JP3915319B2 - ポリエチレン系多層積層容器 - Google Patents

ポリエチレン系多層積層容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(以下、EVOHという場合もある)層またはナイロン樹脂層が積層されたポリエチレン系多層積層容器、特に内容量が10 literを超える大型容器として好適に利用することができるポリエチレン系多層積層容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
EVOHやナイロンをバリヤー樹脂としてポリエチレン樹脂と組み合せて共押出成形し、大型容器、例えばケミカルボトルやガソリンタンクなどを製造する技術は広く知られている。その際、EVOHやナイロンはポリエチレン樹脂と共押出成形において接着しないので、通常ポリエチレン樹脂をマレイン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸無水物でグラフト変性された樹脂を用いて接着している。しかしながら、大型ボトル、特に10 liter以上の大型ボトルには特に高い耐衝撃性が求められる。特に低温での耐衝撃性が重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、剛性および耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性に優れるとともに、ガソリンや有機溶剤に膨潤しても十分な接着力および機械強度を有し、かつ膨潤と乾燥とのサイクルを経ても接着力低下がなく、しかも大型プラスチック容器として利用することができるポリエチレン系多層積層容器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のポリエチレン系多層積層容器である。
(1)ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜0.5g/10分、密度が0.945〜0.980g/cm3のポリエチレン樹脂(a)を含む基層(A)と、
メタロセン系触媒の存在下にエチレン94〜99モル%と炭素数6〜20のα−オレフィン1〜6モル%とを共重合させることによって製造されるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)をエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)でグラフト変性した変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を含む接着樹脂層(B)と、
エチレン含量が20〜40モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)を含むバリヤー層(C)と、
容器のバリ部分を回収したリグラインド層(D)と
が少なくとも積層された層以上の多層積層体からなる容器であって、
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)が下記〔1〕〜〔5〕の特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体である
ポリエチレン系多層積層容器。
〔1〕ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜4g/10分
〔2〕密度が0.910〜0.940g/cm
〔3〕25℃におけるn−デカン可溶成分量〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(1)
W < 80 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1 …(1)
で示される関係を満たす
〔4〕示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度〔Tm(℃)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(2)
Tm < 400 × d − 248 …(2)
で示される関係を満たす
〔5〕ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
(2)ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜0.5g/10分、密度が0.945〜0.980g/cmのポリエチレン樹脂(a)を含む基層(A)と、
メタロセン系触媒の存在下にエチレン94〜99モル%と炭素数6〜20のα−オレフィン1〜6モル%とを共重合させることによって製造されるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)をエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)でグラフト変性した変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を含む接着樹脂層(B)と、
エチレン含量が20〜40モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)を含むバリヤー層(C)と、
容器のバリ部分を回収したリグラインド層(D)と
が少なくとも積層された層以上の多層積層体からなる容器であって、
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)が下記〔1〕〜〔7〕の特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体である
ポリエチレン系多層積層容器。
〔1〕ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜4g/10分
〔2〕密度が0.910〜0.940g/cm
〔3〕25℃におけるn−デカン可溶成分量〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(1)
W < 80 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1 …(1)
で示される関係を満たす
〔4〕示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度〔Tm(℃)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(2)
Tm < 400 × d − 248 …(2)
で示される関係を満たす
〔5〕ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
〔6〕溶融重合体の190℃におけるずり応力が2.4×10dyne/cmに到達するときのずり速度で示される流動性インデックス〔FI(1/秒)〕と、ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕とが、式(3)
FI > 75 × MFR …(3)
で示される関係を満たす
〔7〕190℃における溶融張力〔MT(g)〕とASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕とが、式(4)
MT > 2.2 × MFR−0.84 …(4)
で示される関係を満たす
(3)変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)はグラフト量が0.01〜10重量%の変性エチレン・α−オレフィン共重合体である上記(1)または(2)記載のポリエチレン系多層積層容器。
【0005】
《基層(A)》
本発明において基層(A)の原料として用いられるポリエチレン樹脂(a)は、ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜0.5g/10分、好ましくは0.01〜0.2g/10分、密度が0.945〜0.980g/cm3、好ましくは0.945〜0.970g/cm3のポリエチレン樹脂であり、上記物性を有するポリエチレンが制限なく使用できる。ポリエチレン樹脂(a)としては、高分子量の高密度ポリエチレンが好ましい。上記MFRおよび密度を有するポリエチレン樹脂(a)を使用することにより、剛性および耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性に優れた容器を得ることができる。
【0006】
ポリエチレン樹脂(a)はエチレンの単独重合体であっても、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体であってもよい。後者の場合、α−オレフィンから導かれる構造単位は5モル%以下、好ましくは2モル%以下であるのが望ましい。上記α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜10のα−オレフィンがあげられる。
【0007】
ポリエチレン樹脂(a)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)が20以上のものが好ましい。このようなポリエチレン樹脂(a)を使用した場合、ポリエチレン系多層積層容器を成形する際の成形性に優れ、また得られるポリエチレン系多層積層容器はより耐衝撃性に優れている。
【0008】
ポリエチレン樹脂(a)は、公知のフィリップスタイプ触媒(クロム系)、チーグラータイプ触媒(チタン系)、またはメタロセン系触媒を用いて公知の方法により製造することができる。
【0009】
ポリエチレン樹脂(a)としては市販品を使用することもできる。具体的には、三井化学(株)製ハイゼックス8200B(商標)などを使用することができる。
【0010】
ポリエチレン樹脂(a)には公知の添加剤、例えば酸化防止剤等が含有されていてもよい。またポリエチレン系多層積層容器を成形する際に、ポリエチレン樹脂(a)に酸化防止剤等の添加剤を添加することもできる。
【0011】
《接着樹脂層(B)》
本発明において接着樹脂層(B)の原料として用いられる変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)をエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)でグラフト変性した変性エチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0012】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)(以下変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)という場合がある)は、下記〔1〕〜〔5〕のすべての物性を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0013】
〔1〕ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜4g/10分、好ましくは0.5〜4g/10分である。
MFRが上記好ましい範囲にある場合、ポリエチレン樹脂(a)、およびエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)との共押出成形性に優れている。
【0014】
〔2〕密度が0.910〜0.940g/cm、好ましくは0.915〜0.935g/cmである。
密度が上記好ましい範囲にある場合、ガソリン膨潤後の物性変化量が小さく、また落下強度に優れている。
【0015】
〔3〕25℃25℃におけるn−デカン可溶成分量〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm3)〕とが、式(1)
W < 80 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1 …(1)
好ましくは、式(1’)
W < 60 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1 …(1’)
で示される関係を満たす。
n−デカン可溶成分量と密度とが上記好ましい式(1’)の関係を満たす場合、後述するリグラインド層(D)が積層されていても、膨潤と乾燥のサイクルを繰り返した際のリグラインド層(D)を構成するポリマー成分の溶出量が小さく、物性保持性に優れている。
【0016】
25℃におけるn−デカン可溶成分量は、共重合体約3gをn−デカン450mlに加え、145℃で溶解した後、25℃まで冷却し、ろ過によりn−デカン不溶部を除き、ろ液よりn−デカン可溶部を回収して求めることができる。
【0017】
〔4〕示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度〔Tm(℃)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(2)
Tm < 400 × d − 248 …(2)
好ましくは、式(2’)
Tm < 400 × d − 250 …(2’)
で示される関係を満たす。
Tmと密度とが上記好ましい式(2’)の関係を満たす場合、後述するリグラインド層(D)が積層されていても、膨潤と乾燥のサイクルを繰り返した際のリグラインド層(D)を構成するポリマー成分の溶出量が小さく、物性保持性に優れている。
【0018】
示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度は、試料約5mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、20℃/分で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求められる。測定はパーキンエルマー社製DSC−7型装置などを用いて行うことができる。
【0019】
〔5〕ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)装置を用いて5%ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール(BHT)を溶解したo−ジクロルベンゼンを溶離剤(eluent)として、カラム温度140℃、サンプル濃度0.1%(weight/volume)で測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4、好ましくは1.5〜3.5である。
