JP3919738B2 - ポンプの診断方法、コンピュータプログラム、及び、ポンプを診断するための装置 - Google Patents
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Description
ところで、ポンプ2の使用を継続すると、ポンプ内部においてポンプ性能の劣化が生ずることが知られている。ポンプ内部における当該性能劣化しては、例えば、ケーシング4、インペラー6、又は、これらの周辺部品の腐食、粗面化、汚れ等による内部摩擦の増加、インペラー6の変形による水力損失の増加、インペラー6とケーシング4との位置関係が変化することにより内部リークの増加等、が挙げられる。
当該性能劣化が生じた場合には、当該性能劣化を解消させるための方策、例えば、上記部品の交換や上記部品のメンテナンス(滑らかさを向上させるために、これらの部品にコーティングを施すこと等)等、を実行する必要がある。
したがって、当該方策を実行する時期を決定するために、上述したポンプ内部における性能劣化の度合いをより正確に把握することが要請される。
しかしながら、かかる方法は、ポンプ外部の機械的損失が無視できない状況において、正確性を欠くこととなる。例えば、ポンプとモータとの接合部に生じるミスアライメントや、ポンプ又はモータの軸受けに備えられたベアリングの摩耗等、により前記機械的損失が大きくなった場合には、モータの負荷が高くなるから、モータ内の制御により前記電流値が高くなる。したがって、かかる状況においては、ポンプ内部において性能劣化が生じているのに、モータの電流値があまり低下していない(むしろ、上昇している場合もあり得る)という現象が生じ得るため、ポンプ内部における性能劣化の度合いを正確に把握することが困難になる。
かかるポンプの診断方法によれば、ポンプ内部における性能劣化の度合いを正確に把握することが可能となる。
このようにすれば、簡易に乱れ度合いを指標化することができる。
かかる場合には、ポンプ外部の機械的損失に係る多種の発生状況に対応できる。
このようにすれば、機械的損失を生ぜしめている異常原因や発生個所等を切り分けられる。
このようにすれば、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量が前記基準振動データを取得したときのポンプの基準吐出し量と異なる場合においても、ポンプ内部における性能劣化の度合いを正確に把握することが可能となる。
このようにすれば、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量が前記基準振動データを取得したときのポンプの基準吐出し量と異なる場合であって、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量が得られない場合においても、ポンプ内部における性能劣化の度合いを正確に把握することが可能となる。
かかるコンピュータプログラムによれば、ポンプ内部における性能劣化の度合いを正確に把握することが可能となる。
かかる装置によれば、ポンプ内部における性能劣化の度合いを正確に把握することが可能となる。
先ず、図2を用いて、ポンプの診断方法に係る第一の実施形態について説明する。図2は、ポンプの診断方法に係る第一の実施形態を示すフローチャートである。
なお、基準振動データ取得の際には、併せて、モータの電流値も取得される。取得された当該電流値は、基準電流値として後述するステップS10において用いられる。
次に、図9を用いて、ポンプの診断方法に係る第二の実施形態について説明する。図9は、ポンプの診断方法に係る第二の実施形態を示すフローチャートである。
先ず、前記吐出し量Q1及び基準吐出し量Qoのそれぞれに対応した軸動力L及び基準軸動力Loとを、図10に示すポンプの性能カーブから求める。そして、前記電流値FaにL/Loを乗ずることにより、電流値Faを補正する。すなわち、補正された電流値Fa2=取得された電流値Fa×(軸動力L/基準軸動力Lo)となる。
先ず、ポンプの吐出し圧力と吸込み圧力を、圧力計等により取得する(ステップS202)。次に、取得された当該吐出し圧力及び吸込み圧力に基づいて、ポンプの全揚程を求める(ステップS204)。
次に、上述したポンプの診断方法を実行するためのポンプを診断するための装置(以下、当該装置を、ポンプ診断装置102とも呼ぶ)の一例について、図12を用いて説明する。図12は、ポンプ診断装置102の一例を示す概念図である。
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係るポンプの診断方法等を説明したが、上記発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
本フローチャートは、ポンプ及び該ポンプを駆動するためのモータのうち少なくともどちらか一方の振動データを、センサにより取得することから始まる(ステップS202)。なお、本実施の形態においては、ポンプの振動データとモータの振動データの双方を取得することとする。また、振動データの取得は、ポンプとモータの各々に設けられた三軸加速度センサにより実施することとする。したがって、ステップS202において、6つの振動データ、すなわち、ポンプの三軸(X軸、Y軸、及び、Z軸)成分の振動データと、モータの三軸(X軸、Y軸、及び、Z軸)成分の振動データ、が得られることとなる。
ただし、特徴パラメータや前記周波数成分の大きさを用いれば、簡易に乱れ度合いを指標化することができる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
4 ケーシング
6 インペラー
12 モータ
102 ポンプ診断装置
104 モータ側三軸加速度センサ
106 ポンプ側三軸加速度センサ
108 入力側圧力計
110 出力側圧力計
112 パワーメータ
114 メイン計算機
116 表示装置
Claims (13)
- ポンプ及び該ポンプを駆動するためのモータのうち少なくともどちらか一方の振動データを取得するステップと、
取得された該振動データの乱れ度合いを求めるステップと、
求められた該乱れ度合いに基づいて、ポンプ外部の機械的損失、による前記モータの電流値の変動分を求めるステップと、
