JP3914972B2 - 紙幣の計数・識別装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙幣の計数・識別装置に関し、特に各種機能を選択設定するための操作性や、使用中における操作性を改善した紙幣の計数・識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙幣を計数して金額、枚数等を表示すると共に紙幣の金種、真贋等を識別する機能を備えた計数・識別装置は従来から知られているが、多様な機能を備えたこの種の装置においては、装置の使用開始前における各種機能の設定、取捨選択に要する労力が多大なものとなっており、設定のための操作の簡略化が従来から望まれている。
従来の計数・識別装置においては、一種類の紙幣のみを計数するモードや、異金種が混在した紙幣束を計数する際に金種別の金額、枚数を表示するモード等々、多数の機能が装備されており、これらのモード、機能は、ユーザのニーズに応じて取捨選択して設定する必要がある。しかし、この設定作業はユーザにとっては極めて煩雑な作業であり、しかも従来の計数・識別装置においては、装置の電源を投入して立ち上げる度に、モード、機能を設定する画面を表示した上で、モード、機能を選択設定するための操作を実施する必要があった。
図23は従来の計数・識別装置の外観図であり、この計数・識別装置1の筐体2の上部には紙幣束をセットするホッパ3が設けられており、ホッパ3にはセットされた紙幣の長手方向両端縁に沿ってガイドするために矢印方向へ進退可能に支持された紙幣ガイド4と、ホッパ3内に配置された図示しない分離ローラ対のニップ部の間隔を微調整するための厚さ調整ダイヤル5と、ホッパ内に配置されて紙幣束から一枚づつ紙幣を分離給送する図示しない分離ローラ対と、分離ローラ対によって分離給送された一枚の紙幣を受け取り積層収容するスタッカ10と、スタッカ10内に回転自在に配置されて給送されてきた紙幣をスタッカ10に搬送する羽根車11と、ホッパ3とスタッカ10との間の紙幣搬送経路上に沿って配置された図示しない紙幣識別部、及び制御部と、筐体2の正面上部に配置された操作パネル12等を有する。
選択可能な計数モードの種類としては、FREEモード、SDCモード、MDCモード、BSSモードがある。
【0003】
まず、FREEモードは、金種とは無関係にホッパ3にセットされた全紙幣を計数する基本モードであり、このモードを選択した状態で紙幣束をホッパ3にセットし、START/STOPキー32をONすることにより、駆動モータ、各種センサが作動して紙幣の分離給送とカウントを開始する。SDC(Single Denomination Count)モードは、一つの金種だけを計数するモードである。MDC(Mixed Denomination Count ) モードは、複数の金種が混在した紙幣束の枚数を金種別に計数すると共に、金種別の或は全紙幣の合計金額を算出するモードである。BSS(Bill Strap Stop) モードは、計数対象となる一つの紙幣束中に複数の金種が混在しており、しかも金種毎に仕分けされた状態で積層されている場合に、一つの金種の紙幣群についての計数を完了した時点で一旦計数を中断した上で当該金種が変化したことを知らせる「CHANGED」という文字をLCDディスプレイ30上に表示し、その後、スタッカから紙幣を取り出すと自動的に次の金種の紙幣群についての計数を開始し、上記と同様の処理を順次施すモードである。
各モード間の切替は、操作パネル上のモードボタンを必要回数ONすることにより行われる。LCDディスプレイ30上には、小計、小計と合計が切替表示される。また、枚数表示と金額表示を切り替えることもできる。
また、上記以外の多様な機能を選択することができるが、これらの設定は、全てインストレーションモードにて実施される。
また、上記の基本機能の設定に加えて、真贋判定の為の磁気センサとUVセンサが紙幣搬送路上に配置されており、必要に応じて真贋判定を行うこともできる。いずれのセンサを使用するかの選択、或はセンサの感度調整についてはインストレーションモードにて設定できる。
ここでインストレーションモードとは、電源投入直後に行われる初期設定の為のモードのことである。
【0004】
上記のように従来の計数・識別装置にあっては、基本機能のみならず、他の多様な機能についてもインストレーションモードにて設定する必要があった。つまり、設定を変更する頻度、必要の高い機能も、半固定的に変更を必要としない機能も全てインストレーションモードによらない限り設定、変更ができず、不便であった。インストレーションモード時にディスプレイに表示されるアイテムが多数あるため、一つの設定を変更する際にも、アップキー、ダウンキーを何回も押す必要があり、極めて煩雑な作業であった。これは、ユーザサイドにおいて使用頻度が高い為に一度選択設定したアイテムについては、その後変更することが少ないにも関わらず、そのアイテムは常にインストレーションメニュー中に表示される為、アップキー、ダウンキーを押す頻度が多くなるからである。また、一つの機能について設定、設定変更を行いたい場合には、その度にわざわざ電源をOFFにしてから所定の操作によりインストレーションモードに移行させてから、設定、設定変更を実施する必要があり、大変不便であった。例えば、装置を使用中に真贋判定の機能を実施する必要が発生した場合には、わざわざ電源を一旦OFFした上で、所定の操作によりインストレーションモードに移行し、真贋判定を表示した画面中から同機能を選択する必要があった。
このような不具合に対する対策としては、操作パネル上に常設の専用スイッチを設けて変更する頻度の高い所望の機能の設定、変更を行い得るように構成することも考えられるが、パネルが大型化するという不具合がある。
また、4つの計数モードの切替設定を行う為に、モードボタンを何回も押す必要がある為、作業が煩雑であり、この点の改善が求められていた。
また、LCDディスプレイの表示内容を切り替える為に、操作パネル上に専用の常設スイッチを設けることもあったが、パネル上のスイッチ数が増大して大型化するという不具合があった。
また、従来の装置にあっては、部外者が容易に機械を操作することができるため、セキュリティー上の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、各種機能を選択設定するための操作や、使用中における操作性を改善した紙幣の計数・識別装置を提供することにあり、具体的には、電源投入時にインストレーションモードにより設定、設定の変更を行うモード、アイテムとして、頻繁に設定変更を必要としない(半固定の)大半のモード、アイテムを選定し、残りの比較的少数のアイテムをセットモードによって設定することにより、モード、機能の設定に伴うキー操作手数を大幅に低減して操作性を向上した計数・識別装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る紙幣の計数・識別装置の請求項1の発明は、電源投入時に複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を設定するインストレーションモードを備え、インストレーションモードにおいて複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を選択した場合、通常モード下においては、インストレーションモードにおいて選択したモード、機能のみが選択可能となる紙幣の計数・識別装置であって、該計数・識別装置は、計数する紙幣束を収容する一つのホッパーと、計数後の紙幣を収容する一つのスタッカーとを有しており、前記インストレーションモードにおいて選択可能なモードとして、計数対象となる一つの紙幣束中に複数の金種が混在しており、しかも金種毎に仕分けされた状態で積層されている場合に、一つの金種の紙幣群についての計数を完了した時点で一旦計数を中断した上で、計数対象と成る紙幣の金種が変化したことを知らせる表示と共に、計数した枚数、合計金額を表示するBSSモードを備えたことを特徴とする
請求項2の発明は、複数のモード、機能を備えた紙幣の計数・識別装置において、電源投入時に複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を設定するインストレーションモードを備え、特定のキーをONしながら電源を立ち上げることにより、前記インストレーションモードに移行し、設定が完了の後、ボタン操作により通常モードに移行することが可能であって、インストレーションモードにおいて複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を選択した場合、通常モード下においては、インストレーションモードにおいて選択したモード、機能のみが選択可能となることを特徴とする
