JP3914204B2 - 画像伝送ネットワーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は階層的画像符号化における帯域制御を行う画像伝送ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの急速な進歩に伴って、動画等の画像データがイントラネットに収容されるサーバ等より家庭の端末に配信されるようになっている。動画データは、データ圧縮のために、符号化される。例えば、MPEGでは、各画像フレームは、独立に復号可能なイントラ符号化画像(Iフレーム)、フレーム間順方向予測符号化であるPredictive符号化画像(Pフレーム)及び双方向予測符号化であるBidirectionally Predictive符号化画像(Bフレーム)から構成される、3種類のタイプの中で該当するタイプのフレームに符号化される。Iフレームが作成される一定周期に含まれる符号化画像データをBOP(Block Of Picture)と呼ばれ、例えば、BOPの先頭から、Iフレーム,Bフレーム,Bフレーム,Pフレーム,Bフレーム,Bフレーム,Pフレームのタイプの順にフレームが作成されて、ネットワークに送信される。MPEG1では、100K〜1.5Mbps、MPEG2では、1.5M〜6Mbps、MPEG4では、100Kbpsの帯域が必要とされる。
【0003】
従来の画像伝送ネットワークにおいて、高速ネットワークで構築したイントラネットにて6Mbps等広帯域画像を流していて、その広帯域画像をインターネット経由で家庭などへ配信する場合、家庭などのインターネット回線は通常56kbpsなどの低速ネットワークであるために、6Mbps等の広帯域画像を伝送することは出来ない。そこで、イントラネットとインターネットが接続されるポイントにて、広帯域画像データを低帯域画像データに符号変換することを行っていた。画像圧縮を行うために、広帯域画像を低帯域画像に変換する方法として、国際標準であるMPEGのスケーラビリティ機能を利用する方法がある。イントラネットとインターネットが接続されるポイントに画像符号化変換部を設け、この変換部により、PフレームやBフレームを間引くことにより、広帯域画像データを低帯域画像データに変換することが可能であった。
【0004】
しかしながら、従来の画像伝送ネットワークでは以下の問題点があった。広帯域画像を低帯域画像に符号変換するには、別途画像符号化変換部が必要である。また、イントラネットが大規模になりと、イントラネットとインターネットの接続ポイント数が増加し、画像符号化変換部の数が増大する。更に、符号化画像データの数が増加すると、バッファサイズ等が増大し、画像符号化変換部の回路規模が増大する。そのため、コストが大きくかかってしまう。また、受信する側のネットワークもモデム回線、ISDN回線、xDSLなど回線速度も様々であり、それらに応じた帯域の画像符号化を行うために、様々な帯域の画像データに符号化変換を行う必要があり、符号化変換が複雑になるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像伝送ネットワークでは以下の問題点があった。広帯域画像を低帯域画像に符号変換するには、別途画像符号化変換部が必要である。また、イントラネットが大規模になりと、イントラネットとインターネットの接続ポイント数が増加し、画像符号化変換部の数が増大する。更に、符号化画像データの数が増加すると、バッファサイズ等が増大し、画像符号化変換部の回路規模が増大する。そのため、コストが大きくかかってしまう。また、受信する側のネットワークもモデム回線、ISDN回線、xDSLなど回線速度も様々であり、それらに応じた帯域の画像符号化を行うために、様々な帯域の画像データに符号化変換を行う必要があり、符号化変換が複雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、広帯域画像から低帯域画像への変換のコストを低減する画像伝送ネットワークを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、各画像フレームが符号化方式の該当タイプに応じて符号化された画像符号化フレームをIPパケット化して送信する画像送信部と複数のルータと画像受信部とを含む画像伝送ネットワークであって、各IPパケットヘッダのTTLフィールドに該パケットが収容する前記画像符号化フレームの前記タイプに応じたTTL値を設定する前記画像送信部に設けられたタイプ別ヘッダ作成部と、前記IPパケットヘッダのTTL値をデクリメントしてIPパケットヘッダを更新する前記ルータに設けられたTTL更新部と、前記TTL更新部により更新されたTTL値が所定値よりも小さくなると該TTL値に更新されたパケットを破棄する前記ルータに設けられたフィルタリング処理部とを具備したことを特徴とする画像伝送ネットワークが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
