JP3919453B2 - 熱動引きはずし装置およびそのギャップ調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばノーヒューズ遮断器等における熱動引きはずし装置およびそのギャップ調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱動引きはずし装置は例えば特公昭58−49978号公報等に示されるように構成されており、引きはずし機構の作動点、すなわち、バイメタルがトリップバーを押す位置が、引きはずし機構を構成する各部品の加工、組立誤差、材料特性のばらつき等、製造ばらつきの累積によりばらついて、遮断器の遮断時間にばらつきが生じる。
そして、このような製造ばらつきを吸収するために、バイメタルの先端に調整ねじを取り付け、調整ねじのバイメタルからの突出量を変えることにより、調整ねじ先端からトリップバーまでの距離(ギャップ)を調整するようにしている。
【0003】
しかしながら、上記のような調整ねじによるギャップ調整は、調整ねじの突出量を変えることによりギャップを一定値に調整するようにしているので、位置のばらつきしか調整できず、且つねじ機構そのものにもばらつき要素があるため、精度の良いギャップ調整は困難である。
【0004】
そこで、この出願と同一の出願人による特開2001−15006号公報では、以下に説明するような方法で、精度の良いギャップ調整を可能としている。
すなわち、図10(A)に示すように、トリップバー(図示せず)と当接する側の一端に開口して形成される案内溝1a、この案内溝1aと長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴1b、および他端に一対の取付穴1cがそれぞれ形成されたバイメタル1に、一端側にバイメタル1の係合穴1bと係合可能な鉤状部2a、他端側にバイメタル1の案内溝1a内を摺動し、鉤状部2aを中心に回動可能な弓状部2b、鉤状部2aおよび弓状部2bを連結するように形成され、トリップバーと当接可能な当接部2cを具備した調整子2を、図10(B)に示すように係合して複数組を用意する。この時、各調整子2は常に図中矢印Aで示す方向に重心がかかるように形成されている。
【0005】
そして、各調整子2の当接部2cをそれぞれ固定されたトリップバーにギャップを介して対向させ、所定の電流を一定時間通電させる。すると、バイメタル1が変形して調整子2の当接部2cがトリップバーに当接するが、通電に伴ってバイメタル1はさらに変形を持続するため、調整子2は押し戻され鉤状部2aを中心として、弓状部2bがバイメタル1の案内溝1a内を図中矢印Bで示す方向に摺動して回動し、一定時間が経過して通電が停止されると図10(C)に示すような状態となる。この時点で、例えばYAG、TIG等の溶接により調整子2をバイメタル1に接合して固着する。
【0006】
この時、各調整子2の当接部2cとトリップバーの間の距離、すなわちギャップはそれぞれ調整子2が押し戻された量に応じた値となる。そして、再び通電を開始すると、バイメタル1は変形して各調整子2の当接部2cがトリップバーにそれぞれ当接するが、この通電が開始されてトリップバーに当接するまでの時間、すなわちトリップバーが作動するまでの時間は、全てのバイメタル1においても一定になり変化することはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の熱動引きはずし装置は、以上のように各バイメタル1の製造ばらつきを、調整子2のバイメタル1の変形と逆方向に移動する量で相殺して、トリップバーが作動するまでの時間を一定としているので、簡単な構造で調整ねじ等の調整機構を必要とすることなく、精度の良いギャップ調整を可能としているが、調整子2をバイメタルに係合させる組立作業、および調整子2をバイメタル1に固定するギャップの調整作業等の点で、改良の余地を残しているという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、組立作業性およびギャップ調整の作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置、およびそのギャップ調整方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る熱動引きはずし装置は、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、案内溝の開口側を幅広に形成したものである。
【0010】
又、この発明の請求項2に係る熱動引きはずし装置は、請求項1において、案内溝の両側面をテーパ状に形成したものである。
【0011】
又、この発明の請求項3に係る熱動引きはずし装置は、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、バイメタルの一端側は案内溝を中心にして両側の高さが異なるように形成したものである。
【0012】
又、この発明の請求項4に係る熱動引きはずし装置は、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、係合穴の案内溝側を幅広に形成したものである。
