JP3915174B2 - 電磁弁のエア排気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、洗浄ノズルへの給液通路を開閉する開閉弁を、電磁弁を介してエアを給排することにより開閉制御するようにしたリンサー等の容器洗浄装置に係り、特にその電磁弁からの排気エアを排出する電磁弁のエア排気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ロータリ式リンサーは、回転体の外周寄りに円周方向等間隔で複数のボトルグリッパを備えており、コンベヤによって搬送されてこの回転体内に供給された容器を、各ボトルグリッパが受け取って一本ずつ保持し、回転体の回転に伴って回転移動する間に反転して、保持している容器を倒立状態にする。これら各グリッパの下方には、それぞれ洗浄ノズルが設けられており、これら洗浄ノズルから上方の容器の内部に洗浄液等の液体を噴射して容器内の洗浄を行なうようになっている。
【0003】
前記ロータリ式リンサーの洗浄ノズルは、ボトルグリッパが反転して容器を倒立状態にした後洗浄液等の液体の噴射を開始し、ボトルグリッパの回転移動に追従して移動しつつ液体の噴射を続け、所定区間液体を噴射した後噴射を停止し、その後、水切り工程が行なわれる。このような洗浄ノズルの給液通路を開閉して洗浄液の供給停止を行なう開閉弁の作動を、電磁弁のオンオフによってエアを給排することにより制御するようにしたものがすでに知られている。そして従来は、この電磁弁からの制御用エアの排気は、大気中に直接放出するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、酒類、飲料水等の食品や医薬品等を、密閉されたチャンバーによって囲まれている無菌雰囲気中で容器内に充填する無菌充填が広く行なわれるようになっている。このような無菌充填ラインでは、前記ロータリ式リンサーがクリーンルーム内に配置され仕上洗浄機として使用されている。このようにクリーンルーム内に収容されたロータリ式リンサーで、電磁弁からの排気エアを直接クリーンルーム内に放出してしまうと、室内の環境が汚染されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、リンサー等の容器洗浄装置がクリーンルーム内に収容されている場合に、この容器洗浄装置に設けられている洗浄ノズルの開閉を制御する電磁弁からの排出エアによってクリーンルーム内が汚染されることを防止することができる電磁弁のエア排気装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電磁弁のエア排気装置は、中央の直立した駆動軸を中心として回転する回転体と、この回転体の外周寄りにに円周方向等間隔で設けられ、容器に対し洗浄液を噴射してこの容器の洗浄を行なう洗浄ノズルと、これら洗浄ノズルに洗浄液を供給する給液通路と、給液通路内に設けられてこの通路の開閉を行なう開閉弁と、開閉弁を作動させるエアシリンダと、エアシリンダへのエアの給排を制御する電磁弁と、電磁弁が収容された電磁弁ボックスと、電磁弁ボックス内を前記駆動軸の内部に形成された内部通路に接続する接続管と、駆動軸の内部通路の下部に接続された排気管と、排気管に設けられたフィルタとを備えており、前記電磁弁からの排気エアをこのフィルタを介して排出するようにしたものである。
【0007】
前記電磁弁のエア排気装置によれば、電磁弁が作動した際の排気エアは、電磁弁ボックスから、接続管、駆動軸の内部通路、排気管および排気管内のフィルタ等を通って排出される。従って、電磁弁からの排気エアが、リンサー等の洗浄部内に直接放出されることはなく、また、フィルタを通過したクリーンエアとして排出されるので、クリーンルーム内が汚染されることはない。
【0008】
また、第二の発明に係る電磁弁のエア排気装置は、前記駆動軸の内部通路から下方の排気管を通って排気されるエアが、この駆動軸の下端部に連結されているロータリコネクタの周囲を通過するようにして、このコネクタを冷却するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る電磁弁のエア排気装置を備えたロータリ式リンサーの概略を示す平面図、図2はこのロータリ式リンサーの縦断面図、図3はその要部の拡大断面図であり、このロータリ式リンサーは、全体がクリーンルーム1内に収容されている。
【0010】
