JP3915780B2 - 動力出力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両に関し、特に、動力を出力する原動機と、この原動機の出力した動力の少なくとも一部を用いて発電する発電機と、発電により得られた電力を用いて、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるよう運転される電動機と、を備えた動力出力装置における、上記原動機の動作点を制御する技術に関するものである。
近年、燃料の燃焼により動力を出力するガソリンレシプロエンジンなどの原動機の燃費や排ガス浄化性能の飛躍的な向上と車両の走行性能との両立を目的として、いわゆるハイブリッド車両の構成が種々提案されている。ハイブリッド車両は大きく分けると、原動機により発電機を駆動して発電を行い、発電した電力で電動機を駆動して車両の推進力を得るシリーズハイブリッド方式と、駆動軸に原動機と電動機とをそれぞれ結合し、原動機と電動機とにより車両の推進力を得るパラレルハイブリッド方式と、が知られている。いずれの方式でも、駆動軸の回転数やトルクに依存することなく、原動機の回転数やトルクを自由に操作することができる。従って、ハイブリッド車両では、原動機の動作点を、例えば、燃費の最もよい動作ラインに沿うように運転させることができるため、ハイブリッド車両は原動機のみを駆動源とする従来の車両に比べて、省資源性及び排気浄化性に優れている。
これらの方式のうち、例えば、パラレルハイブリッド方式の車両では、原動機であるエンジンから出力された動力の一部は動力調整装置により駆動軸に伝達される。残余の動力は動力調整装置によって電力に変換される。この電力はバッテリに蓄電されたり、エンジン以外の動力源としての電動機を駆動するのに用いられる。
動力調整装置としては、例えば回転軸を有する電動発電機と、駆動軸とエンジンの出力軸と電動発電機の回転軸とにそれぞれ結合された3軸を有するプラネタリギヤと、を用いた機械配分型動力調整装置や、エンジンの出力軸に結合されたロータと駆動軸に結合されたロータとを備える対ロータ電動機を用いた電気配分型動力調整装置などを適用することができる。
ところで、ハイブリッド車両では、上述したとおり、駆動軸の回転数やトルクに依存することなく、原動機であるエンジンの回転数やトルクを自由に操作することができるため、エンジンの動作点を、上述のような燃費の最もよい動作ラインに沿うように運転することもできるし、また、他の動作ライン、例えばWOT(Wide Open Throttle)ライン、すなわち、エンジンにおけるスロットルバルブを全開にした場合のエンジンの回転数−トルク特性において、各回転数毎のトルクが最大となるポイントを、それぞれ結んで成る動作ラインに沿うように運転させることもできる。
つまり、ハイブリッド車両では、エンジンについて、予め、複数の動作ラインを設定しておき、運転状況に応じて、それら動作ラインを適宜切り替えて運転することができる。
このように、原動機であるエンジンについて複数の動作ラインを設定し、それらを適宜切り替えて運転することが可能なハイブリッド車両として、従来では、例えば、下記の特許文献1に記載のものが知られている。
特開2000−87774号公報
パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車両において、動力調整装置として、機械分配型動力調整装置を用いる場合、エンジンの回転数は、エンジンにプラネタリギヤを介して結合される電動発電機のトルクによって調整できる。また、その他、エンジンに対する制御としては、上述の回転数の制御の他、スロットルバルブの開度(以下、「スロットル開度」という場合がある。)の制御、点火プラグでの点火時期(以下、単に「点火時期」という場合がある。)の制御、またはエンジン出力可変機構による制御などがある。
ここで、エンジン出力可変機構とは、連続可変バルブタイミング機構(以下、「VVT−i」と呼ぶ。),排気量可変機構,圧縮比可変機構,ターボチャージャ等、エンジンの出力するトルクを必要に応じて変化させるために、エンジンの動作を調整する機構であり、これらエンジン出力可変機構による制御としては、VVT−iによる吸気カムシャフトのクランク角に対する位相の制御、排気量可変機構によるエンジン排気量の制御、圧縮比可変機構によるシリンダ内に吸入される混合気の圧縮比の制御、ターボチャージャによるシリンダ内に吸入される空気量の制御などがある。
今、エンジン出力可変機構として排気量可変機構が、ハイブリッド車両に搭載されているものとする。また、この時、このハイブリッド車両のエンジンの基準動作ラインとして、第1の動作ラインと第2の動作ラインとの2つの動作ラインが設定されているものとする。なお、エンジンの回転数−トルク特性において、第2の動作ラインは、第1の動作ラインに対して高トルク側に位置する。
排気量可変機構について、従来においては、いくつかの提案がなされているが、ここでは、吸気弁や排気弁の開閉動作を制御することにより、エンジン気筒の一部を休止させてエンジン排気量を変化させる機構であるものとする。
この排気量可変機構には、エンジン気筒の一部を休止させるように動作するモード(以下、「小排気量モード」と呼ぶ。)と、全エンジン気筒を動作させるよう動作するモード(以下、「大排気量モード」と呼ぶ。)と、の2つの動作モードがある。
そこで、上述の2つの動作ラインとして、排気量可変機構の動作状態に対応して、第1の動作ラインを、小排気量モードに対応する小排気量時WOTラインとし、また、第2の動作ラインを、大排気量モードに対応する大排気量時WOTラインとする組み合わせが考えられる。
従来において、排気量可変機構を搭載したハイブリッド車両において、このように2つの動作ラインが設定されている場合に、エンジンの動作点を、第1の動作ラインから第2の動作ラインに移行しようとすると、次のような課題があった。
図2は、従来技術において、第1の動作ライン(小排気量時WOTライン)W1から第2の動作ライン(大排気量時WOTライン)W2に移行する際のエンジンの動作点の軌跡を示す説明図である。図2において、縦軸はエンジンのトルクTeを、横軸はエンジンの回転数Neを、それぞれ示している。また、図2において、太い実線の矢印は、従来技術における動作点の軌跡を示す。
今、エンジンの動作点が、等パワーラインP1(パワー=Pe1)と第1の動作ラインW1との交点である動作点d1にあり、排気量可変機構の動作モードが第1の動作ラインW1に対応する小排気量モードであるものとする。
そこで、運転者がアクセルペダルを踏み込むことにより、より大きなパワーを要求したとすると、まず、アクセルペダルの踏込量、現在の車速、アクセル開度、及びバッテリの残容量等から要求パワーを算出する。なお、以下、算出された要求パワーがPe3であったものとする。
続いて、現在の車速と要求パワーとをパラメータとして最適動作ラインを選択するマップから、動作ラインが選択される。このとき、現在の車速と要求パワーPe3とに基づいて、第2の動作ラインW2が選択されると、選択された第2の動作ラインと、目標パワーの等パワーラインである等パワーラインP3(パワー=Pe3)と、の交点である動作点d3が目標動作点として設定される。
また、大排気量モードに対応する第2の動作ラインが選択されたことにより、排気量可変機構の動作モードを小排気量モードから大排気量モードに切り替え、休止していたエンジン気筒において閉じていた吸気弁や排気弁を開閉駆動させることにより、当該エンジン気筒を動作させる。その結果、エンジン排気量が大排気量に切り替わることでトルクが上昇し、エンジンの現在の動作点である動作点d1から目標動作点である動作点d3まで動作点が移行することとなる。
ここで、一般に、排気量可変機構は、応答遅れがあるため、動作モードを小排気量モードから大排気量モードに切り替えてから、実際に、休止していたエンジン気筒の吸気弁及び排気弁が開閉動作を行う最終的な動作状態になるまでに、或る程度の時間がかかる。従って、この場合も、上述の動作点d1から動作点d3への移行は即座に行われない。
具体的には、排気量可変機構が動作モードを切り替えて、動作を開始することによって、エンジンの動作点は、まず、動作点d1から、トルクが僅かに上昇した等パワーラインP2(パワー=Pe2)上の動作点d2に移行する。
