JP3915047B2 - 消火ロボット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、室内球技場、展示場等の大空間等に複数配設され消火ロボットであり、更に述べると、移動経路に並設されている給水管から給水を受ける消火ロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大空間等で火災が発生すると、火災感知器が火源を検出するとともに、該火災感知器は火災信号を制御盤に送る。制御盤は前記火災信号に基き移動経路上の消火ロボットに前記火災感知器のアドレス迄移動する様に指令する。該消火ロボットは、指定されたアドレスに到達すると、停止し給水接続部を給水管の給水栓に接続する。同時に該消火ロボットは火源センサを駆動させて火源探査を行うとともに、火源位置を検出すると、消火ノズルを火源に指向させ放水を開始する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、次の様な問題がある。
(1)制御盤の指示に基き、消火ロボットは火源に一番近い給水栓へ移動し消火活動を行っているが、例えば、同一方向に複数の消火ロボットが走行する場合、先頭の消火ロボットが火源に一番近い給水栓で停止すると、後続の消火ロボットが前進できなくなる、等の問題が生じる。
(2)火源探査に時間がかかるので、消火の開始が遅れる。そのため、初期消火が困難となることがある。
(3)消火ロボットの停止位置が、火源から遠く離れていたり、又は、給水栓の接続部から離れていたりして、最適な消火位置とならないことがある。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑み、複数の消火ロボットを効率よく消火活動させるとともに、消火ロボットを最適な消火位置に停止させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、給水管が並設されている移動経路上を走行する複数の消火ロボットであって;制御盤及び消火ロボット相互間の連絡をするための送受信手段と:該制御盤の指令に基き火源に最も近い給水栓に向って走行する移動手段と;該給水栓に到着する迄他の消火ロボットから到着信号を受信しないときはリーダとなり、他の消火ロボットに対して到着信号及び制御信号を発し、逆に前記信号を受信したときはフォロアとなり、該信号に従い、指示された前記給水栓に移動を行わせる協調制御手段であって、前記給水栓に移動した前記リーダ及び前記フォロアは、給水継手を介して前記給水栓に連結されるとともに、消火ノズルを火源に指向させて消火活動を開始させる協調制御手段と;を備えていることを特徴とする消火ロボット、である。
【0006】
この発明は、給水管が並設されている移動経路上を走行する複数の消火ロボットであって;火源位置を検出するための火源センサと:制御盤及び消火ロボット相互間の連絡をするための送受信手段と:該制御盤の指令に基き火源に最も近い給水栓に向かって走行する移動手段と:該給水栓に到着する迄他の消火ロボットから到着信号を受信しないときはリーダとなり、他の消火ロボットに対して到着信号及び制御信号を発し、逆に前記信号を受信したときはフォロアとなり、該信号に従い、指示された前記給水栓に移動を行わせる協調制御手段であって、前記給水栓に移動した前記リーダ及び前記フォロアは、給水継手を介して前記給水栓に連結されるとともに、消火ノズルを火源に指向させて消火活動を開始させる協調制御手段と;走行しながら第1の火源検出点と第2の火源検出点とを求めるとともに、前記両火源検出点間の離間距離と前記各火源検出点における火源角度に基づいて火源位置を算出する演算手段と;前記演算手段で求めた火源位置に消火ノズルを指向させる手段と:を備えたことを特徴とする消火ロボット、である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者は、給水栓に接続される複数の消火ロボットを用いて消火活動をする場合、制御盤により全ての消火ロボットを制御管理する方法の他に、消火ロボット同志が互いに連絡し合い、協調制御すれば円滑な消火活動ができることに気がついた。
【0008】
そこで、本発明者は、制御盤及び各消火ロボット同志間における連絡のための送受信手段と、制御盤の指令に基き火源に最も近い給水栓に向って走行する移動手段と、前記給水栓に到着する迄他の消火ロボットから到達信号を受信しない時はリーダとなり、他の消火ロボットに対して到着信号及び制御信号を発し、前記信号を受信していないときにはフォロアとなり、該信号に従う協調制御手段と、を備えた消火ロボットを開発し、複数の消火ロボットを管理することにした。
【0009】
そして、制御盤が火災感知器等から火災信号を受信し、各消火ロボットへ火源に最も近い給水栓へ移動する様に指令すると、各消火ロボットはその指示に従い走行を開始する。
【0010】