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の紙幣の計数・識別装置において、各種モード、機能を選択するためのファンクションキーを備え、上記ファンクションキーの役割の設定は、上記インストレーションモード下で行うことを特徴とする
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の紙幣の計数・識別装置において、各種モード、機能を設定するためのモードを、インストレーションモードと、セットモードとの2つのモードに分け、使用中に変更する可能性の高いモード、機能のみをセットモードにて設定するように構成したことを特徴とする
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の紙幣の計数・識別装置において、特定のキーをONしながら電源を立ち上げることにより、扱う通貨の国籍を切り換えるための国籍設定モードに移行することを特徴とする
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の紙幣の計数・識別装置において、電源立ち上げ後の使用中に、セットモードに移行することによって、扱う通貨の国籍を切り換えるための国籍設定モードに移行することを特徴とする
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例に従って詳細に説明する。
図1(a) 及び(b) は本発明の紙幣の計数・識別装置の一例の正面斜視図、及び背面斜視図であり、この計数・識別装置1の筐体2の上部には紙幣束をセットするホッパ3が設けられており、ホッパ3にはセットされた紙幣の長手方向両端縁に沿ってガイドするために矢印方向へ進退可能に支持された紙幣ガイド4と、ホッパ3内に配置された図示しない分離ローラ対のニップ部の間隔を微調整するための厚さ調整ダイヤル5と、ホッパ内に配置されて紙幣束から一枚づつ紙幣を分離給送する図示しない分離ローラ対と、分離ローラ対によって分離給送された紙幣を一枚づつ受け取り積層収容するスタッカ10と、スタッカ10内に回転自在に配置されて給送されてきた紙幣をスタッカ10に搬送する羽根車11と、ホッパ3とスタッカ10との間の紙幣搬送経路上に沿って配置された図示しない紙幣識別部、及び制御部と、筐体2の正面上部に配置された操作パネル12等を有する。
紙幣識別部には、例えば紙幣の全幅をカバーするように配置された光学的なラインセンサと、光透過センサ(カウント用、重送検知用)と、UVセンサと、磁気センサ等を設ける。ラインセンサは、光学的に紙幣の全面の像を取込み、この像データに基づいて図示しない制御部が紙幣の金種を識別する。光透過センサの出力に基づきCPUは、金種別の通過枚数やその合計金額等を計数、計算する。制御部は、例えば、予め設定されたプログラムに従って各種処理を実行するCPU(中央処理装置)、制御プログラム等を格納した読み出し専用の記憶手段であるROM、処理結果やデータを記憶する手段としてのRAM、入・出力回路であるI/O等を備えており、ROM等に予め格納された真贋判定の為の基準とする真正紙幣の画像情報とラインセンサから得られた画像情報とを比較することにより、金種、真贋等の判定作業を実施する。
【0008】
UVセンサは、紙幣を印刷するインクに含まれている蛍光物質を読み取る手段であり、磁気センサは紙幣に埋め込まれた磁気データを読み取る手段である。制御部は各センサからの検出信号と、ROM等の記憶した基準データとを比較することにより、当該紙幣の真贋を判定する。
筐体2の背面には、電源スイッチ20、パワーコネクタ21、ヒューズボックス22、プリンタ接続用のシリアルインタフェースコネクタ23、PC接続用のシリアルインタフェースコネクタ24等が配置されている。
操作パネル12は、図2にも示すように、大面積のLCDディスプレイ30と、キーボード31とを有する。キーボード31は、START/STOPキー32、FNCキー33、アップキー34、MODEキー35、DENOMIキー36、SETキー37、ダウンキー38、BATCHキー39、CLRキー40、OPTIONキー41、MODE表示部45、BATCH表示部46等を有する。
[各種キーの機能についての説明]
まず、START/STOPキー32は、装置本体の電源20がONされて立ち上がった状態で他のキーを用いてモードを設定した後で、ホッパ3に紙幣束をセットした状態でONされることにより、図示しない駆動モータを駆動させて分離ローラ対を作動させ、紙幣の分離、給送が開始される。ラインセンサ等のセンサ群は当該モードに応じて作動し、各センサからのデータを受けた制御部は必要な情報をLCDディスプレイ30に表示する。また、スタッカ10においては羽根車11が排出されてきた紙幣を一枚づつ捌いてからスタッカ上に揃えて積層収納する。上記計数・識別動作の途中で作業を中止したい場合には、START/STOPキー32をONすることにより、作業が中断される。また、後述するように、LCDディスプレイにパスワード画面が表示されている状態においては、このキー32はパスワードを決定する為のキーとして利用される。
【0009】
FNC(ファンクション)キー33の機能は、LCDディスプレイに後述するインストレーション画面が表示されている時に決定される。このキーには、(1) 累計(cumulative totals)の表示、(2) 計数結果としての金額表示と枚数表示との切り換え、(3) 詳細な計数(detail count)の結果としての小計表示、合計(totals)表示、総合計(grand-total)表示の切り換え、という3つの機能が備わっている。更に、このキー33は、金額加算画面上においてレスキューのための操作と金額加算を行うために用いられる。また、パスワード画面上において番号1を入力するためのキーとして用いられる。なお、レスキューとは、後述するが、簡単に説明すれば、ある計数モードにて計数している紙幣束の中に、当該モードに適合しない金種が混在していたり、金種等を判別できない(no read )紙葉類等が混在している場合に、羽根車11を停止させて当該紙幣、或は紙葉類に対する処置方法を選択する必要があるが、このような事態から救済する操作をレスキューと称するものである。
アップキー34は、カウントされる数をセットしたり、インストレーション画面上や、セット画面上においてカーソルを移動する為に用いられる。更に、金額加算画面(value add screen)上や詳細情報画面(detail screen) 上においてレスキューと金額加算を行い、パスワード画面上において番号2を入力する為のキーとして用いられる。
MODEキー35は、計数モード(SDC、MDC、BSS、FREE)の選択と、金額加算画面上におけるレスキュー及び金額加算と、パスワード画面上において番号3を入力する為のキーとして用いられる。このキー35により選択されたいずれかの計数モードはMODE表示部45に設けたいずれかのLED表示部(SDC、MDC、BSS、FREE)に点灯表示される。
【0010】
DENOMIキー36は、後述するSDCモードにおいて計数される紙幣の種類をセットしたり、後述するBSS BATCH 或は詳細情報画面上において紙幣を選択したり、金額加算画面上においてレスキューや金額加算を行ったり、更にはパスワード画面上において番号4を入力するキーである。
SETキー37は、ディスプレイ表示を種々のセッティング画面に移動したり、直前の画面に戻すための操作や、金額加算画面上においてレスキューや金額加算を行ったり、更にはパスワード画面上において番号5を入力するキーである。ダウンキー38は、カウントされる数をセットしたり、インストレーション画面上や、セット画面上においてカーソルを移動する為に用いられる。更に、金額加算画面(value add screen)上や詳細情報画面(detail screen) 上においてレスキューと金額加算を行い、パスワード画面上において番号6を入力する為のキーとして用いられる。
BATCHキー39は、カウントされる数をセットしたり、金額加算画面(value add screen)上においてレスキューと金額加算を行ったり、パスワード画面上において番号7を入力する為のキーとして用いられる。このキー39によりセットされたカウント数は、BATCH表示部46上のいずれかのLED表示部(5、10・・・OTHERS)に点灯表示される。
CLRキー40は、計数結果や金額(value number) をリセットしてゼロにしたり、アラームディスプレイをクリアーしたり、金額加算画面(value add screen)上においてレスキューと金額加算を行ったり、パスワード画面上において番号8を入力する為のキーとして用いられる。
