JP3920167B2 - 着信通知方式指定システム、通信端末、及び、通信端末制御プログラム - Google Patents

着信通知方式指定システム、通信端末、及び、通信端末制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は着信通知方式指定システム、通信端末、及び、通信端末制御プログラムに関し、特に着信側端末の状態に応じて着信通知方式を制御する着信通知方式指定システム、通信端末、及び、通信端末制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、PHS等の移動通信端末は、どこでにでも携帯し、通話やメールの発着信を行うことができる一方で、場所に関わらず、通話の着信やメールの着信時に移動通信端末が発する着信音により、周囲の者が迷惑を被ることがある。
従来においては、このような事態を防ぐために、着信者の周囲に配慮し、音声以外の方法で着信を通知する「マナーモード」と呼ばれる設定を行うことができる機能が設けられた移動通信端末もある。
【0003】
「マナーモード」において行われる着信の着信者への通知方式には、例えば、移動通信端末が振動することにより、移動通信端末を身につけ、あるいは、移動通信端末を入れた鞄等を持つ着信者に着信を知らせる「バイブレーション着信」や、着信音を鳴らすことなく移動通信端末の一部が発光する等によって着信者に着信を知らせる「サイレント着信」などがある。
【0004】
また、着信自体を規制、すなわち指定された着信側端末への接続を行わずに、着信することができない旨のアナウンスを行った後に切断し、あるいは、留守番電話サービスへ接続し、着信者への伝言を残すようにする場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、携帯電話、PHS等においては、着信者に着信を通知するための着信通知方式を指定することができるようになっている。
しかし、従来においては、この着信通知方式の指定は、あらかじめ着信を受ける着信者において行わなければならなかった。このため、着信者がうっかりマナーモードへの設定を忘れてしまった場合には、不適切な場所で着信音が鳴り響いたり、又、逆に、マナーモードへの設定が維持され続け、着信者が重要な着信に気づかないような事態が生じていた。
【0006】
更に、近年においては、移動通信端末のサービス提供地域外における使用を可能にするローミングの普及に伴い、国際的にローミングが行われるつつある。このローミングにおいては、携帯電話が国外においてもそのままの電話番号で使用可能であるため、発信者が着信者の位置を意識することなくいつでも発信を行うことができる。このため、発信者が着信者のいる場所における標準時刻、すなわち現地時刻を認識することができず、就寝時間中等の不適切な時間帯に発信を行ってしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、着信者が常に場所、時間等に応じた通知方式への設定を意識しなくても、適切な着信が行えるようにするための着信通知方式指定システム、通信端末、及び、通信端末制御プログラムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による着信通知方式指定システムは、着信側端末における着信通知方式を指定するための着信指定手段を含む発信側端末と、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知手段を含む着信側端末と、前記着信側端末が位置する着信場所を表す位置情報に基づいて、当該着信場所における標準時刻を取得し、前記取得した標準時刻が予め指定された時間帯内である場合に、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に応じて当該指定された着信通知方式による着信の通知を制限するように前記着信通知手段を制御する着信通知制御装置と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2による着信通知方式指定システムは、請求項1において、前記着信通知方式は、着信側端末から音声を発することにより着信を通知する音声着信通知方式であることを特徴とする。
本発明の請求項3による着信通知方式指定システムは、請求項1において、前記着信通知方式は、音声を発する以外の方法により着信を通知するマナー着信通知方式であることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4による着信通知方式指定システムは、請求項1〜3のいずれか1項において、前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、着信を拒否することを特徴とする
本発明の請求項5による着信通知方式指定システムは、請求項1〜4のいずれか1項において、前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、着信側端末への接続の代わりに留守番電話サービスへの接続を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6による着信通知方式指定システムは、請求項1〜5のいずれか1項おいて、前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、前記指定された着信通知方式による着信の通知を制限する代わりに又は制限と共に、発信側端末を介し、着信側端末において着信不能な時間帯である旨の警告を行ことを特徴とする。
本発明の請求項7による着信通知方式指定システムは、請求項1〜6のいずれか1項において、前記着信通知制御装置は、前記時間帯内においても、一定の発信側端末からの着信に対しては、前記制限を行わず、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式で通知するように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8による着信通知方式指定システムは、請求項おいて、前記一定の発信側端末は、予め登録された発信側端末であることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項9による着信通知方式指定システムは、請求項において、前記一定の発信側端末は、前記着信通知手段によって着信を通知させるための暗証番号を入力する発信側端末であって、
前記着信通知制御装置は、発信側端末より入力された番号が前記暗証番号と一致した場合にのみ前記着信指定手段によって指定された着信通知方式で通知することを特徴とする。
本発明の請求項10による着信通知方式指定システムは、請求項1〜9のいずれか1項において、前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、前記着信指定手段による指定にかかわらず一定の着信通知方式を用いた着信の通知を行うように制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項11による着信通知方式指定システムは、請求項1〜10のいずれか1項において、前記着信通知制御装置による制御内容は、着信側端末から着信制御情報として指定可能であることを特徴とする。