そして、最初に前記給水栓に到着した消火ロボットは、リーダとなり他の消火ロボットに対し到着信号及び制御信号を発する。この制御信号は、接続すべき給水栓の指示信号又は待機信号である。この信号を受信した他の消火ロボットはフォロアとなり、該信号に従って移動する。
【0011】
消火ロボットに火源センサを設けても良い。この場合は走行しながら第1の火源検出点と第2の火源検出点とを求めるとともに、前記両火源検出点間の離間距離と前記各火源検出点における火源角度に基いて火源位置を算出し、この火源位置に消火ノズルを指向させる。
【0012】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1〜図3により説明する。移動経路1上には、複数の消火ロボット102、103が配設されている。この消火ロボット102、103は図示しない制御盤及び消火ロボット同志と連絡するための、例えば、無線連絡を行う図示しない送受信機などのような送受信手段と、図示しないモータなどの移動手段と、協調制御手段と、が設けられている。
【0013】
この協調制御手段は、制御盤の指令に基き給水栓に到着する迄他の消火ロボットから到着信号を受信しないときはリーダとなり、他の消火ロボットに対して到着信号及び制御信号を発し、逆に前記信号を受信したときはフォロアとなり、該信号に従わせるものである。例えば、本実施例ではかかる内容のプログラムがインストールされた図示しないコンピュータが協調手段として用いられる。又、消火ノズル105には射程が移動経路1との対辺をなす火災監視区画SAの一辺に少なくとも到達する程度のものを用いる。
【0014】
移動経路1の側方には、給水栓131、132、133の付いた給水管130が並設されている。この給水栓131〜133の間隔は、例えば25mであるが、その間隔は必要に応じて適宜変更される。
【0015】
次に本実施例の作動について説明する。火災監視区画SAの火災感知器FSが火源107を検出すると、火災信号を制御盤に送出する。
【0016】
火災信号を受信した制御盤は、火災監視区画SA近傍、例えばロボットステーション9、に待機している消火ロボット102、103に対し、火源107に最も近い給水栓(ポイント)131に移動する様に移動命令を発する(S2)。
【0017】
該移動命令を受けた消火ロボット102、103は指示に従い、例えば、各々矢印A1方向及び矢印A1と逆方向に移動を開始する(S3)。そして、最先に該給水栓に到着した消火ロボット102は、他の消火ロボット103に対し到着信号を発しリーダ宣言をするとともに(S4のY、S5)、前後から他の消火ロボットが移動しているか否か確認する(S6)。
【0018】
他の消火ロボットが前後から移動して来る場合に(S6 のY)、他の消火ロボットの移動方向に消火可能な給水栓が有る場合には(S7のY)他の消火ロボット103に手前の給水栓132へ移動する様に指示信号を発信する(S8)。
【0019】
逆に、前記給水栓がない場合には(S7のN)、他の消火ロボットの移動方向と反対方向に消火可能な給水栓か゛あるか否か判断する(S9)。そして、給水栓があれば(S9 のY)、他の消火ロボットにリーダの消火ロボット102のいる現在の給水ポイント131へ移動する様に指示信号を発信するとともに(S10)、リーダの消火ロボット102は他の消火ロボットと反対方向の給水栓へ移動する(S11)。 又、その給水栓がない場合には(S9のN)、他の消火ロボットに待機命令信号、又は帰還命令信号を発する(S12)。
【0020】
リーダ宣言を受けた他の消火ロボット103はフォロアとなり(S18)、リーダの制御信号に従い指示された給水栓132に移動又は帰還、待機を行う(S19〜S22)。
【0021】
S13及びS24において、 給水栓131、132に移動したリーダ及びフォロアの消火ロボット102、103は給水継手を介して給水栓131、132に連結されるとともに、消火ノズル105を火源107に指向させ消火活動を開始する(S14及びS25)。この時の散水範囲を示したのが図1の131Aである。
【0022】
火源消滅が確認されると(S15のY及びS26のY)、図示しない制御盤から消火ロボット102、103に対して消火活動停止命令が発せられる。そうすると、消火ノズル105からの放水が停止されるとともに、前記給水継手が外される(S16及びS27)。
【0023】
その後、リーダノ消火ロボット102からフォロアの消火ロボット103に待機解除命令及び帰還命令が発信され(S17、S23、S28)、各消火ロボット102、103はそれぞれ元の位置に戻る(S18)。
【0024】
この発明の第2実施例を図4により説明する。この実施例と第1実施例との相違点は、リーダとなった消火ロボット2に焦電素子を備えた火源センサ2aと、三角法による火源検出プログラムがインストールされた図示しないコンピュータと、が装備されており、火源探査しながら火源位置及び消火位置を演算することである。又、このコンピュータにより求められた火源位置などのデータは消火ノズル5を火源に指向させるためのサーボモータ(図示せず)に送られる。なお、このサーボモータも消火ロボット2に設けられている。
