JP3917189B2 - ツイスティングボールディスプレイ - Google Patents

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Description

参照による取り入れ
下記の米国特許は、参照によりここに完全に取り入れられている。すなわち、米国特許第4,126,854号(シェリドン(Sheridon)、“ツイスティングボールパネルディスプレイ”);米国特許第4,143,103号(シェリドン(Sheridon)、“ツイスティングボールパネルディスプレイを製造する方法”);米国特許第5,075,186号(シェリドン(Sheridon)、“プリンティングのために画像状に付着する層”);米国特許第5,262,098号(クロウレイら(Crowley et al)、“ツイスティングボールディスプレイのための二色ボールを製造する方法および装置”);米国特許第5,344,594号(シェリドン(Sheridon)、“ツイスティングボールパネルディスプレイのための多色ボールの製造方法”);および米国特許第5,389,945号(シェリドン(Sheridon)、“ディジタルアドレス指定される紙のような媒体を含む書き込みシステムおよびそのアドレス指定を行うデバイス”)。
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、可視ディスプレイに関し、より詳細にはアドレス指定可能な、再使用できる紙のような可視ディスプレイ、およびジャイリコンディスプレイあるいはツイスティングボールディスプレイに関するものである。
2.関連技術の説明
古代以来、紙はテキストおよび画像の表現および表示のための好ましい媒体である。ディスプレイ媒体としての紙の長所は明らかである。例えば、紙は、軽量で、薄く、持ち運びでき、曲げやすく、折り畳みでき、高コントラストで、安価で、比較的丈夫であり、無数の形状に容易に構成される。紙は、少しも電気を使用しないでその表示された画像を保持できる。紙は、周囲光で読むことができ、ペン、鉛筆、絵筆、コンピュータプリンタを含む任意の数の他の器具で書き込むかあるいはマークを付けることができる。
あいにく、紙は実時間ディスプレイ目的に十分適していない。コンピュータ、ビデオ、あるいは他のソースからの実時間映像は直接紙に表示することができなく、陰極線管(CRT)ディスプレイあるいは液晶ディスプレイ(LCD)のような他の手段によって表示されねばならない。一般的には、実時間ディスプレイ媒体は、物理的可撓性や、電源なしに表示画像を安定して保持し得るとういうような紙の望ましい性質の多数を欠いている。
実時間ディスプレイ媒体の性質と紙の望ましい性質とを結合して、双方の領域に最善なものを作製する試みが行われている。電気紙と呼ばれるようなものである。
通常の紙のように、電気紙は、書き込みおよび削除ができ、周囲光で読むことができ、および電界あるいは他の外部保持力がない状態で情報を保持できるのが好ましい。さらに通常の紙のように、電気紙は、軽量で、曲げやすい、永続性のあるシートの形状であるのが好ましい。そうすれば、任意の軸の周りに折り畳むかあるいは巻いて管状の形にすることができ、シャツあるいはコートのポケットに入れ、それから後で回収し、再びまっすぐに伸ばし、ほぼ情報の消失なしに読むことができる。さらに通常の紙と違って、電気紙は、静止画像およびテキストと同様に完全な動きおよび他の実時間の画像を表示するために使用することもできる。したがって、電気紙はコンピュータシステムディスプレイスクリーンあるいはテレビジョンで使用するのに適合できる。
ツイスティングボールディスプレイ、回転ボールディスプレイ、粒子ディスプレイ、双極性粒子光弁等とも呼ばれるジャイリコンディスプレイは電気紙の形を作る技術を提供する。手短に言えば、ジャイリコンディスプレイは、その各々が所望の面を観察者に示すように選択的に回転することができる多数の光学的異方性ボールでできているアドレス可能なディスプレイである。例えば、ジャイリコンディスプレイは、各々が各半球は別個の電気特性(例えば、誘電流体に対してゼータ電位)を有する一方が黒で、他方が白の2つの別個の半球を有する光学的にも電気的にも異方性であるボールを組み込むことができる。白黒ボールは、光学的に透明な材料のシートに埋め込まれる。このシートはエラストマー層のようなものであって、回転楕円面状空洞を含み、可塑剤のような透明な誘電流体が浸透している。流体で満たされている空洞は、ボールがシート内で移動することを防止するために空洞毎に1つのボールを収容する。ボールは、流体で満たされている各々の空洞内で選択的に、例えば電界の印加によって回転できる。その結果、シートの表面を見る観察者に白黒半球のいずれかを表示する。このように、(マトリックスアドレス指定方式によるような)2次元でアドレス可能な電界の印加によって、ボールの白黒の面は表示された画像の画素(例えば、ピクセルあるいはサブピクセル)として表示するようにさせることができる。
典型的なジャイリコンディスプレイ10は、図1の側面図に示されている(従来技術)。2色ボール11は、ボールが自由に回転できる空洞13を形成する誘電流体によって膨張されるエラストマー基板12に配置される。ボール11は、流体がある場合、電気的に双極性であるので、マトリックスアドレス可能な電極14a、14bによるような電界の印加で容易に回転する。観察面15に最も接近している電極14aは透明であることが好ましい。観察者Iは、基板12の観察面15にその白黒面(半球)をさらすように回転されるようなボール11の白黒パターンによって形成される画像を見る。
ジャイリコンディスプレイ技術は、先に参照により取り入れられた特許にさらに詳細に記載されている。特に、米国特許第5,389,945号(シェリドン(Sheridon)、“ディジタルアドレス指定される紙のような媒体を含む書き込みシステムおよびそのアドレス指定デバイス”)は、CRT、LCDあるいは他の従来の表示媒体にない、柔軟性を有し、電力がない場合に表示画像を安定して保持し得るような望ましい紙の性質の多くを有するジャイリコンディスプレイを製造することができることを示している。紙のようなものでなく、例えば、フラットパネルディスプレイに使用される剛性ディスプレイスクリーンの形状のジャイリコンディスプレイも製造できる。
一般的には、公知のジャイリコンディスプレイは、一方の半球が黒であり、他方の半球が白である2色ボールでできている。他の種類のボールも公知である。例えば、米国特許第4,261,653号(グッドリッチ(Goodrich))には多層ボールについて記載されている。この多層ボールは少なくとも一部がガラスから作られていて、その使用は高周波電界を必要とするアドレス指定方式によって決定される。
ジャイリコンディスプレイは電気紙の目的の方への重要なステップを示しているけれども、進むにはなお長い道程がある。例えば、白黒ボールで構成されているジャイリコンディスプレイは多色画像を表示できない。他の例として、周囲反射光で作動するように設計されているジャイリコンディスプレイは、投影ディスプレイあるいは透過ディスプレイを実現できない。必要とされているのは、ディスプレイ機能のより完全な範囲を提供でき、特にカラー投影イメージングおよび透過イメージングを提供できる最新のジャイリコンディスプレイ技術である。
発明の概要
本発明は補助光学構造を備えているジャイリコンあるいは回転粒子ディスプレイを提供する。より詳細には、本発明の一態様において、光透過窓を有する基板と、基板に配置された複数の粒子と、前記光透過窓に光学的に結合されている光集束要素とを備えている装置が提供されている。各粒子は電気双極子モーメントを与える異方性を有し、粒子の電気双極子モーメントが生じている間に、粒子が電界中に回転可能に配置されている場合、粒子は電気双極子モーメントが電界と整列する向きに回転する傾向があるように、電気双極子モーメントは粒子を電気的に応答させる。各粒子の回転可能な配置は、粒子が基板にこのように配置されている間達成可能である。すなわち、粒子がこの回転可能な配置にある場合、粒子は基板に付着していない。各粒子は、基板に回転可能なように配置される場合、光透過窓に対して第1および第2の配向で配置可能である。各粒子は、窓を通る光エネルギーの光束に対して前記第1の配向で配置される場合、第1の光変調特性を生じ、窓を通る光エネルギーの光束に対して前記第2の配向で配置される場合、第2の光変調特性をさらに生じる。集束素子は光屈折性であってもよい。例えば、集束素子は、マイクロレンズの“ハエの眼”のような集束レンズのアレイを有していてもよい。この場合、粒子を、レンズアレイと位置合せされているアレイ中に配置することができる。
本発明は、ディスプレイ中で、各回転可能な粒子(例えば、球状ボール)がレンズとして機能するジャイリコンディスプレイあるいは回転粒子ディスプレイを提供する。より詳細には、本発明の一態様において、第1の屈折率を有する光透過性誘電流体と、該流体中に回転可能に配置されている光学的異方性粒子との組み合わせを提供する。この粒子は第2の屈折率を有する光透過性領域を少なくとも1つ有する。この粒子は、流体中に、窓を通る光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置される場合、第1の光変調特性を生じ、流体中に、窓を通る光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置される場合、第2の光変調特性をさらに生じる。粒子は、電気双極子モーメントを与える異方性を有し、粒子の電気双極子モーメントが提供されている間に粒子が電界に回転できるように配置されている場合、粒子は電気双極子モーメントが電界と整列する向きに回転する傾向があるように、電気双極子モーメントは粒子を電気的に応答させる。例えば、流体の粒子の配置は粒子の電気双極子モーメントを生じることができる。
本発明は、“エッグクレート(eggcrate)”基板を有するジャイリコンディスプレイあるいは回転粒子ディスプレイを提供する。より詳細には、本発明の一態様において、複数の空洞を有する空洞を含むマトリックスを有する基板を備えている装置が提供されている。前記複数の空洞は、ほぼマトリックスの単一層に配置され、ほぼ幾何学的に規則的なパターンでマトリックス内に配置されている。複数の光学的異方性の粒子が、基板の複数の空洞に配置さていて、各空洞は複数の光学的異方性粒子のうち高々1つを含んでいる。各粒子の回転可能な配置は、前記粒子がこのように基板に配置されている間、達成可能である。すなわち、粒子は、前記回転可能な配置にある場合、基板に付着していない。各粒子は、例えば、電気双極子モーメントを与える異方性を有することができ、粒子の電気双極子モーメントが与えられている間に粒子が電界に回転できるように配置されている場合、粒子は電気双極子モーメントが電界と整列する向きに回転する傾向があるように、電気双極子モーメントは粒子を電気的に応答させる。さらに、各粒子は、粒子の光学的異方性を生じる複数の要素領域を有することができ、この領域は第1の光変調特性を有する第1の領域と、第2の光変調特性を有する第2の領域とを含んでいる。空洞の単一層はほぼ平面であってもよいし、空洞の幾何学的パターンは、層の面に、六角形、矩形、あるいは偏菱形のアレイパターンのような2次元アレイパターンであってもよい。基板は第1および第2の部材をさらに含んでいてもよい。これらの部材を前記マトリックスを挟持するように配置させることができ、部材の中の少なくとも1つは、光エネルギーの光束が粒子に入射するように通過できる光透過窓を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来技術の典型的な白黒ジャイリコンディスプレイの断面側面図である。
図2は、本発明の典型的なジャイリコンディスプレイの断面側面図である。
図3は、空気中の球状レンズボールによる光の屈折を示している。
図4Aは、流体で満たされているエラストマーの空洞の中の球状レンズボールによる光の屈折を示している。
図4Bは、集束レンズがある場合の流体の中の球状レンズボールによる光の屈折を示している。
図5A〜図5Bは、入射光束に対して2つの異なる回転配向にある開口マスクを有する単一の球状レンズボールの拡大側面図を示している。
図6は、開口マスクを有する単一の球状レンズボールの拡大端面図を示している。
図7A〜図7Bは、入射光束に対する2つの異なる回転配向の開口絞りを有する単一の球状レンズボールの拡大側面図を示している。
図8は、開口絞りを有する単一の球状レンズボールの拡大端面図を示している。
図9は、球状レンズボールのための開口マスクあるいは開口絞りを形成するための製造アセンブリの一部を示している。
図10は、球状レンズボール上の蒸着(薄膜)保護膜を示している。
図11A〜図11Bは、側面図および頭上図のそれぞれの“ハエの眼”レンズアレイを示している。