本発明の請求項12による着信通知方式指定システムは、請求項1〜11のいずれか1項において、前記着信側端末は、移動通信端末であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項13による着信通知方式指定システムは、請求項12において、前記位置情報は、着信側端末の位置を示し、発信側端末と前記着信側端末との接続を行うために参照される情報であることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項14による着信通知方式指定システムは、請求項13において、前記着信通知制御装置は、着信側端末への接続時において前記位置情報を参照すると共に、前記着信制御情報をも参照することを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項15による着信通知方式指定システムは、サーバを介してメールを送受する移動通信端末のメールシステムにおいて、前記移動通信端末である着信側端末でメールの着信を通知する着信通知システムであって、
メールの発信側端末に、
前記着信側端末における着信通知方式を指定するための着信指定手段を含み、
前記着信側端末に、
前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知手段
又は複数の前記発信側端末によって互いに異なる着信通知方式が指定された複数のメールを前記サーバから同時に受信した場合に、あらかじめ着信通知方式について定められた優先順位に基づいて、前記1又は複数の発信側端末による指定のうち最も優先順位の高い着信通知方式のみを用いて着信を通知するように、前記着信通知手段を制御する着信通知制御装置と、
を有することを特徴とする。
本発明の請求項16による着信通知方式指定システムは、請求項15において、前記着信通知方式は、着信側端末から音声を発することにより着信を通知する音声着信通知方式、及び、音声を発する以外の方法により着信を通知するマナー着信通知方式のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする
【0018】
本発明の請求項17による通信端末は、請求項1〜1のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システムにおいて発信側端末として用いる通信端末であって、着信側端末を指定し発信する際に、発信者が前記着信通知方式の指定を入力するための入力部を、含むことを特徴とする。
本発明の請求項18による通信端末は、請求項1〜1のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システムにおいて着信側端末として用いる通信端末であって、
前記着信通知制御装置によって制御され、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する通知部を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項19による通信端末は、請求項15又は16に記載の着信側端末として用いる移動通信端末であって、
前記着信通知手段前記着信通知手段を制御する着信通知制御装置と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項20による通信端末制御プログラムは、請求項1〜1のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システムにおいて着信側端末として用いる移動通信端末を制御するための通信端末制御プログラムであって、
前記着信通知制御装置によって制御され、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知ステップを有することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項21による通信端末制御プログラムは、請求項15又は16に記載の着信通知方式指定システムにおいて着信側端末として用いる移動通信端末を制御するための通信端末制御プログラムであって、
1又は複数の前記発信側端末によって互いに異なる着信通知方式が指定された複数のメールを前記サーバから同時に受信した場合に、あらかじめ着信通知方式について定められた優先順位に基づいて、前記1又は複数の発信側端末による指定のうち最も優先順位の高い着信通知方式を選択する着信通知制御ステップと、
前記着信指定手段によって指定された着信通知方式又は前記着信通知制御ステップで選択された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知ステップと、
を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の第一の実施の形態として、発信側端末による着信通知方式の指定に基づいて着信を通知する着信通知方式指定システム、移動通信端末、及び、通信端末制御プログラムについて説明した後、第二の実施形態として、着信通知制御装置を用いて、着信側端末の位置情報に応じた着信通知の制御を行う着信通知方式指定システムについて説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等の部分が同一符号によって示されている。
(第一の実施形態)
図1には、本システムにおいて発信側端末及び着信側端末となる移動通信端末間通信のネットワーク構成を説明する図である。同図に示されるように、移動通信端末間通信のネットワークは、発信側端末1と発無線局3と、発交換局4と、HLR(位置情報レジスタ(Home Location Register))5と、着交換局6と、着無線局7と、着信側端末2と、を含んで構成される。
【0023】
発信側端末1は、本実施の形態においては、着信側端末2への発信、すなわち通話の要求、あるいは、メールの送信を行うための移動通信端末である。図2に示されるように、入力部1Aと、通話部1Bと、制御部1Cと、通信部1Dと、を含み、従来の移動通信端末と同様に構成される。
入力部1Aは、従来と同様にプッシュボタンによって構成され、発信者はこれを用いて着信側端末2の電話番号を入力する。また、本実施の形態においては、発信者が、着信側端末2において着信を着信者に通知するための着信通知方式の指定を行うためにも、用いられる。
【0024】
通話部1Bは、従来と同様の機能であり、発信者の発声による音声入力を電気信号に変換し、又は、電気信号を音波に変換して発信者との情報の交換を行う。
制御部1Cは、発信側端末1における各部を制御する。
通信部1Dは、発信者からの音声入力を電波に変換し、移動通信網へ情報を発信し、又その逆を行う。
【0025】
この発信側端末1は、本発明においては、移動通信端末に限定されるものではなく、通話、あるいは、メール送信の機能を有するものであれば特に限定されない。
