JP3914519B2 - グリセロ糖脂質化合物を含有してなるリパーゼ活性阻害剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リパーゼの活性、特に、膵リパーゼの活性を阻害するグリセロ糖脂質化合物を有効成分として含有するリパーゼ活性阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化などの成人病の大きな要因とされており、近年、その増加傾向が懸念されている。肥満の主要な原因は、食事に含まれている脂肪(主に高級脂肪酸のトリグリセリド)が体内の脂肪組織(脂肪細胞)に過度に蓄積されることであり、従って、脂肪が脂肪組織に過度に蓄積されないようにすることで肥満を防止したり改善したりすることができるものである。
【0003】
従来より、肥満を防止したり改善したりするためには、食事の内容や量を制限する食事療法や適度の運動を行なう運動療法が試みられているが、いずれの療法も効果を得るために長期間を要して負担が大きいものであった。
【0004】
そこで、キチンやキトサンあるいはコンドロイチン硫酸を摂取することにより、食事療法や運動療法よりも手軽に肥満を防止したり改善したりすることが考えられている(例えば、非特許文献1参照)。キチンやキトサンあるいはコンドロイチン硫酸は膵リパーゼ(ステアプシン)等のリパーゼが脂肪を脂肪酸と2−モノグリセリドに分解するのを阻害することにより、小腸で脂肪酸と2−モノグリセリドの吸収を抑えるようにするものであり、これにより、脂肪が脂肪組織に過度に蓄積されないようにするものである。
【0005】
そして、本発明者はキチンやキトサンあるいはコンドロイチン硫酸と同等あるいはそれら以上に膵リパーゼ等のリパーゼの活性を阻害する化合物を見出して本発明に至った。
【0006】
【非特許文献1】
奥田拓道著「肥満と食品中の機能物質」(臨床栄養Vol.97、No.3、2000.9、P253−256、医歯薬出版株式会社)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、食事療法や運動療法よりも手軽に肥満を防止したり改善したりすることができる新規化合物であるグリセロ糖脂質化合物を有効成分として含有するリパーゼ活性阻害剤を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るリパーゼ活性阻害剤は、下記(1)の構造式を有するグリセロ糖脂質化合物を有効成分として含有して成ることを特徴とするものである。
【0009】
【化2】
【0010】
そして、(1)式における脂質部分が脂肪とほぼ同等の構造を有するために、このグリセロ糖脂質化合物が膵リパーゼ等のリパーゼの基質結合部位に作用してリパーゼによる脂肪の分解を阻害することができ、従って、脂肪が体内に摂取されるのを少なくすることができて食事療法や運動療法よりも手軽に肥満を防止したり改善したりすることができるものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に係るリパーゼ活性阻害剤は、請求項1に加えて、スピルリナからの抽出物であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3に係るリパーゼ活性阻害剤は、請求項1又は2に加えて、フィコシアニンを有効成分として含有して成ることを特徴とするものであり、上記のグリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンの相乗効果により、リパーゼによる脂肪の分解を強く阻害することができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
まず、体内への脂肪の吸収機構について説明する。食事に含まれている脂肪はそのままの形では吸収されず、膵臓から分泌される膵リパーゼ等のリパーゼによって脂肪酸と2−モノグリセリドに分解された後、小腸の上皮細胞に吸収される。上皮細胞に吸収された脂肪酸と2−モノグリセリドはこの細胞内で再びトリグリセリドに合成され、アポ蛋白やリン脂質やコレステロールとともにカイロミクロンを形成する。このカイロミクロンはリンパ管を経て血液中に分泌されて全身を循環する。そして、カイロミクロンは脂肪組織の血管壁に存在するリポ蛋白リパーゼにより脂肪酸と2−モノグリセリドに分解された後、脂肪組織(脂肪細胞)に取り込まれ、脂肪組織内で再びトリグリセリドに合成されて蓄積される。このようにして脂肪は体内に吸収されるものである。
【0015】
本発明で用いる新規化合物であるグリセロ糖脂質化合物は上記のような脂肪の吸収機構において、小腸での膵リパーゼ等のリパーゼの活性作用、すなわち、脂肪を脂肪酸と2−モノグリセリドに分解する活性作用を阻害することにより、脂肪の分解を抑制して脂肪の代謝を高めるようにするものであり、この結果、脂肪が脂肪組織に蓄積されにくくして肥満を防止したり改善したりすることができるものである。
【0016】
