JP3914788B2 - 傾斜コンベア - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は傾斜コンベアの改良に関する。さらに詳しくは、比較的小型で且つ軽量な搬送物を上昇搬送する傾斜搬送コンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、略水平に搬送される搬送物を所定の傾斜角度、例えば75゜程度の傾斜をもって上昇若しくは降下させる傾斜コンベアや、搬送物を垂直に搬送する垂直コンベア等がある。例えば従来の傾斜コンベア,垂直コンベアとしては実開平8−58937号や実開平9−211209号等のコンベアがあげられる。
図16乃至図18にて示すように、従来の傾斜コンベア100は、同期駆動する主ベルトコンベア101とホールドベルトコンベア102とを具備し、これら両コンベア101,102の搬送面部101aと102aとを対面させて近接若しくは接合させることにより、傾斜搬送部103を構成している。
また、上記主ベルトコンベア101は、ホールドベルトコンベア102を傾斜搬送部103の範囲にてベルト101’を平面状にガイドすると共に、この主ベルトコンベア101に対して、ホールドベルトコンベア102のベルト102’を近接状態にて接合している。
【0003】
上記したホールドベルトコンベア102のベルト102’は、縦横方向へ弾性的に伸縮するベルト材により構成してある。このベルト102’は、コンベア100の下部側(搬入側)に設置したコンベア111から搬入した搬送物Fを、傾斜コンベア100の下部に設けた大径のガイドプーリ131内に入り込む際にホールドする。次いで、傾斜コンベア100の傾斜搬送部103において、縦横伸縮自在なホールドベルトコンベア102のベルト102’により搬送物Fを包むように弾性密着する。そして、主ベルトコンベア101のベルト101’との間に搬送物Fを挟持することで、傾斜搬送部103の範囲にて搬送物をホールドし、その傾斜に沿って上方へ向けて搬送する。搬送物Fは、傾斜搬送部103の上端部の搬出部にて再び水平に送り出し、同ベルトコンベア100の上部側(搬出側)に設置したコンベア112の始端部上に送り出すように構成してある。
【0004】
上記したコンベア100は、下部搬入部の立ち上がり部位にガイドプーリ131を設けているため、搬入できる搬送物の大きさがガイドプーリ131のシャフト131aにより制限を受けることになり、搬送物はガイドプーリ131の半径よりも小さなものに限られていた。
また、従来のホールドベルトコンベアのベルトは、縦横両方に伸縮して搬送物を保持するため、長さ方向及び高さ方向ばかりでなく、ベルト幅方向の大きさにも制約があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した如く構成した従来のコンベア100は、スナック菓子やパック搬送物のような比較的小型で軽量なものを搬送するのに好適であり、品物を損傷することなく上下方向に搬送することができる。
【0006】
しかしながら、上記した如き傾斜コンベア100は、搬送物Fをホールドするホールドベルトコンベア102のベルト102’として、伸縮自在な生地を用いているため蛇行する傾向がある。これと同様に、主ベルトコンベア101も複雑な屈曲を繰り返すため蛇行する傾向にある。よって、ベルト102’を安定的にホールドするためには、同ベルト102’の経路に沿って複雑な蛇行防止ローラ122を所定の間隔をおいて設置する必要があり、これが構造の複雑化と製造コストの増大を招いていた。
【0007】
また、上記したベルト102’は、良好な耐久性を有するものを用いているが、長年使用していると、伸縮部分に弛みが出て保持力が低下したり、蛇行防止ローラと接するベルト両縁部121等が摩耗したりすることがある。これに加えて搬送物Fを弾性的にホールドする際、搬送物Fの角部分が常に同じ部分に接触するためベルトの痛みが激しく、適度な期間をおいて交換する必要もあった。
【0008】