図12A〜図12Bは、側面図および3D切断図のそれぞれの“エッグクレート”基板の一部を示し、図12Cは、いかにボールがエッグクレートに配置されているかを示している。
図13は、エッグクレート基板を製造する際に使用されるフォトマスクを概略的に示している。
図14は、製造中の部分的に完成されたエッグクレート基板構造の一部を示している。図15A〜図15Bは、製造の最終工程のエッグクレートの側面図および平面図のそれぞれを示している。
図16は、本発明の透過ジャイリコンディスプレイデバイスを組み込む光学的投影システムの概略図である。
図17Aは、サブピクセルパターンの赤色、緑色、および青色の球状レンズボールの配置を概略的に示している。
図17Bは、エッグクレート基板を製造するために使用されるフォトマスクの一部を示している。
図17Cは、図17Bのマスクの修正画像を示している。
図17Dは、図17Cの修正画像から形成された金属スクリーンを示している。
図18は、そのシアン、マゼンタ、および黄色の成分単位を示すために部分的に分解されているCMY(シアン-マゼンタ-黄色)減法混色ディスプレイの側面図である。
好ましい実施例の詳細な説明
本発明は、特に透過イメージングに十分適している新しい種類のジャイリコンディスプレイを提供する。従来技術の2色ボールジャイリコンディスプレイは、、画像形成表面の断面の光反射率を変えることによってディスプレイが光を変調する周囲光弁として、あるいは反射モードでの使用に制限されているのに対して、本発明は光透過あるいは投影モードで機能し、画像のような方法で画像形成表面を通る光の通過を透過あるいは弱めるように設計される。
一般的には、記載されている実施例において、本発明は以下の3つの要素を含んでいる。すなわち、
(1)開口マスクあるいは開口絞りを有する球状レンズのような回転可能なレンズイメージング要素のアレイ、
(2)集束レンズの“ハエの眼”アレイのような回転可能なレンズとともに集束光を手助けるために使用される補助光学構造、
(3)回転可能なレンズイメージング要素をアレイ内に正確に配置するのを確実にするのを助け、それによって補助光学構造アレイのレンズと、イメージング要素アレイとの正確な整列(すなわち、位置決め)を容易にするのに役立つエッグクレート基板。
下記に続く議論に興味を起こさせるには、議論を図2に示されるような一実施例における本発明のディスプレイの例の説明から始めるのが役立つだろう。ディスプレイ20は、いくつかの点で、図1に示されている公知のジャイリコンディスプレイ10(従来技術)と同様である。特に、ディスプレイ20は、基板22内の流体で満たされている空洞23中に回転可能に配置されている球状ボール21を有し、ボール21はそのそれぞれの空洞内で回転可能である。ボール21の各々は光学的異方性である。さらに、ボール21の各々は、流体がある場合、電気双極性であるので、マトリックスアドレス可能な電極24a、24bによるような電界の印加で回転を余儀なくされている。
しかしながら、本発明のディスプレイのイメージング要素は、前述のジャイリコンディスプレイにあるイメージング要素(例えば、ディスプレイ10の2色ボール11)とは全く異なる。ディスプレイ20のイメージング要素は回転可能な球状レンズである。ディスプレイ20のボール21の各々は小さなレンズの役目を果たすので、入射光を集束するために使用できる。後述されるように、使用されるレンズの種類に応じて、異なる光学的効果を得ることができる。例えば、開口マスクタイプのレンズが使用されるならば、各ボールは、ボールが入射光を集束し、透過する第1の配向およびボールが入射光を阻止する第2の配向にも回転できる。
相互に、ボール21によって与えられるレンズアレイは画像を形成するために使用できる。例えば(およびもう一度開口マスクタイプのボールと仮定して)、ボール21aのようなボールは、基板22の光進入面25に、および平行光のビームのようにここで示されている光源Lから来る光の方にその透過面を示すように回転する。これらのボール21aはLからの入射光を集束するので、光は光出口面26から出る。光源Lとボール21との間に配置されている集束レンズのアレイ27としてここに示されている補助光学構造は後述されるように光が正確に集束されるのに役立つ。ボール21bのようなボールは、基板22の光進入面25の方へその非透過面を示すように回転する。アレイ27を介してこれらボールに当たる光源Lからの光は、その表面で(開口マスク材料の選択に応じて)吸収あるいは反射され得るが、いずれにしてもブロックされ、透過されない。ボール21によって集束され、透過された光パターンの画像は、例えば投影レンズ28を通る透過光が観察スクリーン29上に投影されることによって形成され得る。投影画像は、次々に、好適に位置する観察者Iによって観察され得る。
アドレス指定電極24a、24bの双方は透明である。例えば、これらの電極はインジウム/すず酸化物(ITO)から作ることができる。光進入に最も接近している電極24aは、示されているように光進入面25に隣接するか、あるいは光進入面25上のコーティングとして配置されているので、この電極はできるだけボール21に接近しており、したがって必要な駆動電圧を最少にすることができる。
ディスプレイ20の基板22は予め形成された空洞の規則的なパターンを有するエッグクレート基板である。その構造およびその製造の双方において、基板22は公知のディスプレイ10の基板12と異なる。基板12は、ボール11の周りに形成される球状空洞13を有する。すなわち、最初に、ボール11は基板12に埋め込まれ、それから誘電流体が基板に埋め込まれ、基板12を膨張させるので、空洞13はボール11が埋め込まれている所はどこにでも形成する。それに反して、ディスプレイ20の基板22において、空洞23は全部あるいは一部が予め形成され、それからボール21が後述される方法で空洞の中に配置される。換言すると、他の方法に代えて、空洞23は最初に形成され、ボール21は、空洞が形成されている所どこにでも落ちつく。
基板22のエッグクレート構造の規則性は、ボール21が高度に規則的な方法で配置されることを確実にする。これはディスプレイ20の製造を容易にする。何故ならば、ボール21の各々を通して正確に光が集束されるためにボール21のアレイに対して補助光学レンズアレイ27を配置(すなわち位置決め)することは、ボール21が高度に規則的に整列されていない場合よりも格段に容易であるからである。
説明の残りは下記のように構成される。最初に、球状レンズの光学について説明する。それから本発明のディスプレイの回転可能なレンズ、補助光学構造、およびエッグクレート基板要素をより詳細に説明する。その後、本発明の実施例をいくつか示し、特にいかに本発明の技術がモノクロディスプレイおよびカラーディスプレイを製造するために使用することができるか示す。最後に、本発明の技術のいくつかの変形および拡張について説明する。
球状レンズ光学の論文
本発明の回転可能なレンズは、ガラス、プラスチック、あるいはエポキシ球体のような透明球体から形成できる。透明球体は、球体が配置されている媒体に依存する光学屈折特性を有する。特に、球体が球体を囲んでいる媒体の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で作られているならば、球体は集束レンズの役目を果たす。
図3および図4A〜図4Bはこの原理を示している。これらの図の各々において、光線aおよびbによって示される平行光源(図示せず)からの平行光は、半径rを有する透明球体ボール30に入射する。スミスおよびトムソン(F.G.Smith and J.H.Thompson,Optics,London:John Wiley & Sons Ltd,1971,p.98)の論法に従うと、ボール30による光の屈折を示すための式は、下記のように記述できる。
−n1/L1+n2/L2=(n2−n1)/r [1]
ここで、L1はオブジェクト距離、L2は画像距離、n1はボール外部の媒体の屈折率であり、n2はボール材料の屈折率である。ボール30の外部の媒体が空気であると仮定するとn1=1.0となる。さらに、ボール30が屈折率n2が約1.9であるガラスから作られていると仮定すると、上記の式[1]は下記のようになる。
1.9/L2=0.9/r [2]
この式は、入射光が平行であるので、L1を無限とみなして導かれた式である。下記式が得られる。
2=2.1r [3]
式[3]は、長距離からの入射光はボール30の壁のスポットにほとんど集束していることを示している。このことは、図3に示されている。図3の入射光の反射された一部は、入射光の光路をほとんど正確に後戻りして、光源の方へ戻る方向へ伝搬していく光の平行ビームとしてボールを離れる。これらの条件の下で、ボール30はほとんど完全な再帰反射体であり、この事実は主要道路標識および道路標識で幅広く利用されている。
このように、ボール30のような透明ボールはレンズのような構造である。このような球状レンズボールが、電気双極性を有するようにすれば、これらの球状レンズは、電界の印加によって回転させることができる。特に、ボールの表面を相互に異なる電気泳動特性を有する材料で非対称に被覆すれば、誘電流体がある場合、ボールの表面は電気双極子モーメントを得ることができる。
しかしながら、流体の存在は球状レンズの屈折特性に影響を及ぼす。例えば、ボール30の外部の媒体が屈折率n1が約1.4である誘電材料であるならば、平行入射光に関して、式[1]が下記のようになる。
1.9/L2=0.5/r [2′]
すなわちおよそ下記のようになる。
2=3.8r [3′]
式[3′]は、大きな距離からの入射光がボール30の後部壁の完全に後ろのある点に集束することを示している。このことは、図4Aに示されている。ボール30はエラストマー32の流体が満たされている空洞33に配置されいる。流体(図示せず)は、例えば、空洞33を形成するためにエラストマー32を膨らませる可塑化オイルであってもよい。エラストマー32および流体の双方は、同じ屈折率、一般的には約1.4を有すると仮定される。
図4Bは、エラストマー(図示せず)中の誘電流体(も図示せず)に浸されると仮定して、球状レンズボール40を示している。薄い平凸レンズ39のような集束レンズは、平行入射光(ここで、光線aおよびbによって示される)とボール40との間にある。レンズ39は、入射光の平行ビームを集束ビームに集束するように機能する。それから、ビームは、ボール40によって、図示されるように入射光の反対側に位置するボール40の壁上の焦点45にさらに集束される。光が正確に集束されることを確実にするために、レンズ39の曲率半径Rに対しておよびレンズ39およびボール40を隔てる距離dに対しても所定の条件が成り立っていなければならない。尚、dはボール40の最も近い点から測定される。式[1]を使用し、L2=2r(例えば)と設定すると、結果としてレンズ39は焦点距離L1=3.11rを有しなければならないので、その焦点距離はボール40の完全に背後にある。
d=3.8R−3.11r [4]
であるならば、この条件が満たされる。
図4Bにおいて、式[4]が満たされている。レンズ39をボール40からさらに離れた所に配置する(すなわち、距離dを増加させる)ことによって、入射光はボールの近くの壁に集束される。すなわち、この他の配置はいくつかの場合に役に立つこともある。
要するに、球状レンズボールを通過する光線は、ボールの屈折率によっておよび周囲媒体の屈折率によっても決定される点に集束する。ジャイリコンディスプレイの場合、周囲媒体は一般的には誘電液体である。ボールは高い屈折率を有し、液体は低い屈折率を有する。そうであっても、ボールの丁度表面で可能な限り鋭い集束を得るためには、外部集束アレイあるいは他の補助光学構造が必要である。
光学的な双極性球状レンズ
本発明によれば、球状レンズボールは、光双極性および電気双極性であるように作ることができ、ジャイリコンディスプレイは、複数のこのような双極性ボールのアレイから構成することができる。双極性球状レンズを製造する2つの方法について説明する。すなわち、開口マスクおよび開口絞りである。開口マスクは図5A〜図5Bおよび図6に示されている。開口絞りは図7A〜図7Bおよび図8に示されている。
図5A〜図5Bおよび図6において、ボール50は透明球体で、中央ピンホール開口、すなわち瞳孔52を有している。透明球体は、半球コーティング(部)あるいは部分的半球コーティング(部)51によって部分的に被覆されている。ボール50は、ジャイリコンディスプレイの一部であってもよく、図5A〜図5Bおよび図6に示されているように、流体で満たされている空洞53に配置される。図5A〜図5Bはボール50の拡大側面図を示し、図6はボール50の被覆部の拡大端面図を示している。