【0013】
又、この発明の請求項5に係る熱動引きはずし装置は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、バイメタルを打ち抜き加工によって形成され、打ち抜き側がトリップバーと対向するように配置したものである。
【0014】
又、この発明の請求項6に係る熱動引きはずし装置は、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、調整子は、一端側にバイメタルの係合穴と係合可能な鉤状部を、他端側にバイメタルの案内溝内を摺動し鉤状部を中心に回動可能な弓状部を、鉤状部と弓状部を連結するように形成されトリップバーと当接可能な当接部をそれぞれ具備したものである。
【0015】
又、この発明の請求項7に係る熱動引きはずし装置は、請求項6において、調整子の弓状部の先端に摺動を規制する突起部を形成したものである。
【0016】
又、この発明の請求項8に係る熱動引きはずし装置は、請求項6において、調整子の当接部のトリップバーと当接する部位を突起状に形成したものである。
【0017】
又、この発明の請求項9に係る熱動引きはずし装置は、請求項6において、調整子の当接部のトリップバーと当接する部位を平面状に形成したものである。
【0018】
又、この発明の請求項10に係る請求項1ないし9のいずれかに記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法は、調整子をバイメタルに係合させる工程、当接部をトリップバーと所定のギャップを介して対向させる工程、所定の電流を一定時間通電する工程、および通電によりバイメタルが変形して調整子の当接部がトリップバーに当接し、押し戻されて移動したままの状態で調整子をバイメタルに固着する工程を包含した熱動引きはずし装置のギャップ調整方法において、複数極へ同時に通電するとともに、同時にそれぞれバイメタルに固着するようにしたものである。
【0019】
又、この発明の請求項11に係る請求項1ないし9のいずれかに記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法は、調整子をバイメタルに係合させる工程、当接部をトリップバーと所定のギャップを介して対向させる工程、所定の電流を一定時間通電する工程、および通電によりバイメタルが変形して調整子の当接部がトリップバーに当接し、押し戻されて移動したままの状態で調整子をバイメタルに固着する工程を包含した熱動引きはずし装置のギャップ調整方法において、複数極へ一定時間ずつずらして通電するとともに、一定時間ずつずらしてそれぞれバイメタルに固着するようにしたものである。
【0020】
又、この発明の請求項12に係る熱動引きはずし装置のギャップ調整方法は、請求項10または11において、トリップバーを複数個所で固定した状態で通電し調整子をバイメタルに固着するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における熱動引きはずし装置の構成を示す斜視図、図2は図1におけるバイメタルの構成を示す正面図、図3は図1における調整子の構成を示す斜視図、図4は調整子がバイメタルに係合された状態を示す正面図、図5は調整子の当接部がトリップバーに当接された状態を示す正面図、図6は図1における熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を説明するための工程図である。
【0022】
図において、11は図2に示すように板状部材を打ち抜いて矩形状に形成されたバイメタルで、トリップバー(図示せず)と当接する側の一端に、両側面がテーパ状に形成されて開口する案内溝11aが、この案内溝11aと長手方向に所定の間隔を介して、案内溝11a側が幅広に形成された係合穴11bが、他端側に取付穴11cがそれぞれ形成されている。12は図3に示すように一端側にバイメタル11の係合穴11bと係合可能な鉤状部12a、他端側にバイメタル11の案内溝11a内を摺動し、鉤状部12aを中心に回動可能で先端に摺動を規制する突起部12bが形成された弓状部12c、および鉤状部12a、弓状部12cを連結するように形成され、図5に示すように平面部でトリップバー13と当接可能な当接部12dをそれぞれ具備した調整子で、図1に示すようにバイメタル11に係合され、バイメタル11が取付穴11cを介してねじ締めにより本体に組み込まれて、熱動引きはずし装置14が構成される。
【0023】
次に、この発明の実施の形態1における熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を図6に基づいて説明する。なお、実際には複数極を同時に調整するが、以下の説明は単極の場合について行う。
まず、図6(A)に示すようにトリップバー13を作動位置に設定して他の治具により動かないように保持する。そして、このトリップバー13に対しギャップを介して対向させる。この時、調整子12は図4に示すように、常に図中矢印で示す方向に重心がかかっており、突起部12bがバイメタル11に係止されて摺動が規制されることにより、姿勢が保持されている。