本発明は、上記した如き従来事情に鑑みなされたものであり、上記した如き傾斜コンベアに関し、ホールドベルトコンベアのベルトによる保持力を合理的に高めると共に、より高い耐久性を具備することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の傾斜コンベアは、ホールドベルトコンベアとして、リンク構造の連続によりベルト長さ方向にスライドし、且つベルト厚み方向に自由に折曲する如く構成したモジュールベルトを具備したものである。
よって、搬送物を上記コンベアの始端部に搬入すると、上記した如くスライド及び折曲自在なホールドベルトコンベアのベルトが搬送物の上に被され、同ベルトの自重により搬送物に上部側から包むように変形する。また同ベルトは、リンクの折曲により同搬送物をフックの如く作用し、主ベルトコンベアのベルトとの間に挟持(ホールド)して傾斜する搬送路を上昇する。この状態において、搬送物はホールドベルトコンベアのベルトの自重によりホールドされるため、搬送物をホールドする部位のベルトは両側が開いた状態となる。
そして、搬送物は、搬送路の上まで搬送された後、次のコンベア始端等に向けて送り出される。
【0010】
更に、前記ホールドベルトコンベアの搬入側に、先端を円弧状に湾曲して回動するベルトを垂下せしめるベルトガイドを設けたものである。よって、搬送物がコンベア下部の搬入部に搬入した際に、湾曲するベルトガイドから垂下するホールドベルトコンベアのベルトと主ベルトコンベアのベルトとの間に入り込み、垂下するベルトの自重により搬入部に入り込んだ搬送物を包み込んで即時にホールドし、傾斜する搬送路ヘ向けて安定した状態で移行する。
尚、請求項乃至記載の傾斜コンベアに関しては発明の実施形態の欄にて合わせて説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3にて示す傾斜コンベアAは、コンベア下部側の搬入部b1に搬入される搬送物Fを略75゜に傾斜させたベルトa1の傾斜部c2を移動して上方へ搬送し、同コンベアAの上部側の搬出部b3から水平に搬出する。
【0012】
傾斜コンベアAは、主ベルトコンベア1と、ホールドベルトコンベア2との搬送面部位同士を対面させた状態で接合することにより、コンベア搬入部b1の下水平部c1と、略75゜に傾斜するベルトa1,a2の傾斜範囲b2、及び搬出部b3のコンベア上水平部c3とを構成してある。また、傾斜コンベアAは、駆動モータ3を具備し、該駆動モータ3の駆動力により、上記主ベルトコンベア1と、ホールドベルトコンベア2とを同期させて回転駆動するように構成してある。また、コンベアAは、支持用の左右一対の支柱41,42,43を有し、これらの支柱によりコンベアが自立するように構成してある。尚、上記した如く両コンベアのベルトa1,a2を傾斜範囲b2において近接、若しくは重なり合った状態にて上昇させるために、主ベルトコンベア1のベルトa1は図1において右回り、また、ホールドベルトコンベア2のベルトa2は左回りに駆動回転する。
【0013】
主ベルトコンベア1は、左右一対のフレーム11を具備し、これらの間に横架材12をコンベアの長さ方向に適宜間隔をおいて横架することにより、両フレーム11を所定の幅を保って一体的に連結してある。上記フレーム11の上端と下端とには、スプロケットe2及びe1を設けてある。スプロケットe2,e1との間には合成樹脂製のモジュールベルトから成る無端状のベルトa1を架設してある。
【0014】
主ベルトコンベア1のベルトa1は、ベルトの厚さ方向に屈曲可能なプラスチックベルトにより構成してある(図8)。ベルトa1は、多数の単位部材a10(図7)を長軸状のシャフトa14を介してベルト長さ方向へ順次接続して無端状に構成する。
ベルトa1を構成する単位部材a10は、1本の横軸a11の一側と他側とに突片a12,a12’を各々所定の間隔をおいて一体成形してある(図7)。横軸a11一側の各突片a12と、同横軸a11他側の各突片a12’とは、相互に1/2ピッチ分ずらして突出形成してある。そして、前後(ベルト長さ方向)に接続する単位部材a10の間において、各突片a12,a12’を接続相手の間隔i,i’に嵌入する。そして、同芯した各挿通孔a13内にシャフトa14を挿通し、その両端部をかしめることにより前後の単位部材a10同士をキャタピラのように屈曲可能に構成してある(図7,図8)。
