JP2007009984A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置のコストを低減しつつガレージ変速時の信頼性を向上させること。
【解決手段】 第1のアキュムレータ71は、ドライブ位置のときにライン圧をマニュアルバルブ21から第1の係合要素(C1)に供給する第1の油路上に配設され、第2のアキュムレータ72は、リバース位置のときにライン圧をマニュアルバルブ21から第2の係合要素(C3)に供給する第2の油路上に配設され、電子制御部4は、マニュアルバルブ21をニュートラル位置からドライブ位置に切替える第1のガレージ変速時のシフトパターンと、マニュアルバルブ21をニュートラル位置からリバース位置に切替える第2のガレージ変速時のシフトパターンと、を同じ(シフトパターン1)になるように制御する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、ガレージ変速時の信頼性を向上させることができる自動変速機の油圧制御装置に関する。
近年、自動変速機の油圧制御装置において、油圧源からの油圧を電磁弁(リニヤソレノイドバルブ)にて直接制御(直圧制御)して、摩擦係合要素の供給油圧を制御することで、円滑かつ高レスポンスな変速フィーリングが図られている。このような直圧制御型の油圧制御装置は、一般に、1つの摩擦係合要素につき1つの電磁弁が制御するように構成され、NレンジからDレンジに変速する時(ガレージ変速N→D時)とNレンジからRレンジに変速する時(ガレージ変速N→R時)とでは制御する電磁弁が異なり、ポジションセンサからの信号を検知することによってマニュアルバルブがどのレンジ(Dレンジ、Rレンジ等)にあるかを検知している。また、直圧制御型の油圧制御装置では、ポジションセンサの故障やポジションセンサの無信号部での停止等のポジションセンサの不具合を考慮して、摩擦係合要素と電磁弁の間の油路に油圧スイッチが設置され、当該油圧スイッチからの信号やポジションセンサからの信号を検知することによってマニュアルバルブがどのレンジ(Dレンジ、Rレンジ等)にあるかを検知している。このような直圧制御型の油圧制御装置によれば、装置構成がシンプルになり、制御性が向上し、バルブ本数が低減し、アキュムレータ数が低減し、バルブボディの軽量化を図ることができる。
ところが、直圧制御型の油圧制御装置では、装置全体のコスト比率における電磁弁と油圧スイッチが50%以上となり、電子部品の増加によって、むしろコストアップとなってしまう。特に、精度、応答性、耐久性を求めるあまり、電磁弁の数の増加によってコストが高くつくようになった。
そこで、安いシフトバルブおよびオンオフソレノイド(切換用)を採用することによって、コストの高い電磁弁(リニヤソレノイドバルブ)の数を減らして、コスト低減を図ったものが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置では、リニヤソレノイドバルブの通電量に応じてオイルポンプからの油圧を制御油圧に調整して出力する複数のコントロールバルブと、オンオフソレノイドバルブへの通電・非通電に応じて油圧の供給路を切替えることでコントロールバルブからの制御油圧が導入される摩擦係合要素を切替える複数のシフトバルブと、リニヤソレノイドバルブ及びオンオフソレノイドバルブへの通電を制御する電子制御部とを備え、複数の摩擦係合要素の係合・開放の組合せによって変速段を切替える自動変速機の油圧制御装置がある。このような装置において、第1摩擦係合要素(B2)と第2摩擦係合要素(C3)とが係合するとリバース段を達成し、第2摩擦係合要素(C3)と第3摩擦係合要素(C1)とが係合すると所定の前進段を達成するように、複数の摩擦係合要素が設けられている(例えば、特許文献1の図2、図3参照)。
特許文献1に記載の装置では、特許文献1の図4の表のように、NレンジからRレンジに変速する時(ガレージ変速N→R時)はシフトパターン2を用い、NレンジからDレンジに変速する時(ガレージ変速N→D時)にはシフトパターン3を用いている。また、ガレージ変速N→R時の摩擦係合要素(第3摩擦クラッチC3)にかかる油圧の制御と、ガレージ変速N→D時の摩擦係合要素(第1摩擦クラッチC1)にかかる油圧の制御は、ともに第3リニヤソレノイドバルブ(特許文献1の図5の24)を使用している。
ここで、ガレージ変速N→R時には、電子制御部(特許文献1の図2の4)は、ポジションセンサ(特許文献1の図2の45)からのポジションスイッチ信号によりマニュアルバルブ(特許文献1の図5の21)の油路がRレンジ側に切り替わったと判断し、シフトパターンを2に変えて、第3リニヤソレノイドバルブ(特許文献1の図5の24)を用いて第3摩擦クラッチC3にかかる油圧を制御することによって、自動変速機においてニュートラル段から後進段への変速を行う。
また、ガレージ変速N→D時には、電子制御部(特許文献1の図2の4)は、ポジションセンサ(特許文献1の図2の45)からのポジションスイッチ信号によりマニュアルバルブ(特許文献1の図5の21)の油路がDレンジ側に切り替わったと判断し、シフトパターンを3に変えて、第3リニヤソレノイドバルブ(特許文献1の図5の24)を用いて第1摩擦クラッチC1にかかる油圧を制御することによって、自動変速機においてニュートラル段から前進段への変速を行う。
ここで、ガレージ変速N→D時およびガレージ変速N→R時に、マニュアルバルブの油路が切り替わっているにもかかわらず、ポジションセンサの故障や、ポジションセンサの無信号部での停止等によりNレンジからRレンジになるのか、NレンジからDレンジになるのか判断がつかない状態になると、シフトパターンを、ガレージ変速N→D時のパターンにするのか、ガレージ変速N→R時のパターンにするのか判断できないため、変速が開始できない。そのため、特許文献1に記載の装置では、マニュアルバルブがDレンジ又はRレンジになっていることを検知して変速を開始できるように、マニュアルバルブがDレンジのときに油圧がかかる油路、及びRレンジのときに油圧がかかる油路の一方又は両方に油圧スイッチを設置して、当該油圧スイッチからの信号を検知することによって、電子制御部はマニュアルバルブがDレンジ又はRレンジになっていることを検知している。