発明を実施するための最良の態様を説明する前に本発明の原理の説明をする。図1は本発明の原理図である。図1に示すように、画像伝送ネットワークは、画像送信部2、複数のルータ4#i(i=1,2,…)、サーバ6及び画像受信部8を含む。画像送信部2は、各画像フレームが符号化方式の該当タイプに応じて符号化された画像符号化フレームをパケット化して送信するものである。画像送信部2はタイプ別ヘッダ作成部10を有する。タイプ別ヘッダ作成部10は、各パケットヘッダに該パケットが収容する画像符号化フレームのタイプに応じた値を設定する。そして、画像送信部2はタイプに応じた値が設定されたパケットヘッダが付加されたパケットを画像受信部8宛てに送信する。
【0009】
サーバ12は、フィルタリング部12を有する。フィルタリング部12は、パケットヘッダに設定された値に基づいて、パケットの破棄又は通過のフィルタリング処理をする。例えば、画像受信部8が収容されるネットワークが低帯域ネットワークの場合は、一定のタイプのパケットヘッダに破棄対象パケットとして所定の値を設定しておくことにより、当該値が設定されたパケットが破棄されて、所望の値のパケットのみを通過させることにより、画像データを低帯域に変換することができる。ネットワーク7、例えば、インターネットに収容されるルータはサーバ6よりフィルタリングされたパケットをルーティングして、画像受信部8に送信する。画像受信部8は、サーバ6によりフィルタリング処理されたパケットを受信する。このようにパケットヘッダにタイプに応じた値を設定して、所望の値のパケットのみを通過させるという簡単な処理により低帯域に変換することができる。
【0010】
第1実施形態
図2は本発明の第1実施形態による画像伝送ネットワーク構成図である。図2に示すように、画像伝送ネットワークは、イントラネット30とインターネット32より構成される。イントラネット30は、動画像の配信サービスを提供する企業の企業内ネットワークであり、複数の画像送信部40#i(i=1,2,…)、複数のルータ42#i(i=a,b,…,f)、複数の画像受信部44#i(i=1,2,…)及びプロキシサーバ46を含む。イントラネット30は、広帯域ネットワークで構成されている。インターネット32は、複数のルータ50#i(i=1,2,…)及び複数の画像受信部52#i(i=1,2,…)を含み、IPプロトコルに従ってデータを伝送するネットワークであり、低帯域ネットワークにより画像受信部52#iを収容する。
【0011】
図3は、図2中の画像送信部40#iの構成図である。画像送信部40#iは、符号化画像のタイプ(Iフレーム,Pフレーム,Bフレーム)に応じて、フィルタリングする情報をIPパケットヘッダに設定して、イントラネット30に送信する機能を有する。図3に示すように、画像送信部40#iは、画像符号化部60#i、フレームタイプ別IPパケット化部62#i及びIPパケット送信部64#iを有する。画像符号化部60#iは、入力された各画像データフレームをIフレーム、Pフレーム、Bフレームの中で該当するタイプのMPEGデータに符号化する。
【0012】
フレームタイプ別IPパケット化部62#iは、次の機能を有する。(1)Iフレーム、Pフレーム、Bフレームの各画像フレームをIPパケット化する。(2)符号化画像のIPパケットのタイプに応じてフィルタリング情報を設定したIPパケットヘッダを作成する。フィルタリング情報は、例えば、Iフレームのみを通過させて、PフレームやBフレームを破棄する場合には、Iフレームについては特定の設定値とし、PフレームやBフレームは特定の設定値以外の値とする。フィルタリング情報のフィールドは特に限定されることがないが、TOSフィールドやオプションフィールドを使用することが考えられる。本例では、TOSフィールドを用いた場合を例に説明する。即ち、ヘッダのTOS値はIPパケットされた画像フレームがIフレーム,Pフレーム,Bフレームに応じた値とする。TOS値は、低帯域ネットワークを含むインターネットへ画像パケットを中継するとき、特定の設定値のパケットのみを通過し、それ以外の設定値のパケットを破棄して、パケットをフィルタリングするために使用されるものである。これによりネットワーク層レベルでフィルタリングが容易に可能となる。尚、TOS値によりパケットのフィルタリングは後述するプロキシサーバ46が行う。IPパケット送信部64#iは、フレームタイプ別IPパケット化部62#iによりフレームタイプ別にパケット化されたIPパケットをイントラネット30内の広帯域ネットワークに送信する。
