JP3915571B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは走行レンジのNレンジへの切り替え時に摩擦係合要素からの油圧を絞って排出する自動変速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機において、セレクターレバー(マニュアルレバー)の操作により走行レンジをDレンジからNレンジ、又は、RレンジからNレンジに切り替えるときには、係合状態にあった摩擦係合要素にマニュアルバルブの油圧の排出経路が開き当該摩擦係合要素の油圧が機械的に排出される。
【0003】
図13は、走行レンジをDレンジからNレンジに切り替えたときの前進用の摩擦係合要素(前進クラッチ)の油圧及びトルクの各変動を示すタイムチャートである。同図に示されるように、時刻t11において走行レンジが切り替えられると、これに連動して前進クラッチの油圧が抜かれる。そして、時刻t12において、前進クラッチ圧の排出に伴いトルクも抜ける。
【0004】
このとき、前進クラッチ圧の排出が早過ぎると、一瞬のうちにトルクが抜けてショックが発生する場合がある。これは、前進側にトルクが生じている状態が急激に解消されることによる。このようなショックの回避のために、走行レンジをNレンジに切り替えたときの前進クラッチの油圧の排出を電磁弁を用いた油圧制御で行うことも考えられる。しかしながら、このような制御は、電磁弁による油圧制御に不具合が生じたときにNレンジにあるにも関わらず車両が走行するモードが存在しうることになる。このような制御はフェイルセーフの観点から許容しうるものではない。
【0005】
そこで、上記油圧の排出経路にオリフィスを設け、同油圧を徐々に排出することが行われている。
図14は、オリフィスを設けた場合で走行レンジをDレンジからNレンジに切り替えたときの前進クラッチの油圧及びトルクの各変動を示すタイムチャートである。同図に示されるように、走行レンジの切り替え時の前進クラッチ圧の急排出がオリフィスによって抑制されることで、トルクの抜けも緩やかになりショックの軽減が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした構造においては、例えば上記油圧の排出経路の上流側にシフトバルブのランドで遮断された隣接ポートの油圧(高圧)が漏洩したとする。すると、当該排出経路がオリフィスで絞られていることで油圧を排出すべき摩擦係合要素、すなわち非係合状態にあるべき摩擦係合要素に油圧(残圧)が発生する。このため、本来、開放されるべき(非係合状態にあるべき)摩擦係合要素が完全に開放されずに摺動し続けることで、例えば摩擦材の短期消耗を余儀なくされる。
【0007】
本発明の目的は、走行レンジのNレンジへの切り替え時に摩擦係合要素からの油圧を絞って排出する自動変速機の油圧制御装置において、非係合状態にあるべき摩擦係合要素の残圧の発生を防止することができる自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、変速段を達成するために複数の摩擦係合要素のうちから所定の摩擦係合要素を選択し、その選択した摩擦係合要素に供給する油圧を制御することで前記複数の摩擦係合要素の係合・非係合の組み合せに対応した前記変速段を達成する自動変速機の油圧制御装置において、前記選択された摩擦係合要素に供給する制御圧を生成するコントロールバルブと、前記コントロールバルブより出力された制御圧が前記選択された摩擦係合要素に供給されるまでの経路を切り替えるシフトバルブと、セレクターレバーの操作に連動し、前記経路をオリフィスを経由して排出部に連通させるマニュアルバルブとを有し、前記セレクターレバーが走行レンジのNレンジに操作された場合に、前記シフトバルブは前記シフトバルブ内の弁体の配置を変えて前記経路を切り替え、前記マニュアルバルブは前記経路をオリフィスを経由してNレンジへの切り替え時に該摩擦係合要素からの油圧を絞って排出する排出部に連通させるとともに、前記シフトバルブにおいて、前記経路と連通するポートに隣接するポートを開放または非係合状態にある前記摩擦係合要素に漏洩しうる油圧をその絞りを抑制して排出するポートに連通させ、前記隣接するポートから前記経路に油圧が漏洩しないようにすることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置において、前記セレクターレバーがNレンジに操作された場合に、前記シフトバルブが前記経路に隣接する前記シフトバルブのポートを開放することができないまたは排出ポートに連通させることができないときには、前記経路を前記オリフィスを経由させずに前記排出部に連通させることを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1及び2に記載の発明によれば、非係合状態にある前記摩擦係合要素に漏洩しうる油圧は、その絞りが抑制されて排出される。従って、非係合状態にある前記摩擦係合要素に漏洩しうる油圧は速やかに排出されることから、残圧の発生も防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る全体構成を示す概略図である。同図に示されるように、本実施形態の自動変速機は、エンジン2の出力軸(図示省略)に接続された自動変速機1と、同自動変速機1の内部に組み込まれた後述の油圧駆動式の摩擦係合要素への油圧を供給制御する油圧制御部3と、同油圧制御部3が備える後述のソレノイドを駆動制御する電子制御部4とを備えている。
【0018】