特開2004−116734号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置のように油圧スイッチが増えると装置のコストがアップする。また、油圧スイッチが故障するとマニュアルバルブがDレンジ又はRレンジになっていることを検知することができなくなってしまう。
また、特許文献1に記載の装置では、ガレージ変速D→Nの場合、シフトパターンが3であり、Dレンジ及びNレンジのどちらの場合にも第2摩擦ブレーキB2が連結されているが、第3リニヤソレノイドバルブ(特許文献1の図5の24)からの供給圧が第1摩擦クラッチC1に供給されなくなり、第1摩擦クラッチC1の係合圧を制御できなくなる(特許文献1の図4参照)。そのため、第1摩擦クラッチC1の係合圧が急激に解放されたりすると、不快なショックとなってしまう。このようなショックを吸収する手段として、第3リニヤソレノイドバルブ(特許文献1の図5の24)と第1摩擦クラッチC1の間の油路にアキュムレータやオリフィスを設置することが考えられるが、走行時の変速の応答性に悪影響を与えるおそれがある。この点については、ガレージ変速D→Nの場合にも同じ問題が起こりうる。
本発明の主な課題は、装置のコストを低減しつつガレージ変速時の信頼性を向上させることである。
本発明の第1の視点においては、複数の係合要素への油圧の供給・排出の組合せによって変速段が切替えられる自動変速機の油圧制御装置であって、オイルポンプからのライン圧が導入されるとともに、シフト位置に応じて前記ライン圧の出力先を切替え可能なマニュアルバルブと、前記マニュアルバルブがドライブ位置及びリバース位置のときに前記ライン圧を導入し、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力するコントロールバルブと、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように前記コントロールバルブのバルブ本体の位置を制御するソレノイドバルブと、バルブ本体の位置に応じて前記コントロールバルブと所定の係合要素との間の油路を切替える複数のシフトバルブと、通電・非通電に応じて前記シフトバルブのバルブ本体の位置を制御する複数のオンオフソレノイドバルブと、ドライブ位置のときにライン圧を前記マニュアルバルブから第1の係合要素に供給する第1の油路上に配設された第1のアキュムレータと、リバース位置のときにライン圧を前記マニュアルバルブから第2の係合要素に供給する第2の油路上に配設された第2のアキュムレータと、前記オンオフソレノイドバルブごとの通電・非通電を規定した複数のシフトパターンを含むデータに基づいて、前記リニヤソレノイドバルブへの通電量及び前記オンオフソレノイドバルブの通電・非通電を制御する電子制御部と、を備え、前記電子制御部は、前記マニュアルバルブをニュートラル位置からドライブ位置に切替える第1のガレージ変速時のシフトパターンと、前記マニュアルバルブをニュートラル位置からリバース位置に切替える第2のガレージ変速時のシフトパターンと、を同じになるように制御することを特徴とする。
本発明の前記自動変速機の油圧制御装置において、前記第1の油路および前記第2の油路には、前記シフトバルブのいずれかが介在し、前記第1のアキュムレータは、前記第1の油路上であって前記マニュアルバルブと、該当する前記シフトバルブの間に配設され、前記第2のアキュムレータは、前記第2の油路上であって前記マニュアルバルブと、該当する前記シフトバルブの間に配設されることが好ましい。
本発明(請求項1−2)によれば、ガレージ変速時の信頼性が向上するとともに、ガレージ変速用の油圧スイッチを廃止できるので、コストメリットが大きい。また、摩擦係合要素と直結する電磁弁(リニヤソレノイドバルブ等)の数を極力低減するために、切換弁(シフトバルブ、オンオフソレノイドバルブ)を使用してコスト低減を図ることができる。
また、ガレージ変速のタイミングがずれようが、温度が変わろうが、アキュムレータにより、あるばらつき範囲で油圧勾配にて制御できるので、大きなショックや、運転者の操作方法の違いによるショックが一定範囲以内に収まり、冗長性が高くなる。つまり、車両停止からイグニッションスイッチをONにして油路上に油が満たされていない状態と走行後停止した油が満たされている状態を制御にて判断し、かつ、違う波形を指示する必要がある直圧制御と違い、ガレージ変速ではタイミングをアキュムレータ自身がある程度合わせることができる。
なお、アキュムレータは、一般的には、電磁弁(リニヤソレノイドバルブ、コントロールバルブ)にて直接制御する場合よりも精度が悪く、その制御性はアキュムレータのバネとアキューム径で定まるので、自由度は低いが、ガレージ変速に限っては、アキュムレータによりショックを吸収するほうが直圧制御よりも有利である。というのは、ガレージ変速D→N、ガレージ変速R→Nの抜きショックのこともあるが、直圧制御では、走行時の変速と違い、ガレージ変速N→D、ガレージ変速N→Rの係合側でも運転者による操作が関与することで、ガレージ変速N→Dの繰り返し操作やスロットルの操作などででも、その都度、最適な指示を出し油圧波形を作らないと制御が破綻するおそれがあり、想定したタイミングからずれることによってショックが発生してしまう。すなわち、直圧制御であっても、走行時の変速での応答性が低下しないのであれば、ガレージ変速はロバスト性が高いアキュムレータ制御がよく、ガレージ変速は、走行時変速と違い、エンジン特性にはあまり依存しないため、ある程度チューニングさえしてしまえば、細かく電磁弁(リニヤソレノイドバルブ、コントロールバルブ)で制御する必要はないからである。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の全体構成を示した概略図である。自動変速機の油圧制御装置は、自動変速機1と、油圧制御部3と、電子制御部4と、を備える。自動変速機1は、エンジン2の出力軸(図示せず)に接続されている。油圧制御部3は、自動変速機1の内部に組み込まれた油圧駆動式の摩擦係合要素(図5のC1、C2、C3、B1、B2、LU)への油圧を供給制御する。電子制御部4は、油圧制御部3内に備えられたソレノイド(図5の22〜24、35〜37)を駆動制御する。