しかし、上述のように、動作モードを小排気量モードから大排気量モードに切り替えてから、実際に、休止していたエンジン気筒において最終的な動作状態になるまでに、或る程度の時間がかかることから、トルクが即座に上昇せず、エンジン150の動作点は動作点d2にしばらく留まることとなる。
そして、その後、休止していたエンジン気筒において最終的な動作状態になるのに伴ってトルクが上昇し、エンジン150の動作点は、図2における太い実線の矢印に示すように、動作点d2から移行して動作点d3に至ることとなる。なお、図2に示すように、パワーPe2は、パワーPe1よりも僅かに大きく、かつ、要求パワーPe3よりもかなり小さいものである。
すなわち、従来技術においては、エンジンの動作点が、第1の動作ラインから第2の動作ラインに移行する場合、排気量可変機構の応答遅れに起因して、要求パワーに対して実際に出力されるパワーが小さい期間がしばらく続き、車両動力性能が悪化するという課題があった。
なお、上述の排気量可変機構の動作時の他、圧縮比可変機構の動作時、低温始動時のVVT−iの動作時、エンジン始動の際のロックピン付きVVT−iの動作時、またはターボチャージャにおけるターボラグ発生時などにおいても、それぞれのエンジン出力可変機構の応答遅れに起因して、上述の課題が発生する場合がある。
従って、本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決し、車両動力性能の悪化させることなく、第1の動作ラインから第2の動作ラインへ動作点を移行させることができる動力出力装置を搭載したハイブリッド車両を提供することにある。
上述の課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の動力出力装置は、動力を出力する原動機と、前記原動機の出力した動力の少なくとも一部を用いて発電し得る発電機と、発電された電力または発電後に蓄積された電力を用いて駆動軸に出力される動力が所望の動力になるように運転される電動機と、前記原動機の出力するトルクを変化させることが可能な出力可変機構と、を備えた動力出力装置であって、前記原動機に対する要求動力を所定のパラメータに基づいて求める要求動力導出手段と、求められた前記要求動力に基づいて前記原動機の動作点を制御する動作点制御手段と、を更に備え、前記動作点制御手段は、前記原動機の動作点を制御する際の基準動作ラインとして、前記原動機の回転数とトルクとの関係において、前記出力可変機構の状態に対応して、第1の動作ラインと、前記第1の動作ラインよりも高トルク側に位置する第2の動作ラインと、を予め設定すると共に、前記原動機に対する要求動力として所定値が要求されて、前記出力可変機構の状態を切り換える時は、前記原動機の動作点を前記第1の動作ラインから前記第2の動作ラインに移行する際に、前記原動機の出力する動力が前記所定の値になるまで、前記原動機の回転数を上昇させるよう、前記原動機の動作点を制御することを要旨とする。
このように、本発明では、原動機に対する要求動力として所定値が要求されて、出力可変機構の状態を切り換える時には、出力可変機構の応答遅れに起因して、原動機の出力するトルクが上昇しなくても、原動機の出力する動力が所定の値になるまで、原動機の回転数を上昇させるよう、原動機の動作点を制御するため、出力可変機構の応答遅れに関係なく、速やかに要求動力を出力することができる。従って、車両動力性能の悪化を防ぐことができる。
本発明の動力出力装置において、前記出力可変機構の移行動作の状態に応じて、前記原動機に対する要求動力となる前記第2の動作ライン上の動作点に向かうよう、前記原動機の動作点を制御することが好ましい。
時間経過に伴い出力可変機構の応答が追従するようになれば、出力可変機構により原動機の出力するトルクを上昇させることも可能となるので、このように、出力可変機構の意向動作の状態に応じて、原動機に対する要求動力となる第2の動作ライン上の動作点に向かうよう、原動機の動作点を制御することにより、原動機の動作点を本来の目標である動作点に速やかに移行することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記所定値に対応する等パワーラインに至るまで、前記原動機の動作点を、前記第1の動作ラインに沿って移行するよう制御することが好ましい。

このように、本発明では、出力可変機構の応答遅れに起因して、原動機の出力するトルクが上昇しなくても、要求動力の所定の値に対応する等パワーラインに至るまで、原動機の動作点を、第1の動作ラインに沿って移行するよう制御するため、出力可変機構の応答遅れに関係なく、原動機の動作点をこの等パワーラインに移行させ、速やかに要求動力を出力することができる。従って、車両動力性能の悪化を防ぐことができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記出力可変機構の移行動作の状態に応じて、前記原動機に対する要求動力となる前記第2の動作ライン上の動作点に至るまで、前記原動機の動作点を前記等パワーラインに沿って移行するように制御することが好ましい。
このように、原動機の動作点を等パワーラインに沿って移行することにより、原動機に対する要求動力を保ったまま、原動機の動作点を本来の目標である動作点に移行することができる。
本発明の動作点制御装置において、前記出力可変機構は、排気量可変機構であってよい。
一般に、排気量可変機構は応答遅れを生じるため、本発明を適用することで、本発明の効果を奏する。
本発明の動作点制御装置において、前記出力可変機構は、圧縮比可変機構であってよい。
一般に、排気量可変機構は応答遅れを生じるため、本発明を適用することで、本発明の効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例の構成:
B.一般的動作:
C.エンジンの動作点制御処理:
D.実施例の効果:
E.変形例:
E1.変形例1:
E2.変形例2:
E3.変形例3:
E4.変形例4:
E5.変形例5:
E6.変形例6:
E7.変形例7:
A.実施例の構成:
はじめに、本発明の一実施例の構成について、図3を用いて説明する。
図3は本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
このハイブリッド車両の構成は大きくは、駆動力を発生する動力系統と、その制御系統と、駆動源からの駆動力を駆動輪116,118に伝達する動力伝達系統と、運転操作部等とからなっている。
また、上述の動力系統は、エンジン150を含む系統と、モータMG1,MG2を含む系統と、からなっており、制御系統は、エンジン150の運転を主に制御するための電子制御ユニット(以下、「EFIECU」と呼ぶ。)170と、モータMG1,MG2の運転を主に制御するための電子制御ユニット(以下、「HVECU」と呼ぶ。)190と、EFIECU170及びHVECU190に必要な信号を検出し入出力する種々のセンサ部とからなっている。
なお、EFIECU170及びHVECU190の内部構成は、具体的には図示していないが、これらはそれぞれ内部にCPU,ROM,RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、以下に示す種々の制御処理を行うよう構成されている。
EFIECU170及びHVECU190による制御によってエンジン150からの動力を受け、更にプラネタリギヤ120により、このエンジン150の動力に対して、モータMG1,MG2の動力あるいは発電により調整された動力を駆動軸112に出力する構成を、以下では、動力出力装置110と呼ぶ。