図2は、本実施形態における自動変速機1のスケルトン図である。同図に示されるように、この自動変速機1は、トルクコンバータ10の出力軸である入力軸11と、図示しない差動装置を介して車軸に連結される出力軸12と、入力軸11と連結する第1列のシングルピニオンプラネタリギヤG1と、第2列のシングルピニオンプラネタリギヤG2と、第3列のシングルピニオンプラネタリギヤG3とを備えている。また、自動変速機1は、複数(5つ)の摩擦係合要素としての第1摩擦クラッチC1と、第2摩擦クラッチC2と、第3摩擦クラッチC3と、第1摩擦ブレーキB1と、第2摩擦ブレーキB2とを備えている。この自動変速機1は、上記油圧制御部3及び電子制御部4によりこれら第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2の係合・非係合が選択されることでその変速段及び後述のシフトパターンが切り替えられるようになっている。なお、上記第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2は、それぞれ油圧制御部3により高圧に設定されることで係合状態とされ、同低圧に設定されることで非係合状態とされる。
【0019】
図3は、上記第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2の係合・非係合と、その対応する変速段との関係を示す一覧図である。同図に示されるように、この自動変速機1は、後進と、ニュートラルと、1速から4速のアンダードライブと、5速及び6速のオーバードライブとを有する後進1段、前進6段の変速段を達成している。すなわち、第3摩擦クラッチC3及び第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると、上記入力軸11に対して出力軸12の回転を逆転させて車両を後進させるようになっている。また、第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると、ニュートラルとなるようになっている。さらに、第1摩擦クラッチC1及び第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると1速に、第1摩擦クラッチC1及び第1摩擦ブレーキB1のみが係合されると2速になるようにそれぞれなっている。また、第1及び第3摩擦クラッチC1,C3のみが係合されると3速に、第1及び第2摩擦クラッチC1,C2のみが係合されると4速になるようにそれぞれなっている。さらにまた、第2及び第3摩擦クラッチC2,C3のみが係合されると5速に、第2摩擦クラッチC2及び第1摩擦ブレーキB1のみが係合されると6速になるようにそれぞれなっている。なお、同図において、セレクターレバー(図示略)の操作によって選択される走行レンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)と変速段との基本的な関係についても併せ示している。
【0020】
次に、上記第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2を係合・非係合させるための油圧制御部3の構成及びその制御態様について、図4の油圧制御部3の制御状態に応じて設定されるシフトパターンとの関係を示す一覧図及び図5〜図12の油圧回路図に基づき説明する。
【0021】
図5〜図12に示されるように、この油圧制御部3は、オイルポンプ(図示略)からの吐出圧に基づき生成したライン圧PLを導入している。また、この油圧制御部3は、非係合状態にある第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2からの油圧を低圧DLに設定された油圧回路(予圧回路)へと排出している。この低圧DLは、非係合状態にある第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2に空気が入らないように、大気圧よりも高く、且つ、係合させるまでに至らない圧力に設定されている。従って、係合状態にあった第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2は、この低圧DLの予圧回路に連通することでその油圧を排出する。
【0022】
この油圧制御部3は、マニュアルバルブ21と、ライン圧PLを利用して通電電流に応じた調整圧をそれぞれ出力する第1リニアソレノイドバルブ22、第2リニアソレノイドバルブ23及び第3リニアソレノイドバルブ24と、第1コントロールバルブ25、第2コントロールバルブ26、発進コントロールバルブ27及びLU(ロックアップ)コントロールバルブ28と、第1シフトバルブ31、第2シフトバルブ32、第3シフトバルブ33及び第4シフトバルブ34と、3つのON−OFFソレノイドバルブ35,36,37とを備えている。
【0023】
上記マニュアルバルブ21は、セレクターレバー(マニュアルレバー)の操作によって選択される走行レンジに連動した油圧回路の切り替えを行う。すなわち、このマニュアルバルブ21は、セレクターレバーの操作に連動してケーシング51内を摺動するバルブ本体52を備えている。そして、マニュアルバルブ21は、ライン圧PLを導入する第1ポート51a、ケーシング51内の油圧を低圧DLの予圧回路へと排出する排出部及び排出経路を構成する第2ポート51b、第3ポート51c及び第4ポート51d、第1チェックボール(逆止弁)53の一側及び他側(自由流の上流側及び下流側)にそれぞれ接続された第5ポート51e及び第6ポート51f、第3シフトバルブ33に接続された第7ポート51g、並びに第1シフトバルブ31に一側が接続された第2チェックボール55の他側(自由流の上流側)に接続された第8ポート51hを有している。なお、本実施形態では、上記第1チェックボール53の一側及び他側をバイパスする油路が設けられており、この油路には第1オリフィス54が設けられている。また、第2チェックボール55の一側及び他側をバイパスする油路が設けられており、この油路には第2オリフィス56が設けられている。これら第1及び第2オリフィス54,56による絞り量は、後述の態様で係合状態にあった摩擦係合要素からの急激な油圧の排出を抑制するように設定されている。一方、上記第2〜第4ポート51b〜51dにはオリフィスが設けられておらず、例えば漏洩した油圧(高圧)を迅速に排出しうるようになっている。