電子制御部4は、マイクロコンピュータを備えており、エンジン回転数センサ(Neセンサ)41、入力軸回転数センサ(Ntセンサ)42、出力軸回転数センサ(Noセンサ)43、開度センサ(θセンサ)44、及びポジションセンサ45のそれぞれと接続されている。エンジン回転数センサ(Neセンサ)41は、エンジン2の出力軸(図示せず)の回転数Neを検出する。入力軸回転数センサ(Ntセンサ)42は、自動変速機1の入力軸(図2の11)の回転数Nt(タービン回転数)を検出する。出力軸回転数センサ(Noセンサ)43は、自動変速機1の出力軸(図2の12)の回転数(当該車両の車速に相当する)Noを検出する。開度センサ(θセンサ)44は、エンジン2のスロットル開度(エンジン負荷に相当する)θを検出する。ポジションセンサ45は、運転者の操作によるセレクターレバー(図示せず)のポジション(走行レンジ)を検出する。電子制御部4は、センサ41〜45の出力データ又は信号、シフトパターンを含むデータに基づいて、リニヤソレノイドバルブ(図5の22〜24)、オンオフソレノイドバルブ(図5の35〜37)への通電を制御する。これにより、シフトパターン(図4参照)のいずれかが選択されて、当該シフトパターンで選択可能な所要の変速段(図3参照)を達成する。
図2は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機のスケルトン図である。自動変速機(図1の1)は、トルクコンバータ10と、入力軸11と、出力軸12と、第1列ダブルピニオンプラネタリギヤG1と、第2列シングルピニオンプラネタリギヤG2と、第3列シングルピニオンプラネタリギヤG3と、を備える。トルクコンバータ10は、エンジン(図1の2)の出力軸(図示せず)に連結されている。また、トルクコンバータ10は、流体の滑りによる動力伝達ロスを避けるため、その入力側のポンプインペラ10bと出力側のタービンランナ10aとを両者の回転差が小さいときに直結して動力を伝達するロックアップクラッチLUを備えている。入力軸11は、トルクコンバータ10の出力軸である。出力軸12は、差動装置(図示せず)を介して車軸(図示せず)に連結される。第1列ダブルピニオンプラネタリギヤG1、第2列シングルピニオンプラネタリギヤG2、及び第3列のシングルピニオンプラネタリギヤG3は、入力軸11と連結されている。自動変速機(図1の1)には、複数(6つ)の摩擦係合要素として、第1摩擦クラッチC1と、第2摩擦クラッチC2と、第3摩擦クラッチC3と、第1摩擦ブレーキB1と、第2摩擦ブレーキB2と、ロックアップクラッチLUと、が組み込まれている。自動変速機(図1の1)は、油圧制御部(図1の3)及び電子制御部(図1の4)により、第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合が選択されることでその変速段及びシフトパターンが切替えられるようになっている。ロックアップクラッチLUは、油圧制御部(図1の3)及び電子制御部(図1の4)の制御により、前進段であってポンプインペラ10bとタービンランナ10aとの回転差が小さいときに係合する。なお、第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2、並びにロックアップクラッチLUは、それぞれ油圧制御部3により高圧に設定されることで係合状態とされ、低圧に設定されることで非係合状態とされる。
図3は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機の第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合と、その対応する変速段との関係を示す一覧図である。自動変速機(図1の1)は、リバースと、ニュートラルと、1速から4速のアンダードライブと、5速及び6速のオーバードライブとを有する前進6段後進1段の変速段を達成可能な変速機である。すなわち、第3摩擦クラッチC3及び第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると、入力軸(図2の11)に対して出力軸(図2の12)の回転を逆転させて車両をリバース走行させるようになっている。また、第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると、ニュートラルとなる。また、第1摩擦クラッチC1及び第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると1速になる。第1摩擦クラッチC1及び第1摩擦ブレーキB1のみが係合されると2速になる。第1及び第3摩擦クラッチC1、C3のみが係合されると3速になる。第1及び第2摩擦クラッチC1、C2のみが係合されると4速になる。第2及び第3摩擦クラッチC2、C3のみが係合されると5速になる。第2摩擦クラッチC2及び第1摩擦ブレーキB1のみが係合されると6速になる。なお、図3において、運転者による手動レバー(図示せず)の操作によって選択される走行レンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)と変速段との基本的な関係についても併せ示している。