OPTIONキー41は、贋札の検出措置を実施、解除したり、オプションのプリンタによって小計、合計、総合計をプリントしたり、パスワード画面上においてパスワードをリセットするためのキーである。
[計数モード(オペレーションモード)]
【0011】
次に、上記MODEキー35をONすることにより順次切り換えられる計数モードには、FREE、SDC、MDC、BSSの4種類があるが、これらについて個別に詳述する。
(FREEモード)
まず、FREEモードは、金種とは無関係にホッパ3にセットされた全紙幣を計数する基本モードであり、このモードを選択した状態で紙幣束をホッパ3にセットし、START/STOPキー32をONすることにより、駆動モータ、各種センサが作動して紙幣の分離給送とカウントを開始する。この時、LCDディスプレイ30上には、その時々の枚数がリアルタイムで表示され、この動作を全枚数カウントアップされるまで行う。カウントアップ後は、最終結果としての合計枚数表示、合計金額表示等を行う。
このモードにおいては、次のサイズの範囲の紙幣を計数することができる。
長さ:57〜94mm(2.24〜3.70inches)
幅 :97〜192mm(3.82〜7.56inches)
肉厚:0.08〜0.15mm(0.03〜0.06inches)
FREEモードを設定する場合には、装置本体の電源スイッチ20をONしてから、パスワード番号が設定されていれば、該当するキー33〜40を用いて所定のパスワード番号を入力する。そして、MODEキー35をONすることによりFREEモードのLEDを点灯させる。
FREEモードにおいて計数する枚数の設定は、まずBATCHキーをONすることにより、図3(a) 左図に示すようにBATCH表示部46を構成するLED表示部のいずれかを点灯させる。点灯したLEDによって示される数字がプリセットバッチナンバー(プリセットバッチ枚数)である。アップキー34とダウンキー38を用いることにより、プリセットバッチナンバーを1枚単位で増減することができ、1〜999枚の範囲の枚数、或はセット無しを設定できる。
なお、アップキー34、ダウンキー38がONされる場合には、LCDディスプレイ30の表示内容は、BATCH ADJUSTMENT SCREEN (図3(b) )に変わる。セッティング完了後にSETキーをONすることにより図3(c) に示したメイン画面に変わる。
プリセットナンバー以外のバッチナンバーが設定される場合には、「OTHERS」のLEDが点灯する。なお、バッチナンバーは、累計計数において999までが上限である。
FREEモードによる計数を開始する場合には、まず、ホッパ3に紙幣束をセットする。続いて、START/STOPキー32をONし、計数を中断する場合には同じキー32をONし、計数を再開する場合にも同じキー32をONすればよい。仮に自動スタートの状態にある場合には、計数はホッパ3内に紙幣束をセットしたことを検出すると開始される。計数結果をゼロにリセットしたい場合にはCLRキー40をONする。
小計結果をゼロにリセットしたい場合には、スタッカ10から紙幣を除去すると、小計結果が自動的にリセットされる。
なお、ホッパ上に紙幣がなくなった時点で計数がバッチナンバーに満たない場合には、スタッカ上の紙幣を取り除かない状態で、ホッパーに紙幣束を追加補給してから計数を再開する。
【0012】
(SDCモード)
次に、SDC(Single Denomination Count)モードは、一つの金種だけを計数するモードである。例えば、目的とする紙幣として1ドル紙幣を選定した場合に、紙幣束中から1ドル紙幣のみをカウントして枚数、金額を表示するモードである。計数中に1ドル紙幣以外の紙幣が検出された場合には、スタッカ10にスタックされる前に羽根車11を止めて当該紙幣を羽根車上に露出させると共に、LCDディスプレイ30上にその旨を表示する。この表示を見たオペレータは、羽根車上に残った異金種紙幣を取り出し、その後、START/STOPキー32をONすることによって計数作業を再開することができる。
なお、このSDCモードにおいて、計数対象とする金種を選定する際には、上記DENOMIキー36を用いる。
また、計数作業を所定の枚数毎に一時停止させたい場合、例えば100枚毎に止めてスタッカ10から取り出して束にしたい場合には、BATCHキー39を用いて、当該枚数を予め設定しておくことができる。この際、BATCH表示部46上に予め表示された枚数を示す数字以外の枚数を設定したい場合には、アップキー34或はダウンキー38を用いて一枚単位の増減設定を行う。
図4(a) はこのSDCモードにおける操作手順を説明する為のキーボード図であり、装置本体の電源スイッチ20をONしてから、パスワード番号が設定されていれば、該当するキー33〜40を用いて所定のパスワード番号を入力する。そして、MODEキー35をONすることによりSDCモードのLEDを点灯させる。
図4(b) はLCDディスプレイの表示状態を示す図であり、DENOMIキー36を用いて任意の金種を選定すると、図のように希望した金種が表示される。また、予めAUTO DENOMINATIONが選択されている場合には上記操作によるセッティングは不要である。仮に、累積加算モード(cumulate mode) が選択されている場合には、これまでに計数された全紙幣のカウント枚数の表示が行われる。また、仮にディスプレイモードにおいて図11(e) に示したvalueが選択された場合には、画面上に「$」が表示される。
なお、同図中において「300」は、現在まで計数された紙幣の小計枚数であり、「99900」は累積して計数された紙幣についての合計金額である。また、MGは磁気センサ、UVは紫外線センサを使用している旨の表示である。
【0013】
SDCモードにおいて、前述の如く計数作業を所定の枚数(プリセットバッチナンバー)毎に一時停止させたい場合、例えば100枚毎に止めてスタッカ10から取り出して束にしたい場合には、BATCHキー39を用いて、当該枚数を予め設定しておくことができる。このようなプリセットバッチナンバーのセッティングにおいては、BATCHキー39をONする度にプリセットバッチナンバーが変更する(図4(c) 左図)。現在セットされているバッチナンバーはBATCH表示部46に所属するいずれかのLED表示部の点灯によって示されている。設定されたバッチナンバーを1単位で増減する場合は、アップキー34とダウンキー38を操作すれば良い。この操作方法によれば、1〜999枚、或はバッチナンバー無しをセットできる。
なお、アップキー或はダウンキーが押された場合、LCDディスプレイ30は「BATCH ADJUSTMENT SCREEN」(図4(d) )に変更し、この画面を用いてバッチナンバーを表示しつつ設定が行われる。セッティング完了後、SETキー37をONすることにより図4(b) に示した如きメイン画面に切り替わる。
なお、プリセットナンバー以外のバッチナンバーがセットされた場合には、BATCH表示部46中の「OTHERS」LED36が点灯する。
また、バッチナンバーは累積計数においては200枚までである。
SDCモードにおいて計数を開始する場合には、START/STOPキー32をONし、計数を中断する場合には同じキー32をONし、計数を再開する場合にも同じキー32をONすればよい。仮に自動スタートの状態にある場合には、計数はホッパ3内に紙幣束をセットすると同時に開始される。計数結果をゼロにリセットしたい場合にはCLRキー40をONする。なお、計数された枚数の値が予めセットされていたバッチナンバーに満たない場合には計数は継続して行われる。
次に、SDCモード下の計数作業中に指定された金種以外の金種の紙幣が検出された場合には、計数動作は停止し、図4(e) に示した如き内容(WRONG)がLCDディスプレイ30上に表示される。オペレータは表示に従って羽根車11上の異金種紙幣を除去したあとで、START/STOPキー32をONすることにより計数が再開される。
【0014】
(MDCモード)
次に、MDC(Mixed Denomination Count ) モードは、複数の金種が混在した紙幣束の枚数を金種別に計数すると共に、金種別の或は全紙幣の合計金額を算出するモードである。MDCモードを設定する場合は、装置本体の電源スイッチ20をONし、パスワードナンバーが設定されている場合には該当するキーをONしてパスワードナンバーを入力する。その後、MODEキー35をONすることにより、MODE表示部45内のMDCモードLEDを点灯させる。
MDCモードにおいて計数を開始する場合には、START/STOPキー32をONし、計数を中断する場合には同じキー32をONし、計数を再開する場合にも同じキー32をONすればよい。仮に自動スタートの状態にある場合には、計数はホッパ3内に紙幣束をセットすると同時に開始される。計数結果をゼロにリセットしたい場合にはCLRキー40をONする。紙幣束をスタッカから除去すると、自動的に小計の結果がゼロにリセットされる。その後、継続して計数するためにはスタッカから紙幣束を取り出さないで、ホッパに新たに紙幣束を補給する。