本発明で用いるグリセロ糖脂質化合物は上記(1)の構造式で示される化合物である。このグリセロ糖脂質化合物の糖質部分は環状構造の単糖類(残基)であるα−グルコース(α−D−グルコピラノース)である。また、グリセロ糖脂質化合物の脂質部分(脂溶性基)はグリセリド(残基)である。
【0017】
このグリセロ糖脂質化合物は具体的にはヘキサデカノイル基とオクタノイル基を有する上記(1)の構造式で示される化合物である。
【0018】
本発明で用いるグリセロ糖脂質化合物が膵リパーゼ等のリパーゼの活性を阻害するメカニズムは明らかでないが、(1)式における脂質部分が脂肪(高級脂肪酸のトリグリセリドやジグリセリド等)とほぼ同等の構造を有するために、このグリセロ糖脂質化合物が膵リパーゼ等のリパーゼの基質結合部位に作用(結合)し、この作用により膵リパーゼ等のリパーゼの基質結合部位が脂肪に作用(結合)するのを少なくして脂肪の分解を阻害するものと考えられる。
【0019】
本発明で用いるグリセロ糖脂質化合物はスピルリナなどの藍藻類からの抽出物(抽出エキス)として得ることができる。スピルリナ(Spirulina platensis)は藍藻類紐子目ユレモ属スピルリナ科に属するものであって、細胞が多数連結した一本の細長い糸状体を形成し、規則正しい螺旋状(スパイラル)を呈しているものである。
【0020】
スピルリナから本発明で用いるグリセロ糖脂質化合物を抽出する方法には、特に制限はなく、通常の抽出法を採用することができる。例えば、スピルリナをその全質量に対して5〜10倍の水あるいは有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に浸漬し、1時間〜1週間静置した後、ろ過することにより抽出液を得る。このようにして上記(1)式で示すグリセロ糖脂質化合物を抽出液中に得ることができる。上記の抽出において、スピルリナとしては乾燥粉末にしたものであってもよいし、乾燥粉末でない生のものを用いてもよい。また、有機溶媒としては例えばエタノールやメタノールやブタノールなどのアルコールを用いることができるが、その他の公知の有機溶媒を用いてもよい。また、水または有機溶媒の温度は常温(室温)であってもよいし、加熱により30〜100℃にしてもよい。尚、上記ではグリセロ糖脂質化合物をスピルリナから抽出する方法を例示したが、これに限らず、スピルリナ以外の他の藍藻類を用いてもよいし、また、他の方法によりスピルリナから抽出してもよい。
【0021】
本発明で用いるグリセロ糖脂質化合物は上記の抽出液をそのまま使用したりあるいは上記の抽出液を希釈したり濃縮したりすることにより抽出液に含有された状態で使用することができる。また、このグリセロ糖脂質化合物は上記の抽出液を単独であるいは適当な担体とともに噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥等の方法により粉末状あるいはペースト状にして使用することができる。さらに、このグリセロ糖脂質化合物はクロマトグラフィーなどを用いた公知の手法により上記の抽出液から単離精製してから使用することができる。尚、ここでいう「使用」とは、上記のグリセロ糖脂質化合物を経口あるいは非経口で体内に摂取すること及び後述のような本発明のリパーゼ活性阻害剤を調製すること等の意味を含むものである。
【0022】
本発明のリパーゼ活性阻害剤は上記のグリセロ糖脂質化合物を有効成分として含有して調製されるものである。リパーゼ活性阻害剤の形態は特に限定されず、液剤、錠剤、丸剤、散剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、スプレー剤等にすることができ、また、賦形剤、充填剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、溶剤、増量剤などの公知の材料及び公知の製法を用いて製剤化することができるものである。錠剤や散剤等の賦形剤としては、例えば、乳糖、澱粉、デキストリン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵母等が挙げられる。液剤における賦形剤としては、例えば、水、グリセリン、プロピレングリコール、単シロップ、エタノール、脂肪油、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。
【0023】
リパーゼ活性阻害剤中における上記グリセロ糖脂質化合物の量は、特に限定されないが、リパーゼ活性阻害剤の全質量に対して0.01〜99.9%、好ましくは0.5〜5%とすることができる。また、リパーゼ活性阻害剤の投与方法は特に限定されず、製剤の形態、症状、患者の年齢、性別、その他の条件に応じて経口あるいは非経口などの公知の方法を適宜採用することができる。さらに、リパーゼ活性阻害剤の投与量としては特に限定されず、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて設定すればよいが、例えば、1日あたり体重1kgに対して上記グリセロ糖脂質化合物を0.01〜1mgで投与するように設定することができる。
【0024】