次に、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における油圧制御部の構成及びその制御態様について図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における油圧制御部の制御状態に応じて設定される各種走行レンジでのシフトパターンとの関係を示す一覧図である。図5〜図7は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における油圧制御部の構成を模式的に示した部分油圧回路図である。
図5〜図7に示されるように、この油圧制御部(図1の3)は、オイルポンプ(図示せず)からの吐出圧に基づいて生成したライン圧PLを導入している。また、この油圧制御部(図1の3)は、非係合状態にある第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2からの油圧を低圧DLに設定された油圧回路(予圧回路)へと排出している。この低圧DLは、非係合状態にある第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2に空気が入らないように、大気圧EXよりも高く、かつ、係合させるまでに至らない圧力に設定されている。
従って、係合状態にあった第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2は、この低圧DLの予圧回路に連通することでその油圧を排出する。この油圧制御部(図1の3)は、マニュアルバルブ21と、ライン圧PLを利用して通電電流に応じた調整圧をそれぞれ出力する第1リニヤソレノイドバルブ22、第2リニヤソレノイドバルブ23及び第3リニヤソレノイドバルブ24と、第1コントロールバルブ25、第2コントロールバルブ26、発進コントロールバルブ27及びLU(ロックアップ)コントロールバルブ28と、第1シフトバルブ31、第2シフトバルブ32、第3シフトバルブ33及び第4シフトバルブ34と、通電・非通電の切替えに応じて各シフトバルブ31〜34の作動状態を切替える3つのオンオフソレノイドバルブ35、36、37と、マニュアルバルブ21と第3シフトバルブ33との間に設けられて両バルブ間の油路の遮断・連通を切替えるフェールバルブ60とを備えている。各コントロールバルブ25〜28及び各シフトバルブ31〜34には、バルブ本体を図面の上側に付勢するコイルスプリング(図示せず)がそれぞれ配設されている。また、フェールバルブ60にも、バルブ本体64を図面の上側に付勢するコイルスプリング(図示せず)が配設されている。
マニュアルバルブ21は、手動レバー(マニュアルレバー;図示せず)の操作によって選択される走行レンジに連動した油圧回路の切替えを行う。すなわち、マニュアルバルブ21は、手動レバー(図示せず)の操作に連動してケーシング51内を摺動するバルブ本体52を備えている。そして、マニュアルバルブ21は、ライン圧PLを導入する第1ポート51a、ケーシング51内の油圧を低圧DLの予圧回路へと排出する排出部及び排出経路を構成する第2ポート51b、第3ポート51c、第4ポート51d及び第9ポート51k、第1チェックボール(逆止弁)53の一側及び他側(自由流の上流側及び下流側)にそれぞれ接続された第5ポート51e及び第6ポート51f、第3シフトバルブ33に接続された第7ポート51g、フェールバルブ60にそれぞれ接続された第11ポート51i及び第12ポート51j、第1シフトバルブ31に接続された第10ポート51l並びに第1シフトバルブ31に一側が接続された第2チェックボール55の他側(自由流の上流側)に接続された第8ポート51hを有している。第5ポート51eは、バルブ本体52がDレンジのときに第1ポート51aに供給されたライン圧(D圧)を出力する(図6参照)。第8ポート51hは、バルブ本体52がRレンジのときに第1ポート51aに供給されたライン圧(R圧)を出力する(図7参照)。なお、実施形態1では、第1チェックボール53の一側及び他側をバイパスする油路が設けられており、この油路には第1オリフィス54が設けられている。また、第2チェックボール55の一側及び他側をバイパスする油路が設けられており、この油路には第2オリフィス56が設けられている。これら第1及び第2オリフィス54、56による絞り量は、後述の態様で係合状態にあった摩擦係合要素からの急激な油圧の排出を抑制するように設定されている。一方、第2〜第4ポート51b〜51dにはオリフィスが設けられておらず、例えば漏洩した油圧(高圧)を迅速に排出しうるようになっている。
第1コントロールバルブ25は、第1リニヤソレノイドバルブ22から出力される調整圧を導入するとともに、導入した調整圧に応じてライン圧PLから制御油圧を生成してこれを出力する。第2コントロールバルブ26は、第2リニヤソレノイドバルブ23から出力される調整圧を導入するとともに、導入した調整圧に応じてライン圧PLから制御油圧を生成してこれを出力する。発進コントロールバルブ27及びLUコントロールバルブ28は、第3リニヤソレノイドバルブ24から出力される調整圧を互いに選択的に導入するとともに、導入した調整圧に応じてライン圧PLから制御油圧を生成してこれを出力する。
なお、発進コントロールバルブ27は、特に発進時(後進若しくは1速)において制御油圧を出力するためのものである。一方、LUコントロールバルブ28は、特に出力軸12の高速回転時(実施形態1では3速〜6速)においてトルクコンバータ10のロックアップピストンLU(図示せず)に対して制御油圧を出力するためのものである。従って、これら発進コントロールバルブ27及びLUコントロールバルブ28は同時に使用されることがないため、第4シフトバルブ34により切替えられて共通の第3リニヤソレノイドバルブ24により選択的に制御油圧を出力するようになっている。