【0024】
上記第1コントロールバルブ25は、第1リニアソレノイドバルブ22から出力される調整圧を導入するとともに、導入した調整圧に応じてライン圧PLから制御圧を生成してこれを出力する。上記第2コントロールバルブ26は、第2リニアソレノイドバルブ23から出力される調整圧を導入するとともに、導入した調整圧に応じてライン圧PLから制御圧を生成してこれを出力する。発進コントロールバルブ27及びLUコントロールバルブ28は、第3リニアソレノイドバルブ24から出力される調整圧を互いに選択的に導入するとともに、導入した調整圧に応じてライン圧PLから制御圧を生成してこれを出力する。
【0025】
なお、発進コントロールバルブ27は、特に発進時(後進若しくは1速)において制御圧を出力するためのものである。一方、LUコントロールバルブ28は、特に出力軸12の高速回転時(本実施形態では3速〜6速)においてトルクコンバータ10のロックアップピストンLU(図示略)に対して制御圧を出力するためのものである。従って、これら発進コントロールバルブ27及びLUコントロールバルブ28は同時に使用されることがないため、第4シフトバルブ34により切り替えられて共通の第3リニアソレノイドバルブ24により選択的に制御圧を出力するようになっている。
【0026】
上記第1〜第4シフトバルブ31〜34は、ライン圧PL若しくは第1及び第2コントロールバルブ25,26、発進コントロールバルブ27、LUコントロールバルブ28から出力された制御圧を導入する。また、これとともに供給される油圧に応じた作動状態に応じて第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1,B2へのライン圧PL若しくは同制御圧の供給を切り替える。
【0027】
上記ON−OFFソレノイドバルブ35,36は、通電電流に応じて第1及び第2シフトバルブ31,32に供給される油圧を切り替えてその作動状態をそれぞれ切り替える。また、ON−OFFソレノイドバルブ37は、通電電流に応じて第3及び第4シフトバルブ33,34に供給される油圧を切り替えてその作動状態を同時に切り替える。
【0028】
ここで、上記第1、第3リニアソレノイドバルブ22,24は、非通電状態において零となる調整圧を対応する第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28にそれぞれ出力するようになっている。また、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて大きくなる調整圧を対応する第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28にそれぞれ出力するようになっている。そして、第1、第3リニアソレノイドバルブ22,24は、通電電流が零となるときに調整圧が上記第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28にそれぞれ供給されないようになっている。また、上記第2リニアソレノイドバルブ23は、非通電状態において最大値となる調整圧を、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて小さくなる調整圧を対応する第2コントロールバルブ26に出力するようになっている。すなわち、第2リニアソレノイドバルブ23は、通電電流が最大値となるときに調整圧が上記第2コントロールバルブ26に供給されないようになっている。
【0029】
そして、上記第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28は、それぞれ第1、第3リニアソレノイドバルブ22,24が非通電状態において零となる制御圧を、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて大きくなる制御圧を生成するようになっている。また、上記第2コントロールバルブ26は、第2リニアソレノイドバルブ23が非通電状態において最大値となる制御圧を、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて小さくなる制御圧を生成するようになっている。そして、上記第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27、LUコントロールバルブ28は、それぞれ第1、第3リニアソレノイドバルブ22,24の通電電流が零となるときに実質的に零となる制御圧を生成するようになっている。また、上記第2コントロールバルブ26は、第2リニアソレノイドバルブ23の通電電流が最大値となるときに実質的に零となる制御圧を生成するようになっている。
【0030】
また、ON−OFFソレノイドバルブ35,36は、それぞれ通電状態で油圧を第1及び第2シフトバルブ31,32に供給し、非通電状態で油圧を第1及び第2シフトバルブ31,32に供給しない常閉弁である。ON−OFFソレノイドバルブ37は、通電状態で油圧を第3及び第4シフトバルブ33,34に供給し、非通電状態で油圧を第3及び第4シフトバルブ33,34に供給しない常閉弁である。
【0031】