本発明のリパーゼ活性阻害剤には有効成分としてフィコシアニンを含有するのが好ましい。フィコシアニンは従来より可食な青色色素として利用されているが、膵リパーゼ等のリパーゼの活性を阻害することは知られていない。そこで、本発明のリパーゼ活性阻害剤は上記グリセロ糖脂質化合物の他に、さらにフィコシアニンを含有させることによって、上記グリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンとの二つの相乗効果によりリパーゼ活性阻害の効果を向上させることができるものである。
【0025】
フィコシアニンは発色団であるフィコシアノビリンがタンパク質に化学的に結合した構造を有する色素タンパク質であって、特公昭57−51865号公報、特開平6−271783号公報、特開平11−299450号公報等に記載されているような公知の手法により、藍藻類等から抽出して単離精製して得ることができるものである。従って、製剤化の際に上記グリセロ糖脂質化合物とともにフィコシアニンを配合することによって、上記グリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンの両方を有効成分として含有するリパーゼ活性阻害剤を調製することができるものである。しかしながら、スピルリナの上記抽出液には上記グリセロ糖脂質化合物とともにフィコシアニンが含有されているので、この抽出液を単離精製せずに用いることによって、上記グリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンの両方を有効成分として含有するリパーゼ活性阻害剤を調製することができる。リパーゼ活性阻害剤中のフィコシアニンの量は、特に限定されないが、リパーゼ活性阻害剤の全質量に対して0.01〜99.9%とすることができる。
【0026】
本発明のリパーゼ活性阻害剤は、一般的に食されたり飲用されている食品や飲料に添加して配合することができ、例えば、パン、麺、菓子、ビスケット、ケーキ等の穀粉や澱粉を主成分とする食品、ソーセージやハム等の肉加工食品、かまぼこやちくわ等の水産加工食品、ヨーグルトやアイスクリームやバターやチーズやミルク等の乳製品、ジュースや水や茶などの飲料、味噌や醤油等の調味料、ゼリーやプリン等のデザートなどに配合することができる。これらの上記グリセロ糖脂質化合物及びリパーゼ活性阻害剤を含有する食品や飲料は脂肪が吸収されにくいものであり、従って、健康食品や健康飲料あるいはダイエット食品やダイエット飲料などとして用いられるものである。食品や飲料の上記グリセロ糖脂質化合物の配合量は、特に限定されないが、食品や飲料の全質量に対して上記グリセロ糖脂質化合物が0.01〜1%とすることができる。
【0027】
スピルリナは、現在健康食品、飼料または色素の抽出原料として広く利用され、微細藻類であるため、抽出も比較的容易な形状の粉体である。当該グリセロ糖脂質化合物は新規物質として他の植物から抽出された報告はなく、フィコシアニンもスピルリナなどごく一部の藻類に特有な色素としてのみ知られているために、スピルリナから抽出されることは非常に簡便であり効率的であるといえる。
【0028】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0029】
乾燥粉末にしたスピルリナをその全質量に対して10倍の水に浸漬し、常温で約24時間静置した後、ろ過することにより水抽出液を得た。次に、この水抽出液を凍結乾燥した。得られた乾燥物をメタノールに溶解し、シリカゲルカラムを用いて分画した。溶出溶媒はメタノールおよびブタノール/エタノール/水(4/1/0.5)の混合溶媒を用いた。この分画により上記式(1)に示すグリセロ糖脂質化合物を得た。
【0030】
上記のようにして得られた式(1)の画分を紫外線吸収スペクトル、赤外線吸収スペクトル、1HNMR、13CNMRで測定した。結果を以下に示す。また、1HNMR、13CNMRも測定結果を表1に示す。また、1HNMRの測定結果を図1に示す。
UV λMeOHnm:221,264
IR νKBrcm−1:3396.55,2927.12,2855.6,1738.67,1461.35,1378.99,1167.1,1074.82,980.315
1HNMR(CD3OD,500MHz):δ5.24(1H,H-2),4.41(1H,d,J=11.5Hz,H-1a),4.22(1H,d,J=7.5,H-1'''),4.21(1H,H-1β),3.97(1H,dd,J=5.5Hz 11.0Hz,H-2 a),3.48(1H,d,H-5'''),3.72(1H,dd,H-2β,H-6'''),3.81(1H,H-4'''),3.50(1H,H-2'''),3.45(1H,d,H-3'''),2.32(H-2',H-2''),1.60(H-3',H-3''),1.28(H-4〜15',H-4''〜7''),0.89(6H,t,J=9Hz,H-16',H-8'')