第1〜第4シフトバルブ31〜34は、ライン圧PL若しくは第1及び第2コントロールバルブ25、26、発進コントロールバルブ27、LUコントロールバルブ28から出力された制御油圧を導入する。また、これとともに供給される油圧に応じた作動状態に応じて第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2へのライン圧PL若しくは同制御油圧の供給を切替える。
オンオフソレノイドバルブ35、36は、通電電流に応じて第1及び第2シフトバルブ31、32に供給される油圧を切替えてその作動状態をそれぞれ切替える。また、オンオフソレノイドバルブ37は、通電電流に応じて第3及び第4シフトバルブ33、34に供給される油圧を切替えてその作動状態を同時に切替える。
ここで、第1、第3リニヤソレノイドバルブ22、24は、非通電状態において零となる調整圧を、対応する第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28にそれぞれ出力するようになっている。また、第1、第3リニヤソレノイドバルブ22、24は、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて大きくなる調整圧を、対応する第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28にそれぞれ出力するようになっている。そして、第1、第3リニヤソレノイドバルブ22、24は、通電電流が零となるときに調整圧が第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28にそれぞれ供給されないようになっている。また、第2リニヤソレノイドバルブ23は、非通電状態において最大値となる調整圧を、対応する第2コントロールバルブ26に出力し、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて小さくなる調整圧を、対応する第2コントロールバルブ26に出力するようになっている。すなわち、第2リニヤソレノイドバルブ23は、通電電流が最大値となるときに調整圧が第2コントロールバルブ26に供給されないようになっている。
そして、第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27或いはLUコントロールバルブ28は、それぞれ第1、第3リニヤソレノイドバルブ22、24により非通電状態において零となる制御油圧を生成し、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて大きくなる制御油圧を生成するようになっている。また、第2コントロールバルブ26は、第2リニヤソレノイドバルブ23が非通電状態において最大値となる制御油圧を生成し、通電状態においては通電電流が大きくなるにつれて小さくなる制御油圧を生成するようになっている。そして、第1コントロールバルブ25、発進コントロールバルブ27、LUコントロールバルブ28は、それぞれ第1、第3リニヤソレノイドバルブ22、24の通電電流が零となるときに実質的に零となる制御油圧を生成するようになっている。また、第2コントロールバルブ26は、第2リニヤソレノイドバルブ23の通電電流が最大値となるときに実質的に零となる制御油圧を生成するようになっている。
また、オンオフソレノイドバルブ35〜37は、それぞれ通電状態で油圧を第1〜第4シフトバルブ31〜34に供給し、非通電状態で油圧を第1及び第2シフトバルブ31〜34に供給しない常閉弁である。第1〜第4シフトバルブ31〜34は、それぞれオンオフソレノイドバルブ35〜37から油圧が供給されることで、第1作動状態(図5〜図7において、弁体が下側に配置される状態)に設定され、同油圧の供給が停止されることで第2作動状態(図5〜図7において、弁体が上側に配置される状態)に設定されるようになっている。
フェールバルブ60は、油圧室63に供給される油圧に応じてシリンダ62内を摺動するバルブ本体64を備えている。そして、マニュアルバルブ21の第11ポート51iと連通する第1ポート62a、マニュアルバルブ21の第12ポート51jと連通する第2ポート62b、第3シフトバルブ33に接続された第3ポート62c、マニュアルバルブ21の第8ポート51hに接続され且つ油圧室63と連通する第4ポート62d、並びにシリンダ62内の油圧を低圧DLの予圧回路へと排出する第5ポート62eとを有している。なお、油圧室63に油圧が供給されていないときには、コイルスプリング(図示せず)の付勢力によってバルブ本体64は図面上側に位置している。
第1アキュムレータ71は、ガレージ変速N→D時の第1摩擦クラッチC1の油圧ショックを緩和するためのものであり、シフトパターン1のときにマニュアルバルブ21の第6ポート51fから第1摩擦クラッチC1に通ずる油路(ここでは第1シフトバルブ31とマニュアルバルブ21の間の油路)に配設されている。第2アキュムレータ72は、ガレージ変速N→R時の第3摩擦クラッチC3の油圧ショックを緩和するためのものであり、シフトパターン1のときにマニュアルバルブ21の第8ポート51hから第3摩擦クラッチC3に通ずる油路(ここでは第2シフトバルブ32とマニュアルバルブ21の間の油路)に配設されている。
次に、この油圧制御部(図1の3)の制御状態に応じて設定されるシフトパターンとの関係について図4を併せ参照して説明する。なお、図4に示されるように、実施形態1では変速段の切替えのためのシフトパターンを1〜8の8通り有している。すなわち、オンオフソレノイドバルブ(図5の35〜37)の通電・非通電状態(第1〜第4シフトバルブ31〜34の作動状態)の各組み合わせによって8通りのシフトパターンを達成している。そして、図5〜7は、図4におけるシフトパターン1に対応する油圧制御部(図1の3)の制御状態を表している。