図1に戻り、発無線局3及び発交換局4は、従来の移動通信網における無線局及び交換局と同様の機能を有するものである。発無線局3においては、発信側端末1からの電波を受信し、発信側端末1からの通話の接続要求、あるいは音声データなどの情報を電気信号へ変換後、発交換局4へ送信する。発交換局4は、発無線局3から送信される発信側端末1からの接続要求に基づいて、着信側端末2への回線を設定するためのルーティングを行う。回線設定後には、これら発無線局3と発交換局4とは、発信側端末1と着信側端末2との間の通信を中継する。本実施の形態においては、これら発無線局3及び発交換局4は、発信側端末1からの着信方式の指定を、着信側端末2まで送信する。
【0026】
HLR5は、従来のHLRと同様の機能を有し、移動通信端末が位置する場所に関する位置情報を保持して、回線設定のために参照される。HLR5は、図3に示されるように、発信側端末1によって指定された電話番号5A、該電話番号5Aに対応する移動通信端末を特定するための着側ユーザID5B、及び、各移動通信端末の位置を特定するための位置情報5C、等の情報を、通信サービスを提供する全ての移動通信端末について保持する。
【0027】
図1に戻り、着交換局6、及び、着無線局7は、それぞれ上述の発交換局4、及び、発無線局3に対応するものであり、着信側端末2との通信を行う。
着信側端末2は、本実施例においては、発信側端末1から通話要求を着信し、あるいは、メールを受信する移動通信端末である。着信側端末2は、図4に示されるように、保持部2Aと、通知部2Bと、制御部2Cと、通信部2Dと、を含んで構成される。
【0028】
通知部2Bは、着信音、バイブレーション、あるいは、発光等により着信があったことを着信者に通知する機能を有する。本実施の形態においては、発信側端末1からの着信通知方式の指定に基づいて、着信者へ着信を通知する。
制御部2Cは、従来と同様の構成及び機能を有し、各部を制御する。
保持部2Aは、着信側端末2における各部の制御等に必要なプログラム等のデータを保持する。従来と同様に読取り、書込み可能な記憶媒体によって構成される。本実施の形態においては、上述のように、着信通知方式の指定と受信するパラメータとを対応づけるテーブルや、着信通知方式の指定が「その他」である場合に、着信者があらかじめ指定する着信通知方式との対応づけ等に関するデータを保持する。
【0029】
通信部2Dは、従来と同様の構成及び機能を有し、着信側端末2と通信網との通信を行う。
本発明においては、着信側端末2は移動通信端末に限定されるものではないが、移動通信端末のように、常時携帯し、移動する端末における実施に特に効果を有する。
【0030】
次に、上述のシステムにおける、発信側端末1からの着信通知方式を指定した通話の要求に基づいて、着信側端末2が着信の通知を行うまでの手順を、図5を用いて説明する。
ステップS101においては、発信側端末1から、発交換局4へ接続要求が行われる。この時、発信側端末1において入力された着信側端末の着側電話番号と、着信通知方式とがパラメータとして渡される。発信側端末1における着信通知方式の指定には、図6に示されるように、着信通知方式の指定と数値とをあらかじめ対応づけ、この数値を入力することにより行う。発信者は、発信時において、着側電話番号の入力に引き続き、指定すべき着信通知方式に対応する数値を入力する。同図においては、数値P1〜P4と、着信通知方式の指定r1〜r4は、それぞれ、‘00’が「マナーモード呼出」に、‘01’が「通常着信呼出」に、‘10’が「着信音強制呼出」に、‘11’が「その他」に対応づけられている。ここで、「マナーモード呼出」は、上述のように、「サイレント着信」や「バイブレーション着信」等の着信側端末2の周囲に位置するものに配慮した音声以外の方式により通知するマナー着信通知方式の指定である。「通常着信呼出」は、着信側端末2における設定されている着信通知方式のままでの通知を指定する。着信通知方式の指定を発信側端末で行わない場合は、「通常着信呼出」が指定されたものとして取り扱う。「着信音強制呼出」は、着信側端末2においてあらかじめ設定されている着信通知方式に関わらず、音声により着信を通知する音声着信通知方式の指定である。「その他」は、上述の着信通知方式以外の着信通知方式を指定するものであり、例えば、あらかじめ、着信者が着信側端末において一定の着信通知方式を設定する。そして、この「その他」の指定が行われた場合には、該着信側端末において設定された着信通知方式により着信を通知する。
【0031】
ステップS102においては、発交換局4がHLR5に対して位置情報検索の要求を行う。HLR5においては、図3に示されるように、パラメータとして渡された着側電話番号5Aに基づいて、着側ユーザID5Bを特定し、該着信側端末2の位置情報5Cを取得する。
図5に戻り、ステップS103においては、HLR5は、ステップS102において取得した位置情報に基づいて特定される着交換局6へ呼出要求を行う。この時パラメータとして、ステップS102において取得した着側ユーザIDを引き渡す。
【0032】
ステップS104においては、着交換局6がPagingの要求を該着交換局6が管轄する全ての移動通信端末に対して行う。このPagingは、着側ユーザIDにより特定される着信側端末2との接続を行うために、着交換局6が管轄する全ての移動通信端末に対して一斉呼出であり、着側端末により行う。
ステップS105においては、ステップS104における一斉呼出によって、呼び出された該着側ユーザIDを有する着信側端末2が応答する。
【0033】
ステップS106においては、ステップS105において応答を行った着信側端末2が認証された場合に、着交換局6が、ステップS103における呼出要求に対する呼出要求応答を行う。
ステップS107においては、ステップS102において行われた位置情報検索に対する位置情報検索応答がなされる。
【0034】
ステップS108においては、着信側端末2を管轄することが確認された着交換局6へステップS101に対応する接続要求が行われる。この時、発信側端末1により指定された着信通知方式の指定についても、パラメータとして、着交換局6に引き渡される。
ステップS109においては、ステップS105におけるPaging応答後、認証が行われ、着無線局7を経て着交換局6との通信を行うための無線パスの設定がなされた着信側端末2に対し、着信通知が行われる。この時、パラメータとして、ステップS108の接続要求において着交換局6がパラメータとして取得した着信通知方式の指定が、更に着信側端末2に引き渡される。着信側端末2においては、パラメータとして引き渡された着信通知方式の指定に基づいて、該着信通知方式を用いて着信の通知が行われる。
【0035】
この着信通知を受けた着信側端末における動作を図7に示す。
同図のステップS201においては、着信通知を受信する。
ステップS202においては、ステップS201の着信通知時に同時に受信する着信通知方式指定のパラメータが、‘00’の場合は、ステップS203に移行する。
【0036】