【0015】
上記した如く構成したベルトa1は、主ベルトコンベア1の上下のスプロケットe2,e1の間に亘って架設すると共に、その両側縁部をガイドして、所定の経路、即ち、左右両フレームの外周に沿って回動するように構成してある。尚、ベルトa1は、モジュールベルトを用いて構成してあるので、駆動中において蛇行は発生しない。したがって、同ベルトa1を左右のフレーム11にてガイドしているが、蛇行を防止するための機構は必要ない。
【0016】
主ベルトコンベア1の左右両フレーム11には、ベルトa1の下水平部c1,c1’傾斜部c2,c2’上水平部c3,c3’に亘って往路ガイド13aと復路ガイド13b,13cを沿設してある。そして、ベルトa1を上記左右フレーム11の下水平部c1から傾斜部c2,上水平部c3,上部スプロケットe2,復路側上水平部c3’,復路側傾斜部c2’,復路側下水平部c1’,下部スプロケットe1と廻るようにガイドしてある。上記した如く装着される主ベルトコンベア1のベルトa1は、後述する駆動モータ3の駆動力により駆動回転する。
【0017】
図3にて示すように、主ベルトコンベア1の上部側面には駆動モータ3を設置してある。駆動モータ3は、駆動スプロケット45eに接続され、同芯するスプロケットe2を介して主ベルトコンベア1のベルトa1を駆動回転する。一方、上記駆動スプロケット45eにはチェーン45aが巻回され、これがホールドベルトコンベア2側の上端部に設けた3個のスプロケット45b,45d,45cに蛇行する形で架け渡してある(図2,図3)。
ホールドベルトコンベア2の上部に横架した状態で軸支した四角柱形の駆動軸46には歯合部46aを周設し、ホールドベルトコンベア2のベルトa2の編み目に歯合して同ベルトa2と、主ベルトコンベア1のベルトa1とが同期しつつ駆動回転するように構成してある。
【0018】
主ベルトコンベア1は、往路ガイド13aにより、下部のスプロケットe1から上部のスプロケットe2に至る搬送路、即ち、ベルトa1は下水平部c1,傾斜部c2,上水平部c3からなる往路側の搬送路を構成している。また、主ベルトコンベアの復路側には、2本の復路ガイド13b,13cをフレーム11の復路側の傾斜部c2’に沿って並行状に設置してある。よって、主ベルトコンベア1のベルトa1は、この復路ガイド13b,13cの間にガイドされつつ降下する。即ち、主ベルトコンベア1のベルトa1は、上記した往路側及び復路側からなる経路に沿って駆動回転することになる。
【0019】
上記した主ベルトコンベア1の両側のフレーム11には複数本の連結杆51が適宜な間隔をおいて斜め上方へ突出する形で取付支持してある。各連結杆51は、ホールドベルトコンベア2のガイドレール等を取付支持するための部材であり、略コ形に折曲し、その両端部を左右のフレーム11の側面に固定し、ホールドベルトコンベア2を設置する部位を跨ぐ形で左右両フレーム11間に取付支持してある(図2)。
【0020】
ホールドベルトコンベア2は、上記主ベルトコンベア1における傾斜部c2の範囲と重なり合うようにガイドする往路側と、水平部c3の上部と各連結杆51に沿って傾斜しながら降下する復路側とから構成される。
ホールドベルトコンベア2のベルトa2の往路側は左右一対の側部ガイド21によりベルトa1の傾斜部c2の略全長に亘ってガイドされている。
また、ホールドベルトコンベア2の復路側は、左右一対のガイドレール6a,及びベルトa2の復路側を支承する支承レール6b,また樹脂材からなる2本のガイド71,さらに復路側のベルトa2を主ベルトコンベア1のベルトa1の搬入部b1上に垂下する如くガイドせしめる一対のベルトガイド7等を所定の位置に取付支持することにより構成してある。
【0021】