なお、図4において、「○」印は第1リニヤソレノイドバルブ(図5の22)により制御可能な摩擦係合要素を表しており、「△」印は第2リニヤソレノイドバルブ(図5の23)により制御可能な摩擦係合要素を表しており、「□」印は第3リニヤソレノイドバルブ(図5の24)により制御可能な摩擦係合要素を表している。換言すると、「○」印は第1コントロールバルブ(図5の25)からの制御油圧を供給可能な摩擦係合要素を表しており、「△」印は第2コントロールバルブ(図5の26)からの制御油圧を供給可能な摩擦係合要素を表しており、「□」印は発進コントロールバルブ(図5の27)からの制御油圧を供給可能な摩擦係合要素を表している。特に、欄内の右上に付された「*」印は、各種バルブの隣接するポートからの油圧(高圧)が漏洩しうる非係合状態にある摩擦係合要素を表している。また、オンオフソレノイドバルブの欄におけるS1はオンオフソレノイドバルブ(図5の35)を表しており、S2はオンオフソレノイドバルブ(図5の36)を表しており、S3はオンオフソレノイドバルブ(図5の37)を表している。
図5を参照して走行レンジがNレンジでシフトパターン1の状態を説明する。この状態においては、オンオフソレノイドバルブ35及び37が通電状態となって第1シフトバルブ31、第3シフトバルブ33及び第4シフトバルブ34が第1作動状態とされ、オンオフソレノイドバルブ36のみが非通電状態となって第2シフトバルブ32が第2作動状態とされる。このとき、第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されており、第2コントロールバルブ26からの制御油圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給可能となっている。従って、第2摩擦ブレーキB2に供給される第2コントロールバルブ26からの制御油圧を高圧にすることで、第2摩擦ブレーキB2を係合するように立ち上げている。
ここで、マニュアルバルブ21がニュートラル位置にあるときには、ケーシング51の第1ポート51aと第5ポート51e、ケーシング51の第1ポート51aと第10ポート51lがそれぞれ遮断されており、第2コントロールバルブ26以外のコントロールバルブにはライン圧PLが供給されないような構造となっている。また、第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第1オリフィス54、及びケーシング51の第5ポート51eを介して第3ポート51cと連通しているため、低圧DLとなっている。また、第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、及びケーシング51の第8ポート51hを介して第2ポート51bと連通しているため、低圧DLとなっている。さらに、この状態ではフェールバルブ60の第4ポート62dがケーシング51の第8ポート51hを介して第2ポート51bと連通しているため、フェールバルブ60の油圧室63はマニュアルバルブの低圧DLとなっている。そのため、油圧室63には油圧が供給されずにフェールバルブ60は図5に示す第1位置となっており、フェールバルブ60の第2ポート62bはバルブ本体64によって遮断されることで、第2コントロールバルブ26からフェールバルブ60内への制御油圧の供給が遮断される。したがって、図5に示す状態では第1摩擦クラッチC1、第3摩擦クラッチC3を係合させるだけの油圧が第1摩擦クラッチC1、第3摩擦クラッチC3に供給されることがなく、第1アキュムレータ71、第2アキュムレータ72にもライン圧が供給されることがない。なお、第1摩擦クラッチC1と第5ポート51eの間の油路における第1シフトバルブ31では、バルブ本体の周囲を迂回するケーシングの迂回路を通じて第1摩擦クラッチC1と第5ポート51eが連通している。
図5および図6を参照して、ガレージ変速N→D時の状態を説明する。図5のニュートラル状態から車両をドライブ走行するべく、手動レバーが操作されてマニュアルバルブ21がドライブ位置に移動されると、各バルブは図6に示す状態になる。つまり、ガレージ変速N→D時では、第1オンオフソレノイドバルブ(S1)を通電、第2オンオフソレノイドバルブ(S2)を非通電、および第3オンオフソレノイドバルブ(S3)を通電(第1、第3、第4シフトバルブ31、33、34を第1作動状態、第2シフトバルブ32を第2作動状態)としたシフトパターン1のままである。このとき、マニュアルバルブ21および第2コントロールバルブ26にライン圧PLが導入されている。第2コントロールバルブ26からの制御油圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給された状態のままであり、第2摩擦ブレーキB2は係合状態のままである。マニュアルバルブ21では、第1ポート51aからライン圧PLが導入され第5ポート51eからライン圧(D圧)が出力される。第5ポート51eから出力されたライン圧は、第1チェックボール53および第1オリフィス54を介して第1アキュムレータ71に流れ、アキュムレータ効果を生み出し、第1シフトバルブ31および第2シフトバルブ32を介して第1摩擦クラッチC1に供給され、第1摩擦クラッチC1は非係合状態から係合状態となる。なお、第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、及びケーシング51の第8ポート51hを介して第2ポート51bと連通しているため、低圧DLのままであり、非係合状態のままである。また、第1摩擦クラッチC1と第5ポート51eの間の油路における第1シフトバルブ31では、バルブ本体の周囲を迂回するケーシングの迂回路を通じて第1摩擦クラッチC1と第5ポート51eが連通している。さらに、第1のアキュムレータの背圧は、スロットル用リニヤソレノイド等にて可変してもよいものとする。