分子量分布が上記好ましい範囲にある場合、後述するリグラインド層(D)が積層されていても、膨潤と乾燥のサイクルを繰り返した際のリグラインド層(D)を構成するポリマー成分の溶出量が小さく、物性保持性に優れている。
【0020】
変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)は、前記〔1〕〜〔5〕の物性に加えて、下記〔6〕および〔7〕の物性を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。〔6〕および〔7〕の物性を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、大型ブロー成形機での成形性に優れている。
【0021】
〔6〕溶融重合体の190℃におけるずり応力が2.4×10dyne/cmに到達するときのずり速度で示される流動性インデックス〔FI(1/秒)〕と、ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕とが、式(3)
FI > 75 × MFR …(3)
好ましくは、式(3’)
FI > 80 × MFR …(3’)
で示される関係を満たす。
FIとMFRとが上記好ましい式(3’)の関係を満たす場合、大型ブロー成形機での成形性に優れている。
【0022】
流動性インデックスは、ずり速度を変えながら樹脂をキャピラリーから押し出し、その時の応力を測定することにより決定される。すなわち、溶融張力(MT)測定と同じ試料を用い、流れ特性試験機により樹脂温度190℃において、ずり応力の範囲が5×104〜3×106dyne/cm2程度で測定される。流れ特性試験機としては東洋精機製作所製毛細管式流れ特性試験機などを用いることができる。
【0023】
〔7〕190℃における溶融張力〔MT(g)〕とASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕とが、式(4)
MT > 2.2 × MFR−0.84 …(4)
好ましくは、式(4’)
MT > 2.5 × MFR−0.84 …(4’)
で示される関係を満たす。
MTとMFRとが上記好ましい式(4’)の関係を満たす場合、大型ブロー成形機での成形性に優れている。
【0024】
溶融張力は溶融張力測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15m/分、巻取速度10〜20m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定される。溶融張力測定機としては、東洋精機製作所製の測定機などがあげられる。
【0025】
変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)においてエチレンと共重合する炭素数6〜20のα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどあげられる。これらの中では、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが好ましい。
【0026】
変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)は、エチレン含量が通常94〜99モル%、好ましくは96〜98モル%であり、コモノマーである炭素数6〜20のα−オレフィン含量が通常1〜6モル%、好ましくは2〜4モル%である。
【0027】
変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造することができる。例えば、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物とを含むオレフィン重合用メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素数6〜20のα−オレフィンを共重合させることによって製造することができる。
【0028】
本発明において接着性樹脂層の原料として使用される変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)は、前記変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)をエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)でグラフト変性さて得られる変性エチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0029】
上記エチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)としては、例えば無水マレイン酸、無水ハイミック酸、4−メチルシクロヘキセ−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ(2.2.2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2,3,4,5,8,9,10−オクタヒドロナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−オクサ−1,3−ジケトスピロ(4.4)ノン−7−エン、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレオピマル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、x−メチル−ビシクロ(2.2.1)ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、x−メチル−ノルボルネン−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルネン−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物などをあげることができる。これらの中では無水マレイン酸、無水ハイミック酸が好ましい。
【0030】
エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)のグラフト変性は公知の方法で行うことができる。例えば、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を有機溶媒に溶解し、次いで得られた溶液にエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)およびラジカル開始剤などを加え、通常60〜350℃、好ましくは80〜190℃の温度で0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。上記の有機溶媒は、変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を溶解することができる有機溶媒であれば、特に制限なく使用することができる。このような有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒などがあげられる。
【0031】
また、別のグラフト変性方法として、押出機などを使用して無溶媒で変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)と、エチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)とを反応させて、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を調製する方法をあげることができる。この場合の反応条件は、反応温度が通常変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)の融点以上、具体的には100〜350℃、反応時間が通常0.5〜10分間とするのが好ましい。
【0032】
上記いずれのグラフト変性方法を採用するにしても、グラフトモノマーとしてのエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)を効率よくグラフト共重合させるために、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。
【0033】
上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペル−sec−オクトエート、t−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびt−ブチルペルジエチルアセテート;アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが用いられる。これらの中ではジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
ラジカル開始剤は、変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)100重量部に対して、通常0.001〜1重量部の割合で使用するのが好ましい。
【0034】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)は上記変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)の一部もしくは全体を変性したものである。具体的には変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を上記方法で一括変性するか、高濃度に変性したエチレン・α−オレフィン共重合体を未変性のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)とブレンドすることによって目的が達成できる。
【0035】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)のグラフト量(グラフト変性率)、すなわち変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)全体に占めるグラフトモノマーに由来するグラフト基の割合は0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%であるのが望ましい。グラフト量が上記範囲にある場合、接着樹脂としての適度な架橋が進行し、接着力に優れた変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)が得られるとともに、品質が安定する。
【0036】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)は、ASTM D1238(190℃、2160g荷重)で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜3.0g/10分、好ましくは0.05〜1.5g/10分であるのが望ましい。MFRが上記範囲にある場合、ポリエチレン系多層積層容器を成形する際の成形性に優れ、接着樹脂層(B)の膜厚が均一な容器を容易に成形することができるとともに、耐衝撃性、特に落下衝撃強度に優れたポリエチレン系多層積層容器を得ることができる。
【0037】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)の密度は0.910〜0.940g/cm3、好ましくは0.915〜0.935g/cm3の範囲にあるのが望ましい。
【0038】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)は、前記ポリエチレン樹脂(a)および後述するエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)に対する接着性に優れており、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)からなる基層(A)とエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)からなるバリヤー層(C)とを強固に接着することができる。
【0039】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)には、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば公知のプロセス安定剤、耐熱安定剤、耐熱老化防止剤等や、ゴム成分を添加することができる。
【0040】
《バリヤー層(C)》
本発明においてバリヤー層(C)の原料として用いられる樹脂は、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)である。
本発明で使用するエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(c)は、エチレン含量が20〜40モル%、好ましくは20〜38モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂である。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(c)はエチレンと酢酸ビニル共重合体をケン化して得られるケン化度90〜100%の共重合体である。エチレン含量が前記範囲にあるエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(c)は成形時に容易に安定押出することができるとともに、ガソリンおよび有機溶剤などに対するバリヤー性に優れている。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(c)としては市販品を使用することもできる。具体的には、株式会社クラレ製エバール(商標)、日本合成株式会社製ソアノール(商標)などを使用することができる。
【0041】
一方ナイロン樹脂(c)とは熱可塑性ポリアミド樹脂を総称し、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン11、MXDナイロン、アモルファスナイロン、共重合ナイロン等が好適に用いられる。
【0042】
《多層積層容器》