ステップS203においては、図6に示されるように、着信通知方式指定のパラメータが、‘00’の場合は、着信通知方式の指定が「マナーモード呼出」であるので、着信側端末は、通知部を制御し、上述のようにマナー着信通知方式を用いて、着信を通知する。
図7のステップS204においては、ステップS202において、着信通知方式指定パラメータが‘00’でないと判断された場合に、着信通知方式指定パラメータが‘01’か否かの判断を行う。‘01’の場合は、ステップS205に移行する。
【0037】
ステップS205においては、図6に示されるように、着信通知方式指定のパラメータが、‘01’の場合は、着信通知方式の指定が「通常着信呼出」であるので、着信側端末は、あらかじめ着信側端末において設定されている着信通知方式を変更することなく、該着信通知方式を用いて着信を通知する。
図7のステップS206においては、ステップS204において、着信通知方式指定パラメータが‘01’でないと判断された場合に、着信通知方式指定パラメータが‘10’か否かの判断を行う。‘10’の場合は、ステップS207に移行する。
【0038】
ステップS207においては、図6に示されるように、着信通知方式指定のパラメータが、‘10’の場合は、着信通知方式の指定が「着信音強制呼出」であるので、着信側端末は、あらかじめ着信側端末において設定されている着信通知方式に関わらず、音声着信通知方式を用いて着信を通知する
図7のステップS208においては、ステップS206において、着信通知方式指定パラメータが‘10’でないと判断された場合に、すなわち、‘00’、‘01’、及び、‘10’のいずれでもない、‘11’である場合に、通知部は仕様通りの通知を行う。仕様通りとは、図6に示されるように、着信通知方式の指定が「その他」であるので、上述のように、例えば、あらかじめ着信者が設定し、保持部に登録された着信通知方式を用いて通知を行う。
【0039】
この図7に示される動作を実現するためのプログラムを用いることによって、指定された着信通知方式に基づいて、着信側端末において着信の通知を行うことができる。すなわちこのプログラムは、着信側端末を制御するためのプログラムであり、着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて発信側端末からの着信を通知する着信通知ステップを有するものである。また、後述するように、着信通知制御装置によって着信の通知が制御される場合には、着信通知ステップにおける着信の通知は、着信指定手段において指定された着信通知方式に応じて着信通知制御装置により制御される。このプログラムは、着信側端末の保持部に保持し、制御部によって通知部が制御される。このプログラムは、例えば、予め着信側端末に記録媒体に記録し、あるいは、WEBページ上に公開してダウンロードにより入手可能なものとしてもよい。
【0040】
図5に戻り、ステップS110においては、着信側端末2における着信の通知を認識した着信者が、受話器をあげる。これにより発信側端末1と着信側端末2との間において音声通話が開始される。
このようにして、発信側端末1と着信側端末2との回線設定時に至る従来の手続きに、更に、パラメータとして、着信通知方式の指定を追加し、着信側端末2まで引き渡すことにより、発信側端末1において着信側端末2における着信通知方式の指定を行うことができる。
【0041】
発信側において「着信音強制呼出」の指定を可能とすることにより、例えば、会議中等でマナー着信通知方式へ設定している着信者に、緊急の連絡が取りたいような場合や、着信者が会議終了にもかかわらずマナー着信通知方式からの設定変更を忘れているような場合に、強制的に着信音を鳴らして、連絡を取ることができる。
【0042】
一方、発信側において「マナーモード呼出」の指定を可能とすることにより、例えば、着信者がマナー着信通知方式への設定変更を忘れていても、その事情を知ってる発信者が「マナーモード呼出」を指定することができ、着信者が電車に乗車中又は会議中などに着信音が鳴り響くような事態を防ぐことができる。その他、例えば、メールマガジン、メーリングリスト、あるいは、企業からの商品広告用のメールなど、多数の者に一度にメールを送信するような場合に、「マナーモード呼出」の指定を行えば、着信者に迷惑をかけることなくメールを送信することができる。更に、発信側端末1と着信側端末2とが異なる国等に存在するような場合には、時差のため、発信者の活動中に着信者が就寝しているような場合が想定される。このような場合にも、「マナーモード呼出」を指定することにより就寝中等の着信者に迷惑をかけることなく発信を行うことができる。
【0043】
また、図5においては、この着信通知方式の指定パラメータの引渡しを、発交換局4がステップS107における位置情報検索応答を受信するまで待ち合わせ、ステップS108における接続要求時に引き渡している。しかし、この引渡しのタイミングは特に限定されるものではなく、それ以前のステップにおいて着交換局又は着無線局へ引き渡し、ステップS109における着信通知を行うまでの間、これらの局において該情報を保持することとしてもよい。すなわち、着信通知方式の指定を、発信側端末1における発信者による発信時から着信側端末2への着信時に伝達可能であれば、その間のネットワークにおける伝達方法等は限定されるものではない。
【0044】
又、本実施の形態においては、発信側端末が「着信音強制呼出」の指定を行う時は、暗証番号を要求する。この暗証番号を指定して「着信音強制呼出」を行う場合システムの構成を図8に、フローチャートを図9に示す。
図8に示されるように、発信側端末1と、着信側端末2との間には着信通知制御装置9が設置される。この着信通知制御装置9は、発信側端末1と着信側端末2との通信を伝送中継する装置、あるいは、発信側端末1又は着信側端末2の内部に設置されるものであってもよい。発信側端末1と着信側端末2との通信を中継する装置とは、図1に示される発無線局3から着無線局7に至るまでに通信を中継する装置である。この着信通知制御装置9は、本実施の形態においては、発信側端末1に暗証番号を要求し、受信した暗証番号につき認証を行い、認証が一致した場合に着信側端末2において着信の通知を行うように制御するものである。
【0045】
図9に示される、「強制着信音呼出」の指定から着信通知制御装置による着信通知の制御に至るまでのフローチャートを説明する。
ステップS701においては、発信者が発信側端末より着側電話番号の入力に続けて、着信通知方式の入力を行う。
ステップS702においては、ステップS701において「着信音強制呼出」を指定した場合にあっては、発信者が、引き続き暗証番号の入力を行う。又は、「着信音強制呼出」の指定が入力された時に、発交換局4等がガイダンスと共に、発信者に暗証番号の入力を求めることとしても良い。
【0046】
