JP3915269B2 - 自動車のメンバー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の構造部材であるメンバーの塑性変形量をコントロールし、衝撃エネルギーを効果的に吸収する自動車のメンバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9〜図12は、車体に取付けられるメンバー1を示す。メンバー1は両側部に沿ってフランジ部2を設け、該フランジ部2を含めた全体の断面がハット形である。メンバー1には、外力が加えられた時の変形をコントロールするために、ビード3が形成されている。
図11、12に示すように、メンバー1は、フランジ部2をパネル4面に溶接して車体に固定される。メンバー1が車体に固定された状態で、メンバー1の長手方向に荷重が負荷したときは、メンバー1のフランジ部2側半分が底板1a側半分よりも変形に対して断面強度が大きい。そのうえビード3を、メンバー1の長手方向に対して直角に設けると、ビード3が変形しやすい方向に向いているので、底板1a側の断面強度がより小さくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、メンバー1に軸方向の荷重Pが加わったときに、図9の矢印fに示すように、メンバー1はビード3を中心として、くの字形に折れ曲がる。この折れ曲がり変形は、塑性変形によるエネルギー吸収量が小さく、効果的にエネルギーを吸収することが望まれる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、メンバーに長手方向の荷重が負荷したときに塑性変形によるエネルギーの吸収量が大きい自動車のメンバー構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、車体の前後方向に沿って配設されたメンバーを備え、該メンバーは、断面コ字状をなす基本形状部分の両側縁部に、メンバー長手方向に延在するフランジ部を有し、断面ハット形状に形成され、上記フランジ部において車体側のパネル面に溶接固定されるとともに、上記メンバーの外周面に、メンバー長手方向に対して略直角方向に延びるビードを設けた自動車のメンバー構造において、上記フランジ部の、メンバー長手方向における上記ビードに対応する位置に、切り欠きを設け、該切り欠きが形成されたフランジ部分は溶接せず、その前後の溶接によって車体側パネル面に当接されるようにした。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、上記切り欠きの長さをメンバーのビード幅と同等以上にし、上記ビードがフランジ面まで延びている場合は、切り欠きの幅をフランジ幅の1/3以上にした。さらに、本発明の請求項3に記載の発明は、上記切り欠きの長さをメンバーのビード幅と同等以上にし、上記ビードがフランジ面まで延びていない場合は、切り欠きの幅をフランジ幅の1/2以上にした。
なお、ここで切り欠きの長さとは、メンバーの長手方向の切り欠きの長さであり、切り欠きの幅とは、その長手方向に対して直角方向の切り欠きの奥行きである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による自動車のメンバー構造について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ部分については同一の符号を付して説明する。
図1は、モノコックタイプ車のエンジンルームパネル5を示し、図中の矢印Fの方向が車体の前部である。エンジンルームパネル5の後部には、車体の前後方向に延びる金属製のフロアサイドメンバー(以下、メンバーとする)1が設けられている。図2〜図4に示すようにメンバー1は、断面がコ字形状であり、そのメンバー1の長手方向に沿って、その両縁部にフランジ部2を設けている。よって、メンバー1とフランジ部2とで形成される全体の断面形状は、ハット形状になる。
【0006】
メンバー1は、底板1a及び一対の対向する側板1b,1cとから成り、底板1aから側板1b,1cに亘って、かつメンバー1の長手方向に対して直角方向に一対のビード3を形成している。ビード3は、L字形でありフランジ部2に突き当たるまで形成され、メンバー1の内方側に弧状に突出させている。ビード3がある部分と等断面のフランジ部2には、切り欠き6が形成されている。メンバー1及びメンバー1に形成したビード3、フランジ部2はプレス加工により一体成形される。
メンバー1をフロアパネル7に取付けるときは、フランジ部2がスポット溶接8により固定されるが、溶接箇所は切り欠き6のある部分から離して溶接をしている。また、切り欠き6及びビード3は、メンバー1の前端部に形成している。
【0007】
次に、切り欠き6、フランジ部2及びビード3の具体的な形状に関して説明する。
図5に示すメンバー1は、ビード3がフランジ部2と距離を開けて形成されており、ビード3の幅がaである。また、フランジ部2の幅がc、フランジ部2に形成された切り欠き6の長さがb、切り欠きの幅がdである。
このような条件のもとで、b(切り欠き長さ)≧a(ビード幅)とし、d(切り欠き幅)≧1/2c(フランジ幅)とすることが望ましい。
図6に示すメンバー1は、ビード3がフランジ部2まで形成されていることが、図5のメンバー1と異なる。このような条件では、b(切り欠き長さ)≧a(ビード幅)とし、d(切り欠き幅)≧1/3c(フランジ幅)とすることが望ましい。
【0008】
メンバー1をフロアパネル7に固定した状態において、図1に示すように、車体の前方から外力Pが負荷したような場合では、メンバー1はその軸方向に応力を受ける。この際、メンバー1の底板1a側ではビード3が応力集中を受けるとともに、フランジ部2も切り欠き6により応力集中を受け、かつビード3は変形しやすい車幅方向の向きに形成されている。さらに、ビード3と切り欠き6は同一断面上にあるので、メンバー1の他の部分より、該断面が最初に変形する。