上記ガイドレール6aは断面略L形に形成し、ベルトa2の左右両端部を下から支持すると共に、同ベルトa2の両端部を左右両側からガイドしてベルトa2の偏りを防止している。図2,図14にて示すように、ガイドレール6aの間隔はホールドベルトコンベア2のベルトa2の幅に合わせてあるので、主ベルトコンベア1のベルトa1の幅よりも狭く設定されている。
ホールドベルトコンベア2の傾斜部に沿って設ける一対の支承レール6bは、同傾斜部を移動するベルトa2を下から支承する部材であって、表面に滑りのよい合成樹脂層を被装して成る。また、両支承レール6bの上部には同ホールドベルトコンベア2の上部端へ向けて湾曲する上支承レール6cを設け、連結杆51及び水平部c3の上部に取付支持してある。また、支承レール6bの下端部には滑りの良い樹脂から成るガイド71を設け、上記支承レール6b下端部とベルトガイド7との間を連絡している。
【0022】
ホールドベルトコンベア2の最下部に設けられる一対のベルトガイド7は、両ガイド71内側に接合する形で設けられ、復路の傾斜に合わせて主ベルトコンベア1の搬入部b1上に向けて突出するように設置してある(図1,図10,図11)。
ベルトガイド7は、先端部を円弧状に湾曲形成した部材であり、ホールドベルトコンベア2の復路c”を下って来たベルトa2を主ベルトコンベア1の搬入部b1の下水平部上に向けて適宜な円弧を描く形で垂下させるようにガイドするものである。よって、主ベルトコンベア1の搬入部b1下水平部上に搬入された搬送物Fは、上方から合成樹脂製のモジュールベルトにより構成されるベルトa2が即時に覆い被され、主ベルトコンベア1のベルトa1と上記ベルトa2により安定した状態にて挟持され、搬送路の傾斜範囲b2を上昇していく(図12)。
【0023】
また、両ベルトガイド7は、連結杆51に対して傾斜方向へスライド可能に取付固定してあり、搬送物の大きさや形状に対応して下方へ延長させたり、上方へ後退させることが可能なように構成してある。
上記した如く構成したガイドレール7は、ホールドベルトコンベア2のベルトa2の搬入高さ、即ち、ベルトa1から両ガイドレール7の下端部までの高さを任意に変更することができるので、限られたスペース内にて大きな搬送物に対応できる経路を設定することが可能となる。また、ガイドレールは長さや湾曲部の円弧の形状を変えた複数のものを用意し、搬送物の形態や大きさに応じて換装することより、多種多様の搬送物に対応することができる。
【0024】
上記したホールドベルトコンベア2に装着するベルトa2は、合成樹脂を使用したモジュラーベルトである。同ベルトa2は、図5及び図6にて示すように、略ジグザグ状に形成した単位部材a20をベルト長さ方向に順次並列し、係合し合う単位部材a20に金属製のシャフトa21をベルト幅方向へ挿通せしめることによりリンク構造を連続して構成してある。また、各単位部材a20におけるシャフトa21の挿通孔a23は長円径に形成し、これにより、各単位部材a20がベルトの長さ方向にスライドし、且つ、ベルトの厚さ方向に屈曲するように構成してある。また、上記ベルトa2は自重により搬送物Fをホールドする必要があるため、適度な重量となるように金属製のシャフトa21を用いている。
上記した如く構成したホールドベルトコンベア2のベルトa2は、上部の歯合部46aと下部のベルトガイド7との間に架設され、往路側及び復路側の経路に沿ってガイドされつつ駆動回転することになる。
尚、本発明の傾斜ベルトに用いるホールドベルトコンベアのベルトは、長さ方向へ伸縮すると共に、厚さ方向に屈曲自在であり、且つ適度な自重があるものならば形状を限定するものではなく、上記した条件を満たすものであれば、既存のどのようなベルトを用いてもよい。
【0025】
次に、上記した如く構成した傾斜コンベアAの作動を説明する。