動力出力装置110におけるエンジン150は、スロットルバルブ261を介して吸引口200から空気を吸入すると共に、燃料噴射弁151からガソリンを噴射し、吸入した空気と噴射したガソリンとで混合気を生成する。このとき、スロットルバルブ261は、アクチュエータ262によって開閉駆動される。エンジン150は、生成した混合気を吸気弁153を介して燃焼室152に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン154の運動をクランクシャフト156の回転運動に変換する。この爆発は、イグナイタ158からディストリビュータ160を介して導かれた高電圧によって点火プラグ162が形成した電気火花によって混合気が点火され燃焼することで生じる。燃焼により生じた排気は、排気弁155を介して排気口202に排出され、更に排気口202を通って大気中に排出される。なお、エンジン150は複数のエンジン気筒を備えるものとするが、図3においては、そのうちの1つのエンジン気筒のみ代表して図示している。
また、エンジン150は、吸気弁153の開閉タイミングを変更するVVT−i157を備える。このVVT−i157は、吸気弁153を開閉駆動する吸気カムシャフト(図示省略)のクランク角に対する位相を進角する(この時の位相を以下、「VVT−i進角」と呼ぶ。)ことにより、吸気弁の開閉タイミングを調整する。
また、エンジン150は、エンジン排気量を変化させる排気量可変機構300を備える。この排気量可変機構300は、前述の排気量可変機構と同様に、吸気弁153及び排気弁155の開閉駆動を制御することによりエンジン排気量を制御する。すなわち、一部のエンジン気筒において吸気弁153及び排気弁155を閉じたままにすることで、当該エンジン気筒を休止させてエンジン排気量を減少させ、一方、閉じていた吸気弁153及び排気弁155を開閉駆動させることで全エンジン気筒を作動させてエンジン排気量を増加するように調整する。
上述のような種々の機構を備えるエンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。例えば、スロットルバルブ261は、その開度を検知するスロットルバルブポジションセンサ263によって得られる検出信号に基づき、EFIECU170によりアクチュエータ262を用いて、所望の開度となるようにフィードバック制御されている(すなわち、スロットル開度の制御)。また、上述のVVT−i157における吸気カムシャフトの位相の進角も、吸気カムシャフトのポジションを検出するカムシャフトポジションセンサ264により得られる検出信号に基づいて、EFIECU170により目標の位相となるようにフィードバック制御がなされる(すなわち、VVT−i進角制御)。さらに、エンジン気筒の作動を検出する排気量センサ(図示省略)により得られる検出信号に基づいて、EFIECU170により目標のエンジン排気量となるようにフィードバック制御がなされる(すなわち、エンジン排気量の制御)。
また、エンジン150のこのような制御を可能とするために、EFIECU170には、上述のスロットルバルブポジションセンサ263以外にも、エンジン150の運転状況を検出するための種々のセンサが接続されている。例えば、クランクシャフト156の回転数と回転角度とを検出するためにディストリビュータ160に設けられた回転数センサ176及び回転角度センサ178や、イグニッションキーの状態を検出するスタータスイッチ179などが、接続されている。なお、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
モータMG1,MG2は、それぞれ、同期発電機として構成されており、第1及び第2の駆動回路191,192を介して、バッテリ194及びHVECU190に電気的に接続されている。HVECU190は、制御信号により第1及び第2の駆動回路191,192を制御して、モータMG1,MG2を駆動している。
モータMG1,MG2の制御を含むハイブリッド車両の運転状態の制御を可能とするために、HVECU190には、この他各種のセンサ及びスイッチが電気的に接続されている。HVECU190に接続されているセンサ及びスイッチとしては、アクセルペダルポジジョンセンサ164a、ブレーキペダルポジションセンサ165a、シフトポジションセンサ184、水温センサ174、バッテリ194の残容量検出器199などがある。
HVECU190は、これらのセンサを通じて運転操作部からの種々の信号やバッテリ194の残容量等を入力し、また、エンジン150を制御するEFIECU170との間で種々の情報を、通信によってやりとりしている。
運転操作部からの種々の信号として、具体的には、アクセルペダルポジションセンサ164aからのアクセルペダルポジション(アクセルペダル164の踏込量)、ブレーキペダルポジジョンセンサ165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキペダル165の踏込量)、シフトポジジョンセンサ184からのシフトポジション(シフトレバー182の位置)がある。また、バッテリ194の残容量は残容量検出器199で検出される。
一方、エンジン150の動力を伝達するためのクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリギア120に結合されており、また、モータMG1のロータ132やモータMG2のロータ142も、それぞれプラネタリギヤ120に結合されている。
また、プラネタリギア120に結合された動力取出ギヤ128は、チェーンベルト129により動力受取ギヤ113に接続されており、動力取出ギヤ128と動力受取ギヤ113との間で動力の伝達がなされる。この動力受取ギヤ113は駆動軸112を介して動力伝達ギヤ111に結合されており、この動力伝達ギヤ111はさらにディファレンシャルギヤ114を介して左右の駆動輪116,118に結合されていて、これらに動力を伝達できるようになっている。
B.一般動作:
次に、図3に示すハイブリッド車両の一般的な動作について説明する。前述した構成を有するハイブリッド車両は走行時において、駆動軸112に出力すべき要求パワーに相当する動力をエンジン150から出力し、出力された動力を以下の通りトルク変換して駆動軸112に伝達している。トルク変換は、例えば駆動軸112から出力すべき要求回転数及び要求トルクに対し、エンジン150のクランクシャフト156が高回転かつ低トルクで回転している場合には、エンジン150の出力している動力の一部をモータMG1による電力として回収し、その電力によるモータMG2を駆動する。
具体的には、まずエンジン150から出力された動力が、プラネタリギヤ120においてサンギヤ軸125に結合されたモータMG1に伝達される動力と、リングギヤ軸126を介して駆動軸112に伝達される動力とに配分される。この動力配分は、リングギヤ軸126の回転数が要求回転数に一致するような条件下で行われる。サンギヤ軸125に伝達された動力は、モータMG1により電力として回生される。一方、この電力を用いてリングギヤ軸126に結合されたモータMG2を駆動することにより、リングギヤ軸126にはトルクが付加される。このトルクの付加は駆動軸112に要求トルクが出力されるように行われる。こうしてモータMG1及びMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数及びトルクとして駆動軸112から出力することができるのである。
逆に、駆動軸112から出力すべき要求回転数及び要求トルクに対し、エンジン150のクランクシャフト156が低回転かつ高トルクで回転している場合には、エンジン150の出力している動力の一部をモータMG2により電力を回収し、その電力によりモータMG1を駆動する。
また、モータMG1またはモータMG2によって回収された電力の一部は、バッテリ194に蓄積することが可能である。また、バッテリ194に蓄積された電力を用いて、モータMG1またはモータMG2を駆動することも可能である。
なお、上述のトルク変換において用いられるプラネタリギヤ120の回転数は、次のような関係が知られている。即ち、プラネタリギヤ120について、サンギヤ121とリングギヤ122のギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)をρとすれば、サンギヤ軸125の回転数Ns、プラネタリキャリア軸127の回転数Nc、リングギヤ軸126の回転数Nrの間には、一般に次式(1)の関係が成立する。本実施例の場合、サンギヤ軸125の回転数NsはモータMG1の回転数Ngと等価なパラメータであり、リングギヤ軸126の回転数Nrは車速及びモータMG2の回転数Nmと等価なパラメータであり、プラネタリキャリア軸127の回転数Ncはエンジン150の回転数Neと等価なパラメータである。
