JP3914104B2 - Icカード用アンテナコイルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカード用アンテナコイルの製造方法に関し、特にマグネットワイヤーによるアンテナコイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、価格が安く、安定した電気的特性を有するマグネットワイヤーをICカードのアンテナコイルの形成に使用する技術が開発された。マグネットワイヤーを用いてアンテナコイルを形成する方法として、例えば、特開平11−156465号に開示されているものが知られている。この方法は、樹脂フィルム上に軟化温度が低い熱可塑性樹脂をラミネートしたものにアンテナコイルのパターンを接着させアンテナコイルを製造するものである。
【0003】
図6は、従来の超音波を用いたアンテナコイルの形成の工程を示す説明図である。巻線プレート1は、垂直駆動ブロック2に取り付けられ、垂直駆動ブロック2は、ガイドブッシュを有し、ガイドポストと協働して上下に駆動する機構を成している。
【0004】
巻線プレート1には、マグネットワイヤー3を誘導するためのガイドピン4A〜4H、4I〜4Nがプレートに垂直に配置され、バネによってコイル形成側に付勢されている。この状態でマグネットワイヤー3は、ガイドピン4A〜4H、4I〜4Nに沿いアンテナコイルパターン状に巻き付けられ、張力制御装置5によって適度な張力を受け、アンテナコイルパターンを保持する。
【0005】
ベースブロック6には、加熱用のヒーター7が内蔵されており、ベースブロック6上には、樹脂フィルム8が配置され表面に軟化温度が低い熱可塑性樹脂9がラミネートされている。このアンテナコイルの形成法は、ヒーター7の加熱によって樹脂フィルム8の表面の軟化温度が低い熱可塑性樹脂9層を軟化しておき、巻線プレート1上に形成したアンテナパターンを、巻線プレート1ごと樹脂フィルム8に押し付け、接着固定するものである。
【0006】
また、軟化温度が低い熱可塑性樹脂等の接着剤を使用せず樹脂フィルムとマグネットワイヤーのみでアンテナコイルを形成する方法として、図7に示すように、超音波振動と押し付け荷重を加えつつアンテナコイルのパターン上をトレースすることで、コイルを樹脂フィルム内に埋め込み固定する方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軟化温度が低い熱可塑性樹脂を用いてアンテナコイルを形成する方法は、短時間に多量の生産が可能な反面、軟化温度が低い熱可塑性樹脂等の接着剤は高価であり、アンテナコイルの固定は容易であるが、資材費が高くなってしまう。また、超音波を使用しアンテナコイルを形成する方法は、軟化温度が低い熱可塑性樹脂を使用せずコイルと樹脂フィルムのみでコイルを形成できるが、アンテナのパターンをトレースしながら超音波振動によってワイヤーを埋め込んでいくため、埋め込み速度に限界があり、1つのアンテナコイルのパターンを埋め込む作業に数十秒要し、高速にアンテナコイルを形成できない。このような処理能力の低い、かつ高価な超音波振動発生装置を持つ製造設備の場合、原価償却費が非常に大きく、アンテナコイルの製造コストを低減することは困難である。
【0008】
これらに対し、有利な手段としては、コイルを通電発熱させ樹脂フィルムに埋め込み固定する方法がある。軟化温度が低い熱可塑性樹脂等の接着剤不要で高速にアンテナコイルを形成する方法であるが、コイル通電発熱によって樹脂フィルムに埋め込んだ場合、断面図は図5(a)に示すようになる(図は使用せず、文章で説明)。コイルは、樹脂フィルムに垂直に沈み込んだ状態となり、樹脂フィルムの屈曲に対して剥離しやすい接着状態となる。
【0009】
従って、本発明の目的は、コイルを通電発熱させ樹脂フィルムに接着固定するアンテナコイルの形成法において、軟化温度が低い熱可塑性樹脂等の接着剤を使用せずにコイルと樹脂フィルムの接着力を強化する方法であって、生産コストを低く抑え、且つ高速に生産可能とするICカード用アンテナコイルの製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マグネットワイヤーによって樹脂フィルムにアンテナコイルのパターンを形成するICカード用アンテナコイルの製造方法において、アンテナコイルのパターンを通電発熱させ前記樹脂フィルムに押し付け、前記コイルの線径の半分以上の埋め込み深さで前記コイルの両側に前記樹脂フィルムが盛り上がった状態で接着する前工程と、前記樹脂フィルムに仮固定した前記コイルのパターンを加熱したプレートで瞬時に押し込み、前記樹脂フィルムの盛り上がった部分で上面を覆って前記樹脂フィルム内に埋め込み固定する後工程からなるICカード用アンテナコイルの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態によるICカード用アンテナコイルの製造方法について、以下に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態によるICカード用アンテナコイルの製造方法での、アンテナコイル形成の前工程で用いられる治具の説明図である。図1にて、巻線プレート1と並列にコイルと導通を図るための電極を有する通電チャック10が並列に配置され、巻線プレート1と通電チャック10は、それぞれ垂直に駆動する。巻線プレート1上には、マグネットワイヤー3でアンテナコイルパターンが形成され、ベースブロック6上には樹脂フィルム8を配置する。