JP5373682B2 - 防災システム - Google Patents
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Description
また、このような火源検出装置と連動して局所放水を行う消火ロボットは、これらを複数台設置して広い空間を防護する場合にそれぞれが勝手に消火活動を行うと必要台数以上の消火ロボットから放水が行われ、消火ポンプの容量不足、水圧低下、水源不足を招く危険があった。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る防災システムの構成図である。
この発明の実施の形態1に係る防災システムは、図1に示すように、防護区画1に配置される火災感知器2、火災感知器2からの感知信号に従って火災信号を発する火災受信機3、火災信号が発せられたとき連動して防災ロボット5を自動的に起動して火源探査や消火を指令したり、防災ロボット5を手動で遠隔操作したりする中央操作盤4、防護区画1に設置される防災ロボット5、消火用水を送水する加圧送水装置6、各防災ロボット5に消火用水を送水する遠隔操作弁7、および、防災ロボット5を手動で遠隔操作する図示しない現地操作盤を備える。
中央操作盤4または現地操作盤は、自動運転モードと、中央操作モードと、現地操作モードとのいずれかを随時排他的に設定操作でき、その状態を盤面に表示する。
また、防災ロボット5は、中央操作盤4からの指令で起動し、火災検出部11と旋回駆動部13を制御し、火災検出部11の火災検出信号と位置検出部14の位置情報が入力されるとともに、遠隔操作弁7、中央操作盤4および図示しない現地操作盤と信号授受を行う制御部15、無線通信で他の防災ロボット5と情報を送受する送受信部16、および、送受信部16が入手する状態情報および自身の状態情報を記憶する記憶部17を備える。なお、中央操作盤4および図示しない現地操作盤との信号授受は前記送受信部16を介しても良い。
送受信部16は、他の防災ロボット5から状態情報を受信し、制御部15は、受信した状態情報に自身の状態情報を追加して新たな状態情報を生成し、記憶部17に記憶した後、送受信部16は、その生成する新たな状態情報を他の防災ロボット5に送信する。なお、状態情報には、現在の運転モード、遠隔操作弁7の開閉状況、関連機器の故障情報等と、後述する各防災ロボット5を基準とした火災火源Fの方向、フラグ、獲得ポイントと、を含んでいる。
また、防災ロボット5は、状態情報に基づき、他の火災を検出した防災ロボットから火災に臨む角度に関する情報を受信し、受信した火災の角度に関する情報と自身が火災を臨む角度に関する情報とを対比することにより、火災火源Fに最も近い防災ロボット5を特定し、放水部12aに消火活動を行わせる。
この発明の実施の形態1に係る防災システムでは、図3に示すように、防護区画1に6個の防災ロボット5を配置している。なお、防護区画1に配置する防災ロボット5の数は防護区画1の大きさ、形状に従って適宜決定すれば良い。そして、防災ロボット5には識別情報としてアドレスN1〜N6が付けられている。
そして、各防災ロボット5には探査範囲境界線C1〜C6により区画される探査範囲が定まっている。
尚、隣接する防災ロボット5の間の距離は見通し距離にあり、無線通信は微弱電波によって容易に成立するが、赤外線通信を行っても良い。また、情報交換を防護区画1内に配置された特定の情報交換機を介して行っても良く、後述するプリセットデータをこの情報交換機に登録しても良い。
無線通信の相手の防災ロボット5が最終のアドレス(例えば、N6)の場合、最終のアドレスの防災ロボット5は最初のアドレス(例えば、N1)の防災ロボット5を相手として無線通信により情報交換を行い、情報交換はリング状に行われる。
各防災ロボット5には、方向軸原点が設定されているが、具体的には正面から時計方向に90度回転した方向を原点とする水平方向の角度を表すものとする。そして、隣接する防災ロボット5と結ぶ直線(以下、「基準線」と称す)の識別情報RL1〜RL11、隣接する防災ロボット5の識別情報N1〜N6、および、方向軸原点から基準線までの反時計方向に回転する角度がプリセットデータとして記憶部17に記憶されている。