(BSSモード)
次に、BSS(Bill Strap Stop) モードは、計数対象となる一つの紙幣束中に複数の金種が混在しており、しかも金種毎に仕分けされた状態で積層されている場合に、一つの金種の紙幣群についての計数を完了した時点で一旦計数を中断した上で、当該金種が変化したことを知らせる表示である「CHANGED」という文字と共に、これまで計数した枚数と合計金額をLCDディスプレイ30上に表示する。その後、所定のキー操作等によって次の金種の紙幣群についての計数を開始し、上記と同様の処理を順次施す。なお、ある金種だけが含まれる筈の紙幣群中に異金種が一枚混入している場合には、羽根車11を停止させて当該異金種紙幣だけを保持し、除去し易くする動作が行われ、除去後には当該紙幣群についての計数が再開される。
換言すれば、BSSモードは、同一金種の紙幣を複数枚積層した紙幣群と、他の金種の紙幣群とを積層して一つの束にしたものを計数対象とするモードであり、当該一つの紙幣束には金種毎に仕分けされた状態の紙幣群が複数組含まれている。そして、紙幣束全体の合計枚数及び合計金額、金種毎の合計枚数及び金額等を計数表示すると共に、金種が変わるごとに計数を中断したり、予め指定されたバッチナンバー毎に計数を中断する等の作業を行う。
【0015】
図6(a) はこのBSSモードにおける操作手順を説明する為のキーボード図であり、装置本体の電源スイッチ20をONしてから、パスワード番号が設定されていれば、該当するキー33〜40を用いて所定のパスワード番号を入力する。そして、MODEキー35をONすることによりBSSモードのLEDを点灯させる。
図6(b) はLCDディスプレイの表示状態を示す図であり、BATCHキー39をONすることにより図6(b) に示した如きバッチセット画面がLCDディスプレイ30上に表示される。DENOMIキー36をONすることによってバッチナンバーをセットするために紙幣の金種を選定する。ブリセットバッチナンバーは、BATCHキー39をONする度に、図6(b) 左図の如く切り替わる。
設定されたバッチナンバーを1単位で増減する場合は、アップキー34とダウンキー38を操作すれば良い。この操作方法によれば、1〜999枚、或はバッチナンバー無しをセットできる。
また、バッチナンバーの上限は、累積計数においては200枚までである。
バッチナンバーをクリアするためには、CLRキー40をONする。
また、仮にディスプレイモードにおいて図11(e) に示したvalueが選択された場合には、図6(c) 中のVAL表示される。NUMBERが選択された場合には、図6(b) 中のNUMが表示される。
次の金種について設定する場合にはDENOMIキー36をONする。
セッティング終了後に、セットキー37をONし、メイン画面を表示させる。計数を行っている時、セットバッチナンバーLEDか「OTHERS」のLEDを点灯して、現在計数している金種だけを表示する。現在計数中でない金種については表示されない。
【0016】
BSSモードによる計数を開始する場合には、まず、図6(d) のように同種の紙幣から成る紙幣群と、他の金種の紙幣から成る紙幣束とを一緒にした束をホッパ3にセットする。続いて、START/STOPキー32をONし、計数を中断する場合には同じキー32をONし、計数を再開する場合にも同じキー32をONすればよい。仮に自動スタートの状態にある場合には、計数はホッパ3内に紙幣束をセットすると同時に開始される。計数結果をゼロにリセットしたい場合にはCLRキー40をONする。
仮に、バッチナンバーがいずれの金種についても設定されていない場合、紙幣束をスタッカ10から除去し、その後小計結果をゼロとして次の計数を開始する。
また、仮にバッチナンバーがいずれかの金種について設定されている場合には、計数をバッチナンバーに達するまで行い、そして小計結果をゼロとして次の計数を開始する。
[インストレーションモード]
インストレーションモードとは、電源投入直後に行われる初期設定のためのモードのことである。図22に示した画面構造図から明らかなように、SETキーを押しながら電源スイッチをONすることにより、インストール画面(インストレーション画面)が表示され、各項目(アイテム)の設定が行われる。また、インストレーションモードによる初期設定が完了して電源をOFFした状態にある装置について、電源を投入した場合にはセットモードによる項目設定が行われる。
インストレーションモードでは、装置が有する種々の機能のうち、使用する機能と使用しない機能を予め選択設定して設定内容を記憶部に記憶することができるので、電源投入による立ち上げの度に、或は使用中に、機能の取捨選択を行う操作を行わずに済むこととなり、操作性を大幅に高めることができる。
インストレーションモードに入る為には、まず、図2に示したキーボード31上のSETキー37をONしながら電源スイッチ20をONすることにより、LCDディスプレイ30上に図7に示したインストレーション画面を表示させる。
インストレーション画面には、同図に示すように、メイン画面(図3(c) の画面を参照)アイテム、上記4つのモードのアイテムの他に、種々の機能のアイテムが表示されており、アップ・ダウンキー34、38を用いてカーソルを所望のアイテムに移動させた上で、SETキー37をONすることにより、個々のアイテムに対応する画面を表示させることができる。次のA)〜I)までの各項目にて説明するように、表示された個々のアイテム画面上でインストレーションを行うことができる。インストレーションが完了した場合には、アップキー34を用いてカーソルをメイン画面(main screen )アイテムに移動した上で、SETキーをONすることにより図3(c) に示したメイン画面に切り換わる。
A)SDC、MDC、BSS、FREEモードの選択のための操作。
【0017】
これらのモードのいずれかを選択するための操作は、上記の様にインストレーション画面中の該当アイテムを選択することにより該当画面を表示することにより開始される。図8(a) はSDCモードを設定するか否かを選択している状態を示しており、SDCモード画面には、「1 ON、2 OFF」が表示されており、アップ・ダウンキー34、38を用いていずれかを選択し、選択後にSETキー37をONすると、図7のインストレーション画面に切り換わる。
上記全てのモードについてOFFを選択することはできない。
また、メイン画面を表示した状態でMODEキー35をONする度に、インストレーション画面上でONに設定されているモードのアイテム(図7では、SDC、MDCモード)に順次切り替わる。つまり、OFFに設定されている他のモードであるBSS、FREEについてはMODEキー35をONしても切り替わることがない。
B)ファンクションキー(FNCキー)33の選択。
これはFNCキー33に対する機能の割当てを設定する操作である。ここでは、「1 ADD KEY、2 DSP KEY、3 DETAIL KEY、4 OFF」の4つの項目が表示されている。
(1) ADD KEYを選択した場合には、FNCキー33をONしたときに、それまで計数してきた紙幣の小計のみ、又は合計と小計の両方のいずれかを選択する。合計は、装置の電源投入からの合計、或はゼロクリアをしてからの合計金額、合計枚数を表示する。小計は、紙幣の束毎の小計金額、枚数を表示する。
ADD KEYとしての機能を予めFNCキーに割り振っておくことにより、FNCキーをONしたときに上記の内容を表示することができる。
(2) DSP KEYを選択した場合には、FNCキー33をONする度に、それまでに計数した枚数表示と金額表示が相互に切り換え表示される。
(3) DETAIL KEYを選択した場合には、FNCキーをONしたときに、全金種夫々の枚数、金額表示と、累積トータル、或は今日一日の総合計の表示がサイクリックに切り換わる。つまり、図15(a) に示すように、FNCキーを一回ONする度に切り換わる。また、今現在計数している一種類の金種だけについての枚数、金額を表示するためには、セットボタンを押せば良い。
C)自動スタート機能
【0018】
これは、図8(c) の画面表示において、アップ・ダウンキー34、38を用いてON、或はOFFのいずれかを選択してからSETキー37により確定することにより、ホッパ3に紙幣束をセットするだけで自動的に計数が開始されるか否かの選択を行うことができるように設定される。SETキーのONによりインストレーション画面が表示される。
D)自動デノミ機能(AOUTOMATIC DENOMINATION SETTING)