傾斜コンベアAは、駆動モータ3の駆動力により、主ベルトコンベア1のベルトa1と、ホールドベルトコンベア2のベルトa2とを同期した状態で駆動回転する。両コンベア1,2のベルトa1とa2とは、搬送路の搬入部b1からベルトa1の傾斜範囲b2に移行した時に重なり合い、75゜の傾斜を昇った後、上水平部c3に至って折り返し、各々に復路へ移行する。また、傾斜範囲b2の区間において、ホールドベルトコンベア2のベルトa2が自重により主ベルトコンベア1のベルトa1の上面に対して全面的且つ均等に押圧する。この際、搬送物Fをホールドするベルトa2の側方は開放されている。
【0026】
図1にて示すように、上流側に設置した搬送コンベアg1から主ベルトコンベア1の下水平部c1上(ベルトa1上)に搬送物Fが搬入されると同時に、ベルトガイド7により円弧状に垂下したベルトa2と水平なベルトa1との間に入り込む(図10)。そして、同搬送物Fが水平部c1からベルトa1の傾斜部c2へ移行していくとベルトガイド7から垂下されるベルトa2が箱型の搬送物Fの上面に自らの重さにより必然的に被覆される(図11)。次いで、搬送物Fがベルトa1の傾斜部c2へ完全に移行すると、主ベルトコンベア1の上に載った搬送物Fの上に、屈曲自在且つスライド可能なホールドベルトコンベア2のベルトa2により完全に被覆される(図12)。
【0027】
この際、前記したようにリンク構造の連続として構成したベルトa2は、同ベルトa2の自重により搬送物Fを斜面上方側から包むように変形し、搬送物Fをベルトa1の上面に押し付ける。これと同時に、ベルトa2が構成する連続リンク機構は折曲及び伸縮スライドする。その結果、ベルトa2は搬送物Fの形状に沿う形で屈曲すると共に、搬送物F下部側の角部に対してフックの如く掛止した状態でホールドする(図12)。これにより、傾斜コンベアAの傾斜範囲b2を移動する搬送物F'は、主ベルトコンベア1のベルトa1とホールドベルトコンベア2のベルトa2の間に安定した状態でホールドされ、傾斜範囲b2を確実に上昇する。
図15は、傾斜範囲を搬送される搬送物Fに加わる力をベクトルで表した図である。搬送物Fの自重F'は斜面に沿って滑り落ちようとする力F2とベルト2に対して押し付けられる力F1とに分けることができる。また、ベルトa2の質量fは押圧力f1と、斜面を滑走しようとする力f2とに分けられ、ベルトa1の搬送物Fに沿った形態に変形することにより包むように保持すると共に、押圧力f1により上記搬送物Fをホールドすることができる。
【0028】
そして、搬送物Fがベルトa1の傾斜部c2の上部から下流側の上水平部c3に移行し、搬出部b3から下流側に設置した搬送コンベアg2へ向けて搬出される(図1)。以後、これと同様に順次搬送物Fが上昇搬送される。
上記した傾斜コンベアAは、多種多様な搬送物を円滑に搬送することができるが、特に近年増加しつつあるレトルトパックやパウチパック等の搬送物に好適である。
【0029】
また、本発明の傾斜コンベアの主ベルトコンベア1に使用するベルトa1には、適宜な間隔をおいて滑り止め等を装着してもよい。
図13−(a)は、ベルトa1の表面にゴム等からなる滑り止め91を止着してなるものであり、搬送物Fの底面がこの滑り止め91の上に載ることにより接触抵抗を増大せしめて、上昇中における搬送物Fの滑落を防止している。
【0030】
図13−(b)は、主ベルトコンベア1のベルトa1を構成する単位部材a10の突片a12に、ゴムや軟質合成樹脂等の滑り止め効果の良好な滑り止め体92を嵌着してベルトa1の表面に適宜に散在せしめたものであり、これも上記した滑り止め体91と同様に搬送物Fの滑落を防止し得る。尚、上記したような滑り止めは、ホールドベルトコンベア2のベルトa2に設けてもよい。
【0031】
図13−(c)は、上記ベルトa1単位部材a10の横軸a11の表面側に立板93を一体成形したものであり、この立板93付きの単位部材a10をベルトa1の長さ方向に適宜間隔をおいて配置することにより、例えばみかんや馬鈴薯等の不安定な搬送物、また、レトルトパック等薄物や不定形の搬送物等を円滑に上昇搬送することができる。
【0032】
尚、本発明の傾斜コンベアはホールドベルトコンベアのベルトの自重により搬送物をホールドするために、搬送面を適度に傾斜する必要があり、本実施例では75゜に設定した。しかし、その傾斜面の角度は75゜に限定するものではなく、75゜以上であっても、若しくは75゜以下であってもよい。