さらに、メンバー1の切り欠き6間でフロアパネル7に溶接していないので、塑性変形しやすくなっている。
【0009】
このように本実施の形態では、メンバー1が軸方向荷重を受けた場合に、一定範囲内の荷重であれば、変形する箇所をビード3と切り欠き6を形成した部分に限定することができ、ビード3の大きさや切り欠き6の形状を変えることで、吸収するエネルギーの量を調整することができ、大きなエネルギーを吸収することができる。
【0010】
なお、メンバー1の軸方向に、同一形状の複数個のビード3を近接させて形成しても良い。その場合は、切り欠き6を各ビード3に対応させてもよいし、図7に示すように、最前部のビード3から最後部のビード3までの長さと同等以上にして、1個の切り欠き6を設けてもよい。このように、複数個のビード3を設けたメンバー1では、軸方向荷重を受けたときに、メンバー1が大きく変形するので、大きなエネルギーを吸収できる。
【0011】
図7及び図8は、L字形断面のパネル11に、同じくL字形断面のメンバー12を固定した状態を示す。メンバー12は、2個のビード3をパネル11側に突出させ、フランジ部2には2個のビート3に対応させた切り欠き6を形成させている。このように、メンバー12は、フランジ部2を有する種々の断面形状に適用することができ、軸方向荷重を受けたときに、大きなエネルギーを吸収できる。なお、図8に示すように、パネル11については、メンバー12に形成したビード3の位置に対応させてビード14を設け、変形をさせやすくしている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明の技術的思想に基いて種々の変形、変更が可能である。
【0012】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、車体の前後方向に沿って配設されたメンバーを備え、該メンバーは、断面コ字状をなす基本形状部分の両側縁部に、メンバー長手方向に延在するフランジ部を有し、断面ハット形状に形成され、上記フランジ部において車体側のパネル面に溶接固定されるとともに、上記メンバーの外周面に、メンバー長手方向に対して略直角方向に延びるビードを設けた自動車のメンバー構造において、上記フランジ部の、メンバー長手方向における上記ビードに対応する位置に、切り欠きを設け、該切り欠きが形成されたフランジ部分は溶接せず、その前後の溶接によって車体側パネル面に当接されるようにしたので、メンバーの折れ変形を防止することができ、メンバーの長手方向に塑性変形することができる。よって、メンバーの長手方向に外部から衝撃が加わったときに、大きなエネルギーを吸収することができる。
また、本発明の請求項2〜3に記載の発明によれば、メンバーをより確実に長手方向に変形させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による自動車のメンバー構造が採用されている車体のエンジンルーム及びメンバーの斜視図である。
【図2】 図1のメンバーを上方から見た拡大斜視図である。
【図3】 図1のメンバーを下方から見た拡大斜視図である。
【図4】 図2のX−X線方向における断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態によるメンバーに形成したビードがフランジ面と距離を開けて設けている場合のビード、フランジ、切り欠きの関係を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態によるメンバーに形成したビードがフランジ面まで形成されている場合のビード、フランジ、切り欠きの関係を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態によるメンバーがL字形断面である場合の斜視図である。
【図8】 図7のY−Y線方向における断面図である。
【図9】 従来例のメンバーの側面図である。
【図10】 図9のメンバーの拡大図である。
【図11】 図10のZ−Z線方向の断面図である。
【図12】 図10のW−W線方向の断面図である。
【符号の説明】
1,12 メンバー
2 フランジ部
3 ビード
7 フロアパネル
8 スポット溶接
11 L形パネル
Claims (3)
- 車体の前後方向に沿って配設されたメンバーを備え、該メンバーは、断面コ字状をなす基本形状部分の両側縁部に、メンバー長手方向に延在するフランジ部を有し、断面ハット形状に形成され、上記フランジ部において車体側のパネル面に溶接固定されるとともに、上記メンバーの外周面に、メンバー長手方向に対して略直角方向に延びるビードを設けた自動車のメンバー構造において、
上記フランジ部の、メンバー長手方向における上記ビードに対応する位置に、切り欠きを設け、該切り欠きが形成されたフランジ部分は溶接せず、その前後の溶接によって車体側パネル面に当接されるようにしたことを特徴とする自動車のメンバー構造。 - 上記切り欠きの長さをメンバーのビード幅と同等以上にし、上記ビードがフランジ面まで延びている場合は、切り欠きの幅をフランジ幅の1/3以上にしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のメンバー構造。
- 上記切り欠きの長さをメンバーのビード幅と同等以上にし、上記ビードがフランジ面まで延びていない場合は、切り欠きの幅をフランジ幅の1/2以上にしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のメンバー構造。
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