【0024】
この状態で通電を開始し所定の電流を一定時間通電する。すると、バイメタル11が変形して図6(B)に矢印で示すようにトリップバー13側に変形して傾き、調整子12の当接部12dがトリップバー13に当接するが、通電に伴ってバイメタル11はさらに変形を持続するため、図6(C)に矢印で示すように調整子12の弓状部12cが摺動して、バイメタル11の移動と逆方向に移動する。次に、この状態で調整子12をバイメタル11に、例えばTIG、YAG等の溶接により固着して、固定一体化する。
【0025】
そして、通電が停止されると、バイメタル11は冷却されて元の状態に戻されるが、図6(D)に示すように調整子12の当接部12dの先端とトリップバー13の間のギャップは、調整子12がバイメタル11の移動と逆方向に移動した分だけ、図6(A)の状態のギャップより大きくなる。次いで、トリップバー13の保持を解除した状態で上記と同様に通電を開始すると、図6(E)に示すようにバイメタル11は再び変形して、調整子12の当接部12dがトリップバー13に当接しトリップバー13を作動させる。
【0026】
そして、この通電が開始されトリップバー13が作動するまでの時間は再現されて変化することはなく、この時間が熱動引きはずし装置の動作時間となる。すなわち、複数極のバイメタル11に通電を行う場合においても、各バイメタル11の変形のばらつきの量に応じて、調整子12の移動量がそれぞれ調整されるため、お互いに相殺され、その結果、熱動引きはずし装置の動作時間は全てのバイメタル11において一定となる。
【0027】
このように上記実施の形態1によれば、調整子12の移動量の調整によりバイメタル11の変形量のばらつきを相殺するようにした熱動引きはずし装置において、バイメタル11の案内溝11aの形状を開口側が幅広、特に開口側に漸次拡開するテーパ状に形成したので、調整子12の弓状部12cの案内溝11aへの装着が容易となり、組立作業性の向上を図ることができる。又、バイメタル11の係合穴11bを案内溝11a側が幅広となるように形成したので、調整子12の鉤状部12aの係合穴11bへの係合が容易となり、さらに組立作業性の向上を図ることができる。
【0028】
又、上記構成では説明しなかったが、バイメタル11は打ち抜き加工で形成することもでき、この場合、打ち抜き側をトリップバー13と対向する側に配置するようにすれば、打ち抜きの際に生じるバリは打ち抜きとは反対側に発生するため、調整子12の弓状部12cの摺動に支障をきたすこともないので、ギャップ調整の作業性の向上を図ることができる。又、鉤状部12a、弓状部12cおよび当接部12dでなる調整子12の弓状部12cの先端に突起部12bを形成したので、調整子12の姿勢を容易に保持することができ、ギャップ調整の作業性の向上を図ることができる。
【0029】
又、調整子12の当接部12dのトリップバー13と当接する部位を平面状としたので、トリップバー13が丸棒状の場合における当接性が良くなり、トリップバー13を確実に動作させることができるため、ギャップ調整の作業性の向上を図ることができる。
又、上記ギャップの調整方法は、単極の場合について説明したが、複数極でギャップの調整を行う場合、各バイメタル11への通電を同時に行って、調整子12とバイメタル11の溶接による固着を同時にできるようにすれば、溶接時間が単極の場合と同じで済むため、ギャップ調整の作業性の向上を図ることができる。
【0030】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2における熱動引きはずし装置のバイメタルの構成を示す正面図である。
図において、21は板状部材を打ち抜いて矩形状に形成されたバイメタルで、トリップバー(図示せず)と当接する側の一端に開口する案内溝21aが、この案内溝21aと長手方向に所定の間隔を介して、案内溝21a側が幅広に形成された係合穴21bが、他端側に取付穴21cがそれぞれ形成されており、一端側は案内溝21aを中心にして両側部21d、21eの高さが異なるように形成されている。そして、上記実施の形態1におけると同様の調整子12の鉤状部12aが係合穴21bに係合されるとともに、弓状部12cが案内溝21aに挿入されて熱動引きはずし装置が構成される。
【0031】
このように上記実施の形態2によれば、バイメタル21の一端側の案内溝21aを中心とした両側部21d、21eの高さを、異なるように形成しているので、調整子12の弓状部12cを高さの低い側部21d側から挿入するようにすれば、高さの高い側の側部21eに案内されて容易に案内溝21a内に挿入することができるので、組立作業性の向上を図ることができる。
【0032】
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3における熱動引きはずし装置のバイメタルの調整子の構成を示す正面図である。