上記第1及び第2シフトバルブ31,32は、それぞれON−OFFソレノイドバルブ35,36から油圧が供給されることで第1作動状態(図5〜図12において、弁体が下側に配置される状態)に設定されるようになっている。一方、第1及び第2シフトバルブ31,32は、同油圧の供給が停止されることで第2作動状態(図5〜図12において、弁体が上側に配置される状態)に設定されるようになっている。また、第3及び第4シフトバルブ33,34は、ON−OFFソレノイドバルブ37から油圧が供給されることで同時に第1作動状態(図5〜図12において、弁体が下側に配置される状態)に設定される。一方、ON−OFFソレノイドバルブ37から油圧の供給が停止されることで同時に第2作動状態(図5〜図12において、弁体が上側に配置される状態)に設定されるようになっている。
【0032】
次に、この油圧制御部3の制御状態に応じて設定されるシフトパターンとの関係について図4を併せ参照して説明する。なお、図4に示されるように、本実施形態では変速段の切り替えのためのシフトパターンを1〜8の8通り有している。すなわち、前記ON−OFFソレノイドバルブ35〜37の通電・非通電状態(第1〜第4シフトバルブ31〜34の作動状態)の各組み合わせによって8通りのシフトパターンを達成している。そして、図5〜図12は、それぞれシフトパターン1〜8に対応する油圧制御部3の制御状態を表している。
【0033】
なお、図4において、○印は第1リニアソレノイドバルブ22により制御可能な摩擦係合要素を、△印は第2リニアソレノイドバルブ23により制御可能な摩擦係合要素を、□印は第3リニアソレノイドバルブ24により制御可能な摩擦係合要素をそれぞれ表している。換言すると、○印は第1コントロールバルブ25からの制御圧を供給可能な摩擦係合要素を、△印は第2コントロールバルブ26からの制御圧を供給可能な摩擦係合要素を、□印は発進コントロールバルブ27からの制御圧を供給可能な摩擦係合要素をそれぞれ表している。特に、欄内の右上に付された*印は、各種バルブの隣接するポートからの油圧(高圧)が漏洩しうる非係合状態にある摩擦係合要素を表している。
【0034】
また、図5〜図12においては、マニュアルバルブ21により走行レンジがNレンジに設定されている状態をそれぞれ示している。マニュアルバルブ21によるDレンジ若しくはRレンジへの走行レンジの設定は、同図においてバルブ本体52を一側及び他側(左側及び右側)に移動させるのみの違いである。従って、走行レンジがこれらDレンジ若しくはRレンジに設定されている状態においても図5〜図12に基づき併せて説明する。
【0035】
まず、図5を参照して走行レンジがNレンジでシフトパターン1の状態を説明する。この状態においては、ON−OFFソレノイドバルブ36のみが非通電状態となって第2シフトバルブ32が第2作動状態とされる。このとき、第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されており、同第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給可能となっている。従って、第2摩擦ブレーキB2に供給される第2コントロールバルブ26からの制御圧を高圧にすることで、同第2摩擦ブレーキB2を係合するように立ち上げている。
【0036】
この状態において、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第1オリフィス54(第1チェックボール53)及び第5ポート51eを介してマニュアルバルブ21の第3ポート51cに連通する。ここで、例えばマニュアルバルブ21の第5ポート51e側に第1ポート51aに導入されたライン圧PLが漏洩したとする。このとき、第3ポート51cにはオリフィスが設けられていないことから漏洩した油圧は速やかに排出される。従って、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。また、第2シフトバルブ32において、第1摩擦クラッチC1用のポートに隣接するポートを大気開放(EX)して調整圧の導入ポートと離隔したことで、第1摩擦クラッチC1への調整圧の漏洩自体を回避している。
【0037】
同様に、非係合状態にある第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。ここで、例えばマニュアルバルブ21の第8ポート51h側に第1ポート51aに導入されたライン圧PLが漏洩したとする。このとき、第2ポート51bにはオリフィスが設けられていないことから漏洩した油圧は速やかに排出される。従って、非係合状態にある第3摩擦クラッチC3に不要な油圧が発生することはない。
【0038】
また、このシフトパターン1で走行レンジがDレンジのときには、同様に非係合状態にある第3摩擦クラッチC3に不要な油圧が発生することはない。さらに、このシフトパターン1で走行レンジがRレンジのときには、同様に非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0039】
一方、このシフトパターン1で走行レンジがDレンジからNレンジへと切り替えられると、係合状態にあった第1摩擦クラッチC1の油圧(ライン圧PL)は、第1オリフィス54を介して絞られて排出される。
【0040】
次に、図6に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン2の状態では、ON−OFFソレノイドバルブ36も通電状態となって第1〜第4シフトバルブ31〜34が全て第1作動状態とされる。このときも、上記と同様に第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給可能となっている。従って、第2摩擦ブレーキB2に供給される第2コントロールバルブ26からの制御圧を高圧にすることで、同第2摩擦ブレーキB2を係合するように立ち上げている。