Ns=Nc+(Nc−Nr)/ρ ・・・(1)
C.エンジンの動作点制御処理:
次に、本実施例におけるエンジン150の動作点制御処理について図1、図4、及び図5を用いて説明する。
図1は本実施例におけるエンジン150の動作点の軌跡を示す説明図である。図1において、縦軸はエンジン150のトルクTeを、横軸はエンジン150の回転数Neを、それぞれ示している。また、図1において、太い実線の矢印は、本実施例における動作点の軌跡を示す。なお、従来技術との比較し易いように、従来技術における動作点の軌跡を太い二点鎖線で示す。
本実施例では、エンジン150の基準動作ラインとして、排気量可変機構の動作状態に対応して、図2で説明したのと同じ2つの動作ライン、つまり、第1の動作ラインW1として、小排気量モードに対応する小排気量時WOTラインを、第2の動作ラインとして、大排気量モードに対応する大排気量時WOTラインW2を、それぞれ設定しており、これら2つの動作ラインを切り替えて、最適動作ラインとして利用する。
今、排気量可変機構300の動作モードが小排気量モードで、最適動作ラインとして、その小排気量モードに対応する第1の動作ラインW1が選択されていて、エンジン150の動作点が、図1に示す等パワーラインP1(パワー=Pe1)と第1の動作ラインW1上との交点である動作点d1にあるものとする。そこで、運転者がアクセルペダルを踏み込むことにより、より大きなパワーを要求した場合について説明する。エンジン150の動作点制御処理は、図4に示すHVECU側制御処理と、図5に示すEFIECU側制御処理と、に分かれている。まず、HVECU側制御処理について説明する。
図4は本実施例におけるHVECU190の処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンはHVECU190のCPU(図示省略)により実行される処理である。
図4に示す処理ルーチンが開始されると、まず、HVECU190は、エンジン150に対して要求されたパワーPeを算出する処理を行う(ステップS100)。この要求パワーPeは、次の式(2)により計算される。
Pe=Pacc+Pchg ...(2)
ここで、式(2)の右辺各項は、次の通りである。
・Pacc:車両を走行させる駆動トルクを全てエンジン150の出力により賄う場合のパワー(発電量に換算した値)。アクセルペダル164の踏込量と車速とをパラメータとするマップから求める。なお、HVECU190は、上述のように、アクセルペダル164の踏込量を、アクセルペダルポジションセンサ164aから得て、車速をリングギヤ軸126の回転数Nrを検出するセンサ(図示省略)から得るようにしている。
・Pchg:バッテリ194の充放電の要求パワー。バッテリ194の残容量から求められる。一般に、残容量が低い場合には、充電の要求が高く、例えば、残容量が約60[%]で充放電の要求は0、それ以上では放電要求となる。
なお、右辺には、これらの他、エアコンが駆動される場合の補正量などを加えるようにしてもよい。
HVECU190は、以上のような計算の結果、要求パワーPeとして、例えば、パワーPe3を算出したものとする。
続いて、HVECU190は、要求パワーと車速とをパラメータとして最適動作ラインを選択するマップを用いて、ステップS100で算出された要求パワーPeと、ステップS100で得た車速と、に基づいて最適動作ラインを選択する(ステップS102)。
ステップS100において算出された要求パワーPeがPe3であるので、HVECU190は、そのPe3と車速とに基づいて、最適動作ラインとして、第1の動作ラインW1に代えて、第2の動作ラインW2を選択したものとする。
このように、最適動作ラインが、排気量可変機構300の小排気量モードに対応する第1の動作ラインW1から、大排気量モードに対応する第2の動作ラインW2に切り換わったことにより、排気量可変機構300の動作モードも、小排気量モードから大排気量モードに切り換わることになる。
続いて、HVECU190は、算出した要求パワーPeに基づいて、選択されている動作ラインから、エンジン150に対する目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを求める(ステップS104)。
エンジン150から出力される動力(パワー)Peは、周知のように、エンジン150の回転数NeとトルクTeとの積(Ne×Te)として表されるので、エンジン150から出力されるパワーPeが一定となる等パワーラインは、図1に示すP1,P2,及びP3の如くになる。
ステップS100において算出した要求パワーPeがPe3であり、また、ステップS102において第2の動作ラインW2が選択されているので、図1において、等パワーラインP3(パワー=Pe3)と第2の動作ラインW2との交点である動作点d3を求めれば、その動作点d3でのエンジン150の回転数Ne3とトルクTe3とが、求めるべきエンジン150に対する目標回転数Ne*と目標トルクTe*となる。すなわち、この動作点d3は、エンジン150に対する目標動作点と言える。
続いて、HVECU190は、EFIECU170から現在のエンジン排気量を受信する(ステップS106)。エンジン150の現在の動作点は動作点d1であり、現在のエンジン排気量は、小排気量であるので、EFIECU170から送信される排気量は、小排気量となる。なお、この時のEFIECU170側の動作については、後述する。
続いて、HVECU190は、ステップS106において、EFIECU170から受信した現在のエンジン排気量が、大排気量であるか否かを判定し、大排気量の場合は、ステップS112に移行し、小排気量の場合は、ステップS110に移行する(ステップS108)。上述のように、HVECU190は、ステップS106において、現在の排気量として小排気量を受信しているので、ここでは、ステップS110に移行することとなる。
続くステップS110は、本発明の特徴部分であり、HVECU190は、エンジン150に対する目標回転数Ne*及び目標トルクTe*を、ステップS104で求めた、要求パワーPeの等パワーラインと第2の動作ラインW2との交点である動作点における回転数及びトルクに代えて、要求パワーPeの等パワーラインと第1の動作ラインW1との交点である動作点における回転数及びトルクに、それぞれ修正する。
上述のステップS104において、エンジン150に対する目標動作点を、要求パワーPe3の等パワーラインP3と第2の動作ラインW2との交点である動作点d3としたが、本ステップS110において、この目標動作点を、要求パワーPe3の等パワーラインP3と第1の動作ラインW1との交点である動作点d4に修正する。すなわち、エンジン150に対する目標回転数Ne*及び目標トルクTe*を、それぞれ、ステップS104で求めた回転数Ne3及びトルクTe3に代えて、この動作点d4における回転数Ne4及びトルクTe4に修正する。
このような目標動作点の修正を行うのは、以下の理由による。すなわち、現在のエンジン排気量が小排気量であるうちは、排気量可変機構300が本格的に動作していないため、目標動作点を第2の動作ラインW2上の動作点d3に設定したとしても、動作点d1から動作点d3への移行は即座に行われず、要求パワーPe3に対して実際に出力されるパワーが小さい期間がしばらく続き、車両動力性能が悪化する。そこで、本実施例では、現在のエンジン排気量が小排気量であって、排気量可変機構300が本格的に動作していない場合に、上記のごとく、目標動作点を、現時点(小排気量時)の動作点d1がある第1の動作ラインW1上において、要求パワーPe3を出力する動作点、すなわち、第1の動作ラインW1と等パワーラインP3との交点である動作点d4に修正することにより、エンジン150の動作点を、動作点d1から動作点d4に移行させるようにして、速やかに要求パワーPe3を出力するようにする。
ステップS110に引き続き、HVECU190は、エンジン150の回転数Neを、目標回転数Ne*となるように、モータMG1の回転数Ngを制御する(ステップS112)。