自動デノミ機能は上記SDCモードの一種であり、通常のSDCモードが予め決めておいた一種類の金種のみを計数するモードであるのに対して、この機能は予め金種を確定せずに計数を開始し、最初に計数された一枚目の紙幣の金種について計数を継続する機能である。従って、ホッパ3にセットした紙幣束の内の最初の一枚が1ドル紙幣である場合には、そのまま1ドル紙幣についての計数を継続し、1ドル紙幣以外の紙幣が識別された場合には羽根車を停止する等の措置を採る。
この機能を設定する場合には、図8(d) の画面を表示し、アップ・ダウンキー34、38によりONを選択した上でSETキー37にて確定する。確定と同時にインストレーション画面が表示される。
E)COM1機能(Communication port 1 setting)
この機能は、図1(b) に示したPC用のコネクタ24に対してパーソナルコンピュータを接続した場合の機能であり、PCへのデータの出力スピードを設定する。設定の操作においては、図9(a) の画面を表示し、アップ・ダウンキーを用いていずれかのスピードを選択した上でSETキー37により確定する。選択された出力スピードに基づいて接続されたコンピュータとのデータのやり取りを行う。なお、OFFはコネクタ24が使用されていないことを意味する。
F)COM2機能(Communication port 2 setting)
この機能は、図1(b) に示したプリンタ用のコネクタ23に対してプリンタを接続した場合の機能であり、プリンタへのデータの出力スピードを、AUTOとMANUALについて個別に設定する。AUTOとは、ホッパ3が空になりかつスタッカ10から紙幣が除去された後で、小計データを自動的にプリンタに出力する機能であり、MANUALとは、プリントを実行するためのマニュアル操作を経ることにより初めてプリンタに出力する機能である。
この機能を設定する場合には、図9(b) の画面を表示し、アップ・ダウンキーを用いていずれかのスピードを選択した上でSETキー37により確定する。選択された出力スピードに基づいて接続されたプリンタへデータが出力される。なお、OFFはコネクタ23が使用されていないことを意味する。
G)OPTION1 の設定(図9(c) )
磁気センサの設定を意味するMGか、OFFをアップ・ダウンキー34、38を用いて選択する。設定後、SETキー37により確定すると、インストレーション画面が表示される。MGが選択された場合には、贋札等を磁気的に検出することが可能となる。OFFが選択された場合には、磁気センサは作動しない。
H)OPTION2 の設定(図9(d) )
紫外線(UV)センサの設定を意味するUVか、OFFをアップ・ダウンキー34、38を用いて選択する。設定後、SETキー37により確定すると、インストレーション画面が表示される。UVが選択された場合には、贋札等を蛍光物質に基づいて検出することが可能となる。OFFが選択された場合には、UVセンサは作動しない。
I)パスワードの設定(図9(e) )
パスワードを入力しない限り、装置を使用することができなくなるように設定するために、パスワードを設定する。パスワードが設定されていない場合にはパスワードを入力しなくとも装置の使用が可能である。
【0019】
パスワード設定画面に示されたキー配置を参照しつつ、キー33〜40を用いてパスワードを入力する。入力後、START/STOPキー32をONすることにより確定する。
なお、FNCキー33は「1」、アップキー34は「2」、MODEキー35は「3」、DENOMIキー36は「4」、SETキー37は「5」、ダウンキー38は「6」、BATCHキー39は「7」、CLRキー40は「8」に対応している。
なお、OPTIONキー41がONされた場合には、パスワード番号はクリアされる。
[セットモード]
次に、セットモードによる各種機能の取捨選択作業は、上記インストレーションモードによる取捨選択作業と異なって、電源投入によって装置が立ち上がった後の操作中に適宜行われる作業であり、電源をOFFしてから電源を再投入すると、設定内容が電源OFF直前の内容となっている。インストレーションモードにより設定される機能は、主として頻繁に設定変更を行う必要のない機能(半固定的な機能)であるのに対して、セットモードにより設定される機能は、使用中の必要に応じて頻繁に設定変更を行う必要のある機能である。
従来の紙幣の計数・識別装置にあっては、全ての機能の設定、変更をインストレーションモードで行っていた為、インストレーションモード画面には多数の項目が表示され、電源を立ち上げる度に、全ての項目について設定の有無を選択する操作を行う必要があった為、キー操作が極めて煩雑であったが、本発明では、大半の半固定的な機能設定をインストレーションモードにて実行し、使用頻度の高い残りの僅かな機能だけをセットモードにて設定するようにしたので、操作性が大幅に向上する。
【0020】
図10はセットモードにおける設定手順を示すためのセット画面の一例であり、まずSETキー37をONすることによりセット画面を表示し、アップキー34或はダウンキー38を用いてカーソルを所望のアイテムに移動させる。カーソル位置を決定してからSETキーをONすることにより当該アイテムの画面が表示される。アイテムの種類としては、メイン画面の他に後述するA)〜J)を例示することができ、選択表示されたアイテムのセット画面に基づいてチェック作業或は設定作業が行われる。チェック作業或は設定作業が全て終了したときに、アップキー34を用いて「MAIN SCREEN 」というアイテムにカーソルを移動し、更にSETキーを用いてメイン画面(図3(c) 参照)を表示させる。或は、START/STOPキーをONすることにより、メイン画面を表示してもよい。
次に、上記セット画面に表示された各アイテムについて説明する。
A)金種別小計(Sub Detail)画面
図11(a) に示すように、このアイテム画面には細分化された金種別の小計が表示される。SETキー37をONすることにより図10に示したセット画面が表示される。
B)金種別合計(Total Detail)画面
図11(b) に示すように、このアイテム画面には、モード切り換え後の細分化された金種別の合計が表示される。SETキー37をONすることによりセット画面が表示される。
C)金種別総合計(Grand Detail)画面
図11(c) に示すように、このアイテム画面には、モードに関係なく電源投入後の細分化された金種別の総合計が表示される。SETキー37をONすることによりセット画面が表示される。
D)累積モード(Cumulate Mode)選択
このアイテムは、通常表示モードにおける小計のみの表示か、或は小計と合計を含んだ表示を選ぶ機能である。
【0021】
図11(d) に示した累積モード画面では、ON、或はOFFをアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。選択終了後、SETキー37をONすることによりセット画面が表示される。
なお、ONを選択した場合には累積合計が表示される。
E)表示モード(Display Mode)選択
このアイテムは計数結果の表示内容として枚数と、金額のいずれかを選択可能とする機能である。
図11(e) に示した表示モード画面では、NUMBER(枚数)、或はVALUE(金額)をアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。選択終了後、SETキー37をONすることによりセット画面が表示される。
F)センサの感度セットモード(Density)
このアイテムは、ラインセンサの感度の閾値レベルを設定するための機能であり、ラインセンサの感度を適正に設定することにより紙幣の重送状態を確実に検知できるようにすることを目的とする。例えば、感度が適正でない結果として一枚の紙幣を重送紙幣と誤認したり、或は紙幣の汚れに起因して誤検知することもあるが、このような不具合をなくするために感度調整が必要となる。
図11(f) に示した感度セットモード画面では、光透過センサの感度のレベルをアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。
工場出荷時(デフォルト時)のセットレベルは、例えば5である。
紙幣の状態によって、精度(ACCURACY)を10レベルのなかから適宜選択して設定する。
重送は、紙幣の汚れに起因して発生することが多いので、重送発生時にはレベルを減少させる。
選択終了後、SETキー37をONすることによりセット画面が表示される。
G)フリー計数速度(FREE SPEED)の設定
フリー計数速度は、計測速度を複数のレベルから選択可能としたものである。
【0022】
図12(a) に示した計数速度設定画面では、速度のレベルが1〜5まで表示されており、アップキー34又はダウンキー38を用いていずれかのレベルにカーソルを移動して選択し、選択後にSETキーをONすることによりセット画面に切り替わる。