図5A〜図5Bには、光線aおよびbによって示されるような平行光源(図示せず)からの入射平行光を集束する集束レンズ44が存在していて、ボール50が図5Aに示されるように配向するならば、ボール50を通過する光線はボール50の後ろ、したがって開口52に集束するようになっている。レンズ44が必要とされるのは、ボール50の屈折率および空洞53を満たしている流体の屈折率が、上記に示された屈折の等式に基づく値となるようにであり、さもないと、入射光はボール50の後方の焦点に向けられ、開口52に正確に集束しなくなるからである。開口マスクを有するボール50のような複数の球状レンズボールのアレイを含むジャイリコンディスプレイの場合、集束レンズ44は、補助光学構造として役立つレンズのアレイの一部であってもよい。
その中央開口52を有するコーティング51は開口マスクとしての機能を果たす。例えば、コーティング51が不透明であるならば、ボール50が入射光に対して図5Aの図示された向きにある場合、入射光は開口52を介してボール50を通過できる。しかしながら、ボール50が180°回転すると、図5Bに示されるように、入射光に対して反対の向きになり、入射光のほとんど全ては不透明マスクに当たる。非常に少量の光だけが開口52を通過し、残りの光は、コーティング51を製造するために使用される材料に応じて、例えば、吸収あるいは反射される。
他の例として、コーティング51が透明色であるならば、ボール50が入射光に対して図5Aで図示された向きにある場合、入射光は開口52を介してボール50を通過できる。しかしながら、ボール50180°回転すると、図5Bに示されるように、入射光に対して反対の向きになり、入射光のほとんど全ては透明色マスクに当たる。非常に少量の光だけが開口52を通過し、残りの光は、コーティング51を製造するのに使用されている材料に応じて、例えば、カラーフィルタリングされる。このように、例えば、白色光がボール50を照らすとともに、コーティング51が透明な赤色であるならば、ボール50から出現する透過光は、(ボール50が図5Aに示されるように配向する場合)白色あるいは(ボール50が図5Bに示されるように配向する場合)赤色のいずれにもなり得る。
図7A〜図7Bおよび図8において、ボール70はその表面上にカラードット72を有する透明な球体である。ボール70はジャイリコンディスプレイの一部であってもよく、流体で満たされている空洞73に配置されているように図7A〜図7Bおよび図8に示されている。図7A〜図7Bは、ボール70の拡大側面図を示し、図8は、ドット72を有するボール70の一部の拡大端面図を示している。
図7においても、光線aおよびbによって示されるような平行光源(図示せず)からの入射平行光を集束する集束レンズ64が存在していて、ボール70が図7Aに示されるように配向するならば、ボール70を通過する光線はボール70の後ろ、したがってドット72に集束するようになっている。レンズ64が必要とされるのは、ボール70の屈折率および空洞73を満たしている流体の屈折率が、上記に示された屈折の等式に基づく値となるためであり、さもなければ、入射光がボール70の後方の焦点に向けられ、ドット72に正確に集束しなくなる。開口マスクを有するボール70のような複数の球状レンズボールのアレイを含むジャイリコンディスプレイの場合、レンズ64は補助光学構造として役立つレンズのアレイの一部であってもよい。
表面ドット72は開口絞りとしての機能を果たす。例えば、ドット72が不透明であるならば、ボール70が入射光に対して図7で図示されている配向である場合、入射光はドット72に集束されるので、ボール70を通過することを阻止される。ドット72に当たる光は、ドット72を製造するために使用されている材料に応じて、例えば、ドット72によって吸収されるかあるいは再帰反射され光源に戻される。しかしながら、ボール70が180°回転して、図7Bに示されるように、入射光に対して反対の向きになる場合、入射光のほとんど全てはボール70を通過し、非常に少量の光だけがドット72によって阻止される。
他の例として、ドット72が透明色であるならば、ボール70が入射光に対して図7Aで図示されている配向にあるならば、入射光はドット72に集束されるので、ボール70を通過することによってカラーフィルタリングされる。しかしながら、ボール70が180°回転して、図7Bに示されるように、入射光に対して反対の向きになる場合、入射光のほとんど全てはボール70を通過し、非常に少量の光だけがドット72によってフィルタリングされる。このように、例えば、白色光がボール70を照らすとともに、ドット72が透明な赤色であるならば、ボール70から出現する透過光は、(ボール70が図7Aに示されるように配向する場合)赤色あるいは(ボール70が図7Bに示されるように配向する場合)白色のいずれにもなり得る。
ボール50および70は、例えば、フェロコーポレーション(Ferro Corporation)のカタフォート(Cataphote)事業部(オハイオ州クリーブランド)から入手できるような1.91の屈折率を有するガラス微小球体であってもよい。ボール直径は一般的には10ミクロンである。ボールの周囲の空洞を満たしている流体は、例えば、約1.4の屈折率を有するISOPARLであってもよい。
ピンホール開口52は、一般的には約0.5ミクロンオーダーの直径を有する。その小さい直径のために、ピンホール開口52は、コーティング51の面積の極わずかな部分(例えば、コーティング51が完全な半球であるならば約0.25%)だけとなっている。したがって、ボール50がその光阻止の配向にある場合の開口52を通る光の漏れば、極わずかであり、本発明のディスプレイによって得ることができる高コントラスト比に著しい影響を及ぼすものではない。同様に、ドット72は、一般的には約0.5ミクロンオーダーの直径を有しているので、ドット72が位置するボール70の表面積の極わずかな部分だけとなっている。したがって、ボール70が光透過の配向にある場合、ドット72による光の阻止は極わずかであり、本発明のディスプレイによって得ることができる高コントラスト比に著しい影響を及ぼさない。
ボール50およびボール70のようなボールからジャイリコンディスプレイを製造するために、ボールは電気双極性に製造されなければならなく、電気双極子モーメントおよび光双極子モーメントが整列しているのが好ましい。ボール50に関しては、コーティング51が所望の電気双極子モーメントを形成するのに役立つ。コーティング51は非導電性であり、ボール50を製造するのに使用される透明材料とは著しく異なる電気泳動的挙動をするのが好ましい。ボール50の表面および半球コーティング51の材料の電気泳動挙動の違いは、空洞53を満たしている作動流体のような誘電流体がある場合、(例えば、誘電流体と接触するゼータ電位の差により)電気双極子モーメントを形成する。ボール70に関しては、透明非導電性コーティング(図7A〜図7Bおよび図8に示されていない)は、ボール70の1つの半球の表面の全てあるいは一部、例えば、ドット72を含む半球の表面に供給することができる。透明コーティングは、ボール70の透明材料とは異なる電気泳動挙動を有し、これは、空洞73を満たす作動流体のような誘電流体がある場合、電気双極子モーメントを形成する。
このように電気双極性を有するように作製されているボールを備えていると、ボールは、前述のジャイリコンディスプレイを熟知している方法と同様な方法で、その電気双極子モーメントを印加電界と整列させるために、電界の印加によって回転するようにすることができる。したがって、本発明によれば、ボール50および70のようなボールは、ジャイリコンディスプレイに用いられるイメージング要素として(レンズ44および64のような)集束レンズとともに使用することができる。このような光双極性の球体レンズボールから構成されるジャイリコンディスプレイの例については後述する。
開口マスクおよび開口絞りの製造
コーティング51およびドット72に用いる非導電性コーティング材料は、ボール70に用いられる透明非導電性コーティングと同様、種々の技術のいずれかによってボール50および70のそれぞれに供給される。次に、フォトレジストを使用するいくつかの典型的な製造技術は図9〜図10に関して説明される。
図9は、球体レンズボールのための開口マスクあるいは開口絞りを製造するための製造アセンブリの一部を示している。製造チャンバ90は、穴93を有するベースプレート92と、ベースプレート92とは反対側にある窓96とを備えている。例えば、プレート92は、エッチングされる穴93を有する金属で作ることができる。チャンバ90は、透明ボール91を収容したり、除去するために、開くことができるようになっていてもよい(図示せず)。例えば、チャンバ90の内部にアクセスするのを妨げないように、窓96が動いたり、あるいはスライドできるように形成することができる。
製造中、一定の直径の透明ボール91の単一層は、図示されるように、穴93の各々に1つボールが位置していて、プレート92上に形成される。単一層を形成するために、ボール91を、プレート92の表面上のチャンバ90の中に入れ、それからプレート92(もしくは、チャンバ90の全体)を、ボールが穴の中に落ち着くように撹拌する。穴93は、円形であり、ボール91の一定の直径よりも小さい一定の直径となっている。したがって、ボール91は相当する表面積を有する部分的な半球部分を、穴93の中に突き出して、穴93の中に静止している。チャンバ90は、側壁(図示せず)を有し、一旦ボール91が穴93の中に入れられると、効果的に密封されると仮定される。
ボール91の単一層がプレート92上の所定の場所に形成された後、ボール91は、フォトレジストで部分的に被覆される。フォトレジストは、例えば、チャンバ90の外部に置かれた発生源98から生じる細かいエアロゾル(例えば、ミストあるいはスプレー)によってボール91に塗布することができる。発生源98からのフォトレジストは、穴93を通って露出されているボール91の部分半球を被覆するが、チャンバ90の内部に入らないので、チャンバ90の内部の方へ面するボール91の一部を被覆しない。(換言すると、フォトレジストエアロゾルは、穴93の中に突き出るボール91の一部だけに塗布される。)このように、部分的な半球コーティングは穴93の周辺のボール上に形成される。それから、塗布されたフォトレジストは乾燥することが可能にされる。
フォトレジスト開口マスクを製造する場合、穴93の周辺のボール上に形成されているコーティングは、マスクカバレージエリアを最大にし、ボールを通る望まれていない光の漏れを最少にするために、できるだけ全半球となるようにするのが好ましい。したがって、穴93は、穴93を通して落ちない程度に、ボール91とできるだけ一致している直径となるように形成される。すなわち、穴93の直径はボール91の直径よりもほんのわずかに小さいので、ボール91は最大限穴93を通って突き出る。(図10を参照して後述するように、蒸着にネガティブとして使用してフォトレジスト開口絞りを製造する場合、同じ知見が適用される。)
フォトレジストが乾燥した後、平行光源95からの光のビームは窓96を通ってボール91の方へ向けられる。好ましくは、光源95からの光は、フォトレジストに対して化学線作用のある光である。すなわち、一般的には紫外線が使用される。窓96は、化学線に対して透明な材料で作られている。すなわち、例えば、紫外線が使用されるならば、窓96は石英で製造することができる。
ここで、光線aおよびbによって示された光ビームは、ボール91の球体表面に到着するまでに、窓96およびボール91を囲む空気あるいは真空を通過する。そこで、光ビームが前述のように屈折させられ、すなわち、特に、式[3]が成立すると、各ボールに対して、入射光ビームはほぼボールの後部壁にある単一スポットに集束される。例えば、ボール91aに関しては、光はほぼスポット99に集束する。任意には、および図示されるように、集束は、入射ビームを遮断し、入射ビームを平行ビームから適当に集中的なビームに変える集束レンズ89の使用によって補正される。
次に生じることは、ボールを被覆するために使用したフォトレジストが、ポジ型(光溶解性)であるのか、ネガ型(耐光溶解性)であるのかに依存する。すなわち、
・ 開口絞りを形成するためには、ネガ型フォトレジストが使用される。化学線の集束ビームに対してネガフォトレジストを露光すると、フォトレジストの露光部分が硬化する。このようにフォトレジストの単一スポットだけが硬化し、残りは硬化しない。単一スポットは開口絞りに対応する。
・ 開口マスクを形成するためには、ポジ型フォトレジストが使用される。集束光ビームに対してポジ型フォトレジストを露光すると、露光部分が軟化すると同時に、フォトレジストの露光されない部分は硬化したままである。このように、部分的な半球マスクは、未硬化のままである単一スポットだけを有するボール上に形成される。単一スポットはマスクの瞳孔あるいはピンホール開口に対応する。