このステップS112では、まず、HVECU190は、ステップS110で修正したエンジン150に対する目標回転数Ne*から、モータMG1の目標回転数Ng*を求める。上述のように、プラネタリギヤ120の関係式である式(1)において、サンギヤ軸125の回転数NsはモータMG1の回転数Ngと等価なパラメータであり、リングギヤ軸126の回転数Nrは車速と等価のパラメータであり、プラネタリキャリア軸127の回転数Ncはエンジン150の回転数Neと等価なパラメータである。しかも、車速は既にステップS100で得ているため、式(1)を用いれば、エンジン150に対する目標回転数Ne*から、この時のモータMG1の目標回転数Ng*を容易に求めることができる。
次に、モータMG1の実際の回転数Ngを、サンギヤ軸125の回転数Nsを検出するセンサ(図示省略)から得て、その回転数Ngが先に求めた目標回転数Ng*となるように、モータMG1のトルクTgを制御する。具体的には、この制御はいわゆる比例積分制御(PI制御)によって行われる。すなわち、モータMG1の目標回転数Ng*と実際の回転数Ngとの偏差に所定の比例定数をかけて得られる比例項と、上述の偏差の時間積分値に所定の比例定数をかけて得られる積分項と、の和から、モータMG1に対する目標トルクTg*を求めて、モータMG1のトルクTgが目標トルクTg*となるように制御するのである。
こうして、モータMG1の回転数NgがモータMG1に対する目標回転数Ng*となるように、モータMG1のトルクTgを制御することによって、エンジン150の実際の回転数Neも、エンジン150に対する目標回転数Ne*に等しくなるようになる。何故なら、定常走行中は車速がほぼ一定であると仮定できるので、式(1)から、モータMG1の回転数NgがモータMG1に対する目標回転数Ng*となれば、必然的に、エンジン150の回転数Neはエンジン150に対する目標回転数Ne*となるからである。
ステップS112に引き続き、HVECU190は、通信によってEFIECU170に、エンジン150に対する目標トルクTe*を送信すると共に、設定排気量として小排気量か大排気量かを送信する(ステップS114)。
ステップS110において、エンジン150に対する目標トルクTe*は、トルクTe3からトルクTe4に修正されているので、このステップS114において、目標トルクTe*としてトルクTe4がEFIECU170に送信される。
また、ステップS102において、最適動作ラインが第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に切り換わったことにより、排気量可変機構300の動作モードも、小排気量モードから大排気量モードに切り換える必要があるので、そのような大排気量モードへの切り換えをEFIECU170に指示をするために、設定排気量として、大排気量がEFIECU170に送信される。
そして、HVECU190は、以上のステップS100〜ステップS114を繰り返し実行する。
引き続き、EFIECU170側制御処理について図5を用いて説明する
図5は本実施例におけるEFIECU170の処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンはEFIECU170のCPU(図示省略)によって実行される処理である。
図5に示す処理ルーチンが開始されると、まず、EFIECU170は、図4に示すステップS114において、HVECU190から送信された、エンジン150に対する目標トルクTe*と設定排気量とを受信する(ステップS200)。
従って、この場合、EFIECU170はエンジン150に対する目標トルクとしてトルクTe4を、また、設定排気量として大排気量を、それぞれ受信することになる。
続いて、EFIECU170は、受信した設定排気量が大排気量か小排気量かに応じて、排気量可変機構300を制御すると共に、受信したエンジン150に対する目標トルクTe*に基づいて、VVT−i157,アクチュエータ262,イグナイタ158を制御する(ステップS202)。
以下、ステップS202における各装置の制御について具体的に説明する。
まず、排気量可変機構300の制御について説明する。EFIECU170は、受信した設定排気量が大排気量であるので、排気量可変機構300に対し、動作モードを小排気量モードから大排気量モードに切り替えるよう指示する。排気量可変機構300は、EFIECU170からの指示に基づいて、休止していたエンジン気筒の吸気弁153及び排気弁155を開閉駆動するように制御し、この休止していたエンジン気筒を動作させるようにする。
ここで、排気量可変機構300が、上述の吸気弁153及び排気弁155の開閉駆動の制御を開始し、実際に、吸気弁153及び排気弁155が開閉駆動を行う最終的な動作状態になるまでに、或る程度時間がかかる。
続いて、VVT−i157,アクチュエータ262,イグナイタ158の制御について説明する。
受信したエンジン150に対する目標トルクTe*に基づいて、EFIECU170は、VVT−i157による吸気弁153の目標開閉タイミングVT*と、アクチュエータ262によるスロットルバルブ261の目標開度SVP*と、点火プラグ162での目標点火時期IT*と、をそれぞれ求める。
一般に、VVT−i157において、吸気弁153の開閉タイミングとして、吸気カムシャフトの位相を進角するように制御すると、その分、燃焼室152に吸入された混合気を圧縮する行程が長くなるため、エンジン150から出力されるトルクTeが増加することが一般に知られている。また、スロットルバルブ261では、アクチュエータ262によってスロットルバルブ261の開度SPVを大きくすると、エンジン150から出力されるトルクTeが増大することも、良く知られている。更に、点火プラグ162では、その点火時期を進角することによって、エンジン150から出力されるトルクTeが増大することも知られている。
従って、VVT−i157によって吸気弁153の開閉タイミングVTを、アクチュエータ262によってスロットバルブ261の開度SVPを、イグナイタ158によって点火プラグ162での点火時期をそれぞれ変化させることによって、エンジン150から出力されるトルクTeを、直接的に変化させることができる。
そこで、ステップS200で受信したエンジン150に対する目標トルクTe*に基づいて、エンジン150からその目標トルクTe*を実際に出力させる際に必要となる、吸気弁153の開閉タイミングVTと、スロットルバルブ261の開度SVPと、点火プラグ162での点火時期ITと、をそれぞれ求める。そして、求めた吸気弁153の開閉タイミングVTとスロットルバルブ261の開度SVPと点火プラグ162での点火時期ITとを、それぞれ目標開閉タイミングVT*と目標開度SVP*と目標点火時期IT*とする。
次にEFIECU170は、以上のようにして求めた吸気弁153の目標開閉タイミングVT*に基づいて、吸気弁153の実際の開閉タイミングVTがその目標開閉タイミングVT*になるように、VVT−i157に対して進角制御を行う。また、EFIECU170は、同様に、求めたスロットルバルブ261の目標開度SVP*に基づいて、スロットルバルブ261の実際の開度SVPが目標開度SVP*になるように、アクチュエータ262を制御する。更に、EFIECU170は、同様に、求めた点火プラグ162での目標点火時期IT*に基づいて、点火プラグ162における実際の点火時期ITが目標点火時期IT*となるように、イグナイタ158を制御する。
ステップS202に引き続き、EFIECU170は、排気量センサ(図示省略)によって検出したエンジン気筒の動作状況に基づいて、現在のエンジン排気量を判断し、この判断した現在のエンジン排気量を、HVECU190に対して、通信により送信する(ステップS204)。
上述のように、休止していたエンジン気筒において、実際に、吸気弁153及び排気弁155が開閉駆動を行う最終的な動作状態になるまでには、或る程度時間がかかることから、この間、EFIECU170は、現在のエンジン排気量を小排気量であると判断し、HVECU190に、現在のエンジン排気量として、小排気量を送信することとなる。