本発明のポリエチレン系多層積層容器(以下、単に容器という場合がある)は、前記ポリエチレン樹脂(a)を含む基層(A)と、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を含む接着樹脂層(B)と、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)を含むバリヤー層(C)とが、基層(A)/接着樹脂層(B)/バリヤー層(C)の順に積層され、さらに容器のバリ部分を回収したリグラインド層(リサイクル層)(D)が積層された少なくとも層以上の多層積層体からなる容器である。リグラインド層(D)は基層(A)と接着樹脂層(B)との間に積層されるのが好ましいが、これに限定されない。
【0043】
/D/B/C/B/A
D/B/C/B/A
A/D/B/C/B/D/A
【0044】
本発明の容器を構成する多層積層体の厚さは0.3〜10mm、好ましくは0.5〜5mmであるのが望ましい。このような多層積層体において、基層(A)およびリグラインド層(D)の合計の占める割合が98〜80%、好ましくは97〜90%、接着樹脂層(B)の占める割合が1〜10%、好ましくは2〜5%、バリヤー層(C)の占める割合が0.5〜10%、好ましくは1〜5%であるのが望ましい。
【0045】
本発明の容器の形状としてはタンク、ボトル、カップ、トレイなど、任意の形状のものとすることができる。これらの容器は外層を基層(A)とするのが好ましい。
【0046】
本発明の容器は、共押出成形法などにより積層した積層体をブロー成形、圧空または真空成形、あるいは射出成形等の成形法で成形することができ、タンク、大型ボトル等の場合はブロー成形により成形することができる。例えば、ポリエチレン樹脂(a)、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)、および必要により用いるリグラインド層(D)用樹脂をそれぞれ別々の押出機で溶融し、多層押出しダイス内で合流させるとにより多層の溶融パリソンを形成し、このパリソンを所望の型で挟み、このパリソンの内側に空気を吹き込んで膨張させた後、冷却固化して形成することができる。
【0047】
本発明の容器は剛性があり、ガソリンや有機溶剤に対するバリヤー性および耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性(衝撃強度)に優れている。しかも優れた層間接着力、耐久性および耐熱接着性を示す。このため、特に大型のプラスチック容器として有利に使用でき、例えば自動車等の燃料タンクとして好適に使用できる。自動車用のガソリンタンクとして使用する場合、ガソリンやガソホール等が充填され膨潤しても十分な接着力、機械強度を有し、かつ膨潤と乾燥とのサイクルを経ても接着力低下がなく、層間剥離を生ずることなく、長期にわたり使用可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明のポリエチレン系多層積層容器は、特定のポリエチレン樹脂(a)を含む基層(A)およびリグラインド層(D)と、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)を含むバリヤー層(C)とが、特定の変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を含む接着樹脂層(B)を介して接着されているので、剛性および耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性に優れるとともに、ガソリンや有機溶剤に膨潤しても十分な接着力および機械強度を有し、かつ膨潤と乾燥とのサイクルを経ても接着力低下がなく、しかも大型プラスチック容器として好適に利用することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例について説明する。実施例で使用した材料は次の通りである。
○基層(A)用のポリエチレン樹脂(a):
エチレンに由来する構造単位が99.8モル%であり、密度0.955g/cm3、ASTM D1238に準じて2160g荷重で測定したメルトフローレートが0.03g/10分、Mw/Mnが13である高密度高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製ハイゼックス8200B(商標))
【0050】
○接着樹脂層(B)用の変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b):
製造例1〜3で製造した変性共重合体(b−1)〜(b−3)
【0051】
○バリヤー層(C)用のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂:
エチレン含量32モル%、ASTM D1238に準じて2160g荷重で測定したメルトフローレートが1.3g/10分のエチレン・ビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバールEP−F101B(商標))
【0052】
製造例1
[触媒の調製]
250℃で10時間乾燥したシリカ10kgを154 literのトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノオキサンのトルエン溶液(Al=1.33mol/liter)57.5 literを1時間で滴下した。この際、系内の温度を0℃に保った。引き続き、0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で20時間反応させた。その後、60℃まで降温し、上澄液をデカンテーション法により除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン100 literで再懸濁化した。この系内にビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=27.0mmol/liter)16.8 literを80℃で30分かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。その後、上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、1g当たり3.5mgのジルコニウムを含有する固体触媒を得た。
【0053】
[予備重合触媒の調製]
2.5molのトリイソブチルアルミニウムを含有する87 literのヘキサンに、上記で得られた固体触媒870gおよび1−ヘキセン260gを加え、35℃で5時間エチレンの予備重合を行うことにより、固体触媒1gあたり10gのエチレン・1−ヘキセン共重合体が予備重合された予備重合触媒を得た。
【0054】
[エチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−1)の製造]
連続式流動床気相重合装置を用い、全圧20kgf/cm2(ゲージ圧)、重合温度80℃でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を行った。上記で調製した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.33mmol/h、トリイソブチルアルミニウムを10mmol/hの割合で連続的に供給し、重合の間一定のガス組成を維持するために、エチレン、1−ヘキセン、水素、窒素を連続的に供給した(ガス組成;1−ヘキセン/エチレン=0.02、水素/エチレン=10.5×10-4、エチレン濃度70%)。