ポジ型であろうとネガ型であろうと、フォトレジストは高γフォトレジストであるのが好ましい。そのようなフォトレジストは、焦点に集束する強い集束光がある場合と、未集束光あるいは散乱光がある場合とでその挙動が大きく異なる。したがって、開口絞りあるいは開口マスク(場合に応じて)は他のフォトレジストよりも非常に早く硬化する。
フォトレジストがビームによって露光された後、フォトレジストの現像液がボール91に塗布される。例えば、現像液は、チャンバ90の外部の発生源から穴93を通してボール上に(フォトレジストエアゾールが発生源98から予め塗布される方法と同様に)スプレーすることができる。現像液は、一般的には、NaOHのような高pHの水性薬品溶液である。現像液はいかなる非硬化フォトレジストも取り除く。このように、開口絞りの場合、現像液によって、フォトレジストが硬化している中央スポットのフォトレジストを除いてフォトレジストが取り除かれる。開口マスクの場合、現像液によって、フォトレジストが硬化していない中央スポットだけのフォトレジストが取り除かれる。現像が完了した後、ボールが水で洗い落とされ、チャンバ90から取り除かれる。
ここまでで、フォトレジスト開口絞りあるいはフォトレジスト開口マスクのコーティングを有する球体レンズボールが製造される。フォトレジストコーティングは、フォトレジストのために一般的に使用される光重合体の多くは透明材料である。開口マスクあるいは絞りは、染料のような着色剤を添加することによって、あるいは薄い蒸着層を付加することによって、ジャイリコンディスプレイで使用するのにより好適なものとすることができる。
染料は、前述のフォトレジストへの露光および現像が完了した後、最終工程として開口マスクあるいは絞りに添加することができる。ボールを、チャンバ90から取り除き、その組成がフォトレジストによって吸収されるようになっている染料に浸す。開口マスクの場合、染料は一般的には不透明である(例えば、光吸収体あるいは光反射体)。開口絞りの場合、染料は(モノクロディスプレイに関しては)不透明であってもよいし、あるいは(図18を参照として後述される減法混色カラーディスプレイのカラーフィルタに関しては)透明カラーであってもよい。
それとは別に、染料の化学的組成がフォトレジスト露光および現像処理を妨げるものでないならば、染料は、フォトレジストをボール91に塗布する前に、事前にフォトレジストに添加することができる。
蒸着フィルムは、前述のフォトレジストへの露光および現像が完了後に、不透明開口マスクあるいは反射開口絞りを製造するために、最終工程として、ボール91に付着させることができる。ボール91は穴93にとどまっている間に、発生源98からフォトレジストを塗布した前述の方法と同様な方法で、気化物質をチャンバ90の外部の発生源から穴93を通じてボール91上に付着される。気化材料の薄膜は、穴93を通って露出されるボール91の部分半球をこのように被覆するが、チャンバ90の内部に入らないので、チャンバ90の内部の方へ面するボール91の一部を被覆しない。付着される薄膜は、フォトレジストで予め被覆されたボール91の一部を含む穴93を通って露出される半球の全てを被覆する。これは、ボール91bの拡大図である図10に示されていて、ボール91bは、開口マスクの形をとるフォトレジストコーティング100と、その上を被覆している薄層102を有している。ボール91bが、穴93bを介して発生源98’からの蒸気に露出しているプレート92の一部も示されている。発生源98′およびチャンバ90は、フィルム付着を容易にするためにより大きな真空室(図示せず)内に配置することができる。
フィルム102を形成するために使用される材料は、例えば、インジウムおよびフッ化マグネシウムを共に付着することによって形成される不透明非導電性材料であってもよい。開口絞りの場合、クロムのような金属性フィルムであってもよい。開口マスクに金属性フィルムを使用するのは好ましくない。なぜなら、このようなフィルムによって与えられる大きな導電性領域は、ボールの双極子モーメントの形成を妨害し得るので、その結果、ボールの回転を妨害するからである。
一旦フィルム102でフォトレジストを覆った後、ボール91をチャンバ90から取り除き、フォトレジスト除去溶液に浸す。除去溶液は、小さい細穴を通ってフィルム102に浸透し、フォトレジストの下部に到達する。そこでフォトレジストの上にあるフィルム102を破りながら、フォトレジストを可塑化し、最後にはフォトレジストを溶解する。これによって、フォトレジストおよびフィルムの両方を除去溶液によって洗い去る。しかしながら、フォトレジストによってアンダーコーティングを施されていない領域では、フィルムはそのままになっている。したがって、ボール上のフォトレジストコーティングは、フォトレジスト除去溶液によって薄膜“ポジ”に“現像”される“ネガ”の役目を効果的に果たす。すなわち、詳細には、(図10に示されるように)フォトレジスト開口マスクコーティングは薄膜開口絞りを有する球状レンズを生じ、フォトレジスト開口絞りコーティングは薄膜開口マスクを有する球状レンズを生じる。
次に、開口絞り球状レンズボールに透明非導電性コーティングを形成する方法について説明する。再びチャンバ90を用いる。このコーティングは、ボール91の単一層をプレート92上の、所定の位置に形成した後であるが、フォトレジストコーティングが発生源98から塗布される以前に施される。フッ化マグネシウムのような適当なコーティング材料は穴93を通して瞬間蒸発され、ボール91の露出部分をそれで被覆する。それから、フォトレジストへの露光および現像の工程を前述のように実行することができる。この場合、各ボールの透明コーティングは開口絞りと同じボールの側にある。
あるいは、コーティング材料を、チャンバ90内で瞬間蒸発し、開口絞りの反対側にあるボール91の半球に塗布することができる。この場合、コーティング工程は、ボールが穴93にとどまっている間、任意な都合の良い時に実行できる。
補助光学構造
図4A〜図4Bを参照して前述したように、ボールの屈折率に比べて流体の屈折率は高いために、本発明の球状レンズボールを、ジャイリコンディスプレイの作動流体に浸した場合、通常、正確な焦点を得ることができない。したがって、補助光学構造が、入射光を球状レンズボールの壁上の正確な焦点にもたらすために必要である。
球状レンズボール当たり複数の集束レンズのアレイが1つあることが本目的には好適である。図11A〜図11Bに概略的に示す。これらの図において、複数の平凸のマイクロレンズの“ハエの眼”アレイ110は、平行光源(図示せず)からの入射光ビーム(光線aおよびbによって示されている)と球状レンズボールのアレイ120との間に置かれる。図11Aはアレイ110の側面図を示し、図11Bはオーバーヘッド図を示している。分かるように、アレイ110の各マイクロレンズは、アレイ120のその対応する球状レンズボールと同軸に置かれるのが好ましい。例えば、マイクロレンズの中心軸は、ボールのそれぞれの開口マスクの瞳孔と一列に並んでいる。したがって、アレイ110のレンズは、入射光ビームの焦点を補償するのに役立つので、光線は、ボールが適当に配向される場合、(場合に応じて)開口マスク瞳孔あるいは開口絞りに正確に集束する。
ハエの眼マイクロレンズアレイは、例えば、ユナイテッド・テクノロジーズ・アダプティブ・オプティックス・アソシエーツ、インク(United Technologies Adaptive Optics Associates,Inc)(マサチューセッツ州、ケンブリッジ)から商業的に購買することができる。一般的には、アレイは透明プラスティックを(例えば、射出成形によって)高精度成形したものである。アレイは、任意のアレイ形態、例えば、(図11Bに示すように)六角形形態あるいは矩形形態で製造することができる。2つのアレイの正確な位置合わせ(すなわち、相互アライメント)が得ることができることを確実にするために、ハエの眼アレイと球状レンズアレイの双方の幾何学的形状およびレンズ間間隔は、同じであるのが好ましい。この理由のために、レンズアレイそのものは、後述されるように、球状レンズボールを含むエッグクレート構造をパターン化するために使用される。ハエの眼各マイクロレンズの幅(すなわち、レンズの平面部に沿ってレンズの2つの頂点を接続することによって形成される弦の直線的な寸法)は、レンズから球状レンズアレイへの光透過効率を最大にするためにエッグクレート空洞の直径と同じであるのが好ましい。
ハエの眼アレイと球状レンズアレイとの間の適切な間隔は、2つのアレイ間にある透明スペーサによって保持することができる。例えば、図11Aにおいて、平凸レンズアレイ110は、入射光の方へ面するそのマイクロレンズ要素の凸面を向けて配向し、透明スペーサ115は入射光から離れた所に面しているアレイ110の平な表面に隣接する。スペーサ115は、レンズアレイ110と同じ屈折率を有する透明プレートであり、球状レンズ要素に最も接近している面上に付着されたITO電極コーティング116を有している。スペーサ115は、レンズアレイ110およびスペーサ115の両方が組み込まれている単一の一体の構造体(例えば、射出成形プラスティックからできている)を製造したり、または、レンズアレイ110およびスペーサ115を別々に製造し、それからエポキシあるいは他の透明結合材料でレンズアレイ110をスペーサ115に結合したりすることによって、レンズアレイ110にはりつけることができる。スペーサ115の厚さは、レンズアレイとスペーサとの組み合わせ114が図示のように球状レンズアレイ120の表面に接する場合、正しい光学関係が成り立つようになっている。特に、球状レンズボールと組み合わせてマイクロレンズは、光をボール壁に集束させる。
“エッグクレート”基板
ハエの眼アレイおよび球状レンズアレイの適切な位置合わせを確実にするために、高い規則性を有するアレイ構造が好ましく、そうすれば、ハエの眼アレイの全てのレンズは全ての球状レンズボールと同時に位置合わせができる(すなわち、1つのマイクロレンズと1つのボールとの正確なアライメントは他のマイクロレンズと他のボールとのミスアライメントを生じない)。ボールが極一様な直径を有し、かつ、エラストマー中に密に詰め込まれているアレイ配置となるように特別の注意が払われるならば、公知のジャイリコンディスプレイで実施されるような通常のエラストマー基板を使用することができる。しかしながら、本発明のディスプレイにおいては、他の種類の基板が好ましい。ここでエッグクレートと呼ばれるこの新しい種類の基板は、その中に中空セルの規則的なアレイあるいは規則的なパターンを有しているので、卵の容器あるいは蜂の巣の内部に似ている。たとえボールの直径が不均一であってもセルの規則的なパターンが、球状レンズボールの規則的な配置および間隔を確実にする。換言すると、エッグクレート基板の幾何学構造の規則性は、ボール直径の均一性あるいはボールの基板への注意深い配置には依存しないことになる。
空のエッグクレート基板120の一部は図12Aの側面図、および図12Bの3次元破断図に示されている。基板120は、透明の前部面125および後部面126を有し、本実施例では、円筒状であり、密に詰め込まれた六角形のアレイ構造(六角形Hで示されるように)の複数の均一な空洞123からなる幾何学的に均一なアレイを含んでいる単一層に配置されている。空洞壁は、光の漏れを減らすために不透明にすることができる。空洞は、基板120の透明材料の屈折率にぴったりと一致する屈折率を有する、本実施例では、オイルのような透明誘電流体(図示せず)で満たされている。作動ジャイリコンディスプレイにおいて、1つのボールがエッグクレートの各々の空洞に配置される。例えば、図12Cに示すように、球状レンズボール121が空洞123を占有している。各ボール121は、空洞123を満たしている誘電流体に浸される場合、電気的双極子モーメントを得る。
空洞123の直径は、ボール121の直径よりもわずかに大きくなっている、電界の印加によってボール121が適切に回転するのに必要な大きさ以上に大きくないことが好ましい。同様に、空洞123の深さは、ボール121の直径よりもわずかに大きく、そうすれば、空洞内のボールの並進運動を最少にし、したがってハエの眼アレイのレンズ要素に対して適切な集点距離にボールを保持することができる。
ジャイリコンディスプレイ中に、ボール121をできるだけ相互に接近するように詰め込むのが好ましく、単一層中に詰め込むのが好ましい。密接に詰め込まれている単一層配置は、本発明のジャイリコンディスプレイによる光透過の効率を最大にする。矩形あるいは偏菱形構造も使用できるけれども、六角形のパッキング構造がイメージング要素の密度を最大にする。空洞123の壁を構造上の完全性と一致する薄さにすることは、いかなる所与の構造に対してもボールパッキング密度を最大にする傾向がある。
“エッグクレート”基板の製造
公知のジャイリコンディスプレイの基板と違って、本発明のエッグクレート基板は、エラストマーシートから作られていない。その代わりに、エッグクレート基板は、ハエの眼アレイの構造および間隔にぴったりと一致することを確実するようにハエの眼アレイから高精度形成される。以下に説明する。
