JP3914564B1 - フィルム切断装置 - Google Patents
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Abstract
その幅方向中央部に位置するセンタ切断刃とセンタ切断刃の両側に連なるコーナ切断刃とを備える第1カッタ11と、第1カッタ11のセンタ切断刃と噛合うセンタ切断刃を備える第2カッタ12と、切断待機時にはフィルム22の厚さを超える間隔を隔てて第2カッタ12に対して対向配置され、その幅方向の両端に位置するコーナ切断刃を備える第3カッタ13と、第1カッタ11のコーナ切断刃及び第3カッタ13のコーナ切断刃と噛合うコーナ切断刃を備える第4カッタ14R、14Lと、を備える。
【選択図】図3
Description
図6(A)において、フィルムの切断装置40は、第1カッタ41と第2カッタ42とを備え、長尺フィルム51からウエブ51aの先端を送り量(F)(点線矢印で示す)として引き出し、予め決められたサイズのフィルム52に切断すると共に、図6(B)の手順で各隅角にコーナ加工を施している。さらに、図6(A)を参照しつつ図6(B)をもとに詳しく説明すると、先ず、図6(B)(a)に示すように、第1カッタ41の下刃41Dと上刃41Uとで、送り量(F)として引き出された長尺フィルム51を切断すると共に、長尺フィルム51の後縁端52uの隅角にコーナ加工を施し、コーナ加工部(太線で示す)52c、52dとしている。また、図6(B)(b)に示すように、第2カッタ42の下刃42Dと上刃42Uとで、切断したフィルム52の前端側52mの隅角にコーナ加工(太線で示す)を施し、コーナ加工部52a、52bとしている。これにより、図6(B)(c)に示すように、隅角にコーナ加工部52a、52b、52c、52dが施された矩形状のフィルム52と、切屑53にしている。このコーナ加工が終了すると、フィルム52をサクションテーブル43で吸い付け、第2カッタ42を跨ぐようにして下流側に搬送している。また、特許文献1に提案されるフィルムの切断装置40は、第2カッタ42のコーナ加工部の刃先42a、42bをV字形状にすることで、切断した切屑53の飛散方向を安定させ、この切屑53を吸収装置44で回収している。
特許文献1に提案されるフィルムの切断装置40におけるコーナ加工の不具合を、図6(C)(a)〜(c)を用いて説明する。図6(C)(a)は、フィルム52の送り量(F)に対して第1カッタ41と第2カッタ42間のピッチ(P)が短く調整された場合のコーナ加工後のフィルム52の模式平面図である。また、図6(C)(b)は、フィルム52の送り量(F)に対して第1カッタ41と第2カッタ42間のピッチ(P)が長く調整された場合のコーナ加工後のフィルム52の模式平面図である。
図6(C)(a)に示すように、フィルム52の送り量(F)に対して第1カッタ41と第2カッタ42間のピッチ(P)が短く調整された場合には、フィルム52の隅角部52a、52bに余分な耳52eが発生してしまう。
一方、図6(C)(b)に示すように、フィルム52の送り量(F)に対して第1カッタ41と第2カッタ42間のピッチ(P)が長く調整された場合には、フィルム52の隅角部52a、52bにエッジ52fが発生してしまう。したがって、特許文献1に提案されるフィルムの切断装置40においては、コーナ加工においてこのような不具合を発生させないため、フィルム52の送り量(F)に加え、フィルム52の送り量(F)と、切断装置(第1カッタ41と第2カッタ42)間のピッチ(P)との関係を極めて正確に調整する必要があり、これがされない場合は品質上、問題が発生するおそれがある。
特許文献1に提案されるフィルムの切断装置40は、第1カッタ41と第2カッタ42が、ピッチ(P)だけ離れて配置してある。したがって、フィルム52の長さを変更する段取替えのような場合、フィルム52の送り量(F)の変更に加え、第1カッタ41と第2カッタ42のピッチ(P)も変更しなければならず、その調整に多くの時間と労力を必要とする。また、コーナ加工の後、フィルム52をサクションテーブル43で吸い付けて払い出す機構も必要となる。このようなことから、装置全体が複雑な構造でしかも大型のものとなって、製作コストが高くなると共に設置面積を広くとる必要があり、結果的にはフィルム52の製造原価も高くなる。