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態によるICカード用アンテナコイルの製造方法での、アンテナコイル形成の前工程において、コイルを通電発熱させ樹脂フィルムに接着固定している状態を示す説明図である。図2の本発明のアンテナコイル形成の前工程で用いられる治具において、巻線プレート1と通電チャック10を張力制御装置5側に押し付けた状態を示す。巻線プレート1に形成されたアンテナコイルパターンが樹脂フィルム8に押し付けられ、通電チャック10の電極先端をコイル両端部に接触させる。ここで、通電チャック10に適切な荷重を加え、コイル芯部と導通をとり、通電発熱させ巻線プレート1上のコイルパターンを樹脂フィルム8に固定する。ここで、コイル芯部は、コイルの絶縁被膜を除去した導体部である。ここで、樹脂フィルム8は、熱可塑性樹脂であり、材質は、PET(ポリエチレンテレフタレート)あるいは塩化ビニール等が使用される。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態によるICカード用アンテナコイルの製造方法での、アンテナコイル形成における後工程で用いる治具の説明図である。垂直駆動ブロック2には、アンテナコイルを樹脂フィルム内に部分に埋め込み固定するためのコイル押し込みプレート11が取り付けられ、コイル押し込みプレート11には、加熱用のヒーター12が内蔵されている。また、べースブロック6上には、前工程を経てアンテナコイルパターンを接着固定した樹脂フィルム8を配置する。
【0017】
図4に、本発明のアンテナコイル形成における後工程で用いる治具において、コイル押し込みプレート11を張力制御装置5側に押し付けた状態を示す。コイル押し込みプレート11は、ヒーター12により適度に加熱され、同時にコイル各所を押し込む。コイルは、周辺の樹脂を融解しフィルム内部に埋め込まれる。この埋め込み動作を瞬時に行うことで、コイル周辺部以外で樹脂フィルム融解を生じさせることなくアンテナコイルを埋め込み固定することができる。
【0018】
図5は、φ0.1のポリウレタン被覆線を用いアンテナコイルを形成した際のコイルと樹脂フィルムの断面図である。図5(a)は、図1、図2で示したアンテナコイル形成の前工程において、アンテナコイル全体を荷重20kgfで押し付け電流9Aを0.2秒間通電し発熱させた場合の断面図である。コイルが線径の半分以上埋め込まれることで押し退けられた樹脂がコイル両側に盛り上がり、コイルを両側から固定する。
【0019】
図5(b)は、この接着部分を図3、図4で示したアンテナコイル形成の後工程において、温度150℃のプレートを15kgfの荷量で0.5秒間押し付け埋め込みした場合である。コイルは、樹脂フィルム内に埋め込まれ、且つ前工程にてコイル両側に盛り上がった樹脂がコイル上面を覆い、しっかりとした埋め込み固定を実現する。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、ICカード用アンテナコイルの製造方法において、安価なマグネットワイヤーをコイル材とし、且つ軟化温度が低い熱可塑性樹脂等の接着剤不要でアンテナコイルの製造が可能となる。マグネットワイヤーと樹脂フィルムのみでアンテナコイルを形成することが可能となり、またコイルの通電発熱によるアンテナコイルの接着固定とコイルの加熱埋め込みは瞬時に行われるため製造タクトが伸びることはない。従って、生産コストを低減し、かつ高速で生産可能なICカード用アンテナコイルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるICカード用アンテナコイルの製造方法のアンテナコイル形成の前工程で用いられる治具の説明図。
【図2】本発明のアンテナコイル形成の前工程において、コイルを通電発熱させ樹脂フィルムに接着固定している状態を示す説明図。
【図3】本発明の実施の形態によるICカード用アンテナコイルの製造方法のアンテナコイル形成の後工程での治具の説明図。
【図4】本発明のアンテナコイル形成の後工程において、コイルをプレートで加熱押し付けして樹脂フィルム内に埋め込み固定している状態を示す説明図。
【図5】本発明のアンテナコイル形成の工程を経たアンテナコイルと樹脂フィルムの断面図。図5(a)は、コイルを通電発熱させ樹脂シートを接着固定した場合の断面図、図5(b)は、図5(a)のコイルを加熱プレートで埋め込み固定した場合の断面図。
【図6】従来の軟化温度が低い熱可塑性樹脂を用いたアンテナコイルの形成の工程を示す説明図。
【図7】従来の超音波を用いたアンテナコイルの形成の工程を示す説明図。
【符号の説明】
1 巻線プレート
2 垂直駆動ブロック
3 マグネットワイヤー
4A〜4H ガイドピン
4I〜4N ガイドピン
5 張力制御装置
6 べースブロック
7 ヒーター
8 樹脂フィルム
9 軟化温度が低い熱可塑性樹脂
10 通電チャック
11 コイル押し込みプレート
12 ヒーター
Claims (1)
- 樹脂フィルムにアンテナコイルのパターンを形成するICカード用アンテナコイルの製造方法において、前記アンテナコイルのパターンを通電発熱させ前記樹脂フィルムに押し付け、前記コイルの線径の半分以上の埋め込み深さで前記コイルの両側に前記樹脂フィルムが盛り上がった状態で接着する前工程と、前記樹脂フィルムに仮固定した前記アンテナコイルのパターンを、加熱したプレートで瞬時に押し込み、前記樹脂フィルムの盛り上がった部分で上面を覆って前記樹脂フィルム内に埋め込み固定する後工程からなることを特徴とするICカード用アンテナコイルの製造方法。
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