複数のスポットのアレイであるフォトマスクを、ハエの眼レンズアレイの焦平面の近くにあるフォトプレート上に、ハエの眼レンズアレイを通る平行光のビームを当てることによって製造する。これは図13に概略的に示されている。光源(図示せず)は、ここではハエの眼アレイ131の方へ向けられる光線aおよびbによって示される平行光ビームを生じる。光ビームは、アレイ131のマイクロレンズ要素に当たり、集束される。特に、ハエの眼レンズアレイ131の一であるマイクロレンズ要素131aに入射する光は、それによって要素131aの焦平面fに位置し、入射光ビームに対して要素131aの真後ろの点132aに集束される。焦平面fに平行で、かつ、焦平面のわずか前方に、あるいはわずか後方に配置されている平らな、予め露光されていない乾板132は、要素131aからの集束光によって照らされ、それによって露光される。従って、乾板132を写真のように現像すると、スポットが乾板上に現れる。同様なスポットがアレイの各マイクロレンズに対して現れる。スポットの直径は、焦平面fと乾板132の平面との間の距離△によって決まる。このように露光され、現像された乾板132はエッグクレート基板の製造のためのマスクになる。
次に、ITOで被覆されたガラスプレートの上を、例えば、RISTONフォトレジスト(デラウェア州、ウィルミングトン市のE.T.du Pont de Nemours and Coから入手できる)のような光重合体の薄層で覆う。RISTONは、一般的には2ミリ厚さのポリマーシートの形で製造者から得られるネガ型フォトレジストである。加熱および加圧の条件下で、RISTONシートをガラスプレートに付着することができる。所望の厚さは連続的に多層を設けることによって得ることができる。
RISTONが紫外線に露光される場合、RISTONは光硬化し、その後、高pHの水性現像液に入れられると、未露光部分だけが溶解される。このように、RISTONは、エッグクレートの円筒状空洞を形成するためにエッチングすることができる。具体的には、ハエの眼レンズアレイから形成されたスポットのアレイを有するフォトマスクを、被覆されたガラスプレートのRISTON面と接触させて、配置する。それから、そのアセンブリを、フォトレジスト露光システムによって、きわめて平行な紫外線で露光する。この光はフォトマスク上のドットを通ることができないが、それ以外の全てのRISTON面の全ての部分は露光されるので、光硬化する。その後、フォトマスクは取り除かれ、RISTON被覆ガラスプレートは水性現像液に入れられる。UV露光中フォトマスクスポットの下にあったRISTONの領域は、現像液によって溶解し除去され、ほとんど円筒状である穴を残す。(実際には、穴は先細になっていて、ガラスプレートに隣接する穴の直径が空気界面にある直径よりも小さくなっている。)
この製造の工程で部分的に形成されるエッグクレート構造150′の一部を図14に示す。RISTON層151は、空洞152を含み、未エッチングRISTONからなる平な表面153によって上を覆われている。層151は、図示されるITO電極155で上を覆われる透明プレート154の上にある。層151の厚さは、一般的には、4ミルである。プレート154の厚さは一般的には30〜40ミルである。
この点での任意の付加工程は、不透明染料をRISTON層151に加えることにある。これは、例えば、部分的に形成されているエッグクレート構造150′をRISTONによって吸収される適当な染料に浸すことによって行うことができる。その後、過剰染料は洗い流される。
球状レンズボールを空洞に入れ、上部カバーを付加し、この構造体を誘電液体で充満し、密封してエッグクレート構造を完成する。これは図15A〜図15Bに示されている。図15Aは、ボール156を空洞152に入れ、上部カバー159を付加した後であって、誘電流体が付加される前のエッグクレート構造150の側面図を示している。本実施例の上部カバー159は、図11Aを参照して以前に説明した、レンズアレイとスペーサとの組み合わせ114に対応するもので、透明スペーサおよびそのITOコーティングとともにハエの眼アレイから構成されている。上部カバー159は、図15Bの平面図に示されるようなプレート154の厚くされた領域に形成することができる隔離絶縁部材158によってプレート154から分離される。カバー159は、気密シールを形成するために、例えば、エポキシのようなボンディング材料で隔離絶縁部材158に取り付けられる。(上部カバー159をこのように取り付ける前に、そのハエの眼レンズアレイをは、下記の次の節で説明するように、エッグクレート150の空洞152と位置合わせする。)
隔離絶縁部材158の厚さは、層151の厚さよりもほんのわずか大きい(例えば、1〜2ミクロン大きい)ことが好ましい。そうすれば、表面153と上部カバー159との間に隙間が残る。この隙間は、あまりにも小さいのでボール156を空洞152から脱出させない。カバー159が表面153と同じ高さであるならば、空洞152に閉じ込められる以外にない空気は、この隙間により漏れることができ、さらに誘電流体は空洞152に入ることができる。
エッグクレートはいまやほとんどすぐ使える状態である。すなわち、残すは、誘電流体を付加することのみである。これを行うために、プレート154に予め穴をあけたポート154a、154bのうちの一方に、真空ポンプを取り付け、誘電流体のためのポンプを他方のポートに取り付ける。そして、空気をエッグクレート構造の内部の一方端から吸引するとと同時に、誘電流体を他方の端に注入する。ポート154a、154bを、それから、エポキシ密封材等により密封し、そして構造体が完成する。
他の製造技術もエッグクレートを形成するために使用することもできる。例えば、エッグクレートをRISTONよりもむしろエポキシで製造したい場合は、前述のエッチング処理を下記のように修正することができる。すなわち、スポットのアレイを有するフォトマスクで処理を開始する代わりに、ネガ画像、すなわちフォトマスク上の不透明コーティング中にある穴のアレイを使用する。上記で概略されるRISTONエッチング処理を行って、ガラスプレートから突き出している円筒のアレイを形成する。次に、第2のガラスプレートを、未硬化エポキシ層で被覆し、2つのガラスプレートを共に加圧し、エポキシが硬化するまで一緒に保持する。その後、プレートを別々に引き離すと、RISTON円筒はエポキシコーティングに固定されたままである。その後、RISTON円筒を、エポキシを腐食しない溶剤(例えば、アセトン)で除去する。この結果、エポキシエッグクレート構造となる。
製造のためのさらに他の可能性は、前述のようなRISTONからエッグクレート空洞構造を形成し、真空装置を使用して、空気を円筒空洞から除去し、そして未硬化ゴムを円筒空洞の中に流入させ、これの上部に、ダウコーニング社のSILASTIC-2のような成形可能な、高い引裂強さのゴムの層を成型する。硬化により、ゴム型は、円筒状の穴の先細のためにRISTONマスタから分離できる。それから、ゴムは、RISTONマスタの代わりに低価な型として使用される。例えば、ゴム構造体を加圧し、エポキシ被覆表面にし、エポキシの硬化により取り除き、その後エッグクレート構造の下部が残る。
低価のさらに他の可能性も、射出成形技術を使用してプラスティックからエッグクレート空洞を形成することである。例えば、RISTONエッグクレート構造のネガは、スポットが透明であり、マスクの残りが不透明であるフォトマスクのネガを使用して形成することができる。ネガのRISTONエッグクレートを、高品質セラミックスラリーで被覆し、その後、空気乾燥により硬化させる。この構造体を高温まで加熱し、RISTONを焼いてしまう。ステンレス鋼のような液体金属は、次にセラミック構造に押し込み、そこで凝固させる。セラミックスは砕けやすいので、破壊によって容易に除去される。この結果得られた構造体は、プラスティック射出成形に好適である。エッグクレートに用いられる射出成形構造体を得るための他の方法も使用できる。
どんな製造技術が使用されても、エッグクレートとハエの眼アレイとを最適に正確に位置合わせするためには、エッグクレートの構造がハエの眼レンズアレイの構造から直接パターン化されていることが重要となる。こうすれば、ハエの眼アレイのレンズ間の間隔の完全な均一性からのわずかな偏差を自動的に補償することになる。さもなければ、ハエの眼マイクロレンズの深刻なミスアライメントを生じる。
ハエの眼レンズアレイとエッグクレート基板との位置合わせ
エッグクレート構造150を形成する際に、上部カバー159のハエの眼レンズアレイは、部分的に形成されたエッグクレート構造150′と位置合わせされねばならない。そうすれば、ハエの眼レンズアレイは、空洞152と適切に整列し、したがって球状レンズと整列する。エッグクレートは、説明したように、ハエの眼レンズアレイそのものから製造されるフォトマスクから形成されるために、このような位置合わせが可能である。
ボール156が空洞152に加えられる直前であれば、位置合わせはいつでも実行できる。例えば、光学アライメント技術が使用できる。上部カバーを、部分的に形成されたエッグクレート構造に平行、かっ、おおよそ一列に配置する。光ビームで、上部カバー159を照明し、上部カバー159および部分的に形成された構造150′の相対位置を、それを通る光透過が最大になるまで調整する。位置合わせした後、上部カバーを部分構造150′の面に垂直な直線に沿って部分構造150′から移動させる。これによってボール156を空洞152に付加することができる。以後、カバー159を隔離絶縁部材158に結合する前に、位置合わせをを乱さないように、上部カバーを再び正確な垂線に沿って部分構造150′の方へ後方へ移動させる。
ハエの眼アレイが一体型の単一ユニット以外の、上部カバー159が残りの部材と別個の部材となるように製造されるならば、エッグクレート150が誘電流体で満たされ、密封されるまで、位置合わせ工程を延期することができる。この場合、位置合わせをする前に、空洞152のボール156に、電界を印加して配向させ、光透過を最大にするようにすべきである。ボール156は電気双極性であり、空洞152はこの時点で既に流体で満たされているために、行うことができる。
回転可能なレンズに基づいた透過ジャイリコンディスプレイ
以下に、本発明のジャイリコンディスプレイを製造する工程を簡単に要約する。所望の種類(例えば、開口マスクボールあるいは開口絞りボール)の複数の球状レンズボールは前述のように製造される。これについても前記したように、ハエの眼レンズアレイは、以前にも記載されているように透明ITO電極を有する相手となるエッグクレート構造を製造するのに使用される。ボールを、ディスプレイを誘電流体で充満し、密封する前にエッグクレート構造体中に入れ、適当な工程で、ハエの眼アレイをエッグクレートおよびボールと位置合わせする。好ましくは、保護ハウジングを完成されたディスプレイの周りに備えているのが好ましい。それから、ディスプレイは使用できる。
投影システムで本発明のディスプレイデバイスを使用するための配置の例を図16に示す。本発明の透過ジャイリコンディスプレイデバイス160をレンズ169によって平行にされた白色光源Lからの光によって照明する。投影レンズ165は、得られる画像をスクリーン167上に投影する。ジャイリコンディスプレイデバイス160は、例えば、ピクセルアドレス可能なアクティブマトリックスアドレス指定回路でアドレス指定される。公知のジャイリコンディスプレイにおけるように、一般的には、多数のボール(例えば、9つあるいはそれ以上)がピクセル毎に使用される。一般的には、デバイス160の球状レンズボールはアドレス指定ロジックに迅速に応答するので、ビデオフレーム速度を達成することができる。
簡単なモノクロディスプレイの場合、ディスプレイ160は、不透明開口マスクを有する球状レンズボールで作ることができる。この場合、エッグクレート基板の面に垂直方向の中の一方向に電界を印加することによって、印加電界の近くのボールは回転するので、それらの開口マスクは光源Lの方へ向く。その結果、光が遮断され、黒色出力を生じる。反対方向に電界を印加すると、ボールは180°回転し、それらの開口マスクは光源Lから離れた方向に向く。その結果、光はピンホール開口を通って透過し、白色に出力される。
一般に、本発明によるジャイリコンディスプレイは種々のサイズおよび形状でに形成することができ、ジャイリコンボール、エッグクレート基板および誘電流体には種々の材料が使用できる。本発明のディスプレイはジャイリコンディスプレイに固有な他の利点も有する。例えば、ジャイリコンディスプレイは薄く、軽量に作ることができる。ジャイリコンディスプレイは、表示された画面は安定であり、一旦表示されると電界が取り除かれた後でさえ画像が保持されるという点で光学的に双安定である。その双安定性のために、ピクセルが状態を変える場合のみディスプレイは電力を消費するので、ディスプレイは低電力で作動できる。