【0025】
該ロボット2は、火源センサ2aが探査開始点P0から出発し該火源センサ2aを水平方向に回動しながら移動経路1上を矢印A1方向に走行する。該火源センサ2aが火源7Cを検出すると、その位置を第1の火源検出点P1とし、該火源検出点P1と出発点P0との距離S0を記憶するとともに、監視線L1と移動経路1との交角、即ち、火源角度θ1を求め記憶する。
【0026】
該ロボット2は、所定速度Vで走行し火源7を検出し、この位置を第2の火源検出点P2とし、この検出点P2における監視線L2と移動経路1との交角、即ち、火源角度θ2を求めるとともに、該検出点P1、P2間の離間距離bを演算する。
【0027】
この火源角度θ1、θ2、離間距離bに基いて火源7から最も近い火源距離a、即ち、火源7から移動経路1に対する垂線の長さと、該垂線と移動経路1との交点P3と、該火源検出点P2から交点P3までの空走距離dと、を演算する。この演算の方法は、次の要領で行う。
b(m)=V(m/s)S(sec)
監視線L1と監視線L2との交角θ3=θ2−θ1
正弦定理より、
2の長さC/sinθ1=b/sinθ3
C=bsinθ1/sinθ3
a=Csinθ2
d=Ccosθ2
ここで、d>0のときはP2、P3 が矢印A1方向であり、d<0のときはP2、P3 が矢印A1方向と逆方向である。
【0028】
上記演算が終了し火源位置及び消火位置P3が求まったら、そのデータを記憶する。そして、自己の選択した消火位置P3に最も近い給水栓31の接続位置をリーダの消火ロボット2の消火位置P4とする。そして、図示しない前記サーボモータにより火源7に消火ノズル5を指向させるとともに、該給水栓31と消火ロボット2を給水継手を介して連結し放水を開始する。
【0029】
火源センサ2aが鎮火を確認したら放水を停止し、該消火ロボット2は元の位置に戻る。
【0030】
【発明の効果】
この発明は、以上の様に構成したので、リーダとなる消火ロボットが他の消火ロボットを制御するので、最適な消火活動を行うことができる。
【0031】
又、走行中に火源検出点、火源角度、離間距離、走行距離、を求め火源位置を演算するので、迅速に、しかも正確に火源の消火を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施例のフローチャートの一部である。
【図3】図2のフローチャートの続きである。
【図4】本発明の第2実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 移動経路
2 火源センサ付消火ロボット
2a 火源センサ
102 消火ロボット
103 消火ロボット
105 消火ノズル
131 消火栓
132 消火栓
133 消火栓

Claims (2)

  1. 給水管が並設されている移動経路上を走行する複数の消火ロボットであって;
    制御盤及び消火ロボット相互間の連絡をするための送受信手段と:
    該制御盤の指令に基き火源に最も近い給水栓に向って走行する移動手段と;
    該給水栓に到着する迄他の消火ロボットから到着信号を受信しないときはリーダとなり、他の消火ロボットに対して到着信号及び制御信号を発し、逆に前記信号を受信したときはフォロアとなり、該信号に従い、指示された前記給水栓に移動を行わせる協調制御手段であって、前記給水栓に移動した前記リーダ及び前記フォロアは、給水継手を介して前記給水栓に連結されるとともに、消火ノズルを火源に指向させて消火活動を開始させる協調制御手段と;
    を備えていることを特徴とする消火ロボット。
  2. 給水管が並設されている移動経路上を走行する複数の消火ロボットであって;
    火源位置を検出するための火源センサと:
    制御盤及び消火ロボット相互間の連絡をするための送受信手段と:
    該制御盤の指令に基き火源に最も近い給水栓に向かって走行する移動手段と:
    該給水栓に到着する迄他の消火ロボットから到着信号を受信しないときはリーダとなり、他の消火ロボットに対して到着信号及び制御信号を発し、逆に前記信号を受信したときはフォロアとなり、該信号に従い、指示された前記給水栓に移動を行わせる協調制御手段であって、前記給水栓に移動した前記リーダ及び前記フォロアは、給水継手を介して前記給水栓に連結されるとともに、消火ノズルを火源に指向させて消火活動を開始させる協調制御手段と;
    走行しながら第1の火源検出点と第2の火源検出点とを求めるとともに、前記両火源検出点間の離間距離と前記各火源検出点における火源角度に基づいて火源位置を算出する演算手段と;
    前記演算手段で求めた火源位置に消火ノズルを指向させる手段と:
    を備えたことを特徴とする消火ロボット。
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