ステップS703においては、ステップS702において入力された暗証番号の認証を行う。この暗証番号の認証は、例えば、以下のように行う。あらかじめ着側電話番号に対応づけ、サービス加入者の情報を保持するデータベースに保存する。例えば、HLRに保存する場合には、上述の位置情報検索の際、あるいは、独立した認証要求として、HLRに着側電話番号をパラメータとして引き渡す。該着側電話番号を受信したHLRは、着側電話番号に対応する暗証番号を返し、あるいは、暗証番号も一緒にパラメータとして受信する。その後、入力された暗証番号があらかじめ着側電話番号に対応づけられた暗証番号と一致するか否かの認証を行う。この認証において一致した場合には、ステップS704に移行し、そうでない場合には、着信側端末へ指定された着信の通知を行うことなく終了する。あるいは、ガイダンスと共に、再度暗証番号の入力を促したり、あらかじめ着信側端末2において設定されている該着信通知方式を用いた通知がなされるようにしてもよい。
【0047】
ステップS704においては、着信側端末において発信側端末において指定された着信通知方式を用いた着信の通知がなされるように制御される。
このように、発信者による「着信音強制呼出」の指定時に、着信側に対応した暗証番号を求めることにより、間違い電話やいたずら電話等によって不用意に「着信音強制呼出」の指定がなされ、着信者やその周囲の者が迷惑を被ることを防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態においては、「着信音強制呼出」が指定された場合にのみ、自動的に暗証番号を求めることとするが、どのような指定を行った場合にどのような暗証番号を求めるのかを、着信者によって設定可能としてもよい。
また、暗証番号の要求による指定の許可だけでなく、例えば、発信側端末の電話番号に応じて、一定の発信側端末による場合にのみ、着信通知方式の指定を許可してもよい。また、着信通知方式の指定の制御は、着信側端末2において行ってもよい。この場合には、着信側端末2にまで、発信側入力暗証番号、あるいは、発信側電話番号の情報を伝達し、制御部による着信通知方式の判断時に、同時に、指定が許可されるものであるか否かの判断等を行ってもよい。
【0049】
図10には、メールの発信から着信にいたるまでの手順が示されている。同図に示されているように、発信側端末1から送信されたメールはGate WayサーバSV(以下、「GWサーバ」と略す)に送信され(ステップS601)、GWサーバSVに蓄積される。その後、GWサーバSVから着信側端末2への接続要求がなされ(ステップS602)、着信側端末2との接続が確立された場合に、着信側端末にメールが送信される(ステップS603)。このように、メールは一旦GWサーバSVに蓄積され、例えば、着信側端末2が圏外にある場合等の受信不能な状態にあるときに送信されたメールも、後に再度送信可能になっている。このような場合には、GWサーバSVに蓄積された複数のメールを、着信側端末2が一度に受信する場合がある。
【0050】
本実施の形態においては、このような場合において、一度に複数の着信通知方式が指定された時に、着信通知方式についてあらかじめ定められた優先順位に基づいて、複数の発信側端末によって指定された着信通知方式のうち最も優先順位の高い着信通知方式のみを用いて、着信を通知する。例えば、優先順位を上述の「着信音強制呼出」が一番高く、以降順に「通常着信呼出」、「マナーモード呼出」とする。このとき、「着信音強制呼出」を指定するメールと、「通常着信呼出」を指定するメールとを同時に受信したときは、優先順位に基づき、着信音を強制的に鳴らして、メールの受信を通知する。
【0051】
この優先順位は、「着信音強制呼出」が一番高いとするだけでなく、例えば、着信者の希望に沿ってあらかじめ優先順位の設定を可能とする。本実施の形態においては、メールを受信した着信側端末が、複数のメールを受信した場合に、着信を通知する前に、着信通知方式の指定を全受信メールについての比較動作を行う。
(第二の実施形態)
図11には、本発明にかかる着信側端末の位置情報に応じて着信の通知を制御するシステムの一の実施形態として、発信側端末1と着信側端末2とが異なる移動通信サービス提供地域にある場合のネットワーク構成が示されている。同図に示されるように、一の移動通信サービスを提供する移動通信網Aの発無線局3と発交換局4とHLR5と、移動通信網Aと異なる移動通信サービスであって、移動通信網Aと時差のある地域に形成される移動通信網Bの着交換局6と着無線局7と、移動通信網Aによる移動通信サービス加入者の発信側端末1と着信側端末2と、国際回線WCと、を含んで構成される。
【0052】
発信側端末1と、発無線局3と、発交換局4と、は、基本的に、上述の図1に示される発信側端末1と、発無線局3と、発交換局4と同様の構成及び機能を有するものである。すなわち、発信側端末1からの着側電話番号を指定した発信に基づいて、着信側端末2との回線設定を行うためのルーティングを行い、回線設定後には、発信側端末1と着信側端末2との通信を中継する。
【0053】
HLR5は、移動通信網B形成地域内に位置する着信側端末2の移動通信網Bにおける現在位置を示す位置情報と、国−標準時刻テーブルと、時間帯−制御対応情報と、を保持する。
位置情報は、特に移動通信端末である着信側端末2との回線設定を行うために使用される情報であり、着信側端末2が位置を移動する毎に登録、更新される情報である。本実施の形態においては、この位置情報に、着交換局6を特定する情報を用いる。これにより、着信側端末2の位置情報を発信側端末1からの発信時にこの位置情報を参照し、着信側端末2への着信通知を行う着交換局6を特定して、異なる移動通信網形成地域内にある発信側端末1と着信側端末2との回線設定が可能となる。本実施の形態においては、この位置情報を回線設定のためにのみでなく、刻々と更新される着信側端末2の状態を表す情報として利用する。すなわち、この着信側端末2の位置情報に基づいて、着信時点での着信側端末2の位置する場所における標準時刻(これを、「現地時刻」という)を取得し、あるいは、着信側端末2の位置そのものを取得することにより、着信側端末2の状態に対応した、より適切に着信を通知するための制御を行うことができる。
【0054】
国−標準時刻テーブルは、位置情報に対応する国と標準時刻との対応を規定する。ゆえに、このテーブルを用いることにより、着信側端末の現地時刻を取得することができる。
時間帯−制御対応情報は、位置情報に対応して導出される現地時刻をもとに、どのような時間帯に、どのような着信通知方式の指定に応じた着信の通知の制御を行うのかについての対応を規定する情報である。本実施の形態においては、時間帯と制御との対応は、あらかじめ着信者によって設定、選択が可能なサービスとなっている。ゆえに、この時間帯−制御対応情報は、着信者毎に規定される。
【0055】
国際回線WCは、移動通信網A及び移動通信網Bの端末間を接続し、通信を行うための回線である。
着交換局6と、着無線局7とは、移動通信網Bにおける移動通信サービスを提供するための移動通信網を構成し、移動通信網Bの移動通信サービス加入者端末への接続要求を受けて、該端末への着信通知をし、発信側端末との間に回線設定を行うものである。更に、本実施の形態においては、移動通信網B形成地域内に移動した移動通信網Aの移動通信サービス加入者の着信側端末2に対しても着信通知をし、回線設定を行う。このために着交換局6と、着無線局7とは、着信側端末2との回線設定に必要な該着信側端末2の位置情報を取得後、該位置情報を移動通信網AのHLR5に登録する。この位置情報は、上述のように、着交換局6を特定可能なものとなっている。