図示されるように、カラーディスプレイは本発明により形成することもできる。多数の様々な染料を、用途およびボールを構成する際に使用される材料に応じて、球状レンズボールの開口マスクおよび開口絞りに有彩色および無彩色を与えるために着色剤として使用するのに適している可能性がある。(“無彩色”は、本質的に彩度がない色、すなわち、白、黒、灰色、および透明を示すために以下に使用され、“有彩色”は、赤、オレンジ、黄、緑、青、インジゴ、紫、シアン、マゼンタ、ピンク、茶色、ベージュ色等を含む他の色を示すために以下に使用される。)例えば、任意の所与の開口絞りあるいはマスクは、黒、白、透明(すなわち、本質的に透明で、水あるいは通常の窓ガラスのように彩度がない)、透明色(例えば、RGB加法混色ディスプレイに関して、透明赤、青、あるいは緑、CMY減法混色ディスプレイに関して、透明シアン、マゼンタ、あるいは黄色)等であってもよい。
加法混色(RGB)回転可能なレンズディスプレイ
図16のディスプレイ160を改造して、加法混色赤-緑-青(RGB)ディスプレイを製造することができる。すなわち、3つの異なる色の球状レンズボール、すなわち赤、緑、および青の透過性カラーフィルタ開口マスクあるいは開口絞りを有する球状レンズボールをピクセルパターンのディスプレイエッグクレート内に配置する。各ピクセルは、赤、緑、青の3つのサブピクセルで構成され、各サブピクセルは相互に無関係にアドレス可能である。(すなわち、ある色の球状レンズボールは他の2つの色のボールに影響を及ぼすことなく回転することができる。)サブピクセル毎に多数のボール(例えば、9つあるいはそれ以上)があるのが好ましい。
サブピクセルパターンは図17Aに概略的に示される。エッグクレート基板の拡大部の平面図が示されている。各カラー(RGB)の球状レンズボールはエッグクレート基板内のサブピクセル中に共に置かれる。ピクセル1070は、赤のサブピクセル1071と、緑のサブピクセル1072と、青のサブピクセル1073とを含んでいる。各サブピクセルは、各々の色のみのジャイリコンボール1074、1075、1076を含んでいる。例えば、赤のサブピクセル1071中の全てのジャイリコンボール1074は赤である。各ピクセル内のサブピクセルの配置は種々の態様に代替可能である。すなわち、例えば、図17Aに示されるように、サブピクセルは六角形のタイル張りパターンを形成するために配置することができる。
各サブピクセルは、カラーと白との間あるいはカラーと黒との間で変えることができる。白色への色変化を得るために、例えば、透明カラーフィルタ開口絞りを有する透明(すなわち、無色)球状レンズボールが使用できる。ボールがその開口絞りを入射白色光から離れた所に向けて配向する場合、光は開口絞りを通って集束され、それによってカラーフィルタリングされるので、出現する光は開口絞りの色である(すなわち、赤、緑、あるいは青)。ボールが入射光の方へその開口絞りを向けて配向する場合、本質的に全ての入射光は透明のボールによって透過されるので、出現する光は白色である。黒色への色変化を得るために、例えば、透明に着色されたガラスでできていて、不透明の開口マスクを有する球状レンズボールを使用することができる。ボールが、その開口マスクを入射白色光から離れた所に向けて配向する場合、光は、ボールを通過するので、カラーフィルタリングされ、開口マスクの瞳孔を通って集束されるので、出現する光はボールの色(すなわち、赤、緑、あるいは青)である。ボールが、その開口マスクを入射光に向けて配向する場合、本質的に全ての入射光がブロックされるので、ほとんどあるいは全然光が出現しない。
“エッグクレート”基板における異なるボールの戦略的な配置のための製造技術
RGBジャイリコンディスプレイは、3つの異なる種類の球状レンズボール、すなわち赤の開口絞りあるいはマスクを有するボール、緑の開口絞りあるいはマスクを有するボール、青の開口絞りあるいはマスクを有するボールから構成されている。これらの3つの異なる種類のボールは、エッグクレート基板の異なるサブピクセル領域に入れられる。赤のサブピクセルは赤色だけを有するボールを含み、他の2つの種類のボールを含まない。同様に、緑のサブピクセルは、緑色だけを有するボールを含み、青のサブピクセルは青色だけを有するボールを含んでいる。したがって、このジャイリコンディスプレイを形成するためには、エッグクレートのそのそれぞれの異なる位置に異なる種類のボールを配置する製造技術を必要であり、そのことによって、赤、緑、および青のサブピクセルの所望の構造パターン(例えば、図17Aのパターン)が得られる。
エッグクレート基板内の特定の位置にジャイリコンボールを配置する技術について、次に述べる。この技術は、特に、サブピクセルの任意の所望のパターンに赤、緑、および青のジャイリコンボールを配置するために使用することができる。
図17Bを参照するに、エッグクレート基板を形成するために使用される種類のフォトマスク171が示されている。このフォトマスクは、高解像度でディジタル化することができ、ディジタル画像処理によって、3つのサブマスクになる。例えば、スポット172中の172a近傍以外のスポットはディジタル領域で除去することができ、図17Cに示す修正マスク画像173が得られる。このマスク画像は修正されたフォトマスクを生成するのに使用できる。同様な処理は、スポット172bの近傍および172cの近傍について行う。そのことによって、各サブピクセルカラーに対して1つ、3つの修正フォトマスクが全て製造される。
それから、金属(例えば、ニッケル)スクリーンは修正フォトマスクの各々から形成される。すなわち、赤、緑、および青のサブピクセルの各々に対して1つのスクリーンがある。このようなスクリーンの例は、図17Dに示される。スクリーン177は、サブピクセルカラー(例えば、赤)のためのボールが配置されるべきエッグクレート基板の場所に対応する穴178を除いて薄くて、固い。
エッグクレート基板の製造中、空洞にボールを置く直前に、金属スクリーンの各々を、順にエッグクレートの開いている円筒状空洞とともに整列させ、それらを覆う。適当な色(例えば、赤)を有するボールはスクリーン上に付着される。ボールは穴178を通ってエッグクレートの円筒状空洞の中に落ちる。この処理を迅速に処理するために、スクリーンをゆっくりと振動させてもよい。エッグクレートの各空洞は1つのボールだけを収容する大きさに作られているので、一旦空洞が充満されると、追加するボールは空洞に全然入ることができない。一旦このカラーサブピクセルに対する全ての空洞が満たされると、この処理は他の2つのカラーのための残りのスクリーンで繰り返される。
多層減法混色(CMY/K)回転可能なレンズディスプレイ
球状レンズイメージング要素を有するジャイリコンディスプレイは、シアン-マゼンタ-黄(CMY)減法混色画像を供給するのに使用することもできる。減法混色イメージングにおいて、好ましくないカラー成分は一般的には透明のカラーフィルタあるいは染料によって入射光からフィルタリングされる。ここで、ジャイリコンボール、より詳細にはその開口マスクあるいは開口絞りはカラーフィルタとして機能する。
減法混色ディスプレイは、モノクロディスプレイの積層構造を形成することによって製造する。これは、CMYディスプレイ180の場合、図18に示されている。この積層構造の3つの成分ユニット181、182、183の各々は、図16のディスプレイ160のようなディスプレイである。特に、各ユニットは、それ自体のハエの眼マイクロレンズアレイおよびそれ自体のアドレス指定電極を有する。各ユニットは他のユニットとは無関係にアドレス指定することができる。成分ユニット181、182、183の各々は、カラーフィルタ球状レンズボール(前記したように開口絞りあるいは開口マスクのタイプのどちらか一方)を含んでいるので、成分ユニットのいずれかの所与のイメージング要素は、ボールの向きに応じて、白色光あるいは透明カラーのいずれかを透過するように作ることができる。例えば、ユニット181は、シアンカラーフィルタの球状レンズボールを有することができ、ユニット182は、マゼンタカラーフィルタの球状レンズボールを有することができ、およびユニット183は、黄カラーフィルタの球状レンズボールを有することができる。任意には、黒成分を供給するように、不透明の球状レンズボールを含む付加成分ユニットを積層構造中に加えることもでき(図示せず)、それによって完全CMYKカラー機能が得られる。
ディスプレイ180において、ユニット181中の(例えば、要素181aのような)1つのイメージング要素から現れる光は残りのユニット182、183の(例えば、要素182a、183aのそれぞれのような)対応するイメージング要素をその後通過しなければならないために、積層構造内の成分ユニット181、182、183のアライメントが重要となる。正しいアライメントを得るために、成分ユニット中に使用されているハエの眼アレイおよびエッグクレート基板は、同じ構造および間隔を有するべきである。例えば、アレイ184、185、186は同じパターンから得られるモールドから高精度形成されていてもよい。その後、互いに対する成分ユニットの位置合わせは、例えば光学的アライメント技術によって得ることができる。例えば、その全透過配向のユニット181および182の全球状レンズボールを完全に透過配向として、これらのユニットによって形成される部分積層構造を通過する光量が、ユニット181を固定したままにし、ユニット182の一部を調整することによって最大にする。その後、この工程はユニット183および任意の追加ユニットに対して繰り返すことができる。
ハエの眼アレイのマイクロレンズ要素の間隔および構造は全てのユニットに対して同じであるけれども、マイクロレンズの焦点距離は、成分ユニット毎に異なる可能性がある。例えば、図18に示されるように、入射光ビーム(ここでは、光線aおよびbによって示される)は平行ビームであるのに対して、例えば、要素181aから現れる光は発散している。適当な間隔および焦点距離は、使用されるハエの眼レンズアレイの曲率半径および材料の屈折率によって決まる。連続ユニット間の間隔は、例えば、隔離絶縁部材187、188のような隔離絶縁部材によって保持される。それとは別に、付加的、ハエの眼アレイ(図示せず)は、発散ビームを平行ビームにするようにユニット間に配置することができる。ユニット自体と同様に、これらの特別のアレイはユニット毎に適切な光透過を確実にするために注意深く整列する必要がある。
所与のユニット内で、1つあるいはそれ以上の球状レンズボールのグループはカラー減法のための成分色を供給するのに役立つ。好ましくは、互い近くに置かれた多数のボール(例えば、9つあるいはそれ以上)が各ピクセルの各成分色のために使用される。このように1つのピクセルは互いの上に配置されている3つのカラー領域の列で構成され、1つの領域は3つの層の各々から形成されている。
加法混色ディスプレイと対照的に、減法混色ディスプレイには異なるカラーのサブピクセルはない。むしろ、各ピクセルの全範囲が互いに重ね合わされて、全ての成分色で満たされている。このことは、加法混色技術で得ることができるカラー画像の濃さおよび精度を改良できる。
本発明の減法混色ジャイリコンディスプレイは、シアン、マゼンタおよび黄のカラー成分に限定される必要はない。他のカラーで代替でき、付加色をもたらす付加層を付加できる。特に、前述されるように黒が追加できる。さらに、本発明の減法混色ジャイリコンディスプレイは3つの成分色よりも少なくして製造できる。例えば、(CMYKディスプレイにおけるように)不透明開口マスクを有するボールの第1の層と、透明カラーの開口絞りあるいはマスクを有する第2の層とを含んでいる2層の積層構造であってもよい。このようなディスプレイは、ブラック+ハイライトカラーのディスプレイを提供するのに有用である。第1の透明色の第1の層と、その補色(かつ、透明)の第2層からなる2層の積層構造であってもよい。例えば、第1の層は青であってもよいし、第2の黄であってもよい。このディスプレイは2つの補色の減法で生じる黒+その各々の成分色を生じる。
グレイスケールおよび部分カラー飽和度
これまで説明してきた本発明のディスプレイは各成分色において2元のものであった。例えば、モノクロディスプレイにおいて、単一画像要素は、白あるいは黒のいずれかを提供するが、グレイスケールを提供しない。同様に、透過カラーディスプレイにおいて、単一画像要素は、完全にフィルタリングされていない光透過か、あるいは全飽和色か、あるいは成分色のいずれかを提供するが、部分的な飽和色を提供しない。