【0013】
ルータ42#iは、IPパケットを受信して、IPパケットのIPアドレスに従ってルーティングを行い、該当する伝送路に送信する。画像受信部44#iは、自装置宛てのIPパケットを受信すると、IPパケット化されたフレームがIフレーム,Pフレーム,Bフレームのいずれのフレームであるかに応じて、符号化画像の復号化をして、ディスプレイ等に表示をする。このとき、広帯域ネットワークであるイントラネット30内の画像受信部44#iについてはIPパケットが送信される経路上にプロキシサーバ46が位置しないので、画像受信部44#iは、Iフレーム,Bフレーム,Pフレームの全てのフレームを画像受信部44#iは受信することができる。
【0014】
図4は、図2中のプロキシサーバ46の構成図である。図4に示すように、プロキシサーバ46は、イントラネット32に収容されるイントラネット30とインターネット32との接続ポイントに位置するサーバであり、インターネット32からのイントラネット30へのアクセスを制限する役割に加えて、フィルタリング処理をする役割を有する。プロキシサーバ46は、IPパケット受信部70、フィルタリング部72及びIPパケット送信部74を有する。IPパケット受信部70は、イントラネット30よりIPパケットを受信する。フィルタリング部72は、以下の機能を有する。(1)IPパケットヘッダを抽出する。(2)IPパケットヘッダのTOS値をチェックする。(3)IPパケットのTOS値が特定の設定値、例えば、パケット化されたIフレームのTOS値であるとき、IPパケットをIPパケット送信部74に出力する。(4)IPパケットのTOS値が上記特定の値でないとき、IPパケットを破棄する。尚、TOSフィールド以外の例えばオプションフィールドにフィルタリング情報が設定された場合も同様である。
【0015】
IPパケット送信部74は、フィルタリング部72で通過されたIPパケットをインターネット32に送信する。これにより、例えば、IフレームのIPパケットのみがインターネット32に送信されるが、BフレームやPフレームのIPパケットは破棄され、低帯域ネットワークに画像データが間引きされて送信される。ここで、IPパケットのフィルタリングは、イントラネット30とインターネット32の接続ポイント以外のインターネット32に収容されるルータやレイヤ3スイッチ等により低帯域ネットワークにルーティングする際に行ってもよいが、この場合は低帯域ネットワークへの入り口毎にフィルタリング処理をする機能をルータやレイヤ3スイッチに設ける必要が有る。
【0016】
インターネット32に設けられたルータ50#iは、IPパケットを受信して、IPパケットのIPアドレスに従ってルーティングを行い、該当する伝送路に送信する。画像受信部52#iは、自装置宛てのIPパケットを受信すると、受信したIPパケット化フレームのタイプに応じて、例えば、Iフレームを受信した場合は、Iフレームを復号し、Iフレーム又はPフレームを受信した場合は、Iフレーム又はPフレームを復号して、ディスプレイに表示する。
【0017】
以下、図2の動作説明をする。
【0018】
(a) 画像フレーム送信部40#1から画像受信部44#1に送信する場合
画像フレーム送信部40#1は、画像受信部44#1からの送信要求や定期的な配信に基づき、配信する各画像フレームをIフレーム/Pフレーム/Bフレームの該当するタイプのフレームに符号化して、符号化画像データをIPパケット化する。IPパケット化されたフレーム画像のIフレーム,Pフレーム,Bフレームのタイプに応じたTOS値及び送信先の画像受信部44#1のIPアドレス等をパケットヘッダに設定して、IPパケットをイントラネット30に送信する。画像受信部44#1宛てのIPパケットは、ルータ42#a及びルータ42#dを経由して、画像受信部44#1で受信される。画像受信部44#1は、自分宛てのIPパケットを受信すると、IPパケット化された画像フレームのタイプに応じて復号を行って、ディスプレイに表示する。このとき、画像パケットはフィルタリングされていないので、画像受信部44#1はIフレーム,Bフレーム,Pフレームの全てのフレームを受信でき、画質が劣化することがない。尚、イントラネット30に収容される他の画像フレーム送信部40#i(i=2,…)から画像受信部44#j(j=1,2,…)に送信する場合も同様である。
【0019】
(b) 画像フレーム送信部40#1から画像受信部52#4に送信する場合