そして、EFIECU170は、以上のステップS200〜ステップS204を繰り返し実行する。
以上説明したように、休止していたエンジン気筒の吸気弁153及び排気弁155が、実際に、開閉駆動を行う最終的な動作状態になるまでは、EFIECU170は、図5に示すステップS204において、現在のエンジン排気量として、引き続き小排気量をHVECU190に送信することになるため、HVECU190は、その間、引き続き図4に示すステップS110を実行して、目標動作点を動作点d3から動作点d4に修正することになる。
従って、その間、動作点d4におけるエンジン150の回転数Ne4及びトルクTe4を、それぞれ、エンジン150に対する目標回転数Ne*及び目標トルクTe*として、モータMG1、VVT−i157、アクチュエータ262、及びイグナイタ158が制御されることから、エンジン150の動作点は、排気量可変機構300の応答遅れに関係なく、図1の太い実線の矢印に示すように、動作点d1から、動作点d4に向かって、第1の動作ラインW1に沿って移動することになる。従って、速やかに要求パワーPe3を出力することができる。
言い換えると、排気量可変機構300が本格的に動作するまでは、トルクTeはTe4まで上昇しないので、回転数NeをNe4まで上昇させることで、速やかに要求パワーPe3を出力するようにしている。
なお、エンジン150の動作点は、動作点d4に移行した後も、休止していたエンジン気筒の吸気弁153及び排気弁155が、実際に、開閉駆動を行う最終的な動作状態になるまでは、動作点d4に留まることになる。
そして、その後、ある程度時間が経ち、最終的な動作状態になると、EFIECU170は、図5に示すステップS204において、排気量センサ(図示省略)によって全エンジン気筒が動作していることを検出し、現在のエンジン排気量を大排気量と判断して、HVECU190に対して、この大排気量を現在の排気量として送信する。
従って、HVECU190は、ステップS106において、現在の排気量として、大排気量を受信することになるので、続くステップS108において、現在の排気量を大排気量と判定する。そして、この場合、上述の説明とは異なり、ステップS110ではなく、ステップS112に移行することになる。
現在のエンジン排気量が大排気量になったので、エンジン150に対する目標動作点を第2の動作ラインW2上の動作点d3に設定しても、現在のエンジン排気量が小排気量である場合とは異なり、トルクを上昇させて、エンジン150の動作点を、現在の動作点d4から動作点d3に速やかに移行させることができる。従って、ここでは、ステップS110を実行させないことで、目標動作点を、動作点d4から、当初の目標動作点であった動作点d3に戻している。すなわち、目標回転数Ne*及び目標トルクTe*は、ステップS104で求められた、動作点d3におけるエンジン150の回転数Ne3及びトルクTe3のままとなる。
従って、HVECU190は、ステップS112において、今度は、エンジン150の回転数Neが、目標回転数Ne*である回転数Ne3となるように、モータMG1の回転数Ngを制御し、また、ステップS114において、今度は、目標トルクTe*としてトルクTe3を、設定排気量である大排気量と共に、EFIECU170に送信することになる。
一方、EFIECU170は、エンジン150の動作点が動作点d4にある状態で、図5に示すステップS200において、HVECU190から目標トルクTe*としてトルクTe3を、設定排気量として大排気量を受信すると、続くステップS202において、今度は、目標トルクTe*であるトルクTe3に基づいて、VVT−i157,アクチュエータ262,イグナイタ158を制御することになる。なお、排気量可変機構300の制御については、既に、排気量可変機構300の動作モードを大排気量モードに切り替えて、休止していたエンジン気筒を動作させるようにしているので、この制御を維持する。
そして、続くステップS204において、上述のように、現在のエンジン排気量として、大排気量をHVECU190に送信することとなる。
以上説明したように、休止していたエンジン気筒の吸気弁153及び排気弁155が、実際に、開閉駆動を行う最終的な動作状態になった後は、EFIECU170は、図5に示すステップS204において、現在のエンジン排気量として、大排気量をHVECU190に送信するため、HVECU190は、図4に示すステップS110を実行せず、目標動作点は、ステップS104で求めた動作点d3のままとなる。
従って、今度は、動作点d3におけるエンジン150の回転数Ne3及びトルクTe3を、それぞれ、目標回転数Ne*及び目標トルクTe*として、モータMG1、VVT−i157、アクチュエータ262、及びイグナイタ158が制御されることから、エンジン150の動作点は、図1の太い実線の矢印に示すように、動作点d4から、要求パワーPe3の等パワーラインP3に沿って、要求パワーPe3を保ったまま、第2の動作ラインW2に向かって移動し、最終的に、目標動作点である動作点d3に移行することになる。
ここで、以上のような動作点制御処理によって、エンジン150に関わる各値が具体的にどのように変化するかについて、従来技術と本実施例とを比較しながら、図1、図2、図6、及び図7を用いて説明する。
図6は従来技術においてエンジン150に関わる各値が時間経過に伴ってどのように変化するかを示すタイミングチャートである。図6において、(A)はエンジン150から出力されるパワーPeの時間的変化を、(B)はエンジン150の回転数Neの時間的変化を、(C)はエンジン150から出力されるトルクTeの時間的変化を、それぞれ示している。図6において、横軸は時間であり、また、実線はそれぞれの実際の値を示し、破線はそれぞれの目標値を示している。
従来技術においては、上述したとおり、エンジン150の動作点を第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に移行する際に、要求パワーPe3の等パワーラインP3と第2の動作ラインW2との交点である動作点d3を目標動作点とし、この動作点におけるエンジン150の回転数Ne3及びトルクTe3を、それぞれ目標回転数Ne*及び目標トルクTe*とする。また、この目標動作点は修正されることがないので、要求パワーPe、目標回転数Ne*、及び目標トルクTe*は、それぞれ、図6(A)〜(C)の破線に示すごとくになる。
そして、目標トルクTe3を出力するために、エンジン排気量が大排気量になるよう排気量可変機構300の動作を開始することになるが、上述のように排気量可変機構300は、応答遅れがあるため、動作を開始してから、休止していたエンジン気筒の吸気弁153及び排気弁155が、実際に開閉動作を行う最終的な動作状態になるまでに、或る程度の時間がかかってしまう。
その結果、エンジン150の動作点は、排気量可変機構300が動作を開始したことによって僅かにトルクが上昇した動作点d2に留まるので、図6(A)〜(C)の実線に示すように、パワーPe、回転数Ne、及びトルクTeの各値は、僅かに上昇した値のまま、しばらく変化しないことになる。
そして、その後、最終的な動作状態になり、エンジン排気量が大排気量になった時点で、図2の太い実線の矢印に示すように、エンジン150の動作点は動作点d3に向かって移動するので、図6(A),及び(C)の実線に示すように、パワーPe及びトルクTeの各値はそれぞれ上昇し、最終的に、要求パワーPe3及び目標トルクTe3に達することになる。
よって、従来技術では、エンジン150の動作点を、第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に移行する際、排気量可変機構300の応答遅れに起因して、要求パワーPe3に対して実際に出力されるパワーが小さい期間がしばらく続き、車両動力性能が悪化するという課題があった。
図7は本実施例においてエンジン150に関わる各値が時間的経過に伴ってどのように変化するかを示すタイミングチャートである。なお、図7において、(A)〜(C)、横軸、ならびに実線及び破線の各意味は、図6で述べたのと同じである。