図5および図6を参照して、ガレージ変速D→N時の状態を説明する。図6のドライブ状態からニュートラル状態にするべく、手動レバーが操作されてマニュアルバルブ21がドライブ位置からニュートラル位置に移動されると、各バルブは図5に示す状態になる。つまり、ガレージ変速N→D時では、第1オンオフソレノイドバルブ(S1)を通電、第2オンオフソレノイドバルブ(S2)を非通電、および第3オンオフソレノイドバルブ(S3)を通電(第1、第3、第4シフトバルブ31、33、34を第1作動状態、第2シフトバルブ32を第2作動状態)としたシフトパターン1のままである。このとき、第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されている。第2コントロールバルブ26からの制御油圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給された状態のままであり、第2摩擦ブレーキB2は係合状態のままである。第1摩擦クラッチC1にかかっていたライン圧は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、第1アキュムレータ71、第1オリフィス54、第5ポート51e、および第3ポート51cを介して、第1アキュムレータ71を戻しつつ、排出され、第1摩擦クラッチC1は係合状態から非係合状態となる。なお、第3摩擦クラッチC3は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、及びケーシング51の第8ポート51hを介して第2ポート51bと連通しているため、低圧DLのままであり、非係合状態のままである。
図5および図7を参照して、ガレージ変速N→R時の状態を説明する。図5のニュートラル状態から車両をリバース走行するべく、手動レバーが操作されてマニュアルバルブ21がリバース位置に移動されると、各バルブは図7に示す状態になる。つまり、ガレージ変速N→D時では、第1オンオフソレノイドバルブ(S1)を通電、第2オンオフソレノイドバルブ(S2)を非通電、および第3オンオフソレノイドバルブ(S3)を通電(第1、第3、第4シフトバルブ31、33、34を第1作動状態、第2シフトバルブ32を第2作動状態)としたシフトパターン1のままである。このとき、マニュアルバルブ21および第2コントロールバルブ26にライン圧PLが導入されている。第2コントロールバルブ26からの制御油圧は第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給された状態のままであり、第2摩擦ブレーキB2は係合状態のままである。マニュアルバルブ21では、第1ポート51aからライン圧PLが導入され第8ポート51hからライン圧(R圧)が出力される。第8ポート51hから出力されたライン圧は、第2アキュムレータ72に流れ、アキュムレータ効果を生み出し、第2シフトバルブ32および第3シフトバルブ33を介して第3摩擦クラッチC3に供給され、第3摩擦クラッチC3は非係合状態から係合状態となる。なお、第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、及びケーシング51の第5ポート51eを介して第3ポート51cと連通しているため、低圧DLのままであり、非係合状態のままである。また、第1摩擦クラッチC1と第5ポート51eの間の油路における第1シフトバルブ31では、バルブ本体の周囲を迂回するケーシングの迂回路を通じて第1摩擦クラッチC1と第5ポート51eが連通している。さらに、第1のアキュムレータの背圧は、スロットル用リニヤソレノイド等にて可変してもよいものとする。
図5および図7を参照して、ガレージ変速R→N時の状態を説明する。図7のリバース状態からニュートラル状態にするべく、手動レバーが操作されてマニュアルバルブ21がリバース位置からニュートラル位置に移動されると、各バルブは図5に示す状態になる。つまり、ガレージ変速N→D時では、第1オンオフソレノイドバルブ(S1)を通電、第2オンオフソレノイドバルブ(S2)を非通電、および第3オンオフソレノイドバルブ(S3)を通電(第1、第3、第4シフトバルブ31、33、34を第1作動状態、第2シフトバルブ32を第2作動状態)としたシフトパターン1のままである。このとき、第2コントロールバルブ26にのみライン圧PLが導入されている。第2コントロールバルブ26からの制御油圧は、第3シフトバルブ33を介して第2摩擦ブレーキB2に供給された状態のままであり、第2摩擦ブレーキB2は係合状態のままである。第3摩擦クラッチC3にかかっていたライン圧は、第3シフトバルブ33、第2シフトバルブ32、第2アキュムレータ72、第8ポート51h、および第2ポート51bを介して、第2アキュムレータ72を戻しつつ、排出され、第3摩擦クラッチC3は係合状態から非係合状態になる。なお、第1摩擦クラッチC1は、第2シフトバルブ32、第1シフトバルブ31、及びケーシング51の第5ポート51eを介して第3ポート51cと連通しているため、低圧DLのままであり、非係合状態のままである。
なお、実施形態1では、リニヤソレノイドバルブとコントロールバルブが別体となっているが、それらが一体となったコントロールバルブユニットを用いてもよいものとする。
実施形態1によれば、ガレージ変速の際、N→DかN→Rかを、電子制御部にて油圧スイッチ等の検出手段の信号を用いてシフトパターンを判断しなくても変速を開始することができるようになるため、油圧スイッチの数量を低減させることで、装置のコストを低減させることができる。また、ポジションセンサの故障、電子制御部のシフトパターンの判断の応答遅れ等による不具合を防止できるので、ガレージ変速時の信頼性を向上できる。
なお、実施形態1では、ガレージ変速においてシフトパターン1を用いているが、アキュムレータよりリニヤソレノイドで制御したい場合は、シフトパターン3、2を使えばよいし、シフトパターン3、2の油路上にアキュムレータがなくてよいのでより応答性は向上する。