画像フレーム送信部40#1は、画像受信部44#1からの送信要求や配信契約等に基づき、配信する画像データをIフレーム/Pフレーム/Bフレームに符号化して、符号化画像データをIPパケット化する。IPパケット化されたフレーム画像のIフレーム,Pフレーム,Bフレームのタイプに応じたTOS値及び送信先の画像受信部52#4のIPアドレス等をパケットヘッダに設定して、画IPパケットをイントラネット30に送信する。画像受信部52#1宛てのIPパケットは、ルータ42#a及びルータ42#dを経由して、プロキシサーバ46に送信される。プロキシサーバ46は、IPパケットを受信すると、IPパケットヘッダのTOS値を抽出する。TOS値が特定の設定値であれば、当該IPパケットをインターネット32に送信する。TOS値が特定の設定値でなければ、当該IPパケットを破棄する。これにより、Iフレームについては特定の設定値が設定され、P/Bフレームについては特定の設定値以外の設定値であるので、Iフレームのみがインターネット32に送信されて、P/Bフレームは破棄されて、特別の回路を設けることなく、ネットワーク層レベルのIPプロトコルを用いるだけで画像データが低帯域データに変換される。
【0020】
プロキシサーバ46よりインターネット32に送信されたIPパケットは、ルータ50#g,50#h等によりルーティングされて、LANや公衆網等の低帯域ネットワークに収容されるPC等に設けられた画像受信部52#4で受信される。画像受信部52#4は、IPパケットを受信すると、IPパケット化された画像フレームのタイプ、例えば、Iフレームの復号化を行って、ディスプレイに表示する。以上説明した実施形態によれば、特別の回路を設けることなく、ネットワーク層レベルのIPプロトコルを用いるだけで画像データが低帯域データに変換することができ、コストを低減することができる。
【0021】
第2実施形態
図5は本発明の第2実施形態による画像伝送ネットワーク構成図である。図5に示すように、画像伝送ネットワークは、イントラネット80とインターネット82より構成される。イントラネット80は、複数の画像送信部90#i(i=1,2,…)、複数のルータ92#i(i=a,b,…)、複数の画像受信部94#i(i=1,2,…)、マルチキャスト管理サーバ95及びプロキシサーバ96を含む。イントラネット80は、広帯域ネットワークで構成されている。インターネット82は、複数のルータ100#i(i=g,h,…)及び複数の画像受信部102#i(i=1,2,…)を含む。
【0022】
本実施形態では、IPプロトコルのマルチキャスト機能を利用する。広帯域ネットワークに収容される画像受信部94#i(i=1,2,…)が1つのマルチキャストグループ1を構成し、低帯域ネットワークに収容される画像受信部102#i(i=4,…)が他のマルチキャストグループ2を構成するようにしている。各符号化画像フレームのタイプに応じて、マルチキャストグループ1,2に対して画像送信部90#iが符号化画像フレームのIPパケットの送信をしている。例えば、マルチキャストグループ1に対して、Iフレーム,Bフレーム,Pフレームの全てのIPパケットを送信し、マルチキャストグループ2に対して、例えば、IフレームのみIPパケットを送信する。マルチキャストグループは、2個に限らず、収容される帯域に応じて、3個以上設けることが可能であり、各マルチグループ宛ての送信する画像のタイプも帯域に応じたものとすることが可能である。
【0023】
図6は図5中の画像送信部90#iの構成図であり、図3中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。図6に示すように、画像送信部90#iは、画像符号化部60#i、マルチキャストフレームタイプ別IPパケット化部110#i及びIPパケット送信部64#iを有する。マルチキャストフレームタイプ別IPパケット化部110#iは、次の機能を有する。(1)Iフレーム、Pフレーム、Bフレームの各画像フレームをIPパケット化する。(2)以下のIPパケットヘッダを作成する。(i)Iフレームについては、マルチキャストグループ1のマルチキャストアドレス1を設定したヘッダ及びマルチキャストグループ2のマルチキャストアドレス2を設定したヘッダを作成する。よって、Iフレームについては、マルチキャストグループ1,2の画像受信部94#i,102#iに送信される。(ii)Pフレーム及びBフレームについては、マルチキャストアドレス1を設定したヘッダを作成する。よって、PフレームやBフレームは、マルチキャストグループ1の画像受信部94#iには送信されるが、マルチキャストグループ2の画像受信部102#iには送信されない。
【0024】