本発明のディスプレイでグレイスケールおよび部分カラー飽和度を得るために、下記の技術を使用できる。ディスプレイを、固有走査速度、例えば、ビデオフレーム速度で作動される。各ピクセルは、単一フレーム中、数回再アドレス指定(サブ走査)される。このことは、光透過が各ピクセルについての所望の輝度のレベルに比例することを可能にする。ダイナミックレンジを増加させるために、投影光源強度は各サブ走査に対して(例えば、対数的に)変えることができる。
変形および拡張
前記した特定の実施例は本発明を実施する可能性のいくつかだけを示している。他の多くの実施例は、本発明の精神の範囲内において、可能である。
例えば、
・本発明のジャイリコンカラー透過ディスプレイは、従来のRGBあるいはCMY/CMYKカラー方式に限定されない。色の範囲を改善するために、複数の付加色を組み込むことができる。さらに、特別のカスタムカラーは、例えば、会社ロゴの正確なレンダリングを確実にするために提供できる。さらに、より少ない色を使用してもよい。例えば、前記のハイライトカラーデバイスを構成できる。
・ジャイリコンボールの電気異方性はゼータ電位に基づく必要がない。ボールに関連する電気双極子モーメントがあり、その双極子モーメントが、印加外部電界がある場合、ボールの有用な回転を容易にするようにボールに対して整列されているだけで十分である。(一般的には、双極子モーメントは、ボールの対称軸に沿って配向する。)さらに、ジャイリコンボールはその双極子モーメントに加えて、電気単極子モーメントを有することができることに注目すべきである。例えば、双極子モーメントが異なる大きさの2つの正電荷の分離から生じる場合、得られる電荷分布は電気双極子と重ね合わされた正の電気単極子に等しくなる。
・前述されたジャイリコンボールはDCアドレス指定電圧に循環的に応答する(一方、米国特許第4,261,653号でグッドリッチ(Goodrich)によって開示されたジャイリコンボールはDCアドレス指定電圧に循環的に応答しない)けれども、これらのボールは所定のACアドレス指定電圧に応答もできる。さらに、本発明のある態様は、ボールが非DC電圧(例えば、グッドリッチの場合、RF電圧)にだけ循環的に応答するジャイリコンディスプレイにさえ適合可能であることが理解される。
・球状レンズジャイリコンボールの光学的異方性は色に基づく必要がない。他の光学的特性、例えば、偏光、複屈折、位相遅延、光散乱および光反射(がこれに限定されない)が変化して、ジャイリコンボールの異なる相を観察者に示すものであってもよい。一般に、ジャイリコンボールはいろいろの方法で光を変調するために使用できる。
・ジャイリコンディスプレイに当たる入射光は可視光に制限される必要がない。ジャイリコンボールに適している材料が与えられれば、入射“光”は、例えば、赤外線あるいは紫外線であってもよく、このような光はジャイリコンで変調できる。
・例えば、サブ走査技術の方法によってカラー飽和度制御を与えるカラージャイリコンディスプレイについて前述した。しかしながら、ピクセル毎に各カラーの2つの飽和度だけを生じる、すなわち完全に飽和されるかあるいは最少に飽和されるかの、可変カラー飽和度制御を生じないカラーピクセルアドレス可能なジャイリコンは、それにもかかわらず有用である可能性がある。特に、中間調カラー応用に適しているCMYディスプレイを形成できる。
・本発明によるカラージャイリコンディスプレイは、前述のジャイリコンディスプレイ以外で多数の方法で形成できる。例えば、RGB透過ディスプレイは、その画像が、各々の色について1ずつの、3つの別個の球状レンズアレイから構成されていてもよい。その場合、画像は、投影テレビジョンスクリーンで使用される光学的装置と同様な光学的装置によって結合される。他の例として、開口マスクに基づくRGBディスプレイの場合、色は、球状レンズボールそのもののための着色材料を使用する以外に、ハエの眼アレイに透明色コーティングか、着色剤によって与えることができる。
・本発明の技術のある種の前記3つの要素、すなわち、回転可能なレンズ、補助光学構造、およびエッグクレート基板は、前記した以外の状態および組み合わせで有用である可能性がある。例えば、エッグクレート基板を有するジャイリコンディスプレイは回転可能なレンズ以外のイメージング要素を用いて製造することができる。補助光学構造(ハエの眼アレイあるいは他の光学的要素、あるいは任意の組み合わせのいずれか)は回転可能なレンズ以外のイメージング要素に基づいてジャイリコンディスプレイで使用できる。ここに示された回転可能なレンズボール以外の種類の回転可能なレンズボールが製造でき、また、ボールを種々の種類のジャイリコンディスプレイに組み込むための他の光学構成を開発できる。
要するに、補助光学構造を有するジャイリコンあるいは回転粒子ディスプレイを提供することができる。このディスプレイは、光透過窓を有する基板と、基板に配置された複数の粒子と、窓に光学的に結合された光集束要素とを含んでいる。各粒子は、電気双極子モーメントを与える異方性を有し、電気双極子モーメントは、粒子が電界に回転可能に配置されると同時に粒子の電気双極子モーメントが提供される場合、粒子は電気双極子モーメントが電界に沿って整列している向きに回転する傾向があるように粒子を電気的に応答させる。各粒子の回転可能な配置は達成可能であると同時に粒子はこのように基板に配置されている。すなわち、この回転可能な配置にある場合、基板に付着していない。粒子が基板中で回転可能に配置される場合、各粒子は光透過窓に対して第1および第2の回転配向で配置可能となる。各粒子は、窓を通る光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置されている場合、第1の光変調特性を生じ、窓を通る光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置される場合、第2の光変調特性をさらに生じる。光学的集束要素は光屈折性であってもよく、例えば、マイクロレンズの“ハエの眼”アレイのような集束レンズのアレイを含んでもよい。この場合、粒子はレンズアレイと位置合わせされているアレイに配置されてもよい。
“エッグクレート”基板を備えるジャイリコンあるいは回転粒子ディスプレイを提供することもできる。このディスプレイは、その空洞がほぼ単一層に配置され、ほぼ幾何学的に規則的なパターンのマトリックス内に配置されている空洞を含むマトリックスを有する基板と、基板の空洞に配置された複数の光学的異方性粒子を含み、その結果、各空洞は高々光学的異方性粒子の1つを含んでいる。各粒子の回転可能な配置は粒子が基板にこのように配置されている間、達成可能である。すなわち、粒子は、その回転可能な配置にある場合、基板に付着していない。各粒子は、例えば、電気双極子モーメントを生じる異方性を有し得る。この電気双極子モーメントは、粒子が電界に回転可能に配置されると同時に粒子の電気双極子モーメントが提供される場合、粒子は電気双極子モーメントが電界に沿って整列している配向に回転する傾向があるように粒子を電気的に応答させる。空洞の単一層はほぼ平面であってもよく、複数の空洞の幾何学的パターンは、六角形、矩形、あるいは偏菱形アレイパターンのような層の平面の2次元アレイパターンであってもよい。基板は、マトリックスを挟持して配置される第1および第2の部材をさらに含んでもよい。すなわち、部材の少なくとも1つは、光エネルギーの光束が粒子に入射するように通過できる光透過窓を含んでもよい。
第1の屈折率を有する光透過誘電流体と流体中に回転可能なように配置された光学的異方性粒子との組み合わせからなる装置を提供することができる。粒子は、第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有する。粒子は、流体中で、光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置されている場合、第1の光変調特性を生じ、流体中で、光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置される場合、第2の光変調特性をさらに生じる。粒子は電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、電気双極子は、粒子が電界に回転可能に配置されると同時に粒子の電気双極子モーメントが提供される場合、粒子は電気双極子モーメントが電界に沿って整列している向きに回転する傾向があるように粒子を電気的に応答させる。例えば、流体中にの粒子の配置は粒子の電気双極子モーメントを生じさせ得る。流体と粒子の組み合わせからなる装置は、ディスプレイの各回転可能な粒子(例えば、球状ボール)がレンズとして機能するジャイリコンあるいは回転粒子ディスプレイを製造するために使用できる。
したがって、本発明の範囲は前述の明細書に限定されるものではなく、その代わりに、その均等物の全範囲とともに添付の請求の範囲によって示される。

Claims (53)

  1. 光透過窓を有する基板と、
    前記基板に配置されている複数のボールであって、各ボールが電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず電界中に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向に前記ボールが回転し、各ボールが、前記基板に回転可能に配置されている場合、光透過窓に対して第1又は第2の回転可能な配向で配置され、各ボールが、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有する、複数のボールと、
    前記窓に光学的に結合されている光収束要素と、
    を備えている装置。
  2. 前記光収束要素が光屈折性である請求項1の装置。
  3. 前記光屈折性の光収束要素がレンズのアレイを備えている請求項2の装置。
  4. 前記レンズのアレイが収束レンズのアレイを備えている請求項3の装置。
  5. 前記レンズのアレイがマイクロレンズのアレイを備えている請求項3の装置。
  6. 前記ボールが前記光集束要素のレンズアレイと位置合わせされている球状レンズボールアレイに配置されている請求項3の装置。
  7. 前記光収束要素が、レンズアレイとスペーサの両方が組み込まれた単一の一体の構造体に前記光透過窓とともに構造的に組み込まれている請求項1の装置。
  8. 前記光収束要素が前記透過窓と構造的に別個であり、かつ前記光透過窓に固定して取り付けられている請求項1の装置。
  9. 前記基板がその空洞中に誘電流体を含み、かつ前記ボールが前記誘電流体に接触して前記基板に配置されている請求項1の装置。
  10. 前記誘電流体中の前記ボール異方性が前記ボールの各々の電気双極子モーメントを生じる請求項9の装置。
  11. 前記誘電流体が第1の屈折率を有する光透過流体であり、かつ各ボールが第2の屈折率を有する光透過領域を含む請求項9の装置。
  12. ボールが前記第1および第2の回転の配向でいずれかの配向で配置される場合、前記基板窓を通る光エネルギーの光束によって照明されると、屈折効果を生じ、該光屈折効果は前記第1および第2の屈折率が互いに異なる結果として生じる請求項11の装置。
  13. ボールの光透過領域が前記第1の光変調特性に関連し、かつ各ボールが前記第2の光変調特性に関連している第2の光特性を有する領域をさらに備えている請求項11の装置。
  14. 前記ボールが第1および第2の半球を有し、かつ
    前記第1の半球に第1のゼータ電位、および第2の半球に第2のゼータ電位が、前記ボールが誘電流体に配置されている場合に生じ、前記第1及び第2のゼータ電位が電気双極子モーメントに寄与している請求項1の装置。
  15. 前記基板に回転可能に配置されている少なくとも1つのボールの回転を容易にするための電界発生手段をさらに備えている請求項1の装置。
  16. 前記電界発生手段が、空洞に回転可能に配置されている1以上のボールを含むボール群を選択的にアドレス指定する手段を備え、該手段は、前記ボール群のボールに電界を印加し、かつそれによって前記ボール群の少なくとも1つのボールの回転を容易にするものである請求項15の装置。
  17. 光透過窓を備えている複数の空洞を有するマトリックスを含む基板と、
    第1の屈折率を有し、前記マトリックスの空洞に配置されている光透過誘電流体と、
    ボールが第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、前記流体に接触して前記マトリックスの空洞の中に配置されている複数の光学的異方性ボールであって、各ボールは、前記流体中で、光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有し、各ボールは、電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず、電界に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向で前記ボールが回転する、複数の光学的異方性ボールと、