【0056】
この図11に示されるネットワークにより、着信側端末2が、移動通信網Bにあっても、発信側端末1においては、着信側端末2の位置を意識することなく通常の携帯電話番号によって発信、通話を行うことができる。このため、上述のように、発信側端末1と着信側端末2とが時差のある地域にあるような場合にあっては、発信者は、着信者の状態を適切に認識することができずに、着信者の就寝中等に、音声着信通知方式を指定して発信するような場合が考えられる。ゆえに、着信側端末の位置情報に基づいてその着信の現地時刻を取得し、着信通知制御装置、本実施の形態においては、発信側端末と着信側端末との間においてネットワークを構成する各装置、あるいは、発信側端末1又は着信側端末2の内部の制御部、を用いて着信の通知の制御を行う。このため、図11のように、着信側端末がサービス提供者のネットワークに拘束されることなく、どこにでも移動し、使用可能な移動通信端末のローミングの場合において、特に効果を発揮する。
【0057】
しかし、着信通知の制御を行うシステムは、図11に示されるような移動通信端末のローミングや、発信側端末1と、着信側端末2とが時差の存在する地域にある場合に限定して適用されるものではない。時差のない地域においても上述のように、着信者が各自の都合に応じて各時間帯に対応させた着信通知の制御を設定を行うことができるため、より適切な着信の通知を行うことができる。
【0058】
図12には、本システムにおける、発信側端末1による発信から発信時における着信側端末の位置情報に対応して着信側端末2における着信通知の制御を行うフローチャートが示されている。
ステップS301においては、発信側端末から発信がされる。この時、着信通知方式の指定が行われる。
【0059】
ステップS302においては、時間帯に応じた制御を行うために、現地時刻を取得する。これは、上述の位置情報検索時に、取得される着信側端末の位置情報に基づいて、取得することができる。図13(A)には、HLRに登録される位置情報の構成が、同図(B)には、位置情報から現地時刻を取得するフローチャートが示されている。以下、図13を用いて現地時刻取得について説明する。
【0060】
同図(A)に示されるように、本実施の形態において着信通知の制御のために用いる位置情報は、CC(Country Code)部11Aと、NDC(Network Destination Code)部11Bと、SN(Subscriber Number)部11Cと、を含んで構成される。CC部11Aは国番号に、NDC部11Bは市外局番に、SN部11Cは市内局番+電話番号に、相当する情報となっている。
【0061】
次に、同図(A)及び同図(B)を用いて位置情報から現地時刻を取得するフローチャートについて説明する。
同図(B)のステップS501においては、位置情報からCC部11Aを抽出する。
ステップS502においては、ステップS502において抽出した、CC部11Aに基づいて、国を特定して、発信側端末及び着信側端末に移動通信サービスを提供する地域との時差を求める。
【0062】
ステップS503においては、ステップS503において特定された国が時差のある国か否かを、国−標準時刻テーブルを用いて、判断する。時差のある国である(Yes)と判断された場合には、ステップS504に移行し、そうでない場合(No)には、ステップS505に移行する。
ステップS504においては、位置情報のNDC部11Bと、SN部11Cとを抽出し、国内における時差を特定し、ステップS502で求めた時差を修正する。
【0063】
ステップS505においては、夏時間制度が採用されている夏時間設定国か否かの判断を行う。夏時間設定国である(Yes)と判断された場合には、ステップS506に移行し、そうでない場合(No)には、ステップS508に移行する。
ステップS506においては、夏時間が適用される期間か否かの判断を行う。夏時間期間である(Yes)と判断された場合には、ステップS507に移行し、そうでない場合(No)には、ステップS508に移行する。
【0064】
ステップS507においては、夏時間を考慮して時差を修正、特定する。
ステップS508においては、発信側端末及び着信側端末に移動通信サービスを提供する地域における標準時刻を取得し、ステップS501〜S507において特定、修正された時差をもとに、現地時刻を計算する。
これにより、着信側端末における現地時刻を求めることができる。この現地時刻を求めるために用いる位置情報の具体的構成、国−標準時刻テーブルの構成、これらを用いた現地時刻取得方法は特に限定されるものではなく、着信側端末、特に移動通信端末との接続を行うために登録、更新される位置情報に基づいて、該位置における標準時刻を取得可能であればよい。
【0065】
図12に戻り、ステップS303〜ステップS314においては、時間帯−制御対応情報に基づいて、着信側端末への着信の通知の制御を行う。時間帯−制御対応情報には、上述のように、各時間帯における各制御との対応が規定されている。ステップS303においては、ステップS302において取得した現地時刻に基づき、その現地時刻は通知の制御を行う制御時間帯に該当するか否か判断する。このとき、制御時間帯でない場合(No)は、ステップS314に移行する。それ以外の場合は、ステップS304に移行する。
【0066】
ステップS304においては、どのような制御を行うのか判断する。このステップS304における判断に基づいて、以後の制御を行うための各ステップに移行する。本実施の形態においては、図14に示されるように、制御12Aは、制御1〜制御5までの制御が可能であり、その制御の内容12Bは、それぞれ警告、留守番電話への接続、切断、マナー着信通知方式接続、特定発信者のみ接続である。
【0067】
図12に戻り、ステップS305においては、ステップS304において制御1であると判断された場合には、ガイダンス1が発信側端末に送出される。制御1の内容は、警告であるので、このガイダンス1は、例えば、発信側端末に対して、発信又は着信通知方式の指定が現地時刻において着信することができない時間帯である、あるいは、着信者の都合により着信することができない等の注意を促す。その後は、ステップS314に移行して、通常の呼接続操作に進み、そのまま接続するか否かの判断は、発信者に任される。
【0068】
このような警告を行うことにより、発信者と着信者とが時差のある地域に存在し、発信者がそれを認識することができない場合であっても、発信者に注意を促して、発信を制限し、又は、より適切な着信通知方式を指定するよう促すことができる。
ステップS306においては、ステップS304において制御2であると判断された場合には、ガイダンス2を送出する。このガイダンス2は、これからの制御内容を説明するものである。制御2は、留守番電話サービスへの接続であるので、そのまま留守番電話への接続が行われる旨のガイダンスを送出する。
【0069】
ステップS307においては、着信側端末への接続を行うことなく、留守番電話サービスへ接続する。