同様に、図4に示すように、アドレスN2〜N6の防災ロボット5にも、それぞれ基準線の識別情報、基準線に対応する防災ロボット5のアドレス、および、方向軸原点からの基準線までの反時計方向に回転する角度が記憶されている。
火災受信機3から火災信号が入力された中央操作盤4が自動的に防災ロボット5を起動すると、最初のアドレスの防災ロボット5、図3の例ではアドレスN1の防災ロボット5が探査範囲内の火災火源Fの旋回探査の結果に基づいて状態情報を生成し、その状態情報を次のアドレスN2の防災ロボット5に送信する。状態情報は、図10に示すように、待機フラグ、確定フラグ、放水フラグ、火災フラグ、基準線フラグ、各防災ロボット5の獲得ポイントから構成されている。待機フラグは火災火源Fを最初に検出した防災ロボット5が後述する所定の判定待ち時間の間立てるフラグである。確定フラグは、火災火源Fに最も近い防災ロボット5が確定されたとき立てられるフラグである。放水フラグは、放水を開始した防災ロボット5が放水している間立てるフラグである。火災フラグは、火災火源Fを検出した防災ロボット5が立てるフラグである。基準線フラグは火災フラグが立てられた2台の防災ロボット間を結ぶ基準線に立てられるフラグである。
アドレスN2の防災ロボット5は、図8に示すように、アドレスN1の防災ロボット5から送信されたデータ(状態情報)を正しく受信したときアドレスN1の防災ロボット5に「ACK」信号を返信し、アドレスN1の防災ロボット5はアドレスN2の防災ロボット5に「NEXT」信号を送信する。そして、「NEXT」信号を受信した防災ロボット5は、図8、図9に示すように、受信した状態情報に自身の状態情報を追加することにより新たな状態情報を生成し、生成した新たな状態情報を次のアドレスの防災ロボット5に送信する。
そして、4番目に、アドレスN4の防災ロボット5からアドレスN5の防災ロボット5にアドレスN1〜N4の状態情報が送信され(通信経路P4)、5番目に、アドレスN5の防災ロボット5からアドレスN6の防災ロボット5にアドレスN1〜N5の状態情報が送信され(通信経路P5)、6番目に、アドレスN6の防災ロボット5からアドレスN1の防災ロボット5にアドレスN1〜N6の状態情報が送信される(通信経路P6)。
ここでは、最初のアドレスの防災ロボット5を起点として反時計回りに順送りしたが、状態情報の通信経路や送信順序は適宜設定される。
アドレスN1の防災ロボット5は、火災火源Fを確定していないので、待機フラグ、確定フラグ、放水フラグ、火災フラグを立てずに、状態情報を次のアドレス、この例ではアドレスN2の防災ロボット5に送信する。状態情報は、図10の図面番号(5a)通信経路P1の行に示すように、待機フラグ、確定フラグ、放水フラグ、火災フラグ、基準線フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている。
同様に、アドレスN3〜N6の防災ロボット5は、火災火源Fを確定していないので、待機フラグ、確定フラグ、放水フラグ、火災フラグを立てずに、図10の図面番号(5a)通信経路P3〜P6の行のように、待機フラグ、確定フラグ、放水フラグ、火災フラグ、基準線フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報が送信される。
アドレスN6の防災ロボット5から「NEXT」信号を受信したアドレスN1の防災ロボット5は、火災火源Fを確定していないので、図10の図面番号(5b)通信経路P1の行のように、待機フラグ、確定フラグ、放水フラグ、火災フラグ、基準線フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報をアドレスN2の防災ロボット5に送信する。
アドレスN6の防災ロボット5から「NEXT」信号を受信したアドレスN1の防災ロボット5は、火災火源Fを確定していないので、図10の図面番号(5c)通信経路P1の行のように、待機フラグ、アドレスN2の火災フラグが立てられ、確定フラグ、放水フラグ、基準線フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報をアドレスN2の防災ロボット5に送信する。