また、第1カッタ41から第2カッタ42まで長尺フィルム51が送られる際、長尺フィルム51の送り方向前縁端の隅角の突片部51eが、第2カッタ42ほかに引っ掛かり、長尺フィルム51の送り機構にトラブルが生じ易くなる。
コーナ加工での不具合を防止するため、フィルム間に切断代を設けることも一般に行われている。図6(C)(c)は、切断代S(例えば、パッケージ袋においては2〜5mm)を設けてコーナ加工を行ったフィルム52の模式平面図である。図6(C)(c)に示すように、1つのフィルム52を得るのに切断代53sも加わるため、長尺フィルム51からコーナ加工されたフィルム52にする迄の材料歩留が悪く、また、切屑53と共に切断代53sも切屑処理手段などの追加が必要となってくる。
第1カッタ:その幅方向中央部に位置するセンタ切断刃Aとセンタ切断刃Aの両側に連なるコーナ切断刃aとを備える。
第2カッタ:第1カッタのセンタ切断刃Aと噛合うセンタ切断刃Bを備える。
第3カッタ:切断待機時にはフィルムの厚さを超える間隔を隔てて第2カッタに対して対向配置され、幅方向の両端に位置するコーナ切断刃bを備える。
第4カッタ:第1カッタのコーナ切断刃a及び第3カッタのコーナ切断刃bと噛合うコーナ切断刃cを備える。
そして本発明のフィルム切断装置は、第1カッタのコーナ切断刃a、第3カッタのコーナ切断刃b及び第4カッタのコーナ切断刃cとの噛合いにより、フィルムの両縁の切断除去を行う。さらに、本発明のフィルム切断装置は、切断除去されて残ったフィルムの幅方向の中央部分を、第1カッタのセンタ切断刃Aと第2カッタのセンタ切断刃Bとの噛合いにより切断することを特徴としている。
図1は実施の形態に係るフィルムの切断装置10の正面図、図2は切断工具を構成するカッタを離間させて示した分解斜視図、図3は切断工具で長尺フィルム21を切断する様子を示す斜視図である。また、図4は、実施の形態に係る切断装置10の動作を示す図である。さらに、図5は、図1の切断装置10で切断後の各フィルム22の一例の平面図である。
ベースプレート17aと可動プレート17eの間に切断工具が設置されている。この切断工具は、ベースプレート17a側に配設された第1カッタ11及び第3カッタ13と、可動プレート17e側に配設された第2カッタ12及び第4カッタ14とから構成される。第2カッタ12及び第4カッタ14は、可動プレート17eの上下動に伴って上下動する。なお、第4カッタ14は、長尺フィルム21の幅方向に所定間隔隔てて配設された一対の第4カッタ14R及び第4カッタ14Lとから構成される。
ベースプレート17aと可動プレート17eの間には、長尺フィルム21を切断装置10内にガイドすると共に、切断する際に切断工具に先立ってフィルム22を押えるためのストリッパプレート17fも配設されている。
先ず、切断工具について、図2及び図3に基づいて説明する。
第1カッタ11:
第1カッタ11は、直方体状の形状を成し、その稜線の一部が切断刃(Cutting edge)を構成する。この切断刃は、直線状のセンタ切断刃111とその両端部のコーナ切断刃112とから構成される。センタ切断刃111はフィルム22の前端側22m(又は後縁端22u)の切断部22xに対応し、コーナ切断刃112はフィルム22のコーナ加工部22c、22dに対応する形状をなしている。
第2カッタ12も、第1カッタ11と同様に、その稜線の一部が直線状のセンタ切断刃121を構成するが、その両端部は切断刃としては機能しない。センタ切断刃121はフィルム22の前端側22m(又は後縁端22u)の切断部22xに対応する形状を有している。第2カッタ12の両端部はフィルム22のコーナ加工部22a、22bに対応する形状をなしているが、上述のように切断刃としては機能しない。
第3カッタ13も、第1カッタ11、第2カッタ12と同様に、その稜線の一部がコーナ切断刃132を構成する。コーナ切断刃132はフィルム22のコーナ加工部22a、22bに対応する形状をなしている。コーナ切断刃132の間の直線部分はフィルム22の前端側22m(又は後縁端22u)の切断部22xに対応する形状をなしているが、切断刃としては機能しない。