図において、22は一端側に上記実施の形態1におけると同様のバイメタル11の係合穴11bと係合可能な鉤状部22a、他端側にバイメタル11の案内溝11a内を摺動し、鉤状部22aを中心に回動可能で先端に摺動を規制する突起部22bが形成された弓状部22c、および鉤状部22a、弓状部22cを連結するように形成され、図に示すように突起部でトリップバー23と当接可能な当接部22dをそれぞれ具備した調整子で、図示はしないがバイメタル11に係合され、バイメタル11が取付穴11cを介してねじ締めにより本体に組み込まれて、熱動引きはずし装置が構成される。
【0033】
このように上記実施の形態3によれば、調整子22の当接部22dのトリップバー23と当接する部位を突起状としたので、トリップバー23が板状の場合における当接性が良くなり、トリップバー23を確実に動作させることができるため、ギャップ調整の作業性の向上を図ることができる。
【0034】
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4における熱動引きはずし装置のギャップ調整方法の動作を説明するための斜視図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。24はトリップバー13を固定して保持する保持部材で、トリップバー13の所定位置に複数個配置されている。
【0035】
この実施の形態4によれば、上記のようにトリップバー13を保持部材24により複数個所で保持して固定し、図に示すように複数極でギャップ調整を行う場合、各バイメタル11への通電を一定時間ずつずらして行うとともに、上記一定時間ずつずらして溶接を行いそれぞれ調整子12をバイメタル11に固着するようにしている。
【0036】
このように上記実施の形態4によれば、各バイメタル11への通電を一定時間ずつずらして行うとともに、調整子12をバイメタル11へ固着する溶接を、上記一定時間ずつずらして行うようにしているので、固着するための溶接装置を1台で済ませることができるため、製造設備費の低減が可能になり、又、保持部材24によりトリップバー13を複数個所で保持するようにしているので、トリップバー13の姿勢および位置を安定して保持することができるため、精度の良いギャップの調整が可能になる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、案内溝の開口側を幅広に形成したので、調整子のバイメタルの案内溝への装着が容易となり、組立作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0038】
又、この発明の請求項2によれば、請求項1において、案内溝の両側面をテーパ状に形成したので、さらに組立作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0039】
又、この発明の請求項3によれば、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、バイメタルの一端側は案内溝を中心にして両側の高さが異なるように形成したので、調整子のバイメタルの案内溝への装着が容易となり、組立作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0040】
又、この発明の請求項4によれば、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、係合穴の案内溝側を幅広に形成したので、調整子のバイメタルの係合穴への係合が容易となり、組立作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0041】
又、この発明の請求項5によれば、請求項1ないし4のいずれかにおいて、バイメタルを打ち抜き加工によって形成され、打ち抜き側がトリップバーと対向するように配置したので、調整子のバイメタルの案内溝内での摺動に支障をきたすことなく、ギャップ調整の作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0042】
又、この発明の請求項6によれば、トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、係合穴に一端側が係合され、他端側が係合穴を中心にして案内溝内を摺動することによりバイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ変形によりトリップバーに当接し押し戻された状態でバイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、調整子は、一端側にバイメタルの係合穴と係合可能な鉤状部を、他端側にバイメタルの案内溝内を摺動し鉤状部を中心に回動可能な弓状部を、鉤状部と弓状部を連結するように形成されトリップバーと当接可能な当接部をそれぞれ具備したので、組立作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0043】
又、この発明の請求項7によれば、請求項6において、調整子の弓状部の先端に摺動を規制する突起部を形成したので、調整子の姿勢を容易に保持することができ、ギャップ調整の作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0044】