    前記窓に光学的に結合されている光収束要素と、
    を備えている装置。
  18. 前記基板に回転可能に配置されているボールの少なくとも1つの回転を容易にする電界発生手段をさらに備えている請求項17の装置。
  19. 第1の屈折率を有する光透過誘電流体を空洞中に含む、光透過窓を有する基板と、
    前記基板に配置されている複数のボールであって、各ボールは第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、各ボールは電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず、電界に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する向きに前記ボールが回転し、各ボールが、前記基板に回転可能に配置されている場合、前記光透過窓に対して第1および第2の回転の配向で配置可能であり、各ボールが、前記流体中で、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有する、複数のボールと、
    前記窓に光学的に結合されている光変調要素と、
    を備えている装置。
  20. 前記光変調要素が光収束要素を備えている請求項19の装置。
  21. 複数の空洞を含む空洞含有マトリックスを有し、前記複数の空洞が前記マトリックス中の単一層に配置されているとともに幾何学的に規則的なパターンのマトリックス内に配置されている、基板と、
    前記基板の空洞に配置されている複数の光学的異方性ボールであって、各空洞が光学的異方性ボールの高々一つを含み、各ボールが基板に付着せず回転可能な配置にある、複数の光学的異方性ボールと、
    を備えている装置。
  22. ボールが電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが電界に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記電気双極子モーメントが電界と整列する向きに前記ボールが回転し、前記電気双極子モーメントが前記ボールを電気的に応答させる請求項21の装置。
  23. 前記ボールが前記基板中で回転可能である請求項21の装置。
  24. ボールが前記ボールの光学的異方性を生じる複数の成分領域を有し、前記成分領域が、第1の光変調特性を有する第1の領域および第2の光変調特性を有する第2の領域を含む請求項21の装置。
  25. 前記単一層がほぼ平面であり、かつ空洞の幾何学的パターンが前記層の平面中の2次元アレイパターンである請求項21の装置。
  26. 前記2次元アレイパターンが、六角形アレイパターン、矩形アレイパターンおよび偏菱形アレイパターンからなるグループから選択される請求項25の装置。
  27. 前記空洞が、密に前記単一層の内部に詰め込まれている請求項21の装置。
  28. 前記マトリックスの空洞に配置されている光透過誘電流体をさらに含み、前記ボールが前記流体に接触している請求項21の装置。
  29. 前記流体が第1の屈折率を有し、かつ各ボールが第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有する請求項28の装置。
  30. ボールが、前記流体中に、光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有する、請求項29の装置。
  31. ボールが、前記第1および第2の回転の配向のうち少なくとも1つの配向で配置されている場合、光エネルギーの光束によって照明されると、屈折効果を生じ、前期屈折効果は第1および第2の屈折率が互いに異なる結果として生じている請求項30の装置。
  32. 前記流体中のボール異方性が、前記ボールの各々の電気双極子モーメントを起こさせる請求項28の装置。
  33. 前記基板に回転可能に配置されているボールの少なくとも1つの回転を容易にする電界発生手段をさらに備えている請求項21の装置。
  34. 複数の空洞を有するマトリックスを備える基板であって、前記複数の空洞が前記マトリックス中の単一層に配置されているとともに、幾何学的に規則的なパターンのマトリックス内に配置されていて、前記単一層にほぼ平行に配置されている光透過窓をさらに備えている基板と、
    第1の屈折率を有し、前記マトリックスの空洞に配置されている光透過誘電流体と、
    前記基板の空洞内に前記流体に接触して配置されている複数の光学的異方性ボールであって、各空洞が光学的異方性ボールの高々1つを含み、各ボールが基板に付着せず回転可能な配置にある場合に、各ボールは、第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、各ボールは、前記流体中に、前記窓を通るエネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有する、複数の光学的異方性ボールと、
    前記窓に光学的に結合されている光収束要素のアレイと
    を備えている装置。
  35. 前記光収束要素のアレイが前記マトリックスの各空洞に対して1つの収束要素を含むとともに、前記アレイの収束要素が前記マトリックスの空洞と位置合わせされている請求項34の装置。
  36. 複数の空洞を有するマトリックスを含む基板であって、前記空洞が前記基板内の幾何学的に規則的なアレイ中に配置されている、基板と、
    前記マトリックスの空洞に含有されるとともに、第1の屈折率を有する光透過誘電流体と、
    前記流体と接触して前記マトリックスの空洞に配置されている複数の光学的異方性ボールであって、各ボールが第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、各ボールが、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、前記窓を通る光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有し、各ボールは、電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず、電界中に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向に前記ボールが回転する、複数の光学的異方性ボールと、
    を備えている装置。
  37. 第1の屈折率を有する光透過誘電流体と、
    前記流体に回転可能に配置されている複数の光学的異方性ボールであって、前記ボールが、第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、
    前記ボールが、前記流体中に、光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有し、前記ボールは、電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず、電界中に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向に前記ボールが回転する、光学的異方性ボール、
    との組合せからなる装置。
  38. 前記流体ボール異方性が前記ボールの電気双極子モーメントを生じさせる請求項37の装置。
  39. 前記ボールの光透過領域が第1の光変調特性に関連した第1の光学特性を有し、かつ前記ボールが、前記第2の光変調特性に関連した第2の光学特性を有する領域をさらに備えている請求項37の装置。
  40. 前記第2の光学特性を有する領域がコーティング部を有し、前記コーティング部が前記ボールの少なくとも一部であってかつ全部でない部分を被覆している請求項39の装置。
  41. 前記コーティング部が中央開口を有するマスクを含んでいる請求項40の装置。
  42. 前記コーティング部が不透明である請求項40の装置。
  43. 前記コーティング部が有彩色を透過する請求項40の装置。
  44. 前記ボールが第1および第2の半球を有するとともに、コーティング部によって被覆され、コーティング部は前記第1の半球の少なくとも一部を被覆しているが、第2の半球をまったく被覆していない請求項40の装置。
  45. 前記ボールが第1および第2の半球を有し、
    前記第1の半球に第1のゼータ電位、および第2の半球に第2のゼータ電位が、前記ボールが誘電流体に配置される場合に生じ、前記第1および第2のゼータ電位が電気双極子モーメントに寄与する請求項40の装置。
  46. 複数の空洞を有するマトリックスを備える基板と、
    第1の屈折率を有するとともに、前記マトリックスの空洞に配置されている光透過誘電流体と、
    前記流体に接触して前記マトリックスの空洞に配置されている複数の光学的異方性ボールであって、各ボールが第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、各ボールが、前記流体中に、光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置される場合、第1の光変調特性を示し、光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置される場合、第2の光変調特性を示す特性を有し、各ボールは、電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず、電界中に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向に前記ボールが回転する、複数の光学的異方性ボールと、
    を備えている装置。
  47. 前記基板に回転可能に配置されているボールの少なくとも1つの回転を容易にする電界発生手段をさらに備えている請求項46の装置。
  48. 前記電界発生手段が、前記空洞に回転可能に配置されている少なくとも1つのボールを含むボール群を選択的にアドレス指定する手段を備え、前記ボール群のボールに電界を印加し、それによって前記ボール群の少なくとも1つのボールの回転を容易にするものである請求項47の装置。
  49. 平行光ビームを供給する供給源と、
    請求項47の装置と、
    前記装置を通して前記平行光ビームを選択的に通すことによって形成された画像を投影する手段と、
    を備えている投影装置。
  50. a)光源から装置に光を入射する工程であって、前記装置が第1の屈折率を有する作動流体に回転可能に配置されている複数のボールを備え、各光学的異方性ボールは第2の屈折率を有する光透過領域を少なくとも1つ有し、各ボールが、前記流体中に、光エネルギーの光束に対して第1の配向で配置された場合、第1の光変調特性を示し、光エネルギーの光束に対して第2の配向で配置された場合、第2の光変調特性を示す特性を有し、各ボールが電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが電界中に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向に前記ボールが回転される、光源から装置に光を入射する工程と、
    b)前記装置に入射する光の一部を前記装置で変調する工程と、
    c)このように変調された光を観察面上に投影する工程と、
    を含む投影方法。
  51. 光透過窓を有する基板と、
    前記基板に配置されている複数のボールであって、各ボールが電気双極子モーメントを生じる異方性を有し、前記ボールが前記基板に付着せず、電界中に回転可能に配置されると同時に前記ボールの電気双極子モーメントがもたらされる場合、前記ボールを電気的に応答させ、前記電気双極子モーメントが電界と整列する配向に前記ボールが回転し、各ボールが、前記基板に回転可能に配置されている場合、前記光透過窓に対する第1および第2の回転の配向で配置可能であり、各ボールが、前記第1および第2の回転の配向のうち少なくとも1つの配向で配置された場合、前記基板窓を通る光エネルギーの光束によって照明されると、屈折効果を発生する、複数のボールと、
    を備えている装置。
  52. ボールが、第1の屈折率を有する光透過領域を含有し、
    前記基板が第2の屈折率を有する光透過誘電流体を有し、前記ボールが前記流体に接触して配置され、
    前記屈折効果が前記第1および第2の屈折率が互いに異なる結果として生じている請求項51の装置。
  53. ボールの電気双極子モーメントが、前記流体に接触しているボールの配置によって提供されている請求項52の装置。
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