ルータ92#iは、次の機能を有する。(1)ルーティングテーブルに設定されたルーティング情報に従って、ユニキャストアドレスが設定されたIPパケットのルーティングを行う。ルーティングテーブルとは、IPアドレスと該当する出方路に関する情報を保持するテーブルである。(2)マルチキャスト管理サーバ95よりマルチキャストプロトコルに従って通知されるマルチキャストアドレス及当該マルチキャストアドレスのマルチキャストグループに参加許可された画像受信部94#i,102#iのIPアドレスからルーティング情報をルーティングテーブルに登録する。(3)ルーティングテーブルに設定されたルーティング情報に従って、マルチキャストアドレスに該当するマルチキャストグループに属する全画像受信部への経路となる出方路にIPパケットを送信する。
【0025】
画像受信部94#iは、次の機能を有する。(1)許可されたマルチグループアドレスが設定されているIPパケットを受信する。(2)IPパケットの画像タイプ、Iフレーム,Bフレーム,Pフレームに応じて、符号化パケットを復号化して、ディスプレイに表示する。マルチキャスト管理サーバ95は、次の機能を有する。(1)画像受信部94#i,102#iよりマルチキャストグループへの参加要求を受けると、送信元の画像受信部94#i,102#iのIPアドレスより参加要求をした画像受信部がイントラネット80に収容されるとき、マルチキャストグループ1への参加を許可し、インターネット82に収容されるとき、マルチキャストグループ2への参加を許可する。(2)参加を許可した画像受信部のIPアドレス及び許可したマルチキャストグループのマルチキャストアドレスをルータ92#i,100#iにマルチキャストプロトコルに従って通知する。本例では、マルチキャストグループ1のマルチキャストアドレスを224.2.2.2、マルチキャストグループ2のマルチキャストアドレスを224.3.3.3とする。プロキシサーバ96は、インターネット82からイントラネット80へのアクセスを制御する。ルータ100#iはルータ92#iと同様の機能を有する。画像受信部102#iは、画像受信部94#iと同様の機能を有する。
【0026】
以下、図5の動作説明をする。
【0027】
(1) マルチキャストグループへの参加
図7はマルチキャストグループの参加を示すフローチャートである。画像受信部94#i,102#iがマルチキャストグループに参加する場合には、ステップS2において、参加したい画像受信部がマルチキャストプロトコルに従って、マルチキャストサーバ95に対して、マルチキャストグループ参加要求パケットを送信する。ステップS4において、マルチキャスト管理サーバ95は、画像受信部よりマルチキャスト参加要求パケットを受け取ると、パケットの送信元IPアドレスから、図示しないIPアドレスと該IPアドレスの画像受信部がインターネット80/インターネット82のいずれに収容されるかを示す情報を記憶するテーブルを検索して、自イントラネット80に収容される端末であるか否かを判断する。イントラネット80に収容される端末であれば、ステップS6に進む。イントラネット80に収容されない端末であれば、ステップS8に進む。ステップS6において、画像受信部に対して、マルチキャストアドレス224.2.2.2のマルチキャストグループ1に参加許可する。ステップS8において、画像受信部に対して、マルチキャストアドレス224.3.3.3のマルチキャストグループ2に参加許可する。
【0028】
マルチキャスト管理サーバ95は、マルチキャストプロトコルに従って、参加を許可した画像受信部のIPアドレス及びマルチキャストグループのマルチキャストアドレスをルータ92#i(i=a,b,…)、100#i(i=g,…)に通知する。ルータ92#i,100#iは、マルチキャストプロトコルに従って、参加が許可されたマルチキャストアドレス及び該当する出方路に関する情報をルーティングテーブルに登録する。
【0029】
(2) 画像送信部90#1から画像送信
図8は、画像データの送信を示すシーケンスを示す図である。画像送信部90#1は、画像受信部からの送信要求又は契約に基づく定期的な配信により、各画像データフレームをIフレーム、Bフレーム,…,Pフレーム,Iフレーム…と符号化すると共に各Iフレーム,…,をIPパケット化する。図8中の(1)に示すように、IフレームのIPパケットヘッダにマルチキャストグループ1(MG1)のマルチキャストアドレス244.2.2.2を設定して、送信する。同じIフレームについて、そのIPパケットヘッダにマルチキャストグループ2(MG2)のマルチキャストアドレス244.3.3.3を設定して、図8中の(2)に示すように送信する。また、BフレームやPフレームについては、そのIPパケットヘッダにマルチキャストグループ1のマルチキャストアドレス244.2.2.2を設定して、図8中の(3),(4)に示すように、送信する。
【0030】