13CNMR(CD3OD,500MHz):δ174.8(C-1',1''),105.3(C-1'''),76.7(C-5'''),74.8(C-3'''),δ72.3(C-2'''),71.7(C-2),70.2(C-4'''),68.7(C-3),64.09(C-1),62.4(C-6'''),35.1(C-2',2''),33.0(C-14',C-6''),30.1〜30.8(C-4',C-13',C-4'',C-5''),26.0(C-3',3''),23.7(C-15',7''),14.4(C-16',8'')
【0031】
【表1】
【0032】
【化3】
【0033】
従って、上記の画分は上記(1)に示すグリセロ糖脂質化合物であることが確認された。尚、[化3]におけるM1〜M6は分子量を示す。
【0034】
(実施例1)
上記のようにブタノールを含む混合溶媒で分画後に、溶媒を除去して乾燥することによって、上記(1)に示すグリセロ糖脂質化合物のみを含む粉末を得た。
【0035】
(実施例2)
上記の水抽出液の水を凍結乾燥により除去することによって、上記(1)に示すグリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンの両方を含む粉末を得た。
【0036】
実施例1、2について、膵リパーゼの活性の阻害を測定した。測定方法は、トリオレイン80mgとホスファチジルコリン10mg及びタウロコール酸ナトリウム5mgとを9mLの0.1Mトリス(ヒドロキシルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸(TES)緩衝液(0.1MNaClを含有、pH7.0)中で乳化したものを基質液として用い、この基質液100μLに、実施例1または2を溶解させたTES緩衝液100μL及び酵素液(シグマ社製のブタ膵リパーゼ)を加え、37℃、30分間反応させた後、遊離する脂肪酸を銅試薬法(辻田、Eur.J.Biochem.,133,215〜220,1983に記載)により定量した。
【0037】
比較のために、実施例1、2の代えて、フィコシアニンとβ−カロチン(いずれもシグマ社製)とクロロフィルa(和光純薬工業株式会社製)とをそれぞれ用いて上記の同様の膵リパーゼの活性の阻害の測定を行なった。結果を図2に示す。図2から明らかなように、実施例1、2ともに膵リパーゼ活性を強く阻害するものであり、特に、上記(1)に示すグリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンの両方を含む実施例2は、膵リパーゼの活性の50%阻害を示すのが5μg/mL(TES緩衝液中の濃度)、95%阻害を示すのが40μg/mL(TES緩衝液中の濃度)であり、非常に強い阻害を示すものであった。
【0038】
スピルリナに含まれているフィコシアニンも膵リパーゼの活性の阻害作用を示すが、50%阻害を示す濃度は50μg/mLであり、実施例1、2よりも膵リパーゼの活性の阻害作用が小さかった。また、同じくスピルリナに含まれているクロロフィルaやβ−カロチンには阻害作用は認められなかった。従って、上記(1)のグリセロ糖脂質化合物は強力に膵リパーゼの活性の阻害するものであり、しかも、その阻害作用はフィコシアニンとの併用による相乗効果でさらに高められるものである。
【0039】
(実施例3)
実施例2の粉末を5%(w/w)、結晶セルロースを30%(w/w)、乳糖30%(w/w)、馬鈴薯でんぷん30%(w/w)、ショ糖脂肪酸エステル3%(w/w)、ナタネ硬化油2%(w/w)を配合し、直径8mm重量200mgの円柱状に打錠し、製剤とした。
【0040】
(実施例4)
ドリンク剤(果糖ブドウ糖液糖15%、ガラクトオリゴ糖10%配合)に実施例2の粉末を全体量の3%(w/w)になるように混ぜた。この場合、実施例2の粉末が飲みやすくなった。また、実施例2の粉末をふりかけなどに混ぜて食べやすくすることもできる。
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、上記(1)の構造式を有するので、(1)式における脂質部分が脂肪とほぼ同等の構造を有するために、グリセロ糖脂質化合物が膵リパーゼ等のリパーゼの基質結合部位に作用してリパーゼによる脂肪の分解を阻害することができ、従って、脂肪が体内に摂取されるのを少なくすることができて食事療法や運動療法よりも手軽に肥満を防止したり改善したりすることができるものである。
【0042】
また、本発明の請求項2の発明は、スピルリナからの抽出物であるので、上記(1)の構造式を有するグリセロ糖脂質化合物を容易に効率的に得ることができるものである。
【0043】
また、本発明の請求項3の発明は、フィコシアニンを有効成分として含有して成ることを特徴とするものであり、グリセロ糖脂質化合物とフィコシアニンの相乗効果により、リパーゼによる脂肪の分解を強く阻害することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1HNMRの測定結果を示す図である。
【図2】 実施例1、2及びフィコシアニンとクロロフィルaとβ−カロチンによる膵リパーゼの活性阻害を示すグラフである。
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