アドレスN6の防災ロボット5は、既に火災火源Fを確定しているので、火災フラグ、アドレスN2の防災ロボット5との間の基準線RL7のフラグを立て、図10の図面番号(5c)通信経路P6の行のように、待機フラグ、アドレスN2の火災フラグ、アドレスN6の火災フラグおよび基準線RL7のフラグが立てられ、確定フラグ、放水フラグおよび他の基準線のフラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報をアドレスN1の防災ロボット5に送信する。
アドレスN6の防災ロボット5から「NEXT」信号を受信したアドレスN1の防災ロボット5は、火災火源Fを確定していないので、図10の図面番号(6a)通信経路P1の行のように、待機フラグ、アドレスN2の火災フラグ、アドレスN6の火災フラグ、基準線RL7のフラグが立てられ、確定フラグ、放水フラグ、他の基準線フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報をアドレスN2の防災ロボット5に送信する。
アドレスN5の防災ロボット5は、既に火災火源Fを確定しているので、火災フラグ、アドレスN2の防災ロボット5との間の基準線RL6、アドレスN6の防災ロボット5との間の基準線RL11のフラグを立て、図10の図面番号(6a)通信経路P5の行のように、待機フラグ、アドレスN2の火災フラグ、アドレスN5の火災フラグ、アドレスN6の火災フラグ、基準線RL6のフラグ、基準線RL7のフラグおよび基準線RL11のフラグが立てられ、確定フラグ、放水フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報をアドレスN6の防災ロボット5に送信する。
アドレスN6の防災ロボット5から「NEXT」信号を受信したアドレスN1の防災ロボット5は、火災火源Fを確定していないので、図11の図面番号(6b)通信経路P1の行のように、待機フラグ、アドレスN2の火災フラグ、アドレスN5の火災フラグ、アドレスN6の火災フラグ、基準線RL6のフラグ、基準線RL7のフラグ、基準線RL11のフラグが立てられ、確定フラグ、放水フラグ、他の基準線フラグが立てられておらず、各防災ロボット5の獲得ポイントが0から構成されている状態情報をアドレスN2の防災ロボット5に送信する。
判定待ち時間の間、火災フラグの立った防災ロボット5を互いに結んだ直線、すなわち判定動作に要する基準線RL6、RL7、RL11のフラグを順次立て、判定動作に備える。
まず、アドレスN2の防災ロボット5は、アドレスN5の防災ロボット5から火源角度情報を入手する。火源角度情報は、火災火源FのアドレスN5の防災ロボット5の方向軸原点からの角度θ5−F(例えば60°)と基準線RL6のアドレスN5の防災ロボット5の方向軸原点からの角度θ5−6を入手する。アドレスN2の防災ロボット5には、基準線RL6のアドレスN2の防災ロボット5の方向軸原点からの角度θ2−6、火災火源FのアドレスN2の防災ロボット5の方向軸原点からの角度θ2−F(例えば100°)が記憶されている。
基準線RL6と火災火源Fとの偏り角、基準線RL6とアドレスN2の防災ロボット5の中心と火災火源Fとを結ぶ線との交差角の絶対値φ2−6と、基準線RL6とアドレスN5の防災ロボット5の中心と火災火源Fとを結ぶ線との交差角の絶対値φ5−6は、式(1)、式(2)で求められ、図4に示した、予めプリセットしておいた各基準線の角度データを用いて以下のように求められる。
φ5−6=|θ5−F−θ5−6|=|60−90|=30 (2)
基準線RL7と火災火源Fとの偏り角、基準線RL7とアドレスN2の防災ロボット5の中心と火災火源Fとを結ぶ線との交差角の絶対値φ2−7と、基準線RL7とアドレスN6の防災ロボット5の中心と火災火源Fとを結ぶ線との交差角の絶対値φ6−7は、式(3)、式(4)で求められ、図4に示した、予めプリセットしておいた各基準線の角度データを用いて以下のように求められる。
φ6−7=|θ6−F−θ6−7|=|160−135|=25 (4)
アドレスN2の防災ロボット5は、上述の如く、基準線フラグが立った基準線RL6、RL7に対して判定動作を完了したら、獲得ポイントを記憶するとともに判定済みの基準線RL6と基準線RL7のフラグを降ろす。そして、図11の図面番号(6c)通信経路P1のように、アドレスN2、N5、N6の火災フラグ、基準線RL11のフラグが立てられ、獲得ポイントを含み、待機フラグ、確定フラグ、消火フラグが立てられていない状態情報をアドレスN5の防災ロボット5に送信する。