【0055】
得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−1)の収量は60kg/hrであり、密度が0.925g/cm3、MFRが1.3g/10分であった。得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−1)の特性を表1に示す。
【0056】
[変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−1)の製造]
エチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−1)10kgに対して無水マレイン酸20g、過酸化物としてパーヘキシン25B(日本油脂(株)製、商標)1.0gをヘンシェルミキサーを用いて十分にブレンドし、250℃に設定したL/D=26の1軸押出機(口径65mm)に導入し、押出量500g/分の速度で押出し、変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−1)を得た。この変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−1)の物性を表2に示す。
【0057】
製造例2
密度、MFRを表1に示すように調製したほかは製造例1と同様にしてエチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−2)を得た。
エチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−1)の代わりに上記エチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−2)を用いたほかは製造例1と同様に行い、変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−2)を得た。物性を表2に示す。
【0058】
製造例3
製造例1において、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに代えて特公昭63−54289号公報に記載のチタン系触媒成分を用い、メチルアルミノオキサンに代えてトリエチルアルミニウムを用い、コモノマー量を表3に示すように調節した以外は製造例1ど同様にしてエチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−3)を製造した。得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体(b−3)の特性を表1に示す。
【0059】
エチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−1)の代わりにエチレン・1−ヘキセン共重合体(b1−3)を用いたほかは製造例1と同様に行い、変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−3)を得た。物性を表2に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003915319
【0061】
*1 Hex:1−ヘキセン
*2 MFR:ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート
*3 デカン可溶成分量:25℃におけるn−デカン可溶成分量共重合体約3gをn−デカン450mlに加え、145℃で溶解した後、25℃まで冷却し、ろ過によりn−デカン不溶部を除き、ろ液よりn−デカン可溶部を回収して求めた
*4 式(1)の右辺:80 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1
*5 Tm:示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度試料約5mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、20℃/分で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求められる。測定にはパーキンエルマー社製DSC−7型装置を用いた
*6 式(2)の右辺:400 × d − 248
*7 Mw/Mn:GPC装置を用いて5%ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール(BHT)を溶解したo−ジクロルベンゼンを溶離剤(eluent)として、カラム温度140℃、サンプル濃度0.1%(weight/volume)で測定
*8 FI:溶融重合体の190℃におけるずり応力が2.4×106dyne/cm2に到達するときのずり速度で示される流動性インデックス。測定は溶融張力(MT)測定と同じ試料を用い、東洋精機製作所製毛細管式流れ特性試験機を用いて行った
*9 式(3)の右辺:75 × MFR
*10 溶融張力:190℃における溶融張力東洋精機製作所製の溶融張力測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15m/分、巻取速度10〜20m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定
*11 式(4)の右辺:2.2 × MFR-0.84
【0062】
【表2】
Figure 0003915319
【0063】
実施例1
日本製鋼所製NB60S型多層大型ブロー成形機を用いて、40 liter容の多層タンクの成形を行った。層の構成および成形条件は次の通りである。
【0064】
層の構成:
基層(A)(外層):ハイゼックス8200B
リサイクル樹脂層 :ハイゼックス8200B
接着樹脂層(B) :b−1
バリヤー層(C) :エバールEP−F101B
接着樹脂層(B) :b−1
基層(A)(内層):ハイゼックス8200B
設定温度:
基層(A) :210℃
接着樹脂層(B):210℃
バリヤー層(C):210℃
リサイクル樹脂層:210℃
ダイス :210℃
成形サイクル:300秒
積層フィルムの厚さ:
積層フィルムの最低肉圧を3mmとし、以下の層厚み構成比(%)とした。
外層/リサイクル層/接着樹脂層(B)/バリヤー層(C)/接着樹脂層(B)/内層
=13/40/2/3/2/40(%)
【0065】
得られたタンクについて、バリヤー層(C)と接着樹脂層(B)との接着力(室温保持後の接着力および膨潤サイクル後の接着力)、タンクの破壊高さをて測定した。結果を表3に示す。
【0066】
実施例2
実施例1において変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−1)の代わりに変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−2)を用いたほかは実施例1と同様に行い、多層容器を得た。結果を表3に示す。
【0067】
比較例1