【0041】
この状態において、非係合状態にある第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第4シフトバルブ34及び発進コントロールバルブ27の排出経路を構成するポート27aを介して低圧DLの予圧回路に連通する。このポート27aにはオリフィスが設けられていないことから、仮にその上流側に油圧が漏洩したとしても速やかに排出される。従って、非係合状態にある第3摩擦クラッチC3に不要な油圧が発生することはない。
【0042】
本実施形態では、走行レンジがRレンジにおいて第3リニアソレノイドバルブ24を通電状態にし発進コントロールバルブ27から第3摩擦クラッチC3に供給する制御圧を高圧にすると変速段が後進になる。この状態において、走行レンジがRレンジからNレンジへと切り替えられた直後は、第3リニアソレノイドバルブ24を引き続き通電状態に保持する。このとき、非係合状態に移行した第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第4シフトバルブ34、発進コントロールバルブ27(ポート27b)、第1シフトバルブ31、第2オリフィス56及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。従って、このシフトパターン2で走行レンジがRレンジからNレンジへと切り替えられた直後では、係合状態にあった第3摩擦クラッチC3の油圧(制御圧)は、第2オリフィス56を介して絞られて排出される。このため、走行レンジの切り替え時の第3摩擦クラッチC3の油圧の急排出が第2オリフィス56によって抑制されることで、トルクの抜けも緩やかになりショックの軽減が図られる。この後、第3摩擦クラッチC3の油圧が排出されて略完全なニュートラル状態になったら、第3リニアソレノイドバルブ24への通電を停止して上述の態様で漏洩した油圧の排出を行う。
【0043】
次に、図7に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン3の状態では、ON−OFFソレノイドバルブ35のみが非通電状態となって第2〜第4シフトバルブ32〜34が第1作動状態とされる。このときも、上記と同様に第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給可能となっている。従って、第2摩擦ブレーキB2に供給される第2コントロールバルブ26からの制御圧を高圧にすることで、同第2摩擦ブレーキB2を係合するように立ち上げている。
【0044】
この状態において、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第4シフトバルブ34及び発進コントロールバルブ27のポート27aを介して低圧DLの予圧回路に連通する。このポート27aにはオリフィスが設けられていないことから、仮にその上流側に油圧が漏洩したとしても速やかに排出される。従って、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0045】
本実施形態では、走行レンジがDレンジにおいて第3リニアソレノイドバルブ24を通電状態にし発進コントロールバルブ27から前進用の第1摩擦クラッチC1に供給する制御圧を高圧にすると変速段が1速になる。この状態において、走行レンジがDレンジからNレンジへと切り替えられた直後は、第3リニアソレノイドバルブ24を引き続き通電状態に保持する。このとき、非係合状態に移行した第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第4シフトバルブ34、発進コントロールバルブ27(ポート27b)、第1シフトバルブ31、第1オリフィス54及び第5ポート51eを介してマニュアルバルブ21の第3ポート51cに連通する。従って、このシフトパターン3で走行レンジがDレンジからNレンジへと切り替えられた直後では、係合状態にあった第1摩擦クラッチC1の油圧(制御圧)は、第1オリフィス54を介して絞られて排出される。このため、走行レンジの切り替え時の第1摩擦クラッチC1の油圧の急排出が第1オリフィス54によって抑制されることで、トルクの抜けも緩やかになりショックの軽減が図られる。この後、第1摩擦クラッチC1の油圧が排出されて略完全なニュートラル状態になったら、第3リニアソレノイドバルブ24への通電を停止して上述の態様で漏洩した油圧の排出を行う。
【0046】
次に、図8に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン4の状態になると、更にON−OFFソレノイドバルブ36が非通電状態となって第2シフトバルブ32が第2作動状態とされる。このときも、上記と同様に第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給可能となっている。従って、第2摩擦ブレーキB2に供給される第2コントロールバルブ26からの制御圧を高圧にすることで、同第2摩擦ブレーキB2を係合するように立ち上げている。
【0047】
この状態において、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第1オリフィス54(第1チェックボール53)及び第5ポート51eを介してマニュアルバルブ21の第3ポート51cに連通する。ここで、例えばマニュアルバルブ21の第5ポート51e側に第1ポート51aに導入されたライン圧PLが漏洩したとする。このとき、第3ポート51cにはオリフィスが設けられていないことから漏洩した油圧は速やかに排出される。従って、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0048】