ルータ92#aは、画像送信部90#1から送信された(1)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、宛先IPアドレスがマルチグループグループ1のアドレス244.2.2.2であるので、ルーティングテーブルを参照して、マルチキャストグルーブ1の端末(画像受信部94#i(i=1,2,…))が収容される出方路に送信する。複数ある場合は、パケットをコピーして送信する。ここでは、出方路が1本なので、図8中の(11)に示すように、ルータ92#dにIフレームを送信する。同様に、画像送信ブ90#1から送信された(2),(3),(4)に示すIフレーム,Bフレーム,Pフレームについても、IPヘッダのIPアドレスがマルチキャストグループ2/1のアドレス244.3.3.3/244.2.2.2であるので、図8中の(12),(13),(14)に示すように、マルチキャストグルーブ2/1の端末(画像受信部94#i(i=1,2,…)/画像受信部102#i(i=4,…))が収容される出方路に送信する。
【0031】
ルータ92#dは、画像送信部90#1から送信された(11)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、宛先IPアドレスがマルチグループグループ1のアドレス244.2.2.2であるので、マルチキャストグルーブ1の端末(画像受信部94#i(i=1,2,…)が収容される出方路に送信する。ここでは、図8中の(21)に示すように、画像受信部94#1が収容される出方路、及び画像受信部94#2,94#3が収容されるルータ92#e,92#fが接続される出方路に図示しないがIフレームを送信する。
【0032】
ルータ92#dは、画像送信部90#1から送信された(12)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、宛先IPアドレスがマルチグループグループ2のアドレス244.3.3.3であるので、図8中の(22)に示すように、マルチキャストグルーブ2の画像受信部102#4への経路となるプロキシサーバ96に送信する。画像送信部90#1から送信された(13),(14)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、宛先IPアドレスがマルチグループグループ1のアドレス244.2.2.2であるので、図8中の(23),(24)に示すように、画像受信部94#1宛てに送信し、図示しない画像受信部94#2,94#3宛てに送信する。
【0033】
画像受信部94#1は、ルータ92#dより図8中の(21),(23),(24)に示すように送信されたIフレーム,Bフレーム,PフレームのIPパケットを受信して、復号化する。このように、広帯域ネットワークに収容される画像受信部94#1は全てのタイプのフレームを受信することができる。プロキシサーバ96は、ルータ92#dより図8中の(22)に示すパケットを受信して、図8中の(31)に示すようにインターネット82中のルータ100#gに送信する。ルータ100#gは、プロキシサーバ96から送信された(31)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、画像送信部90#1から送信された(12)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、宛先IPアドレスがマルチグループグループ2のアドレス244.3.3.3であるので、図8中の(41)に示すように、マルチキャストグルーブ2の画像受信部102#4への経路となるルータ100#hに送信する。
【0034】
ルータ100#hは、ルータ100#gから送信された(41)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、図8中の(51)に示すように、画像受信部102#4に送信する。画像受信部102#4は、図8中の(51)に示すIフレームのIPパケットを受信すると、IPパケットヘッダに参加許可されたマルチキャストグループ2のアドレス224.3.3.3が設定されているので、IPパケットを受信して、復号化する。このように、マルチキャスト機能を用いることにより符号変換部を設けることなく符号化画像を低帯域に変換することができる。以上説明した実施形態によれば、特別の回路を設けることなく、ネットワーク層レベルのIPプロトコルのマルチキャスト機能を用いるだけで画像データが低帯域データに変換することができ、コストを低減することができる。
【0035】