基準線RL11と火災火源Fとの偏り角、基準線RL11とアドレスN5の防災ロボット5の中心と火災火源Fとを結ぶ線との交差角の絶対値φ5−11と、基準線RL11とアドレスN6の防災ロボット5の中心と火災火源Fとを結ぶ線との交差角の絶対値φ6−11は、式(5)、式(6)で求められ、図4に示した、予めプリセットしておいた各基準線の角度データを用いて以下のように求められる。
φ6−11=|θ6−F−θ6−11|=|160−180|=20 (6)
アドレスN5の防災ロボット5は、基準線フラグが立った基準線RL11に対して判定動作を完了したら、獲得ポイントを記憶するとともに判定済みの基準線RL11のフラグを降ろす。そして、図11の図面番号(7a)通信経路P1のように、アドレスN2、N5、N6の火災フラグが立てられ、獲得ポイントを含み、待機フラグ、確定フラグ、消火フラグ、基準線フラグが立てられていない状態情報をアドレスN6の防災ロボット5に送信する。
アドレスN1の防災ロボット5は、確定フラグが立っていることと、自身の火災フラグが立っていないことから、放水動作を行わないで、アドレスN2の防災ロボット5に図11の図面番号(7b)通信経路P1に示す状態情報を伝達する。
アドレスN3、N4の防災ロボット5は、確定フラグが立っていることと、自身の火災フラグが立っていないことから、放水動作を行わないで、次のアドレスの防災ロボット5に図11の図面番号(7b)通信経路P3、P4に示す状態情報を伝達する。
アドレスN5の防災ロボット5は、図11の図面番号(7b)通信経路P5のように、確定フラグ、放水フラグ、アドレスN2、N5、N6の火災フラグが立てられ、獲得ポイントを含み、待機フラグが立てられていない状態情報をアドレスN6の防災ロボット5に送信する。
アドレスN6の防災ロボット5は、図11の図面番号(7c)通信経路P1のように、確定フラグ、放水フラグ、アドレスN2、N5、N6の火災フラグが立てられ、獲得ポイントを含み、待機フラグが立てられていない状態情報をアドレスN1の防災ロボット5に送信する。以降も状態情報を次のアドレスに伝達する。
確定フラグが立ってから所定時間を超過しても放水フラグが立たない場合は、獲得ポイント次点のアドレスN2の防災ロボット5が放水動作を開始する。すなわち、アドレスN5の防災ロボット5が故障していても防災システムは停止しない。
また、判定動作を開始する前に通信が再開した場合は、切り離されていた防災ロボット5を情報交換のリングに戻すことができる。
また、一部の防災ロボットが故障しても正常な防災ロボットで火災火源Fを検知するとともに正常な防災ロボットのうち最も火災火源Fに近いものから放水するので、防災システム全体がダウンしてしまうということを防げる。
図14は、防護区画1にアドホック通信を用いて状態情報を送受信する防災ロボットを配置した様子を示す図である。
図14(a)は、火災受信機3から火災信号が入力された中央操作盤4が、連動して防災ロボット5を起動したときの様子を示す図である。
防護区画1に配置された6個の防災ロボット5は、火災受信機3からの火災信号に連動して、中央操作盤4が火源探査や消火を指令し、一斉にすべての防災ロボット5が火源探査を開始する。
図14(b)は、最初に火災火源Fを検知した防災ロボット5の通信の様子を示す図である。
識別番号N5の防災ロボット5が火災火源Fを最初に検知した場合、識別番号N5の防災ロボット5が、火災フラグを立てた送信スロットを送信する送信期間と残りの防災ロボット5から送信される信号を受信する受信期間とを有する同期信号を送信する。
識別番号N5の防災ロボット5で同期信号が発せられた後で火災火源Fを検知した防災ロボット5は、識別番号N5の防災ロボット5に同期信号の受信期間で送信要求を行う。送信要求が正しく行われていないとき、所定の間隔で所定の回数の送信要求をリトライする。なお、他の防災ロボット5の送信を受信したとき、その送信期間中はその他の防災ロボットは送信を待機し、送信要求の衝突を防ぐようにする。
送信要求が正しく行われたとき、識別番号N5の防災ロボット5は送信要求のあった防災ロボット5に対してタイムスロットを割り当てる。