同様に、非係合状態にある第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。ここで、例えばマニュアルバルブ21の第8ポート51h側に第1ポート51aに導入されたライン圧PLが漏洩したとする。このとき、第2ポート51bにはオリフィスが設けられていないことから漏洩した油圧は速やかに排出される。従って、非係合状態にある第3摩擦クラッチC3に不要な油圧が発生することはない。あるいは、第3シフトバルブ33において、第2摩擦ブレーキB2に供給された第2コントロールバルブ26からの制御圧(高圧)が第3摩擦クラッチC3側に漏洩したとしても、この油圧は第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bから速やかに排出される。
【0049】
また、このシフトパターン4で走行レンジがDレンジのときには、同様に非係合状態にある第3摩擦クラッチC3に不要な油圧が発生することはない。さらに、このシフトパターン4で走行レンジがRレンジのときには、同様に非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0050】
一方、このシフトパターン4で走行レンジがDレンジからNレンジへと切り替えられると、係合状態にあった第1摩擦クラッチC1の油圧(ライン圧PL)は、第1オリフィス54を介して絞られて排出される。
【0051】
次に、図9に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン5の状態になると、更にON−OFFソレノイドバルブ37が非通電状態となって第1〜第4シフトバルブ31〜34の全てが第2作動状態とされる。このとき、第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されており、同第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第3摩擦クラッチC3に供給可能となっている。
【0052】
この状態において、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、マニュアルバルブ21(第6及び第7ポート51f,51g)及び第3シフトバルブ33のポート33aを介して低圧DLの予圧回路に連通する。このポート33aにはオリフィスが設けられていないことから、仮にその上流側に油圧が漏洩したとしても速やかに排出される。従って、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0053】
同様に、非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2は、第3シフトバルブ33及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。ここで、例えばマニュアルバルブ21の第8ポート51h側に第1ポート51aに導入されたライン圧PLが漏洩したとする。このとき、第2ポート51bにはオリフィスが設けられていないことから漏洩した油圧は速やかに排出される。従って、非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。
【0054】
また、このシフトパターン5で走行レンジがDレンジのときには、同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。さらに、このシフトパターン5で走行レンジがRレンジのときには、同様に非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0055】
次に、図10に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン6の状態になると、ON−OFFソレノイドバルブ35のみが通電状態となって第1シフトバルブ31が第1作動状態とされる。このときも、上記と同様に第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されており、同第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第3摩擦クラッチC3に供給可能となっている。
【0056】
この状態においても、非係合状態にある第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、マニュアルバルブ21(第6及び第7ポート51f,51g)及び第3シフトバルブ33のポート33aを介して低圧DLの予圧回路に連通する。従って、上記と同様に非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0057】
同様に、非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2は、第3シフトバルブ33及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。従って、上記と同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。
【0058】
また、このシフトパターン6で走行レンジがDレンジのときには、同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。さらに、このシフトパターン6で走行レンジがRレンジのときには、同様に非係合状態にある第1摩擦クラッチC1に不要な油圧が発生することはない。