本実施例においては、上述したとおり、エンジン150の動作点を第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に移行する際に、現在のエンジン排気量が小排気量であるうちは、要求パワーPe3の等パワーラインP3と第1の動作ラインW1との交点である動作点d4を目標動作点とし、一方、現在の排気量が小排気量から大排気量になると、要求パワーPe3の等パワーラインP3と第2の動作ラインW2との交点である動作点d3を目標動作点とする。
ここで、動作点d3と動作点d4とを互いに比較すると、図1に示すように、動作点d3は、動作点d4に比べて、回転数は低く、また、トルクは高くなっている。なお、パワーについては、両動作点は、共に等パワーラインP3上にあるので、等しくなっている。
従って、要求パワーPe、目標回転数Ne*、及び目標トルクTe*は、図7(A)〜(C)の破線に示すごとくになる。
上述のように、現在の排気量が小排気量であるうちは、目標動作点は、現時点(小排気量時)でエンジン150の動作点がある第1の動作ラインW1上において、要求パワーPe3を出力する動作点d4になっているので、エンジン150の動作点は、排気量可変機構300の応答遅れに関係なく、図1の太い実線の矢印に示すように、動作点d1から動作点d4に移行する。その結果、図7(A)〜(C)の実線に示すように、パワーPe、回転数Ne、及びトルクTeの各値は、速やかに各目標値に達することになる。
そして、その後、エンジン排気量が大排気量になると、目標動作点は、要求パワーPe3の等パワーラインP3と第2の動作ラインW2との交点である動作点d3になるが、今度は、エンジン排気量が大排気量になっているので、トルクを速やかに上昇させることが可能となり、エンジン150の動作点は、図1の太い実線の矢印に示すように、等パワーラインP3に沿って動作点d4から動作点d3に移行する。従って、エンジン排気量が大排気量になった後においても、図7(A)〜(C)の実線に示すように、回転数Ne、及びトルクTeの各値は、速やかに各目標値に達すると共に、パワーPeは要求パワーPe3を保ち続けることになる。
よって、本実施例では、エンジン150の動作点を、第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に移行する際、排気量可変機構300の応答遅れに関係なく、要求パワーPe3を速やかに出力し、この要求パワーPe3を保ったままエンジン150の動作点を、第2の動作ラインW2へ移行することになるので、車両動力性能の悪化を抑えることができる。
D.実施例の効果:
以上説明したように、本実施例によれば、エンジン150の動作点が第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に移行する際に、現在の排気量が小排気量であるうちは、排気量可変機構300が本格的に動作していないので、目標動作点を、現在(小排気量時)の動作ラインである第1の動作ラインW1上で要求パワーPeを出力する動作点に設定する。そして、エンジン150の動作点が、この目標動作点に向かうようにモータMG1、VVT−i157、アクチュエータ262、及びイグナイタ158を制御することで、排気量可変機構300の応答遅れに関係なく、速やかに要求パワーPeを出力することができる。
そして、現在の排気量が大排気量になった時点で、排気量可変機構300が本格的に動作するので、目標動作点を、第2の動作ラインW2上で要求パワーPeを出力する動作点に設定し、エンジン150の動作点が、この目標動作点に向かうようにモータMG1、VVT−i157、アクチュエータ262、及びイグナイタ158を制御することで、要求パワーPeを保ったまま第2の動作ラインW2上の目標動作点に移行することができる。そのため、車両動力性能を悪化させることなく、第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2へ、エンジン150の動作点を移行することができる。
E.変形例:
なお、本発明は、上述の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上述の実施例において、ハイブリッド車両は、エンジン出力可変機構として排気量可変機構300を備えるものとしたが、これに限らない。VVT−i、ターボチャージャ、圧縮比可変機構等、他のエンジン出力可変機構を備えた場合においても、上述の動作点制御を適用することができる。
例えば、VVT−iについては、低温始動時などにおいては、油圧用オイルの粘度が高くVVT−iがすぐに動作できない場合がある。また、VVT−i進角を最遅角で固定するロックピンが付いたVVT−iについては、このロックピンはエンジン油圧によって解除されることとなるが、ハイブリッド車両において、モータのみの駆動からエンジンも使った駆動に切り替わる際に、このエンジン油圧の立ち上がりが遅れるため上記ロックピンがすぐには解除されず、VVT−iが即座に動作できない場合がある。
また、ターボチャージャについては、ターボチャージャが動作を開始してから、タービンが高速回転するまでにある程度時間がかかる場合(いわゆるターボラグ)がある。
また、圧縮比可変機構については、シリンダブロックの移動などにより、圧縮比を変化させるが、このシリンダブロックの移動に油圧を用いており、所定の油圧に達して実際にシリンダブロックが移動されるまでに或る程度時間がかかる場合がある。
このように、排気量可変機構300以外のエンジン出力可変機構が、動作を開始してから、最終的な動作状態になるまでに或る程度時間がかかるような、応答遅れを生じるような場合にも、上述の実施例における動作点制御を行うことで、要求パワーを速やかに出力でき、異なる動作ライン間の移行時における動力性能の悪化を防ぐことができる。
E2.変形例2:
上述の実施例において、2つの基準動作ラインとしては、排気量可変機構300の搭載を前提としていたため、例えば、第1の動作ラインW1として小排気量時WOTライン、及び第2の動作ラインW2として大排気量時WOTライン、の組み合わせとしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、搭載するエンジン出力可変機構の種類によって定まる動作ラインであればよい。例えば、低温始動時のVVT−iを考慮して、第1の動作ラインとしてVVT−i非動作時の動作ラインと、第2の動作ラインとしてVVT−i動作時の動作ラインの組み合わせなどが考えられる。
E3.変形例3:
上述の実施例における動作点の制御は、予め最適動作ラインをマップとして用意しておき、現在の排気量を判断しながら、エンジン150の動作点がその動作ラインに沿うように移行するように行われていたが、これに限らない。予め最適動作ラインを用意せず、例えば、エンジン150から出力される実際のトルクTeを測定して、トルクTeが上昇しないようであれば、エンジン150の回転数Neを上げるように制御を行い、現在の排気量が大排気量になることにより、トルクが上昇するようであれば、要求パワーを保つようにエンジン150のトルクTeと回転数Neを制御するようにしてもよい。
E4.変形例4:
上述の実施例において、可変バルブタイミング機構(VVT−i157)は、VVT−i進角を制御するものであったが、これに限らない。高速用カムと低速用カムを用意し、これらカムを選択的に使用することでバルブタイミングを変化させるようなものであっても構わない。
また、排気量可変機構300は、吸気弁153及び排気弁155を駆動制御することでエンジン排気量を変化させるものであったが、これに限らない。例えば、エンジン気筒のシリンダ内における、ピストンのストローク量を変化させることで、エンジン排気量を変化させるようなものであっても構わない。
E5.変形例5:
上述の実施例では、動力出力装置の構成として、図3に示した構成を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の構成が適用可能である。