本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の全体構成を示した概略図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機のスケルトン図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機の第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合と、その対応する変速段との関係を示す一覧図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における油圧制御部の制御状態に応じて設定される各種走行レンジでのシフトパターンとの関係を示す一覧図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置におけるNレンジ時のシフトパターン1の制御状態にある油圧制御部の構成を模式的に示した部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置におけるDレンジ時のシフトパターン1の制御状態にある油圧制御部の構成を模式的に示した部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置におけるRレンジ時のシフトパターン1の制御状態にある油圧制御部の構成を模式的に示した部分油圧回路図である。
符号の説明
1 自動変速機
2 エンジン
3 油圧制御部
4 電子制御部
10 トルクコンバータ
10a タービンランナ
10b ポンプインペラ
11 入力軸
12 出力軸
21 マニュアルバルブ
22 第1リニヤソレノイドバルブ
23 第2リニヤソレノイドバルブ
24 第3リニヤソレノイドバルブ
25 第1コントロールバルブ
26 第2コントロールバルブ
27 発進コントロールバルブ
28 LU(ロックアップ)コントロールバルブ
31 第1シフトバルブ
32 第2シフトバルブ
33 第3シフトバルブ
34 第4シフトバルブ
35、36、37 オンオフソレノイドバルブ
41 エンジン回転数センサ(Neセンサ)
42 入力軸回転数センサ(Ntセンサ)
43 出力軸回転数センサ(Noセンサ)
44 開度センサ(θセンサ)
45 ポジションセンサ
51 ケーシング
51a 第1ポート
51b 第2ポート
51c 第3ポート
51d 第4ポート
51e 第5ポート
51f 第6ポート
51g 第7ポート
51h 第8ポート
51i 第11ポート
51j 第12ポート
51k 第9ポート
51l 第10ポート
52 バルブ本体
53 第1チェックボール(逆止弁)
54 第1オリフィス
55 第2チェックボール
56 第2オリフィス
60 フェールバルブ
62 シリンダ
62a 第1ポート
62b 第2ポート
62c 第3ポート
62d 第4ポート
62e 第5ポート
63 油圧室
64 バルブ本体
71 第1アキュムレータ
72 第2アキュムレータ

Claims (2)

  1. 複数の係合要素への油圧の供給・排出の組合せによって変速段が切替えられる自動変速機の油圧制御装置であって、
    オイルポンプからのライン圧が導入されるとともに、シフト位置に応じて前記ライン圧の出力先を切替え可能なマニュアルバルブ(21)と、
    前記マニュアルバルブがドライブ位置及びリバース位置のときに前記ライン圧を導入し、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力するコントロールバルブ(24)と、
    非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように前記コントロールバルブのバルブ本体の位置を制御するソレノイドバルブ(24)と、
    バルブ本体の位置に応じて前記コントロールバルブと所定の係合要素との間の油路を切替える複数のシフトバルブ(31〜34)と、
    通電・非通電に応じて前記シフトバルブのバルブ本体の位置を制御する複数のオンオフソレノイドバルブ(35〜37)と、
    ドライブ位置のときにライン圧を前記マニュアルバルブから第1の係合要素(C1)に供給する第1の油路上に配設された第1のアキュムレータ(71)と、
    リバース位置のときにライン圧を前記マニュアルバルブから第2の係合要素(C3)に供給する第2の油路上に配設された第2のアキュムレータ(72)と、
    前記オンオフソレノイドバルブごとの通電・非通電を規定した複数のシフトパターンを含むデータに基づいて、前記リニヤソレノイドバルブへの通電量及び前記オンオフソレノイドバルブの通電・非通電を制御する電子制御部(4)と、
    を備え、
    前記電子制御部(4)は、前記マニュアルバルブをニュートラル位置からドライブ位置に切替える第1のガレージ変速時のシフトパターンと、前記マニュアルバルブをニュートラル位置からリバース位置に切替える第2のガレージ変速時のシフトパターンと、を同じになるように制御することを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第1の油路および前記第2の油路には、前記シフトバルブのいずれかが介在し、
    前記第1のアキュムレータ(71)は、前記第1の油路上であって前記マニュアルバルブと、該当する前記シフトバルブの間に配設され、
    前記第2のアキュムレータ(72)は、前記第2の油路上であって前記マニュアルバルブと、該当する前記シフトバルブの間に配設されたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
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