【0059】
次に、図11に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン7の状態になると、更にON−OFFソレノイドバルブ36が通電状態となって第2シフトバルブ32が第1作動状態とされる。このときも、上記と同様に第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されており、同第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第3摩擦クラッチC3に供給可能となっている。
【0060】
この状態において、非係合状態にある第2摩擦クラッチC2は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、マニュアルバルブ21(第6及び第7ポート51f,51g)及び第3シフトバルブ33のポート33aを介して低圧DLの予圧回路に連通する。従って、上記と同様に非係合状態にある第2摩擦クラッチC2に不要な油圧が発生することはない。
【0061】
同様に、非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2は、第3シフトバルブ33及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。従って、上記と同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。
【0062】
また、このシフトパターン7で走行レンジがDレンジのときには、同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。さらに、このシフトパターン7で走行レンジがRレンジのときには、同様に非係合状態にある第2摩擦クラッチC2に不要な油圧が発生することはない。
【0063】
次に、図12に示される走行レンジがNレンジでシフトパターン8の状態になると、ON−OFFソレノイドバルブ35が非通電状態となって第1シフトバルブ31が第2作動状態とされる。このときも、上記と同様に第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されており、同第2コントロールバルブ26からの制御圧は第3シフトバルブ33を介して第3摩擦クラッチC3に供給可能となっている。
【0064】
この状態においても、非係合状態にある第2摩擦クラッチC2は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、マニュアルバルブ21(第6及び第7ポート51f,51g)及び第3シフトバルブ33のポート33aを介して低圧DLの予圧回路に連通する。従って、上記と同様に非係合状態にある第2摩擦クラッチC2に不要な油圧が発生することはない。
【0065】
同様に、非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2は、第3シフトバルブ33及び第8ポート51hを介してマニュアルバルブ21の第2ポート51bに連通する。従って、上記と同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。
【0066】
また、このシフトパターン8で走行レンジがDレンジのときには、同様に非係合状態にある第2摩擦ブレーキB2に不要な油圧が発生することはない。さらに、このシフトパターン8で走行レンジがRレンジのときには、同様に非係合状態にある第2摩擦クラッチC2に不要な油圧が発生することはない。
【0067】
図1に示されるように、前記電子制御部4は、マイクロコンピュータを備えていて、エンジン2の出力軸の回転数Neを検出するエンジン回転数センサ(Neセンサ)41、自動変速機1の入力軸11の回転数Ntを検出する入力軸回転数センサ(Ntセンサ)42、自動変速機1の出力軸12の回転数(当該車両の車速に相当する)Noを検出する出力軸回転数センサ(Noセンサ)43、エンジン2のスロットル開度(エンジン負荷に相当する)θを検出するスロットル開度センサ(θセンサ)44、運転者の操作によるセレクターレバーのポジション(走行レンジ)を検出するポジションセンサ45にそれぞれ接続されている。電子制御部4は、これらセンサ41〜45の出力に基づいて、上記第1〜第3リニアソレノイドバルブ22〜24、ON−OFFソレノイドバルブ35〜37への通電を制御する。これにより、所定のシフトパターンが選択されて当該シフトパターンで選択可能な所要の変速段を達成する。
【0068】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、非係合状態にある摩擦係合要素(図4において*印を付したもの)に漏洩しうる油圧は、その絞りが抑制されて排出される。従って、上記摩擦係合要素に漏洩しうる油圧は速やかに排出されることから、残圧の発生を防止できる。そして、本来、開放されるべき(非係合状態にあるべき)摩擦係合要素が完全に開放されずに摺動し続けて摩擦材が短期消耗することを防止できる。
【0069】
また、例えばNレンジにおいて第3摩擦クラッチC3に残圧が発生して後進の変速段に準じた状態に移行することを防止できる。さらに、RNレンジにおいて第1摩擦クラッチC1に残圧が発生して変速機がロックするような状態も回避できる。
【0070】
(2)本実施形態では、第1及び第2オリフィス54,56は、マニュアルバルブ21からの油圧の供給を許容する第1及び第2チェックボール53,55がバイパスされていることで、例えば摩擦係合要素へと供給される油圧が絞られることはなく、変速時の応答遅れなどを回避できる。
【0071】