図3では、モータMG2がリングギヤ軸126に結合されていたが、例えば、モータMG2が、エンジン150のクランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127に結合された構成をとることもできる。この場合の構成を図8に示す。図8では、図3の実施例と同様に、プラネタリギヤ120に関わるサンギヤ軸125にモータMG1が結合され、プラネタリキャリア軸127にエンジン150のクランクシャフト156が結合されているが、モータMG2がリングギヤ軸126ではなく、プラネタリキャリア軸127に結合されている点で、図3の実施例と相違している。
かかる構成においても、例えば、モータMG1により回生された電力を用いて、プラネタリキャリア軸127に結合されたモータMG2を駆動させることにより、クランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127には更なるトルクを付加することができ、図3の実施例と同様に、モータMG1及びMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数及びトルクとして駆動軸112から出力することができるので、エンジン150は、自由にその動作点を選択して運転することが可能である。従って、このような構成に対しても、本発明を適用することは可能である。
E6.変形例6:
また、本発明は、別の構成の動力出力装置に適用することもできる。変形例6としての構成を図9に示す。上述の実施例や変形例5においては、エンジン150から出力された動力の一部を駆動軸112に伝達するための動力調整装置として、プラネタリギヤ120等を用いた機械配分型動力調整装置を用いていたのに対し、この変形例6では、動力調整装置として、対ロータ電動機等を用いた電気配分型動力調整装置を用いている。具体的には、この動力出力装置では、プラネタリギヤ120及びモータMG1に代えて、クラッチモータCMを備える。クラッチモータCMとは、相対的に回転可能なインナロータ302及びアウタロータ304を備える対ロータ電動機である。図9に示す通り、インナロータ302はエンジン150のクランクシャフト156に結合され、アウタロータ304は駆動軸112に結合されている。アウタロータ304には、スリップリング306を介して電力が供給される。アウタロータ304側の軸にはモータMG2も結合されている。その他の構成は、図3で示した構成と同様である。
E7.変形例7:
上述の実施例及び変形例においては、パラレルハイブリッド方式の車両に本発明を適用した場合について説明したが、シリーズハイブリッド方式の車両に本発明を適用することも可能である。シリーズハイブリッド方式においても、原動機から出力された動力を、駆動軸に任意の回転数及びトルクで出力することができるので、原動機は自由に動作点を選択して運転することができるからである。
本実施例におけるエンジン150の動作点の軌跡を示す説明図。 従来技術において、第1の動作ラインW1から第2の動作ラインW2に移行する際のエンジンの動作点の軌跡を示す説明図。 本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図。 本実施例におけるHVECU190の処理ルーチンの流れを示すフローチャート。 本実施例におけるEFIECU170の処理ルーチンの流れを示すフローチャート。 従来技術においてエンジン150に関わる各値が時間経過に伴ってどのように変化するかを示すタイミングチャート。 本実施例においてエンジン150に関わる各値が時間的経過に伴ってどのように変化するかを示すタイミングチャート。 本発明の変形例5としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図。 本発明の変形例6としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図。
符号の説明
110...動力出力装置
111...動力伝達ギヤ
112...駆動軸
113...動力受取ギヤ
114...ディファレンシャルギヤ
116...駆動輪
120...プラネタリギヤ
121...サンギヤ
122...リングギヤ
125...サンギヤ軸
126...リングギヤ軸
127...プラネタリキャリア軸
128...動力取出ギヤ
129...チェーンベルト
130...ダンパ
132、142...ロータ
150...エンジン
151...燃料噴射弁
152...燃焼室
153...吸気弁
154...ピストン
155...排気弁
156...クランクシャフト
157...VVT−i
158...イグナイタ
160...ディストリビュータ
162...点火プラグ
164...アクセルペダル
164a...アクセルペダルポジションセンサ
165...ブレーキペダル
165a...ブレーキペダルポジションセンサ
170...EFIECU
174...水温センサ
176...回転数センサ
178...回転角度センサ
179...スタータスイッチ
182...シフトレバー
184...シフトポジションセンサ
190...HVECU
191、192...駆動回路
194...バッテリ
199...残容量検出器
200...吸入口
202...排気口
261...スロットルバルブ
262...アクチュエータ
263...スロットルバルブポジションセンサ
264...カムシャフトポジションセンサ
300...排気量可変機構
302...インタロータ
304...アウタロータ
306...スリップリング
CM...クラッチモータ
W1...第1の動作ライン
W2...第2の動作ライン
MG1、MG2...モータ
P1〜P3...等パワーライン

Claims (6)

  1. 動力を出力する原動機と、前記原動機の出力した動力の少なくとも一部を用いて発電し得る発電機と、発電された電力または発電後に蓄積された電力を用いて駆動軸に出力される動力が所望の動力になるように運転される電動機と、前記原動機の出力するトルクを変化させることが可能な出力可変機構と、を備えた動力出力装置であって、
    前記原動機に対する要求動力を所定のパラメータに基づいて求める要求動力導出手段と、求められた前記要求動力に基づいて前記原動機の動作点を制御する動作点制御手段と、を更に備え、
    前記動作点制御手段は、前記原動機の動作点を制御する際の基準動作ラインとして、前記原動機の回転数とトルクとの関係において、前記出力可変機構の状態に対応して、第1の動作ラインと、前記第1の動作ラインよりも高トルク側に位置する第2の動作ラインと、を予め設定すると共に、
    前記原動機に対する要求動力として所定の値が要求されて、前記出力可変機構の状態を切り換える時は、前記原動機の動作点を前記第1の動作ラインから前記第2の動作ラインに移行する際に、前記原動機の出力する動力が前記所定値になるまで、前記原動機の回転数を上昇させるよう、前記原動機の動作点を制御することを特徴とする動力出力装置。
  2. 請求項1に記載の動力出力装置において、
    前記出力可変機構の移行動作の状態に応じて、前記原動機に対する要求動力となる前記第2の動作ライン上の動作点に向かうよう、前記原動機の動作点を制御することを特徴とする動力出力装置。
  3. 請求項1に記載の動力出力装置において、
    前記所定値に対応する等パワーラインに至るまで、前記原動機の動作点を、前記第1の動作ラインに沿って移行するよう制御することを特徴とする動力出力装置。
  4. 請求項に記載の動力出力装置において、
    前記出力可変機構の移行動作の状態に応じて、前記原動機に対する要求動力となる前記第2の動作ライン上の動作点に至るまで、前記原動機の動作点を前記等パワーラインに沿って移行するように制御することを特徴とする動力出力装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の動力出力装置において、
    前記出力可変機構は、排気量可変機構であることを特徴とする動力出力装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の動力出力装置において、
    前記出力可変機構は、圧縮比可変機構であることを特徴とする動力出力装置。
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