また、上記実施例の傾斜コンベアAは、上昇搬送による使用を書き述べたが、本発明の傾斜コンベアは、逆転作動により搬送物を降下搬送することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の傾斜コンベアは、ホールドベルトコンベアのベルトとして、リンク構造の連続によりベルト長さ方向にスライドし、且つベルト厚み方向に自由に折曲する如く構成したモジュールベルトを具備したものである。よって、搬送物がコンベアの始端部に搬入されると、スライド及び折曲自在に成すホールドベルトコンベアのベルトが搬送物の上に被され、且つ、強制的にホールドベルトコンベアのベルトを主ベルトコンベアのベルトと密着させず同ベルトの自重により搬送物を上方側から包むように変形し、さらに、リンクの折曲により、同搬送物の下部をフックにて掛止する如く保持し得る。これにより、主ベルトコンベアのベルトとの間に安定した状態でホールドし、傾斜する搬送路を確実に上昇搬送することができる。そして、ベルトは長さ方向に包むように変形し、搬送物を保持するものであるから、従来あるように側面方向から保持する必要はない。
【0034】
ホールドベルトコンベアのベルト、及び主ベルトコンベアのベルトを合成樹脂製のモジュールベルトにて構成することにより、耐久性を大幅に向上し、さらに、同ベルトは構造的に蛇行しない特性であるから、従来のもののように、ベルトが蛇行するために設けていたガイドローラー等を設ける必要がなくなり、コストの低減を成し得る。
また、ホールドベルトコンベアに用いるモジュールベルトは、ガイドレール等により所望の経路を設定できるので、限られたスペースにて比較的大きな搬送物を搬送することが可能となる。さらに、コンベアの搬入部に搬入された搬送物を速やかにホールドし、安定した上昇搬送を実現することができる。
【0035】
更に、ホールドベルトコンベアの搬入側に、先端を円弧状に湾曲して回動するベルトを垂下せしめるベルトガイドを設け、これを主ベルトコンベアの搬入面に対して上方から進退可能に支持したものである。よって、搬入物の大きさや形状に対応して、同ベルトガイドの先端から、ホールドベルトコンベア搬入面までの高さを調節することにより、形状や大きさの異なる搬送物に広く対応し、円滑な搬送を実現し得る。
【0036】
請求項記載の傾斜コンベアは、ホールドベルトコンベアのベルトとして合成樹脂製のモジュールベルトを具備したので、ベルトの耐久性を格段に向上せしめ、さらに、蛇行を防止する様々な部品を必要とせず、簡素な構成にて搬送物の搬送を安定して行うことができる。
【0037】
請求項記載の傾斜コンベアは、合成樹脂製のモジュールベルトコンベアのメッシュに滑落防止用のアタッチメントを着脱可能に装着して成るものであるから、モジュールベルトの表面が滑り易い状態であっても、上記アタッチメントによりベルト搬送面の摩擦力を十分に確保し、搬送物の滑落を効果的に防止することが出来る。また、アタッチメントの種類を選択的に換装することにより、搬送物の形状や大きさに対応して滑落を確実に防止し、種々の搬送物を確実に搬送できる。
【0038】
請求項記載の傾斜コンベアは、主ベルトコンベア側の搬送路は、傾斜部分においてベルトを略平面状にガイドして構成し、この搬送路の上に、自重を利用してホールドベルトコンベアのベルトを重ね合わせ、その側方を開放して成るものであるから、搬送物をコンベアの搬送方向のみの力、即ちホールドベルトコンベアの自重を利用して保持することができ、構造の簡素化に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した傾斜コンベアを示す縦断側面図。
【図2】 同コンベアを一部切欠して示す正面図。
【図3】 同コンベア上部の左側面図。
【図4】 ホールドベルトコンベアのベルトの単位部材を一部切欠して示す平面図。
【図5】 同ホールドベルトコンベアのベルトを一部切欠して示す平面図。