又、この発明の請求項8によれば、請求項6において、調整子の当接部のトリップバーと当接する部位を突起状に形成したので、板状のトリップバーを確実に動作させることができ、ギャップ調整の作業性を向上させることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0045】
又、この発明の請求項9によれば、請求項6において、調整子の当接部のトリップバーと当接する部位を平面状に形成したので、棒状のトリップバーを確実に動作させることができ、ギャップ調整の作業性を向上させることが可能な熱動引きはずし装置を提供することができる。
【0046】
又、この発明の請求項10によれば、請求項1ないし9のいずれかに記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法は、調整子をバイメタルに係合させる工程、当接部をトリップバーと所定のギャップを介して対向させる工程、所定の電流を一定時間通電する工程、および通電によりバイメタルが変形して調整子の当接部がトリップバーに当接し、押し戻されて移動したままの状態で調整子をバイメタルに固着する工程を包含した熱動引きはずし装置のギャップ調整方法において、複数極へ同時に通電するとともに、同時にそれぞれバイメタルに固着するようにしたので、固着時間を短縮することができ、ギャップ調整の作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を提供することができる。
【0047】
又、この発明の請求項11によれば、請求項1ないし9のいずれかに記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法は、調整子をバイメタルに係合させる工程、当接部をトリップバーと所定のギャップを介して対向させる工程、所定の電流を一定時間通電する工程、および通電によりバイメタルが変形して調整子の当接部がトリップバーに当接し、押し戻されて移動したままの状態で調整子をバイメタルに固着する工程を包含した熱動引きはずし装置のギャップ調整方法において、複数極へ一定時間ずつずらして通電するとともに、一定時間ずつずらしてそれぞれバイメタルに固着するようにしたので、固着設備費を低減することができ、ギャップ調整の作業性の向上を図ることが可能な熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を提供することができる。
【0048】
又、この発明の請求項12によれば、請求項10または11において、トリップバーを複数個所で固定した状態で通電し調整子をバイメタルに固着するようにしたので、トリップバーの姿勢および位置を安定して保持することができ、精度の良いギャップ調整が可能な熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における熱動引きはずし装置の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1におけるバイメタルの構成を示す正面図である。
【図3】 図1における調整子の構成を示す斜視図である。
【図4】 調整子がバイメタルに係合された状態を示す斜視図である。
【図5】 調整子の当接部がトリップバーに当接された状態を示す正面図である。
【図6】 図1における熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を説明するための工程図である。
【図7】 この発明の実施の形態2における熱動引きはずし装置のバイメタルの構成を示す正面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3における熱動引きはずし装置のバイメタルの調整子の構成を示す正面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4における熱動引きはずし装置のギャップ調整方法の動作を説明するための斜視図である。
【図10】 従来の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
11,21 バイメタル、12,22 調整子、12a,22a 鉤状部、
12b,22b 突起部、12c,22c 弓状部、12d,22d 当接部、
13,23 トリップバー、14 熱動引きはずし装置、
11a,21a 案内溝、11b,21b 係合穴、21d,21e 側部、
24 保持部材。
Claims (12)
- トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および上記案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、上記係合穴に一端側が係合され、他端側が上記係合穴を中心にして上記案内溝内を摺動することにより上記バイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ上記変形により上記トリップバーに当接し押し戻された状態で上記バイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、上記案内溝は開口側が幅広に形成されていることを特徴とする熱動引きはずし装置。
