弧を描くように前方に振り出し、かつ、10aの水田に対し、10〜35回振り出すことを特徴とする農業用組成物粒剤の水田への散布方法。
- 散布される農業用組成物粒剤が、その1粒当たりの圧縮崩壊強度が0.1kgf以上である浮遊性農薬製剤であることを特徴とする請求項1に記載の農業用組成物粒剤の散布方法。
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