計数速度はレベル1(600bills/minute) 〜レベル5(1,600bills/minute) まで変更可能である。計測速度は、レベル4までは200bills/minuteきざみで増大する。
H)リコグニション計数速度(RECOGNITION SPEED)
リコグニション計数速度は、SDCモードと、MDCモード時に設定可能な計数速度であり、計測速度を複数のレベルから選択可能としたものである。
図12(b) に示した計数速度設定画面では、速度のレベルが1〜5まで表示されているが、1又は4が選択可能となっており、アップキー34又はダウンキー38を用いていずれかのレベルにカーソルを移動して選択し、選択後にSETキーをONすることによりセット画面に切り替わる。
計数速度はレベル1(600bills/minute) とレベル4(1,200bills/minute) のいずれかに変更可能である。
I)MGレベル
図12(c) は磁気センサの感度調節のためのアイテム画面であり、磁気センサの感度のレベルをレベル1〜10の内からアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。
工場出荷時(デフォルト時)のセットレベルは、例えば5である。
感度は10段階に調整可能であり、1は低感度、10は高感度である。
選択後にSETキーをONすることによりセット画面に切り替わる。
なお、画面上ではレベル2、4、6、8、10のみが表示されており、これらの数字の直下位置に各レベル1、3、5、7、9が位置しており、カーソルによって指示される。
J)UVレベル
【0023】
図12(d) はUVセンサの感度調節のためのアイテム画面であり、UVセンサの感度のレベルをレベル1〜10の内からアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。
工場出荷時(デフォルト時)のセットレベルは、例えば5である。
感度は10段階に調整可能であり、1は低感度、10は高感度である。
選択後にSETキーをONすることによりセット画面に切り替わる。
K)コントラスト
図12(e) はLCDディスプレイのコントラスト感度を調整するためのアイテム画面であり、LCDディスプレイの感度のレベルをレベル1〜10の内からアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。
工場出荷時(デフォルト時)のセットレベルは、例えば5である。
LCDディスプレイ画面上のコントラストは、1(暗)〜10(明)まで調整可能である。
選択後にSETキーをONすることによりセット画面に切り替わる。
[サポート機能]
次に、サポート機能について説明する。
A)累積合計
この機能は、全てのモードにおいて使用可能である。
この機能を実施する場合、2通りの操作方法を使用することができる。
1.FNCキーによる操作方法。
まず、インストレーションモードにより、予めFNCキーに対して加算(ADD)機能を設定する。通常の使用場面においてFNCキーをONする。すると、小計と共に累積合計が表示され、計数を繰り返して行くと、例えば図13(a) に示したメイン画面の例の如く、小計(300)の下に累積合計(99900)が表示される。
2.SETキーによる操作方法。
SETキーをONすることにより図10に示したセット画面を表示し、「CUMULATION MODE」(累積モード)をアップキー34或はダウンキー38を用いて選択してから、SETキーをONして図13(b) に示したセッティング画面を表示する。続いて、アップキー34或はダウンキー38を用いてONを選択し、SETキーをONすることによりセット画面に戻る。セット画面上において、メイン画面(Main Screen )をアップキー34により選択し、SETキーをONしてメイン画面に切り換える(或は、START/STOPキー32をONすることによりメイン画面に切り換える)。
上記の操作により累積合計が画面表示される。最上列は小計金額を、最下列は合計金額を示している。
【0024】
カウントモードが変更したとしても(FREEモードを除く)、合計金額の表示は保持され、残される。カウントモードが変更した場合、小計表示はクリアされる。CLRキーをONすることにより、小計と合計をゼロにリセットすることができる。
B)ディスプレイ上の枚数と金額表示を変更するための操作方法。
この機能は、FREEモードを除いた全てのモードにおいて使用可能である。
この機能を使用するための操作方法には2種類ある。
1.FNCキーによる操作方法。
まず、インストレーションモードにおいて、FNCキーにDSP機能を付与するためのセッティングを行い、セット後、枚数表示と金額表示とを切り換える為にFNCキーをONする。全てのモードにおけるデノミネイションの詳細表示(デノミネイションブレイクダウン)と、BSSモードにおけるバッチセットディスプレイは、枚数表示と金額表示との間で相互に切り換え可能である(図13(a) 参照)。
2.セットキーによる操作方法(図14)。
SETキーをONすることにより図10に示したセット画面を表示し、「DISPLAY MODE」 (ディスプレイモード)をアップキー34或はダウンキー38を用いて選択してから、SETキーをONして図13(b) に示したセッティング画面を表示する。続いて、アップキー34或はダウンキー38を用いて枚数(NUMBER)、或は金額(VALUE)を選択し、SETキーをONすることによりセット画面に戻る。
セット画面上において、メイン画面(Main Screen )をアップキー34により選択し、SETキーをONしてメイン画面に切り換える(或は、START/STOPキー32をONすることによりメイン画面に切り換える)。
上記の操作により枚数、又は金額が表示される。
C)各金種についての枚数チェック。
この機能は、FREEモードを除いた全てのモードにおいて使用可能である。
この機能を使用するための操作方法には2種類ある。
【0025】
1.FNCキーによる操作方法。
インストレーションモードにおいて、FNCキーに対して、DETAIL機能を付与する為のセッティングを行う。この状態でFNCキーをONする。
小計、合計、或は総合計のためのデノミネイションの詳細表示が表示される。仮に、(AUTO)或は(MANUAL)がCOM2において設定されており、そして適合するプリンタが接続されている場合には、デノミネイションの詳細表示はOPTIONキーによりプリントされる。
次に、FNCキーをONすると、小計、合計、及び総合計が順次切り替わる。SETキーを押すと、メイン画面に切り替わる(図15(a) )。
2.SETキーによる操作方法。
SETキーをONすることにより図15(b) に示したセット画面を表示し、「Sub Detail Screen」、「Total Detail Screen」,「Grand Detail Screen」 をアップキー34或はダウンキー38を用いて選択する。
小計、合計、或は総合計のためのデノミネイションの詳細が表示される。仮に、(AUTO)或は(MANUAL)がCOM2において設定されており、そして適合するプリンタが接続されている場合には、デノミネイションブレイクダウンはOPTIONキーによりプリントされる。
SETキーを押すと、メイン画面に切り替わる。
D)贋札等の発見(図16)
この機能は、全てのモードにおいて使用することができる。
仮に、「MG」がOPTION1について設定され、或は「UV」がオプション2について設定された場合、この機能はメイン画面上において、OPTIONキーをONすることにより使用可能である。
仮に、「MG」と「UV」が共にセットされている場合には、OPTIONキーをONすることにより、磁気的な検知と、蛍光物質を利用した検知のいずれかを切り換えたり、双方を用いたり、或は双方を使用しないことができる。
この機能を使用している場合、「MG」、「UV」が共に表示される。
E)紙幣給紙時の厚さ調整
【0026】
ホッパから紙幣がスムーズに給紙されない場合には、厚さ調整ダイヤル5を操作することにより、紙幣の厚さに応じた給紙ローラ対のニップ量を調整する。
仮に、チェーン給紙「CHAIN 」や重送「DOUBLE」が表示された場合には、ローラ対の間隔を狭くすべく時計廻り方向にダイヤル5を回す。また、ジャムが発生した場合には、ローラ対の間隔を広くすべく反時計廻り方向にダイヤルを回す。
[計数が停止した時]
次に、計数動作が停止した場合の処置について、ケースごとに説明する。
A)計数停止の原因と、処置。
(1) 紙幣がホッパ3内に無い。この場合は、ホッパ3内に紙幣を補充して計数を継続する。
(2) スタッカ10が満杯状態。この場合には、スタッカ上の紙幣を取り除けばよい。