前記モータの電流値を取得するステップと、
求められた前記モータの電流値の変動分と取得された前記モータの電流値に基づいて、ポンプ内部における性能劣化の度合いを判定するステップと、
を有することを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項1に記載のポンプの診断方法において、
前記モータの電流値の変動分は、該電流値の増加分であることを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項2に記載のポンプの診断方法において、
前記振動データの前記乱れ度合いは、該振動データの特徴パラメータであることを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項2に記載のポンプの診断方法において、
前記振動データの前記乱れ度合いは、
該振動データの周波数成分のうち、その周波数が前記ポンプの回転周波数の整数倍となる周波数成分、
の大きさであることを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のポンプの診断方法において、
前記振動データを取得するステップにおいては、三軸加速度センサにより、三軸成分の振動データを取得し、
該三軸成分の振動データの中から、前記モータの電流値の増加分を求めるための振動データを選択するステップを有することを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のポンプの診断方法において、
前記振動データを取得するステップにおいては、前記ポンプの振動データと前記モータの振動データの双方を取得することを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のポンプの診断方法において、
前記モータの電流値の増加分を求めるステップには、
前記振動データの乱れ度合いを求めるステップにおいて求められた前記乱れ度合いと、予め取得された基準振動データの乱れ度合いと、の比率を求めるステップと、
求められた該比率と、前記基準振動データを取得する際に取得された前記モータの基準電流値と、に基づいて、前記増加分を求めるステップと、
が含まれることを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項7に記載のポンプの診断方法において、
ポンプを診断する際のポンプの吐出し量が前記基準振動データを取得したときのポンプの基準吐出し量と異なる場合に、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量と前記基準吐出し量とに基づいて、取得された前記モータの電流値を補正するステップ、
を有することを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項8に記載のポンプの診断方法において、
前記モータの電流値を補正するステップには、
ポンプの吐出し圧力と吸込み圧力とを取得するステップと、
取得された前記吐出し圧力及び前記吸込み圧力に基づいて、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量を推定するステップと、
が含まれることを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のポンプの診断方法において、
前記電流値に代えて、電圧値又は電力値とすることを特徴とするポンプの診断方法。 - ポンプ及び該ポンプを駆動するためのモータのうち少なくともどちらか一方の振動データを取得するステップと、
取得された該振動データの乱れ度合いを求めるステップと、
求められた該乱れ度合いに基づいて、ポンプ外部の機械的損失、による前記モータの電流値の変動分を求めるステップと、
前記モータの電流値を取得するステップと、
求められた前記モータの電流値の変動分と取得された前記モータの電流値に基づいて、ポンプ内部における性能劣化の度合いを判定するステップと、
を有し、
前記モータの電流値の変動分は、該電流値の増加分であり、
前記振動データの前記乱れ度合いは、該振動データの特徴パラメータであり、
前記振動データを取得するステップにおいては、三軸加速度センサにより、三軸成分の振動データを取得し、
該三軸成分の振動データの中から、前記モータの電流値の増加分を求めるための振動データを選択するステップを有し、
前記振動データを取得するステップにおいては、前記ポンプの振動データと前記モータの振動データの双方を取得し、
前記モータの電流値の増加分を求めるステップには、
前記振動データの乱れ度合いを求めるステップにおいて求められた前記乱れ度合いと、予め取得された基準振動データの乱れ度合いと、の比率を求めるステップと、
求められた該比率と、前記基準振動データを取得する際に取得された前記モータの基準電流値と、に基づいて、前記増加分を求めるステップと、
が含まれ、
ポンプを診断する際のポンプの吐出し量が前記基準振動データを取得したときのポンプの基準吐出し量と異なる場合に、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量と前記基準吐出し量とに基づいて、取得された前記モータの電流値を補正するステップ、
を有し、
前記モータの電流値を補正するステップには、
ポンプの吐出し圧力と吸込み圧力とを取得するステップと、
取得された前記吐出し圧力及び前記吸込み圧力に基づいて、ポンプを診断する際のポンプの吐出し量を推定するステップと、
が含まれることを特徴とするポンプの診断方法。 - 請求項1に記載のポンプの診断方法を実現するためのコンピュータプログラム。
- ポンプ及び該ポンプを駆動するためのモータのうち少なくともどちらか一方の振動データを取得するためのセンサ、メイン計算機、及び、表示装置を備えた、ポンプを診断するための装置であって、
請求項1に記載のポンプの診断方法を実行することを特徴とするポンプを診断するための装置。
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