第4カッタ14(14R、14L)は、各々、コーナ切断刃142R及び142Lを備えている。コーナ切断刃142R及び142Lは、第1カッタ11のコーナ切断刃112及び第3カッタ13のコーナ切断刃132と噛み合い可能な形状を有している。
コーナ切断刃142R及び142Lは、第1カッタ11又は第2カッタ12の方向に向けて、第2カッタ12のセンタ切断刃121よりも突出して配置される。この突出量Gはフィルム22の厚さ以上とされる。
フィルム22の切断時には、第4カッタ14は、この突出量Gを維持しながら、第2カッタ12とともに下降する。本実施の形態では、突出量Gを維持するために、第4カッタ14を第2カッタ12に一体的に固定している。
つまり、突出している第4カッタ14(14R、14L)のコーナ切断刃142R、142Lが、第1カッタ11のコーナ切断刃121及び第3カッタ13のコーナ切断刃132と先に噛み合うことにより、送り込まれた長尺フィルム21にコーナ加工部22a、22b、22c、22dが切断、形成される。なお、コーナ加工部22a、22bは、第1カッタ11及び第4カッタ14により切断、形成される。また、コーナ加工部22c、22dは、第3カッタ13及び第4カッタ14により切断、形成される。
次いで、第2カッタ12のセンタ切断刃121が第1カッタ11のセンタ切断刃111と噛み合うことで、長尺フィルム21が矩形状のフィルム22に切断され、フィルム22の前端側22mと後縁端22uが形成される。以下、図4を用いて、切断装置10の切断動作についてより詳しく説明する。
なお、図4(b)において、コーナ加工により小さい切屑23が発生するが、この切屑23は、第4カッタ14R、14L内に導入した圧縮空気で、下方の第1カッタ11と第3カッタ13の両側面に形成した空所に吹き飛ばし、またこの空所からも切屑23を吸収している。このため、切屑23が切断工具内に残らず、切屑処理が容易になっている。
(1)切断工具間の調整が不要で、高品質
切断工具として、第1カッタ11、第2カッタ12、第3カッタ13及び第4カッタ14を1箇所に集め、これにより、コーナ加工と切断を共に行うので、切断装置間の調整が不要となる。そして、切断装置間の調整が不要となるので、コーナ加工部22a〜22dと切断部22xの形状・寸法が均一で高品質なフィルム22にすることができる。
切断工具は、図1に示すようなダイセットなどに設けることが可能となっている。また、フィルム22の長さを変更する段取替えのような場合、フィルム22の送り量(F)を変更するのみで良いので、調整は少ない時間で足りる。また、コーナ加工と切断がされたフィルム22は、直ちに次の工程に送られるので、複雑な払い出す機構が不要となる。このようなことから、装置全体が単純な構造でしかも小型のものとなって、製作コストが低くなると共に設置面積が広くならず、結果的にはフィルム22の製造原価を低くすることができる。
フィルム22のコーナ加工部22a、22bを、例えばラウンドにすれば、シート状のフィルム21が切断工具に送られる際に引っ掛かることがない。このため、長尺フィルム21の送り機構のトラブル発生を少なくすることができる。
上述した切断代Sを0.2〜0.3mm程度にすることができるとともに、コーナ加工および切断後に除去されるのは他には小片の切屑23のみであるのでフィルム22の材料歩留を高くすることができる。また、切断工具内に、小片の切屑23も吹き飛ばしと吸引を組み合わせ形成することで、切屑処理手段を容易に作製することができる。
さらに、上述した切断装置10は、単一の長尺フィルム21を切断する装置として説明したが、長尺フィルム21を複数並列に配置し、これに対応する下図の切断工具を配置した多列の切断装置とすることもできる。
11:第1カッタ、111:センタ切断刃、112:コーナ切断刃、
12:第2カッタ、121:センタ切断刃、
13:第3カッタ、132:コーナ切断刃、
14(14R、14L):第4カッタ、142R,142L:コーナ切断刃、
15:コイルスプリング、
17a:ベースプレート、17b:ガイドポスト、17c:シリンダ、17d:継手、17e:可動プレート、17f:ストリッパプレート、