(3) 小計金額(枚数)が所定金額(枚数)に達した時(図17(a) )には、図のようにバッチ枚数を示すLEDが点滅する。処置としては、紙幣をスタッカ10から除去し、次の計数を再開すると同時にカウント値をゼロにリセットする。加算モードでは、小計だけがゼロに変わる。
(4) 2枚の紙幣が同時に重送された場合には、図17(b) のように「DOUBLE」の表示がなされる。この場合には、厚さ調整ダイヤル5を調整する。
(5) 紙幣がチェーン状に連続して給紙された場合には図17(c) のように「CHAIN」 の表示がなされる。この場合は、厚さ調整ダイヤル5を調整する。
(6) 紙幣がジャムした場合には図17(c) のように「JAM」 の表示がなされる。この場合は、厚さ調整ダイヤル5を調整する。
【0027】
(7) 紙幣の識別が困難な場合(FREEモードを除く)には、図17(e) のように「NO READ」 が表示される。例えば、紙幣の金種、給紙の有無等が不明な場合に、この表示がなされる。ディスプレイ30上の金種を示す表示1、2、5、10、20、50、100は、操作パネル31上のモードキーとの対応関係を示している。
仮に、SDCモードにおいて、5ドル紙幣を計数中にある紙幣が読取り不良となって装置が停止した時に、当該5ドル紙幣を計数に加えたい場合、ディスプレイに表示された金種を示す表示に対応するモードキー(アップキー34)をONすることにより、当該5ドル紙幣をカウントした上で計数が再開される。当該読取り不良の紙幣が白紙等の異常紙である場合には、当該紙を除去してスタートボタンをONすることにより計数が再開される。この場合の操作は、後述する[紙幣が羽根車上で停止した場合]にて説明する。
(8) スキューによって紙幣の読取りが不良となった場合(FREEモードを除く)には、図17(f) に示したように「SKEW」が表示される。この場合は、図17(e) の場合と同様な処置が取られる。仮に、停止が頻発する場合には、紙幣ガイド4間に紙幣束をセットする際に注意深くセットする。この場合の操作は、後述する[紙幣が羽根車上で停止した場合]にて説明する。
(9) 破損、或は折れ癖のある紙幣の場合は、図18(a) の如き「BROKEN」の表示がなされる。この場合の操作は、後述する[紙幣が羽根車上で停止した場合]にて説明する。
(10) 贋札等の異常紙幣が発見された場合には、図18(b) の如き「COUNTERFEIT」 の表示がなされる。この場合には、検出された紙幣を羽根車から除去し、START/STOPキーをONする。
(11) SDCモードにおいて、所定の紙幣以外のものが検出された場合には、図18(c) のように「WRONG」 の表示がなされる。この場合には、検出された紙幣を羽根車から除去し、START/STOPキーをONする。
(12) BSSモードにおいて、計数する紙幣が変更した場合には、図18(d) のように「CHANGED」 の表示がなされる。この場合には、それまでにスタッカ上に排出された紙幣束を除去する。なお、この際、自動スタートが行われるので、羽根車には手を触れない。
B)紙幣が羽根車上で停止し、NO READ、SKEW、 或は、BROKENが表示された場合(図19(a) (b) )。
【0028】
(1) 停止した紙幣を計数から除去する場合には、最終紙幣を羽根車から除去し、START/STOPキーをONして計数を再開する。この場合、羽根車上の紙幣は計数されていない。
(2) 停止した紙幣の金額を計数に加える場合(FREEモード以外の全てのモード)には、図20に示すようにディスプレイ30上の金額表示と、夫々対応する各モードキー33〜40をONする。つまり、表示に従って、停止した紙幣の金種に相当する金額を意味するモードキーをONすることにより、計数は自動的に継続する。
SDCモードによる計数途中にNO READのために計数が停止した場合、計数中の金種の紙幣を意味するキー(例えば、1ドルならFNCキー33)のみが有効となり、当該特定の金額を意味するキー以外のキーは有効ではない。
仮に、計数を開始した時の一枚目の紙幣がNO READとなって計数が停止した場合、装置の制御部はどの紙幣についてのSDCモードであるのか不明な状態である為、全てのバリューキー33〜39を有効とし、当該札束を構成する特定の金種を指定する為の入力を可能としている。
(3) 金額のインクリメントとデクリメントを行う場合(FREEモード以外の全てのモード)には、まずデノミネイション詳細表示を行い、DENOMIキー36をONし、アップキー34にて金額を増加、若しくは、ダウンキー38にて金額を減少させて金額を調整する。メイン画面を表示し、START/STOPキー32をONして計数を再開する。
この操作が必要とされる場面は、例えば、札束をホッパにセットする前に、札束中に明らかな折れ癖紙幣があることに気づいた場合に、この紙幣を除去した状態で残りの紙幣をホッパにセットして計数する。計数の結果が出た時点で、上記バリューキー33〜39を用いて事前に除去されていた紙幣の金額を手操作により入力することにより、全紙幣の計数が終了することとなる。
C)給紙不良の結果、エラーメッセージが表示された場合。
【0029】
(1) 重送、或はチェーン給紙のエラーメッセージの場合。
スタッカ3から紙幣を除去し、CLRキー40をONして内部のトラブル紙幣を除去する。この際、計数はホッパ3上の紙幣束を計数する前のオリジナルの金額にリセットされる。スタッカ10上から取り除いた紙幣束はホッパ3内に残っている紙幣に混ざるように戻し、START/STOPキー32をONして計数を再開する。
他のエラーメッセージ(例えば−−−NG)が表示されている場合には、ホッパ3から全ての紙幣束を取り除き、CLRキーをONしてセンサ類をリセットする。次いで、紙幣束をホッパに戻し、START/STOPキー32をONして計数を再開する。
(2) ジャム発生の場合。
ジャムが発生した場合には、ホッパ3とスタッカ10から共に紙幣束を除去し、CLRキー40をONして内部に残った紙幣を除去する。この際、計数はホッパ上の紙幣を計数する前のオリジナルの金額にリセットされる。続いて、紙幣をホッパ3にセットし、START/STOPキー32をONして計数を再開する。
(3) ジャム紙幣がCLRキー操作によっても除去できない場合は次の操作を行う。この場合、図1(b) に示したように、後カバー51を固定するための爪50を押し下げて後カバー51を開放して内部の給紙路を開放し、給紙路内に残った紙幣を引き出して除去する。後カバーを閉止したあとで、CLRキーをONし、紙幣束をホッパ内にセットしてから、START/STOPキー32をONして計数を再開する。
なお、ホッパ3に対する紙幣束のセッティングに際しては、計数上のトラブル発生を防止する為に、折れたり、痛んだり、湿ったり、破れたり、粘着テープが付着したり、汚れている紙幣を取り除いておく必要がある。また新札のように互いにくっついた札をさばいておく。その後、紙幣を束にしてホッパにセットすればよい。
[国籍設定モード]
【0030】
これは取扱う紙幣の国籍を特定の国の国籍に設定するためのモードであり、特定のキーをONしながら電源を立ち上げることにより、特定の他国の紙幣の取扱が可能となる。
本発明の計数・識別装置が使用される時に計数対象となる紙幣は一つの国の紙幣に限り、他国の紙幣は識別不能として計数が停止するようになっている。しかし、初期設定において所望の国籍の紙幣に変更することが可能であり、そのためのモードが国籍設定モードである。
従来の計数・識別装置の記憶部には、数か国分の紙幣を取り扱うことができるように、数か国分の紙幣についての識別データが格納されており、出荷時に出荷先の国のデータのみを読み出すように工場にて設定していたが、本発明では操作パネル上の特定キーをONしながら電源を投入して、国籍設定モードに移行することにより、任意の国籍を選定することが可能となる。例えば、DENOMIキーをONしながら電源を投入することにより米国紙幣の取扱が可能となり、またCLRキーをONしながら電源を投入することによりフランス国の紙幣の取扱が可能となる。
なお、国籍設定モードの設定は、例えばセットモードにおいて行うことができるように構成してもよい。つまり、セットモード画面中のアイテムの一つとして、国籍設定モードを設け、このモードを選択できるように構成してもよい。このように構成することにより、同じ計数装置によって異国籍金種を計数する必要が発生した場合に、迅速に計数対象となる紙幣の国籍を変更することができる。
【0031】
【発明の効果】