この例では識別番号N3の防災ロボット5以外の防災ロボット5で火災火源Fが検知された。そこで、識別番号N3の防災ロボット5以外の防災ロボット5は割り当てられたタイムスロットを利用して、識別番号N5の防災ロボット5と自身を結ぶ基準線、基準線の自身の方向軸原点からの角度、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度を送信する。
例えば、識別番号N1の防災ロボット5は、基準線RL2、基準線RL2の自身の方向軸原点からの角度θ1−2、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ1−Fを送信する。同様に、識別番号N2の防災ロボット5は、基準線RL6、基準線RL6の自身の方向軸原点からの角度θ2−6、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ2−Fを送信する。同様に、識別番号N4の防災ロボット5は、基準線RL10、基準線RL10の自身の方向軸原点からの角度θ4−10、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ4−Fを送信する。同様に、識別番号N6の防災ロボット5は、基準線RL11、基準線RL11の自身の方向軸原点からの角度θ6−11、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ6−Fを送信する。
図15(b)は、識別番号N5の防災ロボット5で行う判定動作の様子を示す図である。
そして、基準線RL2、RL6、RL10、RL11それぞれに対して火災火源Fとの偏り角を求めて、偏り角の大きい方に獲得ポイントを与えて、最高の獲得ポイントを得た防災ロボット5が火災火源Fに最も近いと判定し、放水を指令する。放水が指令された防災ロボット5は、残りの防災ロボット5に放水禁止を指令する。
放水が指令された防災ロボット5が放水を開始する。
図16は、防護区画1にアドホック通信を用いて状態情報を送受信する防災ロボット5を配置した様子を示す図であり、防災ロボット5が中継通信を行う場合を示している。
図16(a)は、最初に火災火源Fを検知した防災ロボット5の通信の様子を示す図である。
識別番号N6の防災ロボット5が火災火源Fを最初に検知した場合、識別番号N6の防災ロボット5が、火災フラグを立てた送信スロットを送信する送信期間と残りの防災ロボット5から送信される信号を受信する受信期間とを有する同期信号を送信する。この同期信号は、例えば識別番号N1、N2、N5の防災ロボット5に伝搬する。
識別番号N6の防災ロボット5で同期信号が発せられた後で火災火源Fを検知した防災ロボット5は、識別番号N6の防災ロボット5に同期信号の受信期間で送信要求を行う。このとき識別番号N4の防災ロボット5は識別番号N5の防災ロボット5からの通信を傍受して、識別番号N5の防災ロボット5に識別番号N6の防災ロボット5との中継を要求する。
識別番号N5の防災ロボット5は、自身に割り当てられたタイムスロットを利用して、識別番号N4の防災ロボット5に中継通信を許可する。なお、この中継通信の許可の通信を識別番号N6の防災ロボット5も傍受するが、識別番号N5の防災ロボット5からのデータと認識せずに、次に、識別番号N5の防災ロボット5を経由した識別番号N4の防災ロボット5からの状態情報を受信する。
識別番号N4の防災ロボット5は識別番号N5の防災ロボット5に割り当てられたタイムスロットに同期して、その待ち受け期間に中継用のデータを送信する。
図17(b)は、識別番号N5の防災ロボット5が中継を行う様子を示す図である。
識別番号N5の防災ロボット5は、割り当てられたタイムスロットを利用して、識別番号N4の防災ロボット5からのデータを識別番号N6の防災ロボット5に中継送信する。