このロータリ式リンサーは、中央の直立した駆動軸2に固定されて一体的に回転するロータリテーブル4の外周寄りに、円周方向等間隔で設けられた多数のボトルグリッパ6を備えている。これら各ボトルグリッパ6には、容器搬送コンベア8によって連続的に搬送されてきた容器10が、一定のピッチに間隔を空けられた後、入口スターホイール12を介して一本ずつ引渡される。
【0011】
前記各ボトルグリッパ6は、ロータリテーブル4の外周側から内周側へ反転できるようになっており、入口スターホイール12から受け取って保持している容器10を反転させて倒立状態にする。ロータリテーブル4の、ボトルグリッパ6に倒立状態で保持されている容器10の口部の下方には、この容器10の内部に洗浄液を噴射して洗浄を行なう洗浄ノズル14、すなわち内洗ノズルがそれぞれ設けられている。この内洗ノズル14には、クリーンルーム1の上方の給液配管16、ロータリジョイント18および給液通路20等を介して洗浄液や清水等の液体が供給されるようになっており、駆動軸2およびロータリテーブル4等から成る回転体22の、回転経路中における所定の領域において洗浄液が供給され、容器10内に噴射してこの容器10の内面の洗浄を行なう。容器10は洗浄された後、一定区間倒立状態のまま搬送されて水切りが行なわれる。その後、再びボトルグリッパ6が逆方向に反転することにより、容器10は正立状態に戻され、出口スターホイール24を介して前記搬送コンベア8上に排出されて、次の工程に送られる。
【0012】
内洗ノズル14への洗浄液の給液通路20には、前記洗浄領域で洗浄水等の液体の供給の開始および停止を行なうための開閉弁26が設けられている。この給液通路20の開閉弁26は、エアシリンダ28の作動によって開閉される。そして、各エアシリンダ28は、電磁弁30を介してエアが給排されることにより作動する。
【0013】
図1に示すように、この実施例のロータリ式リンサーには、ロータリテーブル4上に四台の電磁弁ボックス32が設けられており、各内洗ノズル14毎にそれぞれ設けられている多数の電磁弁30が、これら四台の電磁弁ボックス32内に1/4ずつ収容されている。これらの電磁弁ボックス32には、外部からの制御エア供給管34、前記ロータリジョイント18およびエア供給通路36等を通って作動エアが供給され、このエアは電磁弁30を介して前記エアシリンダ28に送られる。
【0014】
また、四台の電磁弁ボックス32は、L字状の連結管37により互に連結されており、さらに、電磁弁ボックス32の内部は、半径方向の接続管38および、ロータリテーブル4の中心部に形成された軸方向の排気通路40を介して駆動軸2の内部に設けられた内部通路42に接続されている。
【0015】
この駆動軸2の下端部には、図3に拡大して示すように、円筒部材48を介してロータリコネクタ44が連結されており、このロータリコネクタ44によって接続された電線46により、外部から回転体22に給電するようになっている。また、駆動軸2の下端部に固定されている前記円筒部材48は、固定側の外側筒体50にボールベアリング52,54を介して回転自在に支持されている。そして、駆動軸2の下端に固定された円筒部材48側の取付プレート56と、外側筒体50と、この外側筒体50の下端に固定された底部プレート58とにより環状の空間60が形成されている。この環状の空間60は、駆動軸2側の取付プレート56に形成された上下の連通孔56aを介して、前記駆動軸2の内部通路42と連通し、さらに、排気ダクト62を介してクリーンルーム1外に連通している。この排気ダクト62の途中には、無菌フィルタ64が設けられており、後に説明するように電磁弁ボックス32から送られた排気エアを浄化した後、クリーンエアとして排出するようになっている。
【0016】
以上の構成に係る電磁弁のエア排気装置を備えたロータリ式リンサーの作動について説明する。搬送コンベア8によって連続的に搬送されてきた容器10は、一定のピッチになるように間隔を空けられ、入口スターホイール12を介して回転体22内に供給される。回転体22のロータリテーブル4には円周方向等間隔でボトルグリッパ6が設けられており、入口スターホイール12から一本ずつ容器10を受け取って保持する。各ボトルグリッパ6は、順次反転されて容器10を倒立状態にする。倒立状態になった容器10の口部の下方には、内洗ノズル14が配置されており、この内洗ノズル14が回転移動して前記洗浄領域に到達すると、電磁弁30が切換えられてエアシリンダ28にエアが送られる。このエアによってエアシリンダ28が作動して、内洗ノズル14への洗浄液の給液通路20に設けられている開閉弁26が開放し、内洗ノズル14から洗浄液が噴射され容器10の内部を洗浄する。