21:長尺フィルム、22:フィルム、22a、22b、22c、22d:コーナ加工部、22x:切断部、22m:前端側、22u:後端側、52:フィルム、52a、52b、52c、52d:コーナ加工部、F:送り量、G:突出
Claims (7)
- 所定幅を有する長尺のフィルムを、その幅方向の両縁の所定領域を切断除去し、かつ切断除去されて残った前記幅方向の中央部分を切断するフィルム切断装置であって、
その幅方向中央部に位置するセンタ切断刃Aと前記センタ切断刃Aの両側に連なるコーナ切断刃aとを備える第1カッタと、
前記第1カッタの前記センタ切断刃Aと噛合うセンタ切断刃Bを備える第2カッタと、
切断待機時には前記フィルムの厚さを超える間隔を隔てて前記第2カッタに対して対向配置され、その幅方向の両端に位置するコーナ切断刃bを備える第3カッタと、
前記第1カッタの前記コーナ切断刃a及び前記第3カッタの前記コーナ切断刃bと噛合うコーナ切断刃cを備える第4カッタと、を備え、
前記第1カッタの前記コーナ切断刃a及び前記第3カッタの前記コーナ切断刃bと前記第4カッタの前記コーナ切断刃cとの噛合いにより、前記フィルムの前記両縁の切断除去を行い、
切断除去されて残った前記フィルムの前記幅方向の中央部分を、前記第1カッタの前記センタ切断刃Aと前記第2カッタの前記センタ切断刃Bとの噛合いにより切断することを特徴とするフィルム切断装置。 - 前記第1カッタの前記コーナ切断刃a、及び前記第3カッタの前記コーナ切断刃bと前記第4カッタの前記コーナ切断刃cとの噛合いにより、前記フィルムの前記両縁の切断除去を先行して行い、
次いで、切断除去されて残った前記フィルムの前記幅方向の中央部分を、前記第1カッタの前記センタ切断刃Aと前記第2カッタの前記センタ切断刃Bとの噛合いにより切断することを特徴とする請求項1に記載のフィルム切断装置。 - 前記第4カッタの前記コーナ切断刃cは、前記第1カッタ及び前記第3カッタに対して、前記第2カッタの前記コーナ切断刃aよりも所定量突出し、
前記第2カッタ及び前記第4カッタが一体化されていることにより、
前記第1カッタの前記コーナ切断刃a、及び前記第3カッタの前記コーナ切断刃bと前記第4カッタの前記コーナ切断刃cとの噛合いにより、前記フィルムの前記両縁の切断除去を先行して行い、
次いで、切断除去されて残った前記フィルムの前記幅方向の中央部分を、前記第1カッタの前記センタ切断刃Aと前記第2カッタの前記センタ切断刃Bとの噛合いにより切断することを特徴とする請求項2に記載のフィルム切断装置。 - 前記第1カッタと前記第2カッタで前記フィルムを切断する際に、前記第2カッタ及び第3カッタで前記フィルムを挟み込み、その状態で前記第1カッタの前記センタ切断刃Aと前記第2カッタの前記センタ切断刃Bが噛合う切断動作により、切断除去されて残った前記フィルムの前記幅方向の中央部分を切断することを特徴とする請求項1に記載のフィルム切断装置。
- 前記第1カッタの前記センタ切断刃Aと前記第2カッタの前記センタ切断刃Bが噛合う切断動作の過程で、前記第2カッタが前記第3カッタを押圧して前記第3カッタが前記押圧の方向に後退することを特徴とする請求項3に記載のフィルム切断装置。
- 前記第3カッタを前記第2カッタの方向に押圧するばねを備え、
前記ばねの押圧力は、
前記フィルムの前記両縁の切断除去における切断抵抗より大であるが、
前記第3カッタによる前記第2カッタへの前記押圧力より小であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム切断装置。 - 前記第1カッタの前記センタ切断刃A及び前記第2カッタの前記センタ切断刃Bは、前記フィルムの前記幅方向に沿う直線状の刃であり、
前記第1カッタの前記コーナ切断刃a、前記第3カッタの前記コーナ切断刃b及び前記第4カッタの前記コーナ切断刃cは、ラウンド形状、または前記フィルムの長手方向に対して所定角度を有する直線状の切断刃を有することを特徴とする請求項1に記載のフィルム切断装置。
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