識別番号N1の防災ロボット5は、基準線RL3、基準線RL3の自身の方向軸原点からの角度θ3−3、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ1−Fを送信する。同様に、識別番号N2の防災ロボット5は、基準線RL7、基準線RL7の自身の方向軸原点からの角度θ2−7、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ2−Fを送信する。同様に、識別番号N4の防災ロボット5は、基準線RL10の自身の方向軸原点からの角度θ4−10、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ4−Fを送信する。同様に、識別番号N5の防災ロボット5は、基準線RL11、基準線RL11の自身の方向軸原点からの角度θ6−11、火災火源Fの自身の方向軸原点からの角度θ5−Fを送信する。
そして、基準線RL3、RL7、RL10、RL11それぞれに対して火災火源Fとの偏り角を求めて、偏り角の大きい方に獲得ポイントを与えて、最高の獲得ポイントを得た防災ロボット5が火災火源Fに最も近いと判定し、放水を指令する。放水が指令された防災ロボット5は、残りの防災ロボット5に放水禁止を指令する。
放水が指令された識別番号N6の防災ロボット5が放水を開始する。
図18は、これまで説明した防災ロボットの消火装置を具備しない火災覚知用防災ロボットとして用い、火源に最も近い防災ロボットを判定することによって火災区画を判定するものである。すなわち、隣接する防災ロボットと等距離の線を描くことによって火災区画の境界線を定める。これによって避難誘導を行う為の火災位置概略を知ることができる。
また、火源角度が判るので火源に接近して消火活動を行うこともできる。
個々の装置は単純動作を行うが、これらが相互に関係し合うことによって全体的に知能的な動作となる、一種の人工知能に相当する。
ここでは主として位置判定に適用し、大空間の火災覚知システムにおける火災区域の自動判定や、可動式ヘッドを有する消火システムにおける放水装置の自動選択に応用している。
Claims (3)
- 火災に基づく物理的現象を火災火源として検出する火災検出部と、上記火災検出部で検出された上記火災火源の位置を方向軸原点からの角度情報として検出する位置検出部と、上記火災検出部の火災検出信号および上記位置検出部からの上記角度情報が入力される制御部とを備える複数の防災ロボットが、固定設備として防護区画に配設される防災システムにおいて、
上記防災ロボットは、
他の防災ロボットと情報を送受信する送受信部と、
隣接する他の防災ロボットと自身とを結ぶ直線として規定される基準線と、上記方向軸原点から上記基準線までの角度とをそれぞれの防災ロボットごとに関連付けたプリセットデータとして記憶する記憶部と、
をさらに備え、
上記制御部は、
上記位置検出部で検出された上記角度情報と、上記記憶部に記憶された上記プリセットデータに基づいて、上記隣接する他の防災ロボットに対応するそれぞれの基準線から上記火災火源の位置までの角度を火源角度情報として生成し、上記送受信部を介して自身が生成した上記火源角度情報を上記隣接する他の防災ロボットに送信するとともに、上記隣接する他の防災ロボットで生成された火源角度情報を入手し、
同一の基準線に対して自身が生成した火源角度情報と上記隣接する他の防災ロボットが生成した火源角度情報とを比較し、上記自身が生成した火源角度情報が上記隣接する他の防災ロボットが生成した火源角度情報よりも大きい場合には、上記隣接する他の防災ロボットよりも自身の方が上記火災火源に近いと判断する遠近判断処理を実行し、全ての基準線に対する上記遠近判断処理の結果を状態情報として生成し、上記送受信部によって他の防災ロボットから送信された状態情報に対して、自身の状態情報を加えて更新された状態情報を上記記憶部に記憶させるとともに、上記送受信部によって他の防災ロボットに送信し、
更新された状態情報によって自身が上記火災火源に最も近い防災ロボットであるか否かを特定する
ことを特徴とする防災システム。 - 上記防災ロボットは、消火手段を備え、
火災に最も近い防災ロボットの消火手段が消火活動を行うことを特徴とする請求項1に記載の防災システム。 - 上記防災ロボットは、標識となる光源と、旋回駆動する軸に取付けられる光源検出手段と、を備え、
複数の上記防災ロボットが互いの方向を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の防災システム。
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