【図6】 (a)は同ホールドベルトコンベアのベルトを示す側面図,(b)は同ベルトを屈曲した状態を示す側面図。
【図7】 主ベルトコンベアのベルトの単位部材を一部切欠して示す平面図。
【図8】 主ベルトコンベアのベルトを一部切欠して示す平面図。
【図9】 (a)は主ベルトコンベアのベルトを示す側面図,(b)は同ベルトを屈曲した状態を示す側面図。
【図10】 主ベルトコンベアの下水平部に搬送物が搬入され、その上面にホールドベルトコンベアのベルトが被覆し始めた状態を示す縦断側面図。
【図11】 主ベルトコンベアの下水平部に搬入された搬送物が傾斜部に移行し、その上面にホールドベルトコンベアのベルトが被覆した状態を示す縦断側面図。
【図12】 搬送物が主ベルトコンベアの傾斜部に移行し、その上面にホールドベルトコンベアのベルトが屈曲して全面的に被覆した状態を示す縦断側面図。
【図13】 (a)主ベルトコンベアのベルトに滑り止めを設けた状態を示す平面図,(b)主ベルトの単位部材にリング状の滑り止めを取り付けた状態を示す部分の正面図,(c)主ベルトの単位部材に立板を設けたベルトを示す側面図。
【図14】 図12中のY-Y線断面。
【図15】 斜面を搬送中において搬送物に加わる力をベルトル似て示す参考図。
【図16】 従来の傾斜コンベアを示す縦断側面図。
【図17】 図15のX-X 線断面図。
【図18】 同コンベアのホールド状態を示す斜視図。
【符号の説明】
A・・・傾斜コンベア
F・・・搬送物
a1・・・ ベルト(主ベルトコンベア)
a2・・・ベルト (ホールドベルトコンベア)
b1・・・搬入部
b3・・・搬出部
c1・・・下水平部(往路)
c2・・・傾斜部 (往路)
c3・・・上水平部(往路
c1’・・・下水平部(復路)
c2’・・・傾斜部(復路)
c3’・・・上水平部(復路)
c”・・・傾斜部(ホールドコンベア復路)
e1・・・スプロケット(下部)
e2・・・スプロケット(上部)
1・・・主ベルトコンベア
2・・・ホールドベルトコンベア
3・・・駆動モータ
7・・・ベルトガイド
11・・・フレーム
91・・・滑り止め
92・・・滑り止め体
93・・・立板

Claims (4)

  1. コンベアの始端部に搬送物を搬入した後、上昇させて搬出部から搬出する搬送路を具備する傾斜コンベアであって、
    前記コンベアの搬送路は、主ベルトコンベアとホールドベルトコンベアとを所定の傾斜角度を維持して重ね合わせることにより構成すると共に、両ベルトコンベアの搬送面相互を対面させて各々のベルト同士を全面的に接合し、
    上記ホールドベルトコンベアのベルトとして、リンク構造の連続によりベルト長さ方向にスライドし、且つベルト厚み方向に自由に折曲する如く構成したモジュールベルトを具備し、
    上記主ベルトコンベア側の搬送路は、傾斜部分においてベルトを略平面状にガイドして構成し、この搬送路の上に、自重を利用してホールドベルトコンベアのベルトを重ね合わせ、
    更に、前記ホールドベルトコンベアの搬入側に、先端を円弧状に湾曲して回動するベルトを垂下せしめるベルトガイドを設け、これを主ベルトコンベアの搬入面に対して上方から進退可能に支持し、同ベルトガイドの先端から、ホールドベルトコンベア搬入面までの高さを調節可能に成し、
    且つ、主ベルトコンベアとホールドベルトコンベアとを同期駆動せしめてなる傾斜コンベア。
  2. 上記ホールドベルトコンベアのベルトとして合成樹脂製のモジュールベルトを具備して成る請求項1記載の傾斜コンベア。
  3. 上記モジュールベルトのメッシュに滑落防止用のアタッチメントを装着して成る請求項1または2記載の傾斜コンベア。
  4. 上記主ベルトコンベア側の搬送路は、傾斜部分においてベルトを略平面状にガイドして構成し、この搬送路の上に、自重を利用してホールドベルトコンベアのベルトを重ね合わせ、その側方を開放して成る請求項1乃至3記載の何れか1項記載の傾斜コンベア。
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