本実施形態では、広帯域ネットワークに収容される画像受信部が構成するマルチキャストグループ1と低帯域ネットワークに収容される画像受信部が構成するマルチキャストグループ2にマルチキャストグループを設けたが、Iフレームを受信できるイントラネット及びインターネットに収容される画像受信部のマルチキャトグループとP/Bフレームを受信できるインターネットに収容される画像受信部のマルチキャストグループを設けても良い。この場合、マルチキャスト管理サーバは、図7中のステップS6において、イントラネットに収容される画像受信部に、Iフレームを受信できるマルチキャストグループ1’とP/Bフレームを受信できるマルチキャストグループ2’に参加許可する。また、図7中のステップS8において、インターネットに収容される画像受信部にIフレームを受信できるマルチキャストグループ1’に参加許可する。そして、画像送信部は、Iフレームについてはマルチキャストグループ1’のマルチキャストアドレスをIPヘッダに設定して送信し、P/Bフレームについてはマルチキャストグループ2’のマルチキャストアドレスをIPヘッダに設定して送信する。
【0036】
第3実施形態
図9は本発明の第3実施形態による画像伝送ネットワーク構成図であり、図2中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。図9に示すように、画像伝送ネットワークは、イントラネット120とインターネット122より構成される。イントラネット120は、複数の画像送信部130#i(i=1,2,…)、複数のルータ42#i(i=a,b,…)及び複数の画像受信部44#i(i=1,2,…)を含む。イントラネット120は、広帯域ネットワークで構成されている。インターネット122は、複数のルータ50#i(i=g,h,…)及び複数の画像受信部52#i(i=5,…)を含む。IPでは、パケットが無限にネットワーク上を巡回することを防止するべくIPパケットヘッダのTTLフィールドを使用し、ルータはIPパケットをルーティングする毎にTTL値をデクリメントして、TTL値が0よりも小さくなると当該IPパケットを破棄している。本実施形態では、TTLフィールドを利用する。本実施形態では、画像送信部130#iからイントラネット120に収容されるどの画像受信部44#j(j=1,2,…)までのホップ数が画像送信部130#iからインターネット122に収容される画像受信部52#j(j=5,…)までのホップ数よりも小さいことを前提としている。
【0037】
図10は図中の画像送信部130#iの構成図であり、図3中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。図10に示すように、画像送信部130#iは、画像符号化部60#i、フレームタイプ別IPパケット化部150#i及びIPパケット送信部64#iを有する。フレームタイプ別IPパケット化部130#iは、次の機能を有する。(1)Iフレーム、Pフレーム、Bフレームの各画像フレームをIPパケット化する。(2)以下のTTL値を含むIPパケットヘッダを作成してIPパケットに付加する。(i)Iフレームについては、TTL値をインターネット122に収容される画像受信部52#j(j=5,…)までの最大ホップ数以上の値、例えば、10とする。尚、TTL値は画像送信部130#i毎の値でも良いし、全ての画像送信部130#i(i=1,2,…)について共通の値でも良い。(ii)Pフレーム及びBフレームのTTL値は、画像送信部130#iからイントラネット120に収容される画像受信部44#i(i=1,2,…)までの最大のホップ数(=3)以上且つインターネット122に収容される画像受信部52#i(i=5,…)までの最小ホップ(=4)よりも小さい値、例えば、3とする。尚、Pフレームを画像受信部52#iに送信する場合には、PフレームのTTLをIフレームのTTLと同じ値にする。
【0038】
ルータ42#i(i=a,b,…),50#i(i=g,h,…)は、次の機能を有する。(1)IPパケットを受信すると、IPパケットヘッダのTTLをデクリメントして、TTLが0以上であるとき、送信先IPアドレスに該当する出方路にIPパケットを送信する、TTLが0よりも小さいとき、当該IPパケットを破棄する。(2)IPパケットを受信すると、IPヘッダのIPアドレスに従ってルーティングする。図11は図9の動作説明図である。図11を参照して、図9の動作説明をする。
【0039】
(a) 画像フレーム送信部130#1から画像受信部44#1に送信する場合