【0017】
洗浄領域の終端にくると、電磁弁が30が切換えられ、エアシリンダ28の他方の室にエアが送られて逆に作動し、前記給液通路20の開閉弁26を閉じる。このときにエアシリンダ28から戻って電磁弁30から排気されたエアは、電磁弁ボックス32内に放出される。電磁弁ボックス32内の排気エアは、接続管38およびロータリテーブル4の中心に形成された軸方向通路40を通って駆動軸2の内部通路42に入る。排気エアは、駆動軸2の内部通路42を下方へ流れ、駆動軸2の下部の円筒部材48に固定されている取付プレート56に形成された連通孔56aから、固定側の外側筒体50内の環状空間60に流入し、排気ダクト62を通って、無菌フィルタ64で浄化された後クリーンルーム1外に排出される。
【0018】
このように電磁弁30からの排気を、無菌フィルタ64によって浄化し、しかも、直接クリーンルーム1内に放出しないので、クリーンルーム1内の環境が汚染されることを防止することができる。また、この排気エアを、駆動軸2の下方へ流してその下端部から排出するようにしたので、駆動軸2の下端に設けられているロータリコネクタ44および電線46を冷却するという効果を奏することもできる。なお、電磁弁30からの排気エアを無菌フィルタ64で浄化して排出するようにしたので、必ずしもクリーンルーム1の外部に排出しなくとも良く、回転体22の駆動部66が配置されている洗浄部の下方の空間68内に排出するようにしても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、駆動軸を中心として回転する回転体と、この回転体に円周方向等間隔で設けられ、容器に対し洗浄液を噴射してこの容器の洗浄を行なう洗浄ノズルと、これら洗浄ノズルに洗浄液を供給する給液通路と、給液通路の開閉を行なう開閉弁と、開閉弁を作動させるエアシリンダと、エアシリンダへのエアの給排を制御する電磁弁と、電磁弁が収容された電磁弁ボックスと、電磁弁ボックス内を前記駆動軸の内部に形成された通路に接続する接続管と、駆動軸の内部通路の下部に接続された排気管と、排気管に設けられたフィルタとを備え、電磁弁からの排気エアをこのフィルタを介して排出するようにしたことにより、リンサー等の容器洗浄装置が収容されたクリーンルーム内が、電磁弁からの排気エアによって汚染されることを防止できる。
【0020】
また、第2の発明によれば、前記駆動軸の内部通路から排気管を通って排気されるエアが、この駆動軸の下端部に連結されたロータリコネクタの周囲を通過するようにしたので、駆動軸の下部側に連結されているロータリコネクタや電線等を冷却することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電磁弁のエア排気装置を備えたロータリ式リンサーの概略平面図である。
【図2】前記電磁弁のエア排気装置を備えたロータリ式リンサーの縦断面図である
【図3】図2の要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
2 駆動軸
6 洗浄ノズル
20 給液通路
22 回転体
26 開閉弁
28 エアシリンダ
30 電磁弁
32 電磁弁ボックス
38 接続管
42 駆動軸の内部通路
44 ロータリコネクタ
62 排気管(排気ダクト)
64 フィルタ
Claims (2)
- 駆動軸を中心として回転する回転体と、この回転体に円周方向等間隔で設けられ、容器に対し洗浄液を噴射してこの容器の洗浄を行なう洗浄ノズルと、これら洗浄ノズルに洗浄液を供給する給液通路と、給液通路の開閉を行なう開閉弁と、開閉弁を作動させるエアシリンダと、エアシリンダへのエアの給排を制御する電磁弁と、電磁弁が収容された電磁弁ボックスと、電磁弁ボックス内を前記駆動軸の内部に形成された内部通路に接続する接続管と、駆動軸の内部通路の下部に接続された排気管と、排気管に設けられたフィルタとを備え、電磁弁からの排気エアをこのフィルタを介して排出することを特徴とする電磁弁のエア排気装置。
- 前記駆動軸の内部通路から排気管を通って排気されるエアが、この駆動軸の下端部に連結されたロータリコネクタの周囲を通過して、このコネクタを冷却することを特徴とする請求項1に記載の電磁弁のエア排気装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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