- 案内溝の両側面はテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱動引きはずし装置。
- トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および上記案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、上記係合穴に一端側が係合され、他端側が上記係合穴を中心にして上記案内溝内を摺動することにより上記バイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ上記変形により上記トリップバーに当接し押し戻された状態で上記バイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、上記バイメタルの一端側は上記案内溝を中心にして両側の高さが異なるように形成されていることを特徴とする熱動引きはずし装置。
- トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および上記案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、上記係合穴に一端側が係合され、他端側が上記係合穴を中心にして上記案内溝内を摺動することにより上記バイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ上記変形により上記トリップバーに当接し押し戻された状態で上記バイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、上記係合穴は上記案内溝側が幅広に形成されていることを特徴とする熱動引きはずし装置。
- バイメタルは打ち抜き加工によって形成され、打ち抜き側がトリップバーと対向するように配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の熱動引きはずし装置。
- トリップバーと当接する側の一端に開口して形成される案内溝、および上記案内溝と長手方向に所定の間隔を介して形成される係合穴を有したバイメタルと、上記係合穴に一端側が係合され、他端側が上記係合穴を中心にして上記案内溝内を摺動することにより上記バイメタルの変形と逆向きに回動可能で、且つ上記変形により上記トリップバーに当接し押し戻された状態で上記バイメタルに固着された調整子とを備えた熱動引きはずし装置において、上記調整子は、一端側に上記バイメタルの係合穴と係合可能な鉤状部を、他端側に上記バイメタルの案内溝内を摺動し上記鉤状部を中心に回動可能な弓状部を、上記鉤状部と弓状部を連結するように形成され上記トリップバーと当接可能な当接部をそれぞれ具備したことを特徴とする熱動引きはずし装置。
- 調整子の弓状部の先端に摺動を規制する突起部を形成したことを特徴とする請求項6記載の熱動引きはずし装置。
- 調整子の当接部のトリップバーと当接する部位は突起状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の熱動引きはずし装置。
- 調整子の当接部のトリップバーと当接する部位は平面状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の熱動引きはずし装置。
- 調整子をバイメタルに係合させる工程、上記当接部をトリップバーと所定のギャップを介して対向させる工程、所定の電流を一定時間通電する工程、および上記通電により上記バイメタルが変形して上記調整子の当接部が上記トリップバーに当接し、押し戻されて移動したままの状態で上記調整子を上記バイメタルに固着する工程を包含した熱動引きはずし装置のギャップ調整方法において、複数極へ同時に通電するとともに、同時にそれぞれ上記バイメタルに固着するようにしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法。
- 調整子をバイメタルに係合させる工程、上記当接部をトリップバーと所定のギャップを介して対向させる工程、所定の電流を一定時間通電する工程、および上記通電により上記バイメタルが変形して上記調整子の当接部が上記トリップバーに当接し、押し戻されて移動したままの状態で上記調整子を上記バイメタルに固着する工程を包含した熱動引きはずし装置のギャップ調整方法において、複数極へ一定時間ずつずらして通電するとともに、上記一定時間ずつずらしてそれぞれ上記バイメタルに固着するようにしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法。
- トリップバーを複数個所で固定した状態で通電し調整子をバイメタルに固着するようにしたことを特徴とする請求項10または11記載の熱動引きはずし装置のギャップ調整方法。
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