画像フレーム送信部130#1は、配信する画像データをIフレーム/Pフレーム/Bフレームに符号化して、符号化画像データをIPパケット化する。IPパケット化されたフレーム画像のIフレームのTTL=10,P/BフレームのTTL=3をパケットヘッダに設定して、図11中の(100)に示すように、IPパケットをイントラネット120に送信する。画像受信部44#1宛てのIPパケットは、ルータ42#aでTTLがデクリメントされて、図11中の(101)に示すように、IフレームについてはTTL=9,P/BフレームについてはTTL=2となり、ルータ42#dでTTLがデクリメントされて、図11中の(102)に示すように、IフレームについてはTTL=8,P/BフレームについてはTTL=1となり、画像受信部44#1で受信される。尚、画像受信部44#2宛ての場合は、IPパケットはルータ42#eでTTLがデクリメントされて、図11中の(103)に示すように、IフレームについてはTTL=7,P/BフレームについてはTTL=0となり、画像受信部44#2で受信される。即ち、イントラネット120に収容される画像受信部44#i(i=1,…)は、Iフレーム,Pフレーム及びBフレームを受信することができる。
【0040】
(b) 画像フレーム送信部40#1から画像受信部52#4に送信する場合
画像フレーム送信部130#1が画像受信部52#4宛てのIPパケットを送信し、IPパケットはルータ42#a,42#dを経由して、ルータ50#gに送信されるまでの処理は、図11中の(100)〜(102)と同様である。画像受信部52#4宛てのIPパケットは、ルータ50#gでTTLがデクリメントされて、図11中の(104)に示すように、IフレームについてはTTL=7,P/Bフレームについては、TTL=0となり、ルータ50#hでTTLがデクリメントされて、図11中の(105)に示すように、Iフレームについては、TTL=6となり画像受信部52#4に送信され、P/Bフレームについては、負の値となり破棄される。即ち、インターネット122に収容される画像受信部52#4は、Iフレームのみを受信することができる。以上説明した実施形態によれば、特別の回路を設けることなく、ネットワーク層レベルのIPプロトコルを用いるだけで画像データが低帯域データに変換することができ、コストを低減することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、IPプロトコルを用いて低帯域ネットワークへの画像データの転送速度の制御を行うので符号化変換部が不必要となりコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理図である。
【図2】 本発明の第1実施形態による画像伝送ネットワークの構成図である。
【図3】 図2中の画像送信部の構成図である。
【図4】 図2中のプロキシサーバの構成図である。
【図5】 本発明の第2実施形態による画像伝送ネットワークの構成図である。
【図6】 図5中の画像送信部の構成図である。
【図7】 マルチキャストグループの参加許可のフローチャートである。
【図8】 画像データの送信を示すシーケンスチャートである。
【図9】 本発明の第3実施形態による画像伝送ネットワークの構成図である。
【図10】 図9中の画像送信部の構成図である。
【図11】 図9の動作説明図である。
Claims (3)
- 各画像フレームが符号化方式の該当タイプに応じて符号化された画像符号化フレームをIPパケット化して送信する画像送信部と複数のルータと画像受信部とを含む画像伝送ネットワークであって、
各IPパケットヘッダのTTLフィールドに該パケットが収容する前記画像符号化フレームの前記タイプに応じたTTL値を設定する前記画像送信部に設けられたタイプ別ヘッダ作成部と、
前記IPパケットヘッダのTTL値をデクリメントしてIPパケットヘッダを更新する前記ルータに設けられたTTL更新部と、
前記TTL更新部により更新されたTTL値が所定値よりも小さくなると該TTL値に更新されたパケットを破棄する前記ルータに設けられたフィルタリング処理部と、
を具備したことを特徴とする画像伝送ネットワーク。 - 前記符号化方式はMPEG方式であり、前記タイプに応じて符号化された画像符号化フレームはIフレーム,Pフレーム及びBフレームであり、前記タイプ別ヘッダ作成部は、Iフレームについては前記TTL値として前記画像受信部が受信可能となる第1設定値を設定したパケットヘッダを作成し、Pフレーム及びBフレームについては前記第1第1設定値よりも小さい第2設定値を設定したパケットヘッダを作成することをすることを特徴とする請求項1記載の画像伝送ネットワーク。
- 前記画像送信部はイントラネットに収容され、前記画像送信部からイントラネットに収容される画像受信部までのホップ数の最大値が前記画像送信部からインターネットに収容される画像受信部までのホップ数の最小値より小さく、前記第2設定値は前記最大値と前記最小値との間の値であることを特徴とする請求項2記載の画像伝送ネットワーク。
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