実施例1において変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−1)の代わりに変性エチレン・1−ヘキセン共重合体(b−3)を用いたほかは実施例1と同様に行い、多層容器を得た。結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
Figure 0003915319
【0069】
*1 室温保持後の接着力:
タンクを室温で1週間保持した後、タンクより短冊状に切り出したサンプルについて室温で接着力を測定した。
*2 膨潤サイクル後の接着力:
タンクより短冊状に切り出したサンプルを40℃に加温したトルエン/イソオクタン=50/50(容量%)の混合溶媒(以下CM−0と記す)に1週間浸漬した後CM−0より取り出し、防爆型エアーオーブン中で40℃1週間乾燥した。このサイクルを3回繰り返した。そのサンプルの接着力を測定した。
*3 タンクの破壊高さ:
タンクに40 literのエチレングリコールを充填し、−40℃の低温室で3日保持した後、低温室より取り出し、直ちにピンチ方向からの落下テストを実施し、タンクが破壊し始める高さを記録した。

Claims (3)

  1. ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜0.5g/10分、密度が0.945〜0.980g/cm3のポリエチレン樹脂(a)を含む基層(A)と、
    メタロセン系触媒の存在下にエチレン94〜99モル%と炭素数6〜20のα−オレフィン1〜6モル%とを共重合させることによって製造されるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)をエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)でグラフト変性した変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を含む接着樹脂層(B)と、
    エチレン含量が20〜40モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)を含むバリヤー層(C)と、
    容器のバリ部分を回収したリグラインド層(D)と
    が少なくとも積層された層以上の多層積層体からなる容器であって、
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)が下記〔1〕〜〔5〕の特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体である
    ポリエチレン系多層積層容器。
    〔1〕ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜4g/10分
    〔2〕密度が0.910〜0.940g/cm
    〔3〕25℃におけるn−デカン可溶成分量〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(1)
    W < 80 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1 …(1)
    で示される関係を満たす
    〔4〕示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度〔Tm(℃)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(2)
    Tm < 400 × d − 248 …(2)
    で示される関係を満たす
    〔5〕ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
  2. ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜0.5g/10分、密度が0.945〜0.980g/cmのポリエチレン樹脂(a)を含む基層(A)と、
    メタロセン系触媒の存在下にエチレン94〜99モル%と炭素数6〜20のα−オレフィン1〜6モル%とを共重合させることによって製造されるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)をエチレン性不飽和カルボン酸無水物(b2)でグラフト変性した変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)を含む接着樹脂層(B)と、
    エチレン含量が20〜40モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂またはナイロン樹脂(c)を含むバリヤー層(C)と、
    容器のバリ部分を回収したリグラインド層(D)と
    が少なくとも積層された層以上の多層積層体からなる容器であって、
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)が下記〔1〕〜〔7〕の特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体である
    ポリエチレン系多層積層容器。
    〔1〕ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜4g/10分
    〔2〕密度が0.910〜0.940g/cm
    〔3〕25℃におけるn−デカン可溶成分量〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(1)
    W < 80 × exp(−100(d − 0.88)) + 0.1 …(1)
    で示される関係を満たす
    〔4〕示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピークの温度〔Tm(℃)〕と密度〔d(g/cm)〕とが、式(2)
    Tm < 400 × d − 248 …(2)
    で示される関係を満たす
    〔5〕ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
    〔6〕溶融重合体の190℃におけるずり応力が2.4×10dyne/cmに到達するときのずり速度で示される流動性インデックス〔FI(1/秒)〕と、ASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕とが、式(3)
    FI > 75 × MFR …(3)
    で示される関係を満たす
    〔7〕190℃における溶融張力〔MT(g)〕とASTM D1238(190℃、2160g荷重)により測定されるメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕とが、式(4)
    MT > 2.2 × MFR−0.84 …(4)
    で示される関係を満たす
  3. 変性エチレン・α−オレフィン共重合体(b)はグラフト量が0.01〜10重量%の変性エチレン・α−オレフィン共重合体である請求項1または2記載のポリエチレン系多層積層容器。
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