このように、留守番電話サービスへの接続を行うことにより、着信者の就寝中等の場合であっても、着信側端末へ着信を通知することなく、発信者の伝言等を残すことができる。
【0070】
ステップS308においては、ステップS304において制御3であると判断された場合には、ガイダンス3を送出する。制御3は、切断であるので、ガイダンス3においては、そのまま呼が切断され着信側端末への接続が行われない旨のガイダンス3を送出する。
ステップS309においては、着信側端末への接続を行うことなく切断する。
【0071】
着信通知方式の指定に応じて、例えば、音声着信通知方式の指定がなされている場合には切断し、マナー着信通知方式の指定が行われている場合には、そのまま接続する等により、着信者の都合に応じて、着信の通知を制御することができる。
ステップS310においては、ステップS304において制御4であると判断された場合には、ガイダンス4が送出される。制御4は、マナー着信通知方式による接続であるので、ガイダンス4においては、着信がマナー着信通知方式により通知される旨のガイダンスを行う。
【0072】
ステップS311においては、着信通知方式を、発信者の指定に関わらず、マナー着信通知方式に強制的に設定する。
これにより、全ての着信を切断するよりも、着信者に迷惑がかからないように着信を通知することができる。
ステップS312においては、ステップS304において制御5であると判断された場合には、制御5は特定発信者にのみ接続であるので、該発信が、特定の発信者により行われたものか否かを判断する。特定発信側による発信であると判断された場合(Yes)には、ステップS314の呼接続操作に進み、そのまま接続を行う。それ以外の場合には、ステップS313に移行する。
【0073】
ステップS313においては、着信側端末への接続は行われない旨のガイダンス5を送出する。その後、ステップS309へ移行し、着側端末への接続は行われずに、そのまま切断される。
このように、発信者別に通知の制御を区別することにより、例えば、着信者が特定の発信者に海外に居ることを知られたくない場合等には、そのままガイダンスを送出することなく、着信者が通常のサービス地域に居る場合と同様に、接続等を行うことができる。これにより、着信者の事情、プライバシー等を保護しつつ、適切な着信制御を行うことができる。このように、発信者別の制御は、接続に限定されずに、前述の各制御について各発信者に応じた制御を行ってもよい。
【0074】
これらの処理を行うための発信側端末1の発信から着信側端末2における着信に至るまでの接続手順の一例が、図15に示されている。これは、基本的に、第一の実施の形態における図5に示される手順と同様である。ただし、ステップS401における接続要求の後に、ステップS402において、発側電話番号と着側電話番号を引き渡した指定情報要求が行われている。これは、図12に示されるステップS302からステップS303に至るまでの処理を、HLR5に要求する。図15のステップS403においては、発交換局4からHLR5に対して、指定情報要求応答が行われる。この指定情報要求応答において発交換局4は、図12のステップS303における判断の結果、すなわち、位置情報に対応して行われる指定を受信する。この指定を受信した発交換局が、該指定に基づく制御、すなわち図12のステップS304〜S314を行う。本実施の形態は、現地時刻の取得や、着信制御のタイミングを、図15に示されるように、限定するものではない。図12に示されるように、着信側端末の現地時刻を取得し、それに基づいて着信の制御を行うものであればよい。
【0075】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、着信側端末における着信の通知の方式を、発信側端末において可能とすることにより、より着信者の状態に応じた着信の通知を行うことができる。すなわち、発信側端末から音声着信通知方式を指定することにより、緊急時等の発信者の事情に応じた呼出を行うことができる。また、逆に、マナー着信通知方式を指定することにより、着信側端末の設定が適切に行われていない場合にあっても、着信者の状態を知る発信者の配慮により、着信者の周囲に迷惑をかけることなく発信を行うことができる。
【0076】
更に、着信通知方式に応じて着信の通知を制御する着信通知制御装置を含み、各時間帯等に応じて着信の通知を制御することにより、より着信者の状態に応じた適切な着信の通知を行うことができる。
また、時間帯に応じた制御を行う場合には、着信側端末の位置情報に基づいて、時差を考慮することにより、移動通信端末のローミング等に対応した制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態における移動通信端末間通信のネットワーク構成を説明する図である。
【図2】発信側端末の構成を説明するブロック図である。
【図3】HLRに保持されるテーブルの構成を説明する図である。
【図4】着信側端末の構成を説明するブロック図である。
【図5】第一の実施の形態における発信から着信側端末において着信の通知を行うまでの手順を説明するフローチャートである。
【図6】着信通知方式の指定と数値との対応関係を説明する図である。
【図7】着信通知を受けた着信側端末における動作を説明するフローチャートである。
【図8】着信通知制御装置による着信通知の制御を行うシステムの構成を説明するブロック図である。
【図9】暗証番号入力を行って着信通知方式の指定を行う場合のフローチャートである。
【図10】着信側端末においてメールを受信するまでの手順を示すフローチャートである。
【図11】第二の実施の形態における移動通信端末間通信のネットワーク構成を説明する図である。
【図12】発信から着信側端末の位置情報に対応して着信通知の制御を行うフローチャートである。
【図13】(A)は、HLRに登録される位置情報の構成を説明する図、(B)は、位置情報から現地時刻を取得するフローチャートである。
【図14】着信通知の制御の内容を説明する図である。
【図15】第二の実施の形態における発信から着信側端末において着信の通知を行うまでの手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 発信側端末
2 着信側端末
3 発無線局
4 発交換局
5 HLR
6 着交換局
7 着無線局
9 着信通知制御装置
WC 国際回線

Claims (21)

  1. 着信側端末における着信通知方式を指定するための着信指定手段を含む発信側端末と、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知手段を含む着信側端末と、前記着信側端末が位置する着信場所を表す位置情報に基づいて、当該着信場所における標準時刻を取得し、前記取得した標準時刻が予め指定された時間帯内である場合に、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に応じて当該指定された着信通知方式による着信の通知を制限するように前記着信通知手段を制御する着信通知制御装置と、を有することを特徴とする着信通知方式指定システム。