このように本発明によれば、各種機能を選択設定するための操作や、使用中における操作性を改善した紙幣の計数・識別装置を提供することができる。具体的には、従来は電源投入時に切り換え可能なインストレーションセットモードだけにより種々の機能の設定、設定の変更を行っていた為、操作が煩雑となっていたが、本発明では、種々の機能のうち、頻繁に設定変更を必要とする限られたアイテムだけを格別のセットモードにて選定するように構成する一方で、残りの大半のアイテムをインストレーションモードによって設定して記憶させておくことにより、モード、機能の設定、変更に伴うキー操作手数を大幅に低減して操作性を向上することができる。
即ち、請求項1の発明は、複数のモード、機能を備えた紙幣の計数・識別装置において、電源投入時に複数のモード、機能のうちから取捨選択するモード、機能を選定するインストレーションモードを備え、インストレーションモードにおいて複数のモード、機能のうちから使用するモード、機能を選択した場合、通常モード下においては、インストレーションモードにおいて選択したモード、機能のみが使用可能となるようにしたので、電源を投入して装置を使用開始する度にモード、機能を新たに設定し直す必要がなくなり、操作性を向上することができる。
請求項2の発明は、各種機能を選択するためのファンクションキーを備え、ファンクションキーの役割の設定は、上記インストレーションモード下で行うようにしたので、操作性を向上することができる。
【0032】
請求項3の発明は、上記計数・識別装置の電源を投入する際に、その表示画面にパスワード入力画面が表示され、登録されたパスワードをキー入力することによって初めて当該装置の使用が可能となるので、セキュリティー上の問題を解消することができる。
請求項4の発明は、各種モード、機能を設定するためのモードをインストレーションモードと、セットモードとの2つのモードに分け、使用中に変更する可能性の高いモード、機能のみをセットモードにて設定するように構成したので、半固定的に使用するモード、機能と、比較的頻繁に変更して使用するモード、機能との区分けが明確となり、操作性を向上することができる。
請求項5の発明は、特定のキーをONしながら電源を立ち上げることにより、扱う通貨の国籍を切り換えるための国籍設定モードに移行することができるので、ユーザサイドにおいて、計数しようとする紙幣の国籍を任意に選定し、使用することができる。
請求項6の発明は、セットモードにおいて国籍設定モードに切り換えできるように構成したので、必要に応じて迅速に異国籍の紙幣の計数を行うことが可能となる。
請求項7の発明は、BSSモードにおいて計数中に紙幣の金種が変更した場合、その旨を示す表示のみならず、それまでの計数枚数と、合計金額を表示するようにしたので、極めて便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) 及び(b) は本発明の計数・識別装置の一例の正面斜視図、及び背面斜視図。
【図2】本発明装置の操作パネルの一例の構成図。
【図3】 (a) (b) 及び(c) はFREEモードにおけるキーボードとディスプレイの状態説明図。
【図4】 (a) 乃至(e) はSDCモードにおけるキーボードとディスプレイの状態説明図。
【図5】MDCモードにおけるキーボードの状態説明図。
【図6】 (a) 乃至(d) はBSSモードにおけるキーボードとディスプレイの状態説明図及び装置の使用方法説明図。
【図7】インストレーションモードへの移行方法を説明する図。
【図8】 (a) 乃至(d) はインストレーションモードにおける各アイテムの設定方法を説明する画面図。
【図9】 (a) 乃至(e) はインストレーションモードにおける各アイテムの設定方法を説明する画面図。
【図10】セットモードへの移行方法を説明する図。
【図11】 (a) 乃至(f) はセットモードにおける各アイテムの設定方法を説明する画面図。
【図12】 (a) 乃至(e) はセットモードにおける各アイテムの設定方法を説明する画面図。
【図13】 (a) はサポート機能におけるファンクションキーを用いた累計操作方法の説明図、(b) はセットキーを用いた累計操作方法の説明図。
【図14】サポート機能に於けるセットキーを用いたディスプレイ表示の切り換え方法の説明図。
【図15】サポート機能における金種別枚数のチェック方法を説明する図であり、(a) はファンクションキーを用いた方法、(b) はセットキーを用いた方法を示す。
【図16】サポート機能における真贋判定機能を設定する方法を説明する図。
【図17】 (a) 乃至(f) は装置が計数を停止した場合の原因と措置を説明する図。
【図18】 (a) 乃至(d) は装置が計数を停止した場合の原因と措置を説明する図。
【図19】 (a) 及び(b) は羽根車上で紙幣が停止した場合の操作方法説明図。
【図20】停止した紙幣の金額を加算する方法を説明する図。
【図21】小計枚数表示中にキー操作によって枚数を増減させる操作方法の説明図。
【図22】本発明の全体的な画面構造を説明する図。
【図23】従来の装置構造の説明図。
【符号の説明】
1 計数・識別装置、2 筐体、3 ホッパ、4 紙幣ガイド、5 厚さ調整ダイヤル、10 スタッカ、11 羽根車、12 操作パネル、
20 電源スイッチ、21 パワーコネクタ、22 ヒューズボックス、23 プリンタ接続用のシリアルインタフェースコネクタ、24 PC接続用のシリアルインタフェースコネクタ、
30 LCDディスプレイ、31 キーボード、32 START/STOPキー、33 FNCキー、34 アップキー、35 MODEキー、36 DENOMIキー、37 SETキー、38 ダウンキー、39 BATCHキー、40 CLRキー、41 OPTIONキー、45 MODE表示部、46 BATCH表示部。

Claims (6)

  1. 電源投入時に複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を設定するインストレーションモードを備え、インストレーションモードにおいて複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を選択した場合、通常モード下においては、インストレーションモードにおいて選択したモード、機能のみが選択可能となる紙幣の計数・識別装置であって、
    該計数・識別装置は、計数する紙幣束を収容する一つのホッパーと、計数後の紙幣を収容する一つのスタッカーとを有しており、
    前記インストレーションモードにおいて選択可能なモードとして、計数対象となる一つの紙幣束中に複数の金種が混在しており、しかも金種毎に仕分けされた状態で積層されている場合に、一つの金種の紙幣群についての計数を完了した時点で一旦計数を中断した上で、計数対象と成る紙幣の金種が変化したことを知らせる表示と共に、計数した枚数、合計金額を表示するBSSモードを備えたことを特徴とする紙幣の計数・識別装置。
  2. 複数のモード、機能を備えた紙幣の計数・識別装置において、
    電源投入時に複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を設定するインストレーションモードを備え、
    特定のキーをONしながら電源を立ち上げることにより、前記インストレーションモードに移行し、設定が完了の後、ボタン操作により通常モードに移行することが可能であって、
    インストレーションモードにおいて複数のモード、機能のうちから半固定的に使用するモード、機能を選択した場合、通常モード下においては、インストレーションモードにおいて選択したモード、機能のみが選択可能となることを特徴とする紙幣の計数・識別装置。
  3. 各種モード、機能を設定するためのモードを、インストレーションモードと、セットモードとの2つのモードに分け、使用中に変更する可能性の高いモード、機能のみをセットモードにて設定するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙幣の計数・識別装置。
  4. 各種モード、機能を選択するためのファンクションキーを備え、上記ファンクションキーの役割の設定は、上記インストレーションモード下で行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の紙幣の計数・識別装置。
  5. 特定のキーをONしながら電源を立ち上げることにより、扱う通貨の国籍を切り換えるための国籍設定モードに移行することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の紙幣の計数・識別装置。
  6. 電源立ち上げ後の使用中に、セットモードに移行することによって、扱う通貨の国籍を切り換えるための国籍設定モードに移行することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の紙幣の計数・識別装置。
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