(3)本実施形態では、第2及び第3シフトバルブ32,33の調整圧が導入されるポートに大気開放(EX)のポートを連接させた。従って、この第2及び第3シフトバルブ32,33に導入された調整圧が摩擦係合要素に漏洩することを回避できる。
【0072】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、第2〜第4ポート51b〜51d、ポート27a,33aにオリフィスを設けず、第1及び第2チェックボール53,55に比べてその絞り量を抑制した。これに対して、これら第2〜第4ポート51b〜51d、ポート27a,33aの絞り量を抑制するのであれば、実質的にオリフィスを設けていてもよい。
【0073】
・前記実施形態において、ON−OFFソレノイドバルブ35〜37の通電状態と第1〜第4シフトバルブ31〜34の作動状態との関係が互いに逆になるような油圧回路の構成としてもよい。
【0074】
・前記実施形態における油圧制御部3の回路構成等は一例であってその他の構成としてもよい。
・前記実施形態において、第2摩擦ブレーキB2に併せて一方向クラッチを設けて機械的に係合させる構成を採用してもよい。
【0075】
・前記実施形態においては、前進6段の変速段を有する自動変速機1に本発明を適用したが、その他の変速段を有する自動変速機であってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1及び2に記載の発明によれば、非係合状態にあるべき摩擦係合要素の残圧の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る全体構成を示す概略図。
【図2】同実施形態に係る自動変速機のスケルトン図。
【図3】摩擦係合要素の係合・非係合と変速段との関係を示す一覧図。
【図4】各種走行レンジでの油圧制御部の制御状態に応じて設定されるシフトパターンとの関係を示す一覧図。
【図5】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図6】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図7】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図8】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図9】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図10】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図11】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図12】同実施形態に係る自動変速機の油圧制御部及びその作動態様を示す概略図。
【図13】前進クラッチの油圧とトルクとの関係を示すタイムチャート。
【図14】前進クラッチの油圧とトルクとの関係を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1 自動変速機
3 制御部を構成する油圧制御部
4 制御部を構成する電子制御部
21 マニュアルバルブ
22〜24 第1〜第3リニアソレノイドバルブ
25,26 第1及び第2コントロールバルブ
27 発進コントロールバルブ
27a 排出経路を構成するポート
28 LUコントロールバルブ
31〜34 第1〜第4シフトバルブ
35〜37 ON−OFFソレノイドバルブ
51b〜51d 排出部及び排出経路を構成するポート
53 第1チェックボール
54 第1オリフィス
55 第2チェックボール
56 第2オリフィス
C1〜C3 摩擦係合要素としての摩擦クラッチ
B1,B2 摩擦係合要素としての摩擦ブレーキ
Claims (2)
- 変速段を達成するために複数の摩擦係合要素のうちから所定の摩擦係合要素を選択し、その選択した摩擦係合要素に供給する油圧を制御することで前記複数の摩擦係合要素の係合・非係合の組み合せに対応した前記変速段を達成する自動変速機の油圧制御装置において、
前記選択された摩擦係合要素に供給する制御圧を生成するコントロールバルブと、
前記コントロールバルブより出力された制御圧が前記選択された摩擦係合要素に供給されるまでの経路を切り替えるシフトバルブと、
セレクターレバーの操作に連動し、前記経路をオリフィスを経由して排出部に連通させるマニュアルバルブとを有し、
前記セレクターレバーが走行レンジのNレンジに操作された場合に、前記シフトバルブは前記シフトバルブ内の弁体の配置を変えて前記経路を切り替え、前記マニュアルバルブは前記経路をオリフィスを経由してNレンジへの切り替え時に該摩擦係合要素からの油圧を絞って排出する排出部に連通させるとともに、前記シフトバルブにおいて、前記経路と連通するポートに隣接するポートを開放または非係合状態にある前記摩擦係合要素に漏洩しうる油圧をその絞りを抑制して排出するポートに連通させ、前記隣接するポートから前記経路に油圧が漏洩しないようにすることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置において、
前記セレクターレバーがNレンジに操作された場合に、前記シフトバルブが前記経路に隣接する前記シフトバルブのポートを開放することができないまたは排出ポートに連通させることができないときには、前記経路を前記オリフィスを経由させずに前記排出部に連通させることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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