  2. 前記着信通知方式は、着信側端末から音声を発することにより着信を通知する音声着信通知方式であることを特徴とする請求項1に記載の着信通知方式指定システム。
  3. 前記着信通知方式は、音声を発する以外の方法により着信を通知するマナー着信通知方式であることを特徴とする請求項1に記載の着信通知方式指定システム。
  4. 前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、着信を拒否することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  5. 前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、着信側端末への接続の代わりに留守番電話サービスへの接続を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  6. 前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、前記指定された着信通知方式による着信の通知を制限する代わりに又は制限と共に、発信側端末を介し、着信側端末において着信不能な時間帯である旨の警告を行ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  7. 前記着信通知制御装置は、前記時間帯内においても、一定の発信側端末からの着信に対しては、前記制限を行わず、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式で通知するように制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  8. 前記一定の発信側端末は、予め登録された発信側端末であることを特徴とする請求項に記載の着信通知方式指定システム。
  9. 前記一定の発信側端末は、前記着信通知手段によって着信を通知させるための暗証番号を入力する発信側端末であって、
    前記着信通知制御装置は、発信側端末より入力された番号が前記暗証番号と一致した場合にのみ前記着信指定手段によって指定された着信通知方式で通知することを特徴とする請求項に記載の着信通知方式指定システム。
  10. 前記着信通知制御装置は、前記予め指定された時間帯内の発信に対して、前記着信指定手段による指定にかかわらず一定の着信通知方式を用いた着信の通知を行うように制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  11. 前記着信通知制御装置による制御内容は、着信側端末から着信制御情報として指定可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  12. 前記着信側端末は、移動通信端末であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システム。
  13. 前記位置情報は、着信側端末の位置を示し、発信側端末と前記着信側端末との接続を行うために参照される情報であることを特徴とする請求項12に記載の着信通知方式指定システム。
  14. 前記着信通知制御装置は、着信側端末への接続時において前記位置情報を参照すると共に、前記着信制御情報をも参照することを特徴とする請求項13に記載の着信通知方式指定システム。
  15. サーバを介してメールを送受する移動通信端末のメールシステムにおいて、前記移動通信端末である着信側端末でメールの着信を通知する着信通知システムであって、
    メールの発信側端末に、
    前記着信側端末における着信通知方式を指定するための着信指定手段を含み、
    前記着信側端末に、
    前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知手段
    又は複数の前記発信側端末によって互いに異なる着信通知方式が指定された複数のメールを前記サーバから同時に受信した場合に、あらかじめ着信通知方式について定められた優先順位に基づいて、前記1又は複数の発信側端末による指定のうち最も優先順位の高い着信通知方式のみを用いて着信を通知するように、前記着信通知手段を制御する着信通知制御装置と、
    を有することを特徴とする着信通知方式指定システム。
  16. 前記着信通知方式は、着信側端末から音声を発することにより着信を通知する音声着信通知方式、及び、音声を発する以外の方法により着信を通知するマナー着信通知方式のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項15に記載の着信通知方式指定システム。
  17. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システムにおいて発信側端末として用いる通信端末であって、着信側端末を指定し発信する際に、発信者が前記着信通知方式の指定を入力するための入力部を、含むことを特徴とする通信端末。
  18. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システムにおいて着信側端末として用いる通信端末であって、
    前記着信通知制御装置によって制御され、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する通知部を有することを特徴とする通信端末。
  19. 請求項15又は16に記載の着信側端末として用いる移動通信端末であって、
    前記着信通知手段前記着信通知手段を制御する着信通知制御装置と、を有することを特徴とする通信端末。
  20. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の着信通知方式指定システムにおいて着信側端末として用いる移動通信端末を制御するための通信端末制御プログラムであって、
    前記着信通知制御装置によって制御され、前記着信指定手段によって指定された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知ステップを有することを特徴とする通信端末制御プログラム。
  21. 請求項15又は16に記載の着信通知方式指定システムにおいて着信側端末として用いる移動通信端末を制御するための通信端末制御プログラムであって、
    1又は複数の前記発信側端末によって互いに異なる着信通知方式が指定された複数のメールを前記サーバから同時に受信した場合に、あらかじめ着信通知方式について定められた優先順位に基づいて、前記1又は複数の発信側端末による指定のうち最も優先順位の高い着信通知方式を選択する着信通知制御ステップと、
    前記着信指定手段によって指定された着信通知方式又は前記着信通知制御ステップで選択された着信通知方式に基づいて前記発信側端末からの着信を通知する着信通知ステップと、
    を有することを